チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Billboard Hot 100 3/18 【記録連発のチャートマニア歓喜の週】

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今週はFutureが異なる作品でのアルバム2週連続1位という史上初の記録を達成。しかし意外とシングルのHot 100へのエントリーはそこまで多くはなかったです。写真はAriana Grande ft. Future - Everyday、のビデオでのFuture。

 

 

(N) 100 Lorde – Green Light

LordeのGreen Lightが100位で登場。わずか数時間のダウンロード+ストリーミング(例えばニューヨークだと10時間)の集計ながらも、ラジオと合わせて100位に食い込みました。来週どこまで上昇するか。

※ニューヨークの3/2(木)14時(ET)に世界同時公開されたため、地域によって何時間の集計は微妙に違います。

※ダウンロード/ストリーミングは金曜~木曜(2/24~3/2)、ラジオは月曜~日曜(2/27~3/5)なので、ラジオのポイントはやや集計が長め。

 

(N) 93 Florida Georgia Line ft. Backstreet Boys – God, Your Mama, And Me

Florida Georgia LineのGod, Your Mama, And Meが93位で登場。客演はなんとBackstreet Boys。曲調としてはカントリーサウンドによるBackstreet Boysの曲、といった感じ。Florida Georgia Lineのアルバムには他にもBob Marleyの息子のZiggy Marleyと個性的な面子が。

 

(N) 78 Gucci Mane & Nickin Minaj – Make Love

Gucci ManeとNicki MinajのMake Loveが78位で登場。今年リリース予定のアルバムDrop Top Wopのシングルとも考えられています。この曲でNicki Minajは73曲目のHot 100。Aretha Franklinと並んで女性としては歴代最多のエントリー数に。客演でも人気のNicki Minajが単独トップに躍り出る日は近いでしょう。

※ちなみに一時期ライバル視されていたIggy Azaleaは今のところ11曲エントリー。今週Lil Uzi Vertと組んだCan’t Loseをリリースしたのですが、Hot 100に果たしてエントリーするのでしょうか……

 

(⇡) 46 Future – Mask Off

Mask Offが今週46位。Futureの2連リリースのはじめの方のアルバム、”Future”からのシングル群の中で唯一順位を上げました。ストリーミングでも調子をグングン上げているようで、今後アンセム化の予感。ただ、その他のシングルは奮わずビデオをリリースしたDracoとこの曲以外は、”Future”からのシングルはチャート圏外へ……

※アルバム2連続リリースでFuture関連のシングルが大量に登場するかと思っていましたが、今週計7曲エントリーと、そこまでは多くなかったです。

 

(N) 37 Future ft. Rihanna – Selfish

Futureの2連リリースの2作目、HNDRXXからはThe WeekndとのComin Out Strong(48位)、RihannaとのSelfish(37位)がHot 100に。アルバムチャート、Billboard 200では見事2作連続1位を獲得し、史上初の異なるアルバムによる2週連続アルバム1位を記録しました。また、今週アルバムチャートで1位と2位を独占しており、ラッパーとしては2004年のNelly以来だそう。

 

(N) 34 Calvin Harris ft. Frank Ocean & Migos – Slide

Calvin Harris、そしてFrank Ocean、Migosによる夏アンセム、Slideが34位で登場。Frank Oceanにとっては2012年のThinking About You以来のトップ10。Calvin Harrisの曲としてはMy Way(24位デビュー)、This Is What You Came For(9位デビュー)と比べるとスロースタート気味かもしれませんが、PitchforkがBest New Trackに認定するなど、評価が高くじわじわとヒットしていくのではないか、と予想。

 

(N) 28 Zedd & Alessia Cara – Stay

ZeddとAlessia CaraのStayが28位で登場。期待の高さが伺えるスタート順位で、Hailee SteinfeldのStarving(ピーク14位)に続いて、若手シンガーをZeddが成功に導きそう。既にポップ系ラジオでは好評なよう。(Popラジオチャート29位)

※ちなみにこの曲のソングライターのNoonie Baoにとっては初のHot 100へのクレジット。2013年のAviciiとNicky RomeroのI Could Be the Oneではボーカルを担当した彼女でしたが、その時は101位と惜しくもHot 100へのクレジットを逃していたので、その時のニアミスを今取り戻した、と言えるかも。

 

(⇣) 15 Machine Gun Kelly & Camila Cabello – Bad Things

一時期より少し順位を落とし、今週15位のMachine Gun KellyとCamila CabelloのBad Things。Camilaが去年まで所属したFifth Harmonyの最大のヒットWork From Homeと同じピークの4位まで到達していましたが、惜しくも超えるとこまでは行かず。ラップと分類されているこの曲ですが、ポップ系ラジオチャートでは1位を取っているのに対し、R&B、Hip-Hop系ラジオチャートでは50位圏外と支持層はポップス好きのようです。

 

(⇡) 13 Justin Timberlake – Can’t Stop the Feeling!

オスカーでパフォーマンスを行った効果でダウンロードを大きく増やし、13位まで順位を戻したJustin TimberlakeのCan’t Stop the Feeling!。今週41週目と、いきなり1位でデビューとロケットスタート以降もロングヒット中。チャート滞在1年に到達しそうな予感。1位デビューした曲の中でチャート滞在が最も長いShake It Off(=滞在50週)を超えそう。

 

(⇡) 8 Kodak Black – Tunnel Vision

先週よりも、一層ストリーミングの勢いが増したKodak BlackのTunnel Visionが8位とトップ10まで上昇。個人的にチャート的な意味で連想するのはBobby Shmurda。2014年にHot N**gaが6位まで上昇しましたが、その後逮捕の憂き目に遭い曲をリリースできず、ブレイクのチャンスを逃す形に。Kodak Blackの逮捕の状況はよく分かりませんが、折角このようにヒット曲が生まれたので、そのチャンスを生かしてほしいです。

 

(⇡) 5 The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This

The ChainsmokersとColdplayのSomething Just Like Thisが5位まで上昇。先週の予想通り、トップ10圏内に3曲が入るという記録を達成。(ほかParis7位、Closer10位)グループとしてはThe Beatles、Bee Geesに続く3組目の快挙。

個人と合わせてもまだ7組目の快挙(※客演をカウントしない場合)

前述のThe Beatles(1964年)、Bee Gees(1978年)に加えてUsher(2004年)、Chris Brown(2008年)、Adele(2012年)、Justin Bieber(2015-2016年)、そしてThe Chainsmokers(2017年)

 

(⇣) × Niall Horan – This Town

Niall HoranのThis Townが今週チャート圏外へ。ラジオなどでポイントを稼ぎ、ピーク20位と健闘し、今年の年間チャート入りが有力と思われます。悪くはない成績ですが、一足早くOne Directionを脱退したZaynは既に1位、2位シングルを産出していて、それと比べると水を開けられている印象もあります。

 

(⇣) × D.R.A.M. ft. Lil Yachty – Broccoli

D.R.A.M.とLil YachtyによるBroccoliがついにチャート圏外へ。ピークは4位に達するなど大成功だったこの曲、D.R.A.M.とLil Yachty両方のブレイクに繋がりました。Lil YachtyはKyleと組んだiSpyが現在14位まで上昇していて、このBroccoliのような成功が目前に。

 

(N)=new (↑)=順位上昇 (↓)=順位下降またはチャート外へ (R)=再登場

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲           Bruno Mars – That’s What I Like

今週最もダウンロードが上昇した曲 The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This

今週最もストリーミングが伸びた曲 The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This

最も高い順位で新登場した曲          Zedd & Alessia Cara – Stay

 

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

 

99 Future - Zoom

97 Big Sean ft. Eminem – No Favors

93 Calum Scott – Dancing On My Own

84 Dustin Lynch – Seein’ Red

83 Hey Violet – Guys My Age

77 The Weeknd - Reminder

54 Future – Rent Money

※48 Niall Horan – This Town

※47 D.R.A.M. ft. Lil Yachty – Broccoli

41 Ed Sheeran – How Would You Feel (Paean)

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

 

Spotify (アメリカ、デイリーで上位50位圏内)

※1 Ed Sheeran – Shape of You

4 Ed Sheeran – Galway Girl

※9 Ed Sheeran – Castle on the Hill

13 Ed Sheeran – Perfect

16 Ed Sheeran – Dive

17 Ed Sheeran – Happier

20 Ed Sheeran – New Man

24 Ed Sheeran – What Do I Know?

27 Ed Sheeran – Hearts Don’t Break Around Here

28 Ed Sheeran – Barcelona

30 Ed Sheeran – Supermarket Flowers

※31 Ed Sheeran – How Would You Feel (Paean)

34 Ed Sheeran – Nancy Mulligan

37 Ed Sheeran - Eraser

43 Ed Sheeran – Bibia Be Ye Ye

47 Ed Sheeran – Save Myself

 

Ed Sheeranの曲がこのようにSpotifyを席巻しており、来週はHot 100がEd Sheeranの曲が大量登場するでしょう。Galway Girlはトップ10登場もあるか!?

※は既にHot 100に登場していますが、便宜上表示しました。

 

Shazam (アメリカ、トップ50位圏内)

27 Leon Bridges - River

46 6LACK – Prblms

 

※先週までここにいたRussのLosin Controlが今週Hot 100へ。89位。

※Bag RaidersのShooting StarsはHot 100入りならず。