こんばんは。毎年恒例、私のベストトラックを発表します。ランキングの前に、選考基準を紹介します。
・なるべく2020年の曲を選びますが、厳密には定めず、昨年の曲を選んでいる場合もあります。12/25以降のリリースは対象外です
・主に「自分の好み」「その曲の影響力/意義」の2大要素で構成されています。比率はやや「自分の好み」に寄っています。「影響力/意義」の部分にはチャート観察で得た見識も存分に含まれています。
・サウンド重視で聞く習慣が強いため、歌詞よりもサウンドにかなり重点を置いています
・おそらくこのような企画の中で、最もTikTokヒットに肯定的/寛容(?)な気がします
・あまり上手く説明できないけれど、リストには入れたいみたいな場合も多いので、コメントは基本的に手短です。なんというか、既に完成しているものを敢えて言葉に直すって難しい作業ですね。ただし長く説明したい曲もあるので、その場合は表外に補足を付けています。(黄色背景の曲)
・説明等に参照した、メディアのベストソングリストのまとめ:https://www.albumoftheyear.org/songs/best/2020/
・プレイリストは最後に載せています
・100位~51位
位 | アーティスト | 曲 | ひとことコメント |
100 | Jawsh 685 & Jason Derulo | Savage Love | 鮮やかなプロモーション (補足) |
99 | Jack Gilinsky feat. Don Toliver | My Love | Justin Bieberがやりたかった?ことを本家よりも巧みに体現したと個人的に感じた曲 |
98 | The Neighbourhood | Lost in Translation | 今年過去シングルが再注目*1。そんな彼らの最新作より |
97 | LiSA | cancellation | グローバル8位!? (補足) |
96 | AJ Tracey | Hikikomori | 興味深いテーマ。彼のEPには”Yumeko"という曲も |
95 | The Killers feat. k.d. lang | Lightning Fields | 魅力的なボーカルが響く |
94 | Unghetto Mathieu | Plastic | いわば"Barbie Girl"版の”That Way" |
93 | Kero Kero Bonito | It's Bugsnax! | Kero Kero Bonitoのサウンドが存分に味わえる、ゲーム向けの曲 |
92 | Grimes | My Name is Dark | 今作はダークなムードが漂うカナダの鬼才 |
91 | MORGENSHTERN | ICE | TikTokを通してロシアの覇権ラッパーがUSに。独自のマンブル&ハードなサウンドが特徴 |
90 | Romy | Lifetime | The xxメンバーの、ソロデビュー曲 |
89 | Octavian & Skepta | Papi Chulo | ”Old Town Road"のプロデューサー、Young Kioを迎えた耳馴染みの良い曲 |
88 | Awich feat. NENE | Poison | Consequence of Soundが"Shook Shook"をBest Songリストに選んだ沖縄のラッパーAwich。個人的にはこっちの曲の方が印象的でした |
87 | Gorillaz feat. Beck | The Valley of The Pagns | 信頼のGorillazとBeck |
86 | TWICE | UP NO MORE | 新機軸のダンスポップを提示したTWICEの新作で光る1曲 |
85 | Juice WRLD | Righteous | 最初は地味だと考えていましたが、次第に染み渡った訃報後初のシングル |
84 | Lil Baby & 42 Dugg | We Paid | 新星42 Duggと共に、個性を出し合うヒット |
83 | Taylor Swift | gold rush | "folklore"の姉妹アルバム、"evermore"より |
82 | SZA feat. Ty Dolla $ign | Hit Different | R&B界を牽引する2人のタッグ |
81 | JUJU & Loredana feat. Miksu / Macloud | Kein Wort | 今年の前半に、女性ラッパー同士のタッグでドイツ1位を獲得 |
80 | Calry Rae Jepsen | Now I Don't Hate California After All | 彼女の作る曲の層の厚さを感じる、”Side B"より |
79 | XIX | Kismet | メインストリームとは一味違う、Alt TikTokという界隈が発掘した曲 |
78 | Bad Bunny | HOY COBRÉ | X100 PRE期っぽさも感じる今年2枚目のアルバムより |
77 | Chris Stapleton | Cold | 他のカントリー歌手とは大きく異る空気を放つ彼 |
76 | Jessie Ware | Soul Control | これも今年高く評価されたディスコアルバムの一つ |
75 | Kehlani feat. James Blake | Grieving | R&B色が強い今作において、独自の声を他のフィールドから導入 |
74 | Oneohtrix Point Never | Long Road Home | 荘厳なエレクトロニックとして高い評価を得る |
73 | The Used | To Feel Something | ポップパンクバンドの最新作より。絶叫のボーカルが輝くアルバムラスト曲 |
72 | jxdn | Angels & Demons | TikTokerの曲…… (補足) |
71 | Cardi B feat. Megan Thee Stallion | WAP | 批評メディアで圧倒的な支持…… (補足) |
70 | Allie X | June Gloom | インディーポップシンガーの2枚目より |
69 | 青葉市子 | Porcelain | 年末リリースでリストにはあまり入りませんでしたが、海外からの評価がかなり高いフォークシンガー |
68 | Rina Sawayama | Who's Gonna Save U Now? | 氏のアルバムからのお気に入り③ |
67 | K/DA & Maddison Beer feat. Kim Petras | VILLAIN | 今年の曲の中でKim Petrasのボーカルが最も光る曲。このEPのコンセプトも面白いですね |
66 | Charli XCX | party 4 u | 私も行った2017年の日本のイベントで初公開された曲らしい。長い時間をかけて正式リリース |
65 | Troye Sivan | Take Yourself Home | 物憂げな雰囲気からの後半の歪な展開へのチェンジアップが印象に残る曲 |
64 | Tkay Maidza | You Sad | ミックステープでは様々な色を見せた、4ADのラッパー |
63 | ppcocaine | Ddlg | TikTokで台頭。クィアラップの新星とも称されるタレント |
62 | Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. | FRANCHISE | 1位曲の割に影が薄いですが、私はM.I.A.が再び活躍をする所を見られて嬉しいです |
61 | Dua Lipa | Love Again | 氏のアルバムからのお気に入り③ もう一つは昨年選んだ”Don't Start Now" |
60 | Run the Jewels feat. Greg Nice & DJ Premier | ooh la la | 鋭さに磨きがかかる、ラップデュオ |
59 | Bad Bunny, Duki & Pablo Chill-E | Hablamos Mañana | アルバム全体の印象を大きく変える、終盤のパンキッシュな1曲 |
58 | Megan Thee Stallion feat. Young Thug | Don't Stop | アルバム内の配置からしてボートラ的存在かもしれませんが、Hyperpopとも言えるプロダクションが印象的な曲 |
57 | Lil Uzi Vert & 21 Savage | Yessirskiii | 2枚組の、ラッププロジェクトと思しき方の作品より |
56 | Flo Milli | Pussycat Doll | 気鋭の女性ラッパーの作品より |
55 | Rico Nasty | IPHONE | ラップとプロダクション、2つの鋭さの融合 |
54 | Arca feat. ROSALÍA | KLK | レゲトンの新しい姿を目指す |
53 | Powfu feat. beabadoobee | death bed | Pitchforkの予言… (補足) |
52 | A.G. Cook | Oh Yeah | PC Musicの長の(2連の)デビュー作より。温かいサウンド |
51 | CJ | Whoopty | ボリウッドをサンプリングのドリル曲。現在チャートで躍進中、来年さらにヒットにも期待 |
追記:私の確認ミスにより、Kali Uchisの楽曲を入れようとしていたものの、入れ忘れてしまいました。“//aguardiente y limón %ᵕ‿‿ᵕ%”を51位相当だと思っておいてください……!(プレイリストには入れました)
~補足~
100 Jawsh 685 & Jason Derulo – Savage Love
曲の質的には正直物足りなさも感じるのですが、そのプロモーションの見事さから、紹介すべき曲と考えました。Jason Derulo有名アーティストの中でも熱心にTikTokに取り組み、そこで人気を獲得。そしてTikTokでヒットしていたインスト曲にボーカルを乗せた曲をリリースすると大ヒットに。US、UK、ドイツと主要国で1位を獲得。
キャリアのあるシンガーが若者の新しい文化に熱心に取り組み、それが最終的に自身の本職にもプラスをもたらすという素晴らしい結末に。
後にBTSとのリミックスでHot 100首位も獲得。最初から最後までプロモーション戦略の巧みさが際立ちました。
97 LiSA – cancellation
新設されたBillboard Global 200では8位を獲得したLiSA。ヒットの分布を見ると、東アジアに偏っており、「グローバル8位」の字面のイメージとは少し異なるとは思うのですが、それでも彼女には海外ヒットを期待させるような可能性はあると考えています。
アニメという世界中で愛されるフォーマットに加え、力強いポップパンク系の音楽スタイルという2つの個性は海外圏にも馴染みやすいと考えています。個人的に「ポップパンク」という部分に評価の重点を置いているため、ポップパンク成分が薄いと感じたグローバル8位の「炎」より、彼女のアルバムに収録されていたこの曲を選びました。
72 jxdn – Angels & Demons
有名TikTokerのロックエナジー溢れるデビュー曲。彼はBlink-182のTravis Barkerのレーベルに所属し、この楽曲にも彼がクレジットされています。
VineのShawn Mendesなど、ネットのプラットフォームの有名人が歌手デビューするのは別に珍しいことでは無いのですが、TikTokではそのサイクルの1周目から彼のようなタイプが存在するのは大変興味深いです。
71 Cardi B feat. Megan Thee Stallion – WAP
その「女性による下ネタエンパワメント」には意義があり、大きくヒットしていたことから、今年を象徴する曲の一つという点に関しては疑問の余地が無いです。ただし、ここまで批評メディアの評価が高いのはかなり不思議でした。Pitchfork、Rolling Stone、NMEと大手メディアが軒並み今年のベストソング1位に認定しています。
上記のような点では意義はありますが、両者にとっても初のHot 100首位ではないし、「女性ラッパー同士の首位曲」もビルボード曰く、“Say So”の方らしいです。また初期からストリップ出身という出自を誇っていたCardi Bがこのような系統の曲をリリースするのは驚きではないお感じるので、各メディアで「軒並み」「独走」になるのはやはり不思議です。
そして曲の内容的にもMegan Thee Stallionのラップの上手さ以外は、さほど特筆すべき物を個人的に感じなかったので、このくらいの順位にしました。
あとすごく個人的な感想になるのですが、このタイプのヒットはすぐにメディア等に承認されるよりも、民衆の間で長く支持をされ続け、数年後にようやく認められるみたいな流れの方が似合う気はします。
53 Powfu feat. beabadoobee – death bed
Pitchforkは「2020年代に起こること」という記事において、Lo-Fi Hip-HopがUSでナンバーワンのジャンルになると予言。仮にそれが実現するとなれば、間違いなくジャンルのベンチマークとして語られ続けるであろう1曲。(実現するかは分かりませんが)
50位~1位
位 | アーティスト | 曲 | ひとことコメント |
50 | BTS | UGH! | Hot 100初の首位など今年も大活躍した彼らのリリースの中で、格が違うと感じた曲 |
49 | Phoebe Ryan | A Thousand Ways | キュートな歌声を持つシンガーのデビュー作より |
48 | Yaeji feat. Nappy Nina | MONEY CAN'T BUY | ハウス~ヒップホップのプロデューサー、初のミックステープから |
47 | Ariana Grande | 34+35 | 彼女のボーカルが映える、R&B的センスもある美メロディーなポップス |
46 | YUKIKA | Soul Lady | シティポップを導入した、日本出身K-Popシンガーの光り輝く1曲 |
45 | Don Toliver feat. Travis Scott & Kaash Paige | Euphoria | 彼のボーカルの「味」を活用し、引き込まれる雰囲気を持つ曲 |
44 | Ashnikko | Daisy | 力強さを見せる1曲。ロック的要素も感じるラップ曲 |
43 | BENEE feat. Grimes | Sheesh | アルバムでは様々な方向性を試みたBENEE |
42 | 春ねむり | Pink Unicorn | ポエトリー&パンクなサウンドで、エネルギーの強さを感じる彼女 |
41 | 100 gecs feat. Fall Out Boy, Craig Owens & Nicole Dollanganger | hand crushed by mallet (Remix) | 激しさという観点では今年屈指の存在。Fall Out Boyを迎え、パンクに曲を進化させる |
40 | Rina Sawayama | Bad Friend | R&B的エッセンスも見せたデビュー作 |
39 | Charli XCX | visions | アウトロで魅せる1曲 |
38 | Miley Cyrus feat. Stevie Nicks | Midnight Sky (Edge of Midnight) | Andrew WattとFleetwood… (補足) |
37 | LIL NAS X | HOLIDAY | キャッチーな曲。曲単位というよりは、LIL NAS Xという存在への期待感からチョイス |
36 | Phoebe Bridgers | I Know the End | 今年屈指のインディーアンセム |
35 | The Chicks | Gaslighter | 10年以上のブランクを経ての復活を力強く印象づける1曲 |
34 | The Avalanches feat. MGMT & Johnny Marr | The Divine Chord | The Avlanchesの温かみあるサウンドを、豪華客演と共に |
33 | Hayley Williams | Sudden Desire | アルバムでは様々な取り組みを見せる中で、光り輝く彼女のボーカル |
32 | Kylie Minogue | Say Something | 変わらず素晴らしいダンスポップを生み出す、名シンガー |
31 | Shygirl | FREAK | 破壊力のあるサウンドを見せつけたUKのプロデューサー |
30 | Yves Tumor | Kerosene! | サイケデリック・ロックバンドの新作より |
29 | Bad Bunny | Yo Perreo Sola | この曲のビデオの彼の姿を見て、彼に魅了された人も多いと思います |
28 | HAIM | Up From A Dream | HAIMの新作より。どの収録曲も粒ぞろいで、曲を一つに選ぶ作業で迷いました |
27 | Christine and the Queens | People, I've been sad | 今年の時勢/感情がうまく表現されているとの評 |
26 | Joji | Gimme Love | ポップ→甘美なバラードへのスイッチが魅力的 |
25 | The Weeknd | After Hours | アルバムの方向性を知らしめた長尺の先行曲 |
24 | Tame Impala | One More Year | アルバムの世界観へと誘う、完璧な1曲目 |
23 | Lil Uzi Vert | That Way | 名曲を現代に蘇らせる |
22 | Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch | The Woo | 今年大活躍のPop Smoke… (補足) |
21 | 21 Savage & Metro Boomin | Runnin | 4年ぶりのシリーズ2作目より。2人の相性の良さは色褪せず |
20 | 070 Shake | Guilty Conscience | シンガーのデビュー作で、ひときわ大きな輝きを放つ1曲 |
19 | Mac Miller | Blue World | アルバムの深淵へと誘う少し不思議な世界観。Disclosureがプロデュース |
18 | Chloe x Halle | Do It | 今年屈指のR&Bアンセム。女性ラッパー大集合のリミックスもナイス |
17 | Fiona Apple | Newspaper | アルバムで一番迫力を感じた曲 |
16 | Dorian Electra feat. Rebecca Black | Edgelord | Rebecca Blackという意義深いゲストを担ぎ出す |
15 | Polo G, Stunna 4 Vegas & NLE Choppa feat. Mike-WiLL Made It | Go Stupid | 2人の豪華プロデューサー(Mike-WiLLとTay Keith)の元、3人の気鋭ラッパーが大きく躍動 |
14 | Lady Gaga & Ariana Grande | Rain On Me | 今年の暗い状況を打破するために、光り輝く「明るいヒット曲」 |
13 | Doja Cat feat. Nicki Minaj | Say So | "Savage"と共にHot 100首位を争い、今年の女性ラッパー大活躍を印象づける |
12 | Perfume Genius | Jason | 美しさという点で傑出した存在 |
11 | Taylor Swift feat. Bon Iver | exile | 彼女の今年の方向性を象徴する曲 |
10 | Ava Max | Kings & Queens | ここ3年のダンスポップの星 (補足) |
9 | Lil Uzi Vert | You Better Move | 昔のウィンドウズのピンボール… (補足) |
8 | Rina Sawayama | Akasaka Sad | アルバムの中で最も印象的な曲。日本語の組み込み方が非常に巧み*2 |
7 | Dua Lipa | Physical | USでは非シングル設定も、その存在感・影響力は格別 |
6 | Poppy | BLOODMONEY | 破壊力は随一。*3 |
5 | Charli XCX | claws | 先鋭さ、ポップさが高次元で融合 |
4 | Troye Sivan | Easy | 個人的今年屈指のアンセム系。Kacey MusgravesとMark Ronsonを迎えたリミックスも◎ |
3 | Bad Bunny, Jowell & Randy & Ñengo Flow | Safaera | 声に特徴のある客演を従え、絶え間ない最高のパーティー・レゲトン曲を完成させた |
2 | Megan Thee Stallion feat. Beyoncé | Savage | 今年のヒット曲で最も際立つ… (補足) |
1 | 100 gecs feat. Charli XCX, Rico Nasty & Kero Kero Bonito | ringtone | それぞれのボーカリストが個性を発揮し、最高のポップソングが完成 |
~補足~
38位 Miley Cyrus feat. Stevie Nicks – Midnight Sky (Edge of Midnight)
評価も高かった1曲。純粋に曲としても良いと思いますし、何より今年再注目されたFleetwood Macのボーカル、Stevie Nicksをリミックスで呼び寄せた点も個人的にはポイントが高いです。
その彼女らの“Dreams”なんですが、Rolling Stoneが今年の曲では無いにも関わらず、今年のベストリストに入れていたのが面白かったです。
ちなみに、彼女は長いことAndrew Wyattと組んで曲をリリースしてきましたが、この曲ではAndrew Wattとタッグ。Wattは現行シーンでヒットを「量産」していますが、ここまで批評家に評価されるのは少し珍しいような気がします。
22 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch
アルバムは大ヒットし、複数シングルが人気を得て自らの才能を証明したPop Smoke。その収録曲の中でも、彼のボーカルが輝いていると感じたのでこの曲をチョイスしました。
私はその活躍ぶりから、Pop Smokeはアルバム/シングル共に批評家のリストに多く掲載されるかと考えていましたが、さほど取り上げられず。特にこの曲は同じく今年大活躍のRoddy Ricchもいるので、「昨年はRoddy Ricchを取り上げなくてゴメン!」というニュアンスも同時に出せるので、批評メディアの間で需要があるかな?とも考えていたのですが、それをしたい場合は普通に昨年末の”The Box”を選ぶようですね。(Pitchforkは両方選んでいます)
“The Box”はかなり年末のリリースだったので、今年のリストに入るのもまあ納得ではあるのですが、今年のリストではこれ以外に、昨年11月リリースの“Blinding Lights”がかなり多くのリストに取り上げられました。他に昨年10月リリースの”Don’t Start Now“も。
私は「去年の先行で外したのに!後出し厳禁!」ということが言いたいのでは全くなく、それだけ現行の批評メディアが曲の受容、つまりはヒットチャート的要素を重視していることが伺えるな、という発見を伝えたかったのです。
10 Ava Max – Kings & Queens
現代では珍しさも感じる、ダンスポップを極め続けるAva Max。その彼女が見せたロック成分を含有した新境地。地道に勢力を拡大していき、USのラジオでは“Sweet but Psycho”以上のヒットに。あまり注目されませんが、ポップスに新鮮さをもたらしつつ、ヒットも安定して飛ばし続ける彼女の活躍に私は大きな拍手を贈りたいです。
9 Lil Uzi Vert – You Better Move
私は彼と同じ1994年生まれ、ということもあってなのか、この曲でサンプリングされたウィンドウズのピンボール効果音はノスタルジーのツボにドンピシャでした。客演が少なく、彼の世界観/ボーカルを全面に押し出した“Eternal Atake”のハイライトだと感じました。
ちなみに歌詞には遊戯王も登場しますが、残念ながら私は遊戯王をやったことは無いです。周りの人はけっこうやっていたので、「世代」ではあるのですが。
2 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé – Savage
各メディアのベストリストが出るまでは、この曲が“WAP”的な立場になると思っていました。この曲もかなり評価は高いですが。
この曲はMegan Thee Stallionにとって初の首位(かつ初のトップ10)。さらに今年メインストリームで最も盛り上がった感じた瞬間は“Savage”対”Say So”のHot 100首位争いと思っているので、そこに参加した“Savage”はやはり意義があるかなと感じました。両者のラップの巧みさも際立ちます。
プレイリスト
※Spotifyは無料会員がプレイリストを作ると、違う曲をリストに勝手に入れるようになったので、今回は無しで😅
ベストアルバム編