チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Billboard 動向・1月号(2021) 【予想外の1位独走など】

 

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 今月は3種類の1位にフォーカス。予想を超える/期待通り/期待以下(?)の1位の詳細について探っていきます。(マイペース更新で少し鮮度が落ちたことをご容赦ください🙏)

 

 

目次:

 

 

1 予想を超える1位:"drivers license"

 

 まずは予想外の、しかも破格の規模での1位獲得に成功した”drivers license”から。元々そこまで注目される曲ではなく、例えばSpotifyのNew Music Fridayでは15番目に配置されるような曲でしたが、リリース初日からストリーミング等で上位デビュー。これだけでもサプライズでしたが、本当の驚きを提供したのはここから。

 リリース2日目にはSpotify/Appleで1位に。そこからグングン調子を上げ、なんとリリース日目5日目にはSpotifyのUSデイリー記録を更新(約615万)。リリースが2曲目のニューカマーながらも歴史的な成績を残したのです。

 2週目の後半あたりから次第に数字を落とし、徐々に2位との差は縮まっていきましたが、余裕の1位ということは変わらず。

 ほかUS外でも人気を誇り、Spotifyのグローバルでも1位を独走。歴代最多の週間再生数を記録しました。(デイリーだとクリスマス曲2つに次いで、歴代3位) 

 

 なぜここまでヒットしたのでしょうか?私がまず注目したのは彼女の前シングル“All I Want”です。この曲は、ラジオやプレイリストでほとんどプロモーションされていないにも関わらず、ストリーミングで上昇。なんとHot 100入りを果たすことに成功していました。特段TikTok受けが良さそうなキャッチーな曲でも無いに関わらず、このような浮上を果たしたということは、純粋の曲の良さだけではなく、ヒットを引き寄せるだけのアーティスト個人としての注目度があったということ考えられます。このアーティスト個としての注目度は、ストリーミングで強力な武器になります。

 彼女はHigh School Musicalキャストで、この“All I Want”もHigh School Musicalからの曲。彼女は音楽業界では新人でも、セレブリティ知名度的な面では既に一定の成果を残していたので、上のような個人の注目度を得たのだと思います。ただそういったセレブリティ系の出自だからといって、音楽ではうまくいかないケースも多々見られるため、出自がヒットの理由の全てというわけではありません。

 ただ、彼女がこの出自を巧みに利用はしました。というのも、この曲は主にディズニーキャストとの関係性を歌ったものでした。その歌詞への反響が、元々彼女を追っていた層に深く響き、初日の初動に繋がったのだと思います。この自身の人間関係を歌う/SSW的気質の作風の2点で彼女はTaylor Swiftと比較されているようです。

 “drivers license”で歌われたと推測されているSabrina Carpenterは2週後に、シングル“Skin”をリリース。実質的なアンサーソングとされています。元から用意されていたものか、寝耳に水で急遽反撃したものなのかは分かりませんが、ラッパーのようなバトル/スピード感で、ディズニー系ポップス界隈を盛り上げています。

 

 さらにその次の段階へと進む上で重要な役割を果たしたと推測されるのは曲の質です。人間関係への興味を引き立てる歌詞だけでは、元々のファン層にしか広まらないですが、この大規模ヒットは、一般的な曲として受容され明確に多くの層へ広がったことを証明しているでしょう。

 「インディーポップ的な作風、ポップ的コーラスを高次元で融合させた曲」という評をするメディアが多いようです。Taylor Swiftの他に、Lordeとも比較されることが多いようですが、個人的には2017年以降のKeshaにどちらかというと近い気がします。

 

 まとめると、セレブリティ的な人気があった彼女が、人間関係について歌い、ファンの間で注目を集める。そこからスタートし、曲の質の高さが他の層にも波及し、さらに大ヒットになり一般の層も気になって参入する……のような形でのヒットなのだと思います。

 

 彼女は今のところ“All I Want”、”drivers license”の2曲だけで、キャリアとしては序盤。今後どのようなキャリアを歩み、どこまで結果を出せるかは見ものですね。アンサーソングをリリースしたSabrina Carpenter等、自身の関連アーティストがどこまでヒットし、その「界隈」がどこまで盛り上がるかも重要な指標だと思います。

 

この曲のヒットについて、辰巳JUNK様の記事が詳しく、好きだったのでこの章を書く上で参考にさせて頂きました🙏

①:17歳の新人オリヴィア・ロドリゴによる記録的ヒットの理由

②:オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」考察と一年越しのマーケティング網|うまみゃんタイムズ|note

 

 

2 期待通りの1位:Morgan Wallen

 

 個人的には期待通り、くらいなのですが、こちらも一般的には予想外の躍進かもしれません。Morgan Wallenが2枚目で初のアルバム1位を獲得。26.5万という高めの売上うち、多くの割合を占めたのはストリーミング。2.4億というかなりの再生数を記録しました。従来の記録(Luke Combsの1.02億)にダブルスコアを付け、カントリー作品のストリーミング数記録を更新しました。彼の人気に加え、曲数の多さ(30)も追い風になりました。

 彼は2014年のThe Voiceに出場後、レーベルと契約を結び正式にデビュー。Florida Georgia Lineを迎えた、“Up Down”で2018年に初のHot 100入り。2019年に”Chasin’ You”がヒットすると、地位を確保。特徴的なのはその声質。低いガラガラとした声は独特の雰囲気を生み出します。そのスタイルで広い層から人気を得たのか、カントリーにあまり縁のないSpotifyAppleでも高い人気を得ていました。

 昨年リリースの”7 Summers”はストリーミングでの高い人気もあり、Hot 100で6位に。その先行シングルへの好調さ、また過去ヒットの堅調な推移を見る限り、彼への高い期待度を感じ、アルバムではかなりの好成績を記録するだろうと私は読んでいました。ちなみにアルバムの曲数がかなり多い(30曲)こともその予想を後押ししました。(曲が多いとその分再生数も自然と増えるので)

 

 2週目も成績が安定しており10曲もがHot 100に残留。ラジオでオンエアされている曲も多いことから、2週目でも5曲がトップ40圏内です。

 年の序盤のリリースであること、さらに2週目以降の安定感を見る限り、年間アルバムチャートでかなり上位を狙えそう。競合次第では年間アルバム1位も現実的な目標かも?

 

……というのが元々の原稿だったのですが、ここ数日で急展開。Nワードを発していた事が問題視され、ラジオやプレイリストでのプロモーションが取り下げに。一見大ピンチに思えますが、iTunesやストリーミングでは今のところは浮上を見せています。ラジオが無関係のアルバムチャートにでは、この現象はむしろプラスに働くという可能性も?

 この一件の動向が実際にチャートに現れはじめるのは2月の3週目ごろからだと思いますが、果たして……

 

 

3 期待ほどではない(?)1位

 

 これもそう感じるのは私だけかもしれません。ここではPlayboi Cartiについて説明します。1.26億再生を記録し、Playboi Cartiにとって初のアルバム1位。5曲がHot 100入り。上々の成績ではあるのですが、個人的にはもっと来る気がしていました。

 というのも、昨年Lil Uzi Vertの“Eternal Atake”がリリースされた後、次はPlayboi Cartiの”Whole Lotta Red”だ!という盛り上がりがあったように思うからです。

 実際に昨年のシングル”@MEH”はリリースと共にストリーミングで注目されていたので、“Eternal Atake”の4億までは行かないにせよ、少なくとも2億は超えてくるかな、と個人的には読んでいたのです。

 一定の注目を集め、初のアルバム1位も獲得した彼でしたが、私が感じていた期待感ムードほどの成績ではなかった気がしました。質的にも微妙だったようで、Rate Your MusicやAlbum of the Yearでは前作を下回る評価(ユーザー)をされています。

 

その他のアルバム

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・Lil Durk

 クリスマス期にリリースされ、実質リリース週には3位を記録。その週アルバム1位のPlayboi Cartiよりも多い6曲がHot 100入り。その後Playboi Cartiを抜いてアルバム2位に浮上。デラックス版で共演したLil Babyと同じような領域(Apple/YouTube中心)で人気を得ています。

 

 

4 超圧倒的だったクリスマス曲、去る

 

 1月に入り、クリスマス期間も終了。歴代最大だったクリスマス曲ラッシュも終わりを迎えました。

 

2020 Top10 Top50 全体 2019 Top10 Top50 全体
11/21 0 0 0 11/23 0 1 1
11/28 0 2 2 11/30 0 1 1
12/5 0 8 8 12/7 0 6 6
12/12 3 19 22 12/14 2 13 14
12/19 5 22 29 12/21 3 12 14
12/26 6 22 27 12/28 4 14 15
1/2 9 33 39 1/4 5 24 25
1/9 1 10 11 1/11 0 0 0

※日付はチャートの日付。その日付から15日前~9日前が集計の対象(ストリーミングとセールス)

 

 人気を牽引しているのはストリーミング。Amazon Musicでの圧倒的な強さ(例:トップ50すべてがクリスマス曲など)は毎年変わらずなのですが、今年は他の媒体でもかなり強かったです。Spotifyでは週間チャートで最大17位まで独占。(昨年まではクリスマス曲がUS週間チャートの1位に立ったこともなかった*1)ほかApple Musicでも“All I Want for~”が初めてデイリー1位に立っていました。

 集計が12/25~12/31である次の週ですら10曲が残留し、勢力の強さを物語っています。特に12/25当日のストリーミングが圧倒的すぎて*2、1週分まるまる集計される一般曲を圧倒していたということです。(ちなみにSpotifyの数字を見る限り、グローバルでは12/24がピークですが、USでは12/25がピークです)

 

 昨年以上の規模になったのは、家にいる時間が長いことに加え、暗い世間からの逃避として明るいムードになれるものが求められる、という時勢も大きく寄与しているのでしょう。これほどのクリスマス曲の強さは継続的な現象なのか、感染症下特有のものなのか、いずれ来る(と信じたい)感染症後のデータを見て比較したいです。

 

 個人的にずっと気になっているのは、このクリスマス曲の隆盛が現行メインストリームに与えている影響です。チャート上位を支配することによって現行曲が目立つチャンスが少なくなることに加え、私がよく考えるのは現行曲の消費時間がクリスマス曲に奪われる(?)こと等です。

 クリスマス曲の消費自体は以前からされていたので、実際の再生時間的にはストリーミング前時代とバランスが変わっていない可能性や、また従来と違う層によって再生されている可能性も考えられるので、「奪う」という表現が全く的を射ていない可能性もありますが。

 こればかりはどのような内訳で再生されているかの内部データ*3を見てみないと分からないのでなんとも言えませんが、一応Spotifyのランキングを元に考えてみました。

 

クリスマス曲を除いた上位10曲の再生数合計(週間)の推移です。

 

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 今年のクリスマス明け、USのSpotifyのデイリー首位が100万を割っていて(現存するデータ=2017年以降では初)気になったのですが、やはりクリスマスを通してトップ10が随分弱体化していました。一方で、昨年は極端に落ち込む週は無かったようです。

 補足すると、ヒット曲がより強く影響を受けているようです。2020年の1/9付~2/6付、2021年の1/7付~2/4付のそれぞれ5週の週間チャートの合計値を調べたところ、以下のようになりました。クリスマス前/後に限らず、感染症による現在の環境もヒット曲の消費に影響を大きく与えていそうなので、引き続き深く追っていきたいテーマですね。*4

 

10位:2020→2021で33%減少

200位:2020→2021で11%減少

 

 クリスマス曲は普段そこまで音楽を聞かない層がBGM的(スマートスピーカー等)に使っているのか、それとも普段も音楽を聞いている層がいつもと同じような感覚で聞いているのかが分かれば面白そうです。

 クリスマスが終わると軒並みすぐに急落してしまうので、クリスマスという枠を外れて一般的な曲として受容されることは無いようです。当たり前と言えば当たり前なのですが、2019年の半分以上をUKのSpotifyランキング圏内で過ごしていたEarth, Wind & Fireの“September”のような「時制ソング」でありながら同時に一般的な曲として受容されているケースもあります。(USでも稀に9月以外でもデイリーランキングの下位に登場します。あとなぜか新年プレイリストの常連曲なので、年始にもランキングに入ります)

 しかしその傾向を破って、今年Siaの“Snowman”がクリスマス後も調子をキープするという異例の動向を見せています。主にUS外の人気ですが。理由はもちろん(?)TikTokです。

 このジャンルごとの躍進を見る限り、おそらく一つ一つ思いを込めて曲を聞くよりも、自動再生がメインと推測されます。そんなこと言ったら、通常時のプレイリスト再生はどうするの?等、他にも疑問は無限に湧いてきますが、個人的にはもう少しクリスマスの圧倒的支配に対しての策が見てみたいところです。例えばビルボードのルール変更など。*5

 

 

5 クリスマス後の特別復活ルール

 

 クリスマス後はクリスマス曲が一気に去るため、代わりに空いた枠に多くの新曲が登場し、新年らしい様相を見せます。ただ最近はクリスマス曲の影響力が強すぎて、本来ならばまだまだ活躍しそうな曲まで外れてしまうことを考慮し、昨年からは一度リカレントした曲もクリスマス後に再登場させるようになりました。

 以下の曲が再登場。 

 

3 The Weeknd - Blinding Lights
26 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR
30 Lewis Capaldi - Before You Go
31 Jawsh 685 & Jason Derulo - Savage Love (Laxed – Siren Beat)
33 Morgan Wallen - More Than My Hometown
34 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne - WHATS POPPIN
37 Dan + Shay - I Should Probably Go To Bed
40 Parker McCollum - Pretty Heart
42 Blake Shelton feat. Gwen Stefani - Happy Anywhere
47 Harry Styles - Watermelon Sugar
59 Jhené Aiko feat. H.E.R. - B.S.

 

 ほぼ全てがラジオヒットです。1年の振り返りが行われるのか、主にポップ系ラジオではその年のヒットが年末に再浮上を果たすので、それに当てはまる曲は感覚よりも高めの順位で舞い戻ります。“Blinding Lights”の順位がやたらと高いのはその理由もあると思います。(それに加えて、他の曲とは違い26位以下になると落ちる週数で、元の順位が高めということも大きい)

 これらの曲のうち、”I Should Probably Go To Bed”と”Happy Anywhere”は年明けにラジオのピークが来たため、Hot 100でのピークも更新しています。(どちらもカントリー曲です)

 昨年、ルールが初めて実施された時に私は「復活した曲は既にピークを過ぎているので微妙」との旨を記事で述べていましたが、今年のクリスマスは曲数が桁違いだったため、復活後にピークを更新する曲も出ましたね。

 

 ちなみに”B.S.”が51位以下なのに復活したのはおそらくラジオです。このタイミングではまだRMS系(一般的にはアーバンと表記、ビルボードではMainstream R&B/Hip-Hopと表記される)で1位に立っていました。ただその後、1/23付の時に総合ポイントもラジオポイントも下落で、56位23週という状態でもチャートに残留したのは謎です。ビルボードは時折リカレント関連で計算ミスをします。

 

 

6 その他のトップ10 + 今後

 

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 今月のトップ10、そして来月以降のトップ10候補について見ていきます。

 

・Dua Lipa feat. DaBaby - Levitating

 クリスマス中も順調に上げ、クリスマス明けの週にトップ10まで到達。見事な3連続シングルヒット。Dua Lipaはラジオでの人気が盤石になってきました。ストリーミングでも調子が良く、Rolling Stoneチャートでもトップ10に入っています。

 

Chris Brown & Young Thug - Go Crazy

 クリスマス後の週に8月以来のトップ10復帰。次の週には5位とピークも更新。35週目のトップ5入りは歴代で3番目に遅い成績です。(”I Hope”=45週目、”Radioactive”=42週目に次ぐ)

 それを支えているのはラジオ。最近になってポップ系での伸びてきたこと、リズミックやRMS系で好成績をキープしていることが要因。ラジオでのロングヒットというと、主にアダルトポップ系でのヒットが多かったのですが、最近はリズミックやRMSでのR&B調曲のラジオロングヒットも見られるようになってきました。(そのもう1つの代表例が、同じくChris Brownの“No Guidance”)

 

・SZA - Good Days

 ストリーミング偏重型ヒット。”drivers license”出現前は、Spotify/Appleの両方で1位でした。前シングル”Hit Different”のオンエアが続いていたことからか、こちらのシングルへの移行が遅れ、まだあまりラジオでオンエアされていないです。

 

・Ariana Grande feat. Doja Cat & Megan Thee Stallion – 34+35

 リミックス効果で2位に。アルバム週以来のトップ10に。トップ10を離れてからも大きくは調子を落とさず、ラジオも伸びてきたタイミングでの強力な援護射撃に。この週では、リミックス勢もクレジットに掲載され、それぞれトップ10曲数を増やしました。Doja Catは2曲目、Megan Thee Stallionは3曲目のトップ10。

 

・AJR – Bang!

 主にラジオヒット。グループ初のトップ10。Appleでは150位程度、Spotifyでも60位程度ですがAmazonやPandoraでは比較的上位。この後者2つはラジオとヒットが連動しやすい印象です。(そのためこの2つで人気の場合は、ストリーミングで人気でも「ラジオヒット」のような印象にはなる)

 

 

(今後のトップ10候補)

・The Weeknd – Save Your Tears

 シングルカット後、勢いよくチャートを駆け上がる。昨年のHarry Stylesのような華麗なシングルカット。ストリーミング時代は、あまりシングルカットがうまくいかないことも多かったですが、最近は成功率が高めですね。このご時世で、リリース量が少なめなことも関係するのでしょうか?

 2/7にはハーフタイムショーが行われるので、そのあたりのタイミングでトップ10に到達しそうです。(これが反映されるのは2月3週目のチャート)

 

・CJ – Whoopty

 1月に入ってからトップ40入り。昨年Pop Smokeによって注目されたドリル・ムーブメントにさらに火を付けたと考えられる1曲です。US出身の新人ラッパーですが、UKで先にヒット中で、既に同チャート3位まで到達しています。

 ラジオでも次第に人気を伸ばしており、リズミック>RMS>ポップの順に人気。ストリーミングでも好調と、有望な1曲。

※2/10訂正:"Whoopty"のドイツでの順位の記述について誤りがあったので、該当部分を削除しました。失礼致しました。

 

 

7 短評

 

・Ed Sheeran – Afterglow

 実質デビュー週となった1/9に32位スタート。その後も各種数字が伸びず、トップ10からは未だ遠いです。彼は過去3作品で、アルバムのリード曲はキャッチーな曲でヒットを飛ばしてきましたが、この曲はそうではないためか、あまり注目されず。

 その作風から、もしかしたらヒット狙いよりも、作家性アピールに主眼を置いたシングルなのかもしれません。

 

・Taylor Swift – willow

 リリース2週目がクリスマスと丸かぶりしたこともあり、38位に。1位からの下落幅記録を更新してしまいました。クリスマス曲が仮に無ければ15位程度です。*6

 

1-38 Taylor Swift – willow
1-34 6ix9ine & Nicki Minaj – TROLLZ
1-28 BTS – Life Goes On
1-25 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. - Franchise

 

 クリスマスが明けた3週目以降は少し調子を取り戻し、20位台を推移。滞在も伸び、少なくとも滞在期間では落下幅2位の”TROLLZ”(4週)より良い成績を残すことが決定。

 

・Gabby Barrett – The Good Ones

 “I Hope”が特大ヒットになった後も、なかなか次のHot 100エントリーが出なかったGabby Barrettですが、12月にはクリスマス曲の“The First Noel”、そして1月には通常シングルの”The Good Ones”がHot 100に入りました。現状はおそらくラジオシングル/カントリーのヒットという枠組みでの人気のため、今後躍進するにはアーティスト個人としての存在感を発揮する必要があるでしょう。

 

・All Time Low feat. Demi Lovato & blackbear – Monsters

 Alternative系ラジオで計18週の1位というスマッシュヒットもあり、ポップ系ラジオ等にも浸透中。ポップ系へのクロスオーバーにあたり、Demi Lovatoのリミックスも追加されました。All Time Lowは”Damned If I Do Ya (Damned If I Don't)”以来、12年ぶり2回目のHot 100。

 ラジオでは人気ですが、ストリーミングではあまり注目されず。SpotifyAppleではこの曲よりも、TikTokで注目された“Dear Maria, Count Me In”の方が人気です。今っぽい現象です。

 

・Popp Hunna – Adderall

・SpotemGottem – Beat Box

・Erica Banks – Buss It

 今月のTikTok系ヒット。全員Hot 100初登場。”Adderall”はLil Uzi Vertの、”Beat Box”はPooh Shiestyのリミックスの恩恵も受けています。Pooh Shiestyも今年躍進が期待されるタレントの一人です。彼の新ミックステープは2月の3週目のチャートに登場予定。

 

Black Eyed Peas & Shakira – GIRL LIKE ME

 ラテンとの融合を図る最新作、“TRANSLATION”から3曲目のHot 100入り。2010年前後に大活躍し、今もポップ系ラジオヒットを地道に飛ばし続けるという点でMaroon 5と少し似ています。ヒットの規模は向こうのほうが上ですが。

 

BTS – Dynamite

 初めて滞在期間20週を達成。ファンダムによるセールスの影響力が大きいので、「一般的な」ヒット度をピーク順位から測るのは難しいですが、滞在期間がここまで伸びたということは一般への浸透にも大きく成功したと言って良いのではないでしょうか。

 

・Doja Cat – Streets

 今月ストリーミングで勢いがもっともあった曲。TikTokで人気を得て、ストリーミングでもシングルのような扱いとなり、急浮上したような印象。やはりスターの座を確保しているようなアーティストだと、バズを有効に曲のヒットに変換できる印象です。

 

・Saweetie – Best Friend / Back to the Streets

 2つの曲が好調だったSaweetie。“Back to the Streets”はリズミック系ラジオで1位を獲得。さらに今月リリースされたDoja Catとの”Best Friend”は39位と好スタートを切りました。

 

Travis Scott & HVME – Goosebumps

 ドイツ等で定期的に見られる有名曲のハウス/トランスカバーがまさかのUS上陸。スペイン出身DJのHVMEによって作られたリミックスがヨーロッパ方面で人気に。最初は(おそらく)HVMEがボーカルも務めていたのですが、正式シングル化にあたりボーカルをTravis Scott本人のものに差し替え。そしてラジオのオンエア等によってHot 100入りを果たしました。

 元の”goosebumps”は既にリカレントした曲ですが、別曲とカウントされ下位でのHot 100入りを果たしています。ダンスリミックスはこのような判定になることが多い印象です。

 あと細かい違いなのですが、原曲は頭文字が小文字で、リミックスのほうは大文字です。

 

・Pop Smoke – What You Know Bout Love / For the Night

 1/30に、同時に2つのシングルがジャンル別ラジオの1位獲りを達成。この週“What You Know Bout Love”がリズミック系、”For the Night”がRMS系で1位に。Pop Smokeはアルバムから複数曲が人気になっていることを受け、同時に複数をシングルカット。“What~”はポップ向け、“For the Night”はラップ向けシングルといったイメージ。

 リズミック、RMSは“For the Night”を先にかけ、次にポップ系向けだったシングル”What~“がこの系統にも取り入れられた、ような印象です。(”For the Night”は1月の1週目~3週目にリズミックでも1位でした)

 

・Maluma & The Weeknd – Hawai

 ラテン圏で大ヒットしていた“Háwai”にThe Weekndリミックスを加えて、さらなる飛躍を目指した1曲。英語ヴァースが加わると、ラジオのオンエアでだいぶ有利になります。リリース直後はリミックスが人気を得たこともあり、12位と高順位を記録しましたが、その後はそこまで勢いが続かず。期待されたラジオも最高40位止まりでした(とはいえMalumaにとっては最高記録です)

 

・Parmalee & Blanco Brown - Just The Way

 2019年、Lil Nas Xが起こしたムーブメントに乗っかり、ラップ系カントリー曲、“The Git Up”をリリースしたBlanco Brown。この時Lil Nas Xがカントリー系のチャート(そしてラジオ)から外されたことは当時大きな話題となりましたが、一方でBlanco Brownはカントリー系チャートに継続して採用。

 その後はあまりヒットがありませんでしたが、この度カントリーのラジオシングルでHot 100に復帰。カントリー界隈の一員として認められていることが伺えます。Lil Nas XとBlanco Brown、2人の扱いがなぜここまで違うのかは考えれば考えるほど不思議です。

 

 

データ等

 

主な外れた曲

 

1/2

18 The Weeknd – Blinding Lights (🗻1 /⏰55)

44 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne – WHATS POPPIN (🗻2位 /⏰45)

50 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR (🗻1 /⏰35週)

70 Dan + Shay – I Should Probably Go To Bed (🗻42位 /⏰20週)

76 Jhené Aiko feat. H.E.R. – B.S. (🗻24位 /⏰20週)

93 Jon Pardi – Ain’t Always The Cowboy (🗻55位 /⏰16週)

 

1/9

(クリスマス曲:計27曲)

 

1/16

(クリスマス曲:11曲)

 

1/23

32 Blake Shelton feat. Gwen Stefani – Happy Anywhere (🗻32位 /⏰22週)

37 Parker McCollum – Pretty Heart (🗻36位 /⏰22週)

42 Harry Styles – Watermelon Sugar (🗻1 /⏰39週)

76 Jon Pardi – Ain’t Always The Cowboy (🗻55位 /⏰18週)

85 Jameson Rodgers – Some Girls (🗻29位 /⏰17週)

90 YoungBoy Never Broke Again – Kacey Talk (🗻50位 /⏰15週)

91 Shawn Mendes - Wonder (🗻18位 /⏰11週)

96 Matt Stell – Everywhere But On (🗻48位 /⏰12週)

 

1/30

50 Maluma & The Weeknd - Hawái (🗻12位 /⏰21週)

56 Jhené Aiko feat. H.E.R. – B.S.  (🗻24位 /⏰23週)

98 Miley Cyrus – Midnight Sky (🗻14位 /⏰20週)

 

 

アルバムのキリ番

 

1/2

450週目:Michael Jackson – Thriller (69位)

 

1/9

1周年:JACKBOYS – JACKBOYS (155位)

100週目:Mariah Carey – Merry Christmas (20位)

100週目:NirvanaMTV Unplugged In New York (200位)

200週目:Khalid – American Teen (71位)

200週目:Ed Sheeran - ÷ (94位)

500週目:Bruno Mars – Doo-Wops & Hooligans (161位)

 

1/16

1周年:Moneybagg Yo – Time Served (108位)

100週目:A Boogie Wit da Hoodie – Hoodie SZN (162位)

100週目:Ariana Grande – thank u, next (62位)

250週目:Rihanna – ANTI (134位)

650週目:Journey – Journey’s Greatest Hits (60位)

 

1/23

1周年:Halsey – Manic (68位)

1周年:Blake Shelton – Fully Loaded: God’s Country (188位)

 

1/30

1周年:Eminem – Music To Be Murdered By (7位)

 

 

各指標の1位

f:id:djk2:20210209011852j:plainYouTubeで長く1位だった"Life Is Good"は1/16相当分のチャートをもって、リカレントしました。もしかしたらその後に1位相当の成績を記録している週もあるかも。(YouTubeのチャートでリカレントって、別に要らなくないですか???やるとしても、1位くらいの曲を外してしまうのはマズいのでは……)

 

・Rolling Stone Chartsのトップ10

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12/25-31集計の週でも、7曲がクリスマス曲

 

・各週の動向まとめ

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・リンク

・Hot 100:The Hot 100 Chart | Billboard

Billboard 200:Billboard 200 Chart | Billboard

・ChartBeatの記事:Chart Beat | Billboard

・Kworb(ラジオ等):https://kworb.net/

Spotify Charts:Spotify Charts

 

 

(おまけ)

Spotifyの再生数から見る消費方法の変遷メモ(クリスマスのヒットを考察する上で調べたことです)

 

2017/1/12 vs. 2021/1/14(US週間)

2017:10位=5,145,003、200位=995,035

2021:10位=4,701,678、200位=1,486,494

10位 = 8.6%減少、200位 = 49.4%増加

 

同比較(Global週間)

2017:10位=17,377,668 200位=2,619,942

2021:10位=18,425,259 200位=4,740,987

10位 = 6.0%増加、200位 = 81.0%増加

 

 

 

*1:日程的には今年の方が不利

*2:26日以降は劇的に減少するが、すぐに0になるわけではない

*3:※データから推測しまくっても、結局このような内部データを見ないことには結論が出せない、というのは近年感じるもどかしさです。

*4:個人的な経験なのですが、動いているときはある意味「雑に」曲を聞きたいムードの曲が多く、仮にそのような思考の人が世の中に多いのならば、外出制限の環境下でヒット曲への需要げ減るのかもしれません

*5:アレクサを通しての再生は内容的にはラジオと同じなので、それと同じ比率まで下げる等。Limited-Tier Paid Subscriptionという制限付きのストリーミングがRIAAでは表記されているが、ビルボードでは導入されていないので、それを導入する等。アレクサにもこのプランが存在するらしいです。比率は分からないですが。あとはクリスマス曲に限っては、無料会員からの数字を集計しないなど

*6:なぜ程度かというと、“Blinding Lights”より上かはっきりしないため

プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2020

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 Spotify最大のプレイリスト、Today’s Top Hitsを1年間通して観察してきたので、そのデータ等を軽く紹介しようと思います

 

2019年版の記事:Today’s Top Hitsを5つのポイントで見る - チャート・マニア・ラボ

 

 

1:登録人数

 現在のリストへの登録人数から規模を見ます。前回の記事(2020年3月22日)の時からの変化も記しておきました。

 

・Today’s Top Hits:2720万 (前回比:+119万、+4.6%)

・RapCaviar:1359万 (同:+86万、+6.8%)

・¡Viva Latino!:1080万 (+22万、+2.1%)

Baila Reggaeton:1018万 (+22万、+2.2%)

・Songs to Sing in the Car:979万 (+54万、+5.8%)

(1/23時点)

 

 1位の座は全く揺るがず。次点のRapCaviarのほぼ2倍登録人数がいますが、伸び率はRapCaviarのほうが高かったようです。

(後日訂正:RapCaviarは同じセレクト系のプレイリストでは2番手ですが、純粋な登録人数ではGlobal Top 50を下回っています)

 

 

2:曲数

 50曲を保ち続け、何か入れる時は何かを外します。(ちなみにApple Musicの同様のプレイリストは曲数が変化する) 亡くなったアーティストへの敬意を示す時など、稀に51曲編成になることもあります。

 今年は週あたり4.4曲が入れ替わりました。昨年は週あたり6曲だったので、入れ替わりが少なくなったことが伺えます。*1

 もちろん感染症下でリリース量が控えめだった時期があったことも理由の一つなのですが、昨年よりも未知の曲をあまり入れなくなった傾向を、個人的には感じました。

 

 

3 入っていた曲

  プレイリストの名前通り、現行のヒット曲が基本的に入っているのですが、純粋にランキングの上位がそのまま入るわけではありません。以下のような場合、ランキング上位でもリストから外されてしまいます。

 

・ピークが既に過ぎ去ったと判断された場合

・アルバム曲で、シングルにはならなさそうな場合

・英語曲でない場合

・素行に問題がある場合 (レアケース)

・その他 (レアケース)

 

 おそらくUSのポップ系ラジオをベースにしたような選曲をしているので、英語曲のポップ~ラップを中心とした編成になっています。そのため、この軸から大きく離れていると、グローバルランキングの上位でもリストに入らないような曲もあります。

 しかしポップ系ラジオよりは柔軟に曲を入れる印象です。USポップラジオで入らないような曲では、ヨーロッパでヒットするダンス曲、ドイツでのヒット曲、英語曲ながらも未知のアーティストの曲、ラテン曲などが定期的にリスト入りを果たしています。今年はズールー語のヒット、”Jerusalema”という珍しい選曲もありました。(広い地域でヒットしていましたが、USではほとんど注目されず)

 

  以下が2020年内に、最も長くリストに入っていた曲のランキングです!

 

アーティスト 曲名 週数
1 The Weeknd Blinding Lights 43
1 SAINt JHN Roses (Imanbek Remix) 43
3 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 37
4 Topic & A7S Breaking Me 36
5 Harry Styles Watermelon Sugar 34
5 Jack Harlow WHATS POPPIN 34
7 Surfaces Sunday Best 31
8 Justin Bieer feat. Quavo Intentions 30
9 Lewis Capaldi Before You Go 29
9 Doja Cat Say So 29
11 Dua Lipa Break My Heart 28
11 Roddy Ricch The Box 28
11 Dua Lipa Don't Start Now 28
14 Powfu feat. beebadoobee death bed 27
15 Trevor Daniel Falling 26
15 Lil Mosey Blueberry Faygo 26
17 Tate McRae you broke me first 25
18 Ava Max Kings & Queens 24
18 Joel Corry feat. MNEK Head & Heart 24
18 Arizona Zervas ROXANNE 24
18 BENEE feat. Gus Dapperton Supalonely 24
22 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 23
22 Future feat. Drake Life Is Good 23
24 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love 22
24 Conan Gray Heather 22
24 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 22
24 Post Malone Circles 22
24 Surf Mesa feat. Emilee ily 22
29 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 20
29 Drake feat. Lil Durk Laugh Now Cry Later 20
29 24kGoldn feat. iann dior Mood 20
29 Jason Derulo Take You Dancing 20
29 Harry Styles Adore You 20
29 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 20
35 Juice WRLD & Marshmello Come & Go 19
35 BTS Dynamite 19
35 Internet Money feat. Gunna, Don Toliver & NAV Lemonade 19
35 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 19
35 Halsey you should be sad 19
35 Khalid & Disclosure Know Your Worth 19
35 Drake Toosie Slide 19
35 Marshmello & Halsey Be Kind 19
43 Lady Gaga & Ariana Grande Rain On Me 18
43 Kane Brown feat. Swae Lee & Khalid Be Like That 18
43 Conan Gray Maniac 18
43 Zoe Wees Control 18
43 Curtis Waters feat. Harm Franklin Stunnin 18
48 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For the Night 17
48 StaySolidRocky Party Girl 17
50 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 16
50 DJ Khaled feat. Drake POPSTAR 16
50 Tones And I Dance Monkey 16
50 Dua Lipa Physical 16
50 Black Eyed Peas, Rey J, Soul & Ozuna MAMACITA 16

 

※便宜上、プレイリストが本格的にアップデートされる金曜日のタイミングに、リスト入りしている場合、「1週」とカウント (実際は金曜日でないタイミングに入っている曲もある)

※原曲/リミックスは同一曲としてカウントし、入っているのが長かったバージョンを表に記しています。

 

~メモ~

・30週以上入った曲数は昨年比で2曲→8曲、20週以上は11曲→34曲と前の章で述べたような、入れ替わりの少なさがここでも現れています。

・この中でHot 100入りを果たさなかったのは3曲のみ。43位の3曲(Maniac, Control, Stunnin’)

・本格ブレイク前に曲の抜擢に成功していると、入っている期間が長くなりやすい(リストがヒットの過程に寄与したとも言える)

・非英語曲は、英語ヴァースが加わるとリスティングで有利になる

・2020年内のカウントなので、2019年 / 2021年もカウントに入れるともっと滞在が長い曲も多いです。

 

 

 

4 リストに多く入ったアーティスト

 

・そのアーティストの全ての曲の合計週数をカウント。客演曲は0.5週とカウント

・客演等の表記はSpotifyのものを参照。ところどころビルボードと違う部分があります。(ビルボードではメイン扱いだが、Spotifyでは客演扱いのものもある)

・同じPtの場合は、曲数が多い方を上に

 

アーティスト 入った曲 Pt
1 Justin Bieber Yummy, Get Me, Intentions, Forever, Stuck With U, Holy, Lonely, Mood*, Monster 102.5
2 Dua Lipa Don't Start Now, Physical, Break My Heart, UN DIA, Levitating, Prisoner* 102
3 The Weeknd Blinding Lights, Heartless, After Hours, In Your Eyes, Smile, Over Now, Hawái 92
4 DaBaby My Oh My*, BOP, Oprah's Bank Account, Find My Way, ROCKSTAR, WHATS POPPIN*, For The Night*, Levitating* 76.5
5 Ariana Grande Good As Hell*, Stuck with U, Rain On Me, positions, 34+35, motive, pov 70
6 Roddy Ricch The Box, Ballin', High Fashion, Walk Em Down*, ROCKSTAR*, The Woo* 70
7 Juice WRLD Godzilla*, Righteous, Tell Me U Luv Me, GO*, Wishing Well, Life's A Mess, Come & Go, Smile, Real Shit, Reminds Me Of You 65
8 Harry Styles Adore You, Watermelon Sugar, Faling, Golden 64
9 Drake Life Is Good*, Oprah's Bank Account*, Toosie Slide, Pain 1993, POPSTAR*, Laugh Now Cry Later, Mr. Right Now* 63.5
10 Bad Bunny Vete, Ignorantes, La Dificil, Yo Perreo Sola, UN DIA, DÁKITI, YO VISTO ASÍ, LA NOCHE DE ANOCHE 49
11 Doja Cat Say So, Boss Bitch, In Your Eyes, Del Mar, Baby I'm Jealous*, motive 48
12 Marshmello Be Kind, Come & Go, OK Not To Be OK 47
13 Pop Smoke The Woo, Mood Swings, For the Night, What You Know Bout Love 45
14 Jason Derulo Savage Love, Take You Dancing, Love Not War 44
15 Jack Harlow WHATS POPPIN, Tyler Herro, Way Out 43
16 SAINt JHN Roses 43
17 Selena Gomez Lose You to Love Me, Look At Her Now, Rare, Feel Me, Boyfriend, Past Life, Ice Cream 42
18 Ava Max Alone Pt.II, Salt, Kings & Queens 41
19 Conan Gray Maniac, Heather 40
20 Halsey Graveyard, you should be sad, Be Kind, Life's A Mess* 39.5

 

*客演の曲

(早く入った順に並んでいます)

 

 

*1:ちなみに滞在が1週に満たない曲も4つありました。グラミー起因の"bad guy"、BLMの盛り上がりで一時追加された"This Is America"、アルバムからのシングル選定が割れた"Life's A Mess"、"Lovesick Girls" この4曲も週あたりの平均のカウントに入っています

イギリス 年間チャート / Year-End を6のポイントで見る

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 こんばんは。年明けに発表されたUKの年間チャートを6のポイントで振り返っていきます。この記事では便宜上、今年=2020年として表記しています。

 

 (↓:シングル/アルバムの年間チャートへのリンク)

End of Year Singles Chart Top 100 - 2020 | Official Charts Company

End of Year Album Chart Top 100 - 2020 | Official Charts Company

 

 

 USチャートとUKチャートの違いは主に以下のような点です。これを考慮しながら年間チャートを見ると、より深い観察ができるかと思います。

 

・集計期間が違う。USは11月半ばで年度切り替え、UKは1月―12月サイクル

・USと同様に古い曲を制限するルールがUKにもあるが、仮に圏外でも集計されるため、週間チャートと年間チャートが一致しない部分も多い

・ラジオが無い

・US比でカントリー/ラテンが弱く、ダンス/ポップが強め

 

目次:

 

 

1 年間チャート上位:UKでも輝く“Blinding Lights” + Lewis Capaldiダブル

 

まずは年間チャートで最も際立つ部分、シングルのトップ10を見ていきましょう。

 

1 The Weeknd – Blinding Lights

2 Tones And I – Dance Monkey (昨年:8位)

3 SAINt JHN – Roses

4 Lewis Capaldi – Before You Go

5 Joel Corry & MNEK – Head & Heart

6 Dua Lipa – Don’t Start Now

7 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR

8 Lewis Capaldi – Someone You Loved (昨年:1位)

9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy – Own It

10 Harry Styles – Watermelon Sugar

 

 首位はUSと同じく“Blinding Lights”。US、UKだけではなくオーストラリアやドイツ等の他の主要国でも年間1位を獲得しているので、世界中で今年の顔となった1曲と言えるでしょう。ちなみにUSとUKの年間1位が一致するのは2017年の”Shape of You”以来。

 2位は“Dance Monkey”。昨年も年間8位に入っていたことも考えると驚異的なヒット。Spotify最長グローバル1位記録を持つ曲だけあって、世界各所で特大ヒットとなっています。(USでは年間14位でしたが、これはむしろ低い部類)

 3位はSAINt JHNの“Roses”。彼はUSのラッパーですが、ヒットしていたのは原曲ではなくリミックスの方なので、ダンス系統の曲が流行りやすい地域でより強くヒットしました。

 4位はLewis Capaldiの”Before You Go”。彼は8位の“Someone You Loved”と合わせて2曲がUK年間トップ10に。さらにアルバムチャートでは1位を獲得(なんと2年連続!)しており、今年もUKチャートの主役は彼でしょう。USでもラジオで強い人気を得て、大ヒットを連発しているため、新たな世界的・UKのスターが誕生したと言えます。

 5位はJoel CorryとMNEKの“Head & Heat”。ダンスヒットということもあり、1位―5位の曲で唯一USの年間チャートに入らなかった曲です(週間のHot 100には入っている) UKのDJ/プロデューサー、Joel Corryはほか年間14位にも”Lonely”が入るなど、今年UKで躍進を果たしています。

 6位はUSでも大人気だった“Don’t Start Now”。Dua Lipaはこの曲に加え、”Physical”(19位)と”Break My Heart”(43位)が年間チャート入り。“Physical”はUSではラジオでシングルカットされず、あまりヒットしませんでしたが、UKでは確かな存在感を発揮しました。残りの2曲はUSと似たような規模のヒットに。

 7位はDaBabyの“ROCKSTAR”。上記の”Don’t Start Now“と同じように、USと似たような規模のヒットに。彼はUSでは昨年から存在感を示していましたが、UKの年間チャートに入るのは今年が初。彼はこの曲のほか客演の”My Oh My”と“For the Night”も入っています。

 ちなみにこの曲の客演で、同じく今年大躍進を果たしたRoddy Ricchも今年初のUK年間チャート入り。USの年間チャートでは6曲が入りましたが、UKでは2曲のみ(”The Box”が11位)

 9位はStormzyの“Own It”。”Head & Heart”に続いて、USの年間チャートに入らなかった曲の一つ。ラップは地産地消の傾向があるため、US以外のラップはあまり他地域には広がりづらいです。この曲はEd Sheeranという超強力な客演を擁していたものの、USのHot 100では週間のチャートに入ることすら叶いませんでした。

 最後に10位はHarry Stylesの”Watermelon Sugar”。USでは“Adore You”の方が年間トップ10に入りましたが、UKではこっち。彼のヒット具合はDua Lipaと似ており、USでシングル指定された2曲の似たような規模のヒットに加え、USではシングルにならなかったもう1曲(”Falling” = 34位)が年間チャートに入っています。

 ちなみにこの2人が年間アルバムチャートの2位、3位に入っています。アルバムの年間トップ10は以下の通りでした。

 

1 Lewis Capaldi – Divinely Uninspired To A Hellish Extent (昨年:1位)

2 Harry Styles – Fine Line (昨年:90位)

3 Dua Lipa – Future Nostalgia

4 Billie Eilish – WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? (昨年:4位)

5 Stormzy – Heavy Is The Head (昨年:58位)

6 Pop Smoke – Shoot For The Stars, Aim For The Moon

7 Ed Sheeran – No. 6 Collaborations Project (昨年:2位)

8 Queen – Greatest Hits (昨年:81位) *1

9 Elton John – Diamonds (昨年:15位)

10 Fleetwood Mac – 50 Years – Don’t Stop (昨年:13位)

 

 

2 誰が多く入ったか?

 

 次に年間チャートに多く曲を送り込んだアーティストは誰か?という視点でチャートを見ていきます。

 

5曲:Ed Sheeran

4曲:Lewis Capaldi, Stormzy, AJ Tracey, Pop Smoke

3曲:Dua Lipa, DaBaby, Harry Styles, Lady Gaga, Drake, Justin Bieber, Billie Eilish, Camila Cabello

 

 最初に説明したように、UKの年間チャートは過去曲に対する制限が無いため、ロングヒット曲が有利になりやすいです。実は最多のEd Sheeranは5曲全てが昨年以前リリースの曲です。中でも“Perfect”は4年連続で年間チャート入りを達成。ほか3曲は昨年のアルバムからの曲で、もう一つはStormzyの客演を務めた”Own It”です。

 次点のLewis Capaldiも全て昨年のアルバムからのシングルカット。“Before You Go”は新しいシングルカットでしたが、それ以外は昨年からの継続ヒットでした。ここまで2人の傾向を見る限り、アーティストとしての地位を強く確保すれば、長く聞かれ続けるというストリーミングの特徴が年間チャートにも現れているような気がします。

 同じく4曲エントリーなのはStormzy、AJ Tracey、Pop Smokeの3人。客演が多いラッパーの曲数が増えやすいのはUSと同じ。一方Pop Smokeは全て自身の曲から。彼のデビュー作からは、多くのシングルが世界中で人気を得ました。

 3曲エントリーはUSでも人気な面々が並びますが、一部UK特有の要素で年間チャート入りを果たした曲もあります。Justin BieberとCamila CabelloはEd Sheeranとのコラボが、Billie Eilishは007主題歌が年間チャート入り。またLady Gagaは“Shallow”が3年連続年間チャート入り。

 

 

3 N年連続 ①:アーティスト

 

7年:Ariana Grande

6年:Drake, Justin Bieber, Camila Cabello(グループ時代含む)

5年:Dua Lipa, Halsey, Stormzy

4年:Ed Sheeran, Khalid, Jax Jones, The Killers, Mabel, Post Malone

3年:George Ezra, Chris Brown, Cardi B, Lady Gaga, Travis Scott, Dave, AJ Tracey, Mostack

 

 ?年連続の年間チャート入りから、誰がコンスタントにヒットを飛ばしているかを観察します。USと違って注意点が一つあって、2014年のストリーミング導入以降でチャートが様変わりしたことです。もちろんUSもストリーミング導入でチャートが大きく変化しましたが、UKの変化はより大きいです。

 かつてセールスのみで集計されていたため、本リリース後に勢いを保つ手段が少なく、同じ曲が複数年にわたり年間チャートに入ることは少なかったです。またUSのようにラジオを活用したシングルカットの影響も小さかったです。そのため、毎年のように新曲を出さない限り、従来は連続してチャート入りするのは難易度が高かったです。

 しかしストリーミング以降は同一曲がロングヒットになる手段を持つようになったので、N年連続年間チャート入りするアーティストが増加しました。The Killersは”Mr. Brightside”のみで4年連続エントリーという異質なチャートアクションを見せています。

 最も長く年間チャートに入り続けたのはAriana Grande。リリース頻度が比較的高く、そして毎回ヒットになるので安定して年間チャートに入り続けています。2015年と2017年はいずれも“One Last Time”1曲のエントリー。2017年に再登場したのは、コンサートでの爆破事件を受けて行ったライブの影響です。

 

 次点の一人はDrake。USでは12年連続ですが、UKでは7年。UKでしっかり存在感が出てきたのは2015年あたりからです。その翌年の“One Dance”特大ヒットでUKでもスターになったような印象です。ほか何かしらのヒットは近年飛ばしているJustin BieberとCamila Cabello(2015、2016はグループ名義)も6年連続

 5年組はDua Lipa、Halsey、Stormzyの3人。Dua LipaはUSでのブレイクより少し前からUKで頭角を現し、2016年の“Hotter Than Hell”からランクイン。

 Halseyは2016-2017年が”Closer”、そして2018年が”Eastside”でのエントリーなので5年連続感が薄めですが、それだけ客演として人気だったということでしょうか。

 StormzyはUKのラッパーでは最長。3年連続で入るUKラッパーはDave、AJ Tracey、Mostackと3人いますが、Stormzyはその2年前から年間チャート入りを続け、UKラップシーンを牽引していることが伺えます。

 

 

4 N年連続 ②:曲

 

 UK年間チャートにはもう一つの「N年連続」が存在します。先に述べたように、年間チャートでは1年間の数字がそのまま反映されるため、過去曲にも新曲と同様にチャンスが。「過去曲」といっても主に一つ前の年のヒットが継続する、というのが主にイメージされますが、その定説を打ち破ったのは2017年。なんと2004年リリースの“Mr. Brightside”がはじめて年間チャート入りを果たしたのです。(つまりリリース時よりも大きいヒットになった)

 ストリーミングではどの曲へも平等にアクセスできることから、過去曲の再生も盛ん。その動きがストリーミングの拡大とともに、年間チャートでも可視化されるようになったのです。(Spotifyのランキング等を見比べると、UKはUSよりも過去曲ディグが熱心です)

 クリスマス曲を除き、ここまで古い曲はその後年間チャートに入ってはいませんが、過去のヒットが連続で年間チャートに入りやすい、という傾向自体は強くなっています。

2019→2020の継続:27曲

2018→2019:23曲

2017→2018:12曲

(これ以前はおおむね10前後)

 

・連続で年間チャートに入り続ける曲

4年連続:The Killers - Mr. Brightside
4年連続:Ed Sheeran - Perfect
3年連続:Lady Gaga & Bradley Cooper - Shallow
3年連続:George Ezra - Shotgun
2年連続:"Dance Monkey"や"Someone You Loved"など合計23曲

 

 来年以降はどの過去曲が年間チャートに入るでしょうか。現在の動きを見る限り、“Sweater Weather”(2012年リリース)に少しチャンスがありそうですが、果たして……?

 

 

5 USとの違い

 

 USとの違いを観察していきます。まず、両方の年間チャートに入った曲は45でした。昨年は37だったので、少し近づいています。集計時期や制度が同じならば、一部USの年間でも入っていたであろう曲もあるので、体感ではもう少し近く感じるかもしれません。

 

(制度等が違えばUSでも年間チャートに入るかもしれない曲)

年末ヒット:Lemonade, Midnight Sky, Kings & Queens

リカレント:I Don’t Care, Beautiful People, Baby Shark, Sunflower, Old Town Road, Lucid Dreams

 

 さらに違いを観察するために、年間はおろかUSの週間チャートにも入らなかった曲をピックアップします。(※ジャンルはUSで入りにくいものをピックアップ)

 

UK産SSW:Bruises, Shotgun, Outnumbered, Hold Me While You Wait 

UKラップ:Own It, Rover, Rain, Flowers, Dinner Guest, Ain’t It Different, West Ten, Location, Ladbroke Grove, I Dunno, Vossi Bop

ダンス:Lonely, Secrets, Don’t Need Love, Better Off Without You, Looking For Me, Lose Control, Pump it up

女性ポップ:Boyfriend, Break Up Song

その他:This City (UK産SSWっぽい作風だけどオーストラリア出身)

 

 週間にも入らなかったのは29曲でした。昨年は42曲だったので、やはり昨年よりもUSに近いチャートだったという推測が出来ます。ジャンル別に見ると、UK産SSWと女性ポップの不一致数(=UKでは年間だが、USの週間にも入らない曲のことを指す)が減少しました。

UK産SSW:10→4
UKラップ:13→11
ダンス:9→7
女性ポップ:8→2

 

 UK産SSWは今年の年間チャートではエントリー総数が減少(19→11)。そのため、不一致数も自然と減るということです。

 女性ポップの総数はそこまで変わっていない(20→18)ですが、その内訳の多くをLady Gaga、Dua Lipa、Billie EilishとUSでも人気の面々が占めたこともあり、不一致数は減少しました。

 

 そしてもう一つ取り上げたいジャンルはUKラップです。ラップは地産地消のため、UKラップがUSに上陸することは稀で、上記の通りUKラップはほぼ全てHot 100入りを果たしていません。ただ裏を返せば、UKラップがHot 100入りをすれば快挙ということになり、それを今年唯一成し遂げたのは“Don’t Rush”です。

 この曲はTikTokで人気を得て、ヨーロッパ各地のストリーミングでヒット。USのストリーミングではさほどヒットしなかったのですが、この活躍にラジオ局が目をつけてポップ~ラップ系まで広い系統でオンエア開始。ラジオではヒットになったので、Hot 100入りを果たすことに成功しました。USで流行したUKラップという点に加え、TikTokヒットなのにラジオが主要なポイント源というかなり異質なヒットとなりました。

 UKラップに限らず、USではストリーミングよりもラジオの方がUKのトレンドを取り入れようという姿勢が見られるような気もします。あまりUSに縁のないダンス系ヒットでも、ポップ系ラジオがオンエアすることによって遅めのタイミングでHot 100入りする現象が定期的に見られます。

 ほか“Rover”も比較的グローバルヒットだったのですが、これはUSのHot 100には入らず。

 

 

6 UKチャートとSpotify

 最後にマニアックな話題で締めたいと思います。UKチャートではリカレント、ならぬACR(Accelerated Chart Ratio)ルールが導入されているため、過去曲が額面通りの順位に表示されません。このACRの概要は以下の通りです。

 

・滞在10週目以降、かつ3週連続でポイントを落としている場合に適用
・ルール適用後は、ストリーミングのカウントが半減に
・50%以上の成長率を見せた場合、ACRは解除
・シングルカット等で新規プロモーションを行う場合、レーベルはこのACRを解除申請できる(1アルバムにつき2曲まで)

 

 UKチャートは元々(ストリーミング導入以前)セールスのみの集計で、初週勝負+週ごとの変化が大きいため、何が新しいヒットかが「分かりやすい」チャートでした。しかしストリーミングの拡大と共に、ゆっくり上昇&ゆっくり下降とHot 100のようなチャートアクションが増加。新規ヒットが分かりにくくなってしまいました。

 そこでかつての「分かりやすさ」を継承するために、このルールが導入されたのでは?と私は考えています。

 この「分かりやすさ」を演出するルールはもう一つあります。1アーティストあたり最大3曲までしか週間チャートに登場しないというものです。このルールにより、USのHot 100では日常茶飯事の、特定アルバムからの大量登場という現象はUKでは見られません。

 このルールによって、シングルチャートではストリーミングにおけるアルバムの影響力の大きさをイマイチ体感できない訳ですが、UKではアルバムチャートにもストリーミングに関する制限があります。

 

・ストリーミングは上位2曲の再生数をアルバム平均値に置き換えて計算
・ストリーミングで反映されるのは12曲まで

 とストリーミング時代のアルバムチャートの問題点として挙げられる、「アルバムチャートのシングルチャート化」・「曲数が多くなりすぎる」の2つをルールによって制御しています。

 

 このようにUKチャートは、より良いチャートを目指して、いくつか実際の動向に加工を加えていることが分かります。こうやって問題点を積極的にルール面で解決していくのか、それとも仮に分かりづらくても、極力実際の動向をそのまま反映させるのか、どちらがチャートとして正解なのかは難しい議題ですが、現行のUKチャートは実際の動向を見たい人にとっては好ましくないかもしれません。

 そういう人に代役として私が考えているのはUKのSpotifyチャートです。USと比べて、UKのSpotifyチャートは格段に通常のチャートと似た特徴を持っています。それぞれの年間チャートを比べると以下のようなデータが出ました。*2

 

・トップ10一致数 UK:9曲 US:5曲

・平均誤差 UK:9.88位 US:16位

Spotify年間チャートは50位まで

*USのSpotify年間トップ50のうち、いくつかHot 100の年間チャートに入らなかった曲があるため、それも含むとその誤差は大きく上がる。UKのSpotify年間トップ50は全て100位圏内

 

 USより近い理由として考えられるのは…

・UKではラジオが含まれず、ストリーミングの比率が高い
・USのようにSpotify/Appleであまり違いが無い (むしろここまで違うUSが珍しい)
・過去曲を年間チャートでリカレントしない

 

 上のような理屈だとApple Musicのランキングも参照になりそうですが、Spotifyの方がより年間チャートに近い数字を出しているので、Spotifyチャートを案として挙げました。

 完全に代役と呼べるほど、通常のチャートと一致する訳ではないですが、USよりは近いのである程度は参考になるのではないでしょうか。特にトップ10が9も合致したのは印象的です。(唯一外れた曲も12位)

 ちなみにSpotifyは原曲とリミックスを別で集計し、通常のチャートは合算で集計するため、有力なリミックスがあると順位がズレます。

 

 USのHot 100だと、最近Rolling Stone Chartsというライバル(?)が登場したので、比較的容易に音楽動向を多角的に見ることが出来ますが、UKにはそのような存在は無いので、このような手法も頭の片隅に置いておくと面白いかもしれません。

 

 

リンク

UKのSpotify年間チャート:Top Tracks of 2020 UK on Spotify

昨年版:イギリス 2019年間シングルチャートを6のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

US版:Billboard Hot 100 Year-End / 年間チャート・2020を10のポイントで見る - チャート・マニア・ラボ

2020年まとめ系記事リンク集:2020 Year-End / 年間系記事 リンク集+データ表 - チャート・マニア・ラボ

UKのApple Music年間チャート:Top Songs of 2020: UK on Apple Music

 

おまけ:データ表

 

1:UK年間チャートに入った曲の週ピーク

※今年のピークを表示。今年以外にピークがある場合は、*印があります

「昨年」は昨年の年間チャートの順位

 

アーティスト 曲名 ピーク 昨年
1 The Weeknd Blinding Lights 1  
2 Tones And I Dance Monkey 5* 8
3 SAINt JHN Roses 1  
4 Lewis Capaldi Before You Go 1  
5 Joel Corry feat. MNEK Head & Heart 1  
6 Dua Lipa Don't Start Now 3*  
7 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 1  
8 Lewis Capaldi Someone You Loved 6* 1
9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy Own It 1  
10 Harry Styles Watermelon Sugar 4  
11 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat) 1  
12 Roddy Ricch The Box 2  
13 Doja Cat Say So 2  
14 Joel Corry Lonely 4  
15 Topic feat. A7S Breaking Me 3  
16 Harry Styles Adore You 7  
17 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me 1  
18 Simba feat. DTG Rover 3  
19 Dua Lipa Physical 3  
20 24kGoldn feat. iann dior Mood 1  
21 Powfu feat. Beabadoobee death bed 4  
22 Future feat. Drake Life Is Good 3  
23 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 1  
24 Lewis Capaldi Bruises 12* 25
25 Drake Toosie Slide 1  
26 Billie Eilish bad guy 15* 4
27 Eminem feat. Juice Wrld Godzilla 1  
28 Maroon 5 Memories 13*  
29 Billie Eilish everything i wanted 6*  
30 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 8  
31 Arizona Zervas Roxanne 4  
32 Aitch & AJ Tracey feat. Tay Keith Rain 3  
33 Nathan Dawe feat. Jaykae Flowers 12  
34 Harry Styles Falling 15  
35 Sam Fischer This City 16  
36 Megan Thee Stallion Savage 3  
37 AJ Tracey feat. Mostack Dinner Guest 5  
38 Regard Ride It 11* 38
39 Lil Mosey Blueberry Faygo 9  
40 Nathan Dawe feat. KSI Lighter 3  
41 Regard & Raye Secrets 6  
42 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care 27* 3
43 Dua Lipa Break My Heart 6  
44 Halsey you should be sad 12  
45 220 Kid & Gracey Don't Need Love 9  
46 Lewis Capaldi Hold Me While You Wait 26* 14
47 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 14  
48 Young T & Bugsey feat. Headie One Don't Rush 19  
49 Becky Hill feat. Shift K3Y Better Off Without You 14  
50 Post Malone Circles 19 66
アーティスト 曲名 ピーク 昨年
51 Headie One feat, AJ Tracey & Stormzy Ain't It Different 2  
52 George Ezra Shotgun 41* 12
53 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You 1 84
54 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings 5  
55 Paul Woolford, Diplo & Lomax Looking For Me 4  
56 Tate McRae you broke me first 3  
57 Ed Sheeran Perfect 36* 46
58 Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People 28* 21
59 Internet Money & Gunna feat. Don Toliver & NAV Lemonade 1  
60 Wham! Last Christmas 2* 95
61 The Killers Mr. Brightside 72* 63
62 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 10  
63 Billie Eilish No Time TO Die 1  
64 AJ Tracey & Mabel West Ten 5  
65 Lady Gaga & Bradley Cooper Shallow 51* 20
66 Meduza feat. Becky Hill & Goodboys Lose Control 15*  
67 Kygo & Whitney Houston Higher Love 54* 26
68 Dave feat. Burna Boy Location 71* 13
69 Miley Cyrus Midnight Sky 5  
70 Lizzo Good As Hell 41* 68
71 Ava Max Kings & Queens 19  
72 Pinkfong Baby Shark 47* 48
73 Mabel Boyfriend 10  
74 AJ Tracey Ladbroke Grove 34* 18
75 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 30* 10
76 Endor Pump It Up 8  
77 Ed Sheeran feat. Camila Cabello & Cardi B South of the Border 17* 55
78 Tion Wayne feat. Dutchavelli & Stormzy I Dunno 7  
79 Trevor Daniel Falling 14  
80 Post Malone & Swae Lee Sunflower 30* 18
81 Lil Nas X Old Town Road 34* 2
82 Jax Jones feat. Ella Henderson This Is Real 9  
83 Justin Bieber Yummy 5  
84 Little Mix Break Up Song 9  
85 DJ Khaled feat. Drake GREECE 8  
86 Pop Smoke Dior 33  
87 Jonas Brothers What A Man Gotta Do 22  
88 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 13  
89 Selena Gomez Lose You To Love Me 10*  
90 Pop Smoke What You Know Bout Love 4  
91 Stormzy Vossi Bop 12* 7
92 Jason Derulo Take You Dancing 7  
93 Mabel Don't Call Me Up 32* 9
94 Dermot Kennedy Outnumbered 38* 69
95 Juice WRLD Lucid Dreams 27*  
96 Jack Harlow WHATS POPPIN 25  
97 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM 25*  
98 Lady Gaga Stupid love 5  
99 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For The Night 14  
100 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 4  
アーティスト 曲名 ピーク 昨年

 

 

2 連続で年間チャート入りする曲の順位推移

※空欄はその年は年間チャートに入っていないことを指します

 

  2020 2019 2018 2017
Dance Monkey 2 8    
Someone You Loved 8 1    
Bruises 24 25    
bad guy 26 4    
Ride It 38 38    
I Don't Care 42 3    
Hold Me While You Wait 46 14    
Circles 50 66    
Shotgun 52 12 3  
All I Want for Christmas Is You 53 84    
Perfect 57 46 6 6
Beautiful People 58 21    
Last Christmas 60 95    
Mr Brightside 61 63 80 87
Shallow 65 20 87  
Higher Love 67 26    
Location 68 13    
Good As Hell 70 68    
Baby Shark 72 48    
Ladbroke Grove 74 18    
Señorita 75 10    
South Of The Border 77 55    
Sunflower 80 15    
Old Town Road 81 2    
Vossi Bop 91 7    
Don't Call Me Up 93 9    
Outnumbered 94 69    
Lucid Dreams 95   53  
thank u, next   30 68  
High Hopes   31 90  
Happier   37 62  
Eastside   42 19  
Promises   47 25  
This Is Me   54 4  
Lost Without You   60 81  
Leave A Light On   61 36  
Body   65 33  
One Kiss   70 1  
SICKO MODE   75 94  
Shape of You   76 31 1
Paradise   80 8  
These Days   85 5  
Girls Like You   87 26  
2002   88 12  
The Greatest Show   90 18  
Taste   92 40  
Let You Love Me   96 88  
Havana     17 18
New Rules     20 11
rockstar     24 22
Despacito     61 2
Silence     69 57
Unforgettable     73 4
Too Good at Goodbyes     85 39
Symphony     93 7
Castle on the Hill     97 3

 

 

3 Spotify / Apple Musicの年間チャートでの順位

Spotifyは50位まで、Apple Musicは100位まで

 

アーティスト 曲名 Spotify Apple
1 The Weeknd Blinding Lights 1 2
2 Tones And I Dance Monkey 5 1
3 SAINt JHN Roses 2 4
4 Lewis Capaldi Before You Go 9 6
5 Joel Corry feat. MNEK Head & Heart 8 11
6 Dua Lipa Don't Start Now 7 5
7 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 3 8
8 Lewis Capaldi Someone You Loved 10 7
9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy Own It 12 3
10 Harry Styles Watermelon Sugar 6 12
11 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat) 26 25
12 Roddy Ricch The Box 4 9
13 Doja Cat Say So 24 40
14 Joel Corry Lonely 23 15
15 Topic feat. A7S Breaking Me 18 20
16 Harry Styles Adore You 16 14
17 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me 22 27
18 Simba feat. DTG Rover 15 21
19 Dua Lipa Physical 31 26
20 24kGoldn feat. iann dior Mood 19 95
21 Powfu feat. Beabadoobee death bed 14 57
22 Future feat. Drake Life Is Good 17 33
23 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 27 46
24 Lewis Capaldi Bruises 36 17
25 Drake Toosie Slide 13 24
26 Billie Eilish bad guy 38 50
27 Eminem feat. Juice Wrld Godzilla 21 52
28 Maroon 5 Memories   36
29 Billie Eilish everything i wanted 29 13
30 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 34 53
31 Arizona Zervas Roxanne 20 16
32 Aitch & AJ Tracey feat. Tay Keith Rain 25 48
33 Nathan Dawe feat. Jaykae Flowers 30 39
34 Harry Styles Falling 40 34
35 Sam Fischer This City   29
36 Megan Thee Stallion Savage    
37 AJ Tracey feat. Mostack Dinner Guest 28 41
38 Regard Ride It   10
39 Lil Mosey Blueberry Faygo 11 64
40 Nathan Dawe feat. KSI Lighter 43 81
41 Regard & Raye Secrets 46 51
42 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care   56
43 Dua Lipa Break My Heart 39 65
44 Halsey you should be sad   38
45 220 Kid & Gracey Don't Need Love 41 35
46 Lewis Capaldi Hold Me While You Wait   47
47 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending   54
48 Young T & Bugsey feat. Headie One Don't Rush 47 28
49 Becky Hill feat. Shift K3Y Better Off Without You   43
50 Post Malone Circles 33 31
アーティスト 曲名 Spotify Apple
51 Headie One feat, AJ Tracey & Stormzy Ain't It Different    
52 George Ezra Shotgun   76
53 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You 42  
54 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings   78
55 Paul Woolford, Diplo & Lomax Looking For Me   83
56 Tate McRae you broke me first    
57 Ed Sheeran Perfect    
58 Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People   85
59 Internet Money & Gunna feat. Don Toliver & NAV Lemonade    
60 Wham! Last Christmas 49  
61 The Killers Mr. Brightside 50 91
62 Chris Brown & Young Thug Go Crazy   45
63 Billie Eilish No Time To Die 48 93
64 AJ Tracey & Mabel West Ten   74
65 Lady Gaga & Bradley Cooper Shallow 45 66
66 Meduza feat. Becky Hill & Goodboys Lose Control   22
67 Kygo & Whitney Houston Higher Love 32 42
68 Dave feat. Burna Boy Location   32
69 Miley Cyrus Midnight Sky    
70 Lizzo Good As Hell   19
71 Ava Max Kings & Queens    
72 Pinkfong Baby Shark    
73 Mabel Boyfriend 44 94
74 AJ Tracey Ladbroke Grove   49
75 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita   71
76 Endor Pump It Up   44
77 Ed Sheeran feat. Camila Cabello & Cardi B South of the Border   18
78 Tion Wayne feat. Dutchavelli & Stormzy I Dunno 35 89
79 Trevor Daniel Falling   72
80 Post Malone & Swae Lee Sunflower    
81 Lil Nas X Old Town Road    
82 Jax Jones feat. Ella Henderson This Is Real   23
83 Justin Bieber Yummy   90
84 Little Mix Break Up Song    
85 DJ Khaled feat. Drake GREECE   63
86 Pop Smoke Dior    
87 Jonas Brothers What A Man Gotta Do    
88 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My   97
89 Selena Gomez Lose You To Love Me   30
90 Pop Smoke What You Know Bout Love    
91 Stormzy Vossi Bop   67
92 Jason Derulo Take You Dancing    
93 Mabel Don't Call Me Up    
94 Dermot Kennedy Outnumbered 37 61
95 Juice WRLD Lucid Dreams    
96 Jack Harlow WHATS POPPIN    
97 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM   37
98 Lady Gaga Stupid love    
99 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For The Night    
100 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U    
アーティスト 曲名 Spotify Apple

 

 

*1:このベスト盤は大きく上昇していますが、代わりに”Bohemian Rhapsody”サントラが代わりに100位圏外に

*2:Spotifyの年間チャートの集計期間は公表されず。ただし12月の発表なので、UK年間チャートとは若干の期間のズレがあると思われます。集計期間の一致度ではUSの方が高いと考えられますが、それでもUKの方の誤差が少ないです。

2020 Year-End / 年間系記事 リンク集+データ表

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 2020年をまとめるような「年間記事」をいくつか作成したので、それのリンク集。そして各種データを表にしたものをいくつか掲載しました。お正月の暇つぶしなどに役立ててください!(年明けにも、もう少し追加する予定です)

 

 

Billboard Hot 100 Year-End / 年間チャート・2020を10のポイントで見る

 音楽チャートの総決算的イベント、年間チャートをもとに今年を振り返る記事です。

 

 

・2020年 ビルボード毎月の記事 テーマ+リンクまとめ

  私が今年作成してきた、ビルボードの動向を月間単位でまとめた記事の、テーマ+リンクを羅列していきます。今年の復習にお役立てください。

 実際にそれぞれの月の記事を読まなくても、テーマだけ眺めとけば、なんとなく今年起こった事を思い出せる、かもしれません!

 

 

・イギリス 年間チャート / Year-End を6のポイントで見る

 ジャンル等の人気の傾向、そしてシステム的な面からUSとの違い等を分析しています。

 

 

・プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2020

 曲のヒットを左右することもある、Spotifyの最大手プレイリストについてです。

 

 

・Hot 100に登場した日本関連の曲 2020

 歌詞などから、Hot 100に登場した日本関連の要素を探します。

 

 

・ヒット曲の最終的なHot 100成績 + おまけ 【2020】

 データベースです

 

 

・My Best Tracks 2020

私選出の、ベストトラック

 

 

・My Best Albums 2020

私選出の、ベストアルバムです。

 

 

 

~各データ~

 

 

・表:各月のHot 100トップ10推移

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・表:Billboard 200(アルバムチャート)のトップ5+売上数

(緑背景はその週新登場)

(🎫はツアーチケットを販売とからめた戦略、👕はグッズを販売とからめた戦略を採用した作品。年の途中から規制されました)

 

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・表:各指標の1位推移

(Hot 100、Rolling Stone Charts、Apple Music、SpotifyYouTube、Pandora、Radio、Digital Sales)

Apple Musicには週間チャートが無いため、その週に最も長く1位に滞在した曲を1位にしています

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・表:各ラジオ系統の1位推移

※Radio Songsはラジオ全体の再生数の合算

※左に行くほど、だいたい規模が大きくなります。ただしAlternative Airplayはここで掲載した他の系統と比べると規模が小さいので、おまけ程度に考えておいてください。

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・5曲以上が(同時に)Hot 100入りしたアルバム

1月11日 JACKBOYS JACKBOYS 6
2月1日 Eminem Music To Be Murderd By 12
2月1日 Mac Miller Circles 10
2月29日 Justin Bieber Changes 6
2月29日 A Boogie Wit da Hoodie Artist 2.0 7
3月7日 YoungBoy Never Broke Again Still Steppin, Still Flexin 8
3月14日 Lil Baby My Turn 14
3月14日 Bad Bunny YHLQMDLG 11
3月21日 Lil Uzi Vert Eteral Atake 18
3月21日 Jhené Aiko Chilombo 5
3月28日 Lil Uzi Vert Luv vs. The World 2 14
4月4日 The Weeknd After Hours 14
4月18日 Rod Wave Pray 4 Love 8
5月2日 DaBaby Blame It On Baby 12
5月9日 YoungBoy Never Broke Again 38 Baby 2 5
5月16日 Drake Dark Lane Demo Tapes 14
5月16日 Lil Baby My Turn (Deluxe) 5
5月30日 Future High Off Life 13
5月30日 Polo G The GOAT 9
6月6日 Gunna WUNNA 12
7月18日 Pop Smoke Shoot for the Stars Aim for the Moon 19
7月25日 Juice WRLD Legends Never Die 17
8月8日 Taylor Swift folklore 16
9月26日 YoungBoy Never Broke Again Top 9
10月17日 21 Savage & Metro Boomin Savage Mode 2 13
11月14日 Ariana Grande positions 14
11月28日 Future & Lil Uzi Vert Pluto x Baby Pluto 10
12月5日 Megan Thee Stallion Good News 7
12月5日 BTS BE 7
12月12日 Bad Bunny EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO 11
12月26日 Taylor Swift evermore 15
12月26日 Kid Cudi Man on the Moon III: The Chosen 10

黃背景:全曲がHot 100入り(制度によって除外されると考えられる曲は除く)

グレー背景:アルバムチャートでは個別の作品とみなされないもの(デラックス版等)

 

このような、5曲以上がHot 100入りアルバムの数は……

2016:8

2017:14

2018:29

2019:22

2020:32

ビルボードはストリーミングのルールを細かく変え続けているため、年によってアルバム曲Hot 100エントリーの難易度が少し異なります。今年は若干難度が落ちたような印象があります。

 

 

リンク

昨年版:2019年・年間まとめ系記事リンク集 - チャート・マニア・ラボ

 

2020年 ビルボード毎月の記事 テーマ+リンクまとめ

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 私が今年作成してきた、ビルボードの動向を月間単位でまとめた記事の、テーマを羅列していきます。私は今年から記事を月単位に切り替えたのは、どこに何を書いてあるか?を確認しやすくする、というのが理由の一つだったので、その意図がこの記事で達成された気がします。

 実際に記事を読まなくても、テーマだけ眺めとけば、なんとなく今年起こった事を思い出せる、かもしれません!

 

※「短評」はどの月にもあるので、省略します

 

 

1月 【激動の1ヶ月、Roddy Ricch大活躍など】

1 Roddy Ricchの”The Box"が大躍進

2 クリスマス後の特別措置。ただし……

3 ルール変更によって弾かれた“Old Town Road” グラミーに向けて残念?

 

 

2月 【アルバム激戦区・不動のシングル上位など】

1 2/1のアルバム激戦区週

2 激戦区再び?2/29のアルバムチャートも……

3 全員バンドル? 特徴的だった2/15のアルバムチャート

4 動きが鈍い上位

5 グラミーの週

6 表記の揺れ?

 

 

3月 【Lil Uzi Vert・Bad Buny・Lil Baby・BTSなど…アルバム大盛況】

1 続くアルバム激戦区、Hot 100に「アルバム曲」が大量登場

2 Lil Uzi Vert

3 Jhené Aiko

4 Lil Baby

5 Bad Bunny

6 BTS

7 上位の動向:次の1位は”Blinding Lights”? “Don’t Start Now”は?

8 絶好調:”Adore You”と”Say So”

9 DrakeがGlee Castを上回りHot 100エントリー数が単独最多に(208曲)

10 TikTok発とみられる曲

 

 

4月 【The Weekndがアルバム4タテなど無双】

1 The Weekndがシングル・アルバム両チャートを制圧

2 セールス戦略の大戦争

3 Dua Lipa

4 Drakeも1位を獲得

5 ”Say So”と”Adore You”がラジオ増加に伴いHot 100でも浮上

6 ”Circles”のトップ10滞在が33週まで到達。次週にも記録更新?

7 ”Savage”が大きくジャンプアップ。今月のTikTok曲は?

8 大躍進のカントリー曲。Gabby BarrettとMaren Morrisが特に期待の星?

9 アルバム後に生き残る曲? Lil Uzi Vert、Bad Bunny、Lil Babyなど

 

 

5月 【首位が全て異なる月 / 販売戦略が躍動】

1 全ての週で異なる曲が1位に! 多くの販売戦略が1位獲得をサポート

2 アルバムチャートも全て異なる作品が1位に。今月もバンドルが躍動?

3 Drakeのトップ10曲数が38まで到達

4 Chris BrownとFutureが100曲超え / アルバム曲の時代?

5 フォートナイト、再び

6 今後どうなる?最終週でラジオに大きな変化が

7 名義を載せる / 載せない問題

8 ビルボードによる声明?

9 今月のTikTok

 

 

6月 【コラボ曲の首位が相次ぐ / アルバムチャートはリリース減少?】

1 続くコラボ曲の首位 販売戦略と関係

2 DaBabyと6ix9ineに加え、初の栄冠はプロデューサーにも!

3 続くFemaleコラボ

4 ネクストトップ10候補

5 新作が減少するアルバムチャート その中で活躍するLil Baby

6 Hot Rock & Alternative Songsが誕生

7 「アーバン」という言葉、そのラジオでの格差?について

8 当人たちも活躍し始めたTikTok

9 Hot 100初登場アーティストたち

 

 

7月 【Pop SmokeとJuice WRLDの活躍 販売戦略のその後……】

1:Pop SmokeとJuice WRLDがアルバムチャートを盛り上げる

2:アルバムラッシュ時のシングル関連記録

3:今月は販売戦略が無かったシングル、来月以降は制限も

4:販売戦略で1位を獲得した曲のその後……

5:来月のトップ10候補

6:今月のラジオ(The Weeknd・Post Malone)

7:5月に予想した年間トップ10の曲たち

8:今月のTikTok

9:Kanyeシリーズ?

 

 

8月 【圧巻の"WAP"、アルバムはTaylor Swift】

1 販売戦略は健在?セールス急増で複数曲が1位の栄冠

2 圧倒的な”WAP”、しばらくチャートの主役に?

3 カントリーがダブルでトップ10? 今月の新規トップ10

4 今後のトップ10候補

5 “Blinding Lights”がラジオの記録を更新

6 Taylor Swiftのサプライズリリースが4週連続1位

7 アルバム曲の管理

8 今月のTikTok

9 Hot 100デビューを飾ったアーティストたち

 

 

9月 【BTS / ロングヒット記録 / ヒットの4メトリクスなど】

1 セールスの制圧力 BTS初のHot 100首位

2 歴史的ロングヒット”Blinding Lights”

3 アダルトポップの申し子Lewis Capaldi + その他のトップ10

4 来月以降のヒット候補

5 比較的静かだったアルバムチャート

6 TikTok流シングルカット

7 TikTok発の最終的な成績

8 Global 200

9 ヒット曲の4メトリクス”my future“ / “Stuck with U”など

 

 

10月 【販売戦略の行く末 + オルタナティブ系 など】

1 勢いが止まらない販売戦略

2 その販売戦略の今後?

3 ネクストPost Malone?24kGoldnとiann diorの可能性?

4 その他のトップ 10 + 今後のトップ10候補

5 今月のアルバムチャート

6 Fleetwood現象

7 Alt TikTok

8 BLACKPINK

9 滞在が短い曲たち

 

11月 【Ariana Grandeの新作 / 新タイプの販売戦略?】

1 Ariana Grandeの成績をどう捉える?

2 アーティスト力を示す?初動で見るトップ10

3 曲の力を示す?ラジオヒットとトップ10 + 今後のトップ10

4 そこそこ盛り上がる?アルバムチャート

5 クリスマス?

6 投げ銭式によるインディー系アクトのHot 100入り

 

 

12月 【Taylor Swiftの"evermore"、BTSとBad Bunnyなど】

1 動きが激しいトップ10

2 Taylor Swift

3 BTS → Bad Bunny

4 Megan Thee Stallion、Kid Cudi等アルバムチャート