チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Hot 100 11/4 見どころ 【異国の地で飛躍したかつてのカップルBecky Gと…… + テイラー急落】

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かつて交際していた(らしい)Becky GとAustin Mahoneですが、それぞれ現在異国の地で飛躍中。Austin Mahoneは予想外の日本でヒット、そしてBecky Gは現在ラテン圏で飛躍中!そのBecky Gが今週久々にHot 100に。

ほかテイラーの急落など。

 

 

97 Becky G feat. Bad Bunny – Mayores (New)

Becky GのMayoresが97位で登場。3年ぶりのHot 100。2012年にCher Lloydの客演でHot 100入りした後、2014年にShowerがHot 100で16位まで到達しブレイク。そこからCan’t Stop Dancinでもう一度Hot 100入りするも、その後はヒットに恵まれず。

2016年にはじめてスペイン語Solaをリリースすると、ラテン系ラジオでかかるなどある程度成功を収め、そこからはラテン系路線に。

そして今年Mayoresが大ヒットになり久々にHot 100に帰ってきました。ラテン圏ではかなりのヒットになっていてスペインでは1位、そしてYouTubeではリリースから3カ月で約4.73億再生を記録。これは今年リリースされたビデオの中で25番目に多い数字。短い期間でここまで来るとは勢いを感じます。久々のHot 100でどこまで上昇するか。

 

95 Gucci Mane feat. Slim Jxmmi & Young Dolph – Stunting Ain’t Nuthin (New)

Gucci Maneの自身11枚めのアルバム、Mr.Davisから複数曲が今週Hot 100に登場。先行リリース、MigosとのI Get the Bagは今週11位まで到達。またThe WeekndとのThe Curveも71位で再登場。そしてアルバムリリースのタイミングで初公開された曲の中ではStunting Ain’t Nuthinが人気。今週95位で登場。客演はRae Sremmurdの片割れSlim Jxmmiと今週アルバム”Thinking Out Loud”をリリースしたYoung Dolphの二人。

アルバムチャートでは2位に。出所後初のアルバム、Everybody Lookingと並んで自己最高位の数字です。

 

※Slim Jxmmi名義では初のHot 100。

 

87 NF – Let You Down (New)

先週Hot 100入り経験が無いながらもアルバムチャート1位になったことが話題となったNFですが、それを覆して早速今週Hot 100に登場。Let You Downが87位に。ポップ系・リズミック系などのラジオでかかり始めたこと、Spotifyで18位まで上昇していることが要因。ただし、Apple Musicでは200位圏外。SpotifyApple Musicでここまで差があるとは。

※同じ白人ラッパー、EminemやMachine Gun Kellyとよく比較されているようです。

 

84 Russell Dickerson – Yours (New)

今週、カントリーラジオで好調の3曲がHot 100に登場。Garth BrooksのAsk Me How I Knowが98位、Walker HayesのYou Broke Up With Meが96位、Russell DickersonのYoursが84位に。いずれも珍しい登場で、Walker HayesとRussell Dickersonは初のHot 100、Garth Brooksは約10年ぶりのHot 100です。

 

82 Chris Brown feat. Future & Young Thug – High End (New)

Chris Brownの新曲High Endが82位で登場。客演は今週ミックステープSuper SlimyをリリースしたFutureとYoung Thugの二人。この曲はハロウィン当日にリリース予定のアルバムに収録予定。45曲も収録される大所帯のアルバム。(CDだと2枚組)

 

51 Travis Scott – Butterfly Effect (↑)

21週目以降に51位以下を記録しているとHot 100から外れるとチャートから外されるルールがるのですが、例外が適用される形でチャートに生き残ったのはTravis ScottのButterfly Effect。21週目で51位。何かしらの「伸びシロ」があって上昇中の曲は例外となり、チャートから外れないようですね。今週はラジオやストリーミングが上昇していて、チャートに残ったButterfly Effectですが、少しでも順位を落とす即チャートから外れてしまうので気の抜けない戦いが続きます。

※前シングルGoosebumpsは一回50位付近でこのルールが適用され、惜しくもチャートを後にしましたが、その後ビデオがリリースされHot 100に再登場。50位以上を記録しチャートに舞い戻るという特殊なチャートアクションをとっていました。

Butterfly Effectも仮に1回落ちても50位以上相当の成績を記録し(かつ伸びシロがあれば)、チャートに戻れるかも??

 

44 Marshmello feat. Khalid – Silence (↑)

SilenceのリミックスをリリースしたMarshmello。そのうちIlleniumによるリミックスが好調でiTunes30位前後にランクイン。それによってダウンロードが上昇。今週21位のダウンロードを記録しています(リリース時よりも多いです)。Hot 100でも44位とトップ40に接近しています。

最近ラジオでかかり始め(今週ポップ系ラジオ40位に)、またビデオもリリースされたSilence。既にイギリス・ドイツなどではトップ10入りしていますが、USでもさらなる躍進なるでしょうか。まずは目指せトップ40入りでしょうか。

※今週DJ MagによるDJ投票ランキングで2年目ながらも10位まで浮上!メインストリーム、EDM界隈の両方で大活躍中です。

※ビデオリリース、ラジオの上昇も反映されそうな来週も上昇するかもしれません。

※今週の水曜日半ばにSelena GomezとのWolvesをリリース。一気にダウンロードを伸ばして来週のHot 100入りの可能性も?そうでなくとも再来週のHot 100には確実に入ります。

 

40 blackbear – do re mi (↑)

blackbearのdo re miが40位に浮上。自身初のトップ40。本格的にヒットする前からストリーミングで人気だったこの曲ですが、Gucci Maneリミックス登場(Spotifyでは現在こちらのバージョンの方が人気)+ポップ系・リズミック系などのラジオでかかったことなどによりさらに浮上。今週トップ40に到達しました。

 

38 Dua Lipa – New Rules (↑)

イギリスのシンガーDua Lipaが初のUSトップ40。New Rulesが38位に浮上。従来からのストリーミングでの好調(現在Spotify27位、YouTubeは英語曲では最高位の今週5位)に加え、ポップ系ラジオでの浮上が合わさりトップ40に到達しました。母国イギリスでは1位にも到達したこの曲。USではどこまで行けるでしょうか。

※去年のちょうど今頃(2016の11/5付けチャート)、Dua LipaはBlow Your Mindで初のHot 100入りを果たしました。

 

13 P!nk – What About Us (↑)

P!nkのWhat About Usが13位まで上昇。今週1位のアルバムBeautiful Traumaのリリースによってダウンロードが伸びたことが順位上昇の要因です。ラジオも好調で、近いうちにトップ10まで届くか?(ただダウンロードが伸びた反動によってしばらくは順位を落とすかもしれません) Eminem客演のRevengeも多くのダウンロード*1を獲得したものの、101位相当の成績で惜しくもHot 100入りならず。今週アルバムからのHot 100エントリーはWhat About Usのみに。

※今年一番のセールスを記録して今週のアルバム1位に。セールス・ストリーミングを合わせた「総合セールス(SPS)」でもKendrick LamarのDAMN. DrakeのMore Life、Ed Sheeranの ÷に次ぐ4番目。ここまで売上が伸びた要因の一つに「チケット付きCD」があると言われています。CDを買おうにも最近はCDが売っている店が減ってきたので、このような戦略は納得できるとビルボードは分析しています。

→この記事 http://www.billboard.com/articles/columns/chart-beat/8006949/pink-beautiful-trauma-billboard-200-album-chart

 

※アルバムチャート2位は前述のようにGucci Mane。3位はBeckのColors、4位は45週目のPost Malone。そして10位にはSt.VincentのMasseducationが!自身初のアルバムトップ10で最高位を更新しています(前回のSt.Vincentでのアルバム12位が今までの最高位)

 

10 Taylor Swift – Look What You Made Me Do (↓)

4位→10位と随分順位の落ちたTaylor SwiftのLook What You Made Me Do。唯一上昇中だったラジオが一転急落したことがHot 100での落下の原因です。ポップ系ラジオでは1位→7位で、25年の「ポップ系ラジオチャート」の歴史の中で1位から最も順位を落とした曲に。また、ラジオ(全体)でも5位→20位と急落しており、「トップ5からの陥落としては最大」とのこと。このようにラジオで急落して頼みの綱を失ってしまったので、もう今後の伸びシロはアルバムリリース時に少し注目度を取り戻せるか?程度しか無いです。

来週はトップ10から陥落してしまいそうな“Look”。ストリーミング導入以降のHot 100で、1位を取った曲としては最短タイ(Harlem Shakeと並んで)の8週のトップ10滞在で終わってしまうのか…… ともかく落ちるスピードが凄まじいということです……

 

5 Imagine Dragons – Thunder (↑)

Imagine DragonsのThunderが5位まで浮上。4位のFeel It Stillと合わせて異なるロックバンドが2組トップ5にいるということに。これは2007年にFall Out BoyのThis Ain’t A Scene, It’s an Arms RaceとDaughtryのIt’s Not Over You以来*2ということに。同じ2組なら昨年Twenty One PilotsがRideとHeathensを同時にトップ5に入ったことがあります。

ラジオの伸びが著しいThunder、オルタナティブ系ラジオでは計17週1位だったFeel It Stillから1位の座を奪っています。Thunder、Feel It Stillともに絶好調で、どちらか?または両方1位を取れるポテンシャルはあると思います。

 

× Kendrick Lamar feat. Rihanna – Loyalty. (↓)

Kendrick LamarのLoyalty.がチャートを後に。リリース後は常にHot 100にほぼストリーミングで留まり、その後ビデオ公開・シングル化などによって再浮上。ピークはアルバムリリース時の14位。これでHot 100に残るDAMN.からのシングルはHUMBLE.のみになりました。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Post Malone feat. 21 Savage - rockstar

今週最もダウンロードが上昇した曲 P!nk – What About Us

今週最もストリーミングが伸びた曲 Gucci Mane feat. Migos – I Get the Bag

最も高い順位で新登場した曲          Chris Brown feat. Future & Young Thug – High End

 

 

今週チャートから外れた曲 (8曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

98 BTS – DNA (🗻67位 /⏰4週)

94 A Boogie Wit da Hoodie – Say A’ (🗻75位 /⏰2週)

93 A Boogie Wit da Hoodie – No Promises (🗻74位 /⏰2週)

91 Maren Morris feat. Vince Gill – Dear Hate (🗻91位 /⏰1週)

72 Kane Brown – Heaven (🗻72位 /⏰1週)

55 Sam Smith – Pray (🗻55位 /⏰1週)

48 Kendrick Lamar feat. Rihanna – Loyalty. (🗻14 /26)

20 Lin-Manuel Miranda feat. Artists For Puerto Rico – Almost Like Praying (🗻20位 /⏰1週)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

Future & Young Thug feat. Offset – Patek Water

Future & Young Thug – No Cap

Future & Young Thug – All da Smoke

Future – Feed Me Dope

Future & Young Thug – Three

Young Thug – 200

Future & Young Thug – Drip on Me

Future – 4 da Gang

 

緊急リリースされたFutureとYoung Thugのミックステープのうち、Hot 100に入りそうな曲の候補。このうち、6曲前後程度がHot 100に入るでしょうか。いずれの曲もApple Musicでかなり上位に入っています。

 

Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line – Meant to Be

元からストリーミングで好調でしたが、ビデオリリース+それに伴うiTunes割引によるダウンロード増で来週のHot 100入りは確実だと思います。

 

*1:今週のダウンロード20位

*2:ロック系ミュージシャンなら、GotyeとFun.が2012年に同時にトップ5に入ったことも