チャート・マニア・ラボ (CML)

音楽チャート/ポップス研究家 (自称) 未来のチャートマニア・音楽マニアがニヤッとする記事を作ることが目標! 引用、コメントなどお待ちしております。

Hot 100 11/25 見どころ 【2017年間チャート、集計ラストの週!】

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ビルボードの年間チャートは11月締めなので、今週が2017年の年間チャートラストの週にあたります!皆さんは年間チャートのトップ10に何が来ると思いますか?発表が楽しみです。

写真はMetro Boomin。今週彼の名義の曲とプロデュースした曲(Congratulations)の計3曲を取り上げています。年間チャートにも7~8曲彼のプロデュースした曲が入りそうです。

 

ちなみに2017年間チャートが結局どうなったのか?というのはこちら……↓

 

99 21 Savage, Offset & Metro Boomin – Mad Stalkers (New)

10/31日にリリースされた21 Savage, Offset, Metro Boominのミックステープ、今週は集計日数が先週の3日から増加(7日間フル)したため、全体的にストリーミングが上昇。100位のNightmare (Offset, Metro Boominのみ)と、99位Mad Stalkersの2曲が新たにHot 100入り。今週は計6曲がHot 100に。数値は上昇したものの、アルバムチャートでは他との競合で4位→5位と順位を落としました。

一番人気のGhostface Killersは35位とトップ40圏内にまで入りました。基本的にはこの曲の全員(21 Savage, Offset, Metro Boomin 客演のTravis Scott)トップ40入り歴は既にありますが、Offset名義では初のトップ40です(Migosとしては何回かトップ40入り)

※そのMigosですが、XXXTENTACIONとのビーフ説が浮上しています。(発端はそのOffset?)


 

94 Big Sean & Metro Boomin feat. 21 Savage – Pull Up N Wreck (New)

Bounce Backで自己最高位を記録した*1Big Sean。その時のプロデューサー、Metro Boominと再タッグを組んでシングルをリリース。Pull Up N Wreckが94位で登場。客演はMetro Boominとコンビを組むことの多い21 Savage。

上記ミックステープWithout Warningでの4曲、2016年のEP、Savage Modeから2曲(X、No Heart)に次いで 21 Savage + Metro BoominのコンビでHot 100に入るのはこれで7回目。(21 Savage & Metro Boominの表記ではなく)Metro Boominが裏方に回ることもあり、21 SavageソロのヒットBank AccountもプロデューサーはMetro Boominです。

 

93 Maroon 5 – Wait (New)

Maroon 5の新アルバムの中で2番人気のWaitが93位で登場。1番人気は先行シングルのWhat Lovers Do(後述)。他の先行シングルDon’t Wanna Know、Coldはボーナストラックに回されています。

Sam Smithとのアルバムチャート1位争いに敗れたMaroon 5ですが、純セールスでダブルスコア近い差を付けられています(Sam Smith:18万5000、Maroon 5:9万4000)それだけではなくストリーミングでもSam Smithがかなり優勢で、ボートラを含めSam Smithのアルバムは全曲が(発売日の)Spotifyのデイリー200位圏内に入ったのに対し、Maroon 5のアルバムはこのWaitとWhat Lovers Do以外あまり人気が無くSpotifyデイリーの200位圏内にすら入っていませんでした。グラミーの新人賞候補ともいわれるJulia MichaelsとのHelp Me Outなど注目を浴びそうなシングルもあったのですが……(参考

何かしらの曲がシングル化で巻き返せると良いですね……まあWaitは好調な滑り出しなのですが……

 

79 YBN Nahmir – Rubbin Off The Paint (New)

Apple MusicとSpotifyの両ストリーミングで上昇中のYBN NahmirのRubbin Off The Paintが79位でHot 100初登場。Tay-KのThe Raceとも評されているこの曲ですが、Hot 100入りの要因の一つとしてVince Staplesのリミックスが挙げられているようです。

※「Kendrick Lamarと並んで現シーン最高のラッパー」と評されることもあり、アルバムが評論サイトの採点をまとめたサイトAlbum Of the Yearで今年4位の点を得るなど、かなり高い評価を得ているVince Staplesですが、Hot 100入りはまだ無し。アルバムチャートでも今年のBig Fish Theoryでの16位が最高位です。リミックスも良いですが、本人の曲もいつかHot 100に入ってほしいものです。

 

65 N*E*R*D & Rihanna – Lemon (New)

Pharrell率いるN*E*R*Dの7年ぶりのシングル、Lemonが65位で登場。意外と初のHot 100です。N*E*R*Dの久々の曲としての注目が集まるこの曲ですが、Pitchforkには「Rihannaの独壇場」と評され、ビルボードもこの曲のアイコンをRihannaにしていま……*2

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40 Post Malone feat. Quavo – Congratulations (→)

ストリーミングで長いこと愛され、今週46週目のチャート滞在を記録しているCongratulations。40位。ロングヒットの曲は大方ラジオで息の長さがポイントになっていますが、この曲のラジオのピークは34位と低め。代わりにストリーミングでかなり長い間愛されたことによってここまでのロングヒットとなったのだと思います。リリースから約10ヶ月経ってからアルバムチャートでピークを更新するなど、ストリーミングを中心に長く愛されているPost MaloneのアルバムStoney。CongratulationsはそのStoneyのエース級のトラックなので、それがここまで長くストリーミングで上位に入ってきた理由でしょうか。

Hot 100でのピークは8位ですが、ここまでのロングヒットとなったので、年間チャートでは週のピークが8位とは思えぬような高水準な成績を記録すると思われます。果たしてどこまで行けるか……

 

36 Bruno Mars – That’s What I Like (↓)

Shape of You、Despacitoの2大巨頭に隠れがちですが、このThat’s What I Likeもなかなかの好成績を残した一曲。Hot 100で1位を取ったのは1週だけですが、トップ10に28週滞在し(Despacito(25週)よりも長い)、歴代で7番目にトップ10滞在に!*3

ラジオでは従来から人気だったポップ系ラジオだけでなく、ヒップホップ/R&B系ラジオでも初の1位を獲得するなど、活躍の幅を広げつつ優秀な成績を記録していました。

※先週の記事で言ったように、MacklemoreのGloriousが50位にすら入らない、ポップス寄りの音楽に厳しい(?)ヒップホップ/R&B系ラジオで、従来ポップス系で活躍していたBruno Marsが1位を取る(=認められる)というのはかなり偉業だと思います。

 

31 Lil Uzi Vert feat. Oh Wonder (& Nicki Minaj) – The Way Life Goes (↑)

Nicki Minajリミックスの追加で浮上。Lil Uzi VertのThe Way Life Goesが31位まで浮上。今週から客演に追加されたOh Wonderはこの曲のサンプリング元となったロンドンの男女デュオです。彼らのLandslideという曲をかなりの割合でサンプリングしたので客演に名前を追加したのだと思います。これがOh Wonderの飛躍につながれば面白いですね。

※Lil Uzi Vertも今回の記事サムネのMetro Boominと組むことがあり、彼の初のトップ40(客演ではなく自身の曲での)、You Was Rightや、客演で大ヒットしたBad and BoujeeはMetro Boomin担当でした。また彼のアルバムLuv Is Rage 2でも一曲プロデュースを担当しています。「レオナルド・ディカプリーオ (カシャ)」のフレーズがあるXです。

 

27 Taylor Swift – Call It What You Want (New)

ダウンロード今週1位のCall It What You Wantが27位で登場。...Ready For It?が19位→30位、Look~が34位→37位、Gorgeousが69位→85位とTaylor Swiftのシングルは軒並み順位を落としていますが、アルバムのリリースが反映される来週のチャートではある程度順位を巻き返すのでしょうか?ちなみにストリーミングではアルバム曲が公開されておらず、またiTunesでもシングル単体では買えないので(アルバムのみ)大量エントリーはあまり期待できません。

※その代わりラジオではガンガンアルバム曲をかける予定のようです。アルバム曲のうち一番人気のEd Sheeran、FutureとのEnd Gameはラジオの成績だけでHot 100に入れる可能性もわずかにあるか???

 

26 Ed Sheeran – Shape of You (↓)

歴代最長のトップ10滞在33週を記録した後も、ラジオを中心にポイントをキープし大崩しなかったEd SheeranのShape of You。Despacitoが1位陥落後はそこまで長く上位に留まらなかったこともあって、年間チャートの1位は結局このShape of Youな予感が。終盤の粘りが効きました。

現在44週目で26位のこの曲ですが、「53週目以降の曲は26位以下に落ちたらチャートから外れる」という事実上の“53週目以降の曲を許さない“ルールの壁を突破する可能性もありそうですね。このルール実施以降この壁を超えたのはUptown Funkのみです。現在44週目で26位というと厳しそうですが、53週目付近はグラミーが盛り上がる時期なので、Shape of Youが何らかの賞にエントリーすれば25位以上に入れるのではないでしょうか。

 

9 Maroon 5 feat. SZA – What Lovers Do (↑)

アルバムリリースのタイミングで見事トップ10入り。What Lovers Doが9位に浮上。Maroon 5にとっては13曲目、SZAにとっては初のトップ10。何回か敢行している値引きによるダウンロード上昇とラジオの従来からの好調が要因ですかね。

個人的にこの曲で注目しているのはソングライターのStarrah。Havanaでもソングライトを担当していて、今週彼女が携わった2曲がトップ10に入っているということに。R&B~ポップスを巧みにつなぎ合わせている印象のあるソングライターで、今後の活躍にも期待です。過去のNeeded Me、Fake Loveと合わせて計4曲をトップ10に送り込んでいます。Calvin Harrisの今年のアルバムでも5曲でソングライトを担当しています。

 

※そのHavanaなのですが、先週の木曜日頃からiTunes値引きを行っており、その効果が本格的に現れる来週のHot 100で1位を取るかもしれないです。Daddy Yankeeリミックスもリリースされある程度ダウンロードされています。対抗馬のrockstarも値引きしているのですが、Havanaのほうが明確に伸びているみたいですね。

 

4 Sam Smith – Too Good At Goodbyes (↑)

今週の1位アルバムの先行シングル、Sam SmithのToo Good At Goodbyesが4位に浮上。登場週に記録したピーク5位を更新しています。他にアルバムからはPrayが今週82位で再登場しています。

ポップス系アルバムとしては上々の数字(ストリーミングやダウンロードも含む「総合セールス」)を記録していて、Ed Sheeranの÷ (45.1万)、P!NkのBeautiful Trauma (40.8万)に次ぐ23.7万を記録。ちなみに来週Taylor Swiftが初週100万超えのぶっちぎりの成績をマークする見込みで、ポップスで1番人気なだけでなく今年のアルバムで最もロケットスタートしたアルバムとなりそうです。

全体でもKendrick LamarのDAMN.(60.3万)、DrakeのMore Life(50.5万)、Ed Sheeran、P!nkJay-Zの4:44(26.2万)、LogicのEverybody(24.7万)に次ぐ成績で、なかなかの好成績を残したといえます。

 

※アメリカでもこのレベルの成績を残したので、母国イギリスではもちろんアルバム1位。アメリカではシングルチャートに2曲しか登場しませんでしたが、イギリスでは大量の?曲が登場!…………と言いたいところですが、イギリスには「同一アーティストの曲のエントリーは3曲まで」というルールがあるので、Too Good At Goodbyesが3位、Prayが26位、One Last Songが27位。この3曲がイギリスのシングルチャートに入りました。

ストリーミングの数字を参考にすると、おそらく7曲前後がこのルールによってシングルチャート入りを阻まれています。要はボートラ以外全てがイギリスのシングルチャートに入れるぐらいのポテンシャルを持つアルバムということなのです。*4

 

× Khalid – Location (↓)

ピーク16位ながらも43週とかなりのロングヒットとなったKhalidのLocation。現在1-800-273-8255やSilenceの客演、そしてYoung Dumb & Brokeのヒットなど大活躍中の彼ですが、最初に注目を集めたのはこの曲でした。

ラジオとストリーミングでバランスよくポイントを取っていた印象があります。ポップ系・アーバン系などの幅広い系統でかかりましたが、中でもアダルトR&B系ラジオでは人気で今週もまだこの系統では2位です。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Camila Cabello feat. Young Thug - Havana

今週最もダウンロードが上昇した曲 Maroon 5 feat. SZA – What Lovers Do

今週最もストリーミングが伸びた曲 21 Savage, Offset & Metro Boomin feat. Travis Scott – Ghostface Killers

最も高い順位で新登場した曲          Taylor Swift – Call It What You Want

 

 

今週チャートから外れた曲 (9曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Chris Brown feat. Future & Young Thug – Hige End (🗻100位 /⏰1週)

99 Kip Moore – More Girls Like You (🗻66位 /⏰12週)

98 Devin Dawson – All On Me (🗻98位 /⏰1週)

97 Kenny Chesney – All The Pretty Gilrs (🗻63位 /⏰14週)

96 Quality Control feat. Quavo, Takeoff & Offset – Too Hotty (🗻91位 /⏰4週)

95 Niall Horan – Too Much To Ask (🗻66位 /⏰3週)

93 Jacquees – B.E.D. (🗻69位 /⏰13週)

92 Jon Pardi – Heartache On The Dance Floor (🗻47位 /⏰18週)

48 Khalid – Location (🗻16位 /43週)

 

 

来週以降にHot 100に入るポテンシャルを持った曲をピックアップしました

 

Sofi Tukker feat. NERVO, The Knocks & Alisa Ueno – Best Friend

 

iPhone XのCMで使用されている曲で、植野有砂という日本人のシンガー/モデルが参加!ビルボードのポップ系チャートにはまだ入っていないものの、少しずつポップ系ラジオ・オルタナティブ系ラジオで上昇中、さらにiTunesでも地道に上がってきているので、Hot 100との距離を少しずつ縮めていっていると思います。

史上9人目の日本人のHot 100エントリーがこの曲で達成される可能性は十分にありそうです。ラジオで伸び始めているのは大きいです。

 

Famous Dex feat. A$AP Rocky – Pick It Up

今週Hot 100に登場したYBN Nahmirと同じようにApple Music、Spotify両方で上昇中のPick It UpもそろそろHot 100に登場しそうです。

 

 

 

*1:客演を含むと、Justin BieberとのAs Long As You Love Meと並んで最高タイ、Ariana Grandeと交際していた時にProblem(2位)でささやきを担当していた彼ですが、それはfeat.表記されていないのでノーカウント

*2:深い意味は無いと思いますがね……

*3:ただしこのトップ10長期滞在記録は最近の曲が多い=最近はトップ10長期滞在がしやすくなった、ので過信はできない。トップ10長期滞在しやすくなったのは、ラジオ+ストリーミングとロングヒットの要因になり得る期間が増幅したからでしょうか??

*4:「新しい曲や新しいアーティストに枠を空ける」目的で始まったこのルールですが、個人的には実は少し懐疑的なんですよね……もちろん新曲・新人サポートの狙いは分かるのですが、方法はそれで良いのか?という気がします。例えば新曲・新人の両方に当てはまる新進気鋭のグライムアーティストの曲が何曲も外れるようなケースもあり、狙いと外れたところでルールが適用されていることもあります。たしかに、アルバム曲じゃなくて「シングル」にフォーカスしたチャートを作りたいという意図は分かりますが、アーティスト単位で曲数を制限するのはピンと来ませんね……最近はアーティスト側が決めた「シングル」と違う曲がストリーミングで人気になったりしますし……