ここ数週100位付近にいたBest FriendがついにHot 100入り!日本人史上9曲目のHot 100入りを達成しました!タイトルのアリサ from TokyoはそのBest Friendの歌詞の一部です。その曲を中心に今週のHot 100について書いていきます。
100 Sofi Tukker feat. NERVO, The Knocks & Alisa Ueno – Best Friend
ついにHot 100入りを果たしたBest Friend!これで日本人にとって9曲目/8人目のHot 100入りを成し遂げました。以下が歴代でHot 100に入った日本人の曲リストです。
① 坂本九 – Sukiyaki (ピーク1位/滞在14週) /1963年
② 坂本九 – China Nights (ピーク58位/滞在6週) /1963年
③ ピンクレディー – Kiss In The Dark (ピーク37位/滞在11週) /1979年
④ YMO – Computer Game Theme from The Circus (ピーク60位/滞在9週) /1980年
⑤ オノ・ヨーコ – Walking On Thin Ice (ピーク58位/滞在10週) /1981年
⑥ 横倉裕 (Yutaka) – Love Light (ピーク81位/3週) /1981年
⑦ 松田聖子(Seiko) & Donnie Wahlberg – The Right Combination (ピーク54位/滞在13週) /1990年
⑧ ピコ太郎 – PPAP (ピーク77位/滞在4週) /2016年
⑨ (Sofi Tukker feat. Nervo, The Knocks &)植野有砂 – Best Friend (ピーク100位/滞在1週目) /2018年
※ ピークは週間チャートでの最高位、滞在はHot 100に何週間滞在したか?を指しています
坂本九は2回入ったため、Hot 100に入った「人数」では8人です。日本人が客演でHot 100にエントリーするのは今回が初です。
ポップ系ラジオで20位・オルタナティブロック系ラジオで20位など、ラジオを中心にポイントを稼いでいます。現在リズミック系でもかかり始めるなど、幅広い系統でかかっている点が特徴的です。そこに割引でのダウンロード増が加わり、Hot 100エントリーを達成しました。1/8にJimmy Fallonのテレビ番組に出演したことにより、そこからさらにダウンロードが増えたようです。来週のHot 100では順位がさらに伸びそうです。今後に期待です。
✫なぜ植野有砂さんがHot 100に入ることができた?
この曲の4組(Sofi Tukker、Nervo、The Knocks、植野有砂)はいずれも今回がHot 100初エントリーで、知名度は高くはなかったです。しかし、iPhone XのCMにこの曲が採用されると、ラジオでもかかり始め少しずつ上昇。今週Hot 100にまで辿り着きました。CMに採用されたことが、かなりプラスに働いたといえそうですね。
しかし、日本で歌手としての活動実績がほぼ無い(シングルリリースは今まで無いみたいです)植野有砂さんが客演に入ったのか?個人的な見解を述べると、彼女がDJをするからでは?と考えています。この曲メインのSofi TukkerはDJ / シンガーのデュオ。そして客演のNERVOはDJ2人組(この曲以外でもボーカルを担当することもある)、The Knocksはエレクトロ系デュオ(たまにボーカルも担当 前アルバムの2,5,9など)と、全員が「DJなどエレクトロ系のメンバー」で固められているということが分かります。その「DJ統一」(?)に「日本語歌詞を入れたい!」となって日本人DJの一人の植野有砂さんに白羽の矢が立ったのではないか!? というのが私の推測です。
※日本人とHot 100については↓の記事が分かりやすいです。
97 NAV feat. Lil Uzi Vert – Wanted You
今週クリスマス曲が5曲、Travis ScottとQuavoのジョイントアルバムの7曲などがチャートから外れたことにより、Hot 100の「枠」が大きく空き、このWanted Youなど再登場が多く見られました。(計7曲) ほか、下位ではおおよそ5-10くらい順位を上げている曲が多いです。
92 Maluma & Nego do Borel – Corazon
ShakiraとのChantaje、自身のFelices Los 4でHot 100入りの実績がある、コロンビア出身のシンガー、MalumaのCorazonが92位で登場。客演のNego do Borelはブラジル出身のシンガーで、一部ポルトガル語歌詞もあります。YouTubeで今週最も再生された曲のようです。(ラテン系はYouTubeで強い傾向にあります)
昨年はラテン系のスペイン語歌詞曲の躍進が際立ちましたが、今年はブラジル系のポルトガル語歌詞の入った曲も躍進するでしょうか。
83 Keala Settle & The Greatest Showman – This Is Me
今週アルバム1位を獲得したThe Greatest Showmanのサントラから、Hot 100に4曲が登場。83位のThis Is Me、85位のRewrite the Stars、88位のNever Enough、95位のThe Greatest Showman。83位のThis Is MeはKeshaによるバージョンもありますが、Hot 100にエントリーしたのはキャストによるバージョンでした。ストリーミングでも人気のこのアルバム。主にヒップホップリスナーが多いApple Musicでも、このThis Is Meが47位に食い込むなど人気という点が、個人的には意外でした。このストリーミングの成績が働き、しばらくアルバムチャートの上位に残るかも。
※今週のアルバムチャートは新エントリーがかなり少なく、新登場の最高位は137位のTay-Kのアルバム。(これもリリースは今週ではない)
80 WALK THE MOON – One Foot
Shut Up And Danceでおなじみ、WALK THE MOONが久々のHot 100入り!One Footが80位で登場しています。Shut Up And Danceに次いで2曲目のHot 100エントリーです。オルタナティブロック系ラジオで3位と好調なほか、ポップ系ラジオでも24位に入っています。今のところラジオでのみ人気ですが、この人気がストリーミングに飛び火すればShut Up And Danceの再来になるかも。
71 Camila Cabello – Never Be The Same
ラジオ・ストリーミングで数字を伸ばしてHot 100に再登場したCamila CabelloのNever Be The Same。71位での再登場。USのストリーミングではヒップホップ1強で、ポップスが弱めなので、ストリーミングで奮闘しているのは好材料です。今週末にはアルバムリリースが控えていますが(それがチャートに集計されるのは再来週)、アルバムでどこまでインパクトを残せるでしょうか。以前はEd Sheeran、Chance the Rapperなどの客演が噂されていましたが、客演はHavanaのYoung Thugのみに絞ったよう(トラックリストに名前なし)で、それがどのように働くかに注目です。
40 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & Watt – Let Me Go
Hailee SteinfeldなどのLet Me Goがトップ40入り。Starvingに続くDJ起用が成功したといえます。Alessoにとっては2014年のHeroes (Tove Loとの)に次いで2曲目のトップ40入りです。Florida Georgia LineはBebe RexhaとのMeant To Beに引き続き、ポップ系アクトとのコラボを成功させています。
Wattはこの曲が初のHot 100エントリーで、トップ40も初めてですが、プロデューサー/ソングライターとしては5曲目のトップ40に。
AlessoはRita OraのAnywhere (イギリス最高2位)でもプロデューサーを務めており、今後ポップ系プロデューサーとしての仕事が増えるかもしれません。
35 Bruno Mars & Cardi B – Finesse
ダウンロード・ストリーミングの集計は1日のみ、ラジオは4日(ラジオはゆるやかにしか上昇しない)のみの集計ながらも、高い人気を得たBruno Mars・Cardi BのFinesseがいきなり35位で登場。7日分がフルに集計される来週は上位へのジャンプアップが確実です。
iTunesで現在1位、ラジオでポップ~ヒップホップ系と幅広い系列でかかり、またApple Music1位・Spotify2位とストリーミングでも好調。全てで高水準な成績を記録しており、リリース時期も集計に有利なことから、既に「2018年間シングル1位有力候補」といえるかも。昨年That’s What I Likeで少し足りなかったストリーミングで強いことがプラス材料だと思います。
※Bruno Mars feat. Cardi Bと表記されることが多いですが、ビルボードはBruno Mars & Cardi Bと表記しています。
28 Selena Gomez & Marshmello – Wolves
20位-30位あたりに留まっているSelena GomezとMarshmeloのWolvesですが、ラジオでは好調でまだまだ伸びシロはありそう。他の国ではBad Liarなどと比べると、比較的好調ですが、アメリカでは最終的にどこまで行けるか?ポップスの割にSpotifyで奮闘していることは好材料です。
12 Portugal. The Man – Feel It Still
先週に引き続き、2017年の代表的ヒットに熱視線が。今週は2017年のヒット曲のダウンロードが上昇しています。iTunesで年末企画でもあったのでしょうか。
Despacito(30位→25位)、Believer (25位→16位)、Shape of You (19位→13位)、Feel It Still (23位→12位) などがHot 100で順位を大きく上げています。
8 Migos, Nicki Minaj & Cardi B – MotorSport
今週もCardi Bが「トリプルトップ10」(=同時にHot 100のトップ10に3曲)を達成。複数週でトリプルトップ10を達成したのは女性としてはAshantiに次いで2人目。ほかのAdele、Iggy Azalea、Ariana Grandeは1週でトリプルが終わってしまいました。
Adeleはグラミー効果でRolling in the Deepがトップ10に再浮上するものの、既にこの時点で59週目であったため続かずトップ10圏外へ。Iggy Azalea・Ariana Grandeは上位にShake It Off、Anacondaという強力な2曲が登場したため、Fancy、Problemがトップ10圏外になってしまいました。ちなみにそれぞれがトリプルトップ10を達成した、2012 3/3付けHot 100、2014 8/30付けHot 100はなかなか濃い週で、個人的にかなり好きなHot 100です。
来週もBruno MarsとCardi BのFinesseがトップ10に上昇濃厚で、4曲同時トップ10入りの期待もできますが、10位Bodak Yellow、8位MotorSportが来週もトップ10に残れるかどうかは微妙。
× Huncho Jack (Travis Scott, Quavo) – Saint
先週Hot 100に7曲が登場したHuncho Jackでしたが、今週は全滅。Apple Musicでは人気のこのアルバムですが、Spotifyではそこまで人気が無かったことが今週全曲Hot 100から外れた原因ですかね。また、Apple MusicではEye 2 Eye・Modern Slaveryが人気、SpotifyではSaint・Dubai Shitが人気とそれぞれで人気曲が違うこともマイナスですね。
昨年のMeek MillのアルバムもApple Musicの人気によってHot 100に7曲が登場するも、翌週はシングルのWhatever You Need以外が全てHot 100から外れるという似たようなチャートアクションをとっていました。
(参考)
× Andy Williams – It’s the Most Wonderful Time Of The Year
ラジオもダウンロードもストリーミングも全て、集計期間がクリスマスよりも後になったため、クリスマス曲は今週全てチャートから外れてしまいました。その空いた枠に、今後どのような新しい曲が入ってくるか楽しみです。
今週チャートから外れた曲 (15曲)
【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】
93 Eminem feat. Beyoncé – Walk On Water (🗻14位 /⏰5週)
92 Huncho Jack – Saint (🗻92位 /⏰1週)
90 Huncho Jack – Motorcycle Partches (🗻90位 /⏰1週)
87 Huncho Jack – Huncho Jack (🗻87位 /⏰1週)
83 Huncho Jack feat. Offset- Dubai Shit (🗻83位 /⏰1週)
71 Huncho Jack – Black & Chinese (🗻71位 /⏰1週)
69 Imagine Dragons + Khalid – Thunder / Young Dumb & Broke (Medley) (🗻69位 /⏰1週)
68 Huncho Jack – Modern Slavery (🗻68位 /⏰1週)
65 Huncho Jack feat. Takeoff – Eye 2 Eye (🗻65位 /⏰1週)
64 Tay-K – The Race (🗻44位 /⏰20週)
46 Burl Ives – A Holly Jolly Christmas (🗻38位 /⏰5週)
42 Nat King Cole – The Christmas Song(Merry Christmas To You) (🗻37位 /⏰12週)
38 Andy Williams – It’s The Most Wonderful Time Of The Year (🗻32位 /⏰5週)
36 Brenda Lee – Rockin’ Around The Christmas Tree (🗻14位 /⏰22週)
13 Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You (🗻9位 /⏰24週)
来週以降にHot 100に入るポテンシャルを持った曲をピックアップしました
Justin Timberlake – Filthy
Burno Mars・Cardi BのFinesseを上回るスピードでラジオを急上昇中の1曲。今週既にポップ系ラジオ23位・ラジオ(総合)45位まで食い込んでいます。
今週は集計がラジオのみで、120位(相当)に留まりましたが、ダウンロード、ストリーミングが集計され、ラジオも伸びるであろう来週は高い順位でのHot 100登場が期待できます。ただし、ストリーミングはApple MusicやSpotifyでここ数日急落中など、そこまで数字を稼げていないかも。
Lauv – I Like Me Better
Alice Merton – No Roots
昨年ヨーロッパを中心に人気を博した2曲がラジオでポイントを稼ぎ、Hot 100に接近中。この2曲は特にドイツでは人気で、I Like Me Betterは年間42位、No Rootsは年間14位に入っていました。(ちなみにLauvはイギリス人、Alice Mertonはドイツ人)
I Like Me Betterは今週103位(相当)、No Rootsは今週122位(相当)。ヨーロッパから遅れること数ヶ月、遂にアメリカ上陸なるか。
・プレイリスト