チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Billboard(US) 動向 2月号 【シングル/アルバム1位が不動の月】

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 こんばんは。2月のHot 100 / Billboard 200の動向を観察していきます。イベントの多い先月とは違い、シングル/アルバム1位に変化がないなど、動きの少ない月でした。

 

目次:

 

 

1 シングル/アルバム1位が不動

 

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 共に1位が変わらず、”drivers license”とMorgan Wallenが独占。月を通して、シングル1位が変わらないのは昨年の7月以来(”ROCKSTAR”)、アルバム1位が変わらないのは昨年4月以来(The Weeknd)です。レア度が高いのはアルバムの方で、その一つ前の事例は2016年6月のDrake - ”Views”まで遡ります。シングル/アルバムの両方が月を通して変わらないのもその時以来です。

 “drivers license”はストリーミングが徐々に減少するものの、ラジオの急上昇でそれをカバー。トータルでは少しずつポイントを落としているものの、1位をキープするには十分な成績を維持しています。”34+35”や”Up”、”Blinding Lights”など複数の曲が1位に迫りましたが、そのチャレンジにことごとく勝ってきました。

 ビルボードでは先週比ポイントが上昇した曲にはAwardsの欄に”Gain in Performance”という表記がされます。(◎か☆が付いている曲です) 逆に無ければポイントはマイナスということなのですが、何かしらのジャンルで伸び幅が最大の場合は、ポイントに関わらずGain in Performanceと表記されます。”drivers license”はここ数週続けて「ラジオの伸び幅最大」を記録しているため、ずっとGain in Performanceという扱いになっています。ただしストリーミング等の数字を見ると、ポイント自体は若干減少していると推測されます。

 

 そしてアルバム1位のMorgan Wallen。Nワードを発したことにより、ラジオやプレイリストでのサポートが終了。リスナーからも「キャンセル」されてしまう可能性がありましたが、この1件の直後はむしろ売上がアップしました。

 この1件の動きが大きく反映された2/13付のチャートでは総合売上が14%アップ(14.9万枚)。ストリーミングは3%のみの上昇ですが、セールスは102%、シングルDLは67%と著しく上昇。ファンが彼をサポートするために行動したことが伺えます。

 続く2/20付けチャートでは、セールスがさらに向上し、売上も微増の15万枚まで到達しました。この2週に関して、「伸びた理由」を説明するとセールスになりますが、この2週でも引き続き総合売上の2/3以上はストリーミングが占めているので、「売れている要因」はストリーミングということになります。

 ちなみにこの週は前アルバムの”If I Know Me”も10位に浮上。それまでのピークを更新し、滞在124週目にして初のトップ10入りを果たしました。

 2/27になるとアルバムのセールスが落ち着き、売上は まで減少。初めて10万を割りました。しかし競合となるようなアルバムが存在しないため、1位はキープしています。(3月もしばらくそうかも)

 

 

2 ハーフタイムショー

 

 今年のハーフタイムショーは一定のチャート効果を発揮。2/20付のHot 100では”Save Your Tears”は8位→4位に、”Blinding Lights”は3位キープですが著しい上昇を見せました。その他ベスト盤の”The Highlights”がアルバムチャート2位に登場。

 ベスト盤とオリジナル作品の曲は一部重複していますが、そのような場合は実セールスが高い方にストリーミング(とシングルDL)がカウントされます。この週最も売上が高かったThe Weekndの作品は”The Highlights”なので、該当シングルはすべてこちらに集計。稼ぎ頭のシングルをある意味「奪われた」”After Hours”は?位から37位に順位を落としています。次の週にはセールスが”After Hours” > “The Highlights”となり、元のような順位に戻っています。

 ちなみに昨年のハーフタイムショーはYouTubeでの再生数が過去最大を記録するなど、かなり評判が良かったですが、チャート効果でいうと存在感希薄でした。Hot 100への関連曲の登場はゼロ。アルバムチャートでも関連作品が50位以内にも入っていませんでした。ShakiraJennifer Lopezの現行ヒットが少なかったことが理由に挙げられそうです。(このことからチャート効果と評判/注目度がイコールではないことが伺えます)

 

 

3 その他のトップ10

 

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 ・Dua Lipa feat. DaBaby - Levitating

 ラジオとストリーミングを両立したヒットで、かつての“New Rules”=6位を上回り、5位まで到達。ピーク順位で見るとキャリア2番目のヒットに。さらなる浮上なるか?と思いましたが、月末あたりからラジオがマイナスに転じ始めたので、これ以上の上昇は難しいでしょう。

 

・Ariana Grande - 34+35

 先月のリミックスに引き続き、ビデオ効果で再び2位に浮上。どこかで1位を取る算段だったのかもしれませんが、”drivers license”の壁は高かったです。ちなみにリミックスをリリースした週以外は、オリジナルの方がメインと見なされ、リミックス勢(Doja CatとMegan Thee Stallion)はクレジットされず。とはいえ個々のChart Historyにはクレジットは残ります。

 

・CJ - Whoopty

 ストリーミングで芽が出たドリル曲。ラジオも素早く追随し、見事トップ10に。1週でトップ10を後にしましたが、現在もラジオがまだ伸びているのでトップ10復帰の芽もあります。

 この曲のヒットによって、昨年のPop Smokeでも見られたドリル・ムーブメントがさらに強化されたような印象です。TikTokではこの曲に絡めたUS Drill vs. 他の国のDrillの比較動画が登場し、各種ドリルリミックス(”Just Dance”や”Smells Like Teen Spirit”)なども流通しました。(ただ不安定なプラットフォームの宿命なのか、何個か動画が消えているような気もします)

個人的なお気に入り: https://vt.tiktok.com/ZSJRQePFC/

 

TikTokはそれぞれに合わせたFor Your Pageの機能が充実しており、そこがメインで使われているようです。しかし「それぞれに合わせた」ものなので、自分のFYPに出てくるコンテンツが全国区ではない可能性もあります。個人的にはこのDrill Songs比較シリーズ、めちゃくちゃ見かけた印象なのですが、どこまでの規模なのか全体像を把握することは難しいです。ただDrill Remixの2曲に関してはある程度の規模をTokboard等で確認しています)

 

・Cardi B - UP

 Cardi B新曲。“WAP”の再現を狙いましたが、2位スタートに。ストリーミング、セールス共に”WAP”の半分以下でした。(もちろん”WAP“が比較対象としては異例なのですが)

 セールスはこの週で最多の3.7万。うち0.3万はCDから計上されています。

 ストリーミングは3120万。ビルボードのStreaming Songsでは首位を獲得しましたが、Spotifyでは週間5位、YouTube週間2位、Apple Musicでも週の半分くらいは2位(残り半分は1位)になるなど、必ずしも覇権を握っていたわけではないです。

 初週1位を逃したとはいえ、このような初週ブーストを狙うタイプの曲としては2週目以降の下降が最小限なのは朗報です。2週目も5位をキープし、各指標で上位に残っています。

 

・Pop Smoke - What You Know Bout Love

 TikTok→ストリーミング→ラジオの順で人気に。そのラジオが伸びてきて、23週目にしてトップ10入り。ストリーミング→ラジオへと人気がスライドする曲は、ピークが分かれてしまう故にあまり順位が伸びないことも多いですが、この曲はトップ10に届きました。

 

・Lil Tjay feat. 6LACK - Calling My Phone

 リリースと共に、ストリーミングで予想外の注目を集め、見事上位デビュー。両者にとって初のトップ10となりました。6LACKはトップ40も初。一方Lil TjayはPolo Gとの“Pop Out”で11位まで到達した経験があります。

 このような2人が予想外の大ヒットを遂げた要因としてビルボードが指摘するのは、TikTokにあったスニペット。(=曲の一部の切り取り)正式リリース前にこれが流通したことにより、リスナーに浸透して期待度が高まっていたということです。これはMorgan Wallenの”7 Summers”でも指摘されていたことです。

 この2曲はいずれもTikTok内で覇権クラスのヒットというわけではないのですが、リスナーにうまく届けば規模はあまり関係ないのかもしれません。先述のようにTikTokはおすすめ機能(For Your Page)に力が注がれており、規模が大きくない動画でもFYPに一定数現れます。

 ちなみにビルボードは6LACKを客演表記にしていますが、多くの他媒体ではLil Tjay & 6LACKの表記になっています。

 

・Billie Eilish - Therefore I Am

 今月トップ10には入っていませんが、そのうち復帰しそう(リリース週は2位だった)な曲です。初週のようなストリーミングはもう無いですが、代わりにラジオで浮上中。オルタナティブ系ラジオでは自身4曲目の1位を達成しています。

 

 

4 Hot 100に初登場 or 2~3曲目のアーティスト

 

・Giveon

 今月面白い登場の仕方をしたシンガー。2/3曲目のHot 100入りを果たしました。昨年Drakeのミックステープに収録された“Chicago Freestyle”で初のHot 100入りを達成。この作品には多くの豪華ゲストが参加していましたが、それらの曲を上回り、アルバム曲の中では最大のヒットになっていました。(12週滞在、シングルの”Toosie Slide”に次ぐ成績)

 そのDrakeのミックステープよりも前に、彼はEPをリリースしていたのですが、そこに収録されているシングルが今になって注目されはじめました。2/27付のHot 100で、ストリーミングヒットの“HEARTBREAK ANNIVERSARY”、そしてラジオシングルの”LIKE I WANT YOU“が同時に登場しました。

 ちなみに前者は”Anniversary”の名をなぞるかのように、リリースからほぼ1周年のタイミングでHot 100入りを果たしています。後者はアダルトR&Bという系統での人気に加え、“Anniversary”人気に引っ張られたストリーミングの浮上も生きてのHot 100入りだと思われます。

 このような過去曲の急な浮上は、おそらくTikTokの影響もあるとは思うのですが、彼に対しては以前からプレイリストのサポートも充実していました。

 SpotifyではGlobal / USランキングに入る前から最大手プレイリストToday’s Top Hitsに。このリストに入って以降、大きな躍進を果たしました。Apple Musicでは、この曲がプレイリスト入りしたのはヒットしてからでしたが、12月末に彼のクリスマス曲がToday’s Hits(US版)に入るということがありました。特別クリスマス曲の中でも目立つセールスだったわけではないので、彼に期待してのプレイリスト入りだったと思われます。

 ちなみにAppleiTunesではGIVĒONという表記で、SpotifyではGiveonです。ビルボードは技術的な問題なのか、発音記号を表記しないので、Giveonです。

 

・Brent Faiyz & DJ Dahi feat. Tyler, the Creator - Gravity

 Brent FaiyazはGoldlinkの客演を務めた“Crew”以来2曲目のHot 100。DJ Dahiは自身の名義では初のHot 100に。(名前が表に出ない裏方としては数曲のHot 100入り歴があります) Tylerは13曲目のHot 100。

 この曲はTikTokでも注目されていますが、曲のヒットよりも少し後に注目されたような気もするので、因果関係は不明。1週でチャートから外れてしまいましたが、今後TikTokで勢力を伸ばせば、再登場の可能性もあるかも?

 

・Masked Wolf - Astronaut In The Ocean

 オーストラリア出身ラッパーの曲がグローバルヒットに。おそらくTikTokから恩恵を受けてのヒット。現在世界的に急浮上中で、今後の順位上昇が大いに期待されます。

 どちらかというとポップラップという曲調で、オンエアされるラジオはおそらくポップやリズミック系で、RMSビルボードでのMainstream R&B/Hip-Hop Airplay)ではかからないタイプの曲だと思います。

 

・Coi Leray – No More Parties

 フィメールラッパーが初のHot 100入り。主にApple MusicやYouTubeで人気の曲。オリジナルだけではなく、Lil Durkリミックスも注目を集めており、今後飛躍するかも。ただしSpotifyでは両バージョンとも圏外です。(この曲はTikTokでヒットしたのような記述もありますが、仮にそうだったとしても、TikTokの影響がより出やすいSpotifyでは圏外のため、一般的にイメージされるようなTikTokヒットとは少し違うかと思います)

 ちなみに日本のApple Musicでカタカナ表記だったため、自分が知らないだけで有名な人なのかな?と思ったのですが、英語版のWikipediaもまだ無かったです。Trippie Reddの元カノらしいです。

 

・Morray - Quicksand

 彼は初のHot 100入り。どちらかというとラジオヒットタイプの曲。

 

・YBN Nahmir feat. 21 Savage - Opp Stoppa

 YBN Nahmirは2017年の”Rubbin Off The Paint”、2018年の”1942”(メインはG-Eazy)以来、3曲目のHot 100入りです。TikTokでも注目されていたので、その影響もあるのかもしれません。

 

・Tom McDonald - Fake Woke

 Tom McDonaldは初のHot 100入り。DLがその週の1位。しかし他の媒体ではYouTubeくらいでしか注目されなかったので、DLが1位でもHot 100では96位という結果に。

 

 このように今月はTikTok系のヒットが多く見られました。来月最大の注目株はKali Uchisの“telepatía”。Doja Catの”Streets”のような勢いでストリーミングを浮上中。

 

 

5 正統派 Hip-Hop / R&B

 

 ラップと一口に言っても、その中で受容のされ方に多少の違いが見られます。今回紹介するのは他のジャンルからの影響が薄いラップ、またはR&B曲についてです。このようなタイプの曲はApple MusicやYouTubeで人気を得るものの、Spotifyでの影が薄い傾向にあります。ほかラジオではRMS(=Mainstream R&B/Hip-Hop)系統で主にかかり、次いでリズミック、ポップにはほぼかかりません。

 このような曲はクロスオーバー的な人気を得る見込みは薄いですが、熱心なラップリスナーに支えられており、根強い人気があります。またアルバム人気の高いApple Musicでの人気が高いことにより、アルバムリリース時にはHot 100大量登場することが多いです。(アルバム志向の強いリスナーがApple Musicに集まっているのか、それともApple Musicがシステム的にアルバム志向なのか、どっちが先かは分かりません。ただ、Apple MusicはSpotifyと比べてリコメンドが控えめなので、システム的にアルバム志向になりやすいというのは納得できます)

 

・BRS Kash - Throat Baby

 AppleYouTubeRMS系ラジオで人気。DaBabyとCity Girlsのリミックスという強力な援護もあり、トップ40入り。一方Spotifyでは100位に入らず。典型的なこのジャンルのヒットになっている印象です。

 

・Pooh Shiesty feat. Lil Durk - Back in Blood

 AppleYouTube中心に頭角を表す。今月は新ミックステープをリリースし、Apple Musicでは大人気。アルバムチャートでは4位に入り、3曲がHot 100入りを果たしました。その週にシングルの“Back In Blood”は17位まで到達しています。(次の週は16位とさらに浮上)

 Spotifyではアルバム単位の人気を得ることはなかったのですが、“Back In Blood”単体では人気を得ました。直近のデータだとトップ10まで到達しています。

 

・Lil Durk

 昨年末にリリースした“The Voice”のデラックス版を今月リリース。オリジナルと同様にApple Musicで人気を集めました。このデラックス版リリースの週では、オリジナル版リリースの週の売上を上回ることに成功しています。

 

・Moneybagg Yo - Time Today

 Apple Musicで人気。どの媒体でもそこまで派手な順位ではなかったので、Hot 100登場順位が高め(37位)で少し意外でした。

 

・Megan Thee Stallion – Body / Cry Baby

 元来はこのジャンルのラッパーだったMegan Thee Stallionですが、既にこの枠を超えた大スターに。2019年の”Hot Girl Summer”あたりからポップへのクロスオーバーを意識しはじめ、現在では3曲がポップ系ラジオチャート入りを果たしています。(”Savage”, ”Hot Girl Summer”, ”Body”)

 直近のシングルだった。“Body”はリズミックとRMSで1位に。ポップ系でも20位に入りました。月末からシングルが“Cry Baby”に切り替わり、”Body”は大きくラジオを落としています。

 

 

6 短評

 

・Sabrina Carpenter – Skin

 “drivers license”へのアンサーとされる曲。その効果もあり、46位でHot 100入り。Sabrina CarpenterはこれまでBubbling Under止まりの曲が2つあって、Hot 100に到達したことが無かったので、念願のHot 100入りと言えるでしょう。

 しかし本格的にはヒットせず、3週でHot 100を後にしています。ラジオのオンエアも多少はあるので、まだ復活の可能性もありますが。

 

・Cardi B feat. Megan Thee Stallion – WAP

 ピーク1位、しかし滞在は23週と短めの期間で外れました。ミームも含めた特大ヒットからの短めの滞在というチャートアクションは、Drakeの“In My Feelings”に通じるものを感じます。

 リリース初週における記録を更新するなど、ストリーミングでは特大ヒットでしたが、ラジオが週間最高19位止まりだったことが滞在の短い理由でしょうか。上記のMegan Thee Stallionの項目にあるように、ポップ系ラジオチャートにはエントリーしていません。歌詞の内容的には致し方ないのでしょうか?その歌詞がヒットの要因でもあるので、この曲のラジオの少なさとストリーミングでのヒットはトレードオフ関係なのかもしれません。

 

・Jawsh 685 & Jason Derulo - Savage Love (Laxed – Siren Beat)

 ピーク1位、滞在31週の成績で外れました。TikTokで名を馳せたJason Deruloが同サービス内で人気のインスト曲にボーカルを乗せ、ヒットに。さらに上位に入った所でBTSリミックスを追加し、セールス効果で1位を獲得するという、現代音楽マーケティングの教科書のような1曲でした。

 この曲は本来無いはずの31週目の滞在がありました。2/6付の週、51位ながらもビルボードのミスによってチャートに残っていましたが、2/13に正式に外れました。元来は50位以上だったところ、ポイントの修正が入り51位に落ちたものの、反映が間に合わずに残留のようなことだと思われます。

 2013年の8/31付けHot 100で、51位/29週目の”I Love It”が残留していたのも同様の理由かと思われます。

 

・Ava Max - My Head & My Heart / Kings & Queens

 Ava Maxの新シングル。過去の彼女のシングルでは、ヨーロッパのヒットから遅れてUSラジオのオンエアが始まる、のようなパターンでしたが、今回のシングルではタイムラグなくUSラジオでのオンエアが始まりました。2連続ラジオヒットで信頼を掴んだということでしょうか。

 この新曲が伸びた代わりに、前のシングル“Kings & Queens”のラジオが落ち、Hot 100から外れました。ピーク13位、滞在27週でした。

 

・Lil Nas X - HOLIDAY / Blanco Brown

 “HOLIDAY”がピーク37位、滞在12週で外れました。クリスマス曲と被ってしまったこと、また2020年初頭に大きく削減された公式ビデオ以外でのYouTubeポイントで数字を稼いでいた可能性の2つを考慮すると、時期が違えばもう少し良い成績を期待できるポテンシャルのある曲だと考えています。

 ちなみに彼の影響を受け、カントリー&ラップのスタイルでヒットを飛ばしたBlanco BrownはLil Nas Xとは違ってカントリー系ラジオに定着。Parmaleeとの”Just The Way”が今月トップ40入りを果たしています。

 

・Jack Harlow - WHATS POPPIN

 ピーク2位、滞在51週の特大ヒットでチャートを去りました。原曲→リミックスへの切り替えが非常にうまくいったことで、ロングヒットとなりました。(リミックス効果で2位まで到達したのは21週目) 51週の滞在はラップとしてかなり長い部類です。

 

・Taylor Swift – Love Story (Taylor’s Version)

 過去ヒットの再録音源ながらも、DL&ストリーミングで人気を集めて11位に登場。彼女のアーティストとしての注目度の高さが垣間見えました。元曲は既にリカレントで外れた曲ですが、再録音源は別物として滞在1週目からカウントされています。

 ちなみに“Love Story”は昨年Discolinesという非公式リミックスがTikTok内で大流行していました。この効果で、少しだけSpotifyランキング下位に登場していました。そのヒットがこの曲の人気に影響を及ぼしているかは不明ですが。

 

・Dua Lipa - We’re Good

 2/27に49位に登場。Future Nostalgiaのデラックス版からの新曲。リリースと共にラジオで多くオンエアされており、”Don’t Start Now”、”Break My Heart”、”Levitating”に次ぐ4連続のラジオヒットを目指します。

 

・DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR

 ピーク1位、滞在42週の成績で外れる。DaBabyの初の1位で、ポップ系やUS外などの従来にないフィールドでも注目を集めることに成功しました。例えばUKでは、それまで彼自身の曲ではトップ40も無かったですが、この曲で一気に1位獲得を果たしました。

 USでは2019年にブレイクしたDaBabyですが、その他の地域ではこの曲の存在により2020年にブレイクしたと言えそうです。彼もタイプ的には正統派ラッパー寄りで、曲によっては人気がAppleYouTubeに偏っていることもあります。

 

・Ritt Momney - Put Your Records On

 Corinne Bailey Raeのカバー。元々TikTokで人気を集め、ストリーミングで人気になっていた曲。Spotifyでのピークは10月~11月でしたが、ラジオでは今がまさに旬。Hot 100でもトップ40入りをこのタイミングで果たしています。

 

・Miley Cyrus feat. Dua Lipa - Prisoner

 ピーク54位、滞在12週の成績でチャートを後に。先月の“Midnight Sky”で久々(2014年初頭以来)に滞在20以上の「完走」を達成しましたが、この曲は滞在12週に終わりました。ラジオのサポートが終わってしまったことが下落の要因です。ピークが思いっきりクリスマスと重なってしまったため、そうでなければピークはトップ40に入っていたと思います。

 

・SZA feat. Ty Dolla $ign - Hit Different

 ピーク29位、滞在20週で外れる。リリース直後以外は、長く下位にいた曲ですが、ラジオでの粘りもあり滞在20週の「完走」を果たしています。この曲の存在があってなのか、ストリーミングでの人気シングル“Good Days”のラジオオンエアがやや遅れました。

 

 

 データ等

 

主に外れた曲

 

2/6

38 Dan + Shay – I Should Probably Go To Bed  (🗻28位 /⏰24週)

50 Cardi B feat. Megan Thee Stallion - WAP (🗻1 /⏰24週)

56 Russell Dickerson – Love You Like I Used To (🗻31位 /⏰20週)

 

2/13

51 Jawsh 685 & Jason Derulo – Savage Love (Laxed – Siren Beat)  (🗻1 /⏰31週)

83 SZA feat. Ty Dolla $ign – Hit Different (🗻29位 /⏰20週)

93 Lady A – Champagne Night (🗻33位 /⏰14週)

94 Future & Lil Uzi Vert – Drankin N Smokin (🗻31位 /⏰4週) ※

98 YoungBoy Never Broke Again – Kacey Talk (🗻50位 /⏰16週)

※のちに再登場

 

2/20

35 Morgan Wallen – 7 Summers (🗻6位 /⏰24週)

38 Morgan Wallen – More Than My Hometown (🗻15位 /⏰32週)

49 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne – WHATS POPPIN (🗻2位 /⏰51)

59 Sam Smith - Diamonds (🗻39位 /⏰20週)

80 Lil Nas X - HOLIDAY (🗻37位 /⏰12週)

100 21 Savage & Metro Boomin feat. Drake – Mr. Right Now (🗻10位 /⏰18週)

 

2/27

48 Ava Max – Kings & Queens (🗻13位 /⏰27週)

49 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR (🗻1 /⏰42)

98 Miley Cyrus feat. Dua Lipa – Prisoner (🗻54位 /⏰12週)

 

 

アルバムキリ番

 

2/6

1周年:Mac Miller – Circles (97位)

150週目:XXXTENTACION - ? (54位)

150週目:Foo Fighters – Greatest Hits (132位)

 

2/13

1周年:Pop Smoke – Meet The Woo, V.2 (83位)

100週目:Juice WRLD – Death Race For Love (29位)

500週目:Adele – 21 (173位)

 

2/20

200週目:Kendrick Lamar – DAMN. (69位)

400週目:The BeatlesAbbey Road (116位)

450週目:AC/DC – Back In Black (76位)

 

2/27

1周年:BTS – MAP OF THE SOUL:7 (108位)

150週目:Cardi B – Invasion Of Privacy (100位)

 

 

各指標の1位

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 "drivers license"一色とまではいかず

 

・Rolling Stone Chartsのトップ10

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 ラジオが減少したぶん、Hot 100では一部の曲が順位を落としたMorgan Wallenの曲ですが、ラジオの影響が無いこちらでは上位に。

 

今月のSpotify(US)トップ10

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※日付はHot 100準拠。新コーナーです。

 

 

◇各週の動向まとめ◇

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・リンク

・Hot 100:The Hot 100 Chart | Billboard

Billboard 200:Billboard 200 Chart | Billboard

・ChartBeatの記事:Chart Beat | Billboard *1

・Kworb(ラジオ等):https://kworb.net/

Spotify Charts:Spotify Charts

・Tokboard:Tokboard - Top TikTok Songs This Week *2

 

 

1月号:Billboard 動向・1月号(2021) 【予想外の1位独走など】 - チャート・マニア・ラボ

1 予想を超える1位:"drivers license"
2 期待通りの1位:Morgan Wallen
3 期待ほどではない(?)1位
4 超圧倒的だったクリスマス曲、去る
5 クリスマス後の特別復活ルール
6 その他のトップ10 + 今後
7 短評

 

 

*1:従来なら当月くらいは遡って記事閲覧できたのですが、Paywallが激しくなって直近の週しか見られなくなりました。このペースで行くと直近の週も見られなくなりそうで、恐怖です。

*2:更新再開!

ヒット曲の最終的なHot 100成績 + おまけ 【2020】

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 Hot 100では古い曲が過剰にチャートに居座るのを防ぐため、それらを外す「リカレントルール」なるものが存在します。ルールは上記の画像のように、21週目以降に51位以下に落ちた時、53週目以降に26位以下に落ちた時です。(落ちた時、というのがポイントで、該当順位/週数にいても落ちていない=上り調子ならば残留する時がある)

 Hot 100はラジオを基調としたシステムのため、このルールを制定しないと過去のラジオヒットが必要以上に残ってしまいます。

 このルールで1回外れると、ほとんどの場合再登場しません。例外は訃報があった際、過去のピークを大幅に更新しそうな時くらいです。このことから、リカレントで外れたタイミングの成績が、基本的にはその曲のHot 100最終成績になるのです。この記事ではその「最終成績」一覧をまとめています。

 

 

リカレントした曲の最終成績

※一時復活(過去曲など)やクリスマス曲は除く

🎄=クリスマス後に再登場を果たす曲

 

アーティスト
1月4日 Matt Stell Prayed For You 36 20
Jonas Brothers Only Human 🎄 18 27
1月11日 DaBaby feat. Offset Baby Sitter 59 20
Ellie Goulding & Juice WRLD Hate Me 56 20
1月18日 Lil Baby & DaBaby Baby 21 21
Lil Tecca Ransom 4 31
1月25日 DaBaby Suge 7 37
Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus Old Town Road 1 45
Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People 13 26
2月1日 Wale feat. Jeremih On Chill 22 23
Khalid Talk 3 46
Lady Antebellum ※ What If I Never Get Over You 40 21
Taylor Swift Lover 10 22
Summer Walker Playing Games 16 20
Chris Brown feat. Gunna Heat 36 20
2月8日 Post Malone feat. Ozzy Osbourne & Travis Scott Take What You Want 8 20
2月15日 Lil Nas X Panini 5 32
Halsey Graveyard 34 20
2月22日 NLE Choppa Camelot 37 20
2月29日 Young Thug feat. Gunna Hot 11 26
Luke Combs Even Though I'm Leaving 11 24
Jon Pardi Heartache Medication 42 20
DaBaby VIBEZ 21 20
3月7日 Lizzo Truth Hurts 1 42
Juice WRLD & YoungBoy Never Broke Again Bandit 10 20
3月14日 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM 1 21
SHAED Trampoline 13 39
Jonas Brothers Sucker 1 47
Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care 2 39
Jonas Brothers Only Human 18 36
3月21日 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 1 37
Billie Eilish bad guy 1 49
Sam Hunt Kinfollks 34 21
Old Dominion One Man Band 20 28
3月28日 Doja Cat & Tyga Juicy 41 20
4月4日 Lizzo Good As Hell 3 30
4月11日 Selena Gomez Lose You to Love Me 1 23
4月18日 Lil Baby Woah 15 21
YoungBoy Never Broke Again Make No Sense 57 20
4月25日 Kane Brown Homesick 35 21
5月2日 YNW Melly & Juice WRLD Suicidal 20 20
Dustin Lynch Ridin' Roads 47 20
5月9日 DaBaby BOP 11 30
Chris Brown feat. Drake No Guidance 5 46
Russ & BIA BEST ON EARTH 46 20
Karol G & Nicki Minaj Tusa 42 21
5月16日 Arizona Zervas Roxanne 4 26
The Weeknd Heartless 1 23
Dan + Shay & Justin Bieber 10,000 Hours 4 30
5月23日 H.E.R. feat. YG Slide 43 20
5月30日 Rod Wave Heart On Ice 25 27
Ingrid Andress More Hearts Than Mine 30 20
6月6日 Lewis Capaldi Someone You Loved 1 54
Mustard feat. Roddy Ricch Ballin' 11 44
6月13日 The Black Eyed Peas & J Balvin RITMO 26 27
Lil Baby Sum 2 Prove 16 20
6月20日 Eminem feat. Juice WRLD Godzilla 3 20
6月27日 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 12 27
Tones And I Dance Monkey 4 36
JACKBOYS feat. Young Thug OUT WEST 38 22
7月4日 Diplo feat. Morgan Wallen Heartless 39 21
7月11日 Carly Pearce & Lee Brice I Hope You're Happy Now 27 25
Billie Eilish everything i wanted 8 33
7月18日 Maroon 5 Memories 2 41
Blake Shelton & Gwen Stefani Nobody but You 18 25
blackbear hot girl bummer 11 42
7月25日 Pop Smoke Dior 2 21
Roddy Ricch feat. Mustard High Fashion 20 28
Jhené Aiko P*$$y Fairy 40 25
8月1日 なし      
8月8日 Surfaces Sunday Best 19 21
8月15日 なし      
8月22日 Trevor Daniel Falling 17 38
NLE Choppa feat. Roddy Ricch Walk Em Down 38 20
8月29日 Sam Hunt Hard To Forget 26 20
BENEE feat. Gus Dapperton Supalonely 39 22
9月5日 Lil Baby Emotionally Scarred 31 25
Miranda Lambert Bluebird 26 20
Drake Toosie Slide 1 20
9月12日 Roddy Ricch The Box 1 38
9月19日 Thomas Rhett feat. Reba McEntire, Hillary Scott ,Chris Tomlin & Keith Urban Be A Light 42 22
Florida Georgia Line I Love My Country 40 20
Keith Urban God Whispered Your Name 60 20
9月26日 Powfu feat. beabadoobee death bed 23 26
Justin Bieber feat. Quavo Intentions 5 31
StaySolidRocky Party Girl 21 20
Don Toliver After Party 57 20
10月3日 Maren Morris The Bones 12 52
Luke Bryan One Margarita 19 20
10月10日 Doja Cat feat. Nicki Minaj Say So 1 38
Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 1 28
Lil Mosey Blueberry Faygo 8 33
10月17日 Future feat. Drake Life Is Good 2 38
Morgan Wallen Chasin' You 16 36
Maddie & Tae Die From A Broken Heart 22 25
Lil Baby & 42 Dugg We Paid 10 22
10月24日 Lady Gaga & Ariana Grande Rain On Me 1 20
10月31日 なし      
11月7日 なし      
11月14日 Post Malone Circles 1 61
Dua Lipa Don't Start Now 2 52
Lil Baby The Bigger Picture 3 20
11月21日 Dua Lipa Break My Heart 13 32
11月28日 Rod Wave faet. ATR Son Son Rags2RIches 12 20
SAINt JHN Roses 4 34
Luke Combs Lovin' On You 23 20
12月5日 Jason Aldean Got What I Got 16 25
Harry Styles Adore You 6 50
Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch The Woo 11 20
Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings 17 20
12月12日 HARDY feat. Lauren Alaina & Devin Dawson One Beer 33 25
Lee Brice One Of Them Girls 17 26
Parker McCollum Pretty Heart 🎄 36 20
Juice WRLD & Marshmello Come & Go 2 20
Juice WRLD Wishing Well 5 20
12月19日 Kane Brown, Swae Lee & Khalid Like That 19 21
Lewis Caoaldi Before You Go 🎄
9 44
Surf Mesa feat. Emilee ily 23 28
Moneybagg Yo Said Sum 17 22
Harry Styles Watermelon Sugar 🎄 1 37
12月26日 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love 🎄 1 26
Morgan Wallen More Than My Hometown 🎄 15 26
Blake Shelton feat. Gwen Stefani Happy Anywhere 🎄 36 20

※のちにLady Aに改名

 

~ポイント~

・20週と21週ではかなり違いがあります。20週ちょうどで外れるということは、その前の週から下半分の順位にいることがほとんどですが、21週以上残るということは少なくとも21週目のタイミングで上半分に残っているということになります。(上昇による特例で下半分/21週目で残留する稀なケースを除く)

→このことから、最終週の順位に大きな開きがある場合が多いです。

 

・上位の新規登場が多いと、その分押し出される曲が多くなるので、週によって残留難度が違います。運が悪いと30位台にいたのに外れてしまうことも。

 

 

おまけ1:統計

 順位帯、滞在週数別にタイプ分けしました。

 

◇2020年

  1-5位 6-10 11-20 21-30 31-40 41-
20週 6 2 7 6 8 10 39
21-29 7 2 14 8 9 2 42
30-39 13 3 6 0 0 0 22
40-49 7 1 2 0 0 0 10
50- 3 1 1 0 0 0 5
36 9 30 14 17 12 118

  多いパターンには色をつけました。最多は21-29週でした。最近はロングヒットが多い印象ですが、以前と比較するとどうなのでしょうか。気になったので2010年の同データと比較してみました。

 

◇2010年

  1-5 6-10 11-20 21-30 31-40 41-  
20 2 6 7 14 18 20 67
21-29 13 11 5 7 1 2 39
30-39 10 1 3 0 1 0 15
40-49 2 0 1 1 0 0 4
50- 5 0 0 0 0 0 5
  32 18 16 22 20 22 130

 比較するとやはり滞在週数が伸びている傾向にありそうです。ここでは20週の滞在が最多。特に増えたのは30-39、40-49週でしょうか。2010年はこの2タイプの合計が19曲ですが、2020年は32曲です。

 

 

おまけ2:ピーク20位以上ながらもリカレントに届かなかった曲

1月4日 Harry Styles Lights Up 17 5
1月25日 Post Malone feat. DaBaby Enemies 16 18
2月22日 Mac Miller Good News 17 4
3月21日 BTS ON 4 2
Billie Eilish No Time To Die 16 3
4月4日 Lil Uzi Vert Silly Watch 9 2
Lil Uzi Vert Futsal Shuffle 2020 5 11
4月11日 Lil Uzi Vert feat. Chief Keef Bean (Kobe) 19 2
Lil Uzi Vert Lo Mein 8 3
4月18日 Lil Uzi Vert Baby Pluto 6 4
4月25日 The Weeknd After Hours 20 7
Jonas Brothers What A Man Gotta Do 16 12
5月2日 Lil Uzi Vert P2 11 6
Justin Bieber Yummy 2 15
5月16日 Lil Uzi Vert Myron 13 7
5月23日 Lil Baby & Gunna Heatin Up 18 7
5月30日 Future, Drake & Young Thug D4L 19 2
DaBaby feat. YoungBoy Never Broke Again JUMP 17 4
6月6日 Drake feat. Playboi Carti Pain 1993 7 3
6月20日 Lady Gaga Stupid Love 5 10
6月27日 NAV, Gunna & Travis Scott Turks 17 11
Lil Uzi Vert That Way 20 12
7月18日 The Weeknd In Your Eyes 16 15
7月25日 6ix9ine & Nicki Minaj TROLLZ 1 4
8月1日 6ix9ine GOOBA 3 10
8月8日 Juice WRLD Titanic 14 2
Juice WRLD Bad Energy 16 2
Travis Scott & Kid Cudi THE SCOTTS 1 13
Luke Combs feat. Eric Church Does To Me 20 19
Drake feat. Giveon Cicago Freestyle 14 12
8月22日 Taylor Swift the last great american great dynasty 13 2
Taylor Swift my tears ricochet 16 2
Juice WRLD Blood On My Jeans 12 4
8月29日 Juice WRLD & Halsey Lief's A Mess 9 6
A$AP Ferg feat. Nicki Minaj & MadeinTYO Move Ya Hips 19 2
9月5日 Juice WRLD Conversations 7 6
Juice WRLD Righteous 11 16
9月12日 Juice WRLD & Marshmello feat. Polo G & The Kid LAROI Hate the Other Side 10 7
Taylor Swift feat. Bon Iver exile 6 5
9月19日 Taylor Swift the 1 4 6
9月26日 Billie Eilish my future 6 6
Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 1 18
11月7日 21 Savage & Metro Boomin Glock In My Lap 19 3
BLACKPINK & Selena Gomez Ice Cream 13 8
Juice WRLD & The Weeknd Smile 8 10
11月14日 DJ Khaled feat. Drake GREECE 8 15
12月5日 21 Savage & Metro Boomin Runnin 9 7
12月12日 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. Franchise 1 9
DJ Khaled feat. Drake POPSTAR 3 19
12月26日 Morgan Wallen 7 Summers 🎄 6 17
Shawn Mendes Wonder 🎄 18 10
Miley Cyrus Midnight Sky 🎄 14 17
BTS Life Goes On 1 3

 ※↑の🎄3曲のうち、"Wonder"は復帰後もリカレントに届かず。残り2つはリカレントまで到達。

 

~ポイント~

・シングルヒットを狙いながらもうまく行かなかった曲も見られますが、そもそもシングルではなく、ヒットを狙っていないにも関わらず上位入りした曲も多いです。ただしこのタイプの曲はラジオが無いので、持久力に欠けます。

・どちらにせよ一時的にでも高い順位を記録するということは、アーティストとしての注目度は高いということなので、仮に尻すぼみで終わっていても一定の評価はできます。

 

 

2019年版:ヒット曲の最終的なHot 100成績 【リカレント2019】 - チャート・マニア・ラボ

2018年版:ヒット曲の最終的なHot 100成績 【リカレント2018】 - チャート・マニア・ラボ

 

 

 

Hot 100に登場した日本関連の曲 2020

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 今年(この記事では2020年を指します)、Hot 100に登場した曲のうち、日本に関連する曲を取り上げます。(1:日本人/日系人が参加した曲 2:日本関連のワードが歌詞に入っている曲)

 

 

1 日本人/日系人によるHot 100エントリー

 

(歴代の日本人Hot 100エントリー)

1963年 坂本九Sukiyaki (🗻1位・⏰14週)
1963年 坂本九 – China Nights (🗻58位・⏰3週)

1979年 ピンクレディー – Kiss in the Dark (🗻37位・⏰11週)
1980年 YMO – Computer Game Theme from The Circus (🗻60位・⏰9週)
1981年 横倉裕 feat. Patti Austin – Love Light (🗻81位・⏰3週)
1981年 オノ・ヨーコ – Walking On Thin Ice  (🗻58位・⏰10週)
1990年 松田聖子 feat. Donnie Wahlberg – The Right Combination (🗻54位・⏰13週)

2016年 ピコ太郎 – PPAP (🗻77位・⏰4週)

2018年 Sofi Tukker feat. Nervo, The Knocks & 植野有砂 – Best Friend (🗻81位・⏰5週)
2018年 John & Yoko/The Plastic Ono Band With The Harlem Community Choir - Happy Xmas (War Is Over) (🗻42位・⏰2週) 

2019年 宇多田ヒカル & Skrillex - Face My Fears (🗻98位・⏰1週)
2019年 Joji – SLOW DANCING IN THE DARK (🗻69位・⏰13週)
2019年 Joji – Sanctuary (🗻80位・⏰1週) 

2020年 Joji - Run (🗻68位・⏰1週)

 (🗻ピーク順位・⏰チャート滞在週数)

 

 今年は+1曲増加。昨年の3曲ほどの勢いはありませんが、着実に曲数は積み上がっています。2016年のピコ太郎が26年ぶりのHot 100エントリーだったことを考えると、近年のペースは驚異的です。

 Jojiは上記のアーティストでは最多の累計Hot 100入り数:3を記録。次点はオノ・ヨーコ坂本九の2曲。

(ちなみになんですが、ピコ太郎より前の日本人Hot 100 エントリーのソースにしていたサイトが最近見たら消えていました。「日本人」の定義は曖昧な部分もありますが、ピコ太郎より前はそのサイトの判断に従っています。以降は自分で判断)

 

 

・Joji

 彼の2018年の“SLOW DANCING IN THE DARK”はクラシック級のアンセムに。現在もSpotify(US)の100位前後をキープしており、同ランキングの滞在日数は800日を超えています。

 そんな期待感もあってか、今年リリースされたアルバムは9.2万と前作(5.7万)よりも売上が大幅に増加。週によっては1位も取れる成績でしたが競合のMachine Gun Kelly、SuperMに破れ3位でした。

 そのストリーミング人気からHot 100に多くの曲が登場……!となるかと個人的に考えていたのですが、突出した曲がなく均等に再生されたためなのか、一つもHot 100には入らず。5曲がBubbling Underに入るというなんとも惜しい成績を記録しました。(今年唯一Hot 100入りした“Run”はアルバムの週ではなく、シングル単体でリリースされた週でのHot 100入り)

 Spotifyでは大人気(初日全曲トップ100入り)だったのに対し、Apple Musicでは注目されず(1曲もトップ100に入らない)だったことが痛かったですかね。ライバルのMachine Gun Kellyは両方の媒体で人気がありました。(SuperMは専らセールス)

 “Your Man”はポップ系に、”Daylight”はオルタナティブ系に、と一部シングルはラジオでもオンエアされましたが本格的に人気を得ることはなかったです。

 

 

日系アーティスト / おまけ

 

・Jhené Aiko

 Aikoの名前から伺える通り日系です。今年かなり活躍していました。新作がアルバムチャートでは自己最高の2位。しかも売上は15.2万なので、平均的な週ならば余裕で1位を取れる成績でした。(この週の1位はLil Uzi Vert)Apple Musicを中心としたストリーミングで人気を集めていました。

 このアルバムからの3曲に加え、客演でも3曲、計6曲が今年新規でHot 100エントリーを果たしています。

 

・Conan Gray

 母親が日本人らしいです。ブレイクのきっかけとなった“Maniac”はBubbling Under止まりでしたが、次の”Heather”で初のHot 100入りを果たしています。今後の活躍にも期待が持てそうなタレントです。

 

・MadeinTYO

 日系であるかは不明ですが、日本に過ごした期間もあるようで、それがアーティスト名にも反映されています。(TYO=Tokyo)

 A$AP Fergの客演を努めた“Move Ya Hips”で19位入り。ただし滞在2週で外れる。この曲のヒットに大きく寄与したのはもう一人の客演、Nicki Minajの存在。彼女のファンベースの強さから、関連曲は初週に数字が集中することが多いのです。それゆえ、MadeinTYOがこの曲のヒットにどこまで寄与しているかは不明。

 

 

(おまけ)

TOKYO’S REVENGE - Goodmorningtokyo!

 ストリーミングで注目を集め、Hot 100ギリギリ手前=Bubbling Underで1位まで到達した曲。アーティスト名も曲名も両方日本からの影響が見られますが、彼と日本との関係性は不明。

 

LiSA

 Hot 100ではエントリーからは程遠いですが、ビルボードが新設したGlobal 200で「炎」がトップ10入り。ただ世界的に売れたかというというよりは、日本の規模の大きさによってランクインしたような印象。各国のランキング分布を参考にすると、東アジアに人気が集中しているからです。(ただ、一般的な日本の曲と比べるとかなり海外でも人気があるような印象です)

 日本の市場規模の大きさから、このGlobal 200では日本で活動する日本人アーティストの上位入りが多く見られます。

 

 

2 ワード

 

 実際に聞いて気づいたもの、または関連ワードなどをGenius歌詞検索で探してリストアップしています。客演等で複数名義の曲は、日本語歌詞部分を担当しているアーティストを太字にしています。(手作業で探しているため、抜け落ちの可能性もあることをご容赦ください、見つけ次第訂正します)

(Geniusに感謝🙏)

 

 ワード解説の前に……日本関連のワードをよく曲に登場させるのはラッパーたちです。言葉数の多さ等が関係しているのでしょうか。そして彼らはアルバム単位で大量のHot 100エントリーをすることも珍しくはないです。この採用数+Hot 100エントリー曲数の多さの2要素により、このコーナーに登場する曲はラッパーの曲が自然と多くなります。

 しかし非シングル曲の場合、アルバムのインパクトが終わってしまうと急速に勢いが衰え、ピーク順位からは想定するようなヒットではなくなっている場合もあります。それを示すために、今年の記事では滞在週数も記載します。このような曲は、熱心なファンには知られてはいるけれど、一般的な浸透度では他に劣る可能性があるということです。

 

 まずはワード数集計です。私がこの企画をはじめた2018年以降のエントリー数の推移を見ます。

  2020 2019 2018
5以上     Japan (7)
4     Chun-Li, Kamikaze
3 Honda, Tsunami, Godzilla, Sensei, Karate, Comme des Garçons Japan Mario, Tokyo, Sumo
2 Sushi, Kamikaze, Tokyo, Nintendo, Sasuke, Judo, Benihana, Tekken Honda, Sensei, Nobu, Benihana, Tsunami Kawasaki, Pikachu, Karate, Sushi, Teriyaki, Ninja
1 Pokémon, Super Saiyan, Nobu, Kawasaki, Murakami, Yu-gi-oh, Suzuki, Anime, Hadoken, Japón, Sumo, Mario Ichiro, Tokyo, Kawasaki, Mazda, Goku, Super Saiyan, Manga, Ryu & Ken, Luigi, Pokémon / Ash, Pikachu, Dojo, Sushi, Ramen, Karaoke Toyota, Honda, Anpanman, Goku, Playstation, Judo, Kimono, Murakami, Benihana, Saké, Pokémon, Tsunami

3年連続で入ったワード:Honda, Tsunami, Sushi, Tokyo, Benihana, Pokémon, Kawasaki

 

 ある程度ワードの中にも人気/定番があるような印象。7ワードが3年連続でHot 100入りを果たしています。大まかにジャンル分けすると、車/バイク・食べ物・アニメ/ゲーム・スポーツ あたりですかね。

 

 ここからはワード別に事例を見ていきます。複数人が参加している曲は、その該当ワードを発した人物を太字にしています。リミックスは、ビルボードがそのリミックスをメインバージョンとして掲載した物のみを採用しています。

 

 

☆Honda

① Bad Bunny, Jowell & Randy & Ñengo Flow - Safaera(81位、7週)

Chinga en lo' Audi, no en lo' Honda, ey (Tra)”

(=ホンダではなく、アウディでfuckする)

 

② Lil Uzi Vert - Baby Pluto(6位、4週)

“I ain't fuck a bitch in so long, I'd do it in a Honda Accord (Nah, for real)”

・2巡目だと最後のアドリブが(Woah)に変化する

・この曲の冒頭には中国語も登場

 

③ Lil Baby & Young Thug - We Should (91位、1週)

“You a Honda Civic whipper, in my (In what?) chameleon (Yeah)”

 

 これらの他、Lil WayneとYoungBoy Never Broke AgainのBubbling Under曲にも登場します。この企画に3年連続で登場していますし、かなり定番のワードなんでしょうかね。他の自動車メーカーよりもかなり登場数が多いです。

 

 

・Suzuki

Lil Wayne feat. Big Sean & Lil Baby - I Do It (33位、2週)

“I treat the Wraith like that bitch is Suzuki”

 

 

☆Pokémon

Bad Bunny - Pero Ya No (63位、1週)

“A mí ya no me cachas, yo no soy un Pokémon”

(あなたはもう私を捕まえられない、私はポケモンじゃないし)

 

 これも3年連続登場の人気ワード。実は2018年、2019年には“Pikachu”も登場していたのですが、今年は登場せず。ただThe Kid LAROIの”Pikachu”がBubbling Underには入りました。曲名だけではなく、曲中のリリックにも“Pikachu”は登場。使用法は毎回おなじみの黄色い車をピカチュウに例えるというものです。

 あとThe Kid LAROIはアルバムのジャケットが渋谷のスクランブル交差点風でしたね。個人的には本来ガストがあるべき場所(?)がラブホテルになっているのがツボですね……(ちなみに上記の“Pikachu”が登場するのは、このアルバムのデラックス版です)

 

 

 

☆Sensei

 Eminem feat. Don Toliver - No Regrets (84位、1週)

“Since day one, Hellraiser with twin blades of a sensei”

 

② Big Sean feat. Travis Scott – Lithuania (69位、1週)

“I'm sensei and senseless, same time (Ah)”

 

③ Pop Smoke - 44 bulldog (39位、2週)

“And I keep a chop like sensei (Uh)”

 

 2019年~2020年にロングヒットになったMustardとRoddy Ricchの“Ballin‘”でも印象的な使われ方をされている先生というワード。道場(昨年のエントリー)、チョップあたりのワードと併用されている所を見ると空手のMr. Miyagiが参考元なのでは?と個人的には仮説を立てました。

 

 

☆Sushi / Kawasaki

Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. – Franchise (1位、9週)

“Golf buggy, Kawasaki; catch a fish: sushi, maki, livin' life”

 

 ともに3年連続登場の人気ワード。Sushiをmakiしているのは少しマニアックで面白いです。Sushiは他にも大ヒットの”Life Is Good”のリミックス(Futureのパート)や、T.D(後述)にも登場します。

 

 

☆Nobu

NAV feat. Lil Baby - Don’t Need Friends (65位、1週)

“I eat at Nobu when I get the munchies (Let's go)”

 (ほか大ヒットの”Lemonade”のリミックスのRoddy Ricchパートにも登場)

 

☆Benihana

① Lil Uzi Vert - Come This Way (83位、1週)

“Yeah, she in my kitchen, whip it up like Benihana (What? What?)”

 

② Gunna – WUNNA

“Benihana ('Hana), cookup, hey (Hey)”

  NobuとBenihanaよく登場する日本料理点の2つです。

 

 

Tsunami

① Lady Gaga & Ariana Grande - Rain On Me (1位、20週)

“Rain on me, tsunami

 

② Black Eyed Peas, Rey J. Soul & Ozuna - MAMACITA (62位、11週)

“I know I got you wet like tsunami (Eh)”

(※Black Eyed Peasのメンバーのうち、apl.de.apによるパート)

 

③ Pop Smoke - Mood Swings (17位、20週)

“She a tsunami, I ain't never felt it dry”

 

  日本人的な感覚からすると、津波は災害のイメージを大きく伴う恐ろしいものですが、これらの使用法を見ると英語圏では恐怖感のようなものはなく、「たくさん水分が出るさま」なことが多いっぽいですね。

 

 

Godzilla

 Eminem feat. Juice WRlD – Godzilla (3位、20週)

“I can swallow a bottle of alcohol and I'll feel like Godzilla

Godzilla, fire spitter, monster”

“Fire, Godzilla, fire, monster”

 

 Eminem feat. Don Toliver - No Regrets (84位、1週)

“Or Godzilla squashin' a crouton with combat boots on”

 

③ DJ Chose & Beatking - THICK

“Club Godzilla, I can't smash no duck for free”

 

 曲名も“Godzilla”。この曲はアルバム1番のヒットでした。Eminemが以前からよく使っているワードの一つです。

 

 

☆Kamikaze

① Eminem feat. Young M.A. – Unaccommodating (36位、2週)

“That's why they call me Kamikaze, it's plain suicide, yeah”

 

② Eminem – Marsh (83位、1週)

“When that Kamikaze hit (When that Kamikaze hit)”

 

 前アルバムのタイトルにしていたことから分かるように、これもEminemのお気に入りワードらしいです。

 

 

☆Mario

Tyla Yaweh feat. Post Malone - Tommy Lee (65位、2週)

“I finish the bottle, dawg, get this bitch jumpin', no Mario”

  ジャンプやコインなどのワードとの組み合わせが定番のように思います。

 

(参考?)

以下の2曲ではSupah Marioというプロデューサーが務めており、自身のタグが曲名に載っています。名称的にスーパーマリオの影響下と思われるので、参考までに。彼は過去にDrakeやYoung Thugの曲を担当したこともあるようです。主にアルバム曲ですが……

 

Lil Uzi Vert – Myron (13位、7週)

Lil Uzi Vert - Silly Watch (9位、2週)

 

 

☆Tokyo

 

Pop Smoke - Bad Bitch From Tokyo? (55位、1週)

“Bad bitch from Tokyo (Oh), drip from Italy (Oh)”

 

 当たり前なんですが、固有の地名では圧倒的な知名度があります。ほか“Loyal”のリミックスにも登場(Bad Bunnyのパート)

 

☆Tokyo / Super Saiyan / Sushi

~Lil Yachty & Tierra Whack feat. A$AP Rocky & Tyler, the Creator - T.D (83位、1週)~

 

A$AP Rockyパートより)

“I Tokyo Drift like the sample”

“Super Saiyan blonde, her lacefront on (Uh)”

 

(Tyler, the Creatorパートより)

“Raw as fuck, bitch, I feel like sushi”

 

 “Tokyo Drift”をサンプリングした1曲だけあって、大量に日本関連のワードが登場する曲です。日本のラッパーやDJによって構成されるTerirayki Boyzによる”Tokyo Drift”は、ワイルドスピードの主題歌に採用されており、2006年にBubbling Under入りも果たしています。現在でも時折TikTokで人気を得ています。(例えばSean Paulとのマッシュアップとか)

 

 

☆Karate

① Moneybagg Yo - Said Sum (17位、22週)

“Karate’d the wock, he tryna kick the cup (Shake it)”

 

② Lil Tjay - 20/20 (94位、1週)

“Big .40 cal' in my shirt, no karate”

 

③ 21 Savage & Metro Boomin – Brand New Draco

“You gon' fuck around and get chopped, lil' Karate Kid (Pussy)”

 

☆Judo

① Lil Baby & Future - Live off My Closet (28位、1週)

“Pray to Young Pluto and kick it like judo (Yeah)”

 

② Future & Lil Uzi Vert - Sleeping on the Floor (65位、1週)

“I'll kick the shit like it's judo (Bitch, bitch)”

 

☆Sumo

Future & Lil Uzi Vert - Sleeping on the Floor

“I'm Baby Pluto (Baby, Baby Pluto), pockets, they big like a sumo (Sumo, yeah)”

 

 日本のスポーツシリーズ。何の比喩になっているかを見るのが面白いと思います。Judoは高確率でKickの比喩。

 

 

☆Murakami

Lil Uzi Vert - Chrome Heart Tags (45位、1週)

“Murakami on my walls (Ooh)”

 

 多分村上隆のこと。村上隆は今年J Balvinのアルバムデザインも担当していました。(このアルバムからのHot 100入りは無し)

 

 

☆Nintendo

Eminem feat. Young M.A. – Unaccommodating

“Like a dusty cartridge from an old Nintendo”

 

Eminem feat. - You Gon’ Learn

“Take your Nintendo and then skate”

  けっこう日本関連のワードを重用するEminemさん

 

 

☆Sasuke / Narut / Anime

 

① Lil Uzi Vert – Sasuke (65位、1週)

“Yeah, Sasuke, Sasuke, Sasuke, Sasuke, Sasuke, Sasuke

This is not no Naruto, but I chop that like Sasuke”

 

② Megan Thee Stallion - Girls in the Hood

“I'ma make him eat me out while I'm watchin' anime (Wow, wow, anime)

Pussy like a Wild Fox, lookin' for a Sasuke (Yeah, yeah, ayy, yeah)”

 

 どちらもメインキャラクターのナルトではなく、サスケにフォーカス。Lil Uzi VertはFutureとの”She Never Been to Pluto”(Bubbling Under入り)でもサスケを歌詞に登場させています。(この曲でも“Not Naruto“とナルトではないことを主張しています)

 

関連記事:2018年のPitchforkのナルト特集。この記事では、ナルト+ラップの組み合わせを開拓したのはSoulja Boyと分析しています。

Why Is Rap Obsessed with Naruto? | Pitchfork

 

 

☆Yugi-Oh

Lil Uzi Vert - You Better Move (36位、1週)

“Yu-Gi-Oh, Yu-Gi-Oh, you wanna duel?

Blue-Eyes White Dragon, no, I will not lose”

 

 Windowsピンボールの効果音サンプリングも印象的な1曲。2行目のBlue-Eyes White Dragonはカードの名称

 

 

☆Hadoken

Bad Bunny - BOOKER T (78位、1週)

“En este género yo fui un Hadōken (Ey, ey, ey)”

(このジャンルでは、私は波動拳だった)

 

 ストリートファイター関連もよく歌詞に登場する人気シリーズ。ほかBubbling Underに入ったEminemの“I Will”にはBlankaが登場します。

 

Tekken

① Pop Smoke – Tunnel Vision (Outro) (79位、1週)

“All in a second, gun kickin' like it's Tekken (Buck, buck)”

 

② ROSALÍA & Travis Scott – TKN

“TKN TKN TKN”

(TKNの正体は明かされていないが、鉄拳が最有力説と言われている)

 

 同じく日本の格闘ゲーム、鉄拳も人気を集めています。

 

 

☆Japón (Japan)

Bad Bunny & ROSALÍA - LA NOCHE DE ANOCHE (53位、2週)

“Que yo me iría otra vez pa' Japón (Hey)”

 ROSALÍAは3曲のHot 100エントリーのうち、2曲で日本関連のワードを登場させています。

 

(ほか1位を獲得した”Franchise”にも“Japan”ならびに”Tokyo”が登場します=Futureのパートで)

 

 

☆Comme des Garçons

※後日に気づき、追記

 

① Lil Uzi Vert - Silly Watch (9位、2週)

"Comme des Garçons, use my heart a lot"

 

② Lil Uzi Vert - Leaders (72位、1週)

"I break her heart like Comme des Garçons (Damn)"

 

③ Lil Uzi Vert feat. Young Thug - Got the Guap (87位、1週)

"Comme Des Garçons down when we lust"

 

 

多く日本関連のワードをHot 100に登場させたアーティスト

※同一曲での同一ワードの繰り返しは1とカウント

 

Lil Uzi Vert:10回 (Honda, Benihana, Murakami, Sasuke, Naruto, Yu-Gi-Oh, Judo, Sumo, Comme des Garçonsz×2)

Eminem:7回 (Sensei, Godzilla×2, Kamikaze×2, Nintendo×2)

Bad Bunny:3回 (Honda, Pokémon, Hadouken)

Pop Smoke:3回 (Tsunami, Tokyo, Tekken

A$AP Rocky:2回 (Tokyo, Super Saiyan)

Megan Thee Stallion:2回 (Anime, Sasuke)

ROSALÍA:2回 (Japón, TKN)

Young Thug:2回 (Honda, Comme des Garçons)

 

 

2019年度版:Hot 100に登場した日本関連の曲 2019 - チャート・マニア・ラボ

2018年度版:今年Hot 100に登場した、日本に関連する曲 まとめ - チャート・マニア・ラボ

 

Billboard 動向・1月号(2021) 【予想外の1位独走など】

 

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 今月は3種類の1位にフォーカス。予想を超える/期待通り/期待以下(?)の1位の詳細について探っていきます。(マイペース更新で少し鮮度が落ちたことをご容赦ください🙏)

 

 

目次:

 

 

1 予想を超える1位:"drivers license"

 

 まずは予想外の、しかも破格の規模での1位獲得に成功した”drivers license”から。元々そこまで注目される曲ではなく、例えばSpotifyのNew Music Fridayでは15番目に配置されるような曲でしたが、リリース初日からストリーミング等で上位デビュー。これだけでもサプライズでしたが、本当の驚きを提供したのはここから。

 リリース2日目にはSpotify/Appleで1位に。そこからグングン調子を上げ、なんとリリース日目5日目にはSpotifyのUSデイリー記録を更新(約615万)。リリースが2曲目のニューカマーながらも歴史的な成績を残したのです。

 2週目の後半あたりから次第に数字を落とし、徐々に2位との差は縮まっていきましたが、余裕の1位ということは変わらず。

 ほかUS外でも人気を誇り、Spotifyのグローバルでも1位を独走。歴代最多の週間再生数を記録しました。(デイリーだとクリスマス曲2つに次いで、歴代3位) 

 

 なぜここまでヒットしたのでしょうか?私がまず注目したのは彼女の前シングル“All I Want”です。この曲は、ラジオやプレイリストでほとんどプロモーションされていないにも関わらず、ストリーミングで上昇。なんとHot 100入りを果たすことに成功していました。特段TikTok受けが良さそうなキャッチーな曲でも無いに関わらず、このような浮上を果たしたということは、純粋の曲の良さだけではなく、ヒットを引き寄せるだけのアーティスト個人としての注目度があったということ考えられます。このアーティスト個としての注目度は、ストリーミングで強力な武器になります。

 彼女はHigh School Musicalキャストで、この“All I Want”もHigh School Musicalからの曲。彼女は音楽業界では新人でも、セレブリティ知名度的な面では既に一定の成果を残していたので、上のような個人の注目度を得たのだと思います。ただそういったセレブリティ系の出自だからといって、音楽ではうまくいかないケースも多々見られるため、出自がヒットの理由の全てというわけではありません。

 ただ、彼女がこの出自を巧みに利用はしました。というのも、この曲は主にディズニーキャストとの関係性を歌ったものでした。その歌詞への反響が、元々彼女を追っていた層に深く響き、初日の初動に繋がったのだと思います。この自身の人間関係を歌う/SSW的気質の作風の2点で彼女はTaylor Swiftと比較されているようです。

 “drivers license”で歌われたと推測されているSabrina Carpenterは2週後に、シングル“Skin”をリリース。実質的なアンサーソングとされています。元から用意されていたものか、寝耳に水で急遽反撃したものなのかは分かりませんが、ラッパーのようなバトル/スピード感で、ディズニー系ポップス界隈を盛り上げています。

 

 さらにその次の段階へと進む上で重要な役割を果たしたと推測されるのは曲の質です。人間関係への興味を引き立てる歌詞だけでは、元々のファン層にしか広まらないですが、この大規模ヒットは、一般的な曲として受容され明確に多くの層へ広がったことを証明しているでしょう。

 「インディーポップ的な作風、ポップ的コーラスを高次元で融合させた曲」という評をするメディアが多いようです。Taylor Swiftの他に、Lordeとも比較されることが多いようですが、個人的には2017年以降のKeshaにどちらかというと近い気がします。

 

 まとめると、セレブリティ的な人気があった彼女が、人間関係について歌い、ファンの間で注目を集める。そこからスタートし、曲の質の高さが他の層にも波及し、さらに大ヒットになり一般の層も気になって参入する……のような形でのヒットなのだと思います。

 

 彼女は今のところ“All I Want”、”drivers license”の2曲だけで、キャリアとしては序盤。今後どのようなキャリアを歩み、どこまで結果を出せるかは見ものですね。アンサーソングをリリースしたSabrina Carpenter等、自身の関連アーティストがどこまでヒットし、その「界隈」がどこまで盛り上がるかも重要な指標だと思います。

 

この曲のヒットについて、辰巳JUNK様の記事が詳しく、好きだったのでこの章を書く上で参考にさせて頂きました🙏

①:17歳の新人オリヴィア・ロドリゴによる記録的ヒットの理由

②:オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」考察と一年越しのマーケティング網|うまみゃんタイムズ|note

 

 

2 期待通りの1位:Morgan Wallen

 

 個人的には期待通り、くらいなのですが、こちらも一般的には予想外の躍進かもしれません。Morgan Wallenが2枚目で初のアルバム1位を獲得。26.5万という高めの売上うち、多くの割合を占めたのはストリーミング。2.4億というかなりの再生数を記録しました。従来の記録(Luke Combsの1.02億)にダブルスコアを付け、カントリー作品のストリーミング数記録を更新しました。彼の人気に加え、曲数の多さ(30)も追い風になりました。

 彼は2014年のThe Voiceに出場後、レーベルと契約を結び正式にデビュー。Florida Georgia Lineを迎えた、“Up Down”で2018年に初のHot 100入り。2019年に”Chasin’ You”がヒットすると、地位を確保。特徴的なのはその声質。低いガラガラとした声は独特の雰囲気を生み出します。そのスタイルで広い層から人気を得たのか、カントリーにあまり縁のないSpotifyAppleでも高い人気を得ていました。

 昨年リリースの”7 Summers”はストリーミングでの高い人気もあり、Hot 100で6位に。その先行シングルへの好調さ、また過去ヒットの堅調な推移を見る限り、彼への高い期待度を感じ、アルバムではかなりの好成績を記録するだろうと私は読んでいました。ちなみにアルバムの曲数がかなり多い(30曲)こともその予想を後押ししました。(曲が多いとその分再生数も自然と増えるので)

 

 2週目も成績が安定しており10曲もがHot 100に残留。ラジオでオンエアされている曲も多いことから、2週目でも5曲がトップ40圏内です。

 年の序盤のリリースであること、さらに2週目以降の安定感を見る限り、年間アルバムチャートでかなり上位を狙えそう。競合次第では年間アルバム1位も現実的な目標かも?

 

……というのが元々の原稿だったのですが、ここ数日で急展開。Nワードを発していた事が問題視され、ラジオやプレイリストでのプロモーションが取り下げに。一見大ピンチに思えますが、iTunesやストリーミングでは今のところは浮上を見せています。ラジオが無関係のアルバムチャートにでは、この現象はむしろプラスに働くという可能性も?

 この一件の動向が実際にチャートに現れはじめるのは2月の3週目ごろからだと思いますが、果たして……

 

 

3 期待ほどではない(?)1位

 

 これもそう感じるのは私だけかもしれません。ここではPlayboi Cartiについて説明します。1.26億再生を記録し、Playboi Cartiにとって初のアルバム1位。5曲がHot 100入り。上々の成績ではあるのですが、個人的にはもっと来る気がしていました。

 というのも、昨年Lil Uzi Vertの“Eternal Atake”がリリースされた後、次はPlayboi Cartiの”Whole Lotta Red”だ!という盛り上がりがあったように思うからです。

 実際に昨年のシングル”@MEH”はリリースと共にストリーミングで注目されていたので、“Eternal Atake”の4億までは行かないにせよ、少なくとも2億は超えてくるかな、と個人的には読んでいたのです。

 一定の注目を集め、初のアルバム1位も獲得した彼でしたが、私が感じていた期待感ムードほどの成績ではなかった気がしました。質的にも微妙だったようで、Rate Your MusicやAlbum of the Yearでは前作を下回る評価(ユーザー)をされています。

 

その他のアルバム

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・Lil Durk

 クリスマス期にリリースされ、実質リリース週には3位を記録。その週アルバム1位のPlayboi Cartiよりも多い6曲がHot 100入り。その後Playboi Cartiを抜いてアルバム2位に浮上。デラックス版で共演したLil Babyと同じような領域(Apple/YouTube中心)で人気を得ています。

 

 

4 超圧倒的だったクリスマス曲、去る

 

 1月に入り、クリスマス期間も終了。歴代最大だったクリスマス曲ラッシュも終わりを迎えました。

 

2020 Top10 Top50 全体 2019 Top10 Top50 全体
11/21 0 0 0 11/23 0 1 1
11/28 0 2 2 11/30 0 1 1
12/5 0 8 8 12/7 0 6 6
12/12 3 19 22 12/14 2 13 14
12/19 5 22 29 12/21 3 12 14
12/26 6 22 27 12/28 4 14 15
1/2 9 33 39 1/4 5 24 25
1/9 1 10 11 1/11 0 0 0

※日付はチャートの日付。その日付から15日前~9日前が集計の対象(ストリーミングとセールス)

 

 人気を牽引しているのはストリーミング。Amazon Musicでの圧倒的な強さ(例:トップ50すべてがクリスマス曲など)は毎年変わらずなのですが、今年は他の媒体でもかなり強かったです。Spotifyでは週間チャートで最大17位まで独占。(昨年まではクリスマス曲がUS週間チャートの1位に立ったこともなかった*1)ほかApple Musicでも“All I Want for~”が初めてデイリー1位に立っていました。

 集計が12/25~12/31である次の週ですら10曲が残留し、勢力の強さを物語っています。特に12/25当日のストリーミングが圧倒的すぎて*2、1週分まるまる集計される一般曲を圧倒していたということです。(ちなみにSpotifyの数字を見る限り、グローバルでは12/24がピークですが、USでは12/25がピークです)

 

 昨年以上の規模になったのは、家にいる時間が長いことに加え、暗い世間からの逃避として明るいムードになれるものが求められる、という時勢も大きく寄与しているのでしょう。これほどのクリスマス曲の強さは継続的な現象なのか、感染症下特有のものなのか、いずれ来る(と信じたい)感染症後のデータを見て比較したいです。

 

 個人的にずっと気になっているのは、このクリスマス曲の隆盛が現行メインストリームに与えている影響です。チャート上位を支配することによって現行曲が目立つチャンスが少なくなることに加え、私がよく考えるのは現行曲の消費時間がクリスマス曲に奪われる(?)こと等です。

 クリスマス曲の消費自体は以前からされていたので、実際の再生時間的にはストリーミング前時代とバランスが変わっていない可能性や、また従来と違う層によって再生されている可能性も考えられるので、「奪う」という表現が全く的を射ていない可能性もありますが。

 こればかりはどのような内訳で再生されているかの内部データ*3を見てみないと分からないのでなんとも言えませんが、一応Spotifyのランキングを元に考えてみました。

 

クリスマス曲を除いた上位10曲の再生数合計(週間)の推移です。

 

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 今年のクリスマス明け、USのSpotifyのデイリー首位が100万を割っていて(現存するデータ=2017年以降では初)気になったのですが、やはりクリスマスを通してトップ10が随分弱体化していました。一方で、昨年は極端に落ち込む週は無かったようです。

 補足すると、ヒット曲がより強く影響を受けているようです。2020年の1/9付~2/6付、2021年の1/7付~2/4付のそれぞれ5週の週間チャートの合計値を調べたところ、以下のようになりました。クリスマス前/後に限らず、感染症による現在の環境もヒット曲の消費に影響を大きく与えていそうなので、引き続き深く追っていきたいテーマですね。*4

 

10位:2020→2021で33%減少

200位:2020→2021で11%減少

 

 クリスマス曲は普段そこまで音楽を聞かない層がBGM的(スマートスピーカー等)に使っているのか、それとも普段も音楽を聞いている層がいつもと同じような感覚で聞いているのかが分かれば面白そうです。

 クリスマスが終わると軒並みすぐに急落してしまうので、クリスマスという枠を外れて一般的な曲として受容されることは無いようです。当たり前と言えば当たり前なのですが、2019年の半分以上をUKのSpotifyランキング圏内で過ごしていたEarth, Wind & Fireの“September”のような「時制ソング」でありながら同時に一般的な曲として受容されているケースもあります。(USでも稀に9月以外でもデイリーランキングの下位に登場します。あとなぜか新年プレイリストの常連曲なので、年始にもランキングに入ります)

 しかしその傾向を破って、今年Siaの“Snowman”がクリスマス後も調子をキープするという異例の動向を見せています。主にUS外の人気ですが。理由はもちろん(?)TikTokです。

 このジャンルごとの躍進を見る限り、おそらく一つ一つ思いを込めて曲を聞くよりも、自動再生がメインと推測されます。そんなこと言ったら、通常時のプレイリスト再生はどうするの?等、他にも疑問は無限に湧いてきますが、個人的にはもう少しクリスマスの圧倒的支配に対しての策が見てみたいところです。例えばビルボードのルール変更など。*5

 

 

5 クリスマス後の特別復活ルール

 

 クリスマス後はクリスマス曲が一気に去るため、代わりに空いた枠に多くの新曲が登場し、新年らしい様相を見せます。ただ最近はクリスマス曲の影響力が強すぎて、本来ならばまだまだ活躍しそうな曲まで外れてしまうことを考慮し、昨年からは一度リカレントした曲もクリスマス後に再登場させるようになりました。

 以下の曲が再登場。 

 

3 The Weeknd - Blinding Lights
26 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR
30 Lewis Capaldi - Before You Go
31 Jawsh 685 & Jason Derulo - Savage Love (Laxed – Siren Beat)
33 Morgan Wallen - More Than My Hometown
34 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne - WHATS POPPIN
37 Dan + Shay - I Should Probably Go To Bed
40 Parker McCollum - Pretty Heart
42 Blake Shelton feat. Gwen Stefani - Happy Anywhere
47 Harry Styles - Watermelon Sugar
59 Jhené Aiko feat. H.E.R. - B.S.

 

 ほぼ全てがラジオヒットです。1年の振り返りが行われるのか、主にポップ系ラジオではその年のヒットが年末に再浮上を果たすので、それに当てはまる曲は感覚よりも高めの順位で舞い戻ります。“Blinding Lights”の順位がやたらと高いのはその理由もあると思います。(それに加えて、他の曲とは違い26位以下になると落ちる週数で、元の順位が高めということも大きい)

 これらの曲のうち、”I Should Probably Go To Bed”と”Happy Anywhere”は年明けにラジオのピークが来たため、Hot 100でのピークも更新しています。(どちらもカントリー曲です)

 昨年、ルールが初めて実施された時に私は「復活した曲は既にピークを過ぎているので微妙」との旨を記事で述べていましたが、今年のクリスマスは曲数が桁違いだったため、復活後にピークを更新する曲も出ましたね。

 

 ちなみに”B.S.”が51位以下なのに復活したのはおそらくラジオです。このタイミングではまだRMS系(一般的にはアーバンと表記、ビルボードではMainstream R&B/Hip-Hopと表記される)で1位に立っていました。ただその後、1/23付の時に総合ポイントもラジオポイントも下落で、56位23週という状態でもチャートに残留したのは謎です。ビルボードは時折リカレント関連で計算ミスをします。

 

 

6 その他のトップ10 + 今後

 

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 今月のトップ10、そして来月以降のトップ10候補について見ていきます。

 

・Dua Lipa feat. DaBaby - Levitating

 クリスマス中も順調に上げ、クリスマス明けの週にトップ10まで到達。見事な3連続シングルヒット。Dua Lipaはラジオでの人気が盤石になってきました。ストリーミングでも調子が良く、Rolling Stoneチャートでもトップ10に入っています。

 

Chris Brown & Young Thug - Go Crazy

 クリスマス後の週に8月以来のトップ10復帰。次の週には5位とピークも更新。35週目のトップ5入りは歴代で3番目に遅い成績です。(”I Hope”=45週目、”Radioactive”=42週目に次ぐ)

 それを支えているのはラジオ。最近になってポップ系での伸びてきたこと、リズミックやRMS系で好成績をキープしていることが要因。ラジオでのロングヒットというと、主にアダルトポップ系でのヒットが多かったのですが、最近はリズミックやRMSでのR&B調曲のラジオロングヒットも見られるようになってきました。(そのもう1つの代表例が、同じくChris Brownの“No Guidance”)

 

・SZA - Good Days

 ストリーミング偏重型ヒット。”drivers license”出現前は、Spotify/Appleの両方で1位でした。前シングル”Hit Different”のオンエアが続いていたことからか、こちらのシングルへの移行が遅れ、まだあまりラジオでオンエアされていないです。

 

・Ariana Grande feat. Doja Cat & Megan Thee Stallion – 34+35

 リミックス効果で2位に。アルバム週以来のトップ10に。トップ10を離れてからも大きくは調子を落とさず、ラジオも伸びてきたタイミングでの強力な援護射撃に。この週では、リミックス勢もクレジットに掲載され、それぞれトップ10曲数を増やしました。Doja Catは2曲目、Megan Thee Stallionは3曲目のトップ10。

 

・AJR – Bang!

 主にラジオヒット。グループ初のトップ10。Appleでは150位程度、Spotifyでも60位程度ですがAmazonやPandoraでは比較的上位。この後者2つはラジオとヒットが連動しやすい印象です。(そのためこの2つで人気の場合は、ストリーミングで人気でも「ラジオヒット」のような印象にはなる)

 

 

(今後のトップ10候補)

・The Weeknd – Save Your Tears

 シングルカット後、勢いよくチャートを駆け上がる。昨年のHarry Stylesのような華麗なシングルカット。ストリーミング時代は、あまりシングルカットがうまくいかないことも多かったですが、最近は成功率が高めですね。このご時世で、リリース量が少なめなことも関係するのでしょうか?

 2/7にはハーフタイムショーが行われるので、そのあたりのタイミングでトップ10に到達しそうです。(これが反映されるのは2月3週目のチャート)

 

・CJ – Whoopty

 1月に入ってからトップ40入り。昨年Pop Smokeによって注目されたドリル・ムーブメントにさらに火を付けたと考えられる1曲です。US出身の新人ラッパーですが、UKで先にヒット中で、既に同チャート3位まで到達しています。

 ラジオでも次第に人気を伸ばしており、リズミック>RMS>ポップの順に人気。ストリーミングでも好調と、有望な1曲。

※2/10訂正:"Whoopty"のドイツでの順位の記述について誤りがあったので、該当部分を削除しました。失礼致しました。

 

 

7 短評

 

・Ed Sheeran – Afterglow

 実質デビュー週となった1/9に32位スタート。その後も各種数字が伸びず、トップ10からは未だ遠いです。彼は過去3作品で、アルバムのリード曲はキャッチーな曲でヒットを飛ばしてきましたが、この曲はそうではないためか、あまり注目されず。

 その作風から、もしかしたらヒット狙いよりも、作家性アピールに主眼を置いたシングルなのかもしれません。

 

・Taylor Swift – willow

 リリース2週目がクリスマスと丸かぶりしたこともあり、38位に。1位からの下落幅記録を更新してしまいました。クリスマス曲が仮に無ければ15位程度です。*6

 

1-38 Taylor Swift – willow
1-34 6ix9ine & Nicki Minaj – TROLLZ
1-28 BTS – Life Goes On
1-25 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. - Franchise

 

 クリスマスが明けた3週目以降は少し調子を取り戻し、20位台を推移。滞在も伸び、少なくとも滞在期間では落下幅2位の”TROLLZ”(4週)より良い成績を残すことが決定。

 

・Gabby Barrett – The Good Ones

 “I Hope”が特大ヒットになった後も、なかなか次のHot 100エントリーが出なかったGabby Barrettですが、12月にはクリスマス曲の“The First Noel”、そして1月には通常シングルの”The Good Ones”がHot 100に入りました。現状はおそらくラジオシングル/カントリーのヒットという枠組みでの人気のため、今後躍進するにはアーティスト個人としての存在感を発揮する必要があるでしょう。

 

・All Time Low feat. Demi Lovato & blackbear – Monsters

 Alternative系ラジオで計18週の1位というスマッシュヒットもあり、ポップ系ラジオ等にも浸透中。ポップ系へのクロスオーバーにあたり、Demi Lovatoのリミックスも追加されました。All Time Lowは”Damned If I Do Ya (Damned If I Don't)”以来、12年ぶり2回目のHot 100。

 ラジオでは人気ですが、ストリーミングではあまり注目されず。SpotifyAppleではこの曲よりも、TikTokで注目された“Dear Maria, Count Me In”の方が人気です。今っぽい現象です。

 

・Popp Hunna – Adderall

・SpotemGottem – Beat Box

・Erica Banks – Buss It

 今月のTikTok系ヒット。全員Hot 100初登場。”Adderall”はLil Uzi Vertの、”Beat Box”はPooh Shiestyのリミックスの恩恵も受けています。Pooh Shiestyも今年躍進が期待されるタレントの一人です。彼の新ミックステープは2月の3週目のチャートに登場予定。

 

Black Eyed Peas & Shakira – GIRL LIKE ME

 ラテンとの融合を図る最新作、“TRANSLATION”から3曲目のHot 100入り。2010年前後に大活躍し、今もポップ系ラジオヒットを地道に飛ばし続けるという点でMaroon 5と少し似ています。ヒットの規模は向こうのほうが上ですが。

 

BTS – Dynamite

 初めて滞在期間20週を達成。ファンダムによるセールスの影響力が大きいので、「一般的な」ヒット度をピーク順位から測るのは難しいですが、滞在期間がここまで伸びたということは一般への浸透にも大きく成功したと言って良いのではないでしょうか。

 

・Doja Cat – Streets

 今月ストリーミングで勢いがもっともあった曲。TikTokで人気を得て、ストリーミングでもシングルのような扱いとなり、急浮上したような印象。やはりスターの座を確保しているようなアーティストだと、バズを有効に曲のヒットに変換できる印象です。

 

・Saweetie – Best Friend / Back to the Streets

 2つの曲が好調だったSaweetie。“Back to the Streets”はリズミック系ラジオで1位を獲得。さらに今月リリースされたDoja Catとの”Best Friend”は39位と好スタートを切りました。

 

Travis Scott & HVME – Goosebumps

 ドイツ等で定期的に見られる有名曲のハウス/トランスカバーがまさかのUS上陸。スペイン出身DJのHVMEによって作られたリミックスがヨーロッパ方面で人気に。最初は(おそらく)HVMEがボーカルも務めていたのですが、正式シングル化にあたりボーカルをTravis Scott本人のものに差し替え。そしてラジオのオンエア等によってHot 100入りを果たしました。

 元の”goosebumps”は既にリカレントした曲ですが、別曲とカウントされ下位でのHot 100入りを果たしています。ダンスリミックスはこのような判定になることが多い印象です。

 あと細かい違いなのですが、原曲は頭文字が小文字で、リミックスのほうは大文字です。

 

・Pop Smoke – What You Know Bout Love / For the Night

 1/30に、同時に2つのシングルがジャンル別ラジオの1位獲りを達成。この週“What You Know Bout Love”がリズミック系、”For the Night”がRMS系で1位に。Pop Smokeはアルバムから複数曲が人気になっていることを受け、同時に複数をシングルカット。“What~”はポップ向け、“For the Night”はラップ向けシングルといったイメージ。

 リズミック、RMSは“For the Night”を先にかけ、次にポップ系向けだったシングル”What~“がこの系統にも取り入れられた、ような印象です。(”For the Night”は1月の1週目~3週目にリズミックでも1位でした)

 

・Maluma & The Weeknd – Hawai

 ラテン圏で大ヒットしていた“Háwai”にThe Weekndリミックスを加えて、さらなる飛躍を目指した1曲。英語ヴァースが加わると、ラジオのオンエアでだいぶ有利になります。リリース直後はリミックスが人気を得たこともあり、12位と高順位を記録しましたが、その後はそこまで勢いが続かず。期待されたラジオも最高40位止まりでした(とはいえMalumaにとっては最高記録です)

 

・Parmalee & Blanco Brown - Just The Way

 2019年、Lil Nas Xが起こしたムーブメントに乗っかり、ラップ系カントリー曲、“The Git Up”をリリースしたBlanco Brown。この時Lil Nas Xがカントリー系のチャート(そしてラジオ)から外されたことは当時大きな話題となりましたが、一方でBlanco Brownはカントリー系チャートに継続して採用。

 その後はあまりヒットがありませんでしたが、この度カントリーのラジオシングルでHot 100に復帰。カントリー界隈の一員として認められていることが伺えます。Lil Nas XとBlanco Brown、2人の扱いがなぜここまで違うのかは考えれば考えるほど不思議です。

 

 

データ等

 

主な外れた曲

 

1/2

18 The Weeknd – Blinding Lights (🗻1 /⏰55)

44 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne – WHATS POPPIN (🗻2位 /⏰45)

50 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR (🗻1 /⏰35週)

70 Dan + Shay – I Should Probably Go To Bed (🗻42位 /⏰20週)

76 Jhené Aiko feat. H.E.R. – B.S. (🗻24位 /⏰20週)

93 Jon Pardi – Ain’t Always The Cowboy (🗻55位 /⏰16週)

 

1/9

(クリスマス曲:計27曲)

 

1/16

(クリスマス曲:11曲)

 

1/23

32 Blake Shelton feat. Gwen Stefani – Happy Anywhere (🗻32位 /⏰22週)

37 Parker McCollum – Pretty Heart (🗻36位 /⏰22週)

42 Harry Styles – Watermelon Sugar (🗻1 /⏰39週)

76 Jon Pardi – Ain’t Always The Cowboy (🗻55位 /⏰18週)

85 Jameson Rodgers – Some Girls (🗻29位 /⏰17週)

90 YoungBoy Never Broke Again – Kacey Talk (🗻50位 /⏰15週)

91 Shawn Mendes - Wonder (🗻18位 /⏰11週)

96 Matt Stell – Everywhere But On (🗻48位 /⏰12週)

 

1/30

50 Maluma & The Weeknd - Hawái (🗻12位 /⏰21週)

56 Jhené Aiko feat. H.E.R. – B.S.  (🗻24位 /⏰23週)

98 Miley Cyrus – Midnight Sky (🗻14位 /⏰20週)

 

 

アルバムのキリ番

 

1/2

450週目:Michael Jackson – Thriller (69位)

 

1/9

1周年:JACKBOYS – JACKBOYS (155位)

100週目:Mariah Carey – Merry Christmas (20位)

100週目:NirvanaMTV Unplugged In New York (200位)

200週目:Khalid – American Teen (71位)

200週目:Ed Sheeran - ÷ (94位)

500週目:Bruno Mars – Doo-Wops & Hooligans (161位)

 

1/16

1周年:Moneybagg Yo – Time Served (108位)

100週目:A Boogie Wit da Hoodie – Hoodie SZN (162位)

100週目:Ariana Grande – thank u, next (62位)

250週目:Rihanna – ANTI (134位)

650週目:Journey – Journey’s Greatest Hits (60位)

 

1/23

1周年:Halsey – Manic (68位)

1周年:Blake Shelton – Fully Loaded: God’s Country (188位)

 

1/30

1周年:Eminem – Music To Be Murdered By (7位)

 

 

各指標の1位

f:id:djk2:20210209011852j:plainYouTubeで長く1位だった"Life Is Good"は1/16相当分のチャートをもって、リカレントしました。もしかしたらその後に1位相当の成績を記録している週もあるかも。(YouTubeのチャートでリカレントって、別に要らなくないですか???やるとしても、1位くらいの曲を外してしまうのはマズいのでは……)

 

・Rolling Stone Chartsのトップ10

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12/25-31集計の週でも、7曲がクリスマス曲

 

・各週の動向まとめ

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・リンク

・Hot 100:The Hot 100 Chart | Billboard

Billboard 200:Billboard 200 Chart | Billboard

・ChartBeatの記事:Chart Beat | Billboard

・Kworb(ラジオ等):https://kworb.net/

Spotify Charts:Spotify Charts

 

 

(おまけ)

Spotifyの再生数から見る消費方法の変遷メモ(クリスマスのヒットを考察する上で調べたことです)

 

2017/1/12 vs. 2021/1/14(US週間)

2017:10位=5,145,003、200位=995,035

2021:10位=4,701,678、200位=1,486,494

10位 = 8.6%減少、200位 = 49.4%増加

 

同比較(Global週間)

2017:10位=17,377,668 200位=2,619,942

2021:10位=18,425,259 200位=4,740,987

10位 = 6.0%増加、200位 = 81.0%増加

 

 

 

*1:日程的には今年の方が不利

*2:26日以降は劇的に減少するが、すぐに0になるわけではない

*3:※データから推測しまくっても、結局このような内部データを見ないことには結論が出せない、というのは近年感じるもどかしさです。

*4:個人的な経験なのですが、動いているときはある意味「雑に」曲を聞きたいムードの曲が多く、仮にそのような思考の人が世の中に多いのならば、外出制限の環境下でヒット曲への需要げ減るのかもしれません

*5:アレクサを通しての再生は内容的にはラジオと同じなので、それと同じ比率まで下げる等。Limited-Tier Paid Subscriptionという制限付きのストリーミングがRIAAでは表記されているが、ビルボードでは導入されていないので、それを導入する等。アレクサにもこのプランが存在するらしいです。比率は分からないですが。あとはクリスマス曲に限っては、無料会員からの数字を集計しないなど

*6:なぜ程度かというと、“Blinding Lights”より上かはっきりしないため

プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2020

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 Spotify最大のプレイリスト、Today’s Top Hitsを1年間通して観察してきたので、そのデータ等を軽く紹介しようと思います

 

2019年版の記事:Today’s Top Hitsを5つのポイントで見る - チャート・マニア・ラボ

 

 

1:登録人数

 現在のリストへの登録人数から規模を見ます。前回の記事(2020年3月22日)の時からの変化も記しておきました。

 

・Today’s Top Hits:2720万 (前回比:+119万、+4.6%)

・RapCaviar:1359万 (同:+86万、+6.8%)

・¡Viva Latino!:1080万 (+22万、+2.1%)

Baila Reggaeton:1018万 (+22万、+2.2%)

・Songs to Sing in the Car:979万 (+54万、+5.8%)

(1/23時点)

 

 1位の座は全く揺るがず。次点のRapCaviarのほぼ2倍登録人数がいますが、伸び率はRapCaviarのほうが高かったようです。

(後日訂正:RapCaviarは同じセレクト系のプレイリストでは2番手ですが、純粋な登録人数ではGlobal Top 50を下回っています)

 

 

2:曲数

 50曲を保ち続け、何か入れる時は何かを外します。(ちなみにApple Musicの同様のプレイリストは曲数が変化する) 亡くなったアーティストへの敬意を示す時など、稀に51曲編成になることもあります。

 今年は週あたり4.4曲が入れ替わりました。昨年は週あたり6曲だったので、入れ替わりが少なくなったことが伺えます。*1

 もちろん感染症下でリリース量が控えめだった時期があったことも理由の一つなのですが、昨年よりも未知の曲をあまり入れなくなった傾向を、個人的には感じました。

 

 

3 入っていた曲

  プレイリストの名前通り、現行のヒット曲が基本的に入っているのですが、純粋にランキングの上位がそのまま入るわけではありません。以下のような場合、ランキング上位でもリストから外されてしまいます。

 

・ピークが既に過ぎ去ったと判断された場合

・アルバム曲で、シングルにはならなさそうな場合

・英語曲でない場合

・素行に問題がある場合 (レアケース)

・その他 (レアケース)

 

 おそらくUSのポップ系ラジオをベースにしたような選曲をしているので、英語曲のポップ~ラップを中心とした編成になっています。そのため、この軸から大きく離れていると、グローバルランキングの上位でもリストに入らないような曲もあります。

 しかしポップ系ラジオよりは柔軟に曲を入れる印象です。USポップラジオで入らないような曲では、ヨーロッパでヒットするダンス曲、ドイツでのヒット曲、英語曲ながらも未知のアーティストの曲、ラテン曲などが定期的にリスト入りを果たしています。今年はズールー語のヒット、”Jerusalema”という珍しい選曲もありました。(広い地域でヒットしていましたが、USではほとんど注目されず)

 

  以下が2020年内に、最も長くリストに入っていた曲のランキングです!

 

アーティスト 曲名 週数
1 The Weeknd Blinding Lights 43
1 SAINt JHN Roses (Imanbek Remix) 43
3 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 37
4 Topic & A7S Breaking Me 36
5 Harry Styles Watermelon Sugar 34
5 Jack Harlow WHATS POPPIN 34
7 Surfaces Sunday Best 31
8 Justin Bieer feat. Quavo Intentions 30
9 Lewis Capaldi Before You Go 29
9 Doja Cat Say So 29
11 Dua Lipa Break My Heart 28
11 Roddy Ricch The Box 28
11 Dua Lipa Don't Start Now 28
14 Powfu feat. beebadoobee death bed 27
15 Trevor Daniel Falling 26
15 Lil Mosey Blueberry Faygo 26
17 Tate McRae you broke me first 25
18 Ava Max Kings & Queens 24
18 Joel Corry feat. MNEK Head & Heart 24
18 Arizona Zervas ROXANNE 24
18 BENEE feat. Gus Dapperton Supalonely 24
22 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 23
22 Future feat. Drake Life Is Good 23
24 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love 22
24 Conan Gray Heather 22
24 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 22
24 Post Malone Circles 22
24 Surf Mesa feat. Emilee ily 22
29 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 20
29 Drake feat. Lil Durk Laugh Now Cry Later 20
29 24kGoldn feat. iann dior Mood 20
29 Jason Derulo Take You Dancing 20
29 Harry Styles Adore You 20
29 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 20
35 Juice WRLD & Marshmello Come & Go 19
35 BTS Dynamite 19
35 Internet Money feat. Gunna, Don Toliver & NAV Lemonade 19
35 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 19
35 Halsey you should be sad 19
35 Khalid & Disclosure Know Your Worth 19
35 Drake Toosie Slide 19
35 Marshmello & Halsey Be Kind 19
43 Lady Gaga & Ariana Grande Rain On Me 18
43 Kane Brown feat. Swae Lee & Khalid Be Like That 18
43 Conan Gray Maniac 18
43 Zoe Wees Control 18
43 Curtis Waters feat. Harm Franklin Stunnin 18
48 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For the Night 17
48 StaySolidRocky Party Girl 17
50 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 16
50 DJ Khaled feat. Drake POPSTAR 16
50 Tones And I Dance Monkey 16
50 Dua Lipa Physical 16
50 Black Eyed Peas, Rey J, Soul & Ozuna MAMACITA 16

 

※便宜上、プレイリストが本格的にアップデートされる金曜日のタイミングに、リスト入りしている場合、「1週」とカウント (実際は金曜日でないタイミングに入っている曲もある)

※原曲/リミックスは同一曲としてカウントし、入っているのが長かったバージョンを表に記しています。

 

~メモ~

・30週以上入った曲数は昨年比で2曲→8曲、20週以上は11曲→34曲と前の章で述べたような、入れ替わりの少なさがここでも現れています。

・この中でHot 100入りを果たさなかったのは3曲のみ。43位の3曲(Maniac, Control, Stunnin’)

・本格ブレイク前に曲の抜擢に成功していると、入っている期間が長くなりやすい(リストがヒットの過程に寄与したとも言える)

・非英語曲は、英語ヴァースが加わるとリスティングで有利になる

・2020年内のカウントなので、2019年 / 2021年もカウントに入れるともっと滞在が長い曲も多いです。

 

 

 

4 リストに多く入ったアーティスト

 

・そのアーティストの全ての曲の合計週数をカウント。客演曲は0.5週とカウント

・客演等の表記はSpotifyのものを参照。ところどころビルボードと違う部分があります。(ビルボードではメイン扱いだが、Spotifyでは客演扱いのものもある)

・同じPtの場合は、曲数が多い方を上に

 

アーティスト 入った曲 Pt
1 Justin Bieber Yummy, Get Me, Intentions, Forever, Stuck With U, Holy, Lonely, Mood*, Monster 102.5
2 Dua Lipa Don't Start Now, Physical, Break My Heart, UN DIA, Levitating, Prisoner* 102
3 The Weeknd Blinding Lights, Heartless, After Hours, In Your Eyes, Smile, Over Now, Hawái 92
4 DaBaby My Oh My*, BOP, Oprah's Bank Account, Find My Way, ROCKSTAR, WHATS POPPIN*, For The Night*, Levitating* 76.5
5 Ariana Grande Good As Hell*, Stuck with U, Rain On Me, positions, 34+35, motive, pov 70
6 Roddy Ricch The Box, Ballin', High Fashion, Walk Em Down*, ROCKSTAR*, The Woo* 70
7 Juice WRLD Godzilla*, Righteous, Tell Me U Luv Me, GO*, Wishing Well, Life's A Mess, Come & Go, Smile, Real Shit, Reminds Me Of You 65
8 Harry Styles Adore You, Watermelon Sugar, Faling, Golden 64
9 Drake Life Is Good*, Oprah's Bank Account*, Toosie Slide, Pain 1993, POPSTAR*, Laugh Now Cry Later, Mr. Right Now* 63.5
10 Bad Bunny Vete, Ignorantes, La Dificil, Yo Perreo Sola, UN DIA, DÁKITI, YO VISTO ASÍ, LA NOCHE DE ANOCHE 49
11 Doja Cat Say So, Boss Bitch, In Your Eyes, Del Mar, Baby I'm Jealous*, motive 48
12 Marshmello Be Kind, Come & Go, OK Not To Be OK 47
13 Pop Smoke The Woo, Mood Swings, For the Night, What You Know Bout Love 45
14 Jason Derulo Savage Love, Take You Dancing, Love Not War 44
15 Jack Harlow WHATS POPPIN, Tyler Herro, Way Out 43
16 SAINt JHN Roses 43
17 Selena Gomez Lose You to Love Me, Look At Her Now, Rare, Feel Me, Boyfriend, Past Life, Ice Cream 42
18 Ava Max Alone Pt.II, Salt, Kings & Queens 41
19 Conan Gray Maniac, Heather 40
20 Halsey Graveyard, you should be sad, Be Kind, Life's A Mess* 39.5

 

*客演の曲

(早く入った順に並んでいます)

 

 

*1:ちなみに滞在が1週に満たない曲も4つありました。グラミー起因の"bad guy"、BLMの盛り上がりで一時追加された"This Is America"、アルバムからのシングル選定が割れた"Life's A Mess"、"Lovesick Girls" この4曲も週あたりの平均のカウントに入っています