今週、Post Maloneが史上最多のストリーミング数を記録して アルバム1位に!そのアルバム全曲がHot 100に登場!今週はそのPost Malone、そしてPost Maloneのアルバムにも関わり、今週2曲がトップ10入りしたプロデューサー・Frank Dukes(↑画像)などについて書いていきます。
今週のハイライト
・Post Maloneが史上最多のストリーミングを記録し、アルバム1位に。収録曲全てがHot 100入り。うち3曲はトップ10に。
・カニエの“Ye vs The People”が85位で登場
・リミックス効果で“Never Be the Same”がトップ10入り
・ロングヒットの“Thunder”や”Feel It Still”がチャートから外れる。
チャートで今週伸びを見せた曲たち
今週最もラジオで伸びた曲 Drake – Nice For What
今週最もダウンロードが上昇した曲 Camila Cabello – Never Be the Same
今週最もストリーミングが伸びた曲 Post Malone feat. Ty Dolla $ign - Psycho
最も高い順位で新登場した曲 Post Malone – Better Now
曲の個別解説
[New] 85 Kanye West feat. T.I. – Ye vs The People
Kanye Westが突如リリースした“Ye vs The People”が85位で登場。リリース時からiTunesで値引きされていたこともあってか、ダウンロードでそれなりの数字(32位)を記録しています。
(starring T.I. as the People) という表記をされることもあり、様々な発言で揺れるカニエ vs 世間を表現した1曲だと考えられています。
もう一つのシングル“Lift Yourself”は今週105位相当に登場。現在ストリーミングでの人気は”Lift Yourself” > “Ye vs The People”となっており今後は“Lift Yourself”のほうがチャート入りするかも。
[New] 77 YoungBoy Never Broke Again – Overdose
初のスタジオアルバム“Until Death Call My Name”がアルバムチャートで7位だったYoungBoy Never Broke Again”。そのアルバムから”Overdose”がHot 100に登場。77位。ほかアルバム収録曲の“Outside Today”と”Diamond Teeth Samurai”も今週のHot 100に入っていますが、この2曲はなぜか順位を落としています。
ほか”Preach”が101位相当、”Solar Eclipse”が116位相当に登場しています。
[New] 62 Mason Ramsey – Famous
地元のウォルマートで披露した「ヨーデルボイス」が話題になり、歌手デビューまで果たした11歳の少年Mason Ramsey。その彼の“Famous”が62位で登場しています。
カントリーサウンドに11歳らしい歌声が乗った1曲です。
ダウンロード12位のほか、ストリーミングでもそこそこ人気。Spotifyで50位前後、Apple Musicで80位前後など。
今後本格的にカントリーシンガーとしてキャリアを進めていくのか?11歳の少年の今後はいかに。
[↑] 54 Daddy Yankee – Dura
リミックス効果でDaddy Yankeeの“Dura”が浮上。75位→54位に。DLが浮上 (26位)しました。
Cardi Bとの曲で初のHot 100のトップ10を記録した大人気のBad Bunnyと、ラテン系新進ディーヴァのBecky GとNatti Natashaがリミックス版では追加されています。
そのBecky GとNatti Natashaは二人で最近“Sin Pijama”という曲をリリースし、好調。20日弱でYouTubeの再生数が1億まで到達しました。近いうちにHot 100入りするかもしれません。(今週109位相当)
この“Dura”は2018年にリリースされた音楽ビデオのうち、現状で一番再生数が多いです。(約7億5100万) ただしNicky JamとJ Balvinの”X”が猛烈なペースで再生数を稼いでいるので、そろそろ抜かれそう。(こちらは現在約7億300万再生。一日あたりの再生数は“Dura”の約2倍)
この2曲はラテン系ラジオでも1位を競っていて、ここ数週は“Dura”と”X“が交互にラテン系ラジオ1位になっています。
[↑] 37 Ella Mai – Boo’d Up
R&B方面のラジオで人気を博するElla Maiの“Boo’d Up”がトップ40入り!今週37位。ストリーミングも伸びてきています。
イギリス人シンガーですが、DJ Mustardのレーベルと契約していることもあってか、主に人気なのはアメリカ。UKのシングルチャート、Spotify、Apple Musicなどではまだ圏外です。
イギリスで大人気でもUSではあまり人気が出ないというケースのほうが圧倒的に多いので、このパターンは珍しいです。
イギリスでは3位まで到達したDua Lipaの“IDGAF”もアメリカでは今週69位(ピーク54位)と少し苦戦中です。ほかイギリスで1位まで到達したRudimental、Jess Glynneらの”These Days”はまだHot 100にはいれていません。(今週118位相当)
似たようなケースに“Anywhere”や”Yor Song”がHot 100に入らなかったRita Oraがいます。今週USで人気のCardi B・Bebe Rexha(とCharli XCX)を迎えた“Girls”をリリースするらしいので、この曲がアメリカでどこまでヒットするかに注目です
[↓] 10 Ariana Grande – No Tears Left To Cry
先週3位で登場した“No Tears Left To Cry”DLが初週インパクト*1の反動で落ちたこともあり、順位を落としました。
ストリーミングは悪くない数字をキープしているように思いますが、他のストリーミングが圧倒的すぎて相対的に見劣りします。
この“No Tears”は先週Spotifyで1週間に約785万再生を記録。一日平均約112万再生と上々なのですが、Post MaloneのInterludeを除いたアルバム全曲はこの”No Tears”よりも多い再生数を記録!シングルならともかく、多くの「非シングル」が他の「シングル」を圧倒しているのは凄い現象だと思います。ストリーミングならでは、ですね。
“Nice For What”はラジオ・ストリーミングの両方で好調をキープし、またChildish Gambinoの”This Is America”という新たなライバルが出現することを考えるとAriana GrandeのHot 100首位取りはまたもお預けになりそうです。
打開策としては超大物ゲストを呼んだリミックスでしょうか。「超大物」にはJustin BieberやDrakeクラスが必要だと思います。
[New] 7 Post Malone – Better Now
1週間で歴代最多のストリーミング(約4億3100万)を記録し、アルバム1位に立ったPost Malone。先週J. Coleが記録した“KOD”を上回る、約46万相当*2のセールスを記録しました!1週間のセールスとしては今年最大の数字です!
その莫大なストリーミングから、アルバム全曲がHot 100に登場しました!
位 | 曲名 |
2 | Psycho /ft. Ty Dolla $ign |
7 | Better Now |
8 | rockstar /ft. 21 Savage |
11 | Paranoid |
14 | Rich & Sad |
15 | Spoil My Night /ft. Swae Lee |
16 | Ball For Me /ft. Nicki Minaj |
17 | Stay |
20 | Same Bitches /ft. G-Eazy & YG |
23 | Zack And Codeine |
24 | Over Now |
29 | Takin' Shots |
34 | Candy Paint |
40 | 92 Explorer |
46 | Otherside |
47 | Blame It On Me |
57 | Sugar Wraith |
73 | Jonestown (Interlude) |
ストリーミングだけでなく、DLもそこそこの数字だったことから、収録曲が軒並み上位に。歴代18人目の「トリプルトップ10」になったほか、トップ「20」には9曲が登場。これは先週のJ. ColeとThe Beatlesを上回り歴代最多の記録だそう。同じくトップ「40」に14曲が入ったのも歴代最多の記録だそうです。 15曲が初登場したほか、“Psycho”と“rockstar”は上昇、”Candy Paint”は再登場しました。(↓参考 Post Maloneの各種記録) *3
ストリーミングにおいては「シングル」と「非シングル」の明確な違いが無いため、「非シングル」でも「シングル」並の影響力を持つことも可能なのです。今週トップ20、トップ40の最多記録が塗り替えられたのは、ストリーミングのそのような特性が生きたからだと思います。
この豊富なシングル候補を今後どのように活用していくかに注目です!個人的に注目なのは“Stay”。これはラップとは違う弾き語り系の1曲でロック系のラジオ*4と相性が良さそうです。どのシングルをどの系統のラジオでかけるのか?に注目です。
今週アルバムチャートでは他に、Keith Urban(2位)、Janelle Monae(6位)、Godsmack (8位)などが登場。またPost Maloneの前アルバム“Stoney”も9位とトップ10にカムバック。リリース以降ずっとアルバムチャートで25位以上をキープしています
ちなみに同一アーティストのアルバムがトップ10に両立するのは昨年のLinkin Park以来。
[↑] 6 Camila Cabello (feat. Kane Brown) – Never Be The Same
Kane Brownのリミックス効果で“Never Be The Same”がトップ10に浮上!今週6位になっています。ストリーミングは伸びなかったものの、DLでは大きくリミックスの効果が現れ、今週のDL1位に。
これでCamila Cabelloにとってソロでは3曲目のトップ10に。アルバムでは2曲目のトップ10。多くのポップ系ミュージシャンがトップ10に入れず苦戦するなかで、なかなかの好成績を記録していると思います。ラジオでここ数週大きく上昇していることもあって、まだ伸びしろがありそうです。
※便宜上 (feat. Kane Brown)と表記しましたが、ラジオでは主にオリジナル版がかかっていることからか、ビルボードは feat. Kane Brownの表記をしていません。
この曲のプロデューサーFrank Dukesは上記の“Better Now”でもプロデューサーを務めていて、これで計9曲をHot 100のトップ10に送り込んだことになりました!
またソングライターのNoonie Baoは昨年のZeddの“Stay”に次いで2曲目のトップ10に。
[↑] 2 Post Malone feat. Ty Dolla $ign – Psycho
アルバムのリリースでストリーミングを伸ばした“Psycho”。元からのラジオの好調もあって2位まで浮上しました。惜しくも1位獲得はならず。(僅差と考えられている)Apple Musicでそこまでストリーミングが伸びなかったのが痛かったでしょうか。(ストリーミング数自体は悪くなかったものの、アルバムの中でどちらかというと不人気だった)
DLではHot 100首位の“Nice For What”に大差を付けられていたので、アルバムリリースのタイミングで値引きを敢行して、DLの差を縮めていればHot 100の1位取りも達成できていたかも。
[↓] × Portugal. The Man – Feel It Still
ラジオをじわじわ伸ばして一時期4位まで到達した“Feel It Still”が今週圏外に。チャート滞在45週とロングヒットでした。外国でもヒットしており、オーストラリア・ドイツなどでもトップ10入り。イギリスでも今年に入ってからトップ10に到達しました。
続くシングル“Live in the Moment”はオルタナティブ系ラジオで首位を獲得するなど、ロック系リスナーからは人気を博しましたが、他の系統のリスナーに飛び火しなかったこともあり、Hot 100には入りませんでした。
[↓] × NF – Let You Down
NFの“Let You Down”が今週チャートから外れました。Hot 100未登場ながらもアルバム1位を獲得して注目を浴びました。
その後シングル“Let You Down”がラジオを中心に人気となり、Hot 100の12位まで到達。惜しくもトップ10には届かなかったものの、上々のヒットでした。
彼の次のシングル“Lie”がラジオでかかりはじめており、いつかHot 100に入るかも。
[↓] × Imagine Dragons – Thunder
Imagine Dragonsの“Thunder”が大往生を遂げました。滞在が52週と1年もチャートに入っていました。
Imagine Dragonsの曲はロングヒットが多く、1年以上チャート滞在した曲がこれで4曲目に!(最多) またHot 100チャート滞在最長記録 (Radioactiveでの87週)を持っているのも彼らです。
複数系統のラジオでかかることがロングヒットの理由だと思われます。多くのリスナーに愛されている証ですかね! *5
[↓] × J. Cole feat. kiLL edward – The Cut Off
Post Maloneの大量エントリーに押される形で、J. Coleのアルバム曲がいくつかチャートから外れました。
先週Hot 100に入っていた12曲のうち、6曲がチャートから外れました。J. Coleのリスナーはアルバムを「通し」で聞くのか、前回の”4 Your Eyez Only”の時も2週目はガクッとHot 100の順位が落ちていました。(これがシングル!という明確なものが無いので、単品では曲を聞かなくなり、「全体的に」再生数が落ちるのだと思われる。一方他のラップアルバムでは、何曲かがHot 100上位に残るケースがある。単品で聞いても歯ごたえがあるからだと思われる。) *6
“KOD”はシングル化されてラジオでかかっているようなので、この曲だけ唯一今後上昇するかもしれません。
ほかCardi B、XXXTENTACIONのアルバムに収録された「非シングル」曲が少しずつHot 100から外れています。
今週チャートから外れた曲 (19曲)
【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】
100 Cardi B feat. Chance the Rapper – Best Life (🗻39位 /⏰3週)
99 Cardi B – Thru Your Phone (🗻50位 /⏰3週)
98 Rae Sremmurd feat. Travis Scott – Close (🗻98位 /⏰1週)
96 Carrie Underwood – Cry Pretty (🗻48位 /⏰2週)
94 XXXTENTACION – Moonlight (🗻35位 /⏰6週)
91 Keala Settle – This Is Me (🗻58位 /⏰14週)
85 Brett Eldredge – The Long Way (🗻65位 /⏰12週)
78 Nicki Minaj – Barbie Tingz (🗻25位 /⏰3週)
72 Sugarland feat. Taylor Swift – Babe (🗻72位 /⏰1週)
53 J. Cole – Intro (🗻53位 /⏰1週)
50 Portugal. The Man – Feel It Still (🗻4位 /⏰45週)
49 NF – Let You Down (🗻12位 /⏰28週)
47 J. Cole – Once An Addict (Interlude) (🗻47位 /⏰1週)
46 J. Cole feat. KiLL edward – Friends (🗻46位 /⏰1週)
45 Imagine Dragons – Thunder (🗻4位 /⏰52週)
41 J. Cole – Window Pain (Outro) (🗻41位 /⏰1週)
34 Avicii – Wake Me Up (🗻4位 /⏰54週)
30 J. Cole – Brackets (🗻30位 /⏰1週)
28 J. Cole feat. kiLL edward – The Cut Off (🗻28位 /⏰1週)
来週以降の動向 ・プレイリスト
・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集
・Childish Gambino - This Is America
日曜日にリリースされ、話題をかっさらった1曲。iTunes首位、Spotify首位、Apple Music2位と文句無しの成績を叩き出し、来週のチャートでのロケットスタートが確実。
Hot 100の集計は金曜日~木曜日のサイクルのため、日曜日リリースのこの曲は5日分しか集計されない点を考慮すると1位デビューの可能性は微妙か。2位か3位デビューでしょうか。
アルバム曲がロングヒット → 新シングルで一気に大人気の流れは “rockstar”の時のPost Maloneと少し似ています。
・その他の新曲情報はこちらを参照してください!
・プレイリスト
*1:普通DLは2回しないので、先週リリース時に大きなDLを記録したぶん、2週目は先週ほどのDLを今週は記録しないという意味
*2:ストリーミングなどを含む
*3:記事中にJ. Coleが先週トップ40の最多記録を更新したと書かれていますが、先週ではなく2016年のアルバム“4 Your Eyez Only”の時に達成した記録です
*4:Post Maloneは過去にAndrew Wattとの”Burning Man”でロック系ラジオの1種のオルタナティブ系ラジオの40位に到達した経験あり
*5:この記事の“Believer”の項目でもImagine Dragonsのロングヒットについて説明しています
*6:参考