チャート・マニア・ラボ (CML)

音楽チャート/ポップス研究家 (自称) 未来のチャートマニア・音楽マニアがニヤッとする記事を作ることが目標! 引用、コメントなどお待ちしております。

Hot 100 12/2 見どころ 【新人ラッパーが多く登場! / 2018年間チャート最初の週】

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 年間チャートの集計が12月 - 11月なので、ビルボード的には今週は2018最初の週なのです!そんな今週は多くの新人ラッパーが初のHot 100入りを果たしています。客演以外、自分の曲では初のNavを入れると4人の新人ラッパーが初のHot 100を記録したことに!写真はその中でも最も高い順位で登場した6ix9ine。

 

 

 

97 Famous Dex feat. A$AP Rocky – Pick It Up (New)

 Rich the Kidのレーベル所属の新鋭ラッパー、Famous DexがA$AP Rockyと組んだPick It Upが97位で登場。以前もA$AP Fergの曲のリミックスでの共演歴があります。FK1 st, Sosa 808による跳ねるようなビートが特徴。

 

96 G-Eazy – The Plan (New)

 G-Eazyがアルバムに向けたプロモーション用シングル、The Planをリリース。96位で登場。

 2つ前のアルバム、2014年のThese Things Happen(デビュー作)で一番ヒットしたシングルI Mean Itのピークは98位*1でしたが、プロモシングルでその当時の成績を上回ったことになります。彼の現在の勢いを感じます。

 3週間後にリリース予定の3枚目のアルバムでは、No Limitで参加しているA$AP Rocky、Cardi BのほかJay-Z・E-40といった大物ラッパー、現在のG-Eazyの恋人Halsey、Charlie Puth、Kehlani、Anna of the North*2などのシンガーなどの参加が噂されています。

 

93 Lil Xan – Betrayed (New)

 Lil XanのBetrayedが93位で自身初のHot 100に。Spotifyで主に人気のようです。

 Lil XanはおそらくXanax (日本語:アルプラゾラム抑うつ剤)から取った名前ですが、このBetrayedはそのXanaxに対する問題点を述べる歌である、と本人は述べています。過去にはXanaxにハマっていたものの、現在はそこから抜け出したようです。

(参考↓)


 69 Keith Urban – Female (New)

 11/8に行われたCountry Music Association Awardsで披露されたKeith UrbanのFemaleが69位で登場。映画プロデューサー、Harvey Weinsteinのセクハラ疑惑に影響を大きく受けて作られた曲のようです。当の本人、Keith Urbanはソングライトに参加していないですが。

 今年前半にヒットしたCarrie UnderwoodとのThe Fighterはかなりポップに攻めた一曲でしたが、それよりかは純カントリーに戻っていった印象があります。

 

65 Nav feat. Lil Uzi Vert – Wanted You (New)

 The WeekndのレーベルXOに所属するプロデューサー / ラッパーNavとLil Uzi VertのWanted Youが65位で登場。Navはプロデュース/客演を担当した Travis ScottのBeibes in the Trap (90位) 以来2回目のHot 100に。

 Nav初のミックステープからのシングルSome Wayでは惜しくも101位でHot 100入りを逃していました*3。この曲ではThe Weekndが客演し、その歌詞の一部が彼の当時の彼女Selena Gomezに手を出した(?)Justin Bieberへの挑発になっているとも捉えられ、少し話題になっていました。(参考

 

58 6ix9ine – Gummo (New)

 6ix9ineのGummoが58位で登場。彼にとって初のHot 100に。スクリーム・ラップとも評される異色のラップスタイルが話題を呼び、YouTubeやサウンドクラウドSpotifyApple Musicなど多数のストリーミングサービスで人気となっています。元はTrippie Reddに向けられたビートだったようですが、そのビートを本人から譲り受けたようです。

 初登場でいきなり58位はかなり高い数字だと思います。個人的にBobby ShmurdaのHot N****を彷彿とさせる曲だと思っているのですが、この勢いのままHot N****のようにトップ10入り(ピーク6位でした)を果たすことは出来るのか?

 

(参考)

“GUMMO”がヒット中のラッパー6ix9ineってどんな人物??? | Black Music Dictionary

 

41 Kendrick Lamar feat. Zacari – LOVE. (Re)

 【21週目以降の曲が51位以下に落ちた時、Hot 100から外す】というルールによって11週前の85位を最後に、チャートから外れたKendrick LamarのLove.ですが、その後再浮上を果たし、ボーダーの50位を超えてHot 100に再登場。今週41位。ちょうど外れたぐらいのタイミングでシングル化され、ラジオでかかり始めたことが再浮上の要因です。

 

 その21週目以降~のルール、通称リカレントルールですが、浮上の兆しがある曲をルールの適用外にする場合があります。最近ではTravis ScottのButterfly Effectが21週目に51位など、それに当てはまりました (参考

 この曲もちょうどチャートから外れた時期にシングル化されたので、外れるタイミングで「浮上の兆しがある」とも取れた気がしますがピークが18位と高かったことからか、「この程度の浮上では不十分?」とされてルールが通常通り適用され、チャートから外れました。

 ビルボードは「21週目以降51以下」の箇所を明文化していますが、例外の部分は詳細が不明なので、チャートマニアなりに推測するしか無いです。個人的には・大前提として上昇中 ・そのうちピーク更新の見込みがある曲 ・ラジオはまだ上り調子か? ここが例外か判断する上でのカギだと思っています。

 

38 SZA – The Weekend (↑)

 前シングルLove Galoreに引き続き、SZAのThe Weekendがトップ40に突入!今週38位。ストリーミングの数字が安定している(特にApple Musicで)ことに加え、アーバン系、リズミックなどのラジオが上がってきたことがトップ40入りの要因です。Love Galoreで記録した自身の曲での最高位32位を超えられるか。(客演ではWhat Lovers Doが9位に到達)

※今週はポップ系ラジオでの数字が常に高いCharlie Puthもトップ40入りを果たしています。How Longが今週40位で自身通算6曲目のトップ40。

 

18 Taylor Swift - ...Ready For It? (↑)

 Taylor Swiftがここ約2年で1番のセールスを記録して今週のアルバム1位に君臨。アルバムのシングルのうち...Ready For It?がHot 100で一番高い順位につけています。ここ数週46位→19位→30位→18位と乱高下しています。

 ほかLook ~が久々の上昇で30位、Call It What You Wantが73位、Goregeousが89位に入っています。他のシングルはストリーミングで開放されていないだけでなく、iTunesにすら無い(アルバム単位でしか曲を買えない)ため、Hot 100に入ることが出来ませんでした。1989リリース時はShake It OffがHot 100の1位につけていました。

※今週のチャートは年間チャート集計最初の週なので、アルバム2018年間チャート1位を狙うには最適な週です。Adeleがアルバムをリリースしない限りTaylor Swiftの2018アルバム1位はもう確定かも……

 

※純セールスは約122万。1989の約128万を少し下回っています。また、開放しているシングルの数が違うとはいえ、シングルのダウンロードでもかなりの差があり、1989との落差は多少感じる結果に。さらに、200万枚の販売を予測していたという報道もあり、それを考えると122万でも意外と不足感のあるセールスなのかもしれません。

 もちろん2作連続でこんなに売り上げるTaylor Swiftは間違いなく凄いのですが、ややキャリアの停滞感は否めません。

※ちなみにAdeleの25の初週のセールスは約338万。この数字の前ではTaylor Swiftも滲んでしまいますかね……

 

✫参考 1989 (2014年10月27日)、Reputation (2017年11月10日) リリース日のiTunesシングルの様子

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14 Eminem feat. Beyoncé – Walk On Water (New)

 EminemのスキルフルなラップにBeyoncéの力強いボーカルが乗ったWalk On Waterが14位で登場。超大物同士のコラボとだけあって注目度が高いです。ソングライターにはLove the Way You Lieも担当したSkylar Greyが起用されており、目指すはポップス系ラジオ寄りのアンセムでしょうか。

 ちなみにEminemもBeyoncéもこれが通算57曲目のHot 100エントリーで、歴代19番目に多いエントリー数です。

 

3 Lil Pump – Gucci Gang (↑)

 Lil PumpのGucci Gangがストリーミング・ダウンロードを上げHot 100の3位まで食い込んできました。ビデオの再生も快調に伸ばし、Apple Music、Spotifyでもrockstarに次ぐ2位につけています。ダウンロードがそれに追いつくかのように今週伸びて、Hot 100の3位まで入ったのですが、ラジオはまだまだ。

 リズミック系で28位、アーバン系(ヒップホップ + R&B)で25位ですが、ラジオの成績は全体の100番目程度と推測され、Hot 100の3位としてはかなり少ないです。

 今週は3位まで食い込んだものの、ダウンロードが先週からそこまで伸びていないこと、ラジオがまだまだなことからHot 100の1位はまだ遠いと思われます。

 それよりも今週Hot 100の4位で、ラジオ1位を獲得したImagine DragonsのThunderのほうが早くHot 100の1位を取る可能性がありあそうです。(バンド初のラジオ1位)次の1位はおそらくHavanaですが。Thunderが1位になるかはHavanaの好調がどこまで続くかにもよりますね。Thunderはストリーミングのピークが少し前に来ていた点がマイナスですね。

 

ビルボードはこのGucci Gangについて、「公式のYouTubeビデオのほか、ユーザーが作成したオリジナルビデオが人気を集めている」と記事で書いていましたが、YouTubeでの”Gucci Gang”の検索を眺めると、そこまで多いか?という印象です。公式:1.55億、に対して有力なリミックス2つは340万、280万程度。

 再生数などの調査を行うニールセンがどこまで詳しいデータをビルボードに渡しているかは分かりませんが、公式ビデオの再生数と民間ビデオの再生数を分けたデータを渡しているかどうか、がこの件では気になります。そして民間ビデオをどこまでキャッチしているかも気になります。さすがにただ音源を引っ張ってきただけの違法アップロード(?)はカウントしないでしょうし、線引きが難しそうです。

 ちなみにまだこの曲は○○チャレンジ みたいなのをあまり聞きません。

 

× Sam Hunt – Body Like A Back Road (↓)

 カントリーでは4年ぶりのトップ10を記録し、さらにはポップ系ラジオに人気が飛び火するなどしてロングヒットとなったBody Like A Back Road。6位ピーク / 41週滞在とかなりの好成績を残してチャートを後にしました。ピークは6位、トップ10に滞在したのは8週とそこまででもない成績に見えますが、20位以上にいた期間がかなり長いため総合的なヒット度は高く、年間チャートでトップ10入りの線が強そうですかね。

※この曲はHot Country Songsの1位最長記録を更新しました(34週)。ヒット度の観点からは最長記録に相応しい立派な記録を残していたと思います。ですが、Hot Country Songsは事実上2013年以降である……などの理由から、あまり有効な記録ではないと思うので、Hot Country Songsの記録よりも年間チャートの順位の高さに価値があると私は考えています

 

× DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wild Thoughts (↓)

 Wild Thoughtsがピーク2位、チャート滞在21週でチャートから外れました。

リリース時に大きく注目を浴びる → ラジオ・ストリーミングを両立し高いピークを記録する → しかし序盤に飛ばしすぎたことから、後半息切れし途中から急落 という、I’m the Oneと同じ流れを辿ってチャートを後にしました。(I’m the One はピーク1位 / 22週滞在)

 一時期ラジオで1位になり、絶妙なタイミングでiTunes値引きを敢行したのですがDespacitoの壁は高く1位にはなれず。一応イギリスでは1位になっています。

※アルバムもリリースされた週はImagine Dragonsとの熾烈な1位争いを制し、次の週も1位など出だしは絶好調だったのですが、その後シングル群と同じく落ちるのが早めでした。1位を争ったImagine Dragonsは今週アルバム12位、DJ Khaledは今週アルバム79位です。

※実はDJ Khaled、Imagine Dragonsにセールスでは完敗していました。その週についてはこちら……↓

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Camila Cabello feat. Young Thug - Havana

今週最もダウンロードが上昇した曲 Camila Cabello feat. Young Thug - Havana

今週最もストリーミングが伸びた曲 Lil Pump – Gucci Gang

最も高い順位で新登場した曲          Eminem feat. Beyoncé – Walk On Water

 

※今週からダウンロード / ラジオは最も上昇した曲(Greatest Gainer)が表示されなくなれましたが、ダウンロード/ラジオの個別チャートを見れば分かります。

(一時的な現象だったようです。データが間に合っていなかっただけ?)

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今週チャートから外れた曲 (9曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Offset & Metro Boomin – Nightmare (🗻100位 /⏰1週)

99 21 Savage, Offset & Metro Boomin - Mad Stalkers (🗻99位 /⏰1週)

98 Macklemore feat. Skylar Grey – Glorious (🗻49位 /⏰18週)

94 Big Sean & Metro Boomin feat. 21 Savage - Pull Up N Wreck (🗻94位 /⏰1週)

93 Maroon 5 – Wait (🗻93位 /⏰1週)

82 Sam Smith – Pray (🗻55位 /⏰2週)

73 21 Savage & Metro Boomin – My Choppa Hate N****s (🗻73位 /⏰2週)

49 Sam Hunt - Body Like A Back Road (🗻6位 /41週)

48 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller - Wild Thoughts (🗻2位 /⏰21週)

 

 

来週以降にHot 100に入るポテンシャルを持った曲をピックアップしました

 

Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You

 クリスマスソングの花形。今年も例年と同じようにダウンロードやストリーミングで上昇してきています。そろそろHot 100にも出てくるでしょうか。ちなみに昨年は12月の3週目に登場。

 現在iTunesSpotifyで50位前後。

 

Farruko, Bad Bunny, Nicki Minaj feat. 21 Savage & Rvssian – Krippy Kush

 ラテンアーバン系のヒット曲にリミックスとしてNicki Minajと21 Savageが追加。元々トラップ風の一曲だったので英語圏ラッパーとも相性は良さそう。リミックスのリリースが火曜日だったので、Hot 100入りは集計がフルになる再来週となるのが定番ですが、9月半ばに101位に入るなど元からそこそこヒットしていた曲なので、3日分のプラスアルファだけでもHot 100に入れる程度のポイントを稼ぐかも=来週のHot 100に入るかも

 

 ☆この週の順位表100位~1位はこちら↓

 

ビルボードによるHot 100 / アルバムチャート記事(書くうえで参考にしています)

 

 

 

 

*1:この曲がエントリーしたのは2015年序盤

*2:ノルウェー出身。今年Tyler, the Creatorのアルバムに参加

*3:母国カナダでは31位まで行きました