チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Billboard Hot 100 7/22 見どころ 【英語以外の曲では初の?? / ネクストDespacito候補】

f:id:djk2:20170712221658j:imageこんばんは。光るJ Balvin。

 

 

 

99 Future feat. YG – Extra Luv (New)

Futureが2月にリリースした2つのアルバムに曲がいくつか追加されました。そのうち、”Future”のほうに追加されたYGを迎えたExtra Luvが99位で登場。”Future”の本編では一切客演がいませんでしたが、追加曲では客演が登場しました。”Hndrxx”のほうにはChris BrownとのPieが追加されましたが、こちらはHot 100には登場せず。

 

89 Jon Pardi – Heartache On The Dance Floor (New)

カントリー歌手、Jon PardiのHeartache On The Dance Floorが89位で登場。今年Dirt On My Bootsで初のトップ40入りを果たした彼ですが、続いてこの曲も上位進出なるでしょうか。

 

87 Tyler, The Creator (feat. A$AP Rocky) – Who Dat Boy (New)

Tyler, The CreatorのWho Dat Boyが87位で登場。客演以外では初のHot 100入りを果たしました。もう一つの911 / Mr. Lonelyは惜しくもHot 100 入りならず。来週リリース予定のアルバムに向けてのシングル。この曲を含めて、アルバムでの客演はオープンな表記をされていないようですが、アルバムにはA$AP Rocky、Frank Ocean、Lil Wayne、Schoolboy Q、Pharrell Williamsなどが参加予定です。過アルバムで5位、3位、4位を記録している彼ですが、今作で初の1位なるでしょうか。ライバルはLana Del Reyでしょうか

 

85 Cardi B – Bodak Yellow (New)

女性ラッパーのCardi BのBodak Yellowが85位で登場。Kodak BlackのNo Flockinからの引用のある曲で、曲のタイトルは彼をもじったものになっています。

 

78 Yo Gotti & Mike Will Made-It feat. Nicki Minaj – Rake It Up (New)

Yo GottiとMike Will Made-Itの2人の共同ミックステープからのシングル、Rake It Upが78位で登場。客演はNicki Minajで、Yo Gottiの昨年のヒットDown in the DMでもコンビを組んでいました。Hip-Hop / R&B Airplayで17位と、ラジオで上位につけたことによりHot 100に入りました。

 

70 J Balvin & Willy William – Mi Gente (New)

今週最も高い順位で登場したのは、コロンビア出身J BalvinのMi Gente。彼にとってGinzaに続いて2曲めのHot 100エントリー。以前から様々な有名曲の”Latin Remix”バージョンに参加してきた彼ですが、(Problem, Lean On, What Do You Meanなど)、彼自身が飛躍する時が訪れたかも。新登場で一番高い順位を記録するなど出だしから好調ですが、Spotifyで好調など、(現在アメリカ36位 / 世界10位)さらに伸びる予感が。現時点で「ネクスト・Despacito」の最有力候補かもしれません。

※DespacitoのLuis Fonsiはプエルトリコ出身ですが、J Balvinはコロンビア出身で国は違いますが、ラテン系スターという意味で……

 

 

39 Thomas Rhett feat. Maren Morris – Craving You (↑)

Thomas RhettとMaren MorrisのCraving Youが39位とトップ40圏内に上昇。グラミー新人賞候補にもノミネートされたMaren Morrisにとっては初のトップ40*1 今週カントリー系ラジオで1位に上昇するなど、カントリーのファンから支持を得るこの曲ですが、個人的にはTaylor Swiftの1989を彷彿とさせるポップセンスも感じ取れる一曲だと思うので、カントリー以外のファンにも人気が飛び移って大きなヒットになる期待も持てるかと思います。(カントリーが上位に来づらいSpotifyでも現在上昇中)

 

26 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (↑)

新アルバムFunk Wav Bounces Vol.1のリリースが今週のチャートで反映され、3曲がHot 100に登場。Rollinが76位で再登場、Slideが32位に上昇、そしてこのFeels26位が最高位。この3曲に次ぐのはPrayers UpとCash Out(ただしHot 100圏外)アルバム1位も期待されていましたが、DJ Khaledにわずか及ばず2位に。ストリーミングでは数字をそこそこ稼ぎましたが、純セールスが約2.3万とそこまで伸びなかったことが1位を取れなかった理由ですかね。

 

13 The Chainsmokers & Coldplay – Something Just Like This (↓)

先週まで「同一アーティストによる連続トップ10記録」が続いていたThe Chainsmokersでしたが、今週その記録が61週でストップ。同記録が歴代最長のKaty Perry(69週)に並ぶことはできませんでした。RosesとDon’t Let Me Downでブレイクして以降は、新曲リリースのたびに大きく注目を集めてすぐにトップ10に入るケースが続きました。すぐチャートを上昇することが、この「連続トップ10記録」を継続できた理由だったのでした。ただ、意外とアルバムから先行シングル以外で目立ったシングルが無かったのが今週の記録ストップの要因ですかね。アルバムリリース週ではシングルのSomething Just Like This、Parisともう一曲(The One)、そしてアルバムには入っていないCloserの4曲しかHot 100に入らず。一つのアルバムから3曲エントリーは多い方なのですが、アルバム全曲がHot 100に入るようなケースもある現代では、それまでの勢いからするとやや物足りない感じもしました。ただ、それまでが勢いが「ありすぎ」な気もしますが。今週で連続トップ10の記録は途切れ歴代1位とはなりませんでしたが、シングル・アルバムの双方でEDM界隈初の1位を記録するなど、ここ約1年で十分すぎる成果を上げたと思います。

ちなみに次のシングルはリリックビデオが公開されたYoung、ではなくHonest。すでにポップ系ラジオでは支持を得ているようです。

 

10 French Montana feat. Swae Lee – Unforgettable (↑)

French Montana、Swae LeeによるUnforgettableが10位まで浮上!French MontanaもSwae Leeも2曲めのトップ10。French MontanaはChris BrownのLoyalの客演で、Swae LeeはRae Sremmurdの一員としてBlack Beatlesで1曲めのトップ10を記録。これでSwae Leeは自身たちの曲(Rae Sremmurdの一員として)、客演、他人へのソングライト(BeyoncéのFormation)の3種類でトップ10を記録したことになり、彼の幅広い活動や影響力が伺えます。2010年代のみでこの「3種のトップ10」をラッパーで達成したのは彼だけです。(2000年代を含むとKanye Westやwill.i.amなども該当)

 

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber – Despacito (→)

Despacitoが9週目の1位。ラジオでも1位となり、ダウンロード、ラジオ、ストリーミングのHot 100を構成する三部門すべてで1位になり、独走状態。かつてのスペイン語ヒット、Macarenaは14週で1位を記録していたのですが、それにどこまで近づけるか。ちなみに英語以外の曲がラジオで1位になるのは初のことです。(Gangnam Style*2はラジオのピーク12位、Macarena*3はラジオのピーク7位でした。ちなみに坂本九上を向いて歩こうがHot 100で1位になった時はまだラジオのチャートが存在していませんでした。

今回ラジオで総合1位になったのは、ラジオで最も規模の大きいポップ系ラジオで1位を取れたことが大きいと思います。先週までのポップ系ラジオ1位はZeddのStayでした。Despacitoはこのポップ系ラジオのほか、Latin系ラジオやRhythmic系ラジオ、Adult Contemporary系ラジオなどでもかかっています。Hot 100でロングヒットとなるには、幅広い系統のラジオでかかることが重要といわれています。

 

× DJ Khaled feat. Beyoncé & Jay-Z – Shining (↓)

ストリーミングの多さなどから今週もアルバム1位の座をキープしたDJ Khaledですが、Hot 100では代表曲I’m the OneとWild Thoughts以外はすべて圏外へ。アルバムの中ではこの曲の客演のJay-Z、Calvin Harris、21SavageというDJ KhaledのGrateful*4リリースからすぐにアルバムをリリースした面々もいます。多少の宣伝効果はあったりするのですかね。

Jay-Zのアルバムは今週のチャートでTidalのストリーミング分がチャートに反映される予定でしたが、Tidalがストリーミング数を公表しなかったのでチャートでは何も起こりませんでした。

 

× Maroon 5 feat. Future – Cold (↓)

Maroon5のColdがチャートを後に。ピーク16位チャート滞在20週ですが、ラストの順位が91位など最後のほうは下位に沈み、不完全燃焼に。Moves Like Jagger~2015年のSugarで、8シングル連続でトップ10を記録してきた彼らですが、やや停滞気味かもしれません。前シングルDon’t Wanna Knowはしっかりトップ10に入っていましたが……

※流行りのFutureをうまく曲に取り込んでいて、Don’t Wanna Knowに引き続きヒットするかなと個人的に思っていたので、このチャートアクションは少し意外でした。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wlid Thoughts

今週最もダウンロードが上昇した曲 Charlie Puth - Attention

今週最もストリーミングが伸びた曲 Calvin Harris feat. Frank Ocean & Migos - Slide

最も高い順位で新登場した曲          J Balvin & Willy Williams – Mi Gente

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

94 Nicky Jam – El Amante (Re)

76 Calvin Harris feat. Future & Khalid – Rollin (Re)

 

今週チャートから外れた曲

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位/チャート滞在週数)】

99 Playboi Carti feat. Lil Uzi Vert – Wokeuplikethis*  (76位 / 9週)

98 DJ Khaled feat. Beyoncé & Jay-Z – Shining  (57位 / 14週)

97 2 Chainz feat. Gucci Mane & Quavo – Good Drank  (70位 / 16週)

91 Maroon 5 feat. Future – Cold  (16位 / 20週)

88 DJ Khaled feat. Travis Scott, Rick Ross & Big Sean – On Everything (88位 / 1週)

83 Darius Rucker – If I Told You  (53位 / 11週)

73 DJ Khaled feat. Drake – To the Max  (53位 / 4週)

68 DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jeremih – Don’t Quit (68位 / 1週)

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

21 Savage – Bank Account (Spotify 14位)

Edward Maya feat. Vika Jigulina – Stereo Love (Shazam 19位)

Kesha – Praying (Spotify 31位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 36位)

21 Savage – Numb (Spotify 40位)

Lauv – I Like Me Better (Spotify 42位)

Khalid – Young Dumb & Broke (Spotify 47位)

LoCash – Ring On Every Finger (Pandora 51位)

Chris Lane – For Her (Pandora 52位)

Zedd & Liam Payne – Get Low (Spotify 52位)

Carly Pearce – Every Little Thing (Pandora 54位)

Axwell ∧ Ingrosso – More Than You Know (Spotify 54位)

JAY-Z feat. Damian Marley – Bam (Shazam 57位)

Brett Eldredge – Somethin’ I’m Good At (Pandora 57位)

Maren Morris – I Could Use A Love Song (Pandora 59位)

Judah & The Lion – Take it All Back2.0 (Shazam 60位)

Shawn Hook feat. Vanessa Hudgens – Reminding Me (Pandora 60位)

 

 

21 SavageのアルバムIssaが好調。どこまでHot 100に入るかは分かりませんが、Spotify以外で解禁されたJay-Zのアルバムからのシングルと合わせて、来週のHot 100は新登場多めかもしれません。そして目玉はKeshaのPraying。多くのダウンロードを記録したほかストリーミングでも上々な滑り出しで、Hot 100では高めの順位で登場しそうです。

2011年にHot 100 に入ったStereo Loveがいま上昇しているのは、謎。

 

 

djk2.hatenablog.com

 

*1:Kelsea Ballerini、The Chainsmokers、Chance the Rapperに次ぐ4番目、Anderson. PaakはHot 100入りなし

*2:Hot 100でのピークは2位

*3:Hot 100でのピークは1位

*4:アルバム名