チャート・マニア・ラボ (CML)

音楽チャート/ポップス研究家 (自称) 未来のチャートマニア・音楽マニアがニヤッとする記事を作ることが目標! 引用、コメントなどお待ちしております。

Hot 100 3/10 見どころ 【Janelle Monáeの"Make Me Feel"がHot 100へ! / 5 Seconds of Summer のカムバック】

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 今週はJanelle MonáeのHot 100エントリー、5 SOSのカムバック、6ix9ineのアルバムあたりが注目テーマですかね!

 いつもより更新が遅いのは、レンジで温めすぎたスープを手にこぼしたところ、思いの外痛かったからです💦 (痛み止めを飲んだのでもう大丈夫です!)

 皆様も、レンジで温めるときはあたため時間に気をつけてください!

 

99 Janelle Monáe – Make Me Feel [New]

 Janelle Monáeの”Make Me Feel”が99位で登場。批評家からの評価が高い曲が、Hot 100にも登場しました。彼女にとって2015年の”Yoga”以来のHot 100に。fun との”We Are Young”と合わせて通算3回目のHot 100。

 ダウンロードが今週37位でそれなりに高いですが、ストリーミングではそこまでポイントを得ていないようです。

 現段階で、ポップ系ラジオに少しずつかかり始めているようです。R&Bリスナーとの相性も良い曲だと思うので、他のラジオ系統にもいずれかかりそうです。(そもそもR&Bの人だと思うので、まずポップ系ラジオでかかったのが意外でした)

 

96 High Valley – She’s With Me [New]

 カナダのカントリーデュオ・High Valleyの”She’s With Me”が96位で登場。彼らにとって初のHot 100に。このシングルは2014年の曲をアメリカ向けに2017年にリリースし直した曲で、現在カントリー系ラジオ9位と好調です。

 ほか今週、カントリー歌手・Cole Swindlleの”Break Up in the End”が98位で登場。こちらはカントリー系ラジオでの人気によるエントリーではなく、リリースに伴うダウンロード増によってのエントリー。

 

82 Trippie Redd feat. Travis Scott – Drak Knight Dummo [Re]

 Trippie Reddの”Dark Knight Dummo”が82位で再登場。2/19にリリースされたビデオの効果で浮上しました。ビデオはゾンビを銃で撃ち、車で轢くなどし出血シーンが多く、グロいです。

 客演のTravis Scottもビデオに登場します。”Astroworld’s My Planet”と、彼の新アルバムのタイトルと目されるワードを歌詞に入れています。このアルバムは今年のいつかにリリースされると考えられているようです。

 

81 Blac Youngsta – Booty [New]

 Blac Youngstaの”Booty”が81位で登場。Hip-Hop / R&B Airplayで7位と、ラジオでの好調が生きてのエントリーです。一方、ストリーミングではApple Music・Spotifyの両方で200位圏外です。ラップでは珍しくラジオ>ストリーミングな一曲です。

 ただしビデオはそこそこ好調で、YouTubeでの再生数は約1ヶ月で約200万とそこそこな数字を記録しています。ビデオは”Booty”のタイトル通り、ケツを振りまくるビデオです。

 来週はChris Brown・Jeezy・Trey Songzを迎えたリミックスのリリースがチャートに反映されるので、上昇が期待できそうです。

 

 

61 5 Seconds Of Summer – Want You Back [New]

 5 Seconds Of SummerのWant You Backが61位で登場。2年ぶりの新曲。熱狂的なファンが多いのか、彼らの曲は以前からリリースと同時にダウンロードが一気に伸びる傾向にあり、この曲もダウンロード 今週17位とカムバックで上々な数字を記録しています。ほか、ポップ系ラジオでも最初の週から32位と快調に数字を伸ばしています。

 以前はパワー溢れるポップパンクが彼らの代名詞でしたが、今回のシングルでは昨年大活躍したプロデューサー・Steve Macを迎えしっとりとしたポップロック系に作風を変更しています。少しThe 1975っぽい気もします。ストリーミングとは相性が良さそうな1曲ですが、この作風変更が吉と出るでしょうか。

 

 5 Seconds of Summerの曲は客演でもダウンロードが伸びる傾向にあり、ONE OK ROCKが彼らを迎えた“Take What You Want”はiTunesでリリース初日53位に入り、そしてその週のHot Rock Songs (Hot 100からロック曲のみを抜き出したチャート)の44位にエントリーしました。

 ただし、これがHot 100では何位相当なのかは不明で、この週Hot Rock SongsでHot 100に入っていたのは6位の”Way Down We Go“までなので、100位から距離があると思われます。Hot 100から程遠いのは残念でしたが、海外の有名アクトと組むことによって日本のアーティストが存在感を示した例の一つであると言えます。

(参考)


 

 日本人がアメリカのiTunes「シングル」に登場するのは珍しいと思います。宇多田ヒカルが何回かアメリカのiTunes上位にエントリーしたと報じられましたが、いずれもアルバムでした。*1

 このような背景があるので、それを打ち破りHot 100にもエントリーしたSofi Tukkerや植野有砂の“Best Friend”は客演だったことを差し引いてもかなりの快挙だったと思います。”Best Friend”はiTunesでは最高31位まで到達しました。また、日本人としてははじめてアメリカのSpotify 200位圏内(デイリー)に入った曲でもあります。(PPAPは入っていなかった) この快挙の割にあまり報じられていないのが残念です💦

 「日本人」に限らず、「日本語歌詞」という観点では、BTSが昨年リリースした”Crystal Snow”が 20位とかなり高順位を記録しました。日本向けシングルで歌詞が日本語だったのですが、アメリカのBTSの熱心なファンが「歌詞がよく分からなくても欲しい!」とダウンロードが集まったのでしょう。水曜日リリースで他の曲を出し抜けたのも上位進出の理由だと思います。*2 

 全部のアーカイブを調べたわけではないので分かりませんが、もしかしたら日本語歌詞の曲としては歴代最高のアメリカiTunesシングル順位かも??このデータについて詳しい方がいらしたらご一報ください。

 余談ですがTwiceは韓国語歌詞の”Likey”がアメリカiTunes 56位にまで入ったものの、日本語歌詞の曲 (“One More Time” や “Candy Pop”など)はアメリカiTunes 100位以内に入っていないようですね。

 

60 6ix9ine – Billy [New]

 6ix9ineがデビュー・ミックステープ”Day 69”をリリース。一時期iTunesで1位を獲得しましたが、アルバムチャートでは4位に。現在のアルバムチャートでは、「収録曲数に関わらず」1500ストリーミング=1アルバムセールスと扱うため、”Day 69”の収録曲数が少なめな (11曲)ことがアルバム争いで不利に働いた可能性があります。(セールスではMigosの”Culture Ⅱ”を上回ったものの、アルバムチャートでは下回ったのは、曲数が原因だと思います。 Migosは24曲)

 収録曲数のうち5曲がHot 100に登場しています。”GUMMO”が25位 → 16位、”Keke”が82位 → 63位と上昇したほか、”KOODA”が89位に再登場、”Billy”が60位、Tory Lanez・Young Thugを迎えた“Rondo”が70位で新登場しています。

 今週のアルバム1位はBon Joviに。ライブチケット付きCDを販売したことによって、今週1位のセールスを獲得し、アルバム1位となりました。

 ほかBTSのメンバーj-hopeのミックステープ、”Hope World”が集計1日ながらもアルバム63位に入りました。iTunesアルバム1位を2日間程度キープしていたので、1週間フルで集計される来週はもう少し順位が上がりそうです。

 

22 Logic – 44 More [New]

 Logicの新曲・”44 More”が22位と快調なスタートを切っています。ラジオはまだですが、ダウンロード5位・ストリーミング18位と各媒体でそれぞれ上々の成績を記録しています。

 この曲自体はHip-Hop / R&B系ラジオと相性の良いと思いますが、Logicがこの系統とほとんど縁がないので、このラジオ系統のリスナーからLogicが受け入れられるかが見どころだと思います。(※"1-800-273-8255”でようやくHip-Hop / R&B系ラジオ49位、一方ポップ系ラジオでは3位まで到達していたので、Logicは現状では「ポップ系ラジオの人」という印象が強い可能性も)

 この曲ではFutureの”Zoom”や、Kanye Westの”Waves”でも使われた“Fantastic Freaks At The Dixie”サンプリングしています。

 この曲で「Katy PerryHarry Stylesよりもアルバムを初週売った!*3」と歌詞にありますが、LogicはKaty Perryが別にイヤとかそういう訳ではなく、Twitterで好意的な絡み?を曲リリース前に行っています。

 

 

 

「正味2020年の大統領はLogicで良いのでは?」

「本当に2020年 #LogicPerry やります? Perryさん副大統領にやってくれますか?」

 

17 Imagine Dragons – Thunder [↓]

 Imagine Dragonsのアルバム”Evolve”の再リリースと同時に、既存シングルも割引され、それぞれのダウンロードが上昇。

 “Whatever It Takes”60位 → 43位とは上昇しているが、”Thunder”は「今週ダウンロードが最も伸びた曲*4」ながらも、16位 → 17位と順位を落としています。近い順にの曲が上昇したことが原因でしょうか?ほかラジオでも息切れしてやや下落中なことも原因でしょうか。

 新リリースでの新曲、”Next To Me”は今週110位(相当)でした。

 

2 Post Malone feat. Ty Dolla $ign – Psycho [New]

 Post Maloneの”Psycho”が2位で登場!ダウンロード首位、ストリーミング2位と各項目でかなり高得点を得ています。

 Spotifyでは一時期”God’s Plan”を抜くなどし、「近いうちに”God’s Planを撃ち落とすのでは?」という予感もしましたが、ここ数日はやや勢いが落ちてきました。Spotifyでは”God’s Plan”に抜き返され2位に戻った上に、その差が開きました。また、Apple Musicでは”Look Alive”にも抜かされて現在3位のようです。

 Hot 100で”God’s Plan”に追いつき1位を獲得するには、ストリーミングの数字を落とさずある程度キープして上昇のチャンスを待つ必要がありそうです。その「チャンス」に当たるのは、アルバムリリース時・ビデオリリース時・iTunes割引時などでしょうか。Post Maloneが最も恩恵を受けそうなのはアルバムリリースですかね。リリース時期は未定ですが……

 この曲で”rockstar”と同じ2位デビューを果たしたPost Malone。ビルボードは過去に複数の2位 or1位デビューを記録したアーティストをまとめています。この記録を成し遂げたアーティストは7人(組)のようです。

 

 

 

× Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & watt – Let Me Go [↓]

 Hailee Steinfeldらの”Let Me Go”が40位 / 22週という成績でチャートを後に。イメージとしては彼女の”I Love Myself”と同じかやや上回る程度の成績という印象です。

 ポップ系ラジオでは14位とそこそこ上位に入りましたが、他のラジオ系統であまり伸びなかったことなどもあり、Hot 100では40位ピークとそこまで上位には入れませんでした。悪くはない成績ですが。

 ポップスの割には、アメリカのSpotifyデイリー最高17位とそこそこ健闘しました。Apple Musicでもそれなりに支持されているみたいですが、ビルボードのストリーミング総合50位圏内に入ることはありませんでした。

 Spotifyデイリー最高17位は昨年トップ10入りした”Scars to Your Beautiful”、”Attention”、”There’s Nothing Holdin’ Me Back”あたりより上です。また、余談ですが、Hot 100でトップ10入するには、Spotifyで最低でも30位くらいには入っておきたいです、いくらラジオやダウンロードでポイントを稼いでも、ストリーミングで支持がなさ過ぎるとHot 100で順位があまり上がりきらない気がします。昨年のP!nkの“What About Us”が最たる例です。

 

 個人的にこの曲は「Spotify流ローファイ」だと思っています。サビの後のドロップの音質が良い意味で「抜けている」というか不思議な音質になっているのです。4年前くらいのEDMの激しいドロップの逆を行くような、軽いサウンドですが、Spotifyと相性が良いように思います。

 『ミュージック・マガジン』の2017年8月号の大和田俊之さんと長谷川町蔵さんの対談で

長谷川:ちょっと浮いた、ふわっとした感じ。ドレイクの音って、真剣に聴くと物足りないっていうか、いつも何かが足りないような気がするんですけど、スポティファイで聴くと最高に気持ちよくて。

大和田:スポティファイに失礼ですよ(笑)。

長谷川:音があまり良くないじゃないですか。それに最適化した音楽かなって思って。

大和田:プレミアム会員になると音良くなりますよ(笑)。

 

のような話を読んで、当初はよく分からなかったのですが、この”Let Me Go”を聞いてこの話が理解できました。

 

× Lil Pump – Gucci Gang (🗻3位 /24週) [↓]

 Lil Pumpの”Gucci Gang”が今週チャートを後に。一時期3位と大ブレイクしましたが、その後落ちてしまい意外と短命に終わりました。トップ10滞在も9週と短めでした。

 ラジオであまり伸びなかったので、ストリーミング一本でずっと勝負していたことがロングヒットにならなかった一因だと思います。

 

× Sam Smith – Too Good At Goodbyes (🗻4位 /24週) [↓]

 Sam SmithのToo Good At Goodbyesが今週チャートから外れました。トップ10滞在は16週と長めでしたが、その後落ちるのが早かったです。チャート滞在の 2/3をトップ10で過ごすという珍しいチャートアクションを取っていました。

 ポップ系、アダルトポップ系という主要系統だけでなく、Adult R&B、Adult Alternative(Triple A)など幅広いラジオの系統でかかっていたため、そのポイントで長くチャートに留まっていましたが、ここ数週で各系統のラジオが一気に落ちたためHot 100でもかなり順位を落としてしまいました。

 過去の“Stay With Me”はグラミーエントリーでの再浮上などもあって、54週もチャートにいました。

 

× Ed Sheeran – Shape of You (🗻1位 /59週) [↓]

 ここ数週驚異的な粘りを見せていた”Shape of You”がついにチャートから外れました。ルール上、26位以下に落ちるとチャートから外れてしまう*5という状況のなか25位以上をなんとかキープしていました。

 文句なしの大成功を収めた超ロングヒットで、ストリーミング時代におけるアメリカでのヒットの成功例を生み出したと言えます。

 この曲の強さの理由はラジオとストリーミングの成績を高い次元で両立したことだと思います。ラジオでは記録的な成績で1位を突っ走り(例:ポップ系ラジオで歴代最高の再生数を記録)、またストリーミングでもラップ曲に負けじと好成績を記録しました。(ストリーミングは”Despacito”に次いで昨年年間2位)

 ラジオで強い曲はストリーミングでそこまで強くなく、逆もまた然り(ストリーミングが強いラップ系のラジオは規模が大きくないため、ラジオでそこまで強くなれない)ため、そこを両立できた”Shape of You”は独走できたのです。

 53週目以降に26位以下に落ちたらチャートから外す……というルールが適用されて以降 (2015年末以降)、その高い壁を乗り越えて53週以降チャート滞在した、2つ目の曲です(Uptown Funkに次いで)

 ”Shape of You”はHot 100の歴史上でもトップ10に入るレベルヒットだったのではないか?という分析もあります。確かに1位滞在12週、トップ10滞在も歴代最長の33週と条件はかなり良いです。チャートアクションが似ている”Uptown Funk”が歴代12位で、それよりもチャート滞在が4週長いので、そのぶんのプラスで歴代トップ10に入る!と思うと信憑性があります。

 

(参考) チャート滞在1年超えを果たした曲のリスト

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Drake – God’s Plan

今週最もダウンロードが上昇した曲 Imagine Dragons - Thunder

今週最もストリーミングが伸びた曲 6ix9ine - GUMMO

最も高い順位で新登場した曲          Post Malone feat. Ty Dolla $ign – Psycho

 

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

99 Keith Urban - Female (🗻69位 /⏰6週)

98 Walk The Moon – One Foot (🗻65位 /⏰8週)

92 Liam Payne & Rita Ora – For You (🗻76位 /⏰3週)

91 Taylor Swift feat. Ed Sheeran & Future – End Game (🗻18位 /⏰14週)

87 Kelsea Ballerini – Legends (🗻68位 /⏰12週)

83 Kendrick Lamar & Travis Scott – Big Shot (🗻71位 /⏰2週)

50 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & watt – Let Me Go (🗻40位 /22週)

49 Gucci Mane feat. Migos – I Get the Bag (🗻11位 /⏰27週)

47 Lil Pump – Gucci Gang (🗻3位 /24週)

45 Sam Smith – Too Good At Goodbyes (🗻4位 /24週)

24 Ed Sheeran – Shape of You (🗻1位 /59週)

 

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集

 

・Foster the People – Sit Next To Me

 ポップ系ラジオにも飛び火し、総合的にラジオで好調。ついに111位相当まで浮上しました。6年ぶりのHot 100が近づいてきました!

 

 

~おまけ~

 

・半年前の記事

ビルボード曰く、歴史的な週らしいです。

 

・1年前の記事

サムネは誰か当てるクイズをしています。(逮捕されたのはこの2人ではない)

 

 ・プレイリスト

*1:PPAPiTunesシングルに登場した形跡が見当たりませんでした。リリース日やトランプの孫がカバーした直後などを調べましたが、アメリカのiTunesシングルにはエントリーしていなさそうでした。全部の日を調べたわけではないので、確実に入っていないとは言い切れませんが

*2:新曲リリースは金曜日が主要なので、ほかの曲リリースが無い水曜日だと一挙に注目を集めやすい。

*3:セールス、ストリーミングなどを合算したSPSの両方で上回っています

*4:新曲は除く

*5:53週目以降の曲にのみ適用されるルール