チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Billboard Hot 100 Year-End / 年間チャート・2020を10のポイントで見る

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 12月初旬に発表されたビルボードの年間チャートを振り返っていこうと思います!年間チャートは以下のリンクから閲覧できます。

 2019の11/23付~2020/11/14付のチャートまでが集計期間と考えられています。(=2019の11/15~2020の11/5までの動向が集計の対象)

 

Hot 100:Hot 100 Songs - Year-End | Billboard

アルバムチャート:Billboard 200 Albums - Year-End | Billboard

Year-End窓ページ:Charts - Year End | Billboard

 

 

 

 

1 奇妙な週間順位と年間順位の関係

 まずは総括的なテーマから始めます。年間チャートを見る意義として挙げられるのは、「総合的なヒット度」を一挙に確認できるということです。「週間チャートで1位を獲得!というニュースは聞いたけど、その後はどうなったの?」、「逆に目立ってないけどじわじわヒットしていた曲は無い?」のような点が年間チャートでは可視化されます。

 近年は週間ピークとその後のヒット具合が一致しないことも多く、この年間チャートを確認する意義は大きいと考えていたのですが、今年は特に週間順位と年間チャートの順位の乖離が大きく、その意義が際立つ年になりました。

 週間と年間の順位がここまで離れた理由は主に2つあります。1つ目は今年チャートを席巻した「販売戦略」です。これは特定の週に曲の購入を呼びかけ、圧倒的なセールスパワーによってHot 100首位の座を「狙いに行く」というものです。

 現在セールスのアベレージは低いものの、依然Hot 100でのセールスのポイントは重めに設定*1されているため、セールスをある程度稼ぐとストリーミングやラジオの差をひっくり返すことが可能なのです。この構図を上手に利用してチャート実績を積み上げていくのが販売戦略なのです。

 7月頃まではCDやヴァイナル等の物理媒体にDL権利を付け、そのDLが集計に入るというパターンが定番でしたが、ビルボードはこの「付属DL」を規制。CD等の実物が配送されるまで集計されないようになりましたが、このルール変更は焼け石に水。その後もD2Cなどが台頭し、販売戦略による「狙った」1位獲得は繰り返されました。(D2C=直接顧客販売、つまりアーティスト自身のウェブサイトで音源を売るような手法)

 これが今後も続くか、それともビルボードが根本からの解決策を提示して止まるかは分かりませんが、今年のチャートに大きな影響を及ぼしたことは変わりありません。今年は1992年以降では最多の累計19曲の1位が誕生。さらに「デビュー1位」に限るとぶっちぎり最多の11曲が生まれています。(これまでは4曲が最多)

 しかし中には1位としてはヒット度が物足りない曲も多く、滞在が20週にも届かずチャートから外れてしまう曲も見られました。このような曲は必然的に年間チャートでも順位は低くなります。(ただこの中にはストリーミングで人気だった曲も多く、ストリーミングの人気曲をラジオがあまりかけていないという捉え方もできます)

 さらに滞在が10週に届かなかった“TROLLZ”、”cardigan”、”Franchise”の3曲は年間チャート入りを逃してしまいました。これまで年跨ぎではない1位シングルで、年間チャート入りを逃したのはFantasiaの“I Believe”のみと伝えられているので、今年のようなチャートアクションが歴史的に見ても異質なことが分かります。

 (”Franchise”は集計の終盤というリリース時期の問題もありますが、最終的なチャート滞在はわずか9週なので、集計時期の問題が無くても年間チャートには入らなかったと思われます)

 

 2つ目はラジオヒットが際立つようになったことです。特定の曲がオンエアされ続けることが増加し、週間のピークは低めでも年間チャートでは高くなるような事例が見られました。中でもMaren Morrisの“The Bones”は週間ピーク12位ながらも、年間チャート9位に。(おそらく)史上5曲目の週間トップ10を逃しながらも年間トップ10入りを果たした曲となりました。*2

1957 Patsy Cline – I Fall To Pieces (週12、年2)
1973 Kris Kristofferson – Why Me (週16、年5)
1974 Mac Davis – One Hell of A Woman (週11、年10)
1998 Paula Cole – I Don’t Wat To Wait (週11、年10)
2020 Maren Morris – The Bones (週12、年9)
 

 この特定の曲の集中オンエアはポップ系、アダルトポップ系で見られるようです。ポップ系のラジオチャートのWikipediaのロングヒット系記録の項目を見ると、近年の曲で多く埋め尽くされています。これは感染症の影響もあるのかもしれませんが、昨年以前もこの傾向はあったので、今年ほどでは無いにせよ、来年以降もラジオが特定の曲をオンエアするという現象は続きそうな気はします。

 

 

2 年間トップ10の「50」「61」

 

1 The Weeknd – Blinding Lights (1✕4)

2 Post Malone – Circles (1✕3)

3 Roddy Ricch – The Box (1✕11)

4 Dua Lipa – Don’t Start Now (2)

5 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR (1✕7)

6 Harry Styles – Adore You (6)

7 Future feat. Drake – Life Is Good (2)

8 Maroon 5 – Memories (2)

9 Maren Morris – The Bones (12)

10 Lewis Capaldi – Someone You Loved (1✕3) ※今年の集計分では1週
()内は週間のピーク

 

 続いて、年間チャートで最も際立つ上位帯:トップ10を見ていきます。1位~3位には“Blinding Lights”、”Circles”、“The Box”の三大巨頭が。これらの3曲は序盤からヒットを飛ばしており、年の前半からいずれも年間チャート1位の有力候補でした。

 次いで大ヒットの印象が強い“Don’t Start Now”と”ROCKSTAR”。ほか粘りの“Adore You”、Futureキャリア最大のヒット”Life Is Good”、ラジオで相変わらず強いMaroon 5の“Memories”、ロングヒットのThe Bones”、”Someone You Loved“と並びます。

 この中で異質なのは、週間でトップ10に入らなかったのに年間ではトップ10の“The Bones”です。この曲のヒットについて、今年のRadio / Digital Sales / Streamingチャートの年間成績から考えていきます。

2020   Radio    Digital     Streaming
1 Blinding Lights 2 2 3
2 Circles 1 4 5
3 The Box 15 22 1
4 Don't Start Now 3 10 18
5 ROCKSTAR 19 12 4
6 Adore You 4 29 33
7 Life Is Good 35 37 2
8 Memories 5 5 50
9 The Bones 6 23 61
10 Someone You Loved 7 17 9

 

 それぞれに強み・弱みがありますが、私が注目したのは“Memories”と”The Bones”のストリーミング年間順位の低さです。Streaming Songsが通年で導入されて以降(2014~)、年間トップ10入り(Hot 100の)した曲でストリーミング年間順位が最も低かった曲は2018年の”The Middle”の34位で、ストリーミングがここまで低い曲が年間トップ10入りすることがいかに珍しいことが分かります。

 

2019   Radio    Digital    Streaming
1 Old Town Road         20 1 1
2 Sunflower 9 3 2
3 Without Me 2 4 3
4 bad guy 14 7 5
5 Wow. 10 8 7
6 Happier 6 14 8
7 7 rings 16 12 6
8 Talk 4 26 19
9 SICKO MODE 23 24 4
10 Sucker 3 10 28

 昨年の同データは上の通りです。全体のストリーミングの高さもそうですが、驚くべきはラジオ年間1位の曲がHot 100の年間トップ10にも入らなかったことです。ラジオ年間1位の“High Hopes”はストリーミング年間71位という成績が足を引っ張り、年間トップ10に入ることができませんでした。(11位) 

 

 このように、昨年はラジオヒットが弱く出ていましたが、今年はラジオが巻き返しを果たしています。2014年以降のHot 100年間トップ10曲のRadio / Digital Sales / Streamingの平均値は以下の通りです。このデータを読み取ると、ラジオは例年並ですが、DLとストリーミングの値が大きく下落しており、今年はラジオが相対的に強くなった=年間の順位と近づいたことが分かります。

 

  Radio    Digital    Streaming
2020 9.7 16.1 18.6
2019 10.7 10.9 8.3
2018 9.5 6.6 9.4
2017 12.6 10.2 11.4
2016 12.2 7.2 8.1
2015 9.3 7.9 8.2
2014 8.5 7.2 7.4

※2017年、2015年はラジオが年間(75位まで)圏外の曲が一つずつ入っています。(”Watch Me”と”Congratulations”)これらは平均に含んでいないので、含めるとすればこの数字はガクンと落ちます。

 

 これは前述のラジオでのロングヒットがとても大きな要因ですが、ビルボードのルール変更も多少は影響していると思います。今年YouTubeに関するルールを何回か変更。その内容は……

①ユーザー作成のビデオに関して、複数曲が含まれる○○まとめのような動画は対象外に。

②リリックビデオ等、曲を扱うものでもユーザー作成のものは大きくポイントを落とす → 後にユーザー作成のビデオは全て対象外に

③非ログインリスナーの再生を対象外にしたと思われる(これはサイレントの変更)

 

 と、かなりYouTube関連の数字が制限されました。ストリーミングの有力勢力であったYouTubeの減衰により、ストリーミング自体が数字を落とし、相対的にラジオが強化された、という構図です。(ただしビルボードがポイント内訳を公開していないため、一概にそうとも言い切れない部分もあります。年半ばには感染症を考慮してラジオの数字がやや落とされたため、ラジオもラジオでポイントを落としたとも考えられています。(表記される再生数は落ちたものの、内部のポイント計算式が不明な以上、実際にラジオのポイントが落ちているかは推測の域を出ない)上記のYouTubeの変更は年初、ラジオの変更は5月~です。)

 その上で、ストリーミングに恵まれない曲でもラジオでロングヒットになった曲がいくつか存在したため、今年の年間トップ10のストリーミング平均順位は落ちたのです。(このラジオとストリーミングのズレというのは近年続くHot 100の興味深いテーマの一つ)

 ストリーミング人気曲と比べると、ラジオはじわじわ長い期間をかけてヒットするものも多いので(特に今年は)、Hot 100でのピークの低い曲が年間チャートで上位に入ったのだと考えました。

 この傾向は来年も続くのかは、ラジオやストリーミングの実際の動向もそうですが、それ以上にビルボードの手綱捌き次第だと考えています。このラジオ偏重になったチャートをビルボードはどう捉えているのか、その動向に私は注目しています。

 

 DLの順位が乖離したのは販売戦略の影響に加え、DLの数値が下がり販売戦略以外での影響力低下が理由でしょうか。今年のDL年間1位はBTSの“Dynamite”(年間38位)でした。2014年~2019年の間で、DL年間1位の曲はHot 100年間1位か2位のいずれかでした。

 

 

3 エントリーの多いアーティスト

 次にジェネラルなスタッツから年間チャートを見ていきます。まずはアーティストごとのHot 100年間チャートのエントリー数です。

 

6:Roddy Ricch、Lil Baby

5:DaBaby、Drake、Juice WRLD

4:Justin Bieber、Pop Smoke

3:Luke Combs

 

 6曲でエントリーを果たしたRoddy Ricchは間違いなく今年の顔の一人。自身の“The Box”、そして客演を務めた”ROCKSTAR”の2曲でHot 100首位を獲得しています。この2曲はいずれも販売戦略を用いずに首位を獲得しており、"販売戦略抜きで"複数Hot 100首位を獲得した今年唯一のアーティストです。アルバムチャートでもデビュー作が年間3位に入るなど、今年一気に頭角を表しました。

 もう一人6曲エントリーを果たしたのはLil Baby。Roddy Ricchとは違い、首位曲は無く、今年の累計トップ10滞在週は6(“For the Night”が3、”The Bigger Picture”が2、”We Paid”が1)と上位に入った期間は短いため、シングルヒットを飛ばしている印象は薄いかもしれませんが、地道にヒットを飛ばし続けています。これまでポップ系ラジオチャートへのエントリーが無いなど、クロスオーバーには欠けますが、ラップコミュニティーでの人気はとても根強いようです。特にApple Musicでは年間ランキングに彼の曲が15も入る(客演含む)など高い人気が伺えます。そのストリーミング人気もあり、アルバムチャートでは年間2位を記録。(“My Turn”)

 

 次点はDaBaby、Drake、Juice WRLDの3人。DaBabyはリリースペースの早さもあって自身の曲でヒットを量産。それぞれの作品から毎回ヒットが生まれることに、高い人気ぶりを感じます。“ROCKSTAR”では初のHot 100首位獲得にも成功しました。客演でも高い人気を誇り、Camila Cabelloの“My Oh My”(年間37位)などポップ方面への進出も果たしています。クレジットはされていませんがMoneybaggYoの”Said Sum”(年間98位)のヒットにも彼はリミックスで大きく寄与しています。

 Drakeは相変わらずの人気。“Life Is Good”と”No Guidance”はロングヒット、“Toosie Slide”と”Popstar”はリリース直後集中型、とヒットのパターンも様々。

 Juice WRLDは昨年末の訃報以降も、ストリーミングで人気。一方ラジオではオンエアに恵まれず、年間チャートに入った5曲のうち、週間のラジオトップ50に入った曲は“Come & Go”の1曲のみでした。

 

 続いて4曲エントリーを果たしたのはJustin BieberとPop Smokeの2人。Justin Bieberは“Yummy”がHot 100首位を取り逃した末に尻すぼみになるなど、あまりうまく行っている印象はありませんでしたが、なんだかんだ人気に安定感があるということが分かります。(その”Yummy”も年間チャート入り)。時期的に今年の年間チャートには入りませんが、“Holy”や”Lonely”といった直近のシングルも好調。

 Pop Smokeは特に今年のアルバムからヒット連発。ラジオでオンエアされていない曲も含め、ストリーミングでは複数曲がシングルのような立場を確保し、人気を得ました。Juice WRLDにも言えることですが、この活躍ぶりを見ていると、改めて亡くなった事を惜しく思います。

 最後にカントリーシンガーのLuke Combs。彼はデビュー以降全てのシングルがトップ40入りするなど、ヒットの安定性が抜群。カントリー歌手としては珍しく、SpotifyApple Musicでも人気が高いです。

 

 

4 ジャンル別エントリー

 次にジャンル別の割合を見ていきます。ジャンル分けはビルボード準拠(例:Hot Country Songsに入っていればカントリーとカウント)。ポップのジャンル別チャートは無いので、ジャンル別チャートに入らない曲はポップとみなします。複数ジャンルでランクインしている曲はポップに分類します。

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 R&B/Hip-Hopが引き続き覇権。半数超えとは行かないものの、他のジャンルに大差を付けていることは変わりません。

 次に、ポップスは大きく曲数を減らしました。これはビルボードのジャンル分けの影響もあるかもしれません。例えばJustin BieberのYummy”や“Intentions”はR&B扱いとなっているため、このポップには含まれていません。他にもR&B/Hip-Hopの項目にはポップっぽい曲はいくつか見られるため、この数字ほどポップスは少なくは感じないかもしれません。

 そして3番目はカントリー。9→14→18と2年連続で大きく数字を伸ばし続けています。前章で述べたようなラジオ偏重の恩恵を最も受けうるジャンル、ということが大きいでしょうか。しかしストリーミングも少しずつ克服しているようにも思えます。以前よりも週間ストリーミングトップ50に入るカントリー曲が格段に増えた印象です。

 SpotifyAppleではあまり上位に入らないですが、Amazon Musicではカントリー人気が際立ちます。Amazonは再生数の実数を公開していないため、どれくらいの割合を占めているかは分かりませんが、このAmazon等でカントリーのリスナーの間でストリーミングの浸透度が上昇した、ということがストリーミング改善の理由かと推測しています。Luke CombsやMorgan Wallenのような、AppleSpotifyでも人気を得る存在も一部います。

 

 4番目はRock & Alternative系。今年からビルボードはジャンル名をRock & Alternativeとしたため、少しジャンルの解釈が広がりましたが、そこまで数は増えませんでした。この変更で新たに含まれるようになったのは“Dance Monkey”など。

 5番目はダンス曲。昨年までと同様に、USでの注目度は低いです。Lady Gagaのシングルはここに含まれています。

 そしてエントリーが0曲だったのはラテン。厳密にはThe Black Eyed PeasとJ Balvinの“RITMO”がエントリーしたのですが、この曲はダンスのチャートにも入ったため、「複数ジャンルにエントリーした場合はポップ」というルールにより、ここでは0になりました。アルバム単位で躍進したBad Bunnyのシングル、ほかKarol Gの“Tusa”などヒット候補はいくつかありましたが、いずれも年間チャートには手が届かず。YouTubeのルール変更の煽りを受けたという可能性も

 

 

5 N年連続エントリー

 続いて年間チャートへの連続エントリーから、誰がコンスタントにヒットを飛ばしているか?を見ていきます。

 

12年連続:Drake

8年連続:Ariana Grande

6年連続:Shawn Mendes、Justin Bieber、Selena Gomez、Camila Cabello※

5年連続:Post Malone、Travis Scott、Halsey、Young Thug
4年連続:J Balvin、Kane Brown、Maroon 5、Cardi B、Luke Combs、Khalid、Quavo※、Swae Lee※
3年連続:Marshmello、Juice WRLD、Lil Baby、Chris Brown、Dan + Shay

※グループでの成績も含む

 

 最長は安定のDrake。彼がヒットを飛ばさなくなる光景は現状、想像しにくいです。現在“Laugh Now Cry Later”が絶賛ヒット中で、来年の年間チャート入りもほぼ手中におさめています。

 次点はAriana Grande。今年のアルバムリリースが年間チャートの集計期間の後だったため、自身のアルバムからのシングルは入りませんでしたが、“Stuck With You”・”Rain On Me”とコラボレーションで「つなぎ」ました。現在”positions”がヒット中で、Drakeと同様に来年の年間チャート入りも確実です。

 6年連続の4人はラジオヒットが絶えないという印象があります。Justin Bieber以外は、昨年のシングルが(主に)ラジオの成績で年間チャート入りをしました。Justin Bieberもラジオヒットの“Intentions”が彼の今年最大のヒットになっています。この4人に中では、Justin Bieberが”Holy”で来年の年間チャート入りが既に有力。

 

 その他で印象に残ったのはJ BalvinとKhalid。純粋なラテン曲は前述のように、今年年間チャートに入らないなか、J Balvinはクロスオーバーヒットによりラジオヒットを成し遂げ、年間チャート入りしました。J Balvinの存在によってラテン圏でヒットし、The Black Eyed Peasの英語ヴァースの存在によってラジオのオンエアを得るという、フィールドによって共に力を貸し合う関係でヒットした曲です。ラテン曲は英語ヴァースの有無でポップ/リズミック系ラジオのオンエア数が大きく変わる傾向が見られます。

 Khalidは登場から昨年まで複数曲が年間チャートに入り続けていましたが、今年は1曲のみ。ゲストのような形でKane Brownのポップラジオ向けシングルの“Be Like That”が唯一のエントリー。自身のシングルでは今年は少し苦戦した印象です。また共に客演で参加したSwae Leeも年間入りはこの曲のみ。Kane Brownのポップ系へのチャレンジが結果的に2人の記録を継続させるという結果に。(ちなみには通常のカントリーラジオ向けシングル”Homesick”も年間入り)

 

 次いで、昨年までは連続で年間チャートに入っていたものの今年は入らなかったアーティストを紹介します。()内は年数

Taylor Swift(13)、Nicki Minaj(10)、Ty Dolla $ign(4)、Ed Sheeran(3)、OffsetとTakeoff [Migos](3)、Bruno Mars(3)、21 Savage(3)、Gucci Mane(3)、Sam Smith(3)、Daddy Yankee(3)

 

 Taylor SwiftはHot 100首位を獲得するも、年間チャートには入らず。今作はアルバム志向が強く、シングルとして聞くような曲ではないため、あくまで単体では再生数が伸びづらい曲だったことが理由かと考えています。戦略上の理由とはいえ、1位を獲得したのならば年間チャートくらいには滑り込みたかったかもしれませんが。

 Nicki Minajも同様に奇妙な形で年間チャート入りを逃しました。今年は悲願のHot 100首位を2つの曲で獲得しましたが、いずれも「彼女の名義では」年間チャート入りせず。“Say So”は当該週こそNicki Minajリミックスの功績が認められ、クレジットが載りましたが、トータルで見るとオリジナルがメインと判断され、年間チャートのリストにはNicki Minajの名は掲載されず。そしてもう一つの”TROLLZ”は、初週のセールス以外の成績に乏しく、わずか4週の滞在で外れるという年間チャートからは程遠い結末を迎えました。これはタッグを組んだ6ix9ineの素行不良の影響が大きいです。

 ほか、Karol Gとの“Tusa”も年間チャートに近い成績を記録していましたが惜しくも入りませんでした。

 

 

6 男女比

 Hot 100における男女比を見ていきます。複数アーティストがメイン名義になっている場合は、ビルボードの表記で一番先頭に表記されているアーティストの性を採用しています。

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 比率は昨年と変わらず。今年は女性ラッパーが非常に活躍した印象がありますが、R&B/Hip-Hopにおける女性のエントリーは7。昨年(8)と似たような数字でした。

 また今年躍進したジャンルであるカントリーにも目を向けます。ヒップホップと同様に、男性優位と言われているジャンルですが、このジャンルから5曲女性のエントリーが。昨年は0曲だったので、大きく躍進したことになります。“The Bones”と”I Hope”の2曲はポップ系への飛び火で大ヒットとなったので、この曲数以上に存在感はあったかなと感じます。ただ、カントリーはアーティスト単位で人気が出るわけではなく、「ジャンル聞き」の印象が強く、ラジオでオンエアされるかどうかにヒットの命運が握られているので、この現象が来年も見られるかと言われると微妙です。実際”I Hope”のGabby Barrettもまだ2曲目のHot 100エントリーを果たしていません。

 

ここまでジェネラルなデータから年間チャートを見てきましたが、ここからはディープなポイントを見ていきたいと思います。

 

 

7 非ラジオシングルの研究

 ラジオのオンエアをあまり得ていない曲について考えていきます。年間チャートに入った曲のうち、年間ラジオチャート(75位まで)に入っていない曲は34曲。その中で週間ラジオチャートの50位以内にも入っていない曲は11曲。

 

57 Lil Baby & 42 Dugg – We Paid
62 Eminem feat. Juice WRLD – Godzilla
63 Juice WRLD & YoungBoy Never Broke Again – Bandit
64 StaySolidRocky – Party Girl
75 YNW Melly & Juice WRLD – Suicidal
81 Pop Smoke feat. Lil Tjay – Mood Swings
83 Pop Smoke – Dior
86 Travis Scott & Kid Cudi – THE SCOTTS
90 Rod Wave feat. ATR Son Son – Rags2Riches
92 Juice WRLD – Wishing Well
100 NLE Choppa feat. Roddy Ricch – Walk Em Down

 

 全てラップ曲でした。ラジオに恵まれずとも、ストリーミングの数字でひっくり返すのはラップのお家芸なのでしょうか。さらにこれらの曲のジャンル別ラジオチャートの成績を観察すると、“Suicidal”と”Mood Swings”はここにすら入っていませんでした。つまりラジオではシングルに指定されなかったものの、年間チャートにまで到達したということです。

 “Suicidal”がオンエアされなかったのはYNW Mellyの存在。殺人の容疑がかけられている彼の素行を考慮して、ラジオのオンエアは控えられているようです。しかしストリーミングでは人気を確立しており、オリジナル版・Juice WRLDリミックス共に人気を得たため、再生数を多く稼いで年間チャート入りまでこぎ着けました。

 もう一つの“Mood Swings”はシングルが重複していたからです。この曲はTikTok等の影響で、非シングルながらストリーミングではシングルのような立場(プレイリスト等)を確保していました。しかし、ラジオではかかりませんでした。

 ラジオはたいてい、同一アーティストから1~2曲しか同時にはシングルカットしません。”Mood Swings”が人気を得た時には“The Woo”がシングルに指定されていたため、オンエアされず。このような場合には前シングルのサイクルが終了するのを待ち、ストリーミングからは遅れたタイミングでシングルカットされるのが定番のパターンですが、今回のPop Smokeの場合は、サイクルが終わる頃には”For The Night”や“What You Know Bout Love”など他のシングルも人気を得ていたため、結局ラジオでオンエアされないままシングルとしてのサイクルを終えました。しかしそのストリーミング人気は高かったため、年間チャートには入ることに成功しました。

 

 

8 ストリーミングが苦手な曲?

 上記のラジオと同様の作業をストリーミングで。まずストリーミングの年間チャートに入らなかった曲は30。さらにそのうち、週間のトップ50にも入らなかったのは以下の8曲。

 

50 The Black Eyed Peas & J Balvin – RITMO
56 JP Saxe feat. Julia Michaels – If The World Was Ending
73 Carly Pearce & Lee Brice – I Hope You’re Happy Now
77 Jonas Brothers – Only Human
89 Kane Brown – Homesick
95 Surf Mesa feat. Emilee – ily
97 Luke Combs – Lovin’ On You
99 H.E.R. feat. YG – Slide

 

 ラジオが強いポップ/カントリーの曲が多め。H.E.R.の“Slide”は唯一それに当てはまらない曲です。(R&B系の曲も、ストリーミングよりもラジオで強さが際立つ曲がそれなりに見られる)

 “If The World Was Ending”は変わっている曲で、このStreaming Songsの週間チャートには入らないながらも、Apple Music・Spotify両方の年間トップ100に入り、トータルで見ると実は再生数があった曲。Spotifyでは週間のピークが47位ながらも、年間では49位と、粘りのヒットでした。

 その他“RITMO”も、ラテン圏でヒットしている時はストリーミングヒットだったのですが、USに上陸したらラジオヒットになるという不思議な経緯を経ています。

 

 

9 ルール変更?の妙

 2019年のクリスマス後の週のHot 100で、突如複数曲が再登場を果たしました。一度リカレントでHot 100を外れた曲は、後に別サイクルでヒットするまでは再登場しませんが、クリスマス曲に押し出された曲は特例で再登場が認められたのです。(これに関するビルボードからの説明は見当たらない)クリスマス曲が多くのHot 100の枠を占めることは、現行ヒットのチャート入りを阻害しているという側面もあるので、それの埋め合わせということなのでしょう。

 これらのクリスマス曲によって外れる曲は既にピークを過ぎた曲が中心。そのため復活した曲の多くはすぐに外れてしまうのですが、“Sucker”、”I Don’t Care”、“Only Human”といったラジオヒットは長くHot 100に残留。というのも、年末にはポップ系ラジオではその年のヒット曲のオンエアが再び増加するため、この3曲はその効果でこの期間に再浮上していたのです。

 中でも”Only Human”はこの特例による復活で、今年の年間チャート入りを達成。このようなビルボードの微妙なルールの妙で、年間チャートの運命が左右されることもあるのです。

 あとはルールの妙といえば、クリスマス曲もそうでしょう。2011年まではルールでHot 100入りすらできなかった曲が、ストリーミングの拡大に伴い年々規模を拡大。今年ついにMariah Careyの"All I Want for Christmas Is You"が異例の年間チャート入りを達成しました。従来以上のストリーミングでの強さに加え、追加のプロモーション、TikTokでの人気なども印象的でした。

 しかし現行ヒットを阻害するまでにチャートを占めるようになったクリスマス曲を見て、再びビルボードが何かしらの規制をかける可能性も否定はできません。一番ルールの妙で動きそうなジャンルではあります。(ただ来年はまだ普通にチャート入りしそう)

 

 

10 アルバムチャート

 

1 Post Malone – Hollywood’s Bleeding

2 Lil Baby – My Turn

3 Roddy Ricch – Please Excuse Me For Being Antisocial

4 Harry Styles – Fine Line

5 Taylor Swift – folklore

6 Lil Uzi Vert – Eternal Atake

7 Pop Smoke – Shoot For The Stars Aim For The Moon

8 The Weeknd – After Hours

9 Juice WRLD – Legends Never Die

10 Luke Combs – What You See Is What You Get

 

 最後にアルバムチャートに触れていきます。トップ10は以下の通り。軒並みストリーミングで強いアルバムが並んだ印象。1位の戴冠に輝いたのはPost Malone。ロングヒットでかつ、リリースが昨年だったため52週全てが集計の対象になったことが大きいでしょうか。ビルボードの集計では、仮に先行シングルがヒットしてストリーミングを得ていたとしても、アルバムがリリースされるまでは集計の対象外になるため、リリースが早い方が集計上は有利になりやすいです。(他の媒体では先行シングルの分も集計されることも多く、リリース前の時点で既に“アルバム”がある程度売れていると計上される場合もある)

 2位と3位にはストリーミングで人気が高かったLil BabyとRoddy Ricch。シングル人気も高く、Hot 100の年間チャートにも複数曲が入りました。この2作品はいずれも、セールスが年間のトップ100にすら入っていません。

 4位はHarry Styles。シングルとアルバム両方でのトップ10入り。非ラップの最上位に。セールスでは年間2位。

 5位Taylor Swift、6位Lil Uzi Vertはシングルでは年間チャート入りが無いながらもアルバムチャートでは上位。個々のシングルが際立つことはあまり無かったですが、それぞれリリースの初週にはストリーミングで抜群の存在感を示しました。(Taylor Swiftはリリース時期が遅めなこともあり、成績はセールス中心ですが ※セールスは年間1位)

 7位~10位にはシングルでも存在感のあった面々が。この4人のうち、Pop Smoke以外はセールスでも年間トップ10に入っています。

 

年間アルバムチャートの各スタッツ

 

・エントリー数が多いアーティスト

6:Drake(28:Dark Lane Demo Tapes, 40:Scorpion, 85:Take Care, 98:Views, 120:More Life, 159:Nothing Was The Same)
4:YoungBoy Never Broke Again
3:Post Malone, Lil Baby, Taylor Swift, The Weeknd, Juice WRLD, Bad Bunny, DaBaby, Eminem

 

・Hot 100の年間チャート入りが無いアルバムチャート上位

5 Taylor Swift – folklore
6 Lil Uzi Vert – Eternal Atake
12 Original Broadway Cast – Hamilton: An American Musical
13 Soundtrack – Frozen II
14 Bad Bunny – YHLQMDLG
15 Taylor Swift – Lover
17 Summer Walker – Over It
18 Juice WRLD – Goodbye & Good Riddance
20 BTS – MAP OF THE SOUL:7
22 Luke Combs – This One’s For You
25 Queen – Greatest Hits

 

2017年以前にリリースされた作品(上位)

22 Luke Combs – This One’s For You (2017)
25 Queen – Greatest Hits (1981)
42 Billie Eilish – dont smile at me (2017)
44 Elton John – Diamonds (2017)
45 Post Malone – Stoney (2016)
53 Fleetwood Mac – Rumours (1977)
60 Bob Marley And The Wailers – Legend (1984
63 Creedence Clearwater Revival Featuring John Fogerty – Chronicle The 20 Greatest Hits (2005)
66 The BeatlesAbbey Road (1969)
67 Chris Stapleton – Traveller (2015)
68 Khalid – American Teen (2017)
71 Journey – Journey’s Greatest Hits (1988)
74 Lil Uzi Vert – Luv Is Rage 2 (2017)
 

ベストアルバム以外の、2009年以前の作品

53 Fleetwood Mac – Rumours (1977)
66 The BeatlesAbbey Road (1969)
89 AC/DC – Back In Black (1980)
111 Michael Jackson – Thriller (1982)
129 NirvanaNevermind (1991)
162 Eminem – The Eminem Show (2002)
166 Guns N’ Roses – Appetite For Destruction (1987)
169 Mariah Carey – Merry Christmas (1994)
177 MetallicaMetallica (1991)
186 Kid Cudi – Man On the Moon: The End Of Day (2009)
187 Nat King Cole – The Christmas Song (1960)
198 Vince Guaraldi Trio – A Charlie Brown Christmas (1965)

 

 

メモ+おまけ+リンク

 

おまけ1:今年のTikTokヒット

 

 昨年に引き続き、TikTokが曲のヒットに一役買いました。しかし一口にTikTokヒットといえども、様々なバリエーションがあるので、そこを解説していきたいと思います。

 まず、TikTokでの流通量がイコール曲のヒットの規模とはならないです。TikTokでの使用数が多くても曲としてはヒットしない物も多いですし、もちろんTikTok無しでヒットする曲も多く存在します。「TikTok内と外のギャップ」や「時期」等に着眼して説明していきます。

 

・2020 Year-Endに入ったいわゆるTikTokヒット

◎:TikTok無しでは考えづらい曲

○:ヒットの過程でTikTokが寄与した曲

△:TikTokの影響はさほど大きくないと感じる曲

 

1 The Weeknd – Blinding Lights △

3 Roddy Ricch – The Box ○

4 Dua Lipa – Don’t Start Now △

5 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR ○

11 Doja Cat – Say So ○

14 Tones And I – Dance Monkey △

15 Megan Thee Stallion – Savage ○~◎

16 Arizona Zervas – Roxanne ◎

19 SAINt JHN - Roses ○

22 Trevor Daniel – Falling ◎

24 Cardi B feat. Megan Thee Stallion – WAP ○

27 Lil Mosey – Blueberry Faygo ○

32 Drake – Toosie Slide △

43 Powfu feat. beabadoobee – death bed ◎

47 24kGoldn feat. iann dior – Mood ○

49 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby – For The Night ○

58 Justin Bieber – Yummy △

61 Surfaces – Sunday Best ◎

64 StaySolidRocky – Party Girl ◎

67 Mariah Carey – All I Want for Christmas Is You △

81 Pop Smoke feat. Lil Tjay – Mood Swings ○~◎

84 BENEE feat. Gus Dapperton – Supalonely ◎

90 Rod Wave feat. ATR Son Son – Rags2Riches ○~◎

 

TikTokヒットかの判定基準は、TokboardというTikTokでの再生数を測るサイト、私が実際に有名TikTokerの動画を見る企画等を参考にしています)

 

 

パターン1:無名から大ヒットへ

16 Arizona Zervas – Roxanne ◎

22 Trevor Daniel – Falling ◎

43 Powfu feat. beabadoobee – death bed ◎

61 Surfaces – Sunday Best ◎

64 StaySolidRocky – Party Girl ◎

84 BENEE feat. Gus Dapperton – Supalonely ◎

 

 一般的に想定されやすいパターン。元々無名だったアーティストが、TikTokのパワーで一気にスターダムを駆け上がりヒットを飛ばすというパターン。この場合、ヒットにおけるTikTokに依る割合が大きく、TikTok無しではヒットも考えられないと言っても過言ではないです。

 昨年Lil Nas Xが“Old Town Road”でこのヒットを成し遂げ、TikTokのヒットへの影響力が認識されたため、TikTokヒット=このパターンと考えられている気がしますが、このパターンが全てというわけではないです。

 

 

パターン2:シングルカットをTikTokが規定する

15 Megan Thee Stallion – Savage ○~◎

81 Pop Smoke feat. Lil Tjay – Mood Swings ○~◎

90 Rod Wave feat. ATR Son Son – Rags2Riches ○~◎

 

 ここで取り上げたアーティストは、アルバム単位でストリーミング上位を独占するような人気の持ち主で、これらの曲もアルバムの一部としてTikTok無しでもある程度ヒットしていました。しかし、TikTokで人気を得る前はシングルのような扱いではなく、必ずしもアルバムの中で目立つ曲では無かったです。これらの曲は、アーティスト単位ではTikTok無しでヒットを飛ばせていたが、曲単位ではTikTok無しでは考えづらいようなタイプです。

 

 

3:TikTokでヒットが加速

3 Roddy Ricch – The Box ○

5 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR ○

11 Doja Cat – Say So ○

19 SAINt JHN - Roses ○

24 Cardi B feat. Megan Thee Stallion – WAP ○

27 Lil Mosey – Blueberry Faygo ○

47 24kGoldn feat. iann dior – Mood ○

49 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby – For The Night ○

 

 彼らは元々ヒットを飛ばせるクラスの知名度のあるアーティスト。TikTok無しでもそれなりのヒットになったであろう物曲を、TikTokの効果でさらに規模を広げたようなもの。

 例えばTikTokの恩恵で大ヒットとされることもある“The Box”も、リリース初日からApple Musicで1位を獲得しています。ただそれだけではHot 100首位を何週にもわたり支配するような特大ヒットにはならないので、その拡大にTikTokが一役買ったということです。

 この中で“Roses”は変わり種。彼のUSでの知名度は必ずしも高くは無かったですが、USでのヒット以前にヨーロッパ圏ではヒット。USで人気が微妙なダンスポップだったため、ヨーロッパでのヒット時にはUSで人気は出ませんでしたが、TikTokでの人気が出たあたりから急浮上。これ以外の曲のヒットのポテンシャルの源は「アーティストの注目度」にありましたが、この曲だけはその源が「ヨーロッパ圏でのヒット」にあるということです。

 

 

4:大物のTikTok向け曲とその成果?

32 Drake – Toosie Slide △

58 Justin Bieber – Yummy △

 

 個人的に一番興味深いと感じたのはこのタイプのヒットです。昨年のTikTokヒット大流行を経て、大物もその波に乗り始めました。これら2人はTikTokを意識したプロモーションを行い、実際にTikTokで人気を得ることに成功。Tokboardによると共に月間4位に入っています。

 しかし曲のヒット度は必ずしもうまく行かず。両者とも初週1位、2位と良いスタートを切ってはいますが、それは彼らのスター性を考えればさほど難しくはないこと。両方とも長くは持たず、彼らのポテンシャルからすれば年間順位はあまり満足のいくものではないでしょう。さらに、両者とも別のシングルでこれらの曲以上のヒットを成し遂げている点も興味深いです。(“Laugh Now Cry Later”の年間順位は”Toosie Slide”よりも低いですが、これは集計時期をまたぐヒットであるため)

 先に述べたように、TikTokでの人気と曲としての人気は決してイコールにはなりません。昨年の“Old Town Road”の結果を受けて、大物がもしTikTokヒットを飛ばしたらどれだけ巨大な規模のヒットになるだろう?という実験は興味深かったですが、あまりうまく行きませんでした。結局は、奇をてらずに良い曲を作り続けることがヒットを生み出す最大の方策なのかもしれません。

 

 

5 曲のヒットの方が先の曲

1 The Weeknd – Blinding Lights △

4 Dua Lipa – Don’t Start Now △

14 Tones And I – Dance Monkey △

67 Mariah Carey – All I Want for Christmas Is You △

 

 曲のヒットの経緯を探ると、曲のヒットの方が早く、むしろTikTokがヒットの影響を受けているというパターンです。もちろんプロモーションには一役買っているとは思いますが、既に曲としての評価は確率した後なので、TikTokの影響力は小さいと判断した曲です。

 

 

 

 

 おまけ2:年間チャート予想の答え合わせ

  今年はトップ10正答数7 / ピタリ1と、予想を始めた2017年以来ワーストの成績を記録してしまいました。ラジオがここまで特定シングルを引っ張る点が予想外で、それが予想を外した要因にもなったかなと感じます。精進致します……

年間チャート トップ10 半年前予想 2020 (Hot 100) - チャート・マニア・ラボ

 

 

リンク

 昨年度版:Hot 100(USシングル) 2019年間チャートを10のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

 

2018年度版:Hot 100(USシングル) 2018年間チャートを10のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

 

2017年度版:Hot 100(USシングル)・2017年間チャートを10のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

 

 

メモ

 

・年間チャートとその週間チャートでの成績
(集計期間内での成績  *付きの曲は集計外に別のピーク/滞在があることを示す)
(昨年、は昨年の年間チャートでの順位)

 

アーティスト 曲名 ピーク 週数 昨年
1 The Weeknd Blinding Lights 1 *49  
2 Post Malone Circles 1 *51 62
3 Roddy Ricch The Box 1 38  
4 Dua Lipa Don't Start Now 2 *51  
5 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 1 *29  
6 Harry Styles Adore You 6 *48  
7 Future feat. Drake Life Is Good 2 38  
8 Maroon 5 Memories 2 *34  
9 Maren Morris The Bones 12 *45  
10 Lewis Capaldi Someone You Loved 1 *26 27
11 Doja Cat Say So 1 38  
12 Gabby Barrett feat. Charlie Puth I Hope *5 *45  
13 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez, & Lil Wayne Whats Poppin 2 *39  
14 Tones And I Dance Monkey 4 *31  
15 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 1 28  
16 Arizona Zervas Roxanne 4 *25  
17 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 5 31  
18 Billie Eilish everything i wanted 8 33  
19 Saint Jhn Roses 4 *33  
20 Harry Styles Watermelon Sugar 1 *33  
21 Lewis Capaldi Before You Go 9 *40  
22 Trevor Daniel Falling 17 38  
23 Dan + Shay & Justin Bieber 10,000 Hours *5 *25  
24 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 1 *13  
25 Mustard feat. Roddy Ricch Ballin' 11 *28  
26 Blackbear hot girl bummer 11 *34  
27 Lil Mosey Blueberry Faygo 8 33  
28 The Weeknd Heartless 1 23  
29 DaBaby BOP 11 *24  
30 Selena Gomez Lose You to Love Me *5 *20  
31 Lizzo Good as Hell 3 *19  
32 Drake Toosie Slide 1 20  
33 Dua Lipa Break My Heart 13 32  
34 Morgan Wallen Chasin' You 16 36  
35 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat) 1 *21  
36 Chris Brown feat. Drake No Guidance *7 *24 21
37 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 12 27  
38 BTS Dynamite 1 *11  
39 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 9 *26  
40 Roddy Ricch feat. Mustard High Fashion 20 28  
41 Drake feat. Lil Durk Laugh Now Cry Later 2 *12  
42 Lil Baby Woah 15 21  
43 Powfu feat. Beabadoobee death bed 23 26  
44 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita *3 *17 15
45 Travis Scott Highest in the Room *8 *17  
46 Billie Eilish bad guy *13 *17 4
47 24kGoldn feat. Iann Dior Mood 1 *13  
48 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me 1 20  
49 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For the Night 6 *18  
50 Black Eyed Peas & J Balvin RITMO (Bad Boys for Life) 26 27  
アーティスト 曲名 ピーク 週数 昨年
51 Rod Wave Heart on Ice 25 27  
52 Blake Shelton & Gwen Stefani Nobody but You 18 25  
53 Shaed Trampoline 13 *16 70
54 Juice WRLD & Marshmello Come & Go 2 *17  
55 Lizzo Truth Hurts *6 *15 13
56 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 27 29  
57 Lil Baby & 42 Dugg We Paid 10 22  
58 Justin Bieber Yummy 2 15  
59 Old Dominion One Man Band 20 *17  
60 Jason Aldean Got What I Got 16 *23  
61 Surfaces Sunday Best 19 21  
62 Eminem feat. Juice WRLD Godzilla 3 20  
63 Juice WRLD & YoungBoy Never Broke Again Bandit *22 *15  
64 StaySolidRocky Party Girl 21 20  
65 Maddie & Tae Die from a Broken Heart 22 25  
66 DJ Khaled feat. Drake Popstar 3 *16  
67 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You 1 *37  
68 Lee Brice One of Them Girls 17 *23  
69 Sam Hunt Hard to Forget 26 20  
70 Luke Bryan One Margarita 19 20  
71 Lil Nas X Panini *9 *12 40
72 Young Thug feat. Gunna Hot *16 *14  
73 Carly Pearce & Lee Brice I Hope You're Happy Now 27 25  
74 Lil Baby Emotionally Scarred 31 25  
75 YNW Melly feat. Juice WRLD Suicidal 20 20  
76 Lil Baby The Bigger Picture 3 20  
77 Jonas Brothers Only Human 18 *15 78
78 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch The Woo 11 *18  
79 Lil Baby Sum 2 Prove 16 20  
80 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 1 18  
81 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings 17 *18  
82 Halsey you should be sad 26 18  
83 Pop Smoke Dior 22 21  
84 Benee feat. Gus Dapperton Supalonely 39 22  
85 Luke Combs Even Though I'm Leaving 11 *14  
86 The Scotts, Travis Scott, & Kid Cudi THE SCOTTS 1 13  
87 Doja Cat & Tyga Juicy 41 *18  
88 Kane Brown feat. Swae Lee & Khalid Be Like That 19 *17  
89 Kane Brown Homesick 35 21  
90 Rod Wave feat. ATR Son Son Rags2Riches 12 *19  
91 Miranda Lambert Bluebird 26 20  
92 Juice WRLD Wishing Well 5 *17  
93 Luke Combs feat. Eric Church Does to Me 20 19  
94 Jhené Aiko Pussy Fairy (OTW) 40 25  
95 Surf Mesa feat. Emilee ILY (I Love You Baby) *25 *24  
96 Morgan Wallen More Than My Hometown 23 *21  
97 Luke Combs Lovin' on You 23 19  
98 Moneybagg Yo Said Sum 17 *18  
99 H.E.R. feat. YG Slide 43 20  
100 NLE Choppa feat. Roddy Ricch Walk Em Down 38 20  
アーティスト 曲名 ピーク 週数 昨年

 

 

・Hot 100年間チャート入り曲のそれぞれの年間Radio / Digital Sales / Streaming
(黃背景は年間圏外)

 

アーティスト 曲名 R D S
1 The Weeknd Blinding Lights 2 2 3
2 Post Malone Circles 1 4 5
3 Roddy Ricch The Box 15 22 1
4 Dua Lipa Don't Start Now 3 10 18
5 DaBaby feat. Roddy Ricch Rockstar 19 12 4
6 Harry Styles Adore You 4 29 33
7 Future feat. Drake Life Is Good 35 37 2
8 Maroon 5 Memories 5 5 50
9 Maren Morris The Bones 6 23 61
10 Lewis Capaldi Someone You Loved 7 17 9
11 Doja Cat Say So 9 18 20
12 Gabby Barrett feat. Charlie Puth I Hope 8 6 29
13 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez, & Lil Wayne Whats Poppin 37   6
14 Tones And I Dance Monkey 28 3 8
15 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 29 7 11
16 Arizona Zervas Roxanne 22 34 7
17 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 13 20 25
18 Billie Eilish Everything I Wanted 17 14 26
19 Saint Jhn Roses 25 16 15
20 Harry Styles Watermelon Sugar 18 15 32
21 Lewis Capaldi Before You Go 11 24  
22 Trevor Daniel Falling 39   14
23 Dan + Shay & Justin Bieber 10,000 Hours 10 26 52
24 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP   9 10
25 Mustard feat. Roddy Ricch Ballin' 26   16
26 Blackbear Hot Girl Bummer 21 42 60
27 Lil Mosey Blueberry Faygo 48   13
28 The Weeknd Heartless 20 57 65
29 DaBaby Bop 41   17
30 Selena Gomez Lose You to Love Me 16 41 68
31 Lizzo Good as Hell 14 13  
32 Drake Toosie Slide 40 47 23
33 Dua Lipa Break My Heart 12    
34 Morgan Wallen Chasin' You 30 49 74
35 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat) 32 11 35
36 Chris Brown feat. Drake No Guidance 23   57
37 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 24 74  
38 BTS Dynamite   1  
39 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 31   38
40 Roddy Ricch feat. Mustard High Fashion 64   22
41 Drake feat. Lil Durk Laugh Now Cry Later 54   27
42 Lil Baby Woah     19
43 Powfu feat. Beabadoobee Death Bed 45 75 42
44 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 34 52 69
45 Travis Scott Highest in the Room 70   28
46 Billie Eilish Bad Guy 65 28 46
47 24kGoldn feat. Iann Dior Mood 60 54 43
48 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me 51 21 75
49 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For the Night     21
50 Black Eyed Peas & J Balvin Ritmo (Bad Boys for Life) 36    
アーティスト 曲名 R D S
51 Rod Wave Heart on Ice     59
52 Blake Shelton & Gwen Stefani Nobody but You 49 8  
53 Shaed Trampoline 27    
54 Juice Wrld & Marshmello Come & Go     41
55 Lizzo Truth Hurts 38 40  
56 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 47    
57 Lil Baby & 42 Dugg We Paid     24
58 Justin Bieber Yummy   31 70
59 Old Dominion One Man Band 44 32  
60 Jason Aldean Got What I Got 67 33  
61 Surfaces Sunday Best   48 64
62 Eminem feat. Juice Wrld Godzilla   62 44
63 Juice Wrld & YoungBoy Never Broke Again Bandit     30
64 StaySolidRocky Party Girl     34
65 Maddie & Tae Die from a Broken Heart 68    
66 DJ Khaled feat. Drake Popstar     51
67 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You   60 48
68 Lee Brice One of Them Girls 63 43  
69 Sam Hunt Hard to Forget 73 35  
70 Luke Bryan One Margarita 53 19  
71 Lil Nas X Panini 69   71
72 Young Thug feat. Gunna Hot     45
73 Carly Pearce & Lee Brice I Hope You're Happy Now 71    
74 Lil Baby Emotionally Scarred     73
75 YNW Melly feat. Juice Wrld Suicidal     31
76 Lil Baby The Bigger Picture     63
77 Jonas Brothers Only Human 33    
78 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch The Woo     62
79 Lil Baby Sum 2 Prove     36
80 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U   27  
81 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings     40
82 Halsey You Should Be Sad   65  
83 Pop Smoke Dior     39
84 Benee feat. Gus Dapperton Supalonely      
85 Luke Combs Even Though I'm Leaving 50 64  
86 The Scotts, Travis Scott, & Kid Cudi The Scotts   63 58
87 Doja Cat & Tyga Juicy      
88 Kane Brown feat. Swae Lee & Khalid Be Like That   50  
89 Kane Brown Homesick 58    
90 Rod Wave feat. ATR Son Son Rags2Riches     47
91 Miranda Lambert Bluebird   51  
92 Juice Wrld Wishing Well     49
93 Luke Combs feat. Eric Church Does to Me 43 72  
94 Jhené Aiko Pussy Fairy (OTW)      
95 Surf Mesa feat. Emilee ILY (I Love You Baby) 74    
96 Morgan Wallen More Than My Hometown   71  
97 Luke Combs Lovin' on You 52    
98 Moneybagg Yo Said Sum     54
99 H.E.R. feat. YG Slide      
100 NLE Choppa feat. Roddy Ricch Walk Em Down     55
アーティスト 曲名 R D S

 

Apple Music / Spotify年間ランキングとの比較
Apple Musicは100位まで、Spotifyは50位まで、黃背景は年間圏外)
(両方とも集計期間は不明だが、12月初旬に発表されたランキングなので、ビルボードの集計期間とは大きくは違わないはず)
(Sp週はSpotifyでの週間チャートのピーク。()内の数字は今年の集計期間内でのピークを指す)

アーティスト 曲名 Ap年 Sp年 Sp週
1 The Weeknd Blinding Lights 7 2 1
2 Post Malone Circles 11 6 1(2)
3 Roddy Ricch The Box 1 1 1
4 Dua Lipa Don't Start Now 27 12 5
5 DaBaby feat. Roddy Ricch Rockstar 3 4 1
6 Harry Styles Adore You 31 16 3
7 Future feat. Drake Life Is Good 4 5 2
8 Maroon 5 Memories 85   9
9 Maren Morris The Bones     60(182)
10 Lewis Capaldi Someone You Loved 28 27 6
11 Doja Cat Say So 84 15 3
12 Gabby Barrett feat. Charlie Puth I Hope 56   72
13 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez, & Lil Wayne Whats Poppin 40 11/41 2
14 Tones And I Dance Monkey 18 25 7
15 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 70/100   5
16 Arizona Zervas Roxanne 16 7 1
17 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 36 14 2
18 Billie Eilish Everything I Wanted 22 31 1
19 Saint Jhn Roses 57 13 5
20 Harry Styles Watermelon Sugar 38 8 4
21 Lewis Capaldi Before You Go 88 39 42
22 Trevor Daniel Falling 37 10 5
23 Dan + Shay & Justin Bieber 10,000 Hours 53   2(17)
24 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 12 9 1
25 Mustard feat. Roddy Ricch Ballin' 5 23 11
26 Blackbear Hot Girl Bummer 47 30 4(8)
27 Lil Mosey Blueberry Faygo 29 3 2
28 The Weeknd Heartless 30   1
29 DaBaby BOP 9 26 3(4)
30 Selena Gomez Lose You to Love Me 43   2(5)
31 Lizzo Good as Hell     22(45)
32 Drake Toosie Slide 23 17 1
33 Dua Lipa Break My Heart     14
34 Morgan Wallen Chasin' You 59   55
35 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat)     9
36 Chris Brown feat. Drake No Guidance 13   5(21)
37 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My     15
38 BTS Dynamite     4
39 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 42   20
40 Roddy Ricch feat. Mustard High Fashion 6 18 5
41 Drake feat. Lil Durk Laugh Now Cry Later 55 42 2
42 Lil Baby Woah 2   11
43 Powfu feat. Beabadoobee death bed   19 9
44 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita     1(35)
45 Travis Scott Highest in the Room 14 35 1(3)
46 Billie Eilish Bad Guy 82   1(18)
47 24kGoldn feat. Iann Dior Mood   34 1
48 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me     2
49 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For the Night 20 33 2
50 Black Eyed Peas & J Balvin Ritmo (Bad Boys for Life)     87
アーティスト 曲名      
51 Rod Wave Heart on Ice 44   47
52 Blake Shelton & Gwen Stefani Nobody but You     185
53 Shaed Trampoline     33
54 Juice Wrld & Marshmello Come & Go   40 1
55 Lizzo Truth Hurts 99   3(24)
56 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 87 49 47
57 Lil Baby & 42 Dugg We Paid 15   9
58 Justin Bieber Yummy 96   3
59 Old Dominion One Man Band     71
60 Jason Aldean Got What I Got     105
61 Surfaces Sunday Best 75 22 14
62 Eminem feat. Juice Wrld Godzilla 77 21 2
63 Juice Wrld & YoungBoy Never Broke Again Bandit 10 28 2
64 StaySolidRocky Party Girl 91 36 2
65 Maddie & Tae Die from a Broken Heart     101
66 DJ Khaled feat. Drake Popstar     4
67 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You     2
68 Lee Brice One of Them Girls     64
69 Sam Hunt Hard to Forget     162
70 Luke Bryan One Margarita     119
71 Lil Nas X Panini     2(39)
72 Young Thug feat. Gunna Hot 60   10(12)
73 Carly Pearce & Lee Brice I Hope You're Happy Now     163
74 Lil Baby Emotionally Scarred 24   45
75 YNW Melly feat. Juice Wrld Suicidal 45 44 6
76 Lil Baby The Bigger Picture 64   5
77 Jonas Brothers Only Human     12(外)
78 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch The Woo     8
79 Lil Baby Sum 2 Prove 8   18
80 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U     3
81 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings 48   10
82 Halsey You Should Be Sad     12
83 Pop Smoke Dior 41   18
84 Benee feat. Gus Dapperton Supalonely     23
85 Luke Combs Even Though I'm Leaving     60
86 The Scotts, Travis Scott, & Kid Cudi The Scotts 93 29 1
87 Doja Cat & Tyga Juicy     66
88 Kane Brown feat. Swae Lee & Khalid Be Like That     25
89 Kane Brown Homesick    
90 Rod Wave feat. ATR Son Son Rags2Riches     15
91 Miranda Lambert Bluebird     200
92 Juice Wrld Wishing Well   38 1
93 Luke Combs feat. Eric Church Does to Me     99
94 Jhené Aiko Pussy Fairy (OTW) 35   110
95 Surf Mesa feat. Emilee ILY (I Love You Baby)     49
96 Morgan Wallen More Than My Hometown     57
97 Luke Combs Lovin' on You     113
98 Moneybagg Yo Said Sum     114
99 H.E.R. feat. YG Slide 95   159
100 NLE Choppa feat. Roddy Ricch Walk Em Down   46 11
アーティスト 曲名      

リンク:Top Songs of 2020: USA on Apple MusicTop Tracks of 2020 USA on Spotify

 

 

 

*1:RIAA等の媒体と比べて高い 詳細:この記事

*2:ビルボード年間チャート60年の記録 1955▶2014』という本には週ピークと年間の表が載っているので、それを活用しています