チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Hot 100 11/18 見どころ 【古巣越えを果たしたCamila Cabello、次なる目標は……】

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Fifth Harmony時代のピーク、Work From Homeでの4位を越える2位をHavanaで今週記録したCamila Cabello。古巣を越えたCamilaですが、どこまでビッグになれるのか??ほかハロウィンのミックステープ2つ、2000年生まれのトップ10など

 

 

98 Devin Dawson – All On Me

カントリー歌手のDevin DawsonのAll On Meが98位で登場。初のHot 100です。カントリー系ラジオでの上昇によるHot 100入りです。ほか先々週にHot 100に登場したAsk Me How I KnowとYou Broke Up With Meも同じくカントリー系ラジオでの好調によりHot 100に再登場しています。

※今週はFuture・Young Thugのミックステープからの曲が5曲圏外に落ち、また70位の2曲がルールにより外れた影響もあって、Hot 100下位の「枠」がいくつか空きこの2曲を含む5曲が再登場。Becky GのMayoresと、Chris BrownのHigh End、MacklemoreのGood Old Days。

 

72 Macklemore feat. Kesha – Good Old Days

Macklemore・KeshaのGood Old Daysが72位で再登場。ラジオの上昇によりアルバムリリース時以来のHot 100に。現在ポップ系 / アダルトポップ系 / リズミック系(ポップとアーバンの中間のような局)の3系統でかかっていますが、中でもポップ系で一番人気のようです。

※音楽ジャンルで分けるとラップのMacklemoreですが、あまり Hip-Hop/R&B系=アーバン系のラジオには縁がなく、前アルバムの時期ぐらいからアーバン系ではほぼかかっていません。主戦場はポップ系ラジオ。

2013年に大ブレイクしていた時もThrift Shopがアーバン系ラジオ34位・Can’t Hold Us45位とそこまで上位には入っていませんでした。ポップ系ラジオでは両方1位になっています。ちなみになぜかThrift Shopはロック系ラジオの1系統・オルタナティブ系ラジオで14位まで到達しています。

(ラジオの参考データ) Macklemore & Ryan Lewis Chart History | Billboard

 

57 21 Savage, Offset & Metro Boomin feat. Travis Scott – Ghostface Killers

10/31のハロウィンにラッパー二人21 Savage・Offset+プロデューサーのMetro Boominのミックステープ・Without Warningが緊急リリースされました。リリースが火曜日で集計が3日分だったにも関わらず短期間で多くのストリーミングを記録し、Hot 100に4曲を送り込んでいます。94位にMy Choppa Hate N***s (21 Savageのみ)、74位にRap Saved Me (客演Quavo)、71位にRic Flair Drip (Offsetのみ)、そして57位にGhostface Killers (客演Travis Scott)。集計が短め・かつ緊急リリースでもストリーミングでHot 100にここまで入るとは、この面々の勢いを感じます。内容も充実していて(Metro Boominのビートが天才的)、音楽批評メディアPitchforkも8.0と高めの点数を付けています。*1

このミックステープは今週のアルバムチャート4位に食い込んでいます。

21 Savage / Offset / Metro Boomin: Without Warning Album Review | Pitchfork

 

51 Chris Brown feat. Yo Gotti, A Boogie Wit da Hoodie & Kodak Black – Pills And Automobiles

上記のミックステープと同じくハロウィンにリリースされたChris Brownのアルバム。こちらは緊急リリースではなく前もって告知されていた「スタジオアルバム」。彼にとって8枚目のアルバム。上記のミックステープほどではないものの、それなりのストリーミングを記録していて3曲がHot 100に。100位にHigh End (客演Future・Young Thug)、79位にQuestions、51位にこのPills And Automobilesが。上のミックステープとは違って緊急リリースではなく、ラジオで既にポイントを得ているため、Hot 100の順位は高めになっています。こちらはアルバムチャート3位です。

※アルバムの収録曲数に関わらず、1500ストリーム=1アルバムセールスとアルバムチャートで計算されるため、アルバムの曲数が多ければ多いほど現行のアルバムチャートでは有利。Chris Brownの今回のアルバムはデラックス含めて45曲(含めなくても40曲・2枚組)なので、かなり「得」しています。一時期Apple Musicの1位~5位を独占するような圧倒的なストリーミングを記録した上記のミックステープ(10曲)を僅かに上回るストリーミング(とセールス)をChris Brownのアルバムは記録しているようです。*2

 

47 Kelly Clarkson – Love So Soft

同じくアルバムリリースのKelly Clarkson。先行シングルのLove So Softが47位に上昇。ラジオに加えてアルバムリリースによってダウンロードが少し増えましたが、わずかにトップ40に届かず。ラジオの上昇も止まってきたことから、あまり伸びシロは期待できないか……アルバムチャートでもカントリー歌手Kenny Chesneyに敗れ2位に。

※Kenny Chesneyのアルバムはライブチケット付きのライブアルバムで、Kelly Clarksonにダブルスコアを付けているようです。セールス21,7000のうち19,7000はライブチケット付きのエディションのようです。ライブアルバムとしては2002年のPaul McCartney以来の規模のセールスです。アルバムにはTaylor Swift、Eric Churchなどが登場します。

また彼は今週97位にAll the Pretty Girlsという曲がランクインしていますが、この曲はそのアルバムには入っていません。

(参考記事)

 

35 Selena Gomez & Marshmello – Wolves

1週目:短期間集計 → 2週目:7日フル集計の流れで、「約束された上昇」をしたSelena GomezとMarshmelloのWolves。今週35位で、Marshmelloにとってはキャリア初のトップ40に。彼のSilenceは今週50位で依然としてトップ40に僅かに手が届きませんが……。尻すぼみに終わってしまったBad Liar・Fetishも序盤は好調だったので、最終的にヒットになるかどうか?を決めるのは序盤のペースをキープできるかにかかりそうです。少なくともチャート滞在20週は目指したいですね……

 

19 Taylor Swift - ...Ready For It?

今週34位 / 11週目と落下の止まらない”Look”に代わってシングル化された...Ready For It?が意地の上昇。今週の上昇はビデオ公開の効果が大きいでしょうか。ラジオでもそれなりのスピードで上昇していて、このまま順当に行けばリリース週以来のトップ10復帰ぐらいまでは行けるでしょうか。1位になるほどは勢いが無い気もしますが。(ストリーミングのピークはもう終わっている……)

ちなみに先週13位のGorgeousは69位へ。

※ビデオのリリースは10/26(木)、そして今週のチャート集計は10/27~11/2なので、ビデオの効果が一番大きく現れるのはおそらく今週。一応先週のチャート集計が10/20~10/26で先週のチャートにも効果は無くもないですが、メインは今週ですかね……。先週の記事で「ビデオ効果で……」と少し言及していたので、その点を少し訂正します。

 

14 Migos, Nicki Minaj & Cardi B – MotorSport

Migos・Nicki Minaj・Cardi BのMotorSportが14位で登場。彼らが得意とするストリーミングで上々の数字を記録しただけでなく、ダウンロードも5位と高水準の数字を叩き出したため、Hot 100で14位と快調なスタートを切っています。Offset + Cardi Bの婚約とほぼ同時タイミングのリリース、Hot 100でなかなか1位を取れないNicki Minaj、デビューシングルでHot 1001位を取ったCardi Bが同居していることなどから、曲以外にも注目される要素があったため、ダウンロードでも高い数字を記録したのでしょうか。

自身のシングルでは1位を取りましたが、Cardi BはNicki Minajのように客演でも今後活躍できるでしょうか。G-Eazy・A$AP RockyとのNo Limitも今週24位と好調です。

 

7 Lil Pump – Gucci Gang

ストリーミングでのグングン数字を伸ばし、ついに今週トップ10入り。Lil PumpのGucci Gangが7位に。10/23(月)にリリースされたビデオがさらなる追い風となり2週連続の大きなジャンプアップに繋がりました。ラジオ50位圏外・ダウンロード38位・ストリーミング2位とかなり偏ったポイントの取り方をしています。ストリーミングが上位にいるうちにラジオかダウンロードが上がって来られるかがカギです。

※ラジオは今週アーバン系のみで43位/1週目とまだ「かかり始め」の段階です。

Spotifyでより人気で、現在アメリカ2位のほかグローバル11位と奮闘しています。(Apple Musicではアメリカ9位、グローバルのデータは無し)

 

2 Camila Cabello feat. Young Thug – Havana

Camila CabelloのHavanaが2位まで上昇!Fifth Harmony時の最高位Work From Home(4位)を上回り「古巣越え」を達成。これでアメリカとイギリスの両方で古巣を越えたことに。(Work From Homeはアメリカ4位・イギリス2位 / Havanaはアメリカ2位・イギリス1位)

それぞれの離脱後第一弾シングル、 CamilaのCrying in the Club、Fifth HarmonyのDownはいずれも共倒れに終わってしまいましたが、このHavanaは大成功に。(Fifth Harmonyの次シングルHe Like Thatはポップ系ラジオではかかっているものの、まだHot 100には登場せず。調子も微妙?)

ソロ化以降、Sia、Pharrell Williams、Charli XCX、などの面々と曲を製作し、さらにはソロでCashmere Cat、Major Lazerなどの客演を努め、人脈も充実。さらにはワイルドスピードのサントラではスペイン語歌詞を歌い、最近のプエルトリコ支援シングルではラテン界の一員として活躍するなど「ラテン系スター」としての1面もあり、活躍の幅が広いです。この曲のHavanaも出身地キューバの地名で「ラテン」推しですかね。

このような幅広い人脈 + 支持基盤の広さ?からRihannaのような「世界代表ディーバ」になり得るポテンシャルがあるかも??まず目指すはHot 100の1位でしょうか。ラジオは引き続き急上昇しており、可能性は十分です。

ダウンロード:Havanaがリード、ラジオ:rockstarが一歩リードもHavanaが猛追(両方とも上昇中)、ストリーミング:rockstarがリード。果たして……?

 

× Justin Bieber & BloodPop – Friends

David Guettaとの2Uに引き続き、Justin BieberのFriendsは不調に終わってしまいました。(ピーク)20位 / 10週滞在と、2Uの16位 / 11週滞在をも下回る成績でした。今年は彼の新曲リリースが多すぎたせいでしょうか……実はひっそりこの曲のソングライターでもあるJulia Michaelsを新たにボーカルとして加えたリミックスバージョンをリリースしたのですが、あまり注目されずヒットには繋がりませんでしたね……

I’m the OneとDespacitoでは彼が客演に入ることで曲に対する注目度を高め、Hot 100で1位を取るような大ヒットに導いた彼ですが、後半は失速。この曲での悪い流れを今後引きずらないか心配ですが果たして……

※客演ではなく彼メインの名義で微妙なヒットになったという点がやはり少し心配ですよね……20位デビューは別に悪くないですが、「もしかしたらDespacitoの1位を止めるかも?」という期待感からの落差はありましたね……その時点で嫌な予感はしたのですが、ここまで不調とは……

 

× Travis Scott – Butterfly Effect

ここ2週特例によって粘ってチャートに残ったTravis ScottのButterfly Effectですが、今週あえなくチャート圏外へ。ラジオは今まさにピークなものの、ストリーミングのピークが約3カ月前で、そこまで伸びシロが感じられないため「もう上昇できない」と判定され圏外へ落とされたのでしょうか。

少しポイントが不足している気もしますが、この2週の粘りが生きて年間チャートにギリギリ入る可能性もわずかにあります。

※ストリーミングでまずヒット → ストリーミングである程度数字を維持しつつラジオにバトンタッチというのは、近年の理想的なシングルヒットの仕方の一つを体現している曲でもあります。ややポイントが足りず21週目以降でもチャートから外れることを免れる50位以上に入れず、チャートからは外れてしまいましたが。

 

× SZA feat. Travis Scott – Love Galore

SZAのLove Galoreが健闘し、チャートを後に。

同じ週にリリースされたKaty PerryのアルバムWitnessを同週のうちにiTunesで抜いて1位になり、さらにPitchforkからはBest New Musicを頂くなどデビューアルバムのCtrlが大きく注目されたSZA(アルバムチャートではKaty Perryに敗れ2位)。シングルでも奮闘し、このLove Galoreは32位とトップ40入りも果たしました。次シングルのThe Weekendも44位とトップ40に近づいており、さらにMaroon 5の客演をつとめたWhat Lovers Doも今週12位とトップ10に接近中です。

※唯一惜しい点を言うと、20週きっかりでチャートを後にした点ででしょうか。30位台ピークだと入る / 入らないを含めて、年間チャートで1週の差がシビアなので……

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Imagine Dragons - Thunder

今週最もダウンロードが上昇した曲 Kelly Clarkson – Love So Soft

今週最もストリーミングが伸びた曲 Selena Gomez & Mareshmello - Wolves

最も高い順位で新登場した曲          Migos, Nicki Minaj & Cardi B - MotorSport

 

 

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Future & Young Thug – Three (🗻100位 /⏰1週)

98 Liam Payne – Bedroom Floor (🗻98位 /⏰1週)

94 Justin Bieber & BloodPop – Friends (🗻20位 /⏰10週)

92 Future – 4 Da Gang (🗻92位 /⏰1週)

79 2 Chainz feat. Ty Dolla $ign, Trey Songz & Jhene Aiko – It’s A Vibe (🗻44位 /20週)

77 Future & Young Thug – All Da Smoke (🗻77位 /⏰1週)

76 Wisin feat. Ozuna – Escapate – Conmigo (🗻63位 /20週)

68 Future – Feed Me Dope (🗻68位 /⏰1週)

62 Future & Young Thug – No Cap (🗻62位 /⏰1週)

53 Travis Scott – Butterfly Effect (🗻51位 /22週)

48 SZA feat. Travis Scott – Love Galore (🗻32位 /20週)

 

 

来週以降にHot 100に入るポテンシャルを持った曲をピックアップしました

 

Offset & Metro Boomin – Nightmare

21 Savage, Offset & Metro Boomin – Mad Stalkers

21 Savage, Offset & Metro Boomin – Disrespectful

21 Savage & Metro Boomin – Run Up the Racks

 

本文で言及したミックステープ・Without Warning。来週のHot 100ではリリース直後の最も熱を帯びる期間が集計集計されないことを差し引いても、集計が7日分フルでされることを考慮すると、曲数が伸びる可能性も。候補は上の4曲あたりでしょうか。仮にこのミックステープが金曜日リリースならば10曲以上がHot 100に入りそうな勢いがあります。

 

 

 

*1:個人的にRap Saved Meが好きです。この曲はQuavoが凄まじいです。Twitterで「この曲におけるQuavoの登場はまるでイエスの歩行のようだ」と例えている人がいて勝手に共感しました笑

*2:Chris Brownのアルバムの「総合セールス=純セールス+シングルダウンロード+ストリーミング」は6,8000、そして純セールスは2,5000。つまりダウンロード+ストリーミングは4,3000。一方Metro Boominなどのミックステープは総合5,3000、純セールス1,1000でダウンロード+ストリーミングは4,2000。なのでChris Brownのほうが少し上回っていることが分かります

11/3 リリース新曲/新作の初動を観察 【Sam Smithの新作と激しいアルバム1位争い + 超豪華メンバーのシングル】

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今週の注目トピックスはSam Smithの新作!果たしてどこまでヒットしたのか?その他にも今週は注目のアルバムリリースが多めです。

写真はSam Smithと、記事タイトルの超豪華メンバーのシングルに登場するCharli XCX。

 

Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日=11/3) 

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Lil Pump Gucci Gang
3 Post Malone I Fall Apart
4 21 Savage, Offset, Metro Boomin feat. Travis Scott Ghostface Killers
5 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
6 Sam Smith Too Good At Goodbyes
7 21 Savage  Bank Account
8 Offset, Metro Boomin Ric Flair Drip
9 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
10 Migos, Cardi B & Nicki Minaj MotorSport

 

新アルバムからの曲が多くトップ10に。Sam SmithのToo Good At Goodbyesが6位へ。最近はアルバムリリースのタイミングでトップ10に浮上  → そのままトップ10に少し定着というパターンが多くSpotifyで見られますが、この曲はいつまでトップ10にとどまれるでしょうか。ポップスがやや伸びにくいストリーミングでここまで来れば上々の成績だと思います。

そして、ハロウィン(火曜日)に緊急リリースされた21 Savage・Offset・Metro Boominのミックステープからは2曲がSpotifyに!リリース日から少し日がたっていますが、現在でも全10曲がSpotifyの200位圏内に残っています。リリース日は全曲がSpotify100位以内でした。 Apple Musicではこれ以上のストリーミングを記録していてHot 100への大量エントリーの予感が。

今週金曜日のリリースが反映されるのは再来週のHot 100ですが、このミックステープは火曜日リリースだったので、火曜日~木曜日の3日分*1のポイントで一部の曲が来週のHot 100に登場するかも。そして再来週に大量登場、でしょうか。

 

② 新曲/新アルバムからのシングル アメリカSpotifyデイリー順位 (金曜日)

12 Taylor Swift Call It What You Want
✫16 Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do
33 21 Savage, Offset, Metro Boomin feat. Quavo Rap Saved Me
37 21 Savage, Metro Boomin  My Choppa Hate Niggas
38 Maroon 5 Wait
✫41 Sam Smith Pray
45 N.E.R.D. & Rihanna Lemon
51 Sam Smith Nothing Left For You
52 21 Savage, Offset, Metro Boomin  Disrespectful
55 Offset, Metro Boomin Nightmare
58 21 Savage, Offset, Metro Boomin Mad Stalkers
59 Big Sean & Metro Boomin feat. 21 Savage Pull Up N Wreck
✫61 Sam Smith Burning
70 Sam Smith Say It First
83 Sam Smith One Last Song
85 21 Savage, Metro Boomin  Run Up the Racks
90 Lil Uzi Vert feat. Nicki Minaj & Oh Wonder The Way Life Goes
94 Sam Smith Midnight Train
103 21 Savage, Offset, Metro Boomin Still Serving
105 Sam Smith HIM
107 21 Savage, Offset, Metro Boomin Darth Vader
108 Sam Smith Baby, You Make Me Crazy
110 Sam Smith No Peace
129 Kygo & Oliver Nelson feat. Bonnie McKee Riding Shotgun
136 Sam Smith Palace
138 David Guetta & Afrojack feat. Charli XCX & French Montana Dirty Sexy Money
142 Sam Smith Scars
147 Sam Smith The Thrill Of It All
159 DJ Luian & Membo Kingz feat. Bad Bunny, Prince Royce & J Balvin Sensualidad
161 blackbear santa monica & la brea
172 Joji Will He
177 Sam Smith One Day At A Time
192 Kelsea Ballerini End of the World

✫=新リリースではないが、新アルバムに収録

 

前述したMetro Boominらのミックステープに加え、Sam Smithのアルバムも全曲がSpotifyトップ200位圏内に!ポップスのシンガーとしてはやや珍しい記録です。

ちなみに今年ポップスのシンガーで、アルバム全曲がアメリカのSpotify 200位圏内に登場したのはEd Sheeran、Harry Styles、Lordeに次いで4人目。

ラッパーが14のアルバムで同じ200位圏内の記録を成し遂げていることを考えると、その4人がやや控えめな数字であることが分かります。リリースペースの違いという面もありますが。

ちなみにアルバムチャートでは1位だったKaty PerryP!nkはアルバムの半分も200位圏内に入れず……アルバム自体は週の1位クラス(P!nkに至っては今年ベストのセールス)でも、ストリーミングでは数字が低いということも。こういう辺りから「ポップスはストリーミングが苦手気味」という印象があります。

そのような事実から、ここまで曲が入ったSam Smithへの期待度は相変わらず高いということが分かります。アルバム1位争いで一歩リードといえます。

一方Maroon 5はわずか2曲のみの登場に。どちらも順位は高めですが、これではストリーミングでのポイント増が望めませんかね……アルバム自体は超ポップなジャケからは予想もつかないような曲もあって(特に最後の11分超えのClosure)少し驚きました。*2

ほかKygoのアルバム?EP?Kids In Loveから2曲が登場。Katy Perryの名相方として2010年代前半の多数のヒットをソングライトしたBonnie McKeeが久々のカムバックしたRiding Shotgunが人気。(Bonnie McKeeの紹介など↓)

 

今週は注目シングルがいくつかあります。

まずはTaylor SwiftのCall It What You Want。来週のアルバムに向けて最後のプロモーション。果たしてどんなアルバムなのか?客演はあるのか?カニエへさらなる仕掛けはあるのか?売上は?来週を待ちましょう。

そしてPharrell率いるN.E.R.D.のカムバックシングルLemon。ダウンロードでも好調で13年ぶりのHot 100入りになりそう。コラボしたRihannaが存在感を示していて、Pitchforkはこの曲を「N.E.R.D.の曲なのにRihannaの独壇場」と評しています。

さらにはDavid Guetta & Afrojack らのSexy Dirty Moneyにも注目。客演にはCharli XCXとFrench Montana、さらにプロデュースにはSkrillexが参加。他ソングライト陣にはCharli XCXの曲を受け持つことが多いA.G.CookとNoonie Baoが。このように多方面からの勢力を集めた超豪華シングルです。French MontanaはUnforgettableのブレイク以降、ポップスへのコラボが増えています。ALMAとのPhases、Redone, Daddy Yankee, Dinah Jane(Fifth Harmonyのメンバー)とのBoom Boomなど

 

※ここから少しマニアックな話

French MontanaはStefflon Don、ALMAというCharli XCXの妹的存在?とのコラボに次いで姉様とのコラボに。

(Stefflon DonはAfter the AfterpartyのVIPリミックスに参加・関係性はそこまで深くないかも?) ALMAは最近ビルボードに「Charli XCXのBFF」のタイトルでインタビュー記事が載っていました。

 

※そしてソングライターの一人Noonie Baoにも個人的に注目。このシングルではDavid Guetta・Afrojack・Skrillexという豪華な面々のDJと仕事をしている(実際会っているかは不明ですが)彼女ですが、過去にもZedd(Stayのソングライト)・AviciiとNicky Romero(I Could Be the Oneのボーカル)・Alesso(ボーカル)・Alan Walker(ボーカル)など錚々たる面々のDJと仕事をした経験が。他にもポップス系シンガーへのソングライトも増え始めている彼女。今後のソングライト活動や、また自身のシンガー活動にも期待しています。

 

他には、Metro Boominの今週2度目の仕事・Big Seanとのコラボ曲、シングル化とともにNicki MinajのリミックスがリリースされたLil Uzi VertのThe Way Life Goesなど。客演に新たに追加されたOh Wonderはこの曲のサンプリング元となったバンドです(Landslideという曲です)そして、今週EPをリリースしたJojiの曲など。

 

 iTunesアメリカップ10+新曲の順位 (金曜日)

1 Taylor Swift Call It What You Want
2 Imagine Dragons Thunder
3 Ed Sheeran Perfect
4 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
5 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
6$ Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do
7 Portugal. The Man Feel It Still
8 N.E.R.D & Rihanna Lemon
9 Taylor Swift ..Ready For It?
10 Halsey  Bad at Love

セールスでは無双のテイラーが1位。歴代単独最多の15曲目のダウンロード1位へ。来週か再来週にWhat Lovers DoはHot 100のトップ10に入りそうです。

 

11 Sam Smith Too Good at Goodbyes
13$ Blake Shelton I'll Name the Dogs
15 Lil Uzi Vert feat. Nicki Minaj The Way Life Goes (Remix)
27$ Maroon 5 Wait
36 Big Sean & Metro Boomin feat. 21 Savage Pull N Wreck 
45 David Guetta & Afrojcak feat. Charli XCX & French Montana Dirty Sexy Money
47 Kelsea Ballerini I Hate Love Songs
50 21 Savage, Offset & Metro Boomin feat. Travis Scott Ghostface Killers
51 21 Savage, Offset & Metro Boomin feat. Quavo Rap Saved Me
59 Lil Kim Took Us a Break
✫61 Sam Smith Burning
66 Kygo feat. One Republic Stranger Things
69 Luke Bryan  Most People Are Good
76 Offset & Metro Boomin Lic Flair Drip
78 Blake Shelton Why Me
80 Sam Smith One Last Song
82 Led Zeppelin Immigrant Song
84 Chris Kohanski Landslide
86 Mariah Carey All I Want For Christmas Is You
✫87 Kelsea Ballerini Legends
95 In Real Life Feel This Christmas
96 Sam Smith Say It First
98 Blake Shelton I Lived It
100 DJ Luian & Membo Kingz feat. Bad Bunny, Prince Royce & J Balvin Sensualidad

✫は新リリースではないものの、新アルバムの曲

$は値引きシングル

 

上記の人気曲が多くダウンロードも記録。Metro Boominのミックステープのシングルはストリーミングで無双しつつダウンロードでも一定の数字を記録しています。Hot 100の成績が楽しみです。

一部クリスマス曲がダウンロードされ始めています。人々は気分をクリスマスに切り替えていっているようですね。

ちなみに先週の半ばにiTunes50位前後にTWICEの新曲LIKEYが入っていましたが、今週に入ってからはiTunes100位圏外へ……

 

iTunes アルバム順位 (アメリカ)

1 Sam Smith The Thrill of It All
2 Kelsea Ballerini Unapologetically
3 Blake Shelton Texoma Shore
4 Maroon 5 Red Pill Bluse
5 Kid Rock Sweet Southern Sugar
6 Chris Brown Heartbreak on a Full Moon
7 Grace Vanderwaal Just the Beginning
8 Joji In Tongues EP
9 21 Savage, Offset & Metro Boomin Without Warning
10 Kelly Clarkson Meaning of Life

 

Sam Smithのアルバムが1位。2位3位に新旧カントリー勢。Maroon 5は現状4位に。瞬間的に2位だった瞬間もあるみたいですが。Blake Shelton、Maroon 5はキャリアが長くファンベースもしっかりしているので、ライバルとしては強力ですが、iTunesではSam Smithが強いみたいです。彼は前述のようにストリーミングでも上々、さらにシングルのセールスでは大差がついていないので、店頭を差し引いてもSam Smithがアルバム1位になりそうですね。と思ったら正解みたいです↓

前のアルバムでは1位を取れなかったので初のアメリカでのアルバム1位です。


たまに参考にするこの予想ですがこの予想はいつも日曜に出ているみたいです。この予想は今のところデータが見当たらない(ビルボードのチャートが出るまでわからない)セールスの具体的な数字を先に教えてくれるので重宝しております。

 

⑤現在ラジオで上り調子の10曲

新企画です。今ラジオで伸び幅の大きい10曲を紹介します。ソースはおなじみkworb.comです。

6 Imagine Dragons Thunder
20 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
17 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
44 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit
21 Ed Sheeran Perfect
33 Halsey Bad At Love
5 P!nk What About Us
36 Taylor Swift ..Ready For It
64 Russell Dickerson Yours
12 Sam Smith Too Good At Goodbyes

Hot 100でもトップ10につけるThunder、Havanaの2曲がラジオでも大きく伸びています。rockstarもまだまだ伸びます。

 

⑥各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

✫ポップ系

38 Selena Gomez & Marshmello Wolves
42 Cheat Codes feat. Fetty Wap & CVBZ Feels Great
45 Liam Payne Bedroom Floor
47 Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant To Be
50 Harry Styles Kiwi

Selena GomezとMarshmelloのWolvesが、同じくMarshmelloのSilenceを抜くレベルに好調。Harry Stylesの新シングルも。これは3曲目のシングルですが、2曲目のシングルTwo GhostsはHot 100に入れませんでした……

 

✫アダルトポップ系

45 Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant To Be

ラジオで強そう

 

✫リズミック系

40 Migos, Cardi B & Nicki Minaj MotorSport
43 Russ Wife You Up
45 A$AP Ferg Plain Jane
48 Taylor Swift ..Ready For It
50 Lil Pump Gucci Gang

...Ready For It?が局の系統を広げ、シングルとして少しずつ上昇しています。

 

✫アーバン系

25 Migos, Cardi B & Nicki Minaj MotorSport
36 Lil Pump Gucci Gang
43 Calvin Harris feat. Kehlani & Lil Yachty Faking It
47 Ayo & Teo Better Off Alone
48 Jacques feat. Dej Loaf At The Club

ストリーミングで人気のMigos・Lil Pumpの曲が勢いよく駆け上がっていっています。

 

✫カントリー系

44 Blake Shelton At The House
46 Blake Shelton I Lived It
47 Blake Shelton Turnin' Me On
49 Blake Shelton Money

この4曲はシングルではないのですが、アルバムリリースを期にラジオでかかるとはさすが大御所Blake Sheltonです。カントリー界はラジオのサポートが充実しているので、仮にストリーミングの数字とラジオを両立できる究極の大御所がいればHot 100を席巻できそう。ただしカントリー歌手はストリーミングを上記のポップス以上に苦手とする傾向がある(ストリーミング総合トップ50に入るのすらレア)ので、あまり現実味はないですね……

 

⑦その他の国のSpotify トップ10

 

✫イギリス

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
3 Sam Smith Too Good At Goodbyes
4 Dua Lipa New Rules
5 Marshmello feat. Khalid Silence
6 ZAYN feat. Sia Dusk Till Dawn
7 Avicii feat. Rita Ora Lonely Together
8 Post Malone I Fall Apart
9 Mabel feat. Kojo Funds Finders Keepers
10 Big Shaq Man's Not Hot

イギリスのラッパー、Big ShaqがSpotifyのトップ10へ。またSpotifyでは2位のHavanaですが、セールスではrockstarを上回っており、今週ついにシングルチャートでは逆転。Work from Homeは最高2位だったので、ついに古巣越えを達成。

 

✫ドイツ

1 Bausa Was Du Liebe nennst
2 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
3 Kollegah Gamechanger
4 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
5 ZAYN feat. Sia Dusk Till Dawn
6 Marshmello feat. Khalid Silence
7 NF Let You Down
8 Dua Lipa New Rules
9 Axwell ∧ Ingrosso More Than You Know
10 Ed Sheeran Perfect

上位2曲の強さは相変わらず。Kollegahの曲がSpotifyトップ10から抜けて新たにまたKollegahの曲が同トップ10に。

 

✫日本

1 Ed Sheeran Shape of You
2 DAOKO & 米津玄師 打上花火
3 Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do
4 Selena Gomez & Marshmello Wolves
5 TWICE One More Time
6 Dua Lipa New Rules
7 Sam Smith Too Good at Goodbyes
8 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
9 清水翔太 My Boo
10 Justin Bieber & BloodPop Friends

Sam Smithがアルバム効果でトップ10に入った以外大きな変化なし。TWICEの新曲LIKEYが11位まで浮上。

*1:Hot 100の集計は金曜日~木曜日のサイクル

*2:逆に言うと、この内容やるなら何でこのジャケ?とも思いました

Hot 100 11/11 見どころ 【Young Thugにとって嬉しい週に?】

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Young Thugが今週初のシングルトップ10(客演)、そしてアルバムチャートでは自己最高の2位を記録!*1ほかTaylor Swiftが14回目のダウンロード1位など

 

 

98 Liam Payne – Bedroom Floor (New)

Liam PayneのBedroom Floorが98位で登場。全米トップ10入りなど、成功を収めたStrip That Downに次ぐシングル。Chalie Puthが制作に参加したエレポップ風の爽やかなトラック。彼は自分の曲はTygaのRack Cityみたいなヒップホップ系と語っていましたが、Strip That Downと違ってこのBedroom Floorにはヒップホップ感はあまりありません。この曲が例外なのか、それとも様々なジャンルにトライしているのか?今後の曲スタイルに注目が集まります。

 

96 Niall Horan – Too Much To Ask (Re)

Niall Horanのデビュー作が今週アルバムチャートで1位に。それに伴いToo Much To AskがHot 100に再登場。他にはSlow Handsが24位に。シングルのトップ10は逃したものの、アルバムチャートでは1位を獲得し元One Direction勢では3人目の1位に。一つのグループからソロでアルバムチャート1位を獲得したのが3人出るのはThe Beatlesと並んで最多タイ(George Harrison 2回、John Lennon 3回、Paul McCartney 6回※Wings含む)です。残るLiamかLouisがアルバム1位を獲得して「人数」でビートルズを上回ることはできるのでしょうか?まあ、「上回る」と言っても、ビートルズは3人で計11回アルバムチャートで1位取っているので、回数の面ではまだまだ大きく差を開けられています。*2 この件についてはビルボードが個別記事を書いています。(50 Centなどについて触れています)

※アメリカでは見事アルバム1位を獲得したNiallですが、母国イギリスではアルバム1位ならず……(その週のアルバム1位はGeorge Michael

 

88 Selena Gomez & Marshmello – Wolves (New)

Selena GomezとMarshmelloのWolvesが88位で登場。評論家に絶賛されたBad Liar、Fetishと「ささやき路線」を取ってきたSelena Gomezですが、それらのチャート成績が微妙*3だったことからか新シングルWolvesは2013年のアルバムStars Dance期を彷彿とさせるエレポップ路線に回帰。Silenceがイギリスやドイツでトップ10入り、さらにDJ人気投票でも2年目でトップ10入りするなど破竹の勢いで躍進するMarshmelloとタッグを組んでいます。Selena Gomez “&” Marshmello とどちらかが客演、という訳ではないですがMarshmello色が薄く、「Selena Gomezの曲をMarshmelloがプロデュースしている」のような感があります。

Selena Gomezの曲の割に88位は低くない?と思うかもしれませんが、これは通常の金曜日リリースと違ってこの曲は水曜リリースで集計が2日分しかないため。*42日分で88位は健闘です。7日分フルに集計される来週はジャンプアップが確実です。ポップ系ラジオでもMarshmelloの前シングルSilenceを抜く勢いで上昇中、さらにはSpotifyでも上位がキープしているので、来週以降の躍進が期待できそう。ある程度長い期間勢いをキープできれば「ささやき」からの路線変更が功を奏したといえるぐらいのチャート成績は記録できそうです。

 

84 Post Malone – Candy Paint (New)

Post MaloneのCandy Paintが84位で登場。Rockstar大ヒットの効果によって以前からPost Malone関連曲がストリーミングで浮上していましたが、今回のCandy PaintはI Fall Apart、Go FelxのようにアルバムStoneyからの曲ではなく、ワイルドスピードのサントラからの1曲。Post Maloneの曲の中でもなぜリリースが約半年前のサントラ曲が注目されたか?というと、理由はSpotifyにあると思います。

Spotifyは無料会員だと、曲を指定して聞くことができず、プレイリストやアルバムから「シャッフルプレイ」で聞くしかできないので、rockstarを聞きたい無料会員の人がプレイリストをシャッフルする過程でCandy Paintを聞いて再生数が伸びて注目されるようになったのでは?と考えています。実際SpotifyではCandy Paintは40位前後を推移しているのに対しApple Musicでは100位前後を推移していて、両サービスで違いが出ています。*5

ちなみに現状ではワイルドスピードのサントラからはG-EazyとKehlaniのGood Lifeの59位が最高位で、それを抜く所までCandy Paintが伸びるか?が注目にも注目です。

 (参考)


 

61 Bebe Rexha & Florida Georgia Line – Meant To Be (New)

Bebe RexhaがFlorida Georgia LineのMeant To Beが61位で登場。元々ストリーミングで好調でしたが、ビデオ登場+そのタイミングでiTunes値引きが効いてのHot 100登場。カントリーの疾走感をポップスにうまく落とし込んだ一曲です。David GuettaらとのHey Mamaではトラップ系、G-EazyとのMe, Myself & Iではヒップホップ系、Martin GarrixとのIn The Name of Loveではフューチャーベース系など幅広いジャンルのヒットでシンガーを務めてきたBebe Rexhaですが、同じようにカントリーとのタッグでも成功できるか?

 

50 Future & Young Thug feat. Offset – Patek Water (New)

今週ストリーミングを多く稼いだFuture & Young ThugのミックステープSuper Slimy。収録曲のうち6曲がHot 100に登場しています。最高位はOffsetとのPatek Waterの50位。予告プロモーションがほとんど無い緊急リリースでしたが、ストリーミングを多く獲得してアルバムチャート2位に入っています。仮にアルバムチャート1位ならばFutureはラッパーとしては初、かつ史上6人*6(組)目の「年に3回異なるアルバムでアルバム1位」と偉業を達成できていましたが、惜しくも届かず。

※Hot 100にギリギリ入れなかったようで、101位以下相当の曲を扱うBubbling Underチャートでは1位~5位がこのミックステープからの曲です。(=101位~105位相当が全てこのミックステープからの曲)

 

46 Taylor Swift - ...Ready For It? (↑)

Taylor Swiftの...Ready For It?がビデオのリリースで少し上昇。52位 → 46位。元々はアルバム宣伝用の「プロモーション・シングル」という立ち位置でしたが、ビデオリリースと共に正式シングルとして再出発。ラジオでも本格的にかかりはじめているようで、今後の巻き返しが期待されます。ちなみに”Look”は10位 → 25位と今週も史上稀に見るスピードで順位を落としています。

 

30 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B – No Limit (↑)

G-EazyのNo Limitが30位に浮上。現在大きな脚光を浴びるCardi Bが客演にいるとだけあって勢いが凄いです。Apple Musicでトップ10に入るなどストリーミングで好調なだけでなく、リズミック/アーバンなどラップ好きが集う系統のラジオ局でも人気です。あとはビデオリリースや今は少なめなダウンロードなどが加わればいずれはトップ10まで手が届くか?

※ちなみにG-Eazyが記録したトップ40は全部女性と組んでいます。(Me, Myself & IではBebe Rexha・Make Me...ではBritney Spears

 

13 Taylor Swift – Gorgeous (New)

Taylor Swiftが新たにリリースしたGorgeousが13位で登場。ダウンロードが今週1位で、これで通算14曲目のダウンロード1位曲に。Rihannaと並んで最多の記録で、テイラーがいかに「初動で注目を集めるか」を表す記録だと思います。要は曲をリリースするだけで大きく話題になるということです。


ただ、今年の”Look”など話題を集めるだけ集めて尻すぼみ気味になることも……1989期はロングヒットが多かったですが。

※当初の...Ready For It?と同じく現状では「プロモーション・シングル」扱いでそこまでラジオでガンガンかからないようです。ただ...Ready For It?も正式シングルになる前から少しだけポップ系ラジオでかかっていたので、こちらのGorgeousも同じく少しはラジオでかかると思います。

 

10 Ed Sheeran – Perfect (↑)

Ed SheeranのPerfectが10位に上昇。シングル化以降ラジオの数字を順調に伸ばし、それに伴うダウンロード増などによってトップ10入りを果たしました。これで÷からのシングルは3連続トップ10入り。×の時もトップ10は3曲でした(Don’t、Thinking Out Loud、Photograph)この勢いだとCastle on the Hillで記録した6位を抜きそうな予感です。

 

※チャートマニアックな細かい点を考察します。「思った」で考察としては未完成ですが少し今後のヒットを考える上で参考になりそうなのでメモ書き程度に書いています。

いくらストリーミングが強くなったとはいえ、ラジオがチャートに集計されるという点、車と結びつくラジオ文化が強いアメリカではラジオでかかることが宣伝にもなるという点の2つにおいてラジオが強いアメリカで、ラジオが上昇したタイミングでトップ10入りするのは割りと順当なのですが、少し不思議だと思ったのはストリーミングを中心に集計するチャートになっている他の国のチャートでもこのタイミングでPerfectが軒並み上位に入ったということ。イギリスなど他国でもPerfectはラジオで上昇しているようなので、これが理由?かもしれません。例えばストリーミングがヒットを左右すると言われていますが、実はラジオの影響力は健在なのかもしれません。もしくは、アメリカのラジオが上昇する → アメリカで注目されてストリーミングが上昇 → Spotifyグローバル50に突入 → 他国でも注目されて再浮上???

 

7 Camila Cabello feat. Young Thug – Havana (↑)

Camila CabelloのHavanaが7位に浮上!ソロで2曲目のトップ10です。元からラジオとストリーミング・ダウンロード全てで上り調子でしたが、ビデオのリリースでさらに勢いがついてトップ10に入りました。次のチャートでアメリカでは3位・イギリスでは1位とFifth Harmony時代のWork From Homeを超える(アメリカ4位・イギリス2位だった)との予想もあるようです。

元々はプロモーション・シングル扱いで、シングルとして売り出す予定はなかったみたいですが、ストリーミングで上位に入りシングル化。そんな叩き上げシングルがどこまで行けるでしょうか。

※Work From Home以外の比較対象としてSelena GomezのSame Old Love(5位)が。このHavanaのピアノのメロディはSame Old Loveのものを利用したものでサンプリングなのでは?という話が出ていたこともあります。

※Young Thugは初のトップ10。アルバムチャートでも自己最高位の2位を記録し、嬉しい週に。

 

× Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (↓)

Calvin HarrisのFeelsが今週圏外へ。イギリスで一時期首位に立つなど世界で幅広くヒット。アメリカでも20位とそれなりに伸びましたが、チャート滞在が18週と短いのが気がかりです。チャート成績を総合的にみると「まずまず」といったところでしょうか。Slideと同じような成績だと思います。

最近ラジオでかかり始めた次シングルFaking Itはどこまで行けるか。人気は拡大しているものの、シングルヒットはまだ無い(Suicide SquadからのGangsta 41位が最高位、チャート滞在が短い曲が多い)Kehlaniがトップ40に入るか?という期待をしています。

 

× James Arthur – Say You Won’t Let Go (↓)

James ArthurのSay You Won’t Let Goが驚異的な粘りを見せ、チャートに1年滞在しましたが今週ルールによりチャートから外れました。ここまでロングヒットとなったのはラジオでかなり長く持ったこと(入れ替わりが少ないアダルト○○系ラジオと相性が良い曲ということが大きい)、そしてストリーミングやダウンロードの数字がずっと大崩しなかったことが理由でしょうか。

ストリーミングがチャート成績を左右するとも言い、たしかにこの曲のピークも11位でトップ10に届かずそこはストリーミングの壁に阻まれた感もありますが、ロングヒットになるかどうかはラジオによって決まります。

年間チャートではピークが高い曲よりもロングヒットになっている曲のほうが強く出ることが多いので、アメリカで総合的にヒット度を高くするためには(現状では)ラジオが大切だと思います。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Portugal. The Man – Feel It Still

今週最もダウンロードが上昇した曲 Camila Cabello feat. Young Thug - Havana

今週最もストリーミングが伸びた曲 Lil Pump – Gucci Gang

最も高い順位で新登場した曲          Taylor Swift - Gorgeous

 

 

今週チャートから外れた曲 (12曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Billy Currington – Do I Make You Wanna (🗻47位 /⏰19週)

99 Jason Aldean – They Don’t Know (🗻67位 /⏰12週)

98 Garth Brooks – Ask Me How I Know (🗻98位 /⏰1週)

97 Becky G feat. Bad Bunny – Mayores (🗻97位 /⏰1週)

96 Walker Hayes – You Broke Up With Me (🗻96位 /⏰1週)

95 Gucci Mane feat. Slim Jxmmi & Young Dolph – Stunting Ain’t Nuthin (🗻95位 /⏰1週)

94 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (🗻20位 /⏰18週)

82 Chris Brown feat. Future & Young Thug – High End (🗻72位 /⏰1週)

71 Gucci Mane feat. The Weeknd – The Curve (🗻67位 /⏰3週)

53 Dustin Lynch – Small Town Boy (🗻36位 /20週)

49 Cheat Codes feat. Demi Lovato – No Promises (🗻38 /23)

46 James Arthur – Say You Won’t Let Go (🗻11位 /52週)

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

Metro Boomin, 21 Savage & Offset feat. Travis Scott – Ghostfacekiller (Spotify3位)

Metro Boomin & Offset – Ric Flaire Drip (Spotify 11位)

Metro Boomin, 21 Savage & Offset feat. Quavo – Rap Saved Me (Spotify 13位)

 

10/31・ハロウィンにリリースされたMetro Boomin・21 Savage・Offsetのミックステープがストリーミングで絶好調。火曜リリースで集計が3日分なので、チャートに入るのは再来週か?ただしGhostfacekillersは格段に調子が良いので来週のチャートでもうエントリーするかも。

 

Michael Jackson – Thriller

Ray Parker, Jr. - Ghostbusters

Bobby "Boris" Pickett & The Crypt-Kickers - Monstar Mash

「ハロウィン特需」で毎年再浮上する曲たち。Hot 100に入るのは例年Thrillerのみですが、昨年のクリスマスにストリーミング効果もあって例年よりも多くクリスマス曲がHot 100に入ったので、ハロウィンにでも同じように多めにエントリーするかもしれません。ただ昨年はThrillerすら入らなかったので、どちらに転ぶかは不明。

 

 

*1:しかし自身の前ミックステープからのシングルRelationshipは順位を落としています……

*2:あとは、Destiny’s Childからソロでアルバム1位になったのはBeyoncéのみなものの、彼女が一人で6枚(スタジオアルバムではないサウンドトラックも入れると7?)稼いでいるので、「回数」ではやっぱりまだまだですね。Beyoncéのようにグループのブランドが薄れた後でもソロで活躍できるメンバーがOne Directionにもいるか?という点も注目ですかね。

*3:2015年のアルバムRevivalはその路線のGood For You、Hands to Myselfがいずれもトップ10入りしており成功していたのですが……

*4:なぜかSelena Gomezの今年の曲は週半ばリリースが多い

*5:もっと真面目な話をすると、じゃあなんでシャッフルも無いのにApple Musicで100位まで来れるのか?というと、こちらにはHip-Hop:A List というプレイリストが存在し、Apple Musicで一番人気のプレイリストとの証言が。Candy Paintはそこに入って注目されたのでは?と推測しています

*6:The Monkees(1年に4枚)、Elvis Presley、The Kingston Trio、The BeatlesGlee Castに次ぐ

10/27 リリース新曲/新作の初動を観察 【祝結婚!Cardi Bが圧倒的なMigos、Nicki Minajとの新曲 】

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祝結婚!この度Cardi BとOffsetが婚約を発表したようです。おめでとうございます。


そんなタイミングで新曲Migos, Nicki Minaj & Cardi B、総勢5名のMotorSportがリリース。他の4人を圧倒する存在感をCarid Bが発揮している、と私は感じました。*1

ほかソロ活動が目指すFifth Harmonyの動向など。

 

Spotify デイリーのトップ10 (金曜日=10/27)

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Lil Pump Gucci Gang
3 Selena Gomez & Marshmello Wolves
4 Post Malone I Fall Apart
5 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
6 21 Savage  Bank Account
7 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
8 Cardi B Bodak Yellow
9 Khalid Young Dumb & Broke
10 Gucci Mane feat. Migos I Get The Bag

 

Selena GomezとMarshmelloの新曲Wolvesが一気にSpotifyの3位まで上昇。現在iTunesでも1位になっていて前述のMotorSportと並んで今週の最注目トラックです。

Selena GomezとMarshmelloの曲、という表記になっていますが個人的にはSelena Gomezの曲をMarshmelloがプロデュースしたような感じ、つまり「Selena Gomezの曲感」が強いと思いました。前アルバムのヒットGood For Youに引き続き、Bad LiarとFetishでウィスパースタイル*2に挑戦したSelena Gomezですが、チャートでそこまで奮わず。路線を変更して新曲をリリースしました。今のところ上々の調子で、このまま行けば同じくDJ/プロデューサーと組んだ It Ain't Meのようなヒットになりそうです。

ちなみにこの曲は水曜途中のリリースのため、来週のチャートで早速登場しそうです。来週のチャートの下位で登場 → 再来週のチャートで上位デビュー (=事実上のデビュー週) という流れが濃厚です。

ほか、ビデオがリリースされたHavanaが少しずつ順位を上げてきています。Hot 100でのトップ10入りもそう遠くなさそうです。ビデオではCamila Cabelloが映画の主役 / 映画の観客を兼任する、長めで凝ったビデオになっています。

 

② 新曲/新アルバムからのシングル Spotifyデイリー順位 (金曜日)

23 Migos, Nicki Minaj & Cardi B MotorSport
✫38 Yo Gotti feat. Nicki Minaj Rake It Up
78 Ty Dolla $ign feat. Future & Swae Lee Don't Judge Me
✫82 Ty Dolla $ign feat. Lil Wayne & The-Dream Love U Better
83 Clean Bandit feat. Julia Michaels I Miss You
106 Ty Doll $ign feat. MadeinTYO Lil Favorite
112 Sam Smith Burning
✫119 Ty Dolla $ign feat. YG Ex
136 Ty Dolla $ign feat. Future & 24hrs Don't Sleep On Me
152 blackbear & Tinashe up in this
164 Majid Jordan Gave Your Love Away
168 Michael Jackson Thriller
191 Kygo feat. John Newman Never Let You Go
198 PnB Rock feat. Russ Issues

 

前述のMotorSportが23位で登場。ストリーミングの人気によってHot 100の1位まで登りつめたCardi B、Migosの2組がいる割には順位が低く感じますが、これはおそらくリリースが0時ではなく日の途中だったため、やや時間の面で不利だからだと思います。24時間カウントされる明日以降はSpotifyトップ10に入るのではないでしょうか。Migosに加えて、Cardi BとNicki Minajが同居しているという驚きから大きく注目を集め、ダウンロードも上々の数字(6位)を記録しています。Hot 100でも良い順位でスタートしそうです。

今週のアルバムで多くストリーミングされているのはTy Dolla $ign。2015年のアルバムFree TCでのBlaséトリオ、Ty Dolla $ign+Future+Rae Sremmurdに似た組み合わせの、Ty Dolla $ign+Future+Swae LeeのDon't Judge Meが1番人気のようですね。アルバムからは計5曲がSpotify 200位圏内に入っています。

ほか今週のアルバムではYo Gottiの新作からはRake It Up1曲、Majid Jordanのアルバムからも1曲が入っています。この週アルバム1位見込みのKelly Clarksonは1曲もSpotify 200位圏内に入らず。

 

シングルでは最近グラミー新人賞候補として取り上げられることも増えたJulia MichaelsとClean BanditのI Miss Youがエントリーしています。その他最近Hot 100でヒットの目安となるトップ40入りを果たしたblackbearがTinasheを迎えた新曲など。

ハロウィンの時期にMichael JacksonのThrillerが再浮上するのは毎年の定番で、Hot 100に入ることもあります。

 

iTunesップ10+新曲の順位 (金曜日)

1 Selena Gomez & Marshmello Wolves
2 Imagine Dragons Thunder
3 Ed Sheeran Perfect
4 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
5 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
6 Migos, Nicki Minaj & Cardi B MotorSport
7 Portugal. The Man Feel It Still
8 Taylor Swift ..Ready For It?
9$ Kelly Clarkson Love So Soft
10 Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do

新曲ではSelena GomezとMarshmelloのWolvesが首位。Migos,Cardi B, Nicki MinajのMotorSportが6位に。Taylor Swiftの...Ready For It?がビデオリリースによって少しダウンロードを伸ばしています。またアルバムリリースのKelly Clarksonがシングルを値引いて上位に入っています。Hot 100のトップ40まで行けるでしょうか?

 

17 Five Finger Death Punch Trouble
✫26 Yo Gotti feat. Nicki Minaj Rake It Up
28 Fifth Harmony & Pitbull Por Favor (Spanglish Version)
32 RedOne, Daddy Yankee, French Montana & Dinah Jane Boom Boom
39 Sam Smith Burning
40 Ty Doll $ign & Lauren Jauregui In Your Phone
54 Michael Jackson Thriller
68 blackbear & Tinashe up in this
70 Clean Bandit feat. Julia Michaels I Miss You
75 Brian Fallon Forget Me not
91 Ray Parker Jr. Ghostbusters
97 Fifth Harmony & Pitbull Por Favor

 

ここで注目したいのはFifth Harmonyの動向。まず”Fifth Harmony"名義ではPitbullと組んでPor Favorをリリース。Spanglish(スペイン語+英語)バージョンの方が人気です。かつて所属していたCamila Cabelloの印象が強いですが、Ally Brookeがメキシコ系、Lauren Jaureguiの両親がキューバ人と、現メンバーにもスペイン語にゆかりのあるメンバーがいます。ワイルドスピードのサントラでCamila CabelloがPitbull, J Balvinと組んでスペイン語バージョンを披露したように、Fifth Harmonyも同様にラテン系路線を歩むのでしょうか。ただ、Camilaもプエルトリコのチャリティーソングに参加するなど、ラテン系路線を順調に進めているので、ラテン系の「枠」の取り合いになるかもしれませんね…………

そして今週目立ったのはメンバーのソロ名義活動。以前HalseyのStrangersで客演を務めたLauren JaureguiはTy Dolla $ignのアルバムに参加。Work from Homeでの縁でしょうか。ここで注目したいのは客演(feat.)表記ではなく、Ty Dolla $ign "&" Lauren Jaureguiという表記になっていること。この表記は特に深い意味が無いこともありますが、アルバムの他の曲は客演表記なだけに少し気になります。「ソロアルバムへの布石」と深読みもできます。果たして……

他にもDinah Janeも初ソロ名義。プロデューサーのRedoneがDaddy Yankee、French Montana、Dinah Janeの3人をまとめるパーティーソング・Boom Boomです。ちなみにFrench Montanaは最近Fifth HarmonyのHe Like Thatのリミックスにも参加しています。

と、Fifth Harmonyのソロ名義活動が増えてきているようですが、グループとしては今後どのような活動を行うでしょうか。現在大活躍中のCamila Cabelloに一矢報いたいところですが……

 

ほか、Thriller同様の理由でGhostbustersがiTunesの下位に登場。

 

iTunes アルバム順位

1 Kelly Clarkson Meaning of Life
2 Kenny Chesney Live in No Shoes Nation
3 Big K.R.I.T. 4eva Is a Mighty Long Time
4 Hollywood Undead Five
5 Theory of a Deadman Wake Up Call
6 Yelawolf Trial By Fire
7 Granger Smith When the Good Guys Win
8 Weezer Pacific Daydream
9 Hanson Finally It's Christmas
10 Yo Gotti  I Still Am

 

おそらくKelly Clarksonがこの週のアルバム1位でしょう。ストリーミングが期待できませんが、他に目立ったライバルもいないので大丈夫でしょう。ライバルを挙げるとしたらカントリーのベテランKenny Chesneyですが、こちらも同様ストリーミングでの数字が期待できなさそうなのです。

と思ったら、Kenny Chesneyのライブアルバムが1位見込みとの報道が。iTunesではKelly Clarksonが1位なので、店頭販売やCD販売で逆転ということでしょうか。いくらカントリー界の人気者とはいえ、ライブアルバムで1位とは意外ですね。

 

 

各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

✫ポップ系

43 Daya New
47 Taylor Swift Gorgeous
49 CNCO & Little Mix Reggaeton Lento (Remix)

各種ラジオで昨年人気だったDayaの新曲が登場。

 

✫アダルトポップ系

46 Secondhand Serenade Lost
47 Taylor Swift Gorgeous
48 Macklemore feat. Kesha Good Old Days

2008年Fall for YouがヒットとなったSecondhand Serenadeの新曲が登場。

 

✫リズミック系

34 Calvin Harris feat. Kehlani & Lil Yachty Faking It
36 Post Malone I Fall Apart
46 Chris Brown feat. Yo Gotti, A Boogie Wit da Hoodie & Kodak Black Pills & Automobiles

ストリーミングでの人気を受けてI Fall Apartがシングルとしてラジオでかかるように。ただ、ストリーミングでピークに達した*3段階でようやくラジオでかかり始めというタイミングのズレは少し気になりますね。仕方ないのかもしれませんが。

 

✫アーバン系

35 Yo Gotti Juice
49 Meek Mill 1942 Flows
50 Sevyn Streeter Before I Do

Yo Gottiの新アルバム収録のJuiceが順調に上位へ。

 

✫カントリー系

44 Chris Lane feat. Tori Kelly Take Back Home

客演はTori Kelly。R&B歌手Lecraeの客演も務め、幅広く活躍する2016年グラミー新人賞候補。

 

先週からイギリス・日本のSpotifyトップ10も載せています。今週から音楽市場の規模がイギリス並のドイツも加えました。参考情報としてご活用ください。

 

イギリスSpotify トップ10

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
3 Dua Lipa New Rules
4 ZAYN feat. Sia Dusk Till Dawn
5 Marshmello feat. Khalid Silence
6 Avicii feat. Rita Ora Lonely Together
7 Sam Smith Too Good At Goodbyes
8 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
9 Mabel feat. Kojo Funds Finders Keepers
10 Post Malone I Fall Apart

スペイン生まれスウェーデン育ちのシンガー、MabelのFinders Keepersが上昇中。シングルチャートでも8位に浮上しています。

 

ドイツSpotifyトップ10

1 Bausa Was Du Liebe nennst
2 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
3 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
4 ZAYN feat. Sia Dusk Till Dawn
5 Marshmello feat. Khalid Silence
6 Kay One Senorita
7 Dua Lipa New Rules
8 Axwell ∧ Ingrosso More Than You Know
9 Kollegah Zieh' den Rucksack aus
10 Ed Sheeran Perfect

 

他の国同様、rockstarが好調。他の曲より高い水準の再生数を記録。ただそのrockstarをも大きく上回るのはドイツ人ラッパーBausaによるWas Du Liebe nennst。非英語曲とはいえども、比較的影響力のあるドイツでここまで大きな規模でヒットしていると、世界的なヒットも期待したくなりますが、果たして……??

 

日本 Spotifyップ10

1 Ed Sheeran Shape of You
2 DAOKO & 米津玄師 打上花火
3 Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do
4 Dua Lipa New Rules
5 TWICE One More Time
6 Taylor Swift  Look What You Mede Me Do
7 Selena Gomez & Marshmello Wolves
8 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
9 Justin Bieber & BloodPop Friends
10 清水翔太 My Boo

 

新曲Wolvesが早速トップ10に入る一方、未だにShape of Youが1位をキープするなど、入れ替わりが早いのか遅いのかよく分からないです。新曲も聞くけど、定番曲の強さが盤石、ということでしょうか。

 

 

 


 

*1:"個人的"に存在感をランク付けすると 1 Cardi B, 2 Quavo, 3 Takeoff, 4 Offset, 5 Nicki Minaj ですかね……

*2:これらの曲のソングライターのJulia Michaelsリスペクト?

*3:むしろピークは過ぎている?

Hot 100 11/4 見どころ 【異国の地で飛躍したかつてのカップルBecky Gと…… + テイラー急落】

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かつて交際していた(らしい)Becky GとAustin Mahoneですが、それぞれ現在異国の地で飛躍中。Austin Mahoneは予想外の日本でヒット、そしてBecky Gは現在ラテン圏で飛躍中!そのBecky Gが今週久々にHot 100に。

ほかテイラーの急落など。

 

 

97 Becky G feat. Bad Bunny – Mayores (New)

Becky GのMayoresが97位で登場。3年ぶりのHot 100。2012年にCher Lloydの客演でHot 100入りした後、2014年にShowerがHot 100で16位まで到達しブレイク。そこからCan’t Stop Dancinでもう一度Hot 100入りするも、その後はヒットに恵まれず。

2016年にはじめてスペイン語Solaをリリースすると、ラテン系ラジオでかかるなどある程度成功を収め、そこからはラテン系路線に。

そして今年Mayoresが大ヒットになり久々にHot 100に帰ってきました。ラテン圏ではかなりのヒットになっていてスペインでは1位、そしてYouTubeではリリースから3カ月で約4.73億再生を記録。これは今年リリースされたビデオの中で25番目に多い数字。短い期間でここまで来るとは勢いを感じます。久々のHot 100でどこまで上昇するか。

 

95 Gucci Mane feat. Slim Jxmmi & Young Dolph – Stunting Ain’t Nuthin (New)

Gucci Maneの自身11枚めのアルバム、Mr.Davisから複数曲が今週Hot 100に登場。先行リリース、MigosとのI Get the Bagは今週11位まで到達。またThe WeekndとのThe Curveも71位で再登場。そしてアルバムリリースのタイミングで初公開された曲の中ではStunting Ain’t Nuthinが人気。今週95位で登場。客演はRae Sremmurdの片割れSlim Jxmmiと今週アルバム”Thinking Out Loud”をリリースしたYoung Dolphの二人。

アルバムチャートでは2位に。出所後初のアルバム、Everybody Lookingと並んで自己最高位の数字です。

 

※Slim Jxmmi名義では初のHot 100。

 

87 NF – Let You Down (New)

先週Hot 100入り経験が無いながらもアルバムチャート1位になったことが話題となったNFですが、それを覆して早速今週Hot 100に登場。Let You Downが87位に。ポップ系・リズミック系などのラジオでかかり始めたこと、Spotifyで18位まで上昇していることが要因。ただし、Apple Musicでは200位圏外。SpotifyApple Musicでここまで差があるとは。

※同じ白人ラッパー、EminemやMachine Gun Kellyとよく比較されているようです。

 

84 Russell Dickerson – Yours (New)

今週、カントリーラジオで好調の3曲がHot 100に登場。Garth BrooksのAsk Me How I Knowが98位、Walker HayesのYou Broke Up With Meが96位、Russell DickersonのYoursが84位に。いずれも珍しい登場で、Walker HayesとRussell Dickersonは初のHot 100、Garth Brooksは約10年ぶりのHot 100です。

 

82 Chris Brown feat. Future & Young Thug – High End (New)

Chris Brownの新曲High Endが82位で登場。客演は今週ミックステープSuper SlimyをリリースしたFutureとYoung Thugの二人。この曲はハロウィン当日にリリース予定のアルバムに収録予定。45曲も収録される大所帯のアルバム。(CDだと2枚組)

 

51 Travis Scott – Butterfly Effect (↑)

21週目以降に51位以下を記録しているとHot 100から外れるとチャートから外されるルールがるのですが、例外が適用される形でチャートに生き残ったのはTravis ScottのButterfly Effect。21週目で51位。何かしらの「伸びシロ」があって上昇中の曲は例外となり、チャートから外れないようですね。今週はラジオやストリーミングが上昇していて、チャートに残ったButterfly Effectですが、少しでも順位を落とす即チャートから外れてしまうので気の抜けない戦いが続きます。

※前シングルGoosebumpsは一回50位付近でこのルールが適用され、惜しくもチャートを後にしましたが、その後ビデオがリリースされHot 100に再登場。50位以上を記録しチャートに舞い戻るという特殊なチャートアクションをとっていました。

Butterfly Effectも仮に1回落ちても50位以上相当の成績を記録し(かつ伸びシロがあれば)、チャートに戻れるかも??

 

44 Marshmello feat. Khalid – Silence (↑)

SilenceのリミックスをリリースしたMarshmello。そのうちIlleniumによるリミックスが好調でiTunes30位前後にランクイン。それによってダウンロードが上昇。今週21位のダウンロードを記録しています(リリース時よりも多いです)。Hot 100でも44位とトップ40に接近しています。

最近ラジオでかかり始め(今週ポップ系ラジオ40位に)、またビデオもリリースされたSilence。既にイギリス・ドイツなどではトップ10入りしていますが、USでもさらなる躍進なるでしょうか。まずは目指せトップ40入りでしょうか。

※今週DJ MagによるDJ投票ランキングで2年目ながらも10位まで浮上!メインストリーム、EDM界隈の両方で大活躍中です。

※ビデオリリース、ラジオの上昇も反映されそうな来週も上昇するかもしれません。

※今週の水曜日半ばにSelena GomezとのWolvesをリリース。一気にダウンロードを伸ばして来週のHot 100入りの可能性も?そうでなくとも再来週のHot 100には確実に入ります。

 

40 blackbear – do re mi (↑)

blackbearのdo re miが40位に浮上。自身初のトップ40。本格的にヒットする前からストリーミングで人気だったこの曲ですが、Gucci Maneリミックス登場(Spotifyでは現在こちらのバージョンの方が人気)+ポップ系・リズミック系などのラジオでかかったことなどによりさらに浮上。今週トップ40に到達しました。

 

38 Dua Lipa – New Rules (↑)

イギリスのシンガーDua Lipaが初のUSトップ40。New Rulesが38位に浮上。従来からのストリーミングでの好調(現在Spotify27位、YouTubeは英語曲では最高位の今週5位)に加え、ポップ系ラジオでの浮上が合わさりトップ40に到達しました。母国イギリスでは1位にも到達したこの曲。USではどこまで行けるでしょうか。

※去年のちょうど今頃(2016の11/5付けチャート)、Dua LipaはBlow Your Mindで初のHot 100入りを果たしました。

 

13 P!nk – What About Us (↑)

P!nkのWhat About Usが13位まで上昇。今週1位のアルバムBeautiful Traumaのリリースによってダウンロードが伸びたことが順位上昇の要因です。ラジオも好調で、近いうちにトップ10まで届くか?(ただダウンロードが伸びた反動によってしばらくは順位を落とすかもしれません) Eminem客演のRevengeも多くのダウンロード*1を獲得したものの、101位相当の成績で惜しくもHot 100入りならず。今週アルバムからのHot 100エントリーはWhat About Usのみに。

※今年一番のセールスを記録して今週のアルバム1位に。セールス・ストリーミングを合わせた「総合セールス(SPS)」でもKendrick LamarのDAMN. DrakeのMore Life、Ed Sheeranの ÷に次ぐ4番目。ここまで売上が伸びた要因の一つに「チケット付きCD」があると言われています。CDを買おうにも最近はCDが売っている店が減ってきたので、このような戦略は納得できるとビルボードは分析しています。

→この記事 http://www.billboard.com/articles/columns/chart-beat/8006949/pink-beautiful-trauma-billboard-200-album-chart

 

※アルバムチャート2位は前述のようにGucci Mane。3位はBeckのColors、4位は45週目のPost Malone。そして10位にはSt.VincentのMasseducationが!自身初のアルバムトップ10で最高位を更新しています(前回のSt.Vincentでのアルバム12位が今までの最高位)

 

10 Taylor Swift – Look What You Made Me Do (↓)

4位→10位と随分順位の落ちたTaylor SwiftのLook What You Made Me Do。唯一上昇中だったラジオが一転急落したことがHot 100での落下の原因です。ポップ系ラジオでは1位→7位で、25年の「ポップ系ラジオチャート」の歴史の中で1位から最も順位を落とした曲に。また、ラジオ(全体)でも5位→20位と急落しており、「トップ5からの陥落としては最大」とのこと。このようにラジオで急落して頼みの綱を失ってしまったので、もう今後の伸びシロはアルバムリリース時に少し注目度を取り戻せるか?程度しか無いです。

来週はトップ10から陥落してしまいそうな“Look”。ストリーミング導入以降のHot 100で、1位を取った曲としては最短タイ(Harlem Shakeと並んで)の8週のトップ10滞在で終わってしまうのか…… ともかく落ちるスピードが凄まじいということです……

 

5 Imagine Dragons – Thunder (↑)

Imagine DragonsのThunderが5位まで浮上。4位のFeel It Stillと合わせて異なるロックバンドが2組トップ5にいるということに。これは2007年にFall Out BoyのThis Ain’t A Scene, It’s an Arms RaceとDaughtryのIt’s Not Over You以来*2ということに。同じ2組なら昨年Twenty One PilotsがRideとHeathensを同時にトップ5に入ったことがあります。

ラジオの伸びが著しいThunder、オルタナティブ系ラジオでは計17週1位だったFeel It Stillから1位の座を奪っています。Thunder、Feel It Stillともに絶好調で、どちらか?または両方1位を取れるポテンシャルはあると思います。

 

× Kendrick Lamar feat. Rihanna – Loyalty. (↓)

Kendrick LamarのLoyalty.がチャートを後に。リリース後は常にHot 100にほぼストリーミングで留まり、その後ビデオ公開・シングル化などによって再浮上。ピークはアルバムリリース時の14位。これでHot 100に残るDAMN.からのシングルはHUMBLE.のみになりました。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Post Malone feat. 21 Savage - rockstar

今週最もダウンロードが上昇した曲 P!nk – What About Us

今週最もストリーミングが伸びた曲 Gucci Mane feat. Migos – I Get the Bag

最も高い順位で新登場した曲          Chris Brown feat. Future & Young Thug – High End

 

 

今週チャートから外れた曲 (8曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

98 BTS – DNA (🗻67位 /⏰4週)

94 A Boogie Wit da Hoodie – Say A’ (🗻75位 /⏰2週)

93 A Boogie Wit da Hoodie – No Promises (🗻74位 /⏰2週)

91 Maren Morris feat. Vince Gill – Dear Hate (🗻91位 /⏰1週)

72 Kane Brown – Heaven (🗻72位 /⏰1週)

55 Sam Smith – Pray (🗻55位 /⏰1週)

48 Kendrick Lamar feat. Rihanna – Loyalty. (🗻14 /26)

20 Lin-Manuel Miranda feat. Artists For Puerto Rico – Almost Like Praying (🗻20位 /⏰1週)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

Future & Young Thug feat. Offset – Patek Water

Future & Young Thug – No Cap

Future & Young Thug – All da Smoke

Future – Feed Me Dope

Future & Young Thug – Three

Young Thug – 200

Future & Young Thug – Drip on Me

Future – 4 da Gang

 

緊急リリースされたFutureとYoung Thugのミックステープのうち、Hot 100に入りそうな曲の候補。このうち、6曲前後程度がHot 100に入るでしょうか。いずれの曲もApple Musicでかなり上位に入っています。

 

Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line – Meant to Be

元からストリーミングで好調でしたが、ビデオリリース+それに伴うiTunes割引によるダウンロード増で来週のHot 100入りは確実だと思います。

 

*1:今週のダウンロード20位

*2:ロック系ミュージシャンなら、GotyeとFun.が2012年に同時にトップ5に入ったことも