こんばんは!
◇今週のHot 100 ハイライト◇
・Lizzoの“Truth Hurts”が6位へ浮上!初のトップ10入り
・Ed SheeranとKhalidの“Beautiful People”が26位に登場
・Chris Brownがアルバム1位
・J BalvinとBad Bunnyの“QUÉ PRETENDES”が65位に登場。アルバムは9位
・Saweetieが初のHot 100入り。”My Type”が81位に登場
・今週のトップ10
7月13日 | R | D | S | ||||
- | 1 | Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus | Old Town Road 🚩 | 6 | 1 | 1 | |
△ | ◎ | 2 | Billie Eilish | bad guy | 7 | 8 | 3 |
△ | ◎ | 3 | Khalid | Talk | 1 | 13 | 10 |
△ | ◎ | 4 | Ed Sheeran & Justin Bieber | I Don't Care | 3 | 6 | 12 |
▽ | 5 | Shawn Mendes & Camila Cabello | Señorita ✅ | 30 | 5 | 2 | |
△ | ◎ | 6 | Lizzo | Truth Hurts | 14 | 3 | 8 |
▽ | 7 | Jonas Brothers | Sucker | 2 | 18 | 31 | |
△ | ◎ | 8 | Post Malone & Swae Lee | Sunflower | 26 | 12 | 5 |
- | ◎ | 9 | Chris Brown feat. Drake | No Guidance 🍎 | 33 | 40 | 6 |
▽ | 10 | DaBaby | Suge | 15 | - | 7 |
R=Radio、D=Download、S=Streaming
🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位
◎ は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す
緑背景はその指標がトップ10内で最高、赤背景は最低
1~100位までの順位表は↓
曲の個別解説
☆84 Y2K & bbno$ - Lalala
ストリーミングで人気に火が付いた“Lalala”がHot 100に登場。プロデューサーのY2K、ラッパーのbbno$ともに初のHot 100入り。
この曲はストリーミングで全般的に人気。Spotify>Apple Music>YouTubeの順で人気が高いです。
この曲はラップに分類されていることもありますが、かかるラジオ系統はラップ/R&Bを取り扱うアーバン系ではなく、リズミック系やポップ系な予感がします。
↑84位・85位に似たようなタイトルの曲が並んでいます。両方ともSpotifyの有力プレイリストToday’s Top Hitsに入っているという共通点がありますが、ポイント源はそれぞれ違います。(“Lalala”はほぼストリーミングのみ、“La La Land”はポップ系ラジオでのポイントが多め)
☆81 Saweetie – My Type
Saweetieが初のHot 100入り。“My Type”が81位にランクインしています。主にApple Musicやアーバン系ラジオで人気を集めています。
週の途中にはビデオも公開されました。急上昇ランクで上位につけているので、来週はビデオ再生の増加で順位を伸ばすかも。
Saweetieは以前からQuavoとの交際が噂されており、最近は結婚間近という説もあるようです。
Quavo and Saweetie Hint at Marriage - XXL
☆78 NF – When I Grow Up
NFの新曲“When I Grow Up”が78位に登場。曲のリリースと同時にビデオを公開したこともあり、YouTubeで今週18位と高い人気を集めています。ほかSpotifyでは今週63位にランクインしていますが、Apple Musicでは圏外です。
彼は今月末にアルバムをリリース予定です。
◇71 Logic feat. Eminem – Homicide
LogicとEminemの“Homicide”がビデオ効果によって71位に再登場しています。現在シングルとしてラジオにかかっているのはこの曲ではなく、Gucci Maneを迎えた”Icy”のようです。
ほかMiley Cyrusの“Mother’s Daughter”も同様にビデオ効果によって83位に再登場しています。
☆67 Chris Brown feat. Justin Bieber & Ink – Don’t Check On Me
Chris Brownの最新作“Indigo”が、自身3回目のアルバム1位に輝きました。32曲が収録されたこの作品は主にストリーミングから人気を得たほか、ツアーチケット&グッズバンドルでセールスも稼いでいます。(アルバムのセールスを増やす現代戦法を「全部のせ」しています)
総合セールスは10.8万。内訳は純売上2.8万、ストリーミング7.6万、シングルDL0.4万です。ちなみにストリーミングは4割程度を“No Guidance”・”Don’t Check On Me”・“Heat”・”Indigo”の4曲から得ており*1、仮にアルバムの曲数が少なかったとしてもこの4曲がいればアルバム1位になっていると思います。(=別に数で圧倒してアルバム1位になったわけではない、ということです)
※アルバム2位のLil Nas Xの総合セールスは6.2万。仮にChris Brownのアルバムが4曲だけで、ストリーミング指数が40%になったとしても依然として合計はChris Brown > Lil Nas Xです。
このアルバムからはJustin BieberとInkが参加した“Don’t Check On Me”が67位に登場。アトランタのシンガーInkはHot 100初登場です。主にApple MusicとSpotifyで人気が高かったです。DLは38位とそこまで高くはありませんでした。
先行シングルの“No Guidance”はポイントを伸ばしたものの、順位は変わらず9位です。
☆65 J Balvin & Bad Bunny – QUÉ PRETENDES
J BalvinとBad Bunnyがサプライズでコラボアルバムをリリース。ストリーミングでは瞬く間に人気を集め、リリース日にはApple MusicとSpotifyの両方で収録曲全てがランキング圏内に入りました。
そのストリーミングでの人気もあってアルバムチャート9位にランクイン。J Balvinは“Vibras”での15位、Bad Bunnyは”X 100Pre“での11位が最高位だったので両者にとって初のアルバムトップ10です。
Hot 100では“QUÉ PRETENDES”65位に登場しています。この曲はラテン系局で3位と、既にラジオでも高い人気を得ています。
USで人気だったのはこの曲でしたが、ラテン圏で規模の最も大きいメキシコでは“LA CANCIÓN”の人気のほうが高いようです。
☆63 Kygo & Whitney Houston – Higher Love
KygoとWhitney Houston名義の“Higher Love”が63位に登場。Steve Winwoodが歌った”Higher Love”をWhitney Houstonがカバーし、それをさらにKygoがリミックスした、という曲です。
Whitney Houstonバージョンの“Higher Love”は元々シングルではなく日本版のみに収録されていた曲だったようです。
この曲は主にダウンロードとSpotifyで人気。DLでは今週4位、Spotifyでは28位と高い順位に入っていますが、逆にそれ以外ではあまり人気がありません。
Kygoは以前からSpotifyで人気があるものの、それ以外(Apple MusicとYouTube)では人気がないという傾向が見られます。(アメリカでの場合)
Whitney HoustonはHot 100エントリー数を40まで伸ばしています。死後の新規Hot 100エントリーは今回が初です。
△35 Lil Tecca – Ran$om
Lil Teccaの“Ran$om”が35位へ浮上。トップ40まで到達しています。以前からのストリーミングでの好調に加え、少しずつラジオでのオンエアが始まっています。(リズミック系など)
Spotify、Apple Music、YouTubeの3種目全てで上位に入っています。
△29 Mustard & Migos – Pure Water
Mustard(旧DJ Mustard)が新作“Perfect Ten”をリリース。主にストリーミングで人気を集めてアルバムチャート8位にランクインしています。
Hot 100に今週エントリーしたのは先行シングルの“Pure Water”のみ。今週38位→29位と順位を上げています。
Apple Musicではアルバム全般的に高い人気がありましたが、Spotifyでは“Pure Water”と”Baguettes in the Face”くらいしか人気が出なかったのでHot 100エントリーは1曲のみになりました。“Baguettes~”は2週目も高い人気を保っているので来週以降Hot 100エントリーする可能性があります。
☆26 Ed Sheeran feat. Khalid – Beautiful People
Ed SheeranがKhalidを迎えた“Beautiful People”が26位に登場。ストリーミングでの人気が高く、Spotifyでは今週4位にランクインしています。Apple MusicとYouTubeでもトップ50圏内には入っています。DLも7位と高水準です。
またこの曲は既にシングル化されていて、ポップ系ラジオで36位にランクイン。Ed Sheeranのアルバムからの先行曲は3曲ともシングル化されていて、リリース後すぐにラジオにかけられています。このラジオの素早いサポートは先行曲のHot 100順位が高めな理由の一つです。
Ed Sheeranのアルバムは今週末にリリース。収録曲がどこまでHot 100にエントリーするのか見ものです。“÷”の時は13/16曲がHot 100に入りました。(ボートラ含む)
※このアルバムがチャートに反映されるのは再来週です。
△18 Panic! At the Disco – Hey Look Ma, I Made It
Panic! At the Discoのシングルが好調を維持。今週最も大きいラジオの伸び幅を記録し、Hot 100順位を24位→18位と伸ばしています。“High Hopes”に続くトップ10も見えてきました。現在”Hey Look~”はポップ、アダルトポップ、オルタナティブの3系統でトップ10入りしています。
ほかトップ10に入りそうなのは、Blanco Brownの“The Git Up”です。この曲はDL*2とストリーミングを順調に伸ばして29位→16位と浮上。ペースから見て”Hey Look~“よりも先にトップ10まで届きそうです。
ネクストOld Town Roadとも称されるこの曲は今週Hot Country Songsの1位にも輝いています。(ただしカントリー系ラジオでのオンエアはまだ確認されていないので、“Old Town Road”と同様にHot Country Songs外される可能性も否定できないです)
この2つ以外にもBlake Sheltonの“God’s Country”が好調をキープしていますが、トップ10までは届かなさそうです。カントリーとしては珍しくストリーミング人気を集めHot 100上位に入りましたが、カントリー系ラジオでのオンエアのピークがまさに今なので、今週か来週がピークでそれ以降は順位を落としていきそうです。
△6 Lizzo – Truth Hurts
Lizzoの“Truth Hurts”が6位まで浮上!自身初のトップ10を記録しています。従来からのストリーミングでの好調に加えて、ラジオの数字がかなり伸びてきたことがトップ10入りの要因です。ラジオはリズミック≧ポップ>>アーバンの順に人気です。
LizzoはBET Awardsでのパフォーマンスが好評で、それ以降はDLでも調子を上げています(今週DL3位)
Lizzoは現在2016年のシングル、“Good As Hell”もストリーミングで少しずつ伸びを見せています。
×× Ariana Grande – break up with your girlfriend, i’m bored
“break up with your girlfriend, i’m bored”がチャートから外れました。ピーク2位と出だしは勢いがありましたが、滞在は20週に終わりました。
アルバムリリースの週にビデオが公開され、ストリーミングで絶大な人気を集めたアルバムの目玉シングルに。結果最初の週に2位で登場することに成功しました。
ストリーミングで人気を得たアルバムの収録曲は、再生数のピークがアルバムリリース時に来るため、次第にストリーミング数を落とします。”break up~”はそのストリーミング減少をラジオの浮上で補い、10位~20位付近に留まっていましたが、ラジオのポイントが落ちるようになってからは急落してしまいました。
Ariana Grandeはロングヒット因子になりやすいアダルトポップ系ラジオであまり人気が無いことにより、以前からラジオでのヒットが短く終わりやすかったです。その傾向が今回のアルバムのシングルでも続きましたが、それをむしろ逆手にとって矢継ぎ早に曲をリリースし、ストリーミングで大きな成功を収めました。
現在彼女のシングルでHot 100に残っているのは24週目、今週23位の”7 rings”1曲です。
今週ほかにチャートから外れたのは”Here With Me"や”Big Ole Freak"など。あと外れてはいませんが、Nicki Minajの”MEGATRON"が20位→92位と急落。来週には外れてしまいそう。
今週チャートから外れた曲 (9曲)
【先週の順位、アーティスト名、曲名、🗻ピーク順位、⏰チャート滞在週数】
100 Martin Garrix feat. Macklemore & Patrick Stump – Summer Days (🗻100位 /⏰1週)
99 Drake – Omertà (🗻35位 /⏰2週)
97 Ozuna, Daddy Yankee, J Balvin, Farruko & Anuel AA – Baila Baila Baila (🗻69位 /⏰9週)
96 DJ Khaled feat. Meek Mill, J Balvin, Lil Baby & Jeremih – You Stay (🗻44位 /⏰4週)
94 Megan Thee Stallion – Big Ole Freak (🗻65位 /⏰12週)
92 Jonas Brothers – Only Human (🗻91位 /⏰3週)
88 Brett Eldredge – Love Someone (🗻52位 /⏰10週)
87 Marshmello feat. CHVRCHES – Here With Me (🗻31位 /⏰16週)
49 Ariana Grande – break up with your girlfriend, i’m bored (🗻2位 /⏰20週)
・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品
1 Chris Brown – Indigo 🎫👕
4 The Black Keys – Let’s Rock
5 Chance the Rapper – Acid Rap 👕
8 Mustard – Perfect Ten
9 J Balvin & Bad Bunny – Oasis
17 Daniel Caesar – CASE STUDY 01
21 Freddie Gibbs & Madlib – Bandana
73 Chance the Rapper – 10 Day
128 Ingrid Michaelson – Stranger Songs
153 Marshmello – Joytime III ※
187 Thom Yorke – ANIMA
193 Himesh Patel – Yesterday
※フルでカウントされるのは来週のチャート
◇アルバムチャート長期滞在
200週目:The Weeknd – Beauty Behind The Madness (今週160位)
ストリーミングがアルバムチャートに導入された初期(2015年)に活躍していたアルバムです。
・今週ラジオで伸びた曲
☆Panic! At the Disco – Hey Look Ma, I Made It
・Lizzo – Truth Hurts
・Shawn Mendes & Camila Cabello – Señorita
・Billie Eilish – bad guy
・Taylor Swift – You Need To Calm Down
・Hot 100圏外の曲のうち各サービスで最も人気のあった曲
🍎 Mustard feat. NAV, Playboi Carti & A Boogie Wit da Hoodie – Baguettes in the Face (今週14位程度)
✅ Ashley O – On A Roll (今週33位)
🚩 Jhay Cortez feat. Bad Bunny & J Balvin – No Me Conoce (今週17位)
※Apple Musicは週の最終日の順位を週間の“参考順位”としています(Apple Musicには週間チャートが無い)
ちなみに新しくできたRolling Stone Chartsでは”Baguettes in the Face"が、Hot 100圏外の中では最上位でした。(39位) RS Chartsは計算方法の都合上、Apple Musicで人気の曲が上に来やすいです
関連 / 参考記事
・ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)
・ビルボードスタッフが議論するシリーズ
今週のテーマは……Lizzoの“Truth Hurts”についてです。
① 様々な経緯でヒットしたこの曲を、ヒットしたと実感したのはどの段階だったか?
② ヒットするシングルは“Truth Hurts”で良いと思うか?
③ Lizzoは今後もヒットを飛ばすか?コラボもしたCharli XCXのようになるか?
④ Lizzoは多くの人々からヒットを期待されています。このヒットの何が重要か?
⑤ 2017年のポップソングで他にもっとヒットしてほしかった曲は?
③の「Charli XCXのようになるか?」というのは熱心なファンを持ってオルタナティブな世界では存在感を見せるが、自身のシングルはヒットしない……のようなニュアンスのようです。Lizzoはシングル・アルバム両方のチャートで好調なことから今後に期待するると考える人もいれば、よほどの大物でなければヒットが保証されるわけではないという声もありました。