チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

現在のヒットがそれとなく分かるプレイリストを作っています

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 今や音楽業界の中心ともいえるストリーミング。その中で影響力を持つコンテンツの一つにプレイリストがあります。

 私は有名プレイリストの曲の入れ替わりや特徴など、定期的に観察を行っているのですが、その作業中に「自分だったらこの曲を入れるな~~」などと感じることが多かったので、自分の考えを反映させるヒット系プレイリストを作ってみることにしました。

 

 

 最も意識しているプレイリストはSpotifyToday’s Top Hitsです。このプレイリストは世界で最もフォローされているリストなようです(現在約2300万フォロワー)

 Apple Musicでこのリストに相当するのはUS版のToday’s Hitsです。日本からアクセスできるプレイリストでは「トゥデイズヒッツ:洋楽」や「グローバルポップ」などがこれに当てはまるでしょうか……?

 ちなみに意識しているのはSpotifyのリストなのに作っているのがAppleなのは個人的な利便性の都合です💦💦

 

 このToday’s Top Hitsリストはその名の通り、現在のヒットを紹介しています。曲数は他の一般的なSpotifyプレイリストと同様に50曲です。

 現在のヒット?ということならば、そのまま現在世界でヒットしている上位50曲を紹介している?……というワケでもないです。(これの他に純粋なグローバル50位以内を紹介しているプレイリストもある)

 グローバル上位50曲の中では、いくつか「現在のヒットリスト」から外しても良さそうな曲がいくつかあるのです。

(参照:直近の週のSpotifyグローバルランキング

 

 まず最大の理由となるのが、①すでにヒットから時間が経過しており、もう紹介の必要が無い曲 です。

 ストリーミングでも一般的なシングルチャートと同じように大ヒット曲がいつまでもランキング上位に居座ることがあります。それらの曲は既にプレイリスト内で何週にもわたって「紹介済み」であるので、プレイリストを有用に機能させるために古い曲は仮に上位にランクインしていても次第にリストから消えていきます

 

この①だけでもかなりの曲が外されますが、それ以外にも……

② アルバム内の優先度が低いシングル

③ 一部地域のみで局地的にヒットしているシングル 

④ その他倫理的に問題があるシングル (レアケース、最近ではYNW Melly)

 

  ……のような理由でもトップ50圏内の曲は外れて、Today’s Top Hits内で実際にグローバルトップ50に入っている曲は半数程度になります。

 その余った枠に代わりに入れるのは、「今後ヒットする曲」「周知させる意義のある曲」などです。この実際の上位ヒット以外の「プラスアルファ枠」にそれぞれのヒット系リストの色が出ると思います。

 

 SpotifyのToday’s Top Hitsは「プラスアルファ枠」に主に英語圏のポップスを採用しています。独自の観点から新たなヒットを発掘していることもありますが、意外とUSラジオのシングルを基準にした選曲も多く見られます(現在のリストではAlessia Cara、twenty one pilotsなど)

 これらの「プラスアルファ枠」曲はリストに入って実際にヒットすることもありますが、そうではない場合も多いです。

 逆にあまり採用されないのは英語圏以外の曲です。ラテンは常時3曲程度の枠が割かれていますが、実際にトップ50圏内に入っているラテン曲はもっと多いです。ほかドイツ、フランス辺りの曲もSpotifyグローバルトップ50まで達する場合もありますが、それらが紹介されている所を私は今の所見たことがありません。

 一方K-Popは普通にリスト採用するようで、現在はBTSとBLACKPINKが両方リスト入りしています。(BTSは先週このリストの表紙だった)

 また批評方面で評判の良い曲をたまに採用することがありますが、ストリーミング数をそこまで多く稼げる訳ではないので、すぐに「ヒットしていない」と判定されて外れてしまいます。(Solangeの“Almeda”は2週間でリストから外れた)

 総じて、「新しいヒットを生み出すこと」に何よりも力を入れているという姿勢が感じられます。

 

 このように、プレイリストの選曲には様々な判断基準があります。このToday's Top Hitsを参考にしつつ、私のプレイリスト「改・トゥデイズヒッツ」では以下のような選曲基準を設けました。

 

① 英語以外のヒットも少し多めに紹介する 

② ジャンルレスなプレイリストにする 

③ 基本的には「ヒット」を紹介することが目的ですが、「ヒット」の形には様々な物があると考え、再生数以外の項目を判断基準にする場合もある(インディー方面の反応など)

 

というのが選曲時の方針です。また、それ以外にも

④ 幅広い曲を紹介するためにリストは60曲に

⑤ Today’s Top Hitsはヒット済みの曲を見切るのが早すぎるので、その曲の入れ替わりサイクルをもう少しゆっくりにする

 

 などが個人的なこだわりです。他のリストがまだ入れていない曲がヒットすると嬉しいです。

 

「ヒットしているかどうか」を判定は主に以下のチャートで行っています  

Spotify グローバルランキング (ランキングのグローバルさの塩梅が絶妙)

・Hot 100

Apple Musicランキング 

 

その他、以下の要素も判定の参考にしています

YouTube各種ランキング

・USラジオ (ポップ系がメイン、オルタナティブ系ラジオも参考)

・US以外の国:イギリス、ドイツ、フランス、東アジア圏など

・Album of the Yearなどインディー方面の反応

 

 ほかプレイリストの並びにも多少の意味があって、上から1~10番目の曲は「いま最も熱い曲」、そして11番目~30番目の曲は「注目度が高めの曲」、そして31番目以下は「ヒットのピークは少し過ぎた曲」 or 「これからヒットする、もしくは局地的なヒット曲」です。

 Today’s Top Hitsは新たなヒットを生み出すために、実際のヒット度が発展途上でも上り調子ならばリスト上位に配置するケースがありますが、私のプレイリストの配置は実際のヒット度に重きを置いています。

 

 今何がヒットしているのかな~~をなんとなく掴みたい時に、シャッフル等でかけてみると面白いかもしれません。気が向いたときにお役立てください。

 あとは自分でプレイリストを作ってみると他のプレイリストの特徴などもよりくっきり分かってきたのが面白かったです。