こんばんは!各種音楽チャートでは年末に「年間チャート」が発表され、今年の総決算のような位置づけになっています。その年間チャートが最終的にどうなるか?を集計が半分の現時点で予想しよう!というのがこの記事の趣旨です。
予想の対象となるのはUSシングルチャート、Billboard Hot 100の年間チャートです。このチャートは大まかに12月~11月(チャートの日付)のスパンで集計されているため、5月末が「半年経過時点」になります。
私はこれを2017年、2018年にも行っており結果はいずれもトップ10正解率は8/10、ピタリは2でした。(記事のリンクは最後にあります)
・2017年
予想 | 結果 | |
1 | Shape of You | Shape of You |
2 | That's What I Like | Despacito |
3 | Despacito | That's What I Like |
4 | Bad and Boujee | HUMBLE. |
5 | HUMBLE. | Something Just Like This |
6 | Closer | Bad and Boujee |
7 | I'm the One | Closer |
8 | Taylor Swift Upcoming Single | Body Like A Back Road |
9 | Something Just Like This | Believer |
10 | Congratulations | Congratulations |
・2018年
予想 | 結果 | |
1 | God's Plan | God's Plan |
2 | Perfect | Perfect |
3 | Nice For What | Meant to Be |
4 | Meant to Be | Havana |
5 | Psycho | rockstar |
6 | Havana | Psycho |
7 | rockstar | I Like It |
8 | Look Alive | The Middle |
9 | The Middle | In My Feelings |
10 | I Like It | Girls Like You |
なかなか良い線行ったとも思いますが(自画自賛ですいません)、まだ上を目指せるような気もします。今年は初のトップ10全正解を目指して張り切っていきたいと思います (でもあくまで「未来予測」なので大外しの可能性もありますので、お手柔らかにお願いします💦)
ということで、今年のHot 100年間トップ10予想は以下の通りです
1 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus - Old Town Road
2 Halsey - Without Me
3 Post Malone & Swae Lee - Sunflower
4 Marshmello & Bastille - Happier
5 Post Malone - Wow.
6 Panic! At the Disco - High Hopes
7 Ariana Grande - 7 rings
8 Billie Eilish - bad guy
9 Ariana Grande – thank u, next
10 Jonas Brothers – Sucker
・ポイント
年間チャートを読み解くポイントは……
① 週間チャート圏外の期間は年間チャート集計外で、「いかにロングヒットしているか」が肝になります。この結果ラジオでロングヒットの曲がピークの割に上位に入るケースがあります
② 最近顕著に見られる傾向で、同じHot 100首位でも「弱い首位」「強い首位」の差が激しいのでこれを考慮する必要があります。
また今年の年間チャートでは集計期間にも注意が必要です。2018年の週間チャートで時期の調整のために特殊な日程(1/3→1/6→1/10)が組まれたことがありました。そのため、
従来の年間チャート集計期間(12月初週~11月末)に当てはめると53週分の集計があることになります。これを調整するために昨年分の集計が1週ずれ込んだ可能性も考えられています。
これを今年も継続するとすれば、1週分ずれこむ=11/24から集計開始の可能性もあるので、それも一応考慮しながら予想していきます。(これが本当ならば「半年経過」から1週過ぎてしまうことになりますが💦)
個別解説
1 Old Town Road
これは年間1位獲得がほぼ確実です。チャート入りの時期は少し遅め(3月)でしたが、1位に立ってからは2位にダブルスコアをつける圧倒的なポイントをゲット。それが複数週にわたって続いているため、最終的に莫大なポイントを手に入れそうです。公式ビデオの再生数が加味されるのは来週のチャートからなので、まだ伸びしろがあるというのがこの曲の末恐ろしいところです。
2 Without Me
3 Sunflower
2位を争うのはこの2曲です。1位とは差がありますが、4位以下とも差がありそうです。ここ数週調子が良いのは”Sunflower”ですが、序盤はやや出遅れていた(トップ10圏外)ので、“Without Me”に軍配が上がると考えました。どちらも52週までHot 100に残りそうです。
4 Happier
各系統のラジオで大人気となり、合計27週でトップ10入り(一部は昨年の集計分)、とロングヒットになった“Happier”。元から3位ピークとかなり優秀なヒットでしたが、Marshmelloが大手ゲームFortniteで行ったイベントが大きなプラスαとなって2位までジャンプアップ。このプラスの分の効果は大きく、その後もYouTube再生数などに好影響を及ぼして高順位をキープしました。
ロングヒットでかつプラスα分が大きいと考えて高めの年間順位を予想します。この曲も52週目までチャートに残りそうです。
5 Wow.
クリスマス時期にリリースされた曲。ほぼ1年分のチャート滞在が年間チャートに乗るため、時期的な優位性があります。現在トップ10滞在が18週と上位に長く留まっていること、そしてまだ順位が大きく落ちる気配も無いということから年間5位にしました。
6 High Hopes
ピークは4位であまり高くないですが、ラジオが安定していて優秀なロングヒットになっています。14週にわたるラジオ1位は歴代で5番目に長い記録でもあります。このタイプの曲は年間チャートで体感よりも良い順位に入る傾向があるため、高めの6位と考えました。(2017年の”Believer"に近い)
「52週ルール」によってチャートに残るのは多くてもあと11週ですが、ラストまで35位くらいの順位をキープしそうな予感もします。ただし、ここ2日でだけなぜかラジオ再生数が急激に減っているのは気がかりです。
7 7 rings
ピーク時のポイントの高さはかなり優秀ですが、既に落下の気配を見せているのでこの順位にしました。(”7”つながりという謎の願掛けも兼ねて……)トップ10滞在も16週とあまり長くないです。
Ariana Grandeはロングヒット因子になりやすいアダルトポップ系統での人気が高くなくて、以前からシングルがそこまで長続きしない傾向にあります。(“Problem”でさえチャート滞在は25週の滞在)
それをむしろ有効利用し、矢継ぎ早にシングルをリリースしたことが功を奏したのが”thank u, next”期のシングルたちで、今までに無い大ヒットを記録することに成功しました。ただピーク時の勢いがあったとしても、長続きしない傾向は変わらず、”7 rings”のラジオは既に大きくマイナスに転じています。(ほか次シングルの”break up~”も既にラジオはマイナス)
8 bad guy
昨年の”I Like It”に相当する枠です。注目度が高いアーティストの、デビュー作の代表曲が大ヒットになるということです。遅めのスタート、また4位ピークと現状では若干数字が足りませんが、これからの伸びしろに期待してこの順位にしました。
「伸びしろ」としてまず挙げられるのはラジオです。Billie Eilishはアルバムリリースまでラジオ再生数に恵まれていませんでしたが、アルバム以降はラジオ局側も人気に気がついて再生数が伸びています。現在のラジオ再生数はまだ発展途上ですが、この時点でも既にHot 100順位がかなり高いので、ラジオが伸び切ればかなりHot 100でも上位に行くのでは?と考えています。
もう一つのあり得るかもしれないシナリオはリミックスです。Billie Eilishのビートが際立つ音楽性はヒップホップとの相性も良さそうで、特にラッパーを迎えたリミックスのリリースを個人的に期待しています。現在Billie Eilishの注目度はかなり高いので超大物によるリミックスも期待できそうですが果たして……??
参考:“bad guy”とラップの相性の良さを体感したマッシュアップ
9 thank u, next
ピーク=ビデオが出た週の勢いは”7 rings”のそれを上回るものでしたが、チャート滞在が半年程度と短いので控えめな順位です。ラジオの数字の急落に伴い、トップ10から落ちた後は一気に順位を落としてしまったのが痛かったです。
一気に順位を落としてしまった所を見て、正直年間トップ10入りは少し厳しいのでは?とも考えていましたが、他にあまり有力な候補もいないので年間9位予想としました。
年間チャートの集計が11/24~、12/1のどちらでもリリース最初の週(11/17付けのチャート)は今年の年間チャートに反映されません。
10 Sucker
私はこの曲をZaynの“Pillowtalk”と似たようなチャートアクションになるのでは?と予想していました。初週は注目を集めて1位デビュー、そこから一旦順位を落とすも依然として注目度は高くトップ10内をキープ。しかし注目を一気に上げすぎた反動からか、ポイントが落ち始めるも早く、結局は短命ヒットになってしまう……ということです。
“Sucker”は1位デビューした後、一旦順位を落として、そこからトップ10圏内をキープし続けています。ここまでのシナリオは”Pillowtalk”と同じですが、“Sucker”はここから長持ちする予感がします。
一気に注目を伸ばして早い段階でラジオのピークを迎えた“Sucker”でしたが、ラジオ1位になった後も数字をキープ。さらにはロングヒット因子になりやすいアダルトポップ系統でも1位に輝いたので、しばらくは数字が安定しそうです。(あとは直後にリリースされた”Cool"がそれほどビッグにならず、パイを奪い合わなくて済んだことも地味に効いています)
仮に最初の勢いの反動で、いつかラジオの数字が急落し始めたとしても、それまでの期間で充分なポイントを稼ぎそうと判断したので、“Pillowtalk”とは違い年間10位に食い込むと予想しました。
その他の候補
SICKO MODE ☆
合計で歴代2位タイの32週にわたるトップ10滞在を記録(半分くらいは去年の集計)と、見事なロングヒットを見せていた“SICKO MODE”。1位だったのは1週のみ
かなり有力な候補で、5/18のHot 100を見た時点ではこれを最終の10位にしておいたのですが、最後の週(5/25)の26位→31位という落下を見て、この先あまりチャート滞在が長くないと考えて外しました。
I Don’t Care ☆
悪くはないヒットにはなっていると思いますが、リリース時期が遅いことをひっくり返せるほどのヒット度ではない予感がします。また“I’m the One”のような抜群のキャッチーさは諸刃の剣であると思います。というのは夏場に大ヒットするかもしれませんが、あまり長続きしない可能性もあります。
ほかチャンスがあるとすれば、7月にリリースされるEd Sheeranのアルバムでストリーミングを上げてポイントをうまく稼げればトップ10滑り込みも考えられます。
この曲でもう一つ気になるのは「ギターサウンドの消失」です。“Shape of You”も同様にリズミカルな曲でしたが、ギターサウンドも随所に感じられました。なぜこのギターサウンドが重要かというと、「アダルトポップ系」というラジオ系統と相性が良いからです。
このギターサウンド&穏やかなバラードを得意とするEd Sheeranはいわば「アダルトポップ系」の申し子的存在で、この系統での人気がロングヒットにつながっていました(アダルトポップ系でのヒットはロングヒットしやすい)
しかしこの“I Don’t Care”では”Shape of You”のリズミカルさはそのまま、ギターのサウンドが感じられなくなってしまったため、「アダルトポップ系」の人気低下(または長持ちしない)可能性があり、このことによって従来のEd Sheeranの曲のようなロングヒットをあまり期待できないかもしれません。
Eastside
良い感じにロングヒットになっていますが、ちょっとピークが低めです。そろそろ52週目が迫っていて先が長くないのも痛手です。仮にチャートに登場したのが12月頃だったら年間トップ10にも届いたかもしれません。
Sweet but Psycho
現状まだ週間のトップ10にも到達していませんが、意外と可能性もある曲です。チャート入りから時間が経過した現在でもラジオがまだ少し伸びているので、この調子が続いて7位くらいまで到達し、さらにその後順位を落とすスピードがゆっくりならばトップ10に相当する成績になるのではないでしょうか……?
ただしストリーミングの低さなどがネックで、まだトップ10入りするかも怪しいと判断し、年間トップ10の予想からは外しました。
Shallow
最近は20位付近で安定した動きを見せていますが、トップ10滞在期間が5週と上位にいた期間がかなり短いので厳しそうです。ほかここ2週でラジオの大きな低下が始まっています。
現状ラジオとストリーミングで高い数値をキープし、順位を上げているKhalidの”Talk”。2月初旬とリリース時期も悪くはないです。今後伸びてトップ10に長く残れば年間トップ10にも届きそうですが、既にリズミック、アーバンの2系統ではラジオ再生数がマイナスに転じていることがネックだと判断し、年間トップ10には入らないと考えました。(ポップ系、アダルトポップ系では伸びている)
Dancing With A Strangers
ラジオを中心に良い感じに順位が推移。しかしポイントがラジオに寄りすぎているので、あまり今後の伸びしろが感じられないので年間トップ10は難しそうです。
ME!
客演のBrendon Urie=Panic! At the Discoがラジオで大きな結果を残したので、その流れに乗ってラジオで特大&ロングヒットになれば意外と可能性あるかな?と思ったのですが、既にラジオの伸びが止まりつつあるらしいので、かなり厳しいでしょう。
Girls Like You
ナイスランですが、52週ルールにそろそろ引っかかるのでさすがに厳しいです。万が一53週目以降も25位以上をキープし続けるミラクルがあれば……
Drip Too Hard
地味に意外と良い感じでロングヒットしています。年間上位も狙えるでしょうが、ただトップ10ほどではないです。
誰かしらのUpcoming Single
年の後半に曲をリリースしても年間トップ10に食い込めるような爆発的な結果を残せるのはRihanna、Adele、Drakeあたりが候補かなと思います。
Drakeはスパン的に今年のリリースは正式なアルバムではなくミックステープ系(プレイリストとか)が来ると思うので、シングルもそこまでビッグにしないと思います。
Rihannaはストリーミング、Adeleはダウンロードで莫大な数字を稼いで驚異的な巻き返しをしそうです。仮にリリースすれば、の話ですが。
ただし、“Old Town Road”が数々の1位候補撃破を見ると、この3人クラスの人物が曲をリリースしても1位を取れないのではとも考えられます。シングル1位を獲得したいであろうこの3人の陣営は、この曲のヒットが落ち着くまでリリースを待つのでは?という推測の元、この3人のリリースが仮に今年あったとしても遅めの時期で、その時期ゆえトップ10には入らないとして候補から外しました。
(ちなみに最初に記事を書いていたときは9位がRihanna – Upcoming Singleにしていましたが、この推測のもと予想を変えました)
参考:トップ10予想した曲 + SICKO MODEの順位推移
おまけ1:年間チャートのトップ100には入りそうな面白い曲
・Pinkfong – Baby Shark
・A Boogie Wit da Hoodie feat. 6ix9ine – Swervin
・YNW Melly – Murder On My Mind
それぞれ理由は違いますが、ラジオに「無視」されながらも年間トップ100に食い込みそうな曲です。“Baby Shark”はほぼYouTube「専門」のためラジオシングルにはならず。”Swervin”はシングルに「選ばれなかった」ためにラジオでかからず。“Murder On My Mind”はアーティストの倫理的問題(殺人容疑)によってラジオにかからなかった理由として考えられます。
・Lil Baby – Close Friends
ピークの28位を記録したのは昨年の集計分で、今年の集計期間は50位以下に留まっています。しかしシングルカットのタイミングの妙によって29週チャートに生き残った(=51位以下でもラジオが伸びているのでまだヒットすると判断された)ため、年間チャートまで手が届きそうです。2019年版“El Perdon”
おまけ2:イギリス編
ついでにイギリスの年間チャート予想も行います。イギリスは1月~12月の集計なので、現時点ではまだ半分が経過していませんが。
アメリカとイギリスのチャートでは集計方法が違うので、そこを考慮しつつ年間チャートを予想する必要があります。ポイントとなるのは……
・チャート圏外でもポイントが入る、順位とあまり比例しない (昨年“Mr. Brightside”がピーク72位、滞在10週という成績ながらも年間チャート入り)
・序盤の曲が強い
以下がUK年間トップ10予想です
1 Lewis Capaldi - Someone You Loved
2 Ed Sheeran & Justin Bieber - I Don’t Care
3 Ariana Grande - 7 rings
4 Ava Max - Sweet but Psycho
5 Calvin Harris feat. Rag’n’Bone Man - Giant
6 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus - Old Town Road
7 Mabel - Don’t Call Me Up
8 Billie Eilish - bad guy
9 Ed Sheeran のアルバム曲
10 Lewis Capaldi – Hold Me While You Wait
昨年の年間チャートトップ10は全て年の前半にリリースされていた曲だったので、それを考慮して、大半をリリース済の曲から選びました。
時期、ピーク、ロングヒットとばっちり条件が揃った“Someone You Loved”の年間1位が有力。またLewis Capaldiの次シングルもかなりヒットすると考えて”Hold Me While You Wait”も年間トップ10に食い込むと予想しました。
他はグローバルヒットの"I Don't Care"、”7 rings”、”Sweet but Psycho”、”Old Town Road”、地元の利を活かしそうな“Giant”、”Don’t Call Me Up”を上位にしました。
そして残り一つは7月にアルバムをリリースするEd Sheeranが地元UKで圧倒的な強さを見せてアルバムシングルその2も大ヒットになると予想しました。
ちなみにUKのシングルチャートでは、「1つのアーティストにつき3曲まで」という制限があり、これによってEd Sheeranがアルバムで爆発的な人気を見せた場合4位程度に相当する曲でもシングルチャートに登場しない、ということもあるかもしれません。(実際、“÷”の時は1位~6位までを独占していた)
週間のチャートでは制限があるものの、年間チャートではこの制限が無くおそらく素直に毎週のポイントを合計しているので、このことから、「週間チャートに1回も登場しなかった曲が年間チャートに入る」という可能性も考えられます。特にこれが当てはまりそうなのは、Ed Sheeranのアルバム4番目、5番目人気あたりの曲です。
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