Hot 100 4/14 見どころ 【R&Bの歌姫が３人初のHot 100入り】

　

　新しいPCが届いて、環境が整ってきたので更新を再開します！先週のHot 100をこのタイミングで更新します💦　（古いPCはファンから轟音がしてすぐアツアツになってしまう……）

　この週は３人が初のHot 100入りを果たすなど、R&B系の歌姫の活躍が際立ちました。↑の画像はそのうち最も高い順位で登場したQueen Naija。

今週のハイライト

今週のHot 100 ハイライト

・アルバム１位のThe Weekndは全曲がHot 100に。”Call Out My Name”は４位で登場

・Migosの”Walk It Talk It”が10位に浮上。アルバムから３曲目のトップ10に

・Drakeが同時に３曲をトップ10に送り込む。史上16人目の快挙

・YouTubeで大人気（今週USでの再生数８位）のQueen Naijaの“Medicine”が45位で登場

・Selena Gomez & Marshmelloの”Wolves”がピーク20位/23週とまあまあな成績でチャートから外れる

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲　          Bebe Rexha & Florida Georgia Line – Meant to Be

今週最もダウンロードが上昇した曲　Zedd, Maren Morris & Grey – The Middle

今週最もストリーミングが伸びた曲　Famous Dex - Japan

最も高い順位で新登場した曲           The Weeknd – Call Out My Name

曲の個別解説

[New] 100 H.E.R – Focus

　H.E.R.の“Focus”が100位で登場。Hip-Hop / R&B ラジオ16位で、ここが主要なポイント源と思われます。

　6/4に赤坂Britzでの初来日公演が予定されています。

[New] 96 2 Chainz feat. YG & Offset – Proud

　2 Chainz、YG、Offsetの“Proud”が97位で登場。２ヶ月前のEPリリースのタイミングではHot 100にエントリーしませんでしたが、ビデオリリースのタイミングでHot 100に登場しました。今週YouTubeでの再生数がアメリカで37位です。

※YouTubeのランキングはここから見られます。ちなみにビルボードのYouTubeチャートは世界ランキングなので一応注意です。（↓からアメリカのYouTubeランキングが見られる）

https://artists.youtube.com/charts/tracks?chart_params_id=weekly%3A20180330%3A20180405%3Aus&hl=ja

[New] 92 Chris Lane feat. Tori Kelly – Take Back Home Girl

　Chris LaneがTori Kellyを迎えた“Take Back Home Girl”が92位で登場。カントリー系ラジオでは16位に浮上しています。

　同じくカントリー系ラジオで11位と好調のDierks Bentleyの“Woman, Amen”も今週94位でHot 100に登場。

　2016年にグラミー新人賞候補だったTori Kellyですが、ヒットの基準とされるトップ40がまだ無いので、この曲でトップ40にまで届くと良いですね。

[New] 89 Tyler, The Creator – OKRA

　Tyler, The Creatprのシングル“OKRA”が89位で登場。The Gameの客演を務めた”Martians vs. Goblins”、そして昨年の“Who Dat Boy”に次いで３曲目のHot 100に。

　昨年のアルバム辺りからメインストリームでも存在感を示し始めています。

[New] 78 Ella Mai – Boo’d Up

　Ella Maiの“Boo’d Up”が78位で登場。キャリア初のHot 100入りに。Hip-Hop / R&B ラジオで15位など、ラジオで人気を博しています。ほかApple MusicやYouTubeのランキングで中位（60位前後）に入るなど、ストリーミングでもそこそこ人気。

　Ella Maiはロンドン出身のR&Bシンガー。現在はDJ Mustardのレーベルにサインし、アメリカに活動拠点を置いています。過去にはArizeというガールズグループの一員としてX Factorに出場したことも。

[New] 45 Queen Naija – Medicine

　Queen Naijaの“Medicine”が45位で登場。アメリカでの再生数がYouTube今週８位で、ここでの支持がHot 100入りにつながりました。

　一方、ほかのチャートではほとんど上位に入っておらず、ダウンロード・ラジオではまだ指数が伸びていません。同じストリーミングでも、Spotifyではまだ200位圏外です。（Apple Musicでは100位程度に入っています）

　この曲はYouTubeで伸びる傾向にある、ダンサブルなラップ曲ではなく、どちらかというと落ち着いたR&B系の曲。YouTubeで大人気になったのは少し意外です。

[New] 16 Cardi B – Be Careful

　Cardi Bの“Be Careful”が16位で登場。ダウンロード（６位）、ストリーミング（13位）の両方で高水準な成績を記録したことにより、Hot 100でもかなり高い順位でのスタートとなりました。

　既にシングルカットもされており、Hip-Hop / R&B系ラジオでは今週35位にエントリー。アルバム後のメインシングルになり得る可能性も？

　ほかMigosを迎えた“Drip”もシングルカットされています。（今週Hip-Hop / R&B系ラジオチャートの40位に入っている）

[↑] 13 Rich The Kid – Plug Walk

　Rich the Kidの“Plug Walk”が今週13位。アルバムリリース効果で少し順位が上昇しています。彼のデビュー作に当たるその”The World Is Yours”は今週アルバム２位で登場。

　同じくアルバム収録の“New Freezer”も順位を上げましたが、41位とヒットの基準とされるトップ40にわずかに届かず。アルバムからHot 100に入ったのはこの２曲。

　125位～101位相当の曲を扱うBubbling Underにはアルバムから４曲が登場。Lil Wayneとの“End of Discussion”が121位、Trippie Reddとの”Early Morning Trappin’”が115位、Quavo・Offsetとの“Lost It”が104位に登場。

　また112位相当に入った”Dead Friends”は、Lil Uzi Vertに向けたディス曲と考えられています。

[↑] 10 Migos feat. Drake – Walk It Talk It

　Migosの“Walk It Talk It”がビデオリリース以降好調。今週10位とトップ10入り。アルバムから３曲目のトップ10に。

　YouTubeが今週２位で、ほかのストリーミングでも好調。

　これでアルバムから３曲目のトップ10となったMigosですが、他のグループと比較すると、Destiny’s Childは４曲をトップ10に、N’Sync、The Pussycat Dollsは１アルバムから３曲のトップ10の経歴がある。One Directionは１アルバムから最高２曲、Fifth Harmonyはキャリアを通してトップ10は１曲だけ。

　Drakeはこれで24曲目のトップ10。これは歴代で10番目に多い曲数。最多は38曲でトップ10を記録したMadonna。

　また、これで今週Drakeは３曲同時トップ10を達成。史上16人（組）目の偉業。ラッパーとしては６人目の記録です。

　次週は史上４人（組）目の４曲同時トップ10を狙います。“Nice for What”のトップ10デビューは確実なので、”God’s Plan”、“Look Alive”、”Walk It Talk It”が全てトップ10から漏れなければ達成。　（The Beatles、50 Cent、T-Painに次ぐ）　ただし来週は“Walk It Talk It”がトップ10から漏れ可能性が高そうです。

[New] 4 The Weeknd – Call Out My Name

　今週EPがアルバム１位となったThe Weeknd。純粋セールスが１位なほか、ストリーミングでもかなりの数字を記録。それが反映される形でEP全曲がHot 100に登場。

　最も順位が高かったのは４位の“Call Out My Name”。ストリーミングが今週２位のほか、ダウンロードも４位を記録しています。ほか”Try Me”が26位、“Wasted Times”が27位、”I Was Never There”が35位、“Hurt You”が43位、”Privilege”が52位で登場しました。

　２曲で登場するフランス人プロデューサーGesaffelsteinは初のHot 100入りを達成。　

※　今週のアルバム純セールス２位はカントリー歌手のKacey Musgraves。ストリーミングなどを含む「総合」アルバムチャートでは４位。 

※　曲数が少ないEPとだけあって、全体的に収録曲のHot 100順位が高めですが、全曲がトップ40に入ったJ.Coleの2016年のアルバム”４Your Eyez Only”には及ばないです。

[↓] × 6ix9ine – GUMMO

　6ix9ineの“GUMMO”が今週チャートから外れました。一時期ストリーミングで急速に人気を得て12位まで浮上しましたが、その後は落ち着いてここ数週は中位に留まっていました。

　今週、21週目を迎えたため、チャートから外れました。 (21週目以降51位以下に落ちるとチャートから外れるというルールがある)

　ラジオのポイントがほとんど無く、ほぼストリーミングのみでチャートに入っていたので乱高下。激しいチャートアクションに。

　似たようなチャートアクションを取ったLil Xanの”Betrayed”、Famous Dexの”Pick It Up”も、今週21週目を迎えてチャートから外れました。両者とも来週はアルバムリリースによる上昇が見込めただけに惜しいです

[↓] × Selena Gomez & Marshmello – Wolves

　Selena GomezとMarshmelloの“Wolves”が今週チャートから外れました。”Bad Liar”よりはチャート滞在が長く(”Wolves”は23週、“Bad Liar”は14週)、合格点のチャート成績を記録したと思います。ただピーク20位はSelena Gomezとしては不足感があるでしょうか？

　アメリカ以外では好調で、イギリスでは９位、ドイツで11位、オーストラリアで５位を記録。アメリカとチャートアクションが似ているカナダでも７位を記録しました。

　Spotifyでは一時期トップ10に入るなど調子が良かったですが、それ以外のストリーミングではあまり振るわなかった印象があります。

[↓] × Kendrick Lamar feat. Zacari – LOVE.

　Kendrick Lamarの“LOVE.”が今週Hot 100から外れました。チャート滞在が40週とロングヒットでした。

　シングル化される前もストリーミングのみで20週チャートに滞在していました。そこから一旦チャートから外れるも、シングル化に伴いチャートに再登場するという少し変わったチャートアクションをとっていました。

　ストリーミングが強いアーティストの曲は、注目が最も集まるアルバムリリース時にチャートのピークが来やすいですが、この“LOVE.”はラジオで奮闘して”DAMN.”の収録曲では唯一アルバムリリース時「以外」にチャートのピークが来た曲になりました。

　この“LOVE.”が外れたことにより、リリース以来はじめて”DAMN.”からの曲がHot 100で０曲になりました。

　他にも今週は”MotorSport”、”No Limit”などがチャートから外れています。

今週チャートから外れた曲　(15曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

98 Trippie Redd feat. Travis Scott – Dark Knight Dummo (🗻72位 /⏰7週)

97 XXXTentacion – The Remedy For A Broke Heart (🗻67位 /⏰2週)

96 YBN Nahmir – Rubbin Off The Paint  (🗻46位 /⏰17週)

93 Blac Youngsta – Booty (🗻73位 /⏰5週)

89 Migos – Narcos (🗻36位 /⏰9週)

87 Keala Settle – This Is Me (🗻58位 /⏰12週)

85 Logic – 44 More (🗻22位 /⏰5週)

77 Lil Xan – Betrayed (🗻64位 /⏰20週)

71 Famous Dex feat. A$AP Rocky – Pick It Up (🗻54位 /⏰20週)

64 Shawn Mendes – Lost In Japan (🗻64位 /⏰1週)

56 6ix9ine – Gummo (🗻12位 /⏰20週)

45 Migos, Nicki Mianj & Cardi B – MotorSport (🗻6位 /⏰22週)

44 Selena Gomez & Marshmello – Wolves (🗻20位 /⏰23週)

43 Kendrick Lamar feat. Zacari – LOVE. (🗻11位 /⏰40週)

41 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B – No Limit (🗻4位 /⏰29週)

来週以降の動向 /プレイリスト

・来週以降Hot 100に入るかもしれない？曲を特集

・Twice – What Is Love？

　リリース初日はYouTube再生数世界１位に立っていました。iTunesでは瞬間最高70位くらい。可能性はそこまで高くないかもしれませんが、もしかしたらBubbling Under（125位相当）には登場するかも？？？

・No Jumper feat. Tay-K & BlocBoy JB – Hard

・BlocBoy JB feat. 21 Savage – Rover 2.0

・A$AP Rocky feat. BlocBoy JB – Bad Company

　125位以上相当の曲を扱うBubbling UnderにBlocBoy JB関連の曲が３つも登場！今後は客演で名前を目にするケースも増えていきそうですかね。

・その他の新曲情報はこちらを参照してください！

・プレイリスト

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✫半年前のHot 100

“rockstar“効果でPost Maloneの曲２つもチャートに登場。珍しい現象。

✫１年前のHot 100

 後に大ヒットとなる“XO TOUR Llif3”、49位でチャートに登場。

4/6 新曲/新リリースの初動を観察 【Cardi B、多様なゲストと共にアルバム１位へ 】

　今週の注目はやはりCardi B！多くのゲストを引き連れアルバム１位を獲得見込みです！他にも今週は注目アルバムが多く、なかなか盛り上がる週ではないでしょうか！

　写真はインタビューに応じるCardi BとKehlani。ちなみにまだこの時は”Bodak Yellow"リリース前です。

Kehlani & Cardi B on Body Shaming & Online Bullies - YouTube

　このインタビューでCardi Bは普段聴く曲の例として、Lady GagaとBeyoncéを挙げていますが、どちらもアルバムで言及されていますね！（Beyoncéは”Thru Your Phoneなど複数曲で、Lady Gagaは”I Like It"で言及されている）

　*1

① Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日) 

1	Drake	God's Plan	2,016,775
2	The Weeknd	Call Out My Name	1,741,810
3	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho	1,596,835
4	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive	1,535,130
5	XXXTENTACION	SAD!	1,440,286
6	Rich the Kid	Plug Walk	1,288,147
7	Lil Dicky feat. Chris Brown	Freaky Friday	1,099,338
8	The Weeknd	Wasted Times	1,069,666
9	Cardi B feat. Migos	Drip	1,001,131
10	The Weeknd	Try Me	984,155

※赤字は新曲、数字は一日の再生数

　先週全曲がSpotifyのトップ10に入っていたThe WeekndのEPからは、３曲が今週もトップ10に残っています。曲数が少なめなEPということから、長い間EP全曲がストリーミング上位に残りそうな予感がします。“Plug Walk”、”Freaky Friday”などが順位を戻したほか、Cardi Bの新アルバムからはMigosとの“Drip”のみがSpotifyトップ10に。

　Apple Musicのほうではアルバムから７～８曲がトップ10に入っているのと比べると、Spotifyではやや控えめですね。Apple Musicのリスナーがアルバムを重視するという視聴習慣の違い、またリスナーが追うジャンルの微妙な違いによる差でしょうか。（Apple Musicのリスナーのほうがより「濃い」ヒップホップを聞いている印象がある）

　また土曜日にDrakeが新曲をリリースし、Spotify・Apple Musicの両方で首位に立っています。”God’s Plan”が少し落ちてきたタイミングでの華麗なバトンタッチに。再びストリーミングの首位独占するかも？

② 新曲/新アルバム アメリカSpotifyデイリー順位

・Cardi B – Invasion of Privacy 13/13曲

11	Cardi B feat. SZA	I Do
13	Cardi B	Be Careful
15	Cardi B	Get Up 10
16	Cardi B, Bad Bunny & J Balvin	I Like It
23	Cardi B	Bickenhead
28	Cardi B feat. Chance The Rapper	Best Life
30	Cardi B feat. 21 Savage	Bartier Cardi
34	Cardi B	Bodak Yellow
36	Cardi B feat. Kehlani	Ring
46	Cardi B & YG	She Bad
47	Cardi B	Money Bag
50	Cardi B	Thru Your Phone

　アルバム全曲が見事Spotify上位に。全曲がSpotify50位以上に入っています。”Drip”以外には”I Do”が人気。ほかiTunesで一時期１位に立った”I Like It”もなかなか好調。

　２日目以降もストリーミングの調子を落とすどころか、全体的にやや上昇？していること、そしてダウンロードでもそれなりの数字を記録していることからアルバム収録曲が全体的に高い順位でHot 100デビューする予感。既にチャートから外れた”Bodak Yellow”以外アルバム全曲がHot 100に登場するという可能性もありそう。来週のチャートに期待です。

 ・新曲群

26	Calvin Harris & Dua Lipa	One Kiss
33	A$AP Rocky feat. Moby	A$AP Forever
101	Slim Jxmmi feat. Swae Lee & Pharrell	Chanel
112	John Legend feat. BloodPop	A Good Night
144	Belly feat. NAV	Maintain
172	Lil Xan & Charli XCX	Moonlight
184	Thirty Seconds To Mars feat. Halsey	Love Is Madness

　注目を集めたのはCalvin Harris & Dua Lipaの“One Kiss”。Dua Lipaは”New Rules”以降注目度が各国で大きく上がっていて、各国でアルバムのピークがリリース時ではなく”New Rules”ブレイク以降になっていることが多いです。その勢いを継続し、今年は客演仕事も増加するでしょうか？

　ほかA$AP RockyがMobyをサンプリングした”A$AP Forever”が比較的上位に。その他Rae Sremmurd & ファレル、John Legend & BloodPopなど。

　新鋭のラッパー、Lil XanやFamous Dexが今週アルバムをリリースしましたが、それぞれ１曲か２曲程度しかSpotifyの200位圏内に入らず。

　あとは個人的にKali Uchisのアルバムから何曲かがSpotifyの200位圏内に入るかと考えていたのですが、入りませんでした。（昨年Tyler, the Creatorのアルバムが激戦区の週に全曲がSpotifyのランキング圏内に入っているのを見て、評論メディアから評価の高いアルバムはそこそこストリーミングで人気という傾向を感じたので。そのTyler, the Creatorと関連のあるKali Uchis。）

③　 iTunesアメリカ 新曲の順位など

1	Cardi B, Bad Bunny & J Balvin	I Like It
2	Kenny Chesney	Get Along
3	Bebe Rexha & Florida Georgia Line	Meant to Be
4	Imagine Dragons	Whatever It Takes
5	Zedd, Maren Morris & Grey	The Middle
6	Calvin Harris & Dua Lipa	One Kiss
7	Drake	God's Plan
8	Jason Aldean	You Make It Easy
9	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho
10$	Camila Cabello	Never Be the Same

$は割引　赤字は新曲

　Cardi Bのアルバムからラテン勢を引き連れた”I Like It”がiTunes首位に。ストリーミングではかなり人気が出そうな１曲だと思っていましたが、iTunesで首位を取るとはちょっと意外でした。（取るなら違う曲だと思っていた）

　２位にカントリー歌手Kenny Chesneyの新曲、６位にはCalvin Harris＆Dua LipaのUKビッグコラボ。ほか上位はそこまで大きな変化なし。

　このタイミングではまだ表に載っていませんが土曜日にリリースされたDrakeの新曲”Nice For What”がiTunesを上昇中で、まもなく１位に入る見込み。

・新曲群

12	Cardi B feat. SZA	I Do
19	Jason Aldean	I'll Wait For You
22	Cardi B feat. Kehlani	Ring
28$	Thirty Seconds to Mars feat. Halsey	Love Is Madness
29	Jana Kramer	Dammit
35	Elton John, P!nk & Logic	Bennie and the Jets (2018 Ver.)
36	Jake Owen	Made For You
37	Cardi B	Get Up 10
39	A$AP Rocky feat. Moby	A$AP Forever
41	Cardi B feat. Migos	Drip
48	Cardi B	Thru Your Phone
50	Poo Bear feat. Justin Bieber & Jay Electronica	Hard  2 Face Reality
59	Cardi B	Be Careful
61	Cardi B feat. Migos	Drip
62	Cardi B & YG	She Bad
66	Ed Sheeran	Candle In the Wind (2018 Version)
67	Cardi B feat. Chance the Rapper	Best Life
69	John Legend feat. BloodPop	A Good Night
75	Cardi B	Be Careful
77	BTS	Don't Leave Me
78	Sabrina Claudio feat. Khalid	Don't Let Me Down
84	Azealia Banks	Anna Wintour
86	Cardi B	Bickenhead
87	Florence + The Machine	Tiny Dancer
88	Cardi B	Money Bag
91	Jack & Jack	Closure
97$	Thirty Seconds to Mars	Rescue Me

　先行リリースだった”Bodak Yellow”、”Bartier Cardi”の２曲を除いたCardi Bのアルバム全曲がiTunes100位圏内に！ストリーミングでは１つのアルバムの曲全てが上位に入るケースはよくありますが、iTunesシングルで起こるのは珍しい気が！Cardi Bの勢いを感じます。（昨年のKendrick Lamarの“Damn”でもiTunes100位に入ったのはアルバムの半分程度だった）

（参考　Live iTunes US Popularity Bars）

　ほかも注目のリリースが多いです。珍しい戦略を取ったのはThirty Seconds to Mars今週リリースのHalseyとの曲をいきなり割り引いています。

　複数アーティストが参加したElton Johnリスペクトのコンピレーションからも複数曲が登場。本人も参加した”Bennie and the Jets”が人気。

　ほかJustin Bieberがゲストで参加したPoo Bearの曲も登場。この２人は過去に”Where Are U Now”で組んでいます。

　ほか水曜日のリリース時にはiTunes６位付近まで到達したBTSの日本語歌詞曲“Don’t Leave Me”、Azealia Banksのカムバックなど多種多様なラインナップ。

④　 iTunes アルバム順位　（アメリカ）

1	Cardi B	Invasion of Privacy
2	Thirty Seconds to Mars	AMERICA
3	コンピレーション	Revamp:The Songs of Elton John & Bernie Taupin
4	サントラ	Jesus Christ Superstar Live in Concert
5	Hillsong Worship	There Is More (Live)
6	The Weeknd	My Dear Melancholy,
7	サントラ	The Greatest Showman
8	コンピレーション	Restoration: The Songs of Elton John and Bernie Taupin
9	Flatbush Zombies	Vacation In Hell
10	Underoath	Erase Me

　iTunesアルバムでの１位はCardi B。ストリーミングでかなりの数字増が見込め、さらにダウンロードもそれなりの数字を記録しているCardi Bがこの週のアルバム１位だと思います。

　ほか有力なアルバムが今週多かったせいか、Kylie MinogueやKali UchisはiTunesアルバムトップ10圏外に。

⑤　ラジオの近況

※数字は現在推定ラジオ順位

※隣の数字は１日あたりの聴取数の変化（単位:100万回）

・上り調子

4	Zedd, Maren Morris & Grey	The Middle	+2,640
9	Camila Cabello	Never Be The Same	+2.136
162	Cardi B	Be Careful	+1.771
1	Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line	Meant to Be	+1.517
3	Drake	God's Plan	+1.159
21	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho	+1.047
39	Shawn Mendes	In My Blood	+1.023
34	Bazzi	Mine	+0.990
28	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive	+0.953
11	Imagine Dragons	Whatever It Takes	+0.932

　来週のチャートでポップ系ラジオの１位に輝くであろうZeddが好調。Zeddはデビュー以来ずっとポップ系ラジオと相性が良いです。

　ほかCamila Cabelloがラジオで数字を伸ばしてきており、順調に進めばHot 100でもトップ10入りしそう。Shawn Mendesも好調。

・下り調子

2	Bruno Mars & Cardi B	Finesse	-3.194
70	Cardi B feat. 21 Savage	Bartier Cardi	-2.169
7	MAX feat. gnash	Lights Down Low	-1.961
49	Devin Dawson	All On Me	-1.883
31	Selena Gomez & Marshmello	Wolves	-1.268
41	Chris Stapleton	Broken Halos	-1.147
25	Charlie Puth	How Long	-1.102
12	G-Eazy & Halsey	Him & I	-1.033
192	Granger Smith	Happens Like That	-0.932
5	Ed Sheeran	Perfect	-0.931

　シングルとしての役目を終えつつある”Finesse”が急激にラジオのポイントを落として来ているようです。ただ、このポイント減は一時的なものかなと考えています。（根拠は様々な系統のラジオでかかっていること、*2）

　ほか、新シングルが登場したCardi Bの前シングル”Bartier Cardi”が落ちてきています。

・今週ラジオでかかり始めた曲

✫ポップ系

45	Echosmith	Over My Head
50	Livvia feat. Quavo	Catch A Body

　先にアダルトポップ系で人気を得ているEchosmithの”Over My Head”がポップ系にも飛び火。久々のHot 100入りなるか？

✫アダルトポップ系

40	Snow Patrol	Don't Give In
47	Halsey feat. Big Sean & Stefflon Don	Alone
49	Bleachers	Alfie's Song
50	Moon Taxi	Two High

　かつて”Chasing Cars”で一世を風靡したバンド、Snow Patrolのシングルがこの系統に登場。ほかソングライターとしても活躍するJack AntonoffのバンドBleachersの曲など。

✫リズミック系

37	Cardi B	Be Careful
46	Big Boi feat. Lunchmoney Lewis	All Night
48	Lil Uzi Vert	Sauce It Up
49	A.Chal	Love N Hennessy

　Cardi B新曲がかなり順調。適度にポップさがある曲でこの系統と相性が良いのかも。ちなみにこの曲のプロデューサー陣、Frank Dukes＋Boi-1Da+Vinylzの組み合わせはRihannaの”Sex With Me”と同じ。

　ほかiPhoneのCMに採用され、日本でも一時期注目を集めた*3Big Boiの“All Night”、Lil Uzi Vertの新シングルなどが登場。Lil Uzi Vertはストリーミングでのピークが過ぎていますが、このタイミングでラジオでかかり、何か変化が起こるか？

✫アーバン系

41	Cardi B	Be Careful
46	Tory Lane	B.I.D
47	Moneybagg Yo	Bigg Facts
49	Roy Woods	Monday To Monday

　リズミック系同様、Cardi B新曲が順調にラジオを伸ばしています。ほかTory Lanezなど。

⑥　各種トップ10

・Apple Music　

1	Cardi B	Get Up 10
2	Cardi B	Bickenhead
3	Cardi B feat. Migos	Drip
4	Cardi B feat. Chance the Rapper	Best Life
5	Cardi B, Bad Bunny & J Balvin	I Like It
6	Cardi B feat. Kehlani	Ring
7	Drake	God's Plan
8	The Weeknd	Call Out My Name
9	Rich the Kid	Plug Walk
10	Cardi B feat. SZA	I Do

　既にCardi Bの新アルバム曲が上位へ。これはおそらく約半日分の集計なので、１日分フルカウントされればもっと伸びるか？

・パンドラ

1	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho
2	Drake	God's Plan
3	Bazzi	Mine
4	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive
5	Jason Aldean	You Make It Easy
6	Zedd, Maren Morris & Grey	The Middle
7	N*E*R*D & Rihanna feat. Drake	Lemon (Drake Remix)
8	Kendrick Lamar & SZA	All The Stars
9	Bruno Mars feat. Cardi B	Finesse
10	G-Eazy & Halsey	Him & I

　”Lemon”のDrakeリミックスが急浮上。またSpotifyやApple Musicと同様、”God’s Plan”が首位から陥落しています。

・Album Of The Year / Most Popular

1	Cardi B	Invasion of Privacy ✫
2	Kali Uchis	Isolation ✫
3	Kacey Musgraves	Golden Hour ✫
4	Unknown Mortal Orchestra	Sex & Food
5	The Weeknd	My Dear Melancholy,
6	Saba	Care for Me ✫
7	Hop Along	Bark Your Head Off, Dog ✫
8	Kylie Minogue	Golden
9	The Voidz	Virtue
10	Amen Dunes	Freedom ✫

✫つきは、高評価（75点以上）

　Cardi Bがここでも最も注目を集めています。現時点では評価のスコアも高めですね！

　次いでKali Uchis。Thundercat、Kevin Parker(Tame Impala)、Damon Albarnなど豪華制作陣と共に制作されたコロンビア発R&Bディーヴァはかなり評判が良いようです！

　ほか今週の新譜ではUnkown Mortal Orchestra、Saba、Hop Along、Kylie Minogueが注目を集めています。先週リリースされ、評価が高いKacey Musgravesのアルバムは今週も注目度が高いみたいですね。

　Lil XanとFamous Dexはここのユーザーからも？注目されていないようです。（点数も低いです）

⑦　個人的・今週のお気に入り７曲

　「今週」と題していますが、新曲でない曲が混ざるケースもあると思います。

・Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It

・Kali Uchis feat. Steve Lacy – Just a Stranger

・Kylie Minogue – Stop Me From Falling

・Lil Xan & Charli XCX – Moonlight

・Chromeo feat. DRAM – Must’ve Been

・Rae Sremmurd feat. Pharrell – Chanel

・Swedum – L.O.V.E 　（スウェーデン / ポップス）

　Cardi BとKali Uchisは何を選ぶか迷いましたが、今のところはコレ的な感覚でチョイスしておきました。

　最後に挙げたSwedumさん、Twitterのフォロワーが現時点では52人しかいない新人みたいです💦　（良いと思うので今後に期待です！）

*1:今週はまだデータが揃っていない段階でアップロードします。データある所だけまずは参照してみてください💦（後で穴埋めします。Spotifyのデータがまだ来ないので💦）→月曜の朝？あたりにデータが更新されました！頑張れ！Spotifyランキングのサーバー！

*2:系統が広いと落ちるタイミングもある程度バラけるので。実際アダルトR&B系ラジオでは未だに上昇中

*3:ビルボードJapanのほうのシングルチャートでは88位まで到達。本家アメリカでは100位圏外。

Hot 100 4/7 見どころ 【謎の日本ブーム？Famous DexとShawn Mendes / ドイツのオルタナ女子】

　今週は謎の日本ブーム。Famous Dexの”Japan”、Shawn Mendesの”Lost in Japan”と日本関連の曲が２曲も登場。Famous Dexはリリックビデオで独自の日本？を作り上げています。（↑の写真はそのリリックビデオより）ほか今週際立ったのはShawn Mendesの”In My Blood”やAlice Mertonの”No Roots”ですかね。

今週のハイライト

～今週のHot 100ハイライト～

・Shawn Mendes新曲”In My Blood"は事実上デビュー週で22位スタート

・リリックビデオも日本？なFamous Dexの”Japan"が70位で登場

・Rae Sremmurd・Juicy Jの”Powerglide"が38位へ浮上。最近脚光を浴びるJuicy Jは３年ぶりのヒット(トップ40)

・”God's Planが10週目の１位

・ロングヒット”Young Dumb & Broke”などがチャートから外れる

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲　         Zedd, Maren Morris & Grey – The Middle

今週最もダウンロードが上昇した曲　Bruno Mars & Cardi B – Finesse

今週最もストリーミングが伸びた曲　Shawn Mendes – In My Blood

最も高い順位で新登場した曲          Panic! At the Disco – Say Amen

曲の個別解説

[New] 100 Alice Merton – No Roots

　ドイツ発女性シンガー、Alice Mertonの”No Roots”が100位で登場。自身初のHot 100に。海外産オルタナ系シンガーという点で少しRag’n’Bone Manと似ていますかね。

　今年の２月にAlternative系ラジオで１位を獲得。現在はとAlternative系ラジオでのピークは過ぎていますが、その後ポップ系ラジオやアダルトポップ系ラジオで伸びたことにより、今週遂にHot 100エントリー。

　ドイツでCDが人気と言いますが、この”No Roots”はCDがあります。しかし直近のデータではついにストリーミング > CDになったようです。ストリーミング人気によって同一ラッパーの曲が複数シングルチャートにエントリーするという事例も増えてきています。

　ちなみに、昨年ドイツで年間トップ10のうち、７曲がCDシングルをリリース。（無いのは“Something Just Like This”、”Tunesday”、“Galway Girl”）新進ラッパーBausaによる大ヒット”Was Du Liebe Nennst”のCDがあるのは意外。この曲より前はヒットがほぼない新人ラッパーのCDが出せるのは少し珍しい気がします。

Offizielle Deutsche Charts - Offizielle Deutsche Charts　（ドイツの年間トップ10）

　さらに日本の年間トップ10だとうち９曲がCDシングルをリリース。唯一CDシングルが無いのはTwiceの“TT”。

　アメリカの年間トップ10でCDがあるのは、グローバルヒットの２曲のみでした。（"Shape Of You"と”Despacito"）

[New] 95 Darius Rucker – For The First Time

　Darius Ruckerの”For The First Time”が95位で登場。カントリーラジオで今週11位。

彼はファーストアルバムが2002年のベテラン。2013年“Wagon Wheel”のカバーでHot 100の15位を記録。珍しい黒人のカントリー歌手です。

[Re] 87 Keala Settle – This Is Me

　”The Greatest Showman”サントラからの”This Is Me”が87位で再登場。Alan Walkerによる”Relift”バージョンの追加やiTunesでの割引がプラスに働いたのでしょうか。

　一応アダルトポップ系などラジオでもそこそこかかっているようですが、他の”The Greatest Showman”の曲が既にHot 100から姿を消しているということもあり、そろそろブームは終わりつつあるかも。

　”The Greatest Showman”はアメリカ映画なのですがアメリカよりも”This Is Me”のチャート成績が良い国も。アメリカの58位に対して、イギリスでは３位、オーストラリアでは10位。日本でも17位まで到達しています*1。

　イギリスでは11週連続でアルバムチャート１位になったことも少し話題になっていました。（Adeleと並んで歴代最長のよう）　これは、純粋にフィジカルなどセールスが強いだけではなく、ストリーミング人気が安定していたことも要因でしょうか？ほかに強力なライバルがいなかったことも原因でしょうか。

　ただし他の主要国（ドイツ、カナダ等）でアメリカ並みの成績の国もあります。またアメリカと他国ではチャートにおけるストリーミングの比率が違うこともアメリカと他国で“This Is Me”のチャート成績に差が出た要因の一つです。（ストリーミングで人気を博していた”This Is Me”ですが、ストリーミングの比率が相対的に低いアメリカ（Hot 100）ではあまり順位が上がらなかったということです。）

[New] 86 Morgan Wallen feat. Florida Georgia Line – Up Down

　Florida Georgia Lineがカントリーの後輩をサポート。Morgan Wallenの”Up Down”が86位でHot 100に登場。初のHot 100エントリーに。Morgan WallenはEPを２枚出しただけでアルバムはまだの新人のようです。

　今週、この曲はカントリー系ラジオ16位に入っています。Florida Georgia LineとBebe Rexhaの“Meant To Be”は今週カントリー系ラジオ３位。

[New] 70 Famous Dex – Japan

　Famous Dexの”Japan”が70位で登場。Famous Dexにとって２曲目のHot 100に。不思議な？リリックビデオもそこそこヒットに寄与したようです。（この週のアメリカYouTube76位に）

　彼は今週アルバムをリリース予定のようです！そのアルバムに収録されるA$AP Rockyとの”Pick It Up”今週71位ですが、チャート滞在20週目を迎えているので、リカレントルールによって今週がおそらくラストです。

　彼は日本のファッション雑誌、Themマガジンの最新号の表紙を飾っています。この雑誌では過去にPlayboi Cartiが表紙を飾ったことも。

MAGAZINE - Them magazine

[New] 64 Shawn Mendes – Lost In Japan

　Shawn Mendesの”Lost In Japan”が64位で登場。今週のダウンロード９位。こちらはラジオ等ではまだかからない非シングル曲です。

　曲の歌詞では「日本の何か」への恋しさを歌っており、それは恋人？という解釈もできるようですね。

　珍しい”Japan”被りが発生しています。（おそらくHot 100史上初）　さすがに”America”とつく曲が被ったことは過去にあったようですが、「国名がタイトルに入っている曲」に関する記録も調べてみると奥が深そうですかね。

（↓”America”が被った週のHot 100）

　昨年にリリースされた曲で今後Hot 100に入る可能性は低そうですが、Young Thugのレーベルに所属するGunnaというラッパーも”Japan”という曲をリリースしています。

※ビルボードが後に発表した 、歴代でHot 100に入った"Japan"がつく曲のリスト↓　

（https://www.billboard.com/articles/columns/chart-beat/8350851/cardi-b-i-like-it-fifth-top-10-hot-100-chart-moves-invasion-of-privacy　より）

[New] 60 Panic! At The Disco – Say Amen (Saturday Night)

　Panic! At The Discoの”Say Amen”が60位で登場。６枚目のアルバム”Pray for the Weekend”に向けたシングルです。

　彼*2はコンスタントに活躍を見せていて、全てのアルバムで１曲以上はHot 100に入っています。

　ロックバンドのHot 100エントリーはやや厳しくなってきていて、例えば今年新作をリリースし、アルバム１位も獲得したFall Out Boyはそのアルバム”MANIA”からの曲が１曲もHot 100に入っていませんでした。そのようなことを考慮すると、”Say Amen”の60位デビューは上々の成績かと思います。

[↑] 38 Rae Sremmurd feat. Juicy J – Powerglide

　Rae Sremmurdの”Powerglide”が51位→38位と上昇。Rae Sremmurd名義では６曲目のトップ40に。2014年のブレイク以降、コンスタントに活躍している印象があります。

　ストリーミングで調子を上げているほか、Hip-Hop / R&B系ラジオでも好調です。

　この曲は客演のJuicy Jにとって３年ぶりのHot 100で、そして久々のトップ40（ヒット）になっています。”No Limit”、”Plain Jane”、”King’s Dead”とSlob On My Knobシリーズの連続ヒットで脚光を浴びるJuicy Jですが、自身が関与したこの曲も好調です！

　この”Powerglide”ではJuicy Jら（Three 6 Mafia）の過去曲”Side 2 Side”を参照しています。

[↑] 22 Shawn Mendes – In My Blood

　Shawn Mendesの”In My Blood”が22位へと浮上。先週は１日のみの集計だったため、今週が事実上のデビュー週です。

　今週ダウンロード３位、ストリーミング33位で、ラジオでも既に38位。ダウンロードは先週と今週でポイントが割れたことによって、１位にはならず。iTunesで１位の期間は長かったですが。

　私は先週の時点で、今週トップ10入りするのでは？と考えていたがそこまでは行かず。*3ただラジオがかなり順調に伸びているので、いずれトップ10に届くとは思います。

　現状この曲が一番人気のラジオ系統はアダルトポップ系です。この系統ではギター系のサウンドをベースにした曲が人気です。

[↑] 3 Bruno Mars & Cardi B – Finesse

　Bruno Mars・Cardi Bの”Finesse”が４位→３位と少し浮上。値引き＋リミックスリリースでダウンロードが少し上向いたことが要因です。リミックスは昨年イギリスで”More Than Friends”がヒットしたJames Hypeなどが担当しています。

　ラジオで今週総合１位、ポップ系ラジオ１位などまさに今がピーク、逆に言うと今後の大きな伸びは望めなさそうです。（ちなみに”That’s What I Like”は値引き＋リミックスリリースのタイミングで１位を取った）

　リリース時のインパクトが大きく、１位を取る雰囲気もありましたが、結局ピークは３位止まりに。とはいえ、アルバムからの４曲目のシングルとしては上々の成績だと思います。

　今後の首位争いは”Meant to Be”と”God’s Plan”の一騎打ちでしょうか。まだ”God’s Plan”が大差をつけていますが、”Meant to Be”はラジオを大きく伸ばし、”God’s Plan”はストリーミングの数字を落としているため、その差が縮まってきているようです。

　音楽スレッドPulse Musicの民によると、このペースで行くと５週間後に入れ替わるのでは？との予想。その前にThe Weekndなり他のアーティストが来るかもしれませんが。

　ちなみに今週もHot 100首位をキープした”God’s Plan”は今週10週目の１位に。これでDrakeは男性ソロ歌手としては初めて複数の曲で10週以上の大規模の１位を記録したことに。（もう１曲は“One Dance“）　

　この10週以上で１位を記録する大規模の１位は最近増えてきています。理由はラジオ・ダウンロード・ストリーミングと多角化し、ポイントに偏りがある曲が増え、幅広くポイントを取れる曲が独走するようになったからだと思います。

[↓] × Miguel feat. Travis Scott – Sky Walker

　Miguelの”Sky Walker”が今週チャートから外れました。ピーク29位/チャート滞在26週と、上々の成績。2018の年間チャートにも入りそう。

　最初のほうは注目度が低かった印象がありましたが、アルバムリリース以降調子を上げたました。リズミック系ラジオで１位、Hip-Hop / R&B系ラジオで３位に達するなど、R&B寄りのラジオ系統での活躍が光りました。ストリーミングも良い感じの数字を記録していました。

[↓] × Charlie Puth – How Long

　Charlie Puthの”How Long”が今週チャートから外れました。ピーク21位 / チャート滞在24週とそこそこの成績でした。

　ラジオでは一時期５位とかなり好調でしたが、ストリーミングが足を引っ張る（ストリーミングは常に51位以下）形でHot 100では21位止まりに。

　次のシングルは”Done For Me”。また彼が客演を務めるG-Eazyの”Sober”も最近シングル化。彼はポップ系ラジオでは大人気ですね。今後はこの２曲のヒットに期待ですかね。

　世界的に見て、ヒット具合は”Attention”≧”How Long”ですが、日本ではHow Long (59位) > Attention (101位以下)と逆。（参考　2017年・日本で流行した「洋楽」の日本 / アメリカのチャート順位を比較 - チャート・マニア・ラボ (CML)　）

[↓] × Khalid – Young Dumb & Broke

　Khalidの”Young Dumb & Broke”が今週チャートから外れました。ピーク18位/36週というかなり優秀な成績でした。

　アメリカでは”Location”のほうがヒットしましたが、アメリカ以外ではLocation < Young Dumb & Brokeの国が多かったです。（イギリス、オーストラリア、ドイツなど。オーストラリアでは”Young Dumb & Brokeがトップ10入り）

　アメリカで”Location”がヒットした理由の一つはアダルトR&B系ラジオですが、このようなラジオ系統はあまり他国では見られないため、他国では”Young Dumb & Broke”がヒットしたのだと思われます。純粋に”Young Dumb & Broke”のほうがポップでノリやすいからだとも思いますが！

☆この週のHot 100すべてのフルリストはこちら↓

今週チャートから外れた曲　(９曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 The Chainsmokers – Everybody Hates Me (🗻100位 /⏰1週)

96 Jacquees & Dej Loaf – At the Club (🗻86位 /⏰7週)

95 XXXTentacion – Going Down! (🗻95位 /⏰1週)

83 XXXTentacion feat. Joey Bada$$ - Infinity (🗻83位 /⏰1週)

82 XXXTentacion – Numb (🗻82位 /⏰1週)

50 Miguel feat. Travis Scott – Sky Walker (🗻29位 /⏰26週)

49 Lin-Manuel Miranda & Ben Platt – Found / Tonight (🗻49位 /⏰1週)

48 Charlie Puth – How Long (🗻21位 /⏰24週)

46 Khalid – Young Dumb & Broke (🗻18位 /⏰36週)

来週以降の動向 / 過去チャートの振り返り・プレイリスト

・来週以降Hot 100に入るかもしれない？曲を特集

・The Weeknd – Call Out My Name

　週の後半に差し掛かってもEPが全体的に高いストリーミング数を維持しているので、EP６曲全てが高めの順位で登場しそうです。中でも”Call Out My Name”は５位以上と予想されています。

・Rich the Kid feat. Quavo & Offset – Lost It

・Rich the Kid feat. Lil Wayne – End of Discussion

　Rich the Kidのアルバムの中の有力候補。”Lost It”はApple Musicで人気、”End of Discussion”はSpotifyで人気。先行リリースの”Plug Walk”、”New Freezer”以外はApple Music / Spotifyでそれぞれの人気曲がかなり違うので、どちらもHot 100に登場しないという展開になる可能性が高い気がします。

　ちなみにこのそれぞれの人気の違いは、それぞれのプレイリストに入った曲の違いと一致、（Apple Musicのプレイリストには”Lost It”が、Spotifyのプレイリストには”End of Discussion”が入っているということ）

・Stefflon Don & French Montana – Hurtin’ Me

　イギリスの女性ラッパーStefflon Donの”Hurtin’ Me”が今週119位相当にランクイン。昨年Stefflon Donの母国イギリスで７位まで到達した曲で、ブレイクを受けてアメリカのラジオでも一部かかっています。（あとMigosらが所属しているQuality Controlのメンバーという点もラジオでかかっている理由だと思います）

　ただし、Hip-Hop / R&B系ラジオなどでの伸びは止まってきており、この曲がHot 100に入る可能性は微妙そう。

　Stefflon Don初のHot 100は、現在ポップ系ラジオで伸びているHalsey、Big Seanとの”Alone”になりそうです。

・その他の新曲情報はこちらも参照してみてください

✫半年前のHot 100

 ”Bodak Yellow"がテイラーを蹴落とす。”rockstar"が２位スタート

✫１年前のHot 100

”More Life"がチャートを支配・”Black Beatles"チャートから外れる💦

・プレイリスト

*1:最近なでしこジャパンのテーマ曲？にも採用されていますね

*2:現在バンドのメンバーはBrendon Urie一人なので

*3:ダウンロードが割れている分のマイナスを考慮しきれていなかった……

3/30 リリース新曲/新作の初動を観察 【ストリーミングの巨星The Weeknd / Rich the Kid のアルバム】

　ここ最近”God's Plan"がストリーミング１位を突っ走っていましたが、The Weekndがそれを止めそうな規模のストリーミングを記録しています。緊急EPながらも、莫大なストリーミングを得るとはさすがStarboy。今週は話題多めかと思います。

　写真はThe WeekndとRich the Kid。（https://www.tumblr.com/search/kid%20abel）より

  余談　→　*1

① Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日)

1	The Weeknd	Call Out My Name	3,490,888
2	The Weeknd	Try Me	2,556,378
3	The Weeknd	Wasted Times	2,305,758
4	Drake	God's Plan	2,294,588
5	The Weeknd feat. Gesaffelstein	I Was Never There	2,082,119
6	The Weeknd feat. Gesaffelstein	Hurt You	2,059,139
7	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho	1,729,154
8	The Weeknd	Privilege	1,726,058
9	XXXTENTACION	SAD!	1,584,686
10	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive	1,570,662

※赤字は新曲、数字は一日の再生数

　Spotifyトップ10に大きな変化が！The Weekndの新EPからの曲が上位を支配しています！“God’s Plan”がリリース以降、圧倒的な成績で各ストリーミングの１位を支配していましたが、Drakeと双璧を成すストリーミングの巨星・The Weekndのリリースによってその支配が終わりそうです。

　そのEPからは６曲全てがトップ10入り。Apple Musicでも同様に上位を支配しており、それぞれのストリーミングでかなりの数字を叩き出しているようです。ここまでストリーミングで好調ならば、EP全曲が余裕を持ってHot 100にエントリーしそうです。もしかしたらEP全曲がHot 100のトップ40に入るような展開も考えられるかも？*2　

　ゲストは少なめなこのEPですが、プロデューサー陣にこだわりを感じます。まず一番際立つのはFrank Dukes。彼は”Havana”、Drakeの”Fake Love”などポップス～R&Bを担当することの多いプロデューサー。近年はヒットにも恵まれ、現在プロデュース曲が合わせて５曲トップ10入りしました。The Weekndとも過去に“Attention”、”Pray For Me”などで一緒に仕事をしたことがあります。

　彼のスタイルは、「インディー魂を持つR&B～ポップの仕立て屋」と”個人的に”考えております。その根拠は初期のプロデュース作品に大胆な展開をする曲が多いということ(“0 to 100 / Catch Up”、”Oh My Dis Side”など)、自身で様々な音源を集めたサンプリング集？などを作っているからです。

　前アルバム“Starboy”ではややポップに動いたThe Weekndですが、このEPでは原点回帰のような姿勢を感じます。それを、インディー魂を持ったFrank Dukesがサポートしている、のような感じでしょうか。

　他にも拘りを感じるプロデューサーが多くおり、ヒップホップ系を主に担うMike Will Made-It、ブロステップ一辺倒のイメージから脱却して時間が経つSkrillex、Daft Punkの片割れGuy-Manuel de Homem-Christoなどが参加。客演で表記されているGesaffelsteinはフランスのプロデューサーで、過去に１回A$AP Rockyと組んで仕事をしたこともあるようです。

　ほかソングライターには以前もThe Weekndと組んだことがあるStarrah、Bellyなどが参加しています。

　Spotifyのトップ10は大半がThe Weekndで埋まり、今までのトップ10の多くは順位を落としました。

② 新曲/新アルバム アメリカSpotifyデイリー順位

・Rich the Kid / World Is Yours　圏内12/14曲

11	Rich the Kid	Plug Walk
36	Rich the Kid feat. Kendrick Lamar	New Freezer
47	Rich the Kid feat. Khalid	Too Gone
56	Rich the Kid feat. Lil Wayne	End Of Discussion
70	Rich the Kid feat. Future	No Question
81	Rich the Kid feat. Quavo & Offset	Lose It
96	Rich the Kid feat. Trippie Redd	Early Morning Trappin
104	Rich the Kid	World Is Yours
133	Rich the Kid	Dead Friends
135	Rich the Kid feat. Jay Critch & Rick Ross	Made It
172	Rich the Kid feat. Chris Brown	Drippin
175	Rich the Kid feat. Swae Lee & Offset	Gargoyle

　今週の話題はThe Weekndがかっさらいましたが、その影でRich the Kidもストリーミングでなかなかの成績を記録。デビューアルバムの全14曲のうち、12曲がSpotifyランキング圏内に登場。先行リリースだった“Plug Walk”と”New Freezer”が主に人気。新リリースで人気なのは、Khalidを迎えた“Too Gone”、Lil Wayneを迎えた”End Of Discussion”など。ちなみにApple MusicではQuavo・Offsetを迎えた“Lost It”が人気。

　このストリーミング人気によって、数字を積み上げてThe Weekndに次ぐアルバム２位になるような気がしますが、先行の２曲以外は際立って人気の曲が無いため、アルバム曲のHot 100大量エントリーの可能性は低そうです。

　ちなみに時折「今年のXXL Freshman予想」に載っていることもあったRich the Kidでしたが、「新人ではない」という判断がされたのか、XXL Freshmanの投票リストから外れています。

・新シングル！

29	Cardi B	Be Careful
40	A$AP Rocky feat. BlocBoy JB	Bad Company
55	Tyler, the Creator	OKRA
64	Ty Dolla $ign feat. Gucci Mane & Quavo	Pineapple
103	Lauv	Chasing Fire
107	Hayley Kiyoko feat. Kehlani	What I Need
153	Mike Will Made-It feat. Pharrell & Station Wagon P	Aries (YuGo)
157	Sam Smith feat. Logic	Pray
184	DJ Esco feat. Future, Rich the Kid & Young Thug	Xotic
197	Smokepurpp & Murda Beatz feat. Lil Yachty & Offset	Do Not Disturb

　The Weeknd、Rich the Kid以外にも注目アーティストのリリースが多く、今週はそれなりに激戦区の週だったのではないかな？という気がします。

　まずはCardi Bの新曲”Be Careful”。ここまで”Bodak Yellow”、”Bartier Cardi”さらに”No Limit”や”MotorSport”あたりでも勢いがあってパワフルなラップスタイルが特徴的だったCardi Bですが、今回はどちらかというとポップで穏やかな１曲に。少しこのスタイル転換は意外でしたが、”Be Careful”はアルバムの箸休め的な立場の一曲なのかもしれないですね。

 　Cardi Bのデビューアルバム”Invasion of Privacy”は来週リリース予定。トラックリストはまだ発表されていないので、何が収録されるかは不明。Kehlaniのゲスト参加が噂されています。

　また既に”Bodak Yellow”の多くのストリーミングによって、このアルバムはリリース前から既にゴールド認定されているのではないか？とTwitter上のチャートマニア、Chartdata氏は分析しています。なかなか不思議な現象ではありますが。ストリーミングをアルバムにどこまで/どうやってカウントするか？は今後考察が必要な分野になりそうです。

　次いで注目を集めたのはA$AP Rockyの”Bad Company”。客演は”Look Alive”で飛躍したBlocBoy JB。BlocBoy JBは今の勢いをどこまでキープできるでしょうか？

　Tyler, the Creatorの新曲“OKRA”もそれなりに注目を集めています。彼は昨年のアルバム”Flower Boy”が激戦区の週ながらも、アルバム全曲がUSのSpotifyランキング200位圏内に入るなど、ストリーミングでの強さを証明。UKでもそこそこ人気を得た点がサプライズでした。この曲もアルバム同様、それなりにストリーミングされているようです。この曲はPitchforkがBest New Music認定しています。

　ほかアルバムが今週リリースのHayley Kiyoko、DJ ESCOが１曲ずつランキングに登場。Sam SmithとLogicによる”Pray”はそこまで奮わずSpotify157位でスタート。激戦区だったせいか、Spotify 200位圏内に入らなかった曲もいくつかあります。Lady Gaga、Tinahse、Bhad Bahbie、Chvrchesなど

③　 iTunesアメリカ 新曲の順位など

1	Cardi B	Be Careful
2	The Weeknd	Call Out My Name
3	Bebe Rexha & Florida Georgia Line	Meant to Be
4$	Zedd, Maren Morris & Grey	The Middle
5	Imagine Dragons	Whatever It Takes
6	Drake	God's Plan
7	Jason Aldean	You Make It Easy
8$	Camila Cabello	Never Be the Same
9	Sam Smith feat. Logic	Pray
10	Bad Wolves	Zombie

$は割引

　iTunes１位はCardi B。ストリーミングでの主役の座はThe Weekndに譲りましたが、ダウンロードではCardi Bの方が上。来週のアルバムリリースに向けて注目度が高いということが伺えます。ほか新曲ではSam Smithの“Pray”にLogicを加えたバージョンがiTunes上位に。

　ほか”The Middle”と”Never Be the Same”が値引きを敢行し、Hot 100での順位上昇を狙っています。

・新曲群

23	Lady Gaga	Your Song
37	The Weeknd	Wasted Times
39	Tinashe feat. Ty Dolla $ign & French Montana	Me So Bad
40	Jason Aldean	High Noon Neon
45	Lauv	Chasing Fire
49	Cassadee Pope	Take You Home
56	Kacey Musgraves	Butterflies
60	Daughtry	Backbone
61	Grace Vanderwaal	Cleary
62	The Weeknd	Try Me
72	The Weeknd feat. Gesaffelstein	Hurt You
82	A$AP Rocky feat. BlocBoy JB	Bad Company
94	RaeLynn	Queens Don't

　ストリーミング（主にSpotify）で注目を集め、今年Hot 100にもエントリーしたイギリス人シンガーLauvの新曲がiTunes中位に登場。彼は新曲を出せばいつもiTunes中位に登場しているので、ある程度アメリカでも立ち位置を確保したということなのでしょうか。

　ほかLady Gaga、TinasheなどSpotifyのランキングには登場しなかったアーティストの曲がiTunesではそこそこの順位を記録。The WeekndのEPからの曲もいくつかエントリーしていますね。あとは元Hey Mondayのボーカリストで、ソロではカントリー歌手に転身したCassadee Popeの新曲など。

④　 iTunes アルバム順位　（アメリカ）

1	The Weeknd	My Dear Melancholy,
2	Kacey Musgraves	Golden Hour
3	Hayley Kiyoko	Expectations
4	Steffany Gretzinger	Blackout
5	サントラ	The Greatest Showman
6	Rich The Kid	The World Is Yours
7	Ashley McBryde	Girl Going Nowhere
8	Escape the Fate	I Am Human
9	Andrew Peterson	Resurrection Letters, Vol.1
10	Tink	Pain & Pleasure (EP)

　”The Greatest Showman”以外は全て今週の新譜。ストリーミングが圧倒的なThe WeekndのEPはiTunesアルバムでも首位で、この週のアルバム１位の可能性が高そうです。

　iTunesアルバム２位はカントリー歌手のKacey Musgraves。このアルバムの評価はかなり高いらしく、このアルバムを機に注目度が上がるかも？カントリー歌手に普段あまり触れないようなメディアでもこのKacey Musgravesについて触れているような印象があります（Pitchforkを見てそう思いました）

　次いで３位は日系ポップシンガーのHayley Kiyoko。ほかストリーミングで数字を積み上げそうなRich the KidがiTunesアルバム６位。

⑤　ラジオの近況

※数字は現在推定ラジオ順位

・上り調子

2	Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line	Meant to Be
7	The Weeknd & Kendrick Lamar	Pray For Me
5	Zedd, Maren Morris & Grey	The Middle
12	Camila Cabello	Never Be The Same
33	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho
19	Maroon 5	Wait
38	Bazzi	Mine
95	Jake Owen	I Was Jack
13	Imagine Dragons	Whatever It Takes
34	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive

　Hot 100でも勢いが増す”Meant to Be”がラジオでも勢いづいています。この調子が続けばHot 100の１位取りの可能性もありそう。ストリーミング発のBazziの”Mine”がラジオで調子を上げてきました。

・下り調子

26	Devin Dawson	All On Me
87	Granger Smith	Happens Like That
1	Bruno Mars & Cardi B	Finesse
9	G-Eazy & Halsey	Him & I
35	Chris Stapleton	Broken Halos
66	N*E*R*D & Rihanna	Lemon
11	NF	Let You Down
49	Cardi B feat. 21 Savage	Bartier Cardi
283	Ro James	Permission
20	Charlie Puth	How Long

　カントリーラジオは一回落ち始めると一気に落ちるという特性があります。今週ラジオでの再生減が激しい曲の１位、２位は両方カントリー。”Bartier Cardi”はラジオでもストリーミングでも既に下り調子で、結局Hot 100でのトップ10を逃したままチャートから外れてしまいそう。現在ラジオ１位の“Finesse”もここの所上昇が止まってきました。

・今週ラジオでかかり始めた曲

✫ポップ系

43	AJR feat. Rivers Cuomo	Sober Up
46	G-Eazy feat. Charlie Puth	Sober
47	Rudimental feat. Jess Glynne, Macklemore & Dan Caplen	These Days
50	Charlie Puth feat. Kehlani	Done For Me

　Charlie Puthの関連曲が２曲と、アダルトポップやオルタナティブ系で既に人気を得ているAJRの”Sober Up”が登場。

　今週イギリスで１位を獲得した”These Days”もラジオに登場。元からのストリーミングでの好調と合わせて、Hot 100でも今後順位を上げられるか？

　※ちなみにJess Glynneはこれで６曲目のイギリス１位に。これはイギリス人女性シンガーとしては最も多い曲数だそうです。女性シンガー全体ではMadonna(13曲)、Rihanna(９曲)、Kylie Minogue（７曲）に次いで４番目に多い数字のようですね。

✫アダルトポップ系

39	Echosmith	Over My Head
47	Dua Lipa	IDGAF
50	Bazzi	Mine

　”IDGAF”、”Mine”などがポップ系ラジオの後を追う形でアダルトポップ系にも登場。”Over My Head”はこの系統独自のヒット。Echosmithは今後ラジオを伸ばして久々のHot 100エントリーなるか？

✫リズミック系

46	Sean Paul & David Guetta feat. Becky G	Mad Love
47	Migos feat. Drake	Walk It Talk It
48	2 Chainz feat. YG & Offset	Proud
49	XXXTENTACION	Sad!

　ビデオ公開のタイミングでシングルカットされた”Walk It Talk It”が登場！ほか今までラジオでの数字に恵まれてこなかったXXXTENTACIONのシングルが登場。さすがにHot 100でトップ10入りとなると、ラジオ局も無視できない！ということでしょうか。

　ほか同じくビデオが公開された2 Chainzの“Proud”など。

✫アーバン系

39	Migos feat. Drake	Walk It Talk It
44	Gucci Mane feat. Migos & Lil Yachty	Solitaire
47	A.Chal	Love N Hennessy
49	Eric Bellinger feat. Wale	G.O.A.T.
50	Janelle Monae	Make Me Feel

　リズミック系と同様、ビデオ解禁とともに“Walk It Talk It”がシングルとして上昇。ほかGucci Mane + Migos + Lil Yachtyというお馴染みのコンビが集った”Solitaire”など。”Make Me Feel”はポップ～リズミック～アーバンとかかっている系統が広いですね。（＝幅広い層に人気）

⑥　各種トップ10

・Apple Music　

1	The Weeknd	Call Out My Name
2	The Weeknd	Try Me
3	The Weeknd	Wasted Times
4	The Weeknd feat. Gesaffelstein	I Was Never There
5	The Weeknd feat. Gesaffelstein	Hurt You
6	Drake	God's Plan
7	The Weeknd	Privilege
8	Cardi B	Be Careful
9	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive
10	XXXTENTACION	Sad!

　Spotifyと同じくThe WeekndのEPが上位を支配。長く１位だった”God’s Plan”が４位まで落ちたので、ストリーミング数がインフレしていそうです。他もSpotifyのランキングと似ていますが、Cardi Bの曲がより上位に来ています。ちなみに”Bodak Yellow”はApple Musicでは首位になったことがありましたが、Spotifyではデイリー最高２位 /週間最高３位止まりでした。「ラッパーはストリーミングで強い」と言ってもサービスやアーティストによって微妙に違いがあります。

　あと、どうやら、毎日日本時間の深夜２時くらいに、私が見ているサイト・Kworb内のApple Musicランキングのデータが更新されるようです。つまり土曜の26時あたりに新曲がランキングに反映される仕組み？のようです。今週は日曜日更新なので新リリースが反映されています💦

・パンドラ

1	Drake	God's Plan
2	Bazzi	Mine
3	Post Malone feat. Ty Dolla $ign	Psycho
4	BlocBoy JB feat. Drake	Look Alive
5	Zedd, Maren Morris & Grey	The Middle
6	Jason Aldean	You Make It Easy
7	G-Eazy & Halsey	Him & I
8	Kendrick Lamar & SZA	All The Stars
9	Migos	Stir Fry
10	Kendrick Lamar & The Weeknd	Pray For Me

　今週はHot Streak🔥無しです。あまり上位に動きが無いです。”You Make It Easy”の奮闘が光りますね。

・Album Of The Year （アルバム注目度）

1	The Weeknd	My Dear Melancholy,
2	Kacey Musgraves	Golden Hour ✫
3	The Voidz	Virtue
4	Jack White	Boarding House Reach
5	Frankie Cosmos	Vessel ✫
6	Amen Dunes	Freedom ✫
7	CZARFACE & MF Doom	Czarface Meets Metal Face
8	The Vaccines	Combat Sports ✫
9	Hayley Kiyoko	Expectations
10	Preoccupations	New Material

✫は高評価＝75点以上のアルバム

　The WeekndのEPがアルバム批評系の人々の間でも大きく注目を集めています。EPながらもここまで幅広い影響力があるとは、恐れ入ります。

　そしてiTunesでも２位だったKacey Musgravesがセールスだけでなく批評系の人々の間でも注目を受けているようです。単に注目を受けているだけではなく、現在５メディアの平均評価が90点を上回るなど、かなり高く評価されているようですね！

　ほかThe StrokesのJulian Cassablancasが率いるThe Voidz、Frankie Cosmos、Amen Dunesなどの新譜が注目されているようです。ポップシンガーのHayley Kiyokoがこのサイトに登場するのはやや意外です。

⑦　個人的・今週のお気に入り７曲

　「今週」と題していますが、新曲でない曲が混ざるケースもあると思います。

・The Weeknd feat. Gesaffelstein – I Was Never There

・Rich the Kid feat. Future – No Question

・Hayley Kiyoko feat. Kehlani – What I Need

・Tyler, the Creator – OKRA

・MØ – Nostalgia

・Ne-Yo, Bebe Rexha & Stefflon Don – Push Back

・Chocoholic feat. Makaw – We’ve Got to Go (日本 / ポップス)

*1:再生数の規模が大きいアルバムなりが来るとSpotifyのランキングは更新が遅れる傾向にあります。The WeekndのEPがめちゃくちゃ人気と聞いて、更新遅くなりそうだなぁと思ったら本当にランキングの更新が遅かったです。頑張れSpotify　ランキングのサーバー！！！

*2:過去にJ.Coleが達成　参考→　10以上の曲をHot 100に送り込んだアルバムの記録 【＋J. Cole が新記録！？】 - チャート・マニア・ラボ (CML)

チケット付き？ストリーミングで逆転？ ここ最近のUSアルバム１位の事例集

　現在、アメリカのアルバムチャート(Billboard 200)では、単純なアルバムのセールスだけではなく、ストリーミングの指数（1500ストリーミング = １アルバムセールス）、シングルのダウンロード (10ダウンロード = １アルバムセールス)も加算して集計されています。

　さらに、最近ではCDにチケットを付けてセールスを伸ばすような事例も増えてきており（Ticket Bundleと呼ばれている）、アルバムチャートの１位争いは純粋なセールス争いではなく、「アーティストの総合力」を問うようなチャートへと変化しつつあるなという実感があります。

　今回はそこで、このルールとなった2014年末以降のアルバムチャートの１位・純セールス１位を振り返り、変化等を観察してみようと思います。

関連記事：アルバムチャートは純粋なセールス以外で勝負する時代？ 【USアルバムチャートのここ４年の変化】 - チャート・マニア・ラボ

✫表の見方

200＝アルバム「総合」チャートの１位、ストリーミングなどを含む

Sales＝純粋に「セールス」が１位のアルバム

ス＝ここに🍎マークがあったら、その週はストリーミング等でセールスをひっくり返してアルバム１位を獲得している。*1

チ＝ここに🎫マークがあったら、この週の「セールス１位」は「チケット付きCD」を使ったアルバムであるということを表します。（今回の記事ではこの戦略が増えた2017年以降のみを調査対象にしています。）*2

アルバムタイトルが（同）はセルフタイトルアルバムを表します。

2014

2014	200	Sales	ス
12月6日	Four (One Direction)	Four (One Direction)
12月13日	1989 (Taylor Swift)	1989 (Taylor Swift)
12月20日
12月27日	2014 Forest Hills Drive (J.Cole)	2014 Forest Hills Drive (J.Cole)

　ルールが導入された直後。この期間は力のあるアーティストが多かったせいか、順当に全てのセールス１位アルバムがBillboard 200でも１位に。

2015

2015	200	Sales	ス
1月3日	1989 (Taylor Swift)	1989 (Taylor Swift)
1月10日
1月17日
1月24日
1月31日	Title (Meghan Trainor)	Title (Meghan Trainor)
2月7日	American Beauty / American Psycho (Fall Out Boy)	American Beauty / American Psycho (Fall Out Boy)
2月14日	1989 (Taylor Swift)	1989 (Taylor Swift)
2月21日		Now 53 (コンピレーション)
2月28日	If You're Reading This, It's Too Late (Drake)	If You're Reading This, It's Too Late (Drake)
3月7日	Smoke + Mirrors (Imagine Dragons)	Smoke + Mirrors (Imagine Dragons)
3月14日	Dark Sky Paradise (Big Sean)	Dark Sky Paradise (Big Sean)
3月21日	Piece By Piece (Kelly Clarkson)	Piece By Piece (Kelly Clarkson)
3月28日	Empire from Season 1 (サントラ)	Rebel Heart (Madonna)	🍎
4月4日	To Pimp A Butterfly (Kendrick Lamar)	To Pimp A Butterfly (Kendrick Lamar)
4月11日
4月18日	The Album About Nothing (Wale)	The Album About Nothing (Wale)
4月25日	Furious 7 (サントラ)	Future Hearts (All Time Low)	🍎
5月2日	Handwritten (Shawn Mendes)	Handwritten (Shawn Mendes)
5月9日	Sound & Color (Alabama Shakes)	Sound & Color (Alabama Shakes)
5月16日	Jekyll + Hyde (Zac Brown Band)	Jekyll + Hyde (Zac Brown Band)
5月23日	Wilder Mind (Mumford & Sons)	Wilder Mind (Mumford & Sons)
5月30日	Pitch Perfect 2 (サントラ)	Pitch Perfect 2 (サントラ)
6月6日	Blurryface (Twenty One Pilots)	Blurryface (Twenty One Pilots)
6月13日	AT.LONG.LAST.A$AP (A$AP Rocky)	AT.LONG.LAST.A$AP (A$AP Rocky)
6月20日	How Big How Blue How Beautifurl (Florence + The Machine)	How Big How Blue How Beautifurl (Florence + The Machine)
6月27日	Drones (Muse)	Drones (Muse)
7月4日	Before This World (James Taylor)	Before This World (James Taylor)
7月11日	Dark Before Dawn (Breaking Benjamin)	Dark Before Dawn (Breaking Benjamin)
7月18日	Dreams Worth More Than Money (Meek Mill)	Dreams Worth More Than Money (Meek Mill)
7月25日
8月1日	Black Rose (Tyrese)	Black Rose (Tyrese)
8月8日	DS2 (Future)	DS2 (Future)
8月15日	Woman (Jill Scott)	Woman (Jill Scott)
8月22日	Descendants (サントラ)	Descendants (サントラ)
8月29日	Kill The Lights (Luke Bryan)	Kill The Lights (Luke Bryan)
9月5日
9月12日	Immortalized (Disturbed)	Immortalized (Disturbed)
9月19日	Beauty Behind The Madness (The Weeknd)	Beauty Behind The Madness (The Weeknd)
9月26日		Got You Six (Five Finger Death Punch)	🍎
10月3日		That's The Spirit (Bring Me The Horizon)	🍎
10月10日	What A Time To Be Alive (Drake & Future)	What A Time To Be Alive (Drake & Future)
10月17日	Fetty Wap (同)	Cass County (Don Henley)	🍎
10月24日	Unbreakable (Janet)	Unbreakable (Janet)
10月31日	Revival (Selena Gomez)	Revival (Selena Gomez)
11月7日	Pentatonix (Pentatonix)	Pentatonix (Pentatonix)
11月14日	Sounds Good Feels Good (5 Seconds Of Summer)	Sounds Good Feels Good (5 Seconds Of Summer)
11月21日	Traveller (Chris Stapleton)	Traveller (Chris Stapleton)
11月28日
12月5日	Purpose (Justin Bieber)	Purpose (Justin Bieber)
12月12日	25 (Adele)	25 (Adele)
12月19日
12月26日

　１年で５週、逆転現象が発生。”Trap Queen"がストリーミングで大人気だったFetty Wap、そしてHot 100に11曲もが入ったThe Weekndの”Beauty Behind the Madness"が該当。The Weekndのほうはアルバム曲のHot 100へのエントリーが多い点や、２週目以降もセールスをひっくり返している点は「ストリーミング時代の幕開け」感が少しありますかね！

　サントラの二つは、ストリーミングよりもどちらかというと「10ダウンロード＝１アルバムセールス」の要素が強いでしょうか。

2016

2016	200	Sales	ス
1月2日	25 (Adele)	25 (Adele)
1月9日
1月16日
1月23日
1月30日	Blackstar (David Bowie)	Blackstar (David Bowie)
2月6日	Death Of A Bachelor (Panic! At The Disco)	Death Of A Bachelor (Panic! At The Disco)
2月13日	25 (Adele)	25 (Adele)
2月20日	Anti (Rihanna)	Anti (Rihanna)
2月27日	Evol (Future)	25 (Adele)	🍎
3月5日	25 (Adele)
3月12日
3月19日	I Like It When You Sleep.. (The 1975)	I Like It When You Sleep.. (The 1975)
3月26日	untitled unmastered. (Kendrick Lamar)	untitled unmastered. (Kendrick Lamar)
4月2日	Anti (Rihanna)	Hymns (Joey + Rory)	🍎
4月9日	This Is What The Truth Feels Like (Gwen Stefani)	This Is What The Truth Feels Like (Gwen Stefani)
4月16日	Mind Of Mine (Zayn)	Mind Of Mine (Zayn)
4月23日	The Life Of Pablo (Kanye West)	Traveller (Chris Stapleton)	🍎
4月30日	Cleopatra (The Lumineers)	Cleopatra (The Lumineers)
5月7日	The Very Best Of Prince (Prince)	The Very Best Of Prince (Prince)
5月14日	Lemonade (Beyoncé)	Lemonade (Beyoncé)
5月21日	Views (Drake)	Views (Drake)
5月28日
6月4日		Lemonade (Beyoncé)	🍎
6月11日		If I'm Honest (Blake Shelton)	🍎
6月18日		Black (Dierks Bentley)	🍎
6月25日		Stranger To Stranger (Paul Simon)	🍎
7月2日		Last Year Was Complicated (Nick Jonas)	🍎
7月9日		The Getaway (Red Hot Chilli Peppers)	🍎
7月16日		True Sadness (The Avett Brothers)	🍎
7月23日	California (Blink-182)	California (Blink-182)
7月30日	Views (Drake)	Blank Face LP (ScHoolboy Q)	🍎
8月6日		Hard Love (Needtobreathe)	🍎
8月13日		Everybody Looking (Gucci Mane)	🍎
8月20日	Major Key (DJ Khaled)	Major Key (DJ Khaled)
8月27日	Suicide Squad (サントラ)	Suicide Squad (サントラ)
9月3日
9月10日	Blonde (Frank Ocean)	Blonde (Frank Ocean)
9月17日	Encore: Movie Partners Sing Broadway (Barbra Streisand)	Encore: Movie Partners Sing Broadway (Barbra Streisand)
9月24日	Birds in the Trap Sing McKnight (Travis Scott)	Bad Vibrations (A Day To Remember)	🍎
10月1日	They Don't Know (Jason Aldean)	They Don't Know (Jason Aldean)
10月8日	Views (Drake)	Sinner (Aaron Lewis)	🍎
10月15日	Illuminate (Shawn Mendes)	Illuminate (Shawn Mendes)
10月22日	A Seat at the Table (Solange)	22, A Million (Bon Iver)	🍎
10月29日	Revolution Radio (Green Day)	Revolution Radio (Green Day)
11月5日	Walls (Kings Of Leon)	Walls (Kings Of Leon)
11月12日	Joanne (Lady Gaga)	Joanne (Lady Gaga)
11月19日	Trap or Die 3 (Jeezy)	Cosmic Hallelujah (Kenny Chesney)	🍎
11月26日	This House Is Not For Sale (Bon Jovi)	This House Is Not For Sale (Bon Jovi)
12月3日	We Got It From Here Thank You 4 Service (A Tribe Called Quest)	We Got It From Here Thank You 4 Service (A Tribe Called Quest)
12月10日	Hardwired To Self-Destruct (Mettalica)	Hardwired To Self-Destruct (Mettalica)
12月17日	Starboy (The Weeknd)	Starboy (The Weeknd)
12月24日	The Hamilton Mixtape (サントラ)	The Hamilton Mixtape (サントラ)
12月31日	4 Your Eyez Only (J.Cole)	4 Your Eyez Only (J.Cole)

　この年は17週で逆転現象が発生。夏頃にアルバムチャートを支配したDrakeの”Views"がなんと10週でセールス１位のアルバムを逆転しました。

　これは純粋にDrakeがストリーミングで元から大人気であったというだけではなく、アルバムの曲数が多かったということも大きな理由だと思います。現行のルールでは、「アルバムの曲数に関わらず」、1500ストリーミング＝1アルバムセールスなので、アルバムの曲数が多いほどアルバムチャートで有利になれるのです。

　この2016年あたりから「チャート戦略」とも取れる「曲数の多い、長いアルバム」の現象が注目されはじめた気がします。

　ほか、Kanye Westがセールスほとんど無し（自身のサイトのみで公開、iTunes等は無し）ながらもほとんどストリーミングでアルバム１位を獲得する事例もあり、2016年は本格的にアルバム・ストリーミング時代が始まったように思います。

　↑この「曲数の多い、長いアルバム」現象はPitchforkの記事が分かりやすいと思います。

2017

2017	200	Sales	ス	チ
1月7日	A Pentatonix Christmas (Pentatonix)	A Pentatonix Christmas (Pentatonix)
1月14日
1月21日	Starboy (The Weeknd)	Moana (サントラ)	🍎
1月28日		La La Land (サントラ)	🍎
2月4日		I See You (The xx)	🍎
2月11日		The Search For Everything : Wave One (EP/John Mayer)	🍎
2月18日	Culture (Migos)	The Devil Dont Sleep (Brantley Gilbert)	🍎
2月25日	I Decided. (Big Sean)	I Decided. (Big Sean)
3月4日	Fifty Shade Darker (サントラ)	Fifty Shade Darker (サントラ)
3月11日	Future (同)	Future (同)
3月18日	HNDRXX (Future)	HNDRXX (Future)
3月25日	÷ (Ed Sheeran)	÷ (Ed Sheeran)
4月1日		Hardwired To Self-Destruct (Mettalica)	🍎	🎫
4月8日	More Life (Drake)	More Life (Drake)
4月15日		Hardwired To Self-Destruct (Mettalica)	🍎
4月22日		Emperor Of Sound (Mastodon)	🍎
4月29日	Memories.. Do Not Open (The Chainsmokers)	Memories.. Do Not Open (The Chainsmokers)		🎫
5月6日	DAMN. (Kendrick Lamar)	DAMN. (Kendrick Lamar)
5月13日
5月20日		Humanz (Gorillaz)	🍎
5月27日	Everybody (Logic)	From A Room: Volume 1 (Chris Stapleton)	🍎
6月3日	Harry Styles (同)	Harry Styles (同)
6月10日	One More Light (Linkin Park)	One More Light (Linkin Park)		🎫
6月17日	True to Self (Bryson Tiller)	Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bant (The Beatles)	🍎
6月24日	hopless fountain kingdom (Halsey)	hopless fountain kingdom (Halsey)
7月1日	Witness (Katy Perry)	Witness (Katy Perry)		🎫
7月8日	Melodrama (Lorde)	Melodrama (Lorde)
7月15日	Grateful (DJ Khaled)	Evolve (Imagine Dragons)	🍎
7月22日		Hydrograd (Stone Sour)	🍎
7月29日	4:44 (Jay-Z)	4:44 (Jay-Z)
8月5日
8月12日	Lust For Life (Lana Del Rey)	Lust For Life (Lana Del Rey)
8月19日	Everything Now (Arcade Fire)	Everything Now (Arcade Fire)		🎫
8月26日	DAMN. (Kendrick Lamar)	Brett Eldredge (同)	🍎
9月2日	Rainbow (Kesha)	Rainbow (Kesha)		🎫
9月9日	Science Fiction (Brand New)	Science Fiction (Brand New)		🎫
9月16日	Luv Is Rage 2 (Lil Uzi Vert)	Villains (Queens Of The Stone Age)	🍎
9月23日	American Dream (LCD Soundsystem)	American Dream (LCD Soundsystem)		🎫
9月30日	Life Changes (Thomas Rhett)	Life Changes (Thomas Rhett)
10月7日	Concrete And Gold (Foo Fighters)	Concrete And Gold (Foo Fighters)
10月14日	Wonderful Wonderful (The Killers)	Wonderful Wonderful (The Killers)		🎫
10月21日	Now (Shania Twain)	Now (Shania Twain)		🎫
10月28日	Perception (NF)	Perception (NF)
11月4日	Beautiful Trauma (P!nk)	Beautiful Trauma (P!nk)		🎫
11月11日	Flicker (Niall Horan)	Flicker (Niall Horan)		🎫
11月18日	Live In No Shoes Nation (Kenny Chesney)	Live In No Shoes Nation (Kenny Chesney)		🎫
11月25日	The Thrill Of It All (Sam Smith)	The Thrill Of It All (Sam Smith)		🎫
12月2日	Reputation (Taylor Swift)	Reputation (Taylor Swift)
12月9日
12月16日
12月23日	Songs Of Experience (U2)	Songs Of Experience (U2)		🎫
12月30日	What Makes You Country (Luke Bryan)	What Makes You Country (Luke Bryan)

　この年から「チケット付きCD」も増えたので、それについても調べました。逆転現象は15週。

　ストリーミングを得意とし、セールスを逆転するケースも健在なうえ、この年の後半で際立ったのは「チケット付きCD」。今年の後半ではセールス１位は「チケット付きCD」をやっているケースの方が多かったです。もちろん、「チケット付きCD」が無くともセールス１位を取れそうなアーティストもいますが、この効果が大きく効いてセールス１位 / アルバム１位になった作品もあるかと思います。

　しかし、この「チケット付きCD」で１位を取った作品には注意点があります。以下の表は「アルバム１位から最も順位を落とした事例」なのですが、（ソースはWikipedia )

このうちの１位－５位が全て「チケット付きCD」の事例なのです！つまり、「チケット付きCD」でブーストしてアルバム１位を取ったものの、２週目はそのブーストが効かず大きく数字を落としてしまう……ということなのです。

　このことから、「チケット付きCD」は週間でアルバム１位を取っても最終的にはそこまで大規模なヒットになっていないことが多いです。上の表で挙がっているBrand New、The Killers、LCD Soundsystemはアルバム年間チャートの200位圏内に入れていません。「チケット付きCD」で１位を取ったアルバムは、２週目以降の数字も観察して、「真のヒット具合」を探る必要もあるのかもしれません。　LCD Soundsystemなど評価の高いアーティストがチャートでの数字に恵まれることは素晴らしいことだとは思いますが。

2018

2018	200	Sales	ス	チ
1月3日	Revival (Eminem)	Revival (Eminem)
1月6日	Reputation (Taylor Swift)	Reputation (Taylor Swift)
1月13日	The Greatest Showman (サントラ)	The Greatest Showman (サントラ)
1月20日
1月27日	Camila (Camila Cabello)		🍎
2月3日	M A N I  A (Fall Out Boy)	M A N I  A (Fall Out Boy)
2月10日	Culyutr Ⅱ (Migos)	The Greatest Showman (サントラ)	🍎
2月17日	Man Of The Woods (Justin Timberlake)	Man Of The Woods (Justin Timberlake)
2月24日	Black Panther (サントラ)		🍎
3月3日		By the Way (Brandi Carlile)	🍎
3月10日	This House Is Not For Sale (Bon Jovi)	This House Is Not For Sale (Bon Jovi)		🎫
3月17日	Black Panther (サントラ)	The Greatest Showman (サントラ)	🍎
3月24日	Bobby Tarantino Ⅱ (Logic)	American Utopia (David Bryne)	🍎	🎫
3月31日	? (XXXTENTACION)	Hardwired To Self-Destruct (Mettalica)	🍎	🎫

*3

　昨年以上にストリーミングも「チケット付きCD」も加速した印象があります。ストリーミング逆転が多かったのはMigos、Black Pantherなどストリーミングで人気の作品が多かったからでしょうか。

　複雑化するアルバムチャートですが、今後はどのような戦略が飛び出すのでしょうか？要注目のテーマだと思います！

関連記事

 

*1:Apple Musicのほうが、Spotifyよりも「アルバム単位」で聞くユーザーが多いとランキングから推察されるため、🍎マークです。普通にSpotifyっぽい絵文字が無いからという理由もあるのですがね……

*2:Billboardがチャートと共にリリースする、今週のBillboard 200について、の記事に”Ticket"の文字があればカウントしています。

*3:1/6は、ビルボードがチャートの日付を変更する移行期間だったため