チャート・マニア・ラボ (CML)

音楽チャート・ポップス等の動向・文化について頑張って研究しています!議論のネタになるような変わった視点からの記事を目指しています。

Hot 100 見どころ 10/21 【Hot ○○(ジャンル名) Songs のマニアックな説明】

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今週の見どころはMi Genteのジャンプアップ!Beyoncéリミックスの効果によって3位まで上がりました。そんなMi Genteと絡めたマニアックな説明、そしてZeddについても書いています✒

 

 

98 Florida Georgia Line – Smooth (New)

Florida Georgia LineのSmoothが98位で登場。アルバムDig Your Rootsから4曲めのシングル。H.O.L.Y.14位 → May We All 30位 → God,Your Mama, and Me 46位 とシングルごとに少しずつピーク順位を落としてきていますが、今回はどこまでいけるでしょうか。

 

74 A Boogie Wit da Hoodie – No Promises (New)

この週にアルバムをリリースした”アーティスト”*1の中で最も多くの曲をHot 100に送り込んだのはA Boogie Wit da Hoodie。このNo Promisesを筆頭として、Say A’が75位、Undefeatedが84位、Beast Modeが86位で登場。Apple Musicを中心としたストリーミングでの好調によるものです。今年ヒットしたDrowningも収録されていますが、既に20週以上のチャート滞在をしているので、ルール上Hot 100に再登場するには50位以上に入る必要があり、ハードルが高いので再登場ならず。

ちなみにアルバムチャートでは4位。セールス14位ながらもストリーミングの数字でジャンプアップしました。

※今週のアルバムチャート1位はShania TwainのNow。15年ぶりのアルバムでしたが、健在ぶりが伺えました。2位はTom Pettyのベストアルバム。しかしシングルはHot 100に登場せず。以下3位Demi Lovato、5位Miley Cyrsuに。

 

68 Bhad Bhabie – Hi Bich (New)

14歳のYouTuber、Bhad Bhabieの2回めのHot 100エントリー。Hi Bichが68位で登場。前のThese HeauxはNicki MinajのNo Fraudsリスペクト?を感じましたが、今回は重厚なビートの作風。少しテイラーのReady For It? っぽい?この曲はKanye WestのYeezus風曲とも言われるので、今回はKanye Westリスペクトでしょうか……?

ちなみにThese HeauxのウィキペディアのページにBhad BhabieはStevie WonderJojoに次ぐ史上3番目に若いHot 100エントリーを記録したと記述されていますが、2015年にSophia Graceが当時12歳*2でHot 100にエントリーしたのが抜けているので、少なくとも3番目ではないですね……

 

39 Post Malone – I Fall Apart (↑)

先週ライブ画像のバズ+rockstarに触発されたアルバムStoneyの好調、という二つの要因によってHot 100に復活したI Fall Apartが勢い良く順位を伸ばして39位とトップ40まで突入。絶好調です。シングル化もされるようです。今週もStoneyは好調で、リリース時のピークと同じアルバムチャート6位をキープしています。

 

34 Ed Sheeran – Perfect (↑)

各ラジオでの急上昇、さらにそれに伴うダウンロードの上昇によって、復活から3週めにしてトップ40まで再浮上。またリリース時に記録したピーク37位も更新しています。Justin BieberのCompany、AdeleのWater Under the Bridgeなど特大ヒットしたポップアルバムの、リリースから少し経過した時点でのシングルは燃え切らないことが多いですが、このPerfectはそのジンクスを吹き飛ばすかの勢いを見せています。

 

29 Camila Cabello feat. Young Thug – Havana (↑)

先週テレビ出演で注目を集めてダウンロードが伸びて上昇したHavanaでしたが、今週はさらに上昇。ダウンロードはさらに伸びたほか、ラジオでの好調もあり、一気に29位まで来ました。ソロ以降ではBad Thingsに次ぐ2曲めのトップ40。Crying in the Clubで取り逃したヒットの基準トップ40を獲得しました。もともとは単の「アルバムに入る曲」に過ぎない扱いでしたが、ストリーミングで人気を博してシングル化が決定。見事ラジオでもヒットしています。この曲はPharrell Williamsが少しボーカルを担当し、ソングライトには昨年あたりから活躍が際立つAndrew Watt(Let Me Love Youなど、Hailee SteinfeldのLet Me Goでは客演としてクレジット)やStarrah (Needed Meなど)が参加。さらにピアノの音色はSelena GomezのSame Old Loveを参考?*3 にするなど、シングルに相応しいかなり気合の入った曲だと思います。

 

22 Kendrick Lamar – HUMBLE. (↑)

Skrillexリミックス版のリリースでダウンロードが伸びました。Hot 100でも28位 → 22位と上昇。どこまで上位で粘れるかどうかが、年間チャートでより高い順位に入れるかのカギ。ライバルはCloser、Bad and Boujee、そして後半に調子を上げたBeliever、Body Like A Back Road辺りで、年間チャートで現実的に取れそうな最高順位は4位でしょうか。2017の年間チャート集計終了まであと5週。(Shape of You、Despacito、That’s What I Likeの3強はほぼ固定)

 

18 Niall Horan – Slow Hands (↓)

一時期ポップ系ラジオで1位になるなど、ラジオでの強さによってトップ10に迫っていたNiall HoranのSlow Handsでしたが、今週は18位に順位を落とし、頼みの綱のラジオもピークを過ぎてしまったのでトップ10入りの可能性がほぼ無くなってしまいました。とはいえ、ロングヒットの11位ピークなので総合的なヒット度は十分です。

元One Direction勢としては今週はじめて「アダルトポップ系」ラジオで1位を獲得。他のメンバーには無い新境地を開きつつあります。

 

7 Imagine Dragons – Thunder (↑)

CM放映によってダウンロード絶好調、それに合わせてラジオやストリーミングも急上昇。Hot 100でも大きく順位を上げて一気に7位まで浮上。ラジオは依然勢い良く上昇中。かなり伸びシロを残しているので、Believerのピーク4位を超えるかもしれません。

バンド通算4曲めのトップ10、かつアルバムEvolveでは2曲めのトップ10に。2010年代において、Maroon 5の次に多くのトップ10を送り込んでいます。ビルボードはかかるラジオの系統を根拠に、Maroon 5を「ロック」に分類していないので、(ビルボード基準の)「ロックバンド」としては2010年代唯一無二のバンドといえそうです。ちなみに次点はtwenty one pilotsのトップ10入り3曲。

ちなみにBelieverはThunderと入れ替わるような形で今週トップ10圏外の11位へ。

 

3 J Balvin & Willy William feat. Beyoncé – Mi Gente (↑)

Beyoncéリミックスのリリースにより急上昇。ダウンロード、ストリーミングが今週最大の伸び幅を記録して、一気に3位まで上昇しました。YouTubeの再生回数も10億を突破。Beyoncé以外にとっては初のトップ10です。

Despacitoはリミックス以降さらに規模が拡大しましたが、Mi Genteの場合はリリース以降の数字は落ち着いてきていて、この週がピークになるかなと思います。

 

✫Hot (ジャンル名) Songs について

このMi GenteがHot Latin Songs にてDespacito(今週Hot 100で9位)を抜いて1位になりました。それ以外にも今週はHot (ジャンル名) Songsチャートでは首位の交代が相次いでいて、Hot Rock SongsではBelieverからFeel It Stillへ、Hot Country SongsではBody Like A Back RoadからWhat Ifsへ切り替わりました。

 

2012年の10月にルールが変更になり、Hot (ジャンル名) Songs チャートは従来のラジオのみの集計から、Hot 100準拠のダウンロード・ストリーミング・ラジオの複合チャートへと変貌しました。つまりこの時期より先か後かで全く別物のチャートなのです。さらにはHot 100に準拠しているので、Hot (ジャンル名) Songsを見ても新しい発見というのは少なく、Hot 100から該当ジャンルの曲を抜き出してそのまま並べているようなものです……Hot 100圏外の曲の順位を参考する場合には役に立ちますが……!おそらくこのチャートは「このジャンルにしか興味が無い!」という人を引き寄せるためのチャートでしょうか。

 

今回の首位入れ替わりのうち、特にBody Like A Back RoadはHot Country Songsで歴代最長の一位 (34週)の記録を更新していただけに、このHot ○○ Songsでの首位交代は注目されるかもしれません。

チャート初心者にとっては分かりやすい指標ですし、Hot 100準拠のチャートなので、世間の感覚と一致しやすいジャンルの1位がこのHot ○○ Songsでは分かると思います。

しかし、「個人的には」このHot ○○ Songsは事実上2012年からのかなり新しいチャートである点、またこのHot ○○ Songsで上位に入るカギが、同ジャンルの曲とポイントで差をつけるために「異ジャンルのリスナーからポイントを稼ぐ」*4 という点に少し違和感を覚えることから、あまりHot ○○ Songs一位の長さなどは重要視はしていません。

こうやって長々と細かい説明をしましたが、別にチャートの楽しみ方や見方なんて人の自由ですし、Hot ○○ Songsにも手っ取り早くジャンルの人気曲が分かるという良い点もあると思います。ただ、Hot ○○ Songsがどういうチャートなのか?という知識があると、よりチャートをディープに見られるということは確かだと思います。

Hot ○○ Songs についてはこの記事の解説も参考になります!


 

× Selena Gomez feat. Gucci Mane – Fetish (↓)

Bad Liarに引き続き、思うようにいかなかったSelena GomezのFetish。ピーク27位、チャート滞在12週という短さでチャートを後に。ダウンロードもストリーミングも全体的に数字が少なかった気がするのですが、特にラジオで伸びなかったのは痛手だったように思います。

「ささやきボイス系ボーカル」は2015年のGood For Youでも実践して、その時は自身最高の5位まで到達していたので、今回の作風だけがヒットしなかった理由とは思えず、なぜヒットしなかったのか……?この作風はもうお腹いっぱいなのか、世間のSelena Gomez像とかけ離れているからなのか……謎です。

ちなみに客演のGucci ManeはFifth HarmonyのDownに続いて、自身が客演したポップソングが2連続不完全燃焼に。Rae SremmurdのBlack Beatlesをはじめ、ラップの客演としてはヒットの多いGucci Maneですが、ポップリスナーの間での存在感はまだ無いのでしょうか。

 

× Zedd & Alessia Cara – Stay (↓)

ピーク7位 / チャート滞在31週、かつ全ての週を上半分で過ごすという上々の成績でチャートを後に。ZeddはStarvingに引き続きポップ系アクトをヒットに導き、プロデューサーとしての実績を上げました。またAlessia Caraもこの曲を含めて、女性としては今年最多タイ*53曲がトップ10に入るなど、実績を積み上げています!

両者ともポップ系のラジオを得意としていて、Zeddは初のHot 100入りを果たしたClarityでポップ系ラジオ「年間」5位を獲得。Alessia CaraはHereが最も遅いタイミング(26週め)でポップ系ラジオの1位を獲得、Scars To Your Beautifulも4番めに遅いタイミング(24週め)でポップ系ラジオ1位を獲得しており、ポップ系ラジオで「粘りの実績」が。その二人の曲とだけあって、見事ポップ系ラジオで一位を獲得。今後も二人の「ラジオマスター」の活躍に期待が持てそうです。

 

※この曲のソングライトに携わったNoonie Baoにとっては(関わった曲が)初のHot 100に。後にCamila CabelloのOMGもHot 100にエントリーしています。今年に入ってからはKaty PerryやDemi Lovatoのアルバム曲も担当していて、密かに期待しています。

 

✫ちなみにこの時期にZeddのデビューアルバム、Clarityが5周年を迎え、本人もアルバムを振り返り、懐かしんでいる様子。またビルボードも「Clarity5周年!」という記事を上げて特集しています。


Clarityの一部の曲を取り上げレビュー、現在ポップス界において重要な位置につくZeddの原点となったアルバムのように評し、最後に「おめでとうZeddとClarity!」と言っています。それに対してZeddはTwitterで……(雑な和訳(意訳気味)かつ要約)

「この記事見た時は本当に鳥肌が立ったよ。まあー、でもビルボードがClarityのレビューで✫2つ付けたこと、覚えているよ!あれ結構傷ついたんだよね…………笑 人がこのアルバムの魅力に気づくのに5年かかるのかよ!ってマネージャーに冗談で言ったこともあるよ笑 でもこうやってリリースから5年という長い年月が経ったあとも、アルバムの詳細を解説してもらって、”ダンス音楽”を変えたって言われるのは、リリースしていた時からの野望だったから嬉しいよ!チャート無くしてここまで来られなかったと思うし、ビルボードさんには改めて感謝の意を述べます」

参考→ Zedd (@Zedd) | Twitter

 

こうやってフランクにメディアに意見するスタンスはなかなか興味深いと思います。時にアーティストに対して残酷な評価を下すこともある音楽メディアですが、音楽を盛り上げていくうえで大切な一部だと思います。Chance the Rapperが以前Complexの「ベストカニエアルバム」に対してTwitterで「俺ならこうする!」とアンサーしていたことが話題になりましたが、このようなネットが発達して相互的な発信が可能になったこともあって、「音楽メディアとアーティストの関係性」というテーマも一つ面白い研究テーマになるかもしれません。

 

× DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne – I’m the One (↓)

DJ KhaledがJustin Bieberを迎えたこと、またChance the Rapperが1位を獲得したこと、Quavoが再び1位になったこと、それぞれ肩の力が抜けた良い意味で余裕を感じるパフォーマンスなど……リリース時の衝撃は大きかった曲だと思いますが、意外と早くチャートを後に。

ポップ、ヒップホップ系など幅広い系統のラジオでかかりそうなことから、ラジオの力でロングヒットになるかな?という気もしたのですが、最初がロケットスタートすぎたせいか、また次シングルWild Thoughtsもすぐにヒットして早々「主役交代」となったことから22週という短めのチャート滞在でした。ここまでチャート滞在が短いと、ピークが1位ながらも年間トップ10に入れない可能性も。

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Imagine Dragons – Thunder

今週最もダウンロードが上昇した曲 J Balvin & Willy William feat. Beyoncé – Mi Gente

今週最もストリーミングが伸びた曲 J Balvin & Willy William feat. Beyoncé – Mi Gente

最も高い順位で新登場した曲          Bhad Bhabie – Hi Bich

 

 

今週チャートから外れた曲 (8曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

99 The Revivalists – Whis I Knew You (🗻84位 /⏰9週)

96 Selena Gomez feat. Gucci Mane – Fetish (🗻27位 /⏰12週)

92 Gucci Mane feat. The Weeknd – The Curve (🗻67位 /⏰2週)

88 Louis Tomlinson feat. Bebe Rexha & Digital Farm Animals – Back To You (🗻40位 /⏰10週)

80 Maluma - Felices Los 4 (🗻48 /20)

70 Macklemore feat. Kesha – Good Old Days (🗻70位 /⏰1週)

47 Zedd & Alessia Cara – Stay (🗻7位 /31週)

42 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne – I’m the One (🗻1位 /22週)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

Lil Pump – Gucci Gang (Spotify Apple Music)

Lil Pump – Boss (Spotify Apple Music)

 

この週のアルバムでストリーミング一番人気はLil Pumpでしたが、Hot 100に入るのは多くてもこの2曲くらい?でしょうか。Gucci Gangは多分トップ40まで行くと思います。

 

*1:A Boogie Wit da Hoodie の本名は “Artist” Julius Dubose

*2:ちなみに生年月日でもBhad Bhabie よりもSophia Graceのほうが後

*3:サンプルとして明言されてはおらず、Same Old Loveの制作陣がHavanaのクレジットに入ってもいない。ただ明らかに似ているので、そういう記述がある。明言せず参考にすると利権とか大丈夫なの?という気もしますが、Same Old Loveのソングライター陣は軒並みカミラのソロ曲のソングライトに参加しているので、むしろ本人たちのアイデアでは?と思います。

*4:そのBody Like A Back Roadも、ポップ系ラジオなどに飛び火したことによってHot 100の順位が上がり、それでHot Country Songsの長い一位防衛につながっています。ただ、カントリーファンに限ると、従来のラジオのみではBody Like A Back Roadは3週の1位で、比較的長いほうではあるのですが、Small Town Boyの4週よりも短いです。

*5:テイラーと