チャート・マニア・ラボ (CML)

音楽チャート・ポップス等の動向・文化について頑張って研究しています!議論のネタになるような変わった視点からの記事を目指しています。

チャート基礎用語!

ほぼ毎週、チャートの動向をツイートしている私ですが、けっこうわりと分からない単語が飛び交っていることも多いのかな、とは思っています。

というわけで、ありそうでなかった?チャート用語の解説を今回はしたいと思います!

 

このページは分かりやすく、分かりやすく書いているつもりではいるので、チャートをこれから見たい、っていう人には向いているのかな、と思います。

 

Billboard

アメリカの音楽雑誌。そして、おそらく世界で最も有名なチャートを作っている会社。

アメリカのチャートを主に作っていますが、カナダ、フィリピンなどのチャートも。そして日本のチャートも作っています。

 

②Hot 100

そのBillboardが作る、シングルのチャート。シングルはその名の通り、曲単体。

そのシングルを、主に、ダウンロード数、ラジオの再生回数、ストリーミング(オンラインでの再生)のポイントを集計して数値化して、ランキングにしています。もちろん、CDなども集計には入っていますが、(CD等は現物化して”物理的”に存在するもの、ということから”フィジカル”とも呼ばれています)、現状としてアメリカでシングルをCDにすることは稀なようです。

100なのは順位が100位までだからです。

 

Billboard 200

つまるところの、アルバムチャート。ダウンロード数に加え、CD等の”フィジカル”ももちろん集計に加えます。しかし、集計はこれで終わり!では無いのです。

え?レコードですか?

ではなく、2014年の末からストリーミング数、アルバム曲のシングル単体の売り上げもカウントされるようになりました。

アルバムまたは音楽の聴き方が多様化したので、それに対応するためにチャートが変化したのです。


なので、アルバムそんな売れてないけど、シングルが好調なアーティストのアルバムがこのBillboard 200の上位に来たりします。

 

ちなみに”アルバム・セールス一位”と、”Billboard 200(アルバムチャート)一位”は微妙に意味合いが違うので気をつけてください。

売り上げのみのランキングを知りたかったら、Top Album Salesというチャートを参照してください!

上記のHot 100と同じく、200は順位を指しています。

 

トップ10

トップ10、だとHot 100の上位10曲を指します。

Hot 100全体の発表よりも、トップ10だけ一日早く発表されるなど、チャートの顔ですね。

このトップ10をまとめた動画をBillboardがその発表時に毎週リリースしているので、手っ取り早く最近のヒットを知りたかったらその動画を見れば良いのかもしれません。

例↓

 

⑤トップ40

Hot 100の上位40曲のこと。トップ40?中途半端じゃないですかな…?

と思われる方も多いとは思いますが、チャート界では一般的にヒットの基準ともされている順位です。

とあるラジオ曲が、Hot 100の上位40位を紹介したところ、このトップ40という考え方が浸透したのだと考えられています。トップ10の次に言及されることの多いトップ○○がこのトップ40だと思います。

個人的には、Hot 100に入った(=上位100曲)、トップ40、トップ10、そして1位、この4つの基準点でチャートを見ると分かりやすいと思います。

他にもトップ50、トップ30、トップ20、トップ5などの基準も言及されることがありますが、基準が増えすぎても混乱してしまうと思うので、個人的には上の4つの基準を推しています。

 

年間チャート

Billboardが1年間のポイントをまとめて出すチャートのことです。

1月~12月を集計しているのかな、と思いきや、そうでもなくて、前年の11月中旬からの1年間を集計しています。

12月に年間チャートを出すために、ちょっと早めに集計をしています。

チャートの日付的には、前の年の12月~11月を年間チャートでは集計しているのですが、Billboardチャートの日付は、チャート発表日の翌週の土曜日で出る (雑誌の○月号がやたら先の日付になっている、アレみたいな感じです)、ので実質11月中旬からの集計になっています。

それゆえ、年末にヒットした曲は、年間チャートに入りづらいのです。

いわば「年間総決算」なこのチャートは今年のトレンドを一覧するのに向いています。チャートにそこまで興味がない人でも、この年間チャートだけはチェックする価値があるかと思います。

 

⑦ Radio/Digital/Streaming

Hot 100を構成する3要素です。

先も述べたように、Hot 100は売り上げだけでなく、様々な要素を集計して順位をつけています。その主な区分がこの3つというワケです。

Radioは、Hot 100の特徴的な要素で、Hot 100で順位を上げていくうえで肝となるものです。アメリカに多数存在するラジオ曲での再生を集計しています。アメリカは車社会であるので、ラジオの需要が比較的高く、このRadioはアメリカならでは、とも言えるかもしれません。

このRadioの順位が高ければ、それと並んでHot 100の順位も高くなる傾向にあります。他のDigital、Streamingと比べるとHot 100と似たような曲が上位に来る傾向が強い、と言って良いと思います。それはRadioのポイントは山なりにだんだん上がって、だんだん下がるからです。

 

Digitalは、ダウンロードのことです。このダウンロードは上昇するタイミングが主に3つあって、①リリース直後、②ラジオorストリーミングでヒットしている時、③値下げ時、です。他には人が亡くなった時に主に上がるのはこのダウンロードです。知名度のあるアーティスト/曲にやや分のあるチャートですかね。

また、①のリリース直後にダウンロードを増やして、いきなり高順位を記録するもその後ずるずる順位を落とすことも多々あります。

 

Streamingは、分かりやすとネット上での再生のことです。近年大きく存在感を示している要素です。具体例を挙げると、SpotifyApple Music、YouTubeがあたります。そのような再生回数が考慮されてポイントになります。ただ、現在は他の2要素よりも割合を低く設定されている(※)ようで、このStreamingが牽引車となって1位を取ることなどは、やや少なめです。Radio、Digitalに比べると社会全体的な影響力が低めだからですかね?と個人的には考えています。(不特定多数が対象のRadio、経済効果が出やすいDigital、と比べると無料も多く一人聴きするStreamingなので……)

 

※Streamingのポイントはいくら高くなっても、全体のポイントの30%にしかならないようです。Streamingが高くても、他の要素でポイントを稼げないとHot 100では順位が上がらない、ということです。

ソースは↑です。ただHot 100は「先代から継ぎ足して作られた秘伝のタレ」のようなものであり、どのような比率で組み合わさっているかは100%は明かされておらず一部謎もあります。

 

⑧ リカレント・ルール

チャートを見始めた人が最初に謎を感じるのはこのルールだと思います。「先週まで45位くらいにいた曲が一気にチャートから消えてしまった!」のようなことを感じたことはありませんか?これはリカレント・ルールによるものです。

具体的にどのようなルールかというと「21週目以降の曲が51位以下に”落ちたら”チャートから外す」というものです。このルールによって毎週2曲前後の曲が本来は100位圏内のポイントを稼ぎながらもチャートから外れます。類似ルールに「53週目(1年)以降の曲が26位以下に”落ちたら”チャートから外す」というルールもありますが、年に5曲程度しか発動していません。

このルールがなぜあるのかというと、新しい曲のための枠を確保するためです。上記のようにHot 100では他の多くのチャートと違いラジオを取り込んでいることもあって、一つの曲が盛り上がって衰退するまでのサイクルが長めです。そして、何もルールを付け加えないと中位~下位に少し前のヒット曲が長く留まるようになるのです。そのような調子を落としてきた曲をある程度制限し、新しい曲を入れるようにしてチャートを「新しい曲やアーティストのショーケース」にするためにこのリカレント・ルールが存在するのです。

このリカレント・ルールは個人的に非常に美しくも難しいものと考えていて、これのおかげでHot 100のグレードが一段上がっているとも考えています。