↑こういう表作って眺めるのが個人的に好きです (でもアプリのスタンプが残っている雑編集ですいません、、、)
昨年まではシングル単位で曲を聞く機会が多かったのですが、今年はアルバムで聞く機会が若干増えた気がします。
昨年はBest Album 20だったのですが、Best Album 30まで今年は拡張しました。年末のアルバム(具体的に言うと12/15以降、例えばCharli XCXのPop2など)は来年のリストにまわしています。
それでは今年のベストアルバムを発表していきます!
……とその前にアルバムと別枠で選んだベスト4EPから……
それは以前レビューを書いたこの2つと
Rina Sawayama - Rina (EP) とSigridのDon't Kill My Vibe (EP)です!
前者はロンドン在住の日本人によるもの。7曲EPながらも好ポップスが多く並ぶ完成度の高い作品で 、Pitchforkの「ベストポップ / R&B アルバム」の19位に入るなど、メディアからの期待もかなり高そうです!
後者はノルウェーのシンガー。ブレイクのきっかけとなったDon't Kill My Vibeのほかスケールの大きいエレクトロポップが特徴。このEPの後にリリースされたシングル、Strangersも好トラックで、今後が楽しみなシンガーです。
では、本編に参ります。
30 Pollàri - lil llàri galaxy
アトランタ出身の新人ラッパー。重厚なボーカルスタイルと、ある意味不安になるような歪でヘビーなビートが特徴的です。まだまだ未知の新人という感があるのですが、一発シングルヒットを飛ばしそうな個性的なセンスを感じます。アルバムにはLil Yachtyなどが参加。アルバム最初のトラックはMy Beautiful Dark Twisted Fantasyなのですが、カニエのアルバムで例えるならば、Cruel Summer か 808's & Heartbreakが近いように思います。
29 Khalid - American Teen
今年、最も飛躍を遂げたシンガーの一人、Khalid。最初にLocationを聞いたときは、しっとり聞かせる、アダルトR&B系志望のシンガー、と思ったのですが、アルバムでその印象は一変。Young Dumb & Brokeを筆頭に、自身の声を活かしつつポップにアルバムを作り上げていました。このアルバムで幅広いジャンルに対応するポテンシャルを見せ、今年の後半にはImagine Dragons、Lorde、Marshmelloなど多用な方面から引っ張りだこ。来年以降の活躍も楽しみです。
28 Harry Styles - Harry Styles
先行シングル、Sign of the Timesの時の衝撃度はZaynのPillowtalk以上でした。アルバムでも初志貫徹し、Sign of the Timesのようなクラシカルロック系のポップで固め、完成度が高かったように思います。Sign of the TimesはHot 100の4位でデビューしたものの、後に調子を落とし結局わずか13週でチャートを去りました。また、アルバムリリース後にシングルカットした曲もHot 100に入れないなど、チャート面だけを見るとややネガティブな印象もあります。ただし、そのネガティブな印象を吹き飛ばし、ヒットチャートが主戦場だったOne Direction時代からの大きな変貌を遂げたアルバムだと感じました。
27 The xx - I See You
荘厳な雰囲気とポップさを両立したThe xxのアルバム。インディーのサウンド感覚を保ちながら、イギリスのシングルチャート100位圏内に10曲のうち7曲が入るなど、メインストリームのリスナーにもに響きました。メンバー各々のセンスが重なりあって、出来た美しいアルバムであることをフジロックのライブで実感しました。
26 Betty Who - The Valley
昨年I Love You Always Foreverのカバーでが地元でヒットとなった オーストラリア出身のポップス系シンガーソングライター、Betty Who。彼女のポップセンスが発揮されたアルバムで、多くのエレクトロポップ・アンセムが並んでいます。オーストラリア以外や、批評家からはまだ注目されていませんが、何故か日本のカラオケで歌えます(Mama Say)
25 J Hus - Common Sence
イギリス出身のラッパー。トラックやビートに特長のあるアルバムで、Clartinでは吠えたり、それらを巧みに歌いこなしています。表題曲になっているCommon Senseはとにかくオシャレ。Ⅰ番のヒット、Did You Seeは哀愁漂うトラックとボーカルの組み合わせが心地よいです。リミックスではPopcaanが入ったダンスホール曲、Bouff Daddyもアルバムのハイライトの一つです。
24 Gorillaz - Humanz
近年ポップスにまで進出している、R&B / Hip-Hop界隈のアーティストたちを、ロックスターが巧みに調理したアルバムだと思います。Danny Brown・Vince Staples、そして以前も組んだDe La Soulなど拘りの客演陣が多く揃い、見どころの多いアルバムだと思います。最後のWe Got the Powerの終わり方も気持ち良いです。
23 LCD Soundsystem - American Dream
ディスコパンクの名手の復活作。気持ちよくじっくりと「揚げられる」感覚があり、アルバム全編を聞くと低音でおいしく熱せられた旨味たっぷりの料理のような気分になると思います(?)一曲一曲が長く、濃度の高いアルバムで、一度聞き始めたら途中で止めずに最後まで聞くと気持ちが良いと思います。
22 21 Savege, Offset, Metro Boomin - Without Warning
今年のUS年間シングルトップ100に、8曲をも送り込んだ名ラップ・プロデューサーMetro Boominと21 Savage・Offsetによるジョイントアルバム。そのアメリカを支配したMetro Boomin節が存分に味わえる一枚。ハロウィンの日に緊急リリースされたアルバムなのですが、ゲリラリリースでこんなアルバムを味わえるとは幸せなものです。(しかも21 Savage, Metro Boomin, Offset(※Migosの1員として)全員が今年既に別のアルバムをリリース済という点もすごい)
21 Tove Lo - Blue Lips
前作Lady Woodはかなりダークでしたが、今作Blue Lipsはそれと比べるとかなり明るく開けているという印象があります。前アルバムで見せたポップセンスは健在で、注目を集めた先行シングルのDisco Titsのほか、Bitchesも美味な新アンセム。以前よりも"Go Indie"している印象のあるTove Loですが、このアルバムを聞く限り、再びポップシンガーたちの「裏方ソングライター」としても活躍できそうです。
20 Demi Lovato - Tell Me You Love Me
今年Hot 100でSorry Not Sorryが自己最高の6位を記録するなど、飛躍を遂げたDemi Lovato。アルバムでは、ロック系のR&Bをベースにしたサウンドプロダクションと、Demi Lovatoのパワフルな声と合わさって、魂のこもった一枚になっています。Sorry Not Sorry、Sexy Dirty Love などの親しみやすい曲に加え、力強いボーカルを最も感じるCrybabyなどがアルバムのハイライトだと思います。
19 Charli XCX - Number 1 Angel
Charli XCXの普段の様子をSNSで見る限り、彼女はかなり友達を多そうである。そのような、他のファンとの2ショットなどを見ると、ファンは「コラボ!コラボ!」とコメントを送る。そのファンの希望を叶えたのがこのミックステープだと思います。ポップスシンガーは、アルバムを慎重にリリースし、シングルカットもゆっくり行い、1枚1枚を丁寧に行う傾向にあると思っていたので、このようなフットワークの軽い刺激的な試みはかなり革新的に感じました。このミックステープはR&B / Hip-Hop系アーティストとのかかわり合いが見どころだと思います。
イギリスのプロデューサーによる、マジカルなサウンド空間が広がるアルバム。A$AP RockyとのLove$ick、Charli XCXとの1 Nightなど前半のトラックに注目が集まっている印象はありますが、個人的にはChristine and the QueensとのSecond To None、Damon AlbarnとのBluなど後半の「温かい」トラックも好みです。
17 Allie X - Collxtion Ⅱ
カナダのポップ系シンガー。雰囲気の良いポップソングが並び、ある種癒やし系のトラックや、哀愁のあるメロディラインを持つトラックなどを取り揃えています。アルバム。2曲目でソングライトを担当したTroye Sivanや、Melanie Martinezのファンにはオススメかもしれません。
16 Rostam - Half-Light
元Vampire Weekendのメンバー、Rostamによる才能爆発系ポップス曲集。文字通り「爆発」を感じるDon't Let It Get To Youや、アンセム性のあるBike Dreamなどがアルバムのハイライト。多種多様なサウンドを楽しめるアルバムで、その才能を活かし今後彼がどのような方面と関わり合っていくかにも期待したいです。
15 Young Thug - Beautiful Thugger Girls
唯一無二の特徴的な声を持つ、Young Thugの意欲作。アルバムタイトルにあるように、"Beautiful"・美しさが際立つアルバムで、トラップ的なセンスとギターサウンドや女性ボーカルとの重なり合いがこのアルバムの見どころだと思います。先日、雲を眺めながら「美味しそう……」と眺めるYoung Thugの画像を見かけたのですが、なんだかそのイメージと合致するアルバムのように思いました。
14 Noga Erez - Off the Raddar
イスラエルのシンガー / プロデューサー。エッジの聞いたサウンドプロダクションが特徴のポップ~オルタナティブアルバム。アルバムの主役曲・Dance While You Shootは最近Apple MusicのCMにも起用されていました。全編に渡って、サウンドプロダクションの優秀さを感じるアルバムで、今後の彼女の飛躍を期待したいです。Kanye Westのアルバム・Yeezusが好きな方や、Kendrick LamarのLOVE.が好きな人に向いているアルバムかも。(YeezusとLOVE.はそこまで似ていませんが)
13 SZA - Ctrl
Katy Perryと同じ週にリリースされたSZAのアルバムCtrl。週の後半にはiTunesでそのKaty Perryを抜かして1位浮上して、驚いたことを覚えています。その後もSZAのアルバムは注目され続け、年末に発表されたYear-EndリストではKaty Perryを上回る順位を記録。今後も長く愛されていきそう、そんな説得力のあるアルバムだと感じました。
12 Tyler, the Creator - Flower Boy
アルバムチャート1位争いではLana Del Reyに惜しくも敗れたものの、アルバム全曲がSpotifyのランキングにエントリーするなど、飛躍を遂げたTyler, the Creator。他にもラジオでこのアルバムからの曲がかかりそれを聞いて嬉し泣きする、というエピソードも。ノルウェーのシンガー・Anna of the Northなどの意外な面子を含んだ客演陣も見どころの一つだと思います。
11 Poppy - Poppy. Computer
とにかくかわいい系のアルバム。この系統は奇抜で取っ付きづらい場合もありますが、このアルバムは非常に聞きやすく感じました。My Microphone ~ Moshi Moshi ~ Computer Boyと3連続でアンセムが続く部分がこのアルバムのハイライトです。批評でもメインストリームでもほぼ注目されていないアルバムですが、個人的にかなりハマったアルバムでした。
10 Beck - Colors
アルバム全編が「Beck先生の教える、ロックのポップへの組み込み方講座」のように感じました。現在、正統派のロックがメインストリームで苦戦をし、また批評家メディアもヒップホップへと舵を切り、より一層「ロック曲のヒット」が求められているように個人的に感じているのですが、そのヒントがこのアルバムに詰まっていると思います。このアルバムから何かしらのシングルヒットが出ることに意義があると思うので、何かしら来年ヒットしてほしいです。(Up All Nightは現在ロック系ラジオで無双中、Hot 100はまだ)
9 St. Vincent - MASSEDUCTION
鬼才・St.Vincent。Pillsのような暴力的ともいえる破壊的ギターサウンドが特徴的ですが、個人的にはNew Yorkのようなバラード系も好き。(前作で言えばHuey Newton)その「破壊」・「美」の融合をハイレベルなポップセンスと共に楽しめるアルバムだと思います。わりとインディー寄りな人、な印象があると思いますがメインストリーム系の音楽ファンでも楽しめるアルバムだと思います。
8 Dirty Projectors - Dirty Projectors
かなり暗い色使いのジャケットにあるように、かなり怨念的な雰囲気が漂うアルバム。「引き込み力」が素晴らしいアルバムで、最初のKeep Your Nameほか、Death Spiral、Ascent Through Cloudsなどがこのアルバムを象徴しています。特にアルバム後半のAscent Through Cloudsは泣いてしまいそうな、凄まじいエネルギーを感じる曲です。
7 Paramore - After Laughter
実は、私の音楽の聴き始めはエモ系統ロックでした。このParamoreも私のヒロイン(ヒーロー)の一つでした。ですが、日が経つにつれ音楽の趣味も変化していき、現在は音楽チャートを追っているということもあり、ポップス~ヒップホップが主な私の趣味となりました。そんな現状エモ系統ロックは、あくまで「懐かしい」ものなのですが、そんな「かつて」のヒロインが、今の私の好みテイストのアルバムとは!そんな特別な気持ちのあるアルバムです。
6 Kendrick Lamar - DAMN.
どこを取っても欠点の無いアルバムで、たしかに多くのメディアがしているように1位にしたい理由や気持ちも分かります。ただKendrick Lamarのポテンシャルやアルバムの立ち位置を考慮し、ある種の期待を込めてこの位置にします。James Blakeと組んだELEMENT.、Mike Will Made-Itと組んだDNA.は新鮮でした。
5 Kehlani - SweetSexySavage
注目を集めるR&Bシンガー、Kehlani。そんな彼女のファーストアルバムはトラップ風の曲を歌いこなすなどの器用さも際立つが、何よりもアルバム全体に感じるエモーショナルな雰囲気が最大の特徴。Distraction、Undercoverなど人気のある曲のほか、アルバム最後のThank Youでの締め方もまたたまらないです。R&Bとジャンル分けされる彼女ですが、アルバムではポップセンスもかなり感じたので、今後のメインストリームでの活躍も期待したいです。
4 Migos - Culture
年間チャート・まとめ記事でも書いたように、関連アーティスト(Cardi Bなど)や、メンバーのソロでの活躍を含めて、2017年の音楽界の中心にいるのは間違いなくMigosでした。そんな主役・Migosがいかに主役たらしめるかの説得力があるアルバムです。特に1曲目~4曲目までの勢いは凄まじいです。あと、密かにアルバムジャケのデザインも個人的に好きです。
3 Lana Del Rey - Lust For Life
Max MartinやBenny Blancoというポップ系のプロデューサー、The Weeknd・A$AP Rocky・Playboi CartiなどのR&B / Hip-Hop勢がゲストに、さらにアルバムジャケットで笑顔を披露するなど、今までと違う点がいくつも存在する今回のLana Del Reyのアルバム。意欲的に新要素も加えつつ、Lana Del Reyの持つ荘厳な雰囲気をキープした新境地を見せた彼女の最高傑作と感じました。アルバムのどこを取っても美しいです。
2 Vince Staples - BIg Fish Theory
Kendrick Lamarと双璧を成す現在最高のラッパーとも評されるVince Staples。今作では他のラッパーとはまるで違うビートを取り入れる新規性を見せました。そのKendrick Lamarと組んだYeah Right、Love Can Be...などのトラックが非常に刺激的。ネクストレベルの彼が見せた唯一無二のアルバムだと言えます。
1 Lorde - Melodrama
正直ここまで今年Lordeが好きになるとは予想外でした。Green Lightが一番メディアに取り上げられることが多いですが、個人的にはLiabilityとPerfect Placesがアルバムの軸になっていると感じます。アルバム真ん中のバラードLiabilityではそこまでの流れを巧みに昇華させ、さらにアルバムに引き込む。そして最後のPerfect Placesが本当に素敵。このアルバムの最後に聞くPerfect Placesは、今年の音楽で最も美しかったです。他のアルバムも良かったですが、このアルバムが飛び抜けて1位でした。