チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

5/19 リリースの新曲の初動 

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新企画です。今週にリリースされた新曲の調子はいかが?ということを探ろうと思います。

新リリース曲の調子を知りたい方、また単に今週どんな曲がリリースされたかを知りたい人にもオススメの記事です。

今週リリースされた曲のアメリカでのSpotifyiTunesでの初動を調べるというものです。

まずはSpotify。ソースは これ

 

Spotify Daily 5/19  

1 Kendrick Lamar HUMBLE.
2 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber Despacito
3 DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
4 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
5 Future Mask Off
6 Kendrick Lamar DNA.
7 Selena Gomez Bad Liar
8 Logic ft. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
9 Post Malone ft. Quavo Congratulations
10 Miley Cyrus Malibu
40 Liam Payne ft. Quavo Strip That Down
54 Katy Perry ft. Nicki Minaj Swish Swish
57 Camila Cabello Crying in the Club
98 Bebe Rexha ft. Lil Wayne The Way I Are (Dance With Somebody)
139 Linkin Park Sorry For Now
152 XXXTENTACION Looking for a Star
162 Lil Yachty X Men
174 Francis and the Lights ft. Chance the Rapper May I Have This Dance
191 Robin Schulz ft. James Blunt OK

★トップ10は参考までに載せていますが、太字以外は新曲ではないです。

※Selena GomezのBad Liarは木曜日リリース。

今週リリースの曲の中で一番勢いがあるのはSelena GomezのBad Liar。Pithcfork様からBest New Track認定を頂くという快挙も成し遂げています。木曜日なのもあって、来週のHot 100にすぐに登場しそう(他の今週リリースの曲は再来週のHot 100で登場)。現在Justin BieberがHot 100を制圧していますが、それにどこまで対抗できるでしょうか…?

2番人気は元One DirectionのLiam Payneのソロデビュー曲。Ed Sheeranがソングライトし、客演がQuavoという流行を取り入れた布陣。本人はヒップホップを意識した曲を作ると述べているようですが、どちらかというとEd Sheeran成分強めですかね。(特に"Don't"っぽい……?)

それに次ぐSwish SwishCrying in the Clubは制作陣に注目。

Katy Perryの新曲Swish Swishは前シングルBon Appétitに引き続きダンサブルな曲に。制作陣にはDuke Dumontの名が!彼はイギリスでは1位シングル2曲+2位シングル1曲とヒットを何回か飛ばしていますが、アメリカでのHot 100入りは今までなし。アメリカ人のKaty Perryとしては意外な所を呼んだな、とも思いますが、昨今ポップス界で影響を強めるストリーミングサービスとは合いそうな曲調で、ヒットを多少は期待できるかもしれません*1。少し復調?してきたBon Appétitとともにアルバムでどこまで巻き返すかに注目です。

元Fifth HarmonyのCamila Cabelloのソロデビュー曲Crying in the ClubはBenny Blanco、Sia、Cashmere Catと強力な布陣。さらにChristina AguirellaのGenie in a Bottleもサンプリングするというなかなか濃い一曲。LordeやCharli XCXも賞賛する1曲ですが、成功を掴めるか…?この曲がCamilaのソロキャリアを左右するでしょうかね。

あとBebe RexhaThe Way I Are (Dance With Somebody)。このシングルは3枚目のEP(今年出したEPの続編)からのシングルらしいです。アルバムは出さずにEPを出しまくるのか……ちなみにその今年出したEPのシングルの、Ty Dolla $ignとのBad BitchがSpotify 78位でそのうちHot 100に登場するかもしれません。

最後にLinkin ParkSorry For Now。今週アルバムをリリースした彼らですが、シングルのHeavy(Spotify157位)を上回るアルバムで1番人気の曲だそう。ダウンロードでは現在アルバム1位のようですが、ストリーミングでの数字が足りていないような……先週アルバムをリリースしたHarry Stylesとのレースを制することができるか。

 

最後に iTunes

1 Liam Payne ft. Quavo Strip That Down
3 Selena Gomez Bad Liar
9 Camila Cabello Crying in the Club
15 Katy Perry ft. Nicki Minaj Swish Swish
32 Logan Paul ft. Why Don't We Help Me Help You
84 Bebe Rexha ft. Lil Wayne The Way I Are (Dance With Somebody)
88 Muse Dig Down

 

こちらだとLiam Payneが一番人気。ちなみにほぼダウンロードのみでHot 100に入るためのボーダーラインは25位~20位くらいです。

*1:「プロモーショナル」シングルらしいですが

Billboard Hot 100 5/27 見どころ 【約10年前に大活躍だったChris Brown、Justin Timberlakeの現在地】

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こんばんは。今回のテーマはこの2人!Chris BrownJustin Timberlake。今週、彼らの曲がチャートから外れたのですが、それまでその曲がどのようなチャートアクションを取ったのかということから、彼らの現在地を探ろうと思います。

 

 

89 Chris Stapleton – Either Way (New)

アルバムの「セールス」では1位だったものの、ストリーミング等を加算する「アルバムチャート」のBillboard 200では2位だったChris Stapleton。そのアルバムからはEither Wayが89位で登場。

 

64 Miley Cyrus – Malibu (New)

木曜リリースで1日集計ながらも、多くのダウンロード等でポイントを稼ぎ、64位で登場したMiley CyrusのMalibu。新登場の曲の中では一番高い順位(=Hot Shot Debut)1週間フルでポイントが入る来週は大きな上昇が見込まれます。実際、先週木曜リリースながらも90位で登場したNiall HoranのSlow Handsは今週52位まで順位を上げています。

 

56 Migos ft. Gucci Mane – Slippery (Re)

MigosとGucci ManeのSlipperyが56位で再登場。アルバムリリース時のHot 100の順位もシングルのBad And Boujee、T-Shirtに次ぐ順位と元から人気のある曲でしたが、ビデオのリリース*1が追い風になったのか、ストリーミングが全体的に伸びました。(今週ストリーミングが50位圏外から30位と上昇) まだラジオではかかっていないようで*2シングル化はまだのようですが、そのうちシングル化されるでしょうか。

 

47 Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255 (↑)

セールスでは2位ながらもストリーミング等での数字により見事今週のアルバムチャート1位を獲得したLogicのEverybody。そのアルバムの中で最も注目を集めたのは1-800-273-8255。ストリーミング増により47位まで順位を上げました。アルバムからは他にもEverybodyが71位で再登場しました。

※ストリーミング量から推測して、もう少し多くの曲がHot 100に登場するかと思いましたが、2曲とは意外と少なかったです。とはいえ、アルバム1位は見事です!

 

38 Ed Sheeran – Castle on the Hill (↑)

約1ヶ月前に「シングル化宣言」がなされたCastle on the Hill。正直なところ「今までシングルじゃなかったのか……」といったところですが、その宣言通りここ1ヶ月で少しずつ順位が上昇し、今週は38位とトップ40に復帰。アルバムリリース週以来のトップ40。ラジオでのポイントが復調の要因。Shape of Youと共にリリースされた週は6位で登場したこの曲ですが、再びその順位に近づけるでしょうか。

※ちなみにビデオがリリースされたGalway Girlが今週94位で再登場しています。こちらもシングルという報道がされていましたが、果たして……?

 

36 Childish Gambino – Redbone (↑)

少しずつ順位を上げていたChildish GambinoのRedboneが今週36位とついにトップ40入り。彼にとって初のトップ40。23週目のトップ40と遅咲きですが、まだまだ順位を伸ばしそうな予感がします。Hip-Hop/R&B系ラジオで4位と好調。

 

29 French Montana ft. Swae Lee – Unforgettable (↑)

French MontanaとSwae LeeのUnforgettableが29位まで上昇。トップ40に突入。上昇の要因は #unforgettabledancechallenge 等によるストリーミングでの好調。既にイギリス、カナダではトップ10入りしていて、二人の本拠アメリカでもいずれはトップ10に入るか。Swae Leeによるサビパートの中毒性が高く、夏を彩るヒット曲の一つになる予感がします。

ダンスホール調でノリが良く、ポップ系のリスナーへの受けも良さそうで、ジャンルを超えたヒットになるかも。

 

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber – Despacito (↑)

Justin Bieberのリミックスがリリースされて以降特大ヒットとなったDespacitoがついに1位を獲得。英語以外*3の曲が1位を獲得するのは21年ぶりかつ史上7曲目。ダウンロード、ストリーミングで1位を獲得しています。

5週連続で異なる曲が1位を獲得するなど、入れ替わりが最近ですが、このDespacitoはどこまで高い順位をキープできるでしょうか。先週1位のI’m the Oneはダウンロードとストリーミングは落としていますが、ラジオのポイントを大きく上昇させていて、1位への復帰もあるかも…?とにかく、激戦区のチャートから目が離せません。

※ちなみに同一アーティストが2週連続で異なる1位曲を”新たに”生み出すのはこれが初(Justin BieberによるI’m the One→Despacito)、またJustin Bieberの曲同士が1位で入れ替わるのはこれが2回目で、(2016年のSorry→Love Youreself)史上3人目。(1964年のThe Beatlesの異なる3曲(I Want to Hold My Hand→She Loves You→Can’t Buy Me Love)での連続1位、2004年のUsherの(Yeah!→Burn / Burn→Confession Part 2)に次ぐ)

Justin Bieberの人気は凄まじいですが、先週のI’m the Oneが5人の大所帯*4になるなど、近年は客演の人数が増加しており、前よりこの系統の記録が生まれやすくなっているため、ビートルズとの単純の比較は難しいかもしれないです。

 

× Dwayne Johnson – You’re Welcome (↓)

2020年の大統領選への立候補が報じられ、山籠もり中?の「神」ことKanye*5のライバルになるとも考えられる?ロック様ことDwayne Johnson。彼はディズニー映画Moanaで歌も担当していましたが、そのYou’re Welcomeは今週チャート圏外へ。12月頃からMoanaの曲が何かしらHot 100に入り続けていましたが、今週は0曲になり、一段落。

 

× Starley – Call On Me (↓)

StarleyのCall On Meがチャート圏外へ。Hot 100の順位には表れづらいヒットの仕方をした1曲。Ryan RibackのリミックスがSpotifyを中心にヒットし、その後ラジオでもかかるようになってHot 100にも入った、というような経緯の曲。しかしSpotifyでのピークが1月末、ラジオでのピークが4月末と離れていて、ピークが2つ出来てしまいます。その影響でロングヒットにはなるものの、それぞれのポイントが散っていて最高順位が高くはなりづらく、なんとも惜しい気がします。ラジオをチャート計算に導入しているHot 100特有の悩みです。同じようなことが、Spotifyで先にヒットしたAJRのWeakにも言えます。

 

× Future ft. Rihanna – Selfish (↓)

2月に連続でリリースしたFuture、HNDRXXがいずれもアルバムチャートで1位を獲得したFuture。それに伴い、複数曲がHot 100に登場しましたが、このRihannaとのSelfishがチャート圏外に外れたことにより、残りは現在6位のMask Offのみに。他の”Future”と”HNDRXX”の曲を今後どのようにプロモーションするのか、またはプロモーションせずにまた新しい曲をリリースするのか注目したいです。

 

× Chris Brown ft. Usher & Gucci Mane – Party (↓)

Chris BrownのPartyが20週のチャート滞在を終えてチャート圏外へ。ピークは40位ながらも50位前後にいた期間が長いため、トータルで見ればピーク20位で2016年間チャート89位となったBack to Sleepと同程度のヒット具合と思います。曲をリリースすれば安定してトップ40とヒットしているという見方も出来ますが、この順位からは、例えば2008年に年間チャートトップ10に3曲(Forever, With You, No Air)も送り込んだ時のような勢いは感じられません。

また、「ラップ曲の客演歌パート役」としても高い支持を得てきた彼ですが、近年は客演の枠にThe Weeknd、JeremihなどのChris Brownと同じ「甘い声の歌パート役」、はたまた「声出し役」としての“客演DJ Khaled”!?等、ライバルが多数台頭。

かつてのような再ヒットを狙うか、客演仕事を増やすか、それとも他のジャンルへ進むか、もしかしたら路線変更が求められる時期なのかもしれません、現在77位のPrivacy含めて今後の彼の動向に密かに注目です。

 

× Justin Timberlake – Can’t Stop the Feeling! (↓)

先週までの52週=1年のチャート滞在を終えて、チャートから外れたJustin TimberlakeのCan’t Stop the Feeling!。見事なロングヒットでした。先週39位だったのですが、「53週目以降の曲が26位以下に落ちた時はチャートから外れる」というルールにより、チャートから外れました。

1位で登場するロケットスタートだったこの曲でしたが、息の長いロングヒットとなったこの曲、今まで18曲1位でHot 100に登場した曲があるのですが、その中でもこの曲は最も長いチャートインを記録しています。(52週、今まではShake It Offの50週が最長)

1位で登場するような勢い、そして長く愛されるような定着度を併せ持ったこの曲のチャート成績から、Justin Timberlakeの健在ぶりが伺えます。

※最近、彼がかつて所属したN’Syncの代表曲It’s Gonna Be Meをもじって、5月ということでIt’s Gonna Be May というのが多少ブームになりました。このIt’s Gonna Be Meは2000年の曲で、彼の息の長さが分かります。

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

99 Lil Yachty ft. Migos – Peek A Boo (Re)

98 Drake – Gyalchester (Re)

97 Midland – Drinkin’ Problem (New)

95 Big Sean – Moves (Re)

94 Ed Sheeran – Galway Girl (Re)

79 Blake Shelton – Every Time I Hear That Song (New)

71 Logic – Everybody (Re)

 

上記以外でトップ40にはじめて突入した曲

40 Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne – I’m the One

今週最もダウンロードが上昇した曲 Harry Styles – Sign Of The Times

今週最もストリーミングが伸びた曲 Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255

最も高い順位で新登場した曲          Miley Cyrus - Malibu

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

Calvin Harris ft. Khalid & Future – Rollin’ (Spotify 23位)

Play-N-Skillz ft. Frankie J, Becky G & Kap G - Si Una Vez (Shazam 28)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 35位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 36位)

Josh Ritter – Homecoming (Shazam 43位)

Trey Songz – Nobody Else But You (Shazam 49位)

※Cheat Codes ft. Demi Lovato – No Promises (Shazam 54位)

 

注目はCalvin HarrisのRollin’。人気者Futureを客演に入れたこともあり好調。Slideを越えるかも。そしてポップ系ラジオで好調の2曲にも注目。ポップ(ラジオ)チャートでSi Una Vezは40位、No Promisesは33位。前者はネクスト・Despacitoとして期待されています。後者は近いうちにHot 100に登場しそう。

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

99 Dwayne Johnson – You’re Welcome

97 Starley – Call On Me

95 Future ft. Rihanna – Selfish

93 Harry Styles – Sweet Creature

89 Kendrick Lamar – YAH.

※80 Chris Brown ft. Usher & Gucci Mane – Party

79 Kendrick Lamar ft. U2 – XXX.

76 Katy Perry ft. Migos – Bon Appétit

67 Kygo & Ellie Goulding – First Time

※※39 Justin Timberlake – Can’t Stop the Feeling! 

 

Bon Appétitは近いうちにHot 100に復帰はするでしょう……高い順位を記録するかは不明ですが……

*1:音源はアルバム全曲YouTubeにもとから上がっていますが

*2:Hip-Hop/R&B Airplayチャートで50位圏外

*3:一部Justin Bieberが英語で歌っているが、基本スペイン語なので

*4:1位の曲としては歴代最多の人数

*5:彼も2020年の大統領選の立候補を仄めかしている

Billboard Hot 100 5/20 【LordeのGreen Lightの動向など】

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こんばんは。今週はのチャートは新登場/再登場が多めの15曲。見どころ多めの週ですかね!写真はInstagramでのLorde。後半に彼女のGreen Lightについて触れます。

 

 

93 Harry Styles – Sweet Creature (New)

今週初のソロアルバムがリリースされるHarry Styles。それに先立ちSweet Creatureをリリース。93位で登場。昨年のZaynに引き続きアメリカでアルバム1位を取れるでしょうか。同じ週にはParamore(前アルバム1位)、Zac Brown Band(前アルバム1位)、Machine Gun Kelly(前アルバム4位)がアルバムをリリースしますが果たして……

 

91 Playboi Carti – Magnolia (New)

Playboi Cartiが今年4月にリリースしたミックステープから2曲がHot 100に。このMagnoliaが91位、Lil Uzi Vertとの*wokeuplikethisが100位に。そのミックステープはリリース時にアルバムチャート12位と注目を集めています。今年の台風の目になり得るでしょうか。

 

90 Niall Horan – Slow Hands (New)

Niall HoranのSlow Handsが90位で登場。木曜日という珍しいリリース日により集計期間はわずか1日分。来週の大幅な順位上昇が見込まれます。前シングルのThis Townよりも注目を集めているのではないでしょうか。

 

87 Chris Brown – Privacy (New)

Chris BrownのPrivacyが87位で登場。3月のリリースから少し時間を置いての登場。Partyに引き続き、次のアルバム(Heartbreak on a Full Moonというタイトル?)のシングルと思われます。ここ2作品はアルバム1位を取り逃している彼ですが、久々のアルバム1位を取れるでしょうか。

※来週Chris Brownを大きく取り上げる予定です。

 

76 Katy Perry ft. Migos – Bon Appétit (New)

Katy PerryがMigosを迎えたBon Appétitが76位で登場。前シングルChained to the Rhythmが今週74位(12週目)まで落ちてしまい、現在背水の陣に置かれているKaty Perry。その状況下でサウンド面、またショートカットを披露したアートワーク等かなり挑戦的な曲をリリースしたと言えます。前アルバムで2番目*1にリリースされたDark Horseが17位で登場したことを考えると最初の週の順位は低めに感じますが、現在勢いのあるMigosのパワーも借りて巻き返せるでしょうか。

※今年Bad and Boujeeで1位を獲得したMigosですが、ポップ系ラジオではそこまで人気ではなく31位止まり。ポップ系ラジオでの影響は限定的?なのでMigos等ヒップホップ系リスナーにどう響くかが巻き返せるかの鍵でしょうか。

 

70 Imagine Dragons – Thunder (New)

先日アルバムのリリースを発表したImagine Dragons。(6月。タイトルはEvolve)それに先駆けThunderをリリース。70位で登場。今週20位まで上昇したBelieverはRadioactiveを彷彿とさせる重厚なサウンドですが、このThunderはOn Top of the Worldを彷彿とさせる軽やかなサウンドです。*2

 

67 Kygo & Ellie Goulding – First Time (New)

KygoとEllie GouldingのFirst Timeが67位で登場。It Ain’t Me(現在10位)に引き続きビッグネームを起用。連続でヒットを飛ばせるか。Ellie Gouldingは2012年~2016年で5年連続年間チャートに入り続けていて、その記録を伸ばすことも期待できそう。

 

61 Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255 (New)

先週アルバムをリリースしたLogicがアルバムに先駆けリリースしていた1-800-273-8255(アメリカの自殺予防センターの電話番号)が61位で登場。アルバムのリリースが反映されるのは次のチャート。この1-800-273-8255はアルバムのなかで一番人気のようで、どこまで順位を上げるか。

※実はこの3人全員Zedd同窓会です。(LogicはTransmission*3で、Alessia CaraはStayで共演済、KhalidもZeddとのコラボを仄めかしています

 

34 Luke Combs – Hurricane (↑)

カントリー歌手Luke CombsのHurricaneが34位に上昇。先週のBrett Youngに引き続き2週連続でカントリー歌手が初のトップ40を記録したということに。昨年は年間チャートにカントリー曲がわずか3曲でしたが、今年の年間チャートではもう少し多くのカントリー曲が見られるのでしょうか。

 

32 Travis Scott ft. Kendrick Lamar – Goosebumps (↑)

中位に長く留まり、なかなか上位に上がれずに一回はチャートから外れたTravis ScottのGoosebumpsでしたが、ビデオのリリース後は好調。今週32位まで上昇しトップ40入り。アルバム1位など地歩を固めてきたTravis Scottですが、意外にも客演以外でのトップ40はAntidoteに続きまだ2曲目。

 

23 The Chainsmokers ft. Halsey – Closer (→)

1位連続12週に加え、トップ10滞在32週(歴代最長タイ)とロングヒットとなっているCloser。トップ10から落ちて以降も下降スピードはゆるやかでCloserよりも24週後にリリースされた後続シングルのParis(今週24位)をなんと抜き返しました。これだけロングヒットなので、昨年の年間チャートでの順位並に高い順位を今年の年間チャートでは記録すると思われます。(個人的には6位予想、10位以内に入る可能性はとても高いでしょう)

 

1 DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne – I’m the One (New)

I’m the Oneがダウンロード、ストリーミングで高い数字を記録し、見事に1位デビュー。DJ KhaledとChance the Rapperは初の1位。*4Chanceはトップ40すら初めて。*5ft.以下が長いこのシングルですが、5人がクレジットされている曲が1位を取るのは初のようです。(それまではPitbullのGive Me Everything、Christina AguileraなどのLady Marmaladeでの4人が最多)

良い意味で力の抜けたサウンドが夏とぴったりで、これから長い間ヒットする予感。同じくJustin Bieberが客演に入ったDespacitoがどこまで伸びてくるかにもよりますが、このI’m the Oneは夏を制して年間チャートで3位になるのでは?と個人的に予想しております。*6

 

× Lorde – Green Light (↓)

リリース時には大きく注目を集め、事実上のリリース週*7 には19位と高い順位だったのですが、その後は順位を落とし続けて今週ついにチャート圏外へ。今のところわずか9週間のチャート滞在。依然として音楽メディアからの注目度は高いように感じますが、ヒット度という観点からは苦しい結果に。

 

※↓個人的な考察

Green Lightがヒットチャートで奮わなかった理由の一つは、この曲が「重い」からと考えています。「重い」とはどういうことか、それは1回聴けば満足感が味わえるということです。この曲は「壮大」でアルバム単位でのピークとして大きな役割を果たすであろうと予想しています。

しかしその反面、この曲を単体でリピートするには不向きなように思います。おそらくこの曲はアルバム単位ではこの曲の前か後ろに「クッション」のような曲を置いてバランスを取ると予想しています。しかしまだアルバムがリリースされていないので、この曲に対応する「クッション」がまだ用意されていません。故にストリーミングでのプレイリストやラジオで再生されても「クッション」不在によりこの曲の真価を発揮できない?可能性もあります。

現在Hot 100はダウンロード、ストリーミング、ラジオによって構成されていますが現在はダウンロードの低下により主にストリーミングの影響力が強くなっています。ストリーミングのチャート上での特徴とは何か?それは「再生数の多さ」によって順位が決まるということ。つまり、1回での満足感の強い「重い」曲よりも、クセになる、リピートしたくなる「軽い」曲がストリーミングの時代では有利になるのでは?と推測できます。チャートでストリーミングの存在感が上昇するのは、「実際に再生されている曲」の評価が向上し、以前よりも「名より実」に近づく効果もある一方、リピートに向いていないタイプの曲(「壮大」以外にも単純に曲の長さが長い曲なども含む)をうまく評価できないという面もあるのかもしれません。この曲がヒットしなかった理由はこれだけではないかもしれませんが。

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

100 Playboi Carti ft. Lil Uzi Vert - *wokeuplikethis (New)

99 Dwayne Johnson - You're Welcome (re)

98 Cole Swindell - Flatliner (re)

96 Nicky Jam - El Amante (re)

94 Lady Antebellum - You Look Good (re)

84 Rag'n'Bone Man - Human (re)

 

上記以外でトップ40にはじめて突入した曲

38 Halsey- Now or Never

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲           Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

今週最もダウンロードが上昇した曲  Imagine Dragons - Believer

今週最もストリーミングが伸びた曲 French Montana ft. Swae Lee - Unforgettable

最も高い順位で新登場した曲          DJ Khaled ft. Justin Bieber, Chance the Rapper, Quavo & Lil Wayne - I'm the One

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

 

Play-N-Skillz ft. Frankie J, Becky G & Kap G - Si Una Vez (Shazam 27位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 40位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 43位)

 

Spotify、Pandoraの上位50が全てHot 100に入り済み。Logicの新譜から最大8曲程度Hot 100に入るでしょうか。特に1-800-273-8255は上位に食い込みそう。

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

 

※100 J.Cole – Deja vu

97 Drake – Gyalchester

96 Kendrick Lamar – GOD.

95 Nicki Minaj, Drake & Lil Wayne – No Frauds

91 Kendrick Lamar – FEAR.

90 Paramore – Hard Times

※89 Auli’i Cravalho – How Far I’ll Go

88 Big Sean Moves

86 Lorde – Green Light

81 Zayn ft. PARTYNEXTDOOR – Still Got Time

75 Kendrick Lamar – LUST.

71 Kendrick Lamar – PRIDE.

69 Kendrick Lamar – FEEL.

64 Lana Del Rey ft. The Weeknd – Lust For Life

※48 Shawn Mendes - Mercy

*1:2曲目の「シングル」はUnconditionalyですが、リリース自体はDark Horseの方が先

*2:Radioactive、On Top of the Worldはいずれも彼らのファーストアルバムのシングル

*3:アルバムTrue Colorsの曲。X Ambassadorsと共演

*4:QuavoもQuavo名義では初、しかし彼は今年1位をBad and Boujeeで獲得したMigosの一員です

*5:それまではJustin BieberのConfidentでの客演の41位が最高位、昨年のNo Problemは43位ピーク

*6:ほら、この曲のビデオでChance the Rapperが”3”と書かれた帽子被っていたし……!、ちなみに1位Shape of You、2位はThat’s What I Likeと考えております

*7:木曜リリースのため、最初の週は1日分の集計だった。ここで言う事実上のリリース週はその次の週。

ストリーミング時代にアルバムの曲順がヒットに与える影響とは?

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Hot 100で最近アルバムからHot 100(=シングルチャート)に大量エントリーするケースが増えてきました。

理由はみなさんお察しの通りストリーミングサービスの台頭。

ストリーミングサービスによってアルバムの中でどの曲がよく聞かれているのか、ということが可視化されるようになり、そのことにより所謂「アルバム曲」もHot 100にエントリーするようになりました。

その結果、一つのアルバムから10曲以上がHot 100にエントリーするような事象が頻発するようになり、2013年以降だけでなんと12個のアルバムがその偉業を達成しました。

以下がすべてです。

Drake - Nothing Was the Same (2013)

Drake - If You're Reading This, It's Too Late (2015)

The Weeknd - Beauty Behind the Madness (2015)

Drake & Future - What A Time To Be Alive (2015)

Justin Bieber - Purpose (2015)

Beyoncé - Lemonade (2016)

Drake - Views (2016)

The Weeknd - Starboy (2016)

J.Cole - 4 Your Eyez Only (2016)

Ed Sheeran - ÷ (2017)

Drake - More Life (2017)

Kendrick Lamar - DAMN. (2017)

 

中には、アルバムの全ての曲がヒットの基準とされるトップ40に入り、アルバムの曲の平均順位が約21位というようなアルバムも生まれました。それについて詳しくは↓の記事で書いたので、詳しくはそちらで……


今回のそのような事象をもとに、アルバムの曲順はヒット具合に影響を与えるのか?という考察をしてみようと思います。

アルバムは通常、1曲目→2曲目→3曲目………と聞いていきます。それを最後の曲まで続けるならアルバムの曲順によらずに均等に再生回数が増えると思います。しかし、そうではない場合も多々あるでしょう。例えば、移動中にアルバムを聴いていたけど目的地に到着した場合、思いのほか夕ご飯が早く出来た場合……または最後まで聴ききれずに飽きてしまう場合もあるでしょう。

そこで今回はこのような疑問が生じました。

「(聴き方が可視化された)ストリーミング時代において、ヒット度という観点でアルバム最初の曲は有利で、アルバム最後の曲は不利ではないか」

 

この疑問を考えるために、上にあるような「一つのアルバムから10曲以上がHot 100に入った」12の事例を参照したいと思います。調査方法は、最初の曲と最後の曲は他の曲とくらべてHot 100でどのような順位にあるか。

Hot 100はどの週を指すかというと、アルバムの曲がHot 100で最も高い順位を記録していた週(=最も聴かれていたであろう週)。だいたいリリース直後です。

 

ケース1 アルバム最初の曲の順位

ボートラ含む全ての曲のうち、アルバムの1曲目に配置されている曲のアルバム内順位が平均を下回るか上回るかカウントします。仮に平均を上回るが多ければ、ボートラを計算から除くなどして再計算をしようと思います。結果は……

 

Drake - Nothing Was the Same (2013)

Tsucan Leather 10位 / 15曲 (平均より下)

Drake - If You're Reading This, It's Too Late (2015)

Legend 2位/19曲 (平均より上)

The Weeknd - Beauty Behind the Madness (2015)

Real Life 7位/14曲 (平均より上)※

Drake & Future - What A Time To Be Alive (2015)

Digital Dash 2位/11曲 (平均より上)

Justin Bieber - Purpose (2015)

Mark My Words 7位/18曲*1 (平均より上)

Beyoncé - Lemonade (2016)

Pray You Catch Me 7位/12曲 (平均より下)

Drake - Views (2016)

Keep the Family Close 16位/20曲 (平均より下)

The Weeknd - Starboy (2016)

Starboy 1位/18曲 (平均より上)

J.Cole - 4 Your Eyez Only (2016)

For Whom the Bell Tolls 6位/10曲 (平均より下)

Ed Sheeran - ÷ (2017)

Eraser 10位/16曲 (平均より下)

Drake - More Life (2017)

Free Smoke 4位/22曲 (平均より上)

Kendrick Lamar - DAMN. (2017)

BLOOD. 12位/14曲 (平均より下)

 

平均より上 / 平均より下がちょうど半分という結果に。目立ちにくいボートラも計算に入れてこの結果ということは、アルバム一番最初の曲が特別有利なわけではないといえそうです。

ちなみにリカレントルール(古い曲排除ルール、21週目以降の曲が51位以下に「落ちる」と消えてしまうルール)を考慮し、すべての曲を「リリース時の順位」ではなく「ピーク順位」で判定すると、Beauty Behind the MadnessのReal Lifeが平均より下に転じ、最初の曲が平均より目立たないが有利=平均より下のほうが多くなります。

 

ケース2 アルバム最初の曲の順位

こちらは「ボートラ含む最後の曲」だと対象曲がボートラになり、他より不利ということが明確になるので、ボートラを含めずに計算します。

 

Drake - Nothing Was the Same (2013)

Pound Cake / Paris Morton Music2 7位/13曲 (平均より下)

Drake - If You're Reading This, It's Too Late (2015)

Jungle 11位以下*2/16曲 (平均より下)

The Weeknd - Beauty Behind the Madness (2015)

Angel 11位以下*3/14曲 (平均より下)

Drake & Future - What A Time To Be Alive (2015)

30 For 30 Freestyle 11位/11曲 (平均より下)

Justin Bieber - Purpose (2015)

Purpose 8位/13曲 (平均より下)

Beyoncé - Lemonade (2016)

Formation 1位/10曲 (平均より上)

Drake - Views (2016)

Views 19位/19曲 (平均より下)

The Weeknd - Starboy (2016)

I Feel It Coming 3位/18曲 (平均より上)

J.Cole - 4 Your Eyez Only (2016)

4 Your Eyez Only 8位/10曲 (平均より下)

Ed Sheeran - ÷ (2017)

Supermarket Flowers 8位/12曲 (平均より下)

Drake - More Life (2017)

Do Not Disturb 16位/22曲 (平均より下)

Kendrick Lamar - DAMN. (2017)

DUCKWORTH. 14位/14曲 (平均より下)

 

12事例中なんと、10曲が平均より下という結果に。さらにそのうち3事例がアルバム内最下位ということ、また平均を上回った2つの事例がシングル化されているということも考慮すると、アルバム最後の曲はヒット度という観点において不利だということが立証できると思います。

 

つまり……

・アルバム最初の曲はそこまで有利でもない

・アルバム最後の曲は注目されない傾向がある

 

ということが今回の調査で分かりました。

 

最近の事例で気になったこと……

Kendrick LamarのDAMN.はリリース時にアルバムが全ての曲がHot 100に入ったのですが、次の週2曲が圏外に落ちました。その2曲とは……

BLOOD. (一番最初の曲)

DUCKWORTH.  (一番最後の曲)

最初の曲と最後の曲が真っ先に落ちるということは、もしかしてアルバムを通しで聴く人が少ないということを表しているのでは……?という疑問が生まれました。

Spotifyの無料会員は「シャッフルプレイ」でしか曲を再生できないこと等が理由でしょうか…?ちなみにSpotifyの有料会員/ 無料会員の比率*4は「最新データ」*5でほぼ同等なようです。

 

*1:All In まで収録のバージョン

*2:Hot 100圏外

*3:リリース時「は」Hot 100圏外。しかしそれ以前にはHot 100に高い順位で登場。ただリカレントルールが適用される曲ではなく、リリース時もそれ相応の順位に入ることができるので、つまりリリース時に100位圏外ということはアルバム単位で見た時に平均より下と判断しました

*4:世界規模での

*5:ただ、有料会員数、無料会員数で発表の日にちが違います

Billboard Hot 100 5/13 見どころ 【現在のHot 100でのロック曲とは…?】

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こんばんは!今回は現在Hot 100でロック曲がどのような立ち位置になっているかに主にフォーカスを置いています。写真のParamoreのHard Timesが今週Hot 100に登場しました!ほか、Shawn Mendesがカニエ?な現象と、アルバム最後の曲についても書きました。よろしくお願いします。いつも見てくださっている方はありがとうございます!*1

 Q. プレイリストはどうやって使えば良いの……?

A. プレイリストを作っている理由はこれを聴きながらブログを読んだらラジオっぽくてカッコよくない?と思ったからです………それはさておき気になる曲だけピックアップして聴くのも良いと思います。一応これを毎週聴いておけば割りとメインストリームの流行についていけると思います。(あと自分用……)

あと、「こんばんは」ってたまに「こんばんわ」とどっちが正しいか自信が無くなりませんか……?

 

90 Paramore – Hard Times (New)

ParamoreのHard Timesが90位で登場。従来のエモスタイルではなく、The 1975にも例えられるサウンドが特徴。前回のアルバムの代表的シングルに引き続くポップ寄り路線といえそう。初のトップ10を獲得した前アルバムのAin’t It Funのようなヒットに今後なるでしょうか。ちなみにこの曲がHot 100に登場したことにより、ロックと分類される曲が5曲まで増加。(2週間前はわずか2曲)

 

87 Blackbear – do re mi (New)

Blackbearのdo re miが87位で登場。曲名のdo re miは”do re mi fa So F**kin ……”というリリックから日本語の音階の「ドレミファソ」であると推測できますが、実際の音階は微妙に違います(シ♭レ♭ミ♭ファラ♭)

 

68 Charlie Puth – Attention (New)

Charlie PuthのAttentionが68位で登場。新アルバムに向けたシングルと考えられています。彼の今までの曲にはあまりなかったベースラインが特徴的な一曲です。

 

64 Lana Del Rey ft. The Weeknd – Lush For Life (New)

Lana Del ReyのLust For Lifeが64位で登場。今年リリース予定のアルバムの曲。アルバムタイトルも同じくLust For Lifeのよう。Lana Del ReyとThe Weekndの組み合わせは、Prisoner(The Weeknd ft. Lana Del Rey)、Stargirl Interlude(The WeekndのStarboyに収録されるThe Weekndのみ名義のシングルながらも、Lana Del Rey「のみ」が歌う*2)に次3例目。

ちなみにこの曲はビルボードによってロックに分類されています。

 

54 Linkin Park ft. Kiiara – Heavy (↑)

Linkin ParkのHeavyが今週54位。従来得意としていたロック系ラジオからの支持は低い(今週50位圏外ピークも44位)代わりに、ポップ系ラジオで支持を得て(今週16位)。2014年の前アルバムからは1曲もHot 100にエントリーしなかったので、それと比べるとヒットしていると言えます。ただ今までの実績(In the Endが2002年間7位など)、そしてポップに寄ったことを考慮すると、もう少し順位の伸びを期待したいところです。

※支持層は主にポップリスナーのようですが、ビルボードは従来のLinkin Parkの曲に引き続きロックに分類しています。

 

44 Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back (New)

Shawn MendesのThere’s Nothing Holdin’ Me Backが44位で登場。今週登場した曲のなかでは最も高い順位と注目されました。この曲は2016年のIlluminateからの3曲目のシングル、という扱いになっていますが元々はこの曲Illuminateには収録されていなかったようです。さらっとカニエみたい*3なことをしていますが、どういう意図なのかはよく分かりません。続報を待ちましょう。

 

37 Imagine Dragons – Believer (↑)

元々調子は上向きでしたが、そこに値下げによるダウンロード増が追い風となり、Imagine DragonsのBelieverが37位まで浮上しました。現在5曲Hot 100にエントリーしているロック(と分類される)曲の中では1番順位の高い曲です。

 

34 Brett Young – In Case You Didn’t Know (↑)

カントリー歌手Brett YoungのIn Case You Didn’t Knowが34位に浮上。彼にとって初のトップ40。多くのカントリー曲はポイントが一定の傾向にある*4、ある意味他のジャンルの曲の動向によって順位が決まるとも言えます。

 

28 Maroon 5 ft. Future – Cold (↓)

Kendrick Lamarのアルバムの曲が先週に比べた順位を落とした影響で、40位~20位の曲は順位を2~3位上げている傾向にあります。しかしMaronn 5のColdは順位を落として23位→28位。ここ3年で5つのアルバム1位を記録している人気者のFutureを客演に迎えましたが、今後盛り返せるでしょうか。ちなみにここ11シングル(Moves Like Jagger~Don't Wanna Know)のうち10曲がトップ10入りしています。(この曲のピークは16位)

 

10 Kygo & Selena Gomez – It Ain’t Me (↑)

Kygo とSelena GomezのIt Ain’t Meが10位に浮上でついにトップ10入り。Kygoにとっては初のトップ10。既に高い知名度を誇るKygoですが、この曲がリリースされる前はFirestoneでの92位が最高位でした。この曲ではじめてアメリカで大きな存在感を示した、と言えると思います。

 

6 The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This (↑)

The ChainsmokersとColdplayのSomething Just Like Thisが8位→6位と上昇。2週連続でラジオの伸び幅が最も大きい曲となっています。この曲でThe Chainsmokersは同一アーティストによる連続トップ10記録を52週*5まで伸ばして歴代2位(タイ*6)となりました。(Drakeを抜きました)

ただ同記録1位のKaty Perryの69週はまだまだ遠く、そこまで行くのは難しいかもしれません。アルバムMemories Do Not Openの曲が現在軒並み圏外になってしまったので…… 参考↓×2

(この記録をはじめて期待した週)

(シングル以外圏外に落ちた週)

1 Bruno Mars – That’s What I Like (↑)

Bruno MarsのThat’s What I Likeが1位に浮上!リミックス版のリリースによりダウンロードとストリーミングが少し上昇したことが1位浮上の理由といえます。これで彼にとって7曲目の1位となり、2010年台ではRihannaKaty Perryに次ぐ多さ。また、これで彼はリリースしたアルバム3枚全てで1位シングルを生み出した、ということになりました。

 

× Kendrick Lamar – DUCKWORTH. (↓)

Kendrick Lamarのアルバムからのシングルが先週すべてHot 100にエントリーしましたが。今週はそのうち2曲が圏外へ。アルバム最初のBLOOD.とアルバム最後のDUCKWORTH.が圏外。以前アルバム最初の曲は特別チャートで有利な訳ではない、ということが推測できました(↓参考)が、今回DUCKWORTH.が圏外へ落ちたようにアルバム最後の曲は不利ではないか?と調べたました。

アルバムから10曲以上Hot 100にエントリーのあった過去12事例のうち、最後の曲の順位がの平均を下回ったのは10アルバムで(ボートラを考慮せず)、さらに最下位だった事例が3つあり、さらに平均を上回った2つの事例がいずれもシングル(FormationとI Feel It Coming)ということを鑑みると、アルバム最後の曲はチャートで不利ということが言えると思います。

アルバム最初の曲と最後の曲が真っ先に落ちるということは、もしかしたらアルバムを「通し」て聴くということがストリーミングではあまり行われていないという可能性を示唆しているのかもしれないです。Spotifyのフリープランではシャッフルプレイしかできないことが遠因なのでしょうか。

 チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This

今週最もダウンロードが上昇した曲 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

今週最もストリーミングが伸びた曲 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

最も高い順位で新登場した曲          Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

 

DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne (Shazam 1位 / Spotify 2位)

Play-N-Skillz ft. Frankie J, Becky G & Kap G - Si Una Vez (Shazam 21位)

Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255 (Spotify 27位)

Kygo & Ellie Goulding – First Time (Spotify 39位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 45位)

Jasmine Thompson – Old Friends (Shazam 46位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 50位)

 

I’m the Oneがダウンロードで1位を突っ走り、そしてラジオのかかり具合を推し量れるShazamでも1位。そしてSpotifyでも2位ながらも高水準な成績(Shape of Youの1.5倍程度のストリーミング量)で1位を取れる予感もします!*7

そしてKygoとEllie GouldingのFirst Time。今週It Ain’t Meが10位になりましたが、仮にこのFirst Timeがヒットして年間チャートに入ればEllie Gouldingは2012年から6年連続で年間チャートに入ることに。*8

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

 

97 Lady Antebellum – You Look Good

94 AJR - Weak

93 Chris Stapleton – Broken Halos

87 Logic ft. Damian Lemar Hudson – Black Spiderman

85 Luke Bryan – Fast

78 Lil Yachty ft. Migos – Peek A Boo

63 Kendrick Lamar – DUCKWORTH.

※62 Jon Pardi – Dirt On My Boots

54 Kendrick Lamar – BLOOD.

 

*1:重ね重ねありがとうございます!

*2:DrakeのMore LifeでのSkepta Interludeなどと同じ手法です

*3:そういえば両者ともMercyというシングルをリリースしていますね……

*4:カントリーラジオでかかるか、かからないかによって決まる傾向

*5:Roses, Don’t Let Me Down, Closer, Parisとこれ

*6:Hot 100以前の時代を考慮するとエルヴィス・プレスリーも同じ52週の記録を持っている

*7:Twitterで「かなり高い確率で1位」と言いましたが、表現がオーバーでした。ごめんなさい。1位ではなく4位くらいの可能性も0ではないです。ただ高い順位で登場するであろうことには変わらないです!

*8:Calvin Harrsは2011年から連続で年間チャートに入り続けていて、Ellie Gouldingはそれに次ぐ長さです。訂正しました