チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Hot 100 7/29 見どころ 【Jay-Z健在の影で、複数曲がチャートから……】

f:id:djk2:20170719232707j:plain

Jay-Zがアルバムチャート1位、そしてHot 100でも9曲登場と健在ぶりをアピールする一方で、実はその影響で多くの曲がチャートから外れたり、順位を落としたりしました。それらの曲とは……

 

・プレイリスト

 

 

92 Selena Gomez feat. Gucci Mane – Fetish (New)

Selena Gomezの新曲Fetishが92位で登場。他の曲とは違い木曜日リリースで、ダウンロード/ストリーミングの集計が1日分ながらも今週のチャートに登場。来週は1週間分集計されるので、ポイントの大幅増の予定です。Selena Gomezは前シングルBad Liarに引き続きの木曜日リリースなのですが、何かしら意図はあるのでしょうか。

※木曜日リリースのメリットは、同日にほかの曲がリリースされないので埋もれずに目立つこと、デメリットは最初の週のポイントが割れてチャートでロケットスタートできないことですかね……

 

91 Zedd & Liam Payne – Get Low (New)

ZeddとLiam PayneのGet Lowが91位で登場。Zeddの前シングルStayのスタート順位は28位、Liam Payneの前シングルStrip That Downのスタート順位は42位で、今回のGet Lowは91位スタートで物足りなく思えますが、ラジオでは順調に数字を伸ばしています。(今週既にPop系ラジオ36位)それに合わせてHot 100でも順位を伸ばせるでしょうか。

 

89 Macklemore feat. Skylar Grey – Glorious (New)

Macklemoreの新曲Gloriousが89位で登場。昨年まではMacklemore “and Ryan Lewis”という名義でしたが彼とは音楽的に決別し、今回の曲はMacklemore単独になってから最初の曲。今回のプロデューサーはJoshua Karp。ちなみに彼らの曲がよくかかるのはHip Hop系ラジオではなくPop系ラジオのようで、現在Pop系ラジオ35位。彼らの最大のヒットThrift ShopでもR&B,Hip-Hop系ラジオでは34位がピークです。

客演のSkylar Greyはチャートでは今まで”名脇役”のような成績を残しています。4位まで到達したEminemDr. DreとのI Need A Doctoreをはじめとして、今まで客演としては6曲Hot 100にのっていますが、自身メインの曲では今のところ0曲です。

 

(以下マニアックなHot 100知識)

※ソングライターとしてもEminemRihannaのLove the Way You Lieなどの実績があります。Eminem+RihannaといえばMonsterもありますが、このEminem + Rihannaの曲に参加したソングライターは客演ではHot 100に入るものの、自身の曲は入らないというジンクスがありました。MonsterではソングライターにJon Bellion、Bebe Rexhaが参加していたのですが前者はZeddのBeautiful Now、後者はDavid GuettaのHey MamaでHot 100に入るものの自身の曲は入らず、Skylar Greyのようなチャートの入り方をしていました。しかし2016年後半にJon Bellionが自身のAll Time LowでHot 100に入ると、それに続いて今年Bebe RexhaもI Got Youで自身の曲*1では初のHot 100入り。Skylar Greyもそれに続けるでしょうか。

 

84 Lady GagaThe Cure (↓)

今週はJay-Zがアルバムから9曲を送り込んだこともあって、入れ替わりの多めでした。またトップ40圏内で登場した曲が4曲と上位の曲も増えたため、先週まで横ばいだった曲は順位を少し落とす傾向にあります。ですが、その中で密かに大幅に順位を落としている曲もあって、Camila CabelloのCrying in the Clubが53位 → 71位、DrakeのPassionfruitが51位 → 67位など。なかでもLady GagaThe Cureはかなり順位を落としていて50位 → 84位に。来週これらの曲は盛り返す可能性がありますが、ここまで大幅に順位を落としている曲は、あまり期待を持てないかもしれません。

 

52 Demi Lovato – Sorry Not Sorry (New)

Demi LovatoのSorry Not Sorryが52位で登場。この曲も週途中の登場ですが、こちらは火曜日リリースで3日分が集計に乗っています。Selena GomezのFetishほどではないものの、現在ダウンロードとストリーミング両方で上々の数字を残していてHeart Attack以来4年ぶりのトップ10に期待が持てるかも。

 

51 Jay-Z feat. Beyoncé – Family Feud (New)

Jay-Zが紆余曲折を経てiTunesSpotify以外のストリーミングサービスでアルバムを公開した結果、見事にアルバムチャートBillboard 200で1位を獲得。Hot 100には9曲が登場。その中にはBeyoncéとの夫婦共演の曲も。今週のJay-ZとBeyoncéの直近のアルバムLemonadeのリリース週のすこし比較をしてみたいと思います。

BeyoncéのLemonadeはストリーミングではTidal限定だったものの、アルバム全12曲がHot 100に登場。その平均順位も32位とかなり高め*2であり、またアメリカ人のアルバムがHot 100に10曲以上を送り込んだ初の事例でもあります。*3 Tidal限定でこの数字を叩き出すBeyoncéの影響力や注目度の高さがわかるデータです。

一方Jay-ZはTidal限定ではなくSpotify以外のストリーミングサービスで公開して9曲エントリー。ちなみにTidalでは前の週から公開されていますが、Tidal側が数字を非公開にしたためチャートには反映されていませんでした。9曲とふたケタにわずかに及びませんでしたが、アルバムが10曲しかないのでこの数字はかなり良い数字だと思います。例えばMigosのCultureでは13曲中7曲がエントリーだったので、対比するとJay-Zの健在ぶりがよく分かると思います。

ちなみにこのアルバムリリースでJay-ZはHot 100エントリー曲数が計96曲になり、James Brownを抜いて歴代5位の多さに。(それより上位はGlee Cast、Drake、Lil Wayne、Elvis Presley

参考↓

 

33 21 Savage – Bank Account (New)

21 SavageのアルバムIssa Albumが今週チャートに反映され、Hot 100には2曲が登場。Famousが94位、Bank Accountが33位で登場。Metro Boomin、Futureとのシングル“X”をのピーク(36位)を超えることに成功しました。ちなみにこのIssa AlbumでもMetro Boominが14曲中8曲で登場します。このBank Accountは違いますが。

※後日追加 Metro Boominは「サブ・プロデューサー」のような形でこの曲に携わっていたようです。

アルバムチャートでも2位と健闘。純セールスは3位でした。純セールス1位はJay-Zで、2位はHAIM。HAIMは総合アルバムチャート(=Billboard 200、ストリーミングやシングルも考慮)では7位でHot 100への登場は0曲。

 

25 Kesha – Praying (New)

Keshaの復活シングル、Prayingが25位で登場。この曲のプロデューサーはRyan Lewis。Macklemoreと決別したからは初のプロデュースで、両者にとって再スタートを期す一曲に。Keshaの従来の軽快なエレクトロ系ダンスポップとは一線を画するバラード調の1曲。8月リリース予定のアルバムがどのような作風になるかが興味深いです。来週のチャートで先週リリースのWomanが登場見込みです。

ちなみにかつてはKe”$”ha名義でしたが 2014年1月にKe”s”haに名義変更しています。

 

23 Jay-Z – The Story Of O.J. (New)

Jay-Zのアルバムから登場した9曲のうち、一番高い順位で登場したのはビデオも公開されたThe Story Of O.J.で23位。今週はこの曲など、計4曲がトップ40で登場し上位をかきまわしました。ちなみにJay-ZYouTubeにビデオを上げるのは珍しいことで、約6年ぶりのことになります。Holy Grail.. Magna Carta期はYouTubeではない媒体にビデオを上げていました。最近ではDrakeやFrank Oceanなどの、YouTubeに一曲も音源を上げない事例が増えてきましたが、Holy Grail~のJay-Zはその事例の先駆けだと私は考えています。

↓参考

 

8 Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back (↑)

Shawn MendesのThere’s Nothing Holdin’ Me Backが8位に浮上!Stitches、Treat You Betterに次いで自身3曲めのトップ10。値下げに加え、アコースティックバージョンのリリースがダウンロード上昇につながりました。今週ポップ系ラジオで一番オーディエンスが増えた曲でもあるので、まだ伸びしろはありそうです。

 

× Harry Styles – Sign Of the Times (↓)

Jay-Zの9曲エントリーなどがあり、今週は16曲がチャートから外れました。その中には「途中」でチャートから外れてしまった曲も。

「途中」とはどういうことかというと、Hot 100では21週目以降の曲が51位以下に”落ちると”チャートから外す制度があり、いわゆるヒット曲はその制度でチャートから消えていきます。その制度で消さないと過去のヒット曲が新しい曲のエントリーを阻んでしまうからです。21週目で消えるためにはその前の週、つまり20週はチャートに入っていなければならないので、20週チャートに滞在するのはある種ヒットの目安の一つでもあります。この20週チャート滞在することを「完走」といったりもします。

つまるところ「途中」とは20週に満たないうちにチャートから外れてしまうことを指します。今週はヒットが期待された曲がいくつか「途中」でチャートから外れてしまいました。Katy PerrySwish Swish (ピーク46位 / 7週滞在)、Fifth HarmonyのDown (ピーク42位 / 5週滞在)、DrakeのPortland (ピーク9位 / 16週滞在)、Harry StylesのSign of the Times (ピーク4位 / 13週) などがそうです。特に後ろふたつは、デビュー週からいきなりトップ10で登場しましたが、尻すぼみになってしまいました。Portlandは特段にプロモーションもせず、ラジオでもかからず、ほとんどストリーミングでポイントをキープしてHot 100に滞在していたのでいずれ落ちるのは自然(むしろ16週もキープしたのがすごい)ですが、つい最近までは上位にいたSign of the Timesがここ数週で一気に落ちたのは意外でした。

流行に目もくれないスタイルの曲でいきなり4位デビューしたことはHarry Stylesのカリスマ性を考慮しても正直快挙だと思っていたので、この急落下は個人的に少し残念でした。

Jay-Z関連の曲が減るであろう来週は、いくつかの曲はチャートに戻るかもしれません。特にFifth HarmonyのDownはラジオで伸びているので復活の線が強いと思います。

 

× Travis Scott (feat. Kendrick Lamar) – Goosebumps (↓)

Travis ScottのGoosebumpsがチャートから陥落。一回は50位手前に来たあたりで21週目になってチャートから外れたこの曲ですがビデオのリリースで息を吹き返してすぐにチャート復活。ピークを32位まで伸ばし、チャート滞在も合計34週に。ピーク32位とはそこまで高い数字ではないですが、ピークが複数あって復活する“不死鳥タイプ”で粘った曲は総合的なヒット度がピークのわりに高くなるので、年間チャートに入る可能性が高いと思います。

 

× Migos – T-Shirt (↓)

Bad and Boujeeの後の1月にリリースされたMigosのアルバムCultureの代表曲「その2」のT-Shirtが今週チャートから外れました。Bad and Boujeeは43位(35週目)でまだチャートにいます。43位で登場して以降、すべての週を50位以上で過ごすというMigosの今年の注目度の高さが伺えるチャートアクションでした。

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wlid Thoughts

今週最もダウンロードが上昇した曲 Hailee Steinfeld – Most Girls

今週最もストリーミングが伸びた曲 J Balvin & Willy Williams – Mi Gente

最も高い順位で新登場した曲          Jay-Z – Story of O.J.

 

 

今週チャートから外れた曲 (16曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位/チャート滞在週数)】

100 Dan + Shay – How Not To (57位 / 14週)

99 Future feat. YG – Extra Luv (99位 / 1週)

97 Brothers Osborne – It Ain’t My Fault (97位 / 4週)

95 Russ – Losin Control (62位 / 19週)

94 Nicky Jam – El Amante (93位 / 10週)

90 Drake feat. Quavo & Travis Scott – Portland (9位 / 16週)

88 Katy Perry feat. Nicki Minaj – Swish Swish (46位 / 7週)

87 Tyler, The Creator (feat. A$AP Rocky) – Who Dat Boy (87位 / 1週)

86 Fifth Harmony feat. Gucci Mane – Down (42位 / 5週)

77 Metro Boomin feat. Offset & Drake – No Complaints (71位 / 2週)

76 Calvin Harris feat. Future & Khalid (62位 / 3週)

73 Harry Styles – Sign Of The Times (4位 / 13週)

55 Kodak Black – Tunnel Vision (6位 / 20週)

48 Migos – T-Shirt (19位 / 25週)

47 Travis Scott (feat. Kendrick Lamar) – Goosebumps (32位 / 34週)

45 Keith Urban feat. Carrie Underwood – The Fighter (38位 /22週)

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Musicで50位以上)

French Montana feat. The Weeknd & Max B (Apple 18位)

SZA – The Weekend (Apple 26位)

21 Savage – Close My Eyes (Apple 29位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 38位)

Lauv – I Like Me Better (Spotify 39位)

Khalid – Young Dumb & Broke (Spotify 42位)

21 Savage – Bad Business (Apple 43位)

Maren Morris – I Could Use A Love Song (Pandora 49位)

 

Apple MusicのUSでのランキングのデータを発見したので、調査対象にしました。また好調の範囲を50位以上に狭めました。来週のチャートではFrench Montanaのアルバムリリースが反映されるのでHot 100での注目はそこですかね。そして密かに注目なのはアルバムチャートでのEXO(韓国のグループ)です。もしかしたらアルバムチャートトップ10圏内に入るかもしれないです。

*1:自分のアルバムやEPに入れる曲、その意味でG-Eazy “&” Bebe RexhaのMe, Myself & Iはこのケースでは除外

*2:J.Coleの4 Your Eyez Onlyの平均21.4位に次ぐ成績

*3:カナダ人Drakeと組んだアメリカ人Futureのアルバムもといミックステープから10曲以上入った事例もありますが、Drakeの影響力のほうが強い

7/14リリースの新曲/新作 の初動を観察 【SNSで目指せ4年ぶりのトップ10】

f:id:djk2:20170715193516j:plain

今週リリースのうち、Selena Gomez、Demi Lovatoの曲が好調です。果たしてどれくらい好調なのか。

 

Spotify 現在の1位~10位

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber Despacito
2 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
3 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller Wild Thoughts
4 Selena Gomez feat. Gucci Mane Fetish
5 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
6 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
7 Kendrick Lamar HUMBLE.
8 Post Malone feat. Quavo Congratulations
9 Demi Lovato Sorry Not Sorry
10 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean Feels

※Sorry Not Sorryは火曜日リリース、Fetishは木曜日リリース。

 

Hot 100同様、Spotifyの1位も相変わらずDespacitoが1位。ただ2位以下との差は縮まってきていて、そろそろ入れ替わりがあるかもしれないです。

トップ10圏内に今週リリースの2曲が登場!Selena GomezのFetishが現在4位、Demi LovatoのSorry Not Sorryが9位です。両者ともダウンロードとラジオの数字は比較的安定していて、ヒットするかどうかはストリーミングでの数字を伸ばせるかがカギの一つなので、このSpotifyでの上々のスタートは大きいと言えそうです。

Selena GomezはダウンロードとストリーミングがともにBad Liarの時の数字を上回っていて、再来週のHot 100でのトップ10に入るかもしれません。(同じく木曜リリースのBad Liarは事実上のデビュー週のHot 100で20位でした)

Sorry Not Sorryもトップ10に期待が持てそう。リリース後すぐに入るかは分かりませんが、ダウンロード・ストリーミングの数字をある程度キープした状態でラジオが伸びてくれば、そのうちトップ10に入るのではないでしょうか。

仮にトップ10に入ればHeart Attack以来4年ぶりのトップ10に。Sorry Not Sorry、"SNS"に期待がかかります。

※ちなみに意外とイギリスで人気のあるDemi Lovato。実はアメリカでのトップ10曲数(4)よりイギリスでのトップ10曲数(5)のほうが多いです。(関連アーティストのSelena Gomez、Miley Cyrusはアメリカでのトップ10のほうが多いです。Demiはこの3人のなかでアメリカでのトップ10が一番少ないですが、イギリスでのトップ10は一番多いです)

現在も客演を務める*1Jax JonesのInstructionがイギリスシングルチャートで上昇中。

 

② 新リリース曲のSpotifyでの現順位

47 French Montana feat. The Weeknd & Max B A Lie
51 Lana Del Rey feat. A$AP Rocky & Playboi Carti Summer Bummer
56 Coldplay Miracles
58 Kesha feat. The Dap-Kings Horns Woman
79 One Republic & Seeb Rich Love
89 Vance Joy Lay It On Me
97 French Montana feat. Travis Scott Jump
98 Ty Dolla $ign feat. Lil Wayne & The-Dream Love U Better
※※99 Dua Lipa  New Rules
※130 Coldplay All I Can Think About Is You
※133 French Montana feat. Pharrell Williams Bring Dem Things
135 Galantis True Feeling
159 NAV & Metro Boomin Call Me
163 Foster The People Sit Next to Me
177 Echosmith Goodbye
182 Chris Jeday feat. Ozuna, J Balvin & Arcangel Ahora Dice
190 NexXthursday feat. Quavo & Lil Yachty Sway

 

今週の注目アルバムはFrench MontanaのJungle Rules。Hot 100でも今週トップ10入りしたUnforgettableを筆頭として4曲が圏内に。ゲストがつく曲が人気のようで、UnforgettableにはSwae Lee、A LieにはThe Weeknd、JumpにはTravis Scottなど人気のある客演陣が揃っています。現在iTunesのアルバムで3位、そしてストリーミングでもセールスをひっくり返すほどの数字は記録していないので、アルバムチャートで1位は無いと思いますが、どこまで行けるか。ちなみに前作Excuse My Frenchはアルバム4位でした。

他にはColdplayのEPがリリースされ2曲+Something Just Like Thisが圏内に。

シングル単位ではKeshaが先週のPrayingに続いて今週はWomanをリリース。またLana Del Reyが来週のアルバムリリースに向けて2曲を公開、昨年Mike PosnerのI Took A Pill in Ibizaのリミックスを手がけてヒットに導いたSeebがOne Republicと組んで新曲をリリースなどが今週のトピックですかね。

あと、新曲ではないのですが、Dua LipaのNew RulesがビデオリリースしたあたりからUSのSpotifyで上昇中。現在Blow Your MindやBe the Oneを大きく上回る順位を記録していて、自身2曲めのHot 100入りもあるかもしれません。

 

③ 新曲のリリース日でのiTunes順位

2 Selena Gomez feat. Gucci Mane Fetish
3 Demi Lovato Sorry Not Sorry
※$12 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
13 Kesha feat. The Dap-Kings Horns Woman
26 Kid Rock  Po-Dunk
$30 French Montana feat. The Weeknd & Max B A Lie
32 Jake Paul & Erika Costell feat. Uncle Kade Jerika
38 Nine Inch Nails Less Than
54 Kid Rock  Greatest Show On Earth
61 NEEDTOBREATHE Count On Me
62 Lana Del Rey feat. A$AP Rocky & Playboi Carti Summer Bummer
67 NEEDTOBREATHE Waiting
79 Lana Del Rey feat, A$AP Rocky Groupie Love
81 One Republic & Seeb Rich Love
88 Ty Dolla $ign feat. Lil Wayne & The-Dream Love U Better
99 Meek Mill Issues

$は割引を表します。

 

Fetish とSorry Not Sorryが多くのダウンロードを記録していることが分かります。Despacitoには一歩及ばずですが。

ほか、歌詞分析サイトGeniusに【大型スポンサーからの大金で曲を作っている】ということを指摘されたVine出身のJake Paulの新曲Jerikaが32位で登場しています。

↓参考

genius.com

*1:Stefflon Donとともに

Billboard Hot 100 7/22 見どころ 【英語以外の曲では初の?? / ネクストDespacito候補】

f:id:djk2:20170712221658j:imageこんばんは。光るJ Balvin。

 

 

 

99 Future feat. YG – Extra Luv (New)

Futureが2月にリリースした2つのアルバムに曲がいくつか追加されました。そのうち、”Future”のほうに追加されたYGを迎えたExtra Luvが99位で登場。”Future”の本編では一切客演がいませんでしたが、追加曲では客演が登場しました。”Hndrxx”のほうにはChris BrownとのPieが追加されましたが、こちらはHot 100には登場せず。

 

89 Jon Pardi – Heartache On The Dance Floor (New)

カントリー歌手、Jon PardiのHeartache On The Dance Floorが89位で登場。今年Dirt On My Bootsで初のトップ40入りを果たした彼ですが、続いてこの曲も上位進出なるでしょうか。

 

87 Tyler, The Creator (feat. A$AP Rocky) – Who Dat Boy (New)

Tyler, The CreatorのWho Dat Boyが87位で登場。客演以外では初のHot 100入りを果たしました。もう一つの911 / Mr. Lonelyは惜しくもHot 100 入りならず。来週リリース予定のアルバムに向けてのシングル。この曲を含めて、アルバムでの客演はオープンな表記をされていないようですが、アルバムにはA$AP Rocky、Frank Ocean、Lil Wayne、Schoolboy Q、Pharrell Williamsなどが参加予定です。過アルバムで5位、3位、4位を記録している彼ですが、今作で初の1位なるでしょうか。ライバルはLana Del Reyでしょうか

 

85 Cardi B – Bodak Yellow (New)

女性ラッパーのCardi BのBodak Yellowが85位で登場。Kodak BlackのNo Flockinからの引用のある曲で、曲のタイトルは彼をもじったものになっています。

 

78 Yo Gotti & Mike Will Made-It feat. Nicki Minaj – Rake It Up (New)

Yo GottiとMike Will Made-Itの2人の共同ミックステープからのシングル、Rake It Upが78位で登場。客演はNicki Minajで、Yo Gottiの昨年のヒットDown in the DMでもコンビを組んでいました。Hip-Hop / R&B Airplayで17位と、ラジオで上位につけたことによりHot 100に入りました。

 

70 J Balvin & Willy William – Mi Gente (New)

今週最も高い順位で登場したのは、コロンビア出身J BalvinのMi Gente。彼にとってGinzaに続いて2曲めのHot 100エントリー。以前から様々な有名曲の”Latin Remix”バージョンに参加してきた彼ですが、(Problem, Lean On, What Do You Meanなど)、彼自身が飛躍する時が訪れたかも。新登場で一番高い順位を記録するなど出だしから好調ですが、Spotifyで好調など、(現在アメリカ36位 / 世界10位)さらに伸びる予感が。現時点で「ネクスト・Despacito」の最有力候補かもしれません。

※DespacitoのLuis Fonsiはプエルトリコ出身ですが、J Balvinはコロンビア出身で国は違いますが、ラテン系スターという意味で……

 

 

39 Thomas Rhett feat. Maren Morris – Craving You (↑)

Thomas RhettとMaren MorrisのCraving Youが39位とトップ40圏内に上昇。グラミー新人賞候補にもノミネートされたMaren Morrisにとっては初のトップ40*1 今週カントリー系ラジオで1位に上昇するなど、カントリーのファンから支持を得るこの曲ですが、個人的にはTaylor Swiftの1989を彷彿とさせるポップセンスも感じ取れる一曲だと思うので、カントリー以外のファンにも人気が飛び移って大きなヒットになる期待も持てるかと思います。(カントリーが上位に来づらいSpotifyでも現在上昇中)

 

26 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (↑)

新アルバムFunk Wav Bounces Vol.1のリリースが今週のチャートで反映され、3曲がHot 100に登場。Rollinが76位で再登場、Slideが32位に上昇、そしてこのFeels26位が最高位。この3曲に次ぐのはPrayers UpとCash Out(ただしHot 100圏外)アルバム1位も期待されていましたが、DJ Khaledにわずか及ばず2位に。ストリーミングでは数字をそこそこ稼ぎましたが、純セールスが約2.3万とそこまで伸びなかったことが1位を取れなかった理由ですかね。

 

13 The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This (↓)

先週まで「同一アーティストによる連続トップ10記録」が続いていたThe Chainsmokersでしたが、今週その記録が61週でストップ。同記録が歴代最長のKaty Perry(69週)に並ぶことはできませんでした。RosesとDon’t Let Me Downでブレイクして以降は、新曲リリースのたびに大きく注目を集めてすぐにトップ10に入るケースが続きました。すぐチャートを上昇することが、この「連続トップ10記録」を継続できた理由だったのでした。ただ、意外とアルバムから先行シングル以外で目立ったシングルが無かったのが今週の記録ストップの要因ですかね。アルバムリリース週ではシングルのSomething Just Like This、Parisともう一曲(The One)、そしてアルバムには入っていないCloserの4曲しかHot 100に入らず。一つのアルバムから3曲エントリーは多い方なのですが、アルバム全曲がHot 100に入るようなケースもある現代では、それまでの勢いからするとやや物足りない感じもしました。ただ、それまでが勢いが「ありすぎ」な気もしますが。今週で連続トップ10の記録は途切れ歴代1位とはなりませんでしたが、シングル・アルバムの双方でEDM界隈初の1位を記録するなど、ここ約1年で十分すぎる成果を上げたと思います。

ちなみに次のシングルはリリックビデオが公開されたYoung、ではなくHonest。すでにポップ系ラジオでは支持を得ているようです。

 

10 French Montana feat. Swae Lee – Unforgettable (↑)

French Montana、Swae LeeによるUnforgettableが10位まで浮上!French MontanaもSwae Leeも2曲めのトップ10。French MontanaはChris BrownのLoyalの客演で、Swae LeeはRae Sremmurdの一員としてBlack Beatlesで1曲めのトップ10を記録。これでSwae Leeは自身たちの曲(Rae Sremmurdの一員として)、客演、他人へのソングライト(BeyoncéのFormation)の3種類でトップ10を記録したことになり、彼の幅広い活動や影響力が伺えます。2010年代のみでこの「3種のトップ10」をラッパーで達成したのは彼だけです。(2000年代を含むとKanye Westやwill.i.amなども該当)

 

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber – Despacito (→)

Despacitoが9週目の1位。ラジオでも1位となり、ダウンロード、ラジオ、ストリーミングのHot 100を構成する三部門すべてで1位になり、独走状態。かつてのスペイン語ヒット、Macarenaは14週で1位を記録していたのですが、それにどこまで近づけるか。ちなみに英語以外の曲がラジオで1位になるのは初のことです。(Gangnam Style*2はラジオのピーク12位、Macarena*3はラジオのピーク7位でした。ちなみに坂本九上を向いて歩こうがHot 100で1位になった時はまだラジオのチャートが存在していませんでした。

今回ラジオで総合1位になったのは、ラジオで最も規模の大きいポップ系ラジオで1位を取れたことが大きいと思います。先週までのポップ系ラジオ1位はZeddのStayでした。Despacitoはこのポップ系ラジオのほか、Latin系ラジオやRhythmic系ラジオ、Adult Contemporary系ラジオなどでもかかっています。Hot 100でロングヒットとなるには、幅広い系統のラジオでかかることが重要といわれています。

 

× DJ Khaled feat. Beyoncé & Jay-Z – Shining (↓)

ストリーミングの多さなどから今週もアルバム1位の座をキープしたDJ Khaledですが、Hot 100では代表曲I’m the OneとWild Thoughts以外はすべて圏外へ。アルバムの中ではこの曲の客演のJay-Z、Calvin Harris、21SavageというDJ KhaledのGrateful*4リリースからすぐにアルバムをリリースした面々もいます。多少の宣伝効果はあったりするのですかね。

Jay-Zのアルバムは今週のチャートでTidalのストリーミング分がチャートに反映される予定でしたが、Tidalがストリーミング数を公表しなかったのでチャートでは何も起こりませんでした。

 

× Maroon 5 feat. Future – Cold (↓)

Maroon5のColdがチャートを後に。ピーク16位チャート滞在20週ですが、ラストの順位が91位など最後のほうは下位に沈み、不完全燃焼に。Moves Like Jagger~2015年のSugarで、8シングル連続でトップ10を記録してきた彼らですが、やや停滞気味かもしれません。前シングルDon’t Wanna Knowはしっかりトップ10に入っていましたが……

※流行りのFutureをうまく曲に取り込んでいて、Don’t Wanna Knowに引き続きヒットするかなと個人的に思っていたので、このチャートアクションは少し意外でした。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wlid Thoughts

今週最もダウンロードが上昇した曲 Charlie Puth - Attention

今週最もストリーミングが伸びた曲 Calvin Harris feat. Frank Ocean & Migos - Slide

最も高い順位で新登場した曲          J Balvin & Willy Williams – Mi Gente

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

94 Nicky Jam – El Amante (Re)

76 Calvin Harris feat. Future & Khalid – Rollin (Re)

 

今週チャートから外れた曲

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位/チャート滞在週数)】

99 Playboi Carti feat. Lil Uzi Vert – Wokeuplikethis*  (76位 / 9週)

98 DJ Khaled feat. Beyoncé & Jay-Z – Shining  (57位 / 14週)

97 2 Chainz feat. Gucci Mane & Quavo – Good Drank  (70位 / 16週)

91 Maroon 5 feat. Future – Cold  (16位 / 20週)

88 DJ Khaled feat. Travis Scott, Rick Ross & Big Sean – On Everything (88位 / 1週)

83 Darius Rucker – If I Told You  (53位 / 11週)

73 DJ Khaled feat. Drake – To the Max  (53位 / 4週)

68 DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jeremih – Don’t Quit (68位 / 1週)

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

21 Savage – Bank Account (Spotify 14位)

Edward Maya feat. Vika Jigulina – Stereo Love (Shazam 19位)

Kesha – Praying (Spotify 31位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 36位)

21 Savage – Numb (Spotify 40位)

Lauv – I Like Me Better (Spotify 42位)

Khalid – Young Dumb & Broke (Spotify 47位)

LoCash – Ring On Every Finger (Pandora 51位)

Chris Lane – For Her (Pandora 52位)

Zedd & Liam Payne – Get Low (Spotify 52位)

Carly Pearce – Every Little Thing (Pandora 54位)

Axwell ∧ Ingrosso – More Than You Know (Spotify 54位)

JAY-Z feat. Damian Marley – Bam (Shazam 57位)

Brett Eldredge – Somethin’ I’m Good At (Pandora 57位)

Maren Morris – I Could Use A Love Song (Pandora 59位)

Judah & The Lion – Take it All Back2.0 (Shazam 60位)

Shawn Hook feat. Vanessa Hudgens – Reminding Me (Pandora 60位)

 

 

21 SavageのアルバムIssaが好調。どこまでHot 100に入るかは分かりませんが、Spotify以外で解禁されたJay-Zのアルバムからのシングルと合わせて、来週のHot 100は新登場多めかもしれません。そして目玉はKeshaのPraying。多くのダウンロードを記録したほかストリーミングでも上々な滑り出しで、Hot 100では高めの順位で登場しそうです。

2011年にHot 100 に入ったStereo Loveがいま上昇しているのは、謎。

 

 

djk2.hatenablog.com

 

*1:Kelsea Ballerini、The Chainsmokers、Chance the Rapperに次ぐ4番目、Anderson. PaakはHot 100入りなし

*2:Hot 100でのピークは2位

*3:Hot 100でのピークは1位

*4:アルバム名

イギリスシングルチャート 7/7 【新ルールの第一週目】

f:id:djk2:20170709235136j:plain

Travis Scott。今週、Goosebumpsがイギリスシングルチャートに登場したのですが、それにはある理由があります……!

 


イギリスの音楽チャートを運営するOfficial Chartsは、先月シングルチャートにルール変更を加えることを発表しました。そのルール変更とは……

・同一アーティストの曲は3曲まで (アルバム曲を抑制するため)

・古い曲のストリーミングのレートを調整する (詳細は不明)

……全ては新しい曲 / 才能を映し出すショーケースであり続けるため……

 

このルール変更はどのような効果を及ぼすのか。今週ルール実施後初のチャートだったため、チャート観察を行いたいと思います。

 

まず、どのような曲が落ちたのか。という点から見ていきます。今週チャートから外れた曲は……

先週の順位 / アーティスト名 / 曲名 / (ピーク順位 / チャート滞在週数)

100 Sigrid - Don't Kill My Vibe (62位 / 7週)
99 Ed Sheeran - New Man (5位 / 14週)
97 Drake - Blem (10位 / 15週)
96 Royal Blood - Lights Out (96位 / 2週)
95 The Chainsmokers - Paris (5位 / 24週)
94 JP Cooper - September Song (7位 / 31週)
93 Imagine Dragons - Whatever It Takes (93位 / 1週)
91 The Chainsmokers - Closer (1位 / 47週)
90 James Arthur - Can I Be Him (69位 / 7週)
89 Little Mix - Shout Out to My Ex (1位 / 35週)
88 Ed Sheeran - Happier (6位 / 16週)
87 James Arthur - Say You Won't Let Go (1位 / 42週) 
86 Starley - Call On Me (6位 / 33週)
83 Ed Sheeran - Thinking Out Loud (1位 /118週)
82 Drake feat. Wizkid & Kyla - One Dance (1位 / 65週)
81 Lady Gaga - The Cure (19位 / 11週)
78 Martin Garrix & Dua Lipa - Scared to Be Lonely (14位 / 22週)
75 DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jremih - Don't Quit (75位 / 1週)
57 Ed Sheeran - What Do I Know (9位 / 17週)
50 Ed Sheeran - Perfect (4位 / 17週)
28 Liv'n' G - Smile for Bradley (28位 / 1週)

 

以上21曲が今週チャートから外れました。先週の9曲と比べると、入れ替わりが激しい週ということが分かります。そして、太字の6曲が新ルールの影響でチャートから外れた曲だと思います。Ed SheeranはShape of You、Galway Girl、Castle on the Hillの3曲が上位にいるため、Little MixはPower、No More Sad Songs、Touchの3曲が上位にいるため「3曲ルール」に引っかかりました。またDrakeのOne Danceは1年以上チャートに入り続けていているので、古い曲のストリーミング調整に引っかかったのだと思います。ストリーミング単独では順位を上げていて、チャートから外れ無さそうな様子だったので、何かしらの調整が行われている可能性が高いでしょう。New Man、Blemはルール関係ない自然減だと思います。

この6曲に加え、この週リリースのCalvin HarrisのCash Out、Heatstrokeもおそらくこのルールに阻まれたので、この新ルールによってチャートを8枠拡大したと言えます。

そのことを頭の片隅に起きながら、今週のチャートを見ていきます。

 

100 KSI - Creature (New)

99 Bugzy Malone - Bruce Wayne (New)

98 Dua Lipa - Be the One (↓)

97 Taylor Swift - Shake It Off (Re)

96 Travis Scott (feat. Kendrick Lamar) - Goosebumps (New)

95 Katy Perry feat. Skip Marley - Chained to the Rhythm (↓)

94 Stormzy - Big For Your Boots (↓)

93 Tyler, the Creator - Who Dat Boy (New)

上記のルールが開けた8枠によって入ってきた8曲です。そのうち4曲が新登場、さらには、Bugzy MaloneとTyler, the Creatorは初のイギリストップ100、Travis Scottも客演以外では初なので、新曲 / 才能のためのルール改正という狙いは最初の週から成果が見えています。8枠は一見少ないと思いましたが、今後も効果がありそうですかね。

 

92 Future feat. Chris Brown - Pie (New)

Mask Offが22位まで一時期上昇し、イギリスでも知名度を上げてきたFutureの新曲がさっそくチャートに登場。One Dance以降Drakeはイギリスでも完全に定着しましたが、それに続く形で他のラッパーの躍進も続いています。

 

91 Not3S - Aladdin (New)

USで支持されるヒップホップの他にも、グライムなどイギリス産ヒップホップの支持も拡大。このNot3Sもその一人。このAladdinのほかAddison Leeも63位に。

 

84 Bruno Mars - Versace on the Floor (New)

David Guettaとのシングルバージョンのリリースによりチャートに新登場。

 

72 Bryson Tiller - Run Me Dry (New)

リリースから数週経っての登場。Bryson TillerのRun Me Dry。DJ Khaled、Rihannaと組んだWild Thoughtsで知名度を上げた、と思ったのですが、Wild Thoughts前後でそこまでヒット度は変わらないようです。

 

65 Raye - The Line (New)

iTunesダウンロード割引の恩恵を受けRayeのThe Lineが登場。65位。Stormzyのグライムアンセム、Big For Your Bootsのビデオに登場し、またXファクター出身の5 After MidnightのUp in Hereのソングライトに参加し、さらにイギリスの上半期6番目のヒットJax JonesのYou Don't Know Meでは客演を務めるなどイギリスで幅広い活動をしているRaye。ゆくゆくはイギリスを代表するシンガーになるかも。注目株です。

 

59 Axwell ∧ Ingrosso - More ThanYou Know (New)

Swedish House Mafiaの3人中2人が集まったAxwell ∧ Ingrosso。そのMore Than You Knowが59位で登場。この名義ではイギリス5曲目のチャート入り。この名義でHot 100(アメリカ)に入ったことはありません。ただI Love Youがポップ系ラジオで多くかかるなど、ある程度ヒットの兆しはありました。

 

56 Liam Gallagher - Chinatown (New)

新曲Chinatownが56位で登場。Wonderwallが69位、Don't Look Back in Angerが87位ほか、Liam Gallagher名義のWall of Glassが45位に入っていますが。ソロ / グループの両方で入っていても「同一アーティスト3曲以下」のルールには引っかからないようです。まあ、当たり前といえば当たり前ですが……

 

55 The Killers - Mr. Brightside (↑)

古い曲を制限するルールもどこと吹く風?イギリスシングルチャートの見どころ、The KillersのMr. Brightsideが今週も元気に55位でチャートイン。この曲は古い曲で、新しい曲のためのチャートにするならこの曲は真っ先に消されそうですが意外とチャートに残りました。この曲をどう扱うか、が今後の「新曲をサポートしたい」イギリスシングルチャートを観る上で重要な項目な気がします。

 

43 Calvin Harris feat. Future & Khalid - Rollin' (Re)

アルバムリリースで再注目を浴びて再登場。Feelsは6位まで上昇しました。アルバムチャート1位の座はEd Sheeranに譲りましたが、5曲が100位相当のストリーミングやダウンロードを記録しています。ただし、上記のような3曲ルールで実際にチャートに載るのは3曲です。アメリカではアルバム1位を取ると思っていましたが、現状DJ Khaledの2週目のアルバム1位が見込まれているようです。

 

30 ALMA - Chasing Highs (↑)

ダウンロード割引の効果で上昇。フィンランド人シンガーALMAのChasing Highsが30位まで上昇。黄色い髪がトレードマークの彼女は、Martin Solveigの新曲All Starの客演も務めています。

最近 Charli XCXとDua LipaがこのALMAを訪れてフィンランドに行ったようです。

www.instagram.com

 

24 Rudimental feat. James Arthur - Sun Comes Up (New)

今週1番高い順位で登場した曲。RudimentalとJames ArthurのSun Comes Upが24位で登場。イギリスで人気の二組による夏アンセムです。初期のJohn NewmanとのFeel the Loveというよりは、セカンドアルバムのRumour Mill風の軽やかな作風です。

 

21 Imagine Dragons - Thunder (↑)

アメリカでは今週Believerがトップ10入りし、今年初のロック曲のトップ10入りとなりましたが、イギリスではThunderのほうが人気です。

 

9 Maggie Lindemann - Pretty Girl (↑)

Maggie LundemannのPretty Girlが9位に上昇。自身初のイギリストップ10。ポイントのほとんどをCheat Codes X Cade Remixで稼いでいます(=Remixがメインバージョンのようになっています)。Cheat CodesはSexに次いで2曲目のイギリストップ10です。Maggie LindemannもCheat Codesも両方共アメリカ出身ですが、まだアメリカのチャートでは100位にも入っていません。

ちなみに個人的にはリミックスじゃない原曲バージョンが2017後期にアメリカで流行るのではないか?と密かに期待しています。

 

7 Rita Ora - Your Song (↑)

7位浮上と好調のRita OraのYour Song。2012年のデビュー以降9曲目のイギリストップ10と、イギリスで支持されています。How We Do、I Will Never Let You Down(と客演のBlack Widow)に続くアメリカのHot 100入りも期待できそうです。

ちなみにRita OraはR.I.P.ではDrake、I Will Never Let You DownではCalvin Harris、Black Widow(客演)ではKaty Perry*1、そしてこのYour SongではEd Sheeranがソングライトに参加するなど、多様なアーティストと組んで楽曲をリリースしています。

*1:厳密にいうと、ソングライトというよりも、Katy Perryが採用しなかった曲をIggy Azaleaが拾ったもの

7/7リリースの新曲/新作 の初動を観察 【Keshaの新曲のプロデューサーは?】

f:id:djk2:20170708174327j:plain

今週の見どころはJay-ZのアルバムはTidal限定ではなくなった点ですかね。ただし大手ストリーミングサービスの中ではSpotifyだけ省くという処遇を行っています。(例えばLine Musicとかでも、このアルバムが来ていました)、Spotifyは無料で聞ける範囲が広いからですかね??

また、もう一つの見どころはKeshaの新曲でしょう。それらがどのような順位でスタートしたのか、観察していきます。

 

1 現在のSpotify 1位~10位

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber Despacito
2 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
3 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller Wild Thoughts
4 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
5 Kendrick Lamar HUMBLE.
6 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
7 Post Malone feat. Quavo Congratulations
8 Calvin Harris feat. Frank Ocean & Migos Slide
9 Childish Gambino Redbone
10 Khalid Location

 

先週のアルバムリリースを機に浮上したSlideがそのまま上位に定着。Feelsも11位と高い順位をキープしています。依然としてDespacitoが1位ですが、その座を脅かす存在がそろそろ現れるか!

 

2 Spotify 200位圏内に入った新曲

17 21 Savage Bank Account
22 Kesha Praying
36 Zedd & Liam Payne Get Low
43 21 Savage Famous
54 21 Savage Numb
58 21 Savage Close My Eyes
59 21 Savage Bad Business
66 French Montana feat. Pharrell Bring Dem Things
76 21 Savage Baby Girl
80 21 Savage Thug Life
81 21 Savage FaceTime
96 21 Savage Nothin New
107 21 Savage Dead People
115 21 Savage Money Convo
116 21 Savage 7Min Freestyle
118 HAIM Kept Me Crying
121 21 Savage Whole Lot
140 Cash Cash feat. Cono Maynard All My Love
144 Marc E. Bassy feat. Kyle Plot Twist
146 21 Savage Special
155 The All-American Rejects Sweat
178 Coldplay ALIENS

 

まず表を見て目立つのは21 Savage。初の「アルバム」Issa Albumの全曲が200位圏内に。一曲にYoung Thugのアディショナル・ボーカルが入っていること以外は客演がいないアルバムですが、それでの全曲200位圏内入は見事だと思います。勢いを感じます。Jay-ZのアルバムがSpotifyに来なかったことも多少追い風になったのでしょうか。(Jay-ZファンのSpotifyユーザーが、聴けない4:44の代わりにこっちを聞く、のような)

そしてKesha。以前の陽気なエレクトロポップからはスタイルチェンジして壮大なバラードタイプの曲をリリース。iTunesでも2位で出だしはかなり好調。この曲のプロデューサーはRyan Lewisです。2013年にMacklemoreと組んで一世を風靡した彼ですが、今年のMacklemoreの新曲GloriousではクレジットにRyan Lewisの名は無く、音楽的な破局を発表。そんなRyan Lewisの新活動の第一弾がKeshaの新曲のプロデュースということのようです。

そしてZeddとLiam Payneの新曲。私が聴いてみた感じ、個人的にはかなり「薄味」と感じたので(第一印象では)、今後じわじわ上昇していくのでしょうか。両者とも今年出した曲は好調ですが、それに続けるでしょうか。あとZeddがStayに続いて、feat.ではなく&(Zedd with ◯◯のような表記)なのかも個人的に少し気になります。

その他、The All-American Rejectsの久々のシングル、現在iTunesアルバム2位のHAIMの曲、Coldplayの新曲などが登場しています。HAIMはセールスでは成績が良いものの、ストリーミングでは数字があまり稼げなさそうでしょうか。

 

3 iTunes100位圏内の新曲

2 Kesha Praying
11 Zedd & Liam Payne Get Low
28 Jay-Z 4:44
30 Jay-Z The Story of O.J.
34 Old Dominion Written in the Sand
47 Jay-Z feat. Damian Marley Bam
48 Sabrina Carpenter Why
50 21 Savage Back Account
69 Jay-Z feat. Beyoncé Family Feud
71 Jennifer Lopez feat. Gente de Zona Ni Tú Ni Yo
78 Darius Rucker For the First Time
88 Jay-Z Kill Jay Z

 

上記のSpotifyでは対応していないJay-Zの曲がiTunesシングルでは登場。一番人気は表題シングル4:44なようですが、ラジオでかかりはじめるのはBamのようです。Jennifer Lopezの新曲は71位と、Hot 100入りが怪しい数字です。