チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

年間チャート トップ10 半年前予想 2020 (Hot 100)

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 各種音楽チャートで年末に発表される「年間チャート」は、その年の総決算的な位置づけになっています。これを見ることで、総合的に見てその曲がどこまでヒットしていたか?を知ることが出来ます。

 この記事では、Hot 100の年間チャートが最終的にどうなるか?を集計が半分の現時点で予想することを目指します。

 Hot 100の年間チャートは、現在11月の半ばが年の切り替わりタイミングになっているので、5/16付のチャートをもって半分が経過したと考えられています。

(ちなみにビルボードは集計期間を公表していないが、昨年版の順位からこの期間だと推測されている)

 

・年間チャートを読み解くポイントは……

① 週間チャート圏外の期間は年間チャート集計外で、「いかにロングヒットしているか」が肝になります。この結果ラジオでロングヒットの曲がピークの割に上位に入るケースがあります

② 同じHot 100首位でも「弱い首位」「強い首位」の差があるのでこれも考慮する必要があります。

 

 昨年はトップ10のうち8曲が的中し、さらに4曲が順位ピタリでした。2018年と2017年はいずれもトップ10が8、ピタリ2でした。今年もそれぐらいの精度を目指せるように頑張ります。(今年はそろそろ外れるような予感もしますが(弱気)……)

 

 

 

 

1 Hot 100年間予想とその説明

 

まず単刀直入に予想から発表します

 

1 The Weeknd – Blinding Lights

2 Roddy Ricch – The Box

3 Post Malone – Circles

4 Doja Cat feat. Nicki Minaj – Say So

5 Dua Lipa – Don’t Start Now

6 Future feat. Drake – Life Is Good

7 Maroon 5 – Memories

8 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR

9 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé – Savage

10 Trevor Daniel - Falling

 

  今年は前半の時点で「これは当確/有力」のような曲が少ない印象で、例年よりも難しく感じました。(これが先に述べた弱気の理由) さあ運命やいかに!?ランクイン曲の説明をそれぞれしていきます。

 

 

1 Blinding Lights

・実はまだラジオが微増中

・そのラジオも活かして今後しばらく上位に残りそう

・チャートの後期の粘りに重要なアダルトポップ系で人気が高い

・実は“The Box”よりもHot 100登場が1週早い

・集計最後の週、またはそれに近い時期までHot 100に残りそう

・現状では”The Box”とのポイントに大きな差がありますが、最後の最後で追いつきそうと考えて年間1位に

 

2 The Box

・前半戦の主役

・昨年似たようなヒットを遂げた“Old Town Road”は年の後半粘っていましたが、ビルボードYouTubeの非公式ビデオを減算 or 集計から外したため、同じように粘るのは難しい可能性も("Old Town Road"はこの変更で一気に順位を落とした)

・ストリーミングでは強いが、ラジオで粘るのは難しそうなので、集計残り7週ぐらいのタイミングでHot 100から外れてしまうのではないか?

・ラジオはマイナスに転じています。

 

3 Circles

・ラジオ+ストリーミングのハイレベルな両立によって史上最長のトップ10滞在を記録。

・ただしうち10週は昨年の集計分。

・粘りなら随一だが、滞在期間が既に36週で、途中から(53週目以降)残留のハードルが高くなるので、上の2曲よりも早くチャートから外れてしまうのではないか。

・おそらく”Box”や”Blinding”よりもピーク時の成績が低い

 

4 Say So

・登場は少し遅いですが、ラジオも高く後半に多くのポイントを稼ぎそう

・2バージョンが両立し、ピーク時にはかなり好成績を記録

・後半の粘りに大切なアダルトポップ系でも今後人気が出そう

 

5 Don’t Start Now

・集計期間の序盤からチャート入りし安定

・アダルトポップ系の人気もばっちり、後半も安定した成績を記録しそう

・ただしピーク成績が他の上位曲よりは見劣りする (ピークは2位×1週)

・おそらくトップ5はこの5曲になることが有力

 

6 Life Is Good

・“The Box”とピークが被ってしまいましたが、1位を取れるクラスのヒットでした

・ストリーミングで人気も、ラジオが落ちて後半順位を落としそうな感じが”7 rings”と近いかもしれません

・一応アルバム効果で多少は再浮上も狙えるでしょうか(5/30付のチャート)

YouTubeでの根強い人気がある

 

7 Memories

・ラジオ人気が手堅く、地味にポイントを稼ぎ続ける

・どの週までチャートに残るかが焦点

・満期(52週)かそれ近くまで残れば年間トップ10がより確実に。現在滞在33週

・この6位7位の2曲が「準有力」曲。

 

8 ROCKSTAR

・後半にヒットすると読んで8位に配置。

TikTokで人気を得たことなどにより、ここ最近AppleSpotifyの両方で1位に再浮上。上昇気流に乗る

・ラジオやビデオなどでの伸びシロが大きく、登場時期の遅さを巻き返すようなヒットに期待。

 

9 Savage

・この2週で上位入りしましたが、今後は正直未知数。どこまで上位を保つか。

・登場時期も遅いので、2バージョンの強さなどを活かしてしばらくトップ10に居座る必要性があります

・リミックス以降ラジオが急激に伸びたのは好材料

・2つのバージョンが両方とも人気を保てるとすれば強そうです。

・不安要素もありますが、他の候補よりも可能性が高いと感じたので入れました

 

10  Falling

・もっと未知数な後半のヒット予想その2

・長い期間中位に留まっているため、ピーク低めながらも既にポイントをわりと稼いでいる

・まだまだラジオが伸びている途中で、今後ピークを伸ばしていきそう

・ポップ系で現在上昇中。まだあまりオンエアされていないアダルトポップ系でどこまで伸びるかも重要。リズミック系ではすでにピークが終了。

・”I Like Me Better”の強化版、または“Congratulations”や”Believer”のようなチャートアクションになると期待。

・もしかしたら週間でトップ10に入らずとも年間トップ10入りするかも?

・実はリミックスを既にリリース済み(Summer Walkerと)。ビデオもある。つまり「追加戦略」は既に使用済みで、今後の伸び具合は本当にラジオ次第

 

 

~その他候補~

 

◇ Drake - Toosie Slide

・登場後すぐにラジオが伸び切ったため、今後を乗り越える要素が少なそう

・アルバムやビデオといった「追加要素」も使用済み

・Drakeは夏に正式アルバムをリリースするとしており、それが実現すれば他のシングルに切り替わりそう

・1位を獲得しながらも年間11位だった”Nice For What”のようなイメージ

 

◇ Drakeの「6枚目のスタジオアルバム」の曲

・2018年の”Scorpion”のリリースは6/29。今回は「夏にリリース」なのでそれよりも遅いリリースと考えられる

・そこから特大ヒットになった”In My Feelings”が年間9位

・リリースが多少遅い分、”In My Feelings”と同様の規模のヒットになってギリギリ年間トップ10に手が届くくらいでしょうか?

・つまりハードルは高いと思います

 

◇ Lewis Capaldi - Someone You Loved

・既に滞在が52週。26位以下に落ち次第即Hot 100から外れます。

・あと+11週ぐらいあれば年間トップ10にも手が届きそうですが、どこまでHot 100に残留するか?

・ペース的に1週ごとにマイナス1位程度という印象なので、11週は残れないか?

 

◇ Harry Styles - Adore You

・安定感・登場時期が良いですが、トップ10の滞在期間が短いです。

・すでにラジオもゆるやかな下降線に

 

◇ Justin Bieber feat. Quavo - Intentions

・トップ10滞在が11週と密かにヒット中。

・ただし今後大きく伸びる要素が無く、年間トップ10クラスまで粘るのは難しいです。

 

◇ Billie Eilish - everything i wanted

・ここまで安定して上位に入り続けている

・ただしピークが8位、トップ10滞在も8週なので厳しいです

・既にラジオはマイナスに

 

◇ Gabby Barett (feat. Charlie Puth) - I Hope

・カントリーとしては高めのストリーミングを得て、トップ20まで到達

・Charlie Puthリミックスでポップ/アダルトポップ系ラジオでもオンエア開始

・このポップ系への飛び火が特大規模で成功すれば年間トップ10クラスになるかも……?

 

◇ Stuck with U

・登場時期もヒット規模も“I Don’t Care”と似た展開になりそう

・ラジオ受けはかなり良いと思います

・セールスの高さから初週は大きくポイントを稼ぎそう

・既にストリーミングで尻すぼみ傾向

 

◇ GOOBA

・仮に次週1位だったとしても、ラジオが無いためすぐに落ちるでしょう

・ちなみに彼がHot 100のポイントシステムをリークしたと話題ですが、まだ真偽が不明位なこと、従来予想されていた物とそこまで変わらないこと、記事を出す直前すぎることなどにより、この段階ではほとんど予想に反映させていません。

 

◇ その他の新曲

・後半から一気に巻き返せるような特大アクトのリリースは無いと予想。

・久々組(RihannaとAdele)はシングルリリースをすれば、アルバムもセットだと思うので、この状況下でそこまでの綿密な予定を立ててのリリースができるか?と言われると難しいと思います。

・”Old Town Road”系、つまりミームで稼ぐ曲はビルボードYouTube関連を減算するようになったので、未知の新人がトップ10に食い込むのも同様に厳しいです。

 

 

☆候補曲のこれまでの順位推移

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2 おまけ:UKの予想

 

1 The Weeknd – Blinding Lights

2 Dua Lipa – Don’t Start Now

3 Lewis Capaldi – Someone You Loved

4 SAINt JHN - Roses

5 Tones And I – Dance Monkey

6 Doja Cat – Say So

7 Powfu feat. beabadoobee – death bed

8 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR

9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy – Own It

10 Surf Mesa feat. Emilee - ily (※後半のヒット曲が入ると予想。その一例

 

 

・集計期間が1月~12月。そして週間チャートの順位と年間チャートの集計が若干異なること。この2点がUKチャートを抑える上でのポイントです。

(USは外れている期間は集計外だが、UKは対象。またUK週間チャートには一定のタイミングで順位が数字以上に落ちるという制度がある)

・12月までの集計で、まだ20/52週の段階です

・5月の時点で全ての年間トップ10が出揃っているケースもある(2017や2018)

・ただ昨年は後半のヒット曲が2つランクインした

・”Someone You Loved”と”Dance Monkey”の粘りは凄まじいと予想。

・7、8、10位の曲はどこまで行けるか未知数

・まだ20/52週の段階なので、UKはおまけと思っておいてください。

 

 

 

3 おまけ:昨年の反省会場

 

☆Hot 100

  予想 結果
1 Old Town Road Old Town Road
2 Without Me Sunflower
3 Sunflower Without Me
4 Happier bad guy
5 Wow. Wow.
6 High Hopes Happier
7 7 rings 7 rings
8 bad guy Talk 
9 thank u, next SICKO MODE
10 Sucker Sucker

 

・トップ10的中はそのまま、ピタリが増えて嬉しかった

・予想が外れた”High Hopes”と”thank u, next”は実際の年間チャートで11位、12位。外れ幅が最小限にできた

・入れなかった”SICKO MODE”と”Talk”もけっこう迷いましたが、直前のマイナス動向が気になって外してしまった(残念)

・あとは”I Don’t Care”のヒット具合を見極められたのも良かったです。ただ途中に述べたアダルトポップ系の不安は当たらず(ポップ系とアダルトポップ系ほぼ同等の成績でした)

・ただ、今考えると前半にヒットしている曲が多くて予想しやすい年だったのかも

・サイレントの集計期間変更によって、実は27週目の段階で予想していた(ただ当時それを考慮するのは難しいので致し方ない)

 

 

☆UKチャート

  予想 結果
1 Someone You Loved Someone You Loved
2 I Don't Care Old Town Road
3 7 rings I Don't Care
4 Sweet but Psycho bad guy
5 Giant Giant
6 Old Town Road Sweet but Psycho
7 Don't Call Me Up Vossi Bop
8 bad guy Dance Monkey
9 Ed Sheeranのアルバム曲 Don't Call Me Up
10 Hold Me While You Wait Señorita

・後半のヒットが2つランクインしたので、この年の予想は難易度高めだったかもしれません。

 

 

・ズボラな箇条書きスタイルの記事、サクサク書けるのでまた採用するかも(ズボラ)

 

 

 

・2019年度の予想記事

 

・2018年度の予想記事

 

 

・2017年度の予想記事