チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

数字で振り返る今年のチャート 【ビルボードの記事をアレンジ】

 

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 ビルボードが数字をテーマにしながら、今年のチャートを振り返るという記事を作成しました。

 

 この記事は分かりやすく今年のチャートを振り返ることができて、面白いと思ったのですが、取り上げる記録のチョイスが個人的に微妙に感じたので、選び直して「“私の選ぶ”数字で振り返る今年のチャート」を再び作り上げよう、と思ったのです。

 

ビルボードが選んだのは以下の10個の記録でした。

 

・100 Nicki Minaj、Hot 100エントリーが100回に到達。女性アーティストでは初

・56 “Despacito”がHot Latin Songsで通算56週の1位を記録 (最長)

・50 “Meant to Be”がHot Country Songsで通算50週の1位を記録 (最長)

・36 Paul McCartney、36年ぶりにアルバム1位を達成 (最長の「ぶり」)

・34 ラップ曲が34週連続でHot 100首位に立つ (最長)

・33 Drakeがキャリア通算トップ10曲数を33まで伸ばす (歴代3番目)

・26 “ZEZE”がZで始まる曲としては26回目のHot 100エントリー

・3 Bruno Marsが最初のアルバム3枚から3曲以上のトップ5を生み出した3人目のアーティストに

・2 Cardi Bが“I Like It”で2回目のHot 100首位獲得 (女性ラッパーでは初)

・1 BTSがアルバム1位を獲得

 

これに対して、私が選んだ10の数字は以下の通りです。

 

・100 Nicki Minaj、Hot 100エントリーが100回に到達。女性アーティストでは初

・36 Paul McCartney、36年ぶりにアルバム1位を達成 (最長の「ぶり」*1

・34 ラップ曲が34週連続でHot 100首位に立つ (最長)

・29 Drakeが今年、29週にわたりHot 100首位に立つ (最長)

・8 アジアのアーティストが参加した曲が今年8つHot 100に登場

・7 Drakeが7曲を同時にトップ10に送り込む (最多)

・5.1 Metro Boominがアルバム1位を獲得。うちセールスの割合が5.1% (当時最少)

アーティストに

・2 Cardi Bが“I Like It”で2回目のHot 100首位獲得 (女性ラッパーでは初)

・1×2 BTSが初のアルバム1位を獲得。後に2回目のアルバム1位も獲得

・1×5 Ariana Grandeが”thank u, next”で初のHot 100首位に。現在通算5週1位

 

 優先度が低いと思った記録や、複雑な記録を外して今年のチャートで印象的だったものを追加しました。 *2

 

・100 Nicki Minaj、Hot 100エントリーが100回に到達。女性アーティストでは初

 

 今年のNicki Minajは「敗北」という印象があるかもしれません。ライバル関係にあると考えられるCardi Bがさらに躍進。Nicki Minajがキャリアでまだ1回も獲得していないHot 100首位の座をCardi Bは今年2回も獲得したのです!

 さらには自身のアルバムも2週目のTravis Scottに破れアルバム1位獲得ならず。Nicki Minajも悪くない数字だったものの、ストリーミングとセールスの両方で圧倒的な数字を記録したTravis Scottには及びませんでした。

 ちなみにNicki MinajはTravis Scottのそのセールスの数字を高めた「グッズに音源をつける戦略」についてケチを付けましたが、自身もツアーチケットと絡めた販売戦略を行っていたのです。そんな「どっちもどっち」の状況下で、ケチをつけるNicki Minajにはどこか「余裕の無さ」のようなものを感じました。

 

 このように書いていくとNicki Minajの1年はボロボロのようにも思えますが、実は今年もコンスタントに結果を残し続けているのです。

 客演で参加した曲はヒットが多く、“MotorSport”、“FEFE”、”Big Bank”、“Plain Jane”と4曲がHot 100の年間チャート入り。なんだかんだ活躍していて、今年は22曲をHot 100にエントリーさせています。 (ただし先述したライバルたち、Cardi BやTravis Scottはもっと多いですが……)

 

※参考 今年Hot 100へのエントリーが多いアーティスト (Chart Dataより)

1 Drake 35曲

2 Travis Scott 31曲

3 Lil Wayne 25曲

4 XXXTENTACION、Cardi B 24曲

6 Nicki Minaj、Post Malone 22曲

 

 そのような今年の活躍もあり、Nicki Minajの総Hot 100エントリー数は102まで到達しました!女性アーティストでHot 100エントリーが3桁に到達するのは史上初。コンスタントに、そして幅広く活動するNicki Minajならではの記録だったと思います。

 

※Hot 100エントリー数

1 Glee Cast 217

2 Drake 192

3 Lil Wayne 161

4 Nicki Minaj 102

※Hot 100の前時代も含めるとElvis Presleyは108曲

 

 

・36 Paul McCartney、36年ぶりにアルバム1位を達成 

 

 レジェンドが久々のアルバム1位獲得。ビルボードはこの記録を純粋に「久々のカムバック」のように説明していますが、私は少し別の目線でこの記録を見てみようと思います。

 

 ここ13作品ではアルバム1位を逃していたPaul McCartney。今回久々にアルバム1位を獲得できたのは戦略があったからだと思います。彼がアルバム1位を獲得した週のビルボード記事にはこのようにあります。

Egypt Station’s launch was bolstered by sales from a concert ticket/album sale redemption offer, as well as a number of merchandise/album bundle packages available on McCartney’s official website.

 

 このように、ツアーチケットと音源(またはCD)セールスを絡めることで、数字を高めてアルバムチャートで優位に立とうとする戦略が昨今増加しています。このアルバムもこの戦略を用いて、久々にアルバム1位を獲得することに成功しました。ほかグッズと音源を絡める戦略も使用していることが記事には書かれています。

 この戦略はアルバム以外の要素を使う「盤外戦術」ではありますが、結局アーティストの人気がなければツアーのチケットも売れないので、アーティストの力を活かすという点では従来のアルバムチャートとはそこまで違いが無いと私は考えています。

 

 しかし、この戦略で注目したいのは「その後」です。ツアーチケットで数字を増やしたはいいものの、2週目以降はこの勢いが続かず、アルバムチャートで一気に順位を落とすことがこの「チケット戦略」で多く見られます。

 このPaul McCartneyのアルバムも1位を獲得して以降は、8位→55位→72位→144位→圏外 と推移しています。詳しくは以下の記事に書いたのでよかったら参照してみてください。

 

 

・34 ラップ曲が34週連続でHot 100首位に立つ (最長)

 

 Hot 100のチャートシステムにおいて、その根幹を担っているのは多くの場合ラジオです。ダウンロードもストリーミングも重要な集計要素ですが、多くの曲はラジオの調子によって順位が決まることが多いです。(ラジオはそれ自体がポイント源となるだけではなく、宣伝効果もあるためラジオで強い曲はDLやストリーミングもそれなりに伸びる)

 

 ラジオの中で最も再生数が多い系統はポップ系のようです。ほかアダルトポップなど関連系統も含めるとかなりの規模になります。それにラップ系やカントリー系ラジオが続きます。

 このようなシステム上、Hot 100ではポップスが強くなることが「必然」なのです。しかしその中でもラップ曲が34週も連続でHot 100首位に立ったということは、ストリーミングが従来のラジオをひっくり返すような規模を持ったということです。以下がその34週でHot 100首位に立っていた曲です。

Drake – God’s Plan 11週

Drake – Nice For What 8週

Childish Gambino - This Is America 2週

Post Malone feat. Ty Dolla $ign – Psycho 1週

XXXTENTACION – SAD! 1週

Cardi B, Bad Bunny & J Balvin 1週

Drake – In My Feelings 10週

 

 Drakeの曲が長い期間1位を獲得していますが、これらの3曲はラジオで1位に立っておらず、ストリーミングでラジオの不利を覆してHot 100の首位を取り続けていたことが分かります。

 従来の枠組みをストリーミングが動かした……そのようなことが読み取れるラップ曲34週連続Hot 100首位だったと思います。

 

 

・29 Drakeが今年、29週にわたりHot 100首位に立つ (最長)

 

 そんなストリーミングの王者、Drakeは歴代で最も支配的な王者でもありました。 と累計で今年29週の1位を獲得。これは2004年のUsherの28週を上回り、歴代で最長の1年における1位支配となりました。(参考)

 

 ラジオのポイントはそこまで高くなくても、ストリーミングで高いポイントを獲得……そのようなスタイルでリリース直後から大ヒット……この3曲に共通して見られるチャートアクションです。

 “God’s Plan”と”Nice For What”は最初の週から、“In My Feelings”は2週目から、といずれもかなり早いタイミングからHot 100首位に立っているのです。

 かつてはじわじわラジオのポイントを伸ばし、10-20週程度でHot 100の首位に立つというパターンが定番でしたが、そのパターンに当てはまらないヒットの仕方をDrakeはしています。

 非常に現代の王者っぽいチャートアクションを取っているDrakeですが、意外とチャートを落ちるのが早いという点には留意する必要もあるかもしれません。“God’s Plan”はチャート滞在36週と普通の長さでしたが、”Nice For What”は25週、“In My Feelings”は22週と、1位を長きに渡って獲得した曲の割にはチャート滞在が短めなのです。曲の人気がリリース直後に集中している、と捉えられそうです。

 

・8 アジアのアーティストが参加した曲が今年8つHot 100に登場

 

 今年際立ったのはアジアのアーティストの躍進です。今年一番目だったのはK-Pop勢のシングルヒット。今年だけで以下の6曲がHot 100に入りました。

 

BTS feat. Desiigner – MIC Drop (🗻28位 ⏰10週) ※昨年からの継続

BTS – FAKE LOVE (🗻10位 ⏰6週)

・BLACKPINK – DDU-DU DDU-DU (🗻55位 ⏰1週)

BTS – IDOL (🗻11位 ⏰3週)

・Dua Lipa & BLACKPINK – Kiss And Make Up (🗻93位 ⏰1週)

・Steve Aoki feat. BTS – Waste It On Me (🗻89位 ⏰1週)

※ (🗻ピーク順位 ⏰チャート滞在週数)

 

 それ以外にも中国出身シンガーKris Wu(元はK-PopグループのEXOに所属)、そして日本出身シンガー植野有砂も今年はHot 100エントリーを果たしました!

 

・Sofi Tukker feat. Nervo, The Knocks & Alisa Ueno – Best Friend (🗻81位 ⏰5週)

・Kris Wu – Like That (🗻73位 ⏰1週)

 

 これらで特徴的なのは、英語では無い言語で歌っていることが多いという点です。これらのリストの曲のうち、Kris Wuの“Like That”、そしてBTSが客演の”Waste It On Me”以外では自身の言語で歌っています。

 かつてUSでヒットをさせるには「郷に入っては郷に従え」で、現地の事務所などとコネクションを作り、英語で歌ってなど現地化をしてヒットに漕ぎ着けるということが一般的でしたが、現在は言語の壁を超えて世界的にヒットとなることが増えてきました。

 

 これらの曲はチャートの滞在が短く、完全に「定着した」とまでは言えない場合もありますが、確実にアジアのアーティストが無視できないものになっているのは確かでしょう。

※この記事の次の週のHot 100では(12/29)、オノ・ヨーコもクレジットに入っているJohn Lennonの”Happy Xmas"がクリスマス効果でHot 100にエントリーしました

 

・7 Drakeが7曲を同時にトップ10に送り込む (最多)

 

 ストリーミングの覇者、Drakeは今年いくつものHot 100関連記録を打ち破り続けました。その中でも衝撃度が大きかったのは、この7曲同時トップ10入りです。これがDrakeのアルバム“Scorpion”が反映された週のHot 100のトップ10です。

 

1 Drake – Nice For What

2 Drake – Nonstop

3 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It

4 Drake – God’s Plan

5 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

6 Drake – In My Feelings

7 Drake – I’m Upset

8 Drake – Emotionless

9 Drake & Michael Jackson – Don’t Matter To Me

10 XXXTENTACION – SAD!

 

 見てくださいこの一面のDrake!と言わんばかりのDrakeラッシュです。これにより、DrakeはThe Beatlesが54年も守り続けていた「トップ10同時エントリー記録」を打ち破り、更新しました。

 現代においてヒットを飛ばすには、いかにストリーミングで「王」になることが重要であるか、この記録が物語っているように思います。

 

 ただし、ここでも留意する必要があるのはやはりチャート滞在が短いという点です。この7曲のうち“Emotionless”、”I’m Upset”、“Don’t Matter To Me”は20週に満たずチャートから外れています。(ヒット曲はチャートの仕組み上一般的に20週はチャートに入っている) さらに”Emotionless”はわずか4週でチャートを外れており、トップ10曲とは思えないほど存在感が薄いのです。

 たしかに最初の勢いは凄いですが、ストリーミングだけでヒットする曲はすぐに落ちてしまう可能性もある、と留意するのが良いかもしれません。(シングル化できる曲も少なく、ある程度限界がある)

 

※こう書くと、「じゃあThe Beatlesのチャート滞在は長いのか?」と思えるかもしれませんが、実は1964年のThe Beatles曲のチャート滞在はDrakeよりも短いことが多いです。これはそれぞれの年代における「環境」が違うので何とも言えない部分がありますが……

 

 最終的に年間チャートに入った曲数で比較すると、2018年Drakeは8曲、1964年The Beatlesは9曲です。

 

 

・5.1 Metro Boominがアルバム1位を獲得。うちセールスの割合が5.1% (最少)

 

 ストリーミングが強いのはシングルチャートだけではありません。アルバムチャートでもストリーミングが重要な要素となっています。

 ラップ系のプロデューサー、Metro Boominは今年自身初のアルバム1位を獲得。アルバムの売上(ダウンロードなど)はわずか5000枚でした。これはUSのアルバム1位としては歴代最少の数字と思われます。

 しかし、アルバムチャートはセールスだけで集計されている訳ではありません。これ以外にもストリーミングやシングルDLも集計の対象で、これらの要素を合わせるとMetro Boominのアルバムは9.9万枚を売り上げたことになります。これらの多くの数字をストリーミングで稼いでいます。

 

 近年はこのように実セールスが少ないながらもストリーミングで多くの数字を稼ぎ、アルバムチャートで上位に入るアルバムが非常に多く見られます。その中でもこのMetro Boominのアルバムはそれが顕著でした。

 ストリーミングなどを含めた「総合」の売上9.9万枚のうち、純粋なセールスは5000枚のみ……セールスは全体のわずか5.1%のみだったのです。これは歴代でもっとも低い数字です。*3

 

 アルバムチャートにおける「セールス」の比率が1割を切る……アルバムチャートはPaul McCartneyなどのチケット戦略などと合わせて、新時代に入っています。

 

※2019年に入って、リリースから3週目でアルバム1位を獲得したA Boogie wit da Hoodieは総合セールス5.8万に対して、実売上は1000未満を記録。1位アルバム史上最小のセールスであり、全体でのセールス比率も1.7%未満で、Metro Boominを上回り1位アルバム史上最小の比率です。

 

・2 Cardi Bが“I Like It”で2回目のHot 100首位獲得 (女性ラッパーでは初)

 

 今年も大活躍だったCardi B。昨年“Bodak Yellow”で、女性ラッパーとしては歴代4人目のHot 100首位を獲得しましたが、今年はさらなるHot 100首位を獲得。自身のアルバムからの”I Like It”で2度目の首位に立ち、女性ラッパーとしては初の快挙を成し遂げたのです。 (ほかのHot 100首位を獲得した女性ラッパーは1曲しか首位に立っていない)

 

 その後もCardi BはMaroon 5の“Girls Like You”の客演として再びHot 100首位に立ち、3曲目の栄冠も勝ち取っています。これによりCardi Bは通算11週のHot 100首位を記録したことになり、これも歴代最長となりました (Iggy Azaleaは”Fancy”のみで7週1位を記録)

 

 デビューアルバムも1位、さらには客演などでも大活躍で、今年だけで24曲をHot 100に送り込みました。

 今年歴史的な快挙を成し遂げたCardi B。来年以降の活躍にも期待です。

 

・1×2 BTSが初のアルバム1位を獲得。後に2回目のアルバム1位も獲得

 

 BTSのアルバム1位は珍しい記録でした。史上5人(組)目、かつ12年ぶりの「英語ではない」作品によるアルバム1位、そしてK-Pop史上初のアルバム1位、など。

 

 元々熱心なファンがいることで知られていましたが、この“Tear”からアルバムのリリースを金曜日に移したこともプラスに働き初のアルバム1位の獲得に成功したのです。

 その後同じく“Love Yourself”シリーズの”Answer”でもアルバム1位を獲得。大きな存在感を示したのです。

 アジアのアーティストの項目でも触れましたが、BTSは多くの歌詞を韓国語で歌っていることが特徴的です。アメリカにいるファンは「直接的」には歌詞の意味を理解できないことが多いでしょうが、それでも熱心なファンがいて、アメリカのアルバム1位を獲得できるパワーを持ったのです。

 このBTSのアルバム1位は「外国語で歌うアーティストの躍進」、「ファンの組織が独自のグループの躍進」、「アルバムの作りが独自なポップアーティストの躍進」様々な意味で革新的な1位で、今後の音楽のヒットを考えていくうえでとても重要な出来事だと思います。

 

 

・1×5 Ariana Grandeが”thank u, next”で初のHot 100首位に。現在通算5週1位

 

 悲願。それまでNicki Minajなどと並んで「ヒットを多く飛ばしながらもHot 100首位を取れない」アーティストの代表格だったAriana Grandeでしたが、”thank u, next”で念願の、待望のHot 100首位をついに獲得することに成功したのです。

 

 今年の4月にリリースした”no tears left to cry”でもAriana Grandeは本気で1位獲得を狙っていました。リリース直後からiTunesで値引きを行い、爆発的なダウンロードによってHot 100首位を狙う……そのような戦略でした。

 しかし、圧倒的なストリーミングを記録するDrakeの2曲(“God’s Plan”と”Nice For Wat”)の後塵に拝して3位デビューでした。その後も順位が上がらず、結局ピークは3位止まりでした。

 

 8月にリリースしたアルバム“Sweetener”ではアルバム1位を獲得し、ストリーミングでも一定の数字を記録し(ポップスのアルバムでは珍しく多くの収録曲=9曲がHot 100に入った)、成功を収めました。しかし、その中からHot 100首位を獲得する曲は現れませんでした。

 

 その後「婚約者」Pete Davidsonとの破局などを経てリリースされたのは”thank u, next”。この曲では元カレたちに対するスタンスの新しさなどが評価され、ストリーミングで高い成績を記録したのです。4月の時はストリーミングの差によってHot 100首位を阻まれましたが、今回はストリーミングで圧倒的な成績を記録して、Hot 100首位に立ったのです!

 その後ラジオ、ミュージックビデオなど他の指標でも好調を維持。現在通算5週にわたりHot 100の首位に立っています。

 

 この曲のHot 100首位は本人とって念願だっただけではなく、ラップ曲やR&Bに注目が集まりやすいストリーミングのリスナーたちを多く動かしてのHot 100首位だった、という点でも大変意義深いものだと思います。それだけAriana Grandeが人としても、また曲も期待感を集めた、ということなのでしょう。

 

 ポップスだけではなく、多くのリスナーを魅了するメインストリームの女王として、来年以降も大活躍を楽しみにしています。

 

 

 

・関連記事

 同じく振り返り記事ですが、こちらは年間チャートを参照しながら話を進めています。

 

 

 

 

*1:生存しているアーティストのうちで

*2:※一応外した理由です

・DespacitoとMeant to Be→ ジャンル別のチャートなので優先度が落ちる、チャートシステム上、長期支配をどう捉えるかも難しい。あとはジャンル別のHot ○○ Songsは歴史が浅い

・Drake→ Drakeが全体で3番目に多い記録よりも、Drakeが最多、最長の記録を優先すべきと考えたからです。Drakeはそのような記録を今年いくつか打ち立てています。

・ZEZE→ この記録に関して「へー、なるほどー」以上のことを言えない……

・Bruno Mars→ この記録は「いかにBruno Marsがコンスタントにヒットを飛ばしているか」を証明するのに良いと思いますが、条件が複雑すぎて史上初でも無いので、分かりづらいと感じました。

*3:Kanye Westの2016年の“The Life of Pablo”がよくストリーミングのみのアルバムと捉えられることがありますが、あの作品はKanye Westのサイトからダウンロードが可能で、一定の売上を記録しています