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音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

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ようこそ!音楽チャートの世界へ!

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みなさん。こんにちは。知っている方も初めての方も、こんにちは!

はじめましてトコトコと申します!

(ちなみに_は5個)

 

音楽チャート、またポップ音楽について考察していきたい、自称チャート研究者によるブログです。

 

音楽チャート、ポップ音楽のなるべくディープな世界について書いていきたいです。

頭の中で、何かのアイデアの起点になるような記事を目指しています。

 

 

・記事のアーカイブ

 

 

2022 年間トップ10 半年前予想(Hot 100)

 

 今年も、ビルボードの年間チャートの集計の折り返し地点(とされる)時期が来たので、Hot 100の年間トップ10予想をしようと思います。お手柔らかに……

(5/14付のチャートまででの予想。現在○○週という説明も、この週の時点での数字を指しています。)

 

 最初にドドンと予想を掲示し、次に近年の傾向の解説、そしてなぜこのような予想に至ったかの説明をします。

 

 

 

・年間チャート トップ10予想

1 Glass Animals – Heat Waves

2 The Kid LAROI & Justin Bieber – Stay

3 Harry Styles – As It Was

4 Kodak Black – Super Gremlin

5 Ed Sheeran – Shivers

6 Justin Bieber – Ghost

7 Adele – Easy On Me

8 Ed Sheeran – Bad Habits

9 Latto – Big Energy

10 Jack Harlow – First Class

 

 

 

 

・近年の傾向

 

 以前から、週間チャートでの順位の感覚以上に、ラジオでロングヒットの曲が年間チャートで順位が高くなる傾向は見られました。近年のチャートでは、週間チャートですらラジオのロングヒット影響が色濃く見られるようになったので、年間チャートでのラジオの影響力はより増しています。 

 ラジオは急に不規則な動きをすることが少なく、安定性があるため、後半戦のポイントにも目処を立てやすいです。またラジオの占める割合が大きいということは、積み上げが重要になってくるので、後半戦での急な逆転の難易度は上がります。未リリース曲や、まだヒットしていない曲をあまり考慮する必要性は低下します。

 

 しかし、「ランダム」な要素も存在します。超ビッグなアーティストのアルバムリリースです。これがあると、Hot 100上位に多くの曲が登場し、チャート残留におけるハードルが上がるため、本来よりもチャート滞在週数が大幅に短くなる可能性もあるのです。年間チャートでは、チャート滞在期間「のみ」が集計対象のため、いつまで残るか外れるかは非常に重要な要素となります。

(補足:21週目以降に51位以下、または53週目以降に26位以下でチャートから外れる。上昇中の曲は除外)

 

 この超ビッグなアルバムによる「押し出し」がいつに来るか、何回来るか、によって年間チャートの順位が大きく左右されてしまいます。ちょうど今、予想を行っているこのタイミングで、大量にそのようなアルバムがリリースされたため、「この曲はこのアルバムラッシュの波に耐えられるのか……」というシビアな判断を迫られています。ここで押し出されるか否かによって、後半戦で稼げるであろうポイントが大きく変わってきます。

 

 あとマイナーですが、ラジオにも不確定要素はあります。クロスオーバーや、ストリーミング起因による「2段階成長」です。

 ラジオは基本的に、次第に伸び、次第に落ち……と山なりなグラフを描くようにして再生数が推移します。これがラジオの予測しやすさに繋がっているのですが、クロスオーバー・ストリーミング起因の浮上、のいずれかが到来すると、ピークが2回訪れる不規則な「2段階成長」になります。このパターンは、もうラジオ再生が落ちていくだろうな……という予想を翻した動きをする点で「不確定」なのです。

 

 後者のストリーミング起因の再浮上、というのは昨年から見られるようになったパターンで、ストリーミングの複雑な動きに対応しようという、ラジオ側の新しい行動です。”Levitating”や”Heat Waves”がこれに当てはまります。

 

 

・年間トップ10 説明

 

1 Glass Animals – Heat Waves

 前半戦での積み重ねも大きく、現在の順位も高め。さらに今後の安定性もかなり高そう。基本的にはこれが年間1位でしょう。不安要素は既に滞在が52週を超えており、誰がいつアルバムを出すか次第ではチャートから弾き出され、ライバルに滞在週数で大きく不利を取る可能性です。

 

2 The Kid LAROI & Justin Bieber - Stay

 この曲も積み重ね、安定性ともに非情に高く、“Heat Waves”がいなければ余裕の年間1位だったと思います。上で述べたように、逆転のシナリオがあるとすれば、滞在週数で大幅に有利を取る場合。こちらはまだ滞在が52週に達していないため、26位以下に落ちてもチャート残留可能。

 

3 Harry Styles – As It Was

 年間チャートでは通年活躍する曲が上位に入りやすいため、リリース時期も重要な要素です。その点、この曲はチャートに登場したのが4月と若干遅いですが、まだ間に合います。昨年5月に登場した”good 4 u”が年間5位に入っており、イメージ的にはそれに近いチャートアクションになるのでは、と考えています。

 1位と2位のポイントは格別に高いですが、3位以下は混戦。リリース時期的には不利ながらも、そこを出し抜いての3位と予想しました。

 

4 Kodak Black – Super Gremlin

 前半に大きくポイントを稼いだ曲の一つ。上位候補では珍しい、ラジオよりもストリーミングで強さを発揮している曲。しかし実はラジオも優秀で、アーバン系統で11週も1位を獲得。この系統のロングヒットといえばR&B曲が多いため、ラップ曲がこのような動きを見せるのはやや珍しいかも。

 この曲がライバルと比べて地味ながらも優秀な点は、滞在が26週目のこと。53週目以降はHot 100に残留するハードルが大きく上がるため、52週ちょうどで外れる曲が多いです。他のライバルは滞在が30週を超えた曲が多く、53週目以降はいつ外れるか分からず、最後の数週を逃す可能性が大きいです。一方でこの曲は、年間チャート集計の最後まで残留ラインが51位以下なので、滞在のハードルが低くなっています。

 前半のリード、そして現在の滞在週数を見て4位と予想。唯一の気がかりは、ロングヒット因子になりやすいポップ~アダルトポップ系でのポイントを稼げない点だけは気がかりでしょうか。

 

5 Ed Sheeran – Shivers

 やはりラジオに優れているEd Sheeran。シングルは2つとも安定感があり、長いこと上位に残っています。現在先にリリースされた“Bad Habits”が“Shivers”の順位を逆転しましたが、年間チャートでは”Shivers”の方に分がありそう。こちらの方が序盤のポイントが高く、そして滞在週数もこっちの方が長くなりそうだからです。(”Shivers”は34週、”Bad Habits”は45週)

 

6 Justin Bieber – Ghost

 特別勢いがあったシングルではないですが、地道にラジオを稼いでおり、トップ10の有力候補に。ラジオでのピークは徐々に過ぎていますが、それでも数字に安定感があるのは大きなプラス要素。

 さらに、彼の次シングル“Honest”の調子が微妙そうなのも、この曲にとってはプラスに働きそう。同一アーティストのラジオのオンエアには限りがあるため、次シングルがヒットすると前のシングルが割を食うこともあります。そのため、自身の次シングルがある意味ライバルとなることもあるのですが、彼の次シングル、”Honest”はそこまで影響力を持たなさそうです。

 最初の直感ではもう少し順位が低そうに感じたのですが、消去法で気づいたら順位が上がっていました。

 

7 Adele – Easy On Me

 “Heat Waves”・”Stay“と並んで前半戦でポイントを稼いだ曲で、最初は3位予想にしていました。

 しかし冒頭で述べたここ数週のアルバムラッシュの影響をモロに受けてしまいそう。この期間に外れる可能性があり、一気に予想順位が落ちました。

 

 しかし外れていなかったとしても、実は後半のポイントにやや不安がありました。一般的な曲の場合、ポップ→アダルトポップとオンエアのタイミングに時間差があり、その「ゆっくりとした浸透」によってロングヒットが生まれていきます。

 それがAdeleの曲の場合、このような浸透が遅いアダルトポップ/アダルトコンテンポラリーのような系統でも認知される特大スターのため、ヒットに時間差が生まれません。それにより、ラジオが伸びるタイミングも落ちるタイミングも揃ってしまい、意外とロングヒットにはなりづらいのです。ピークがそれぞれの系統で揃う分、ピーク時の山の高さはすごいですが。(Adeleの知名度に加え、彼女のスタイルがアダルトポップ系統に合うことも関係しているのかも?)

 

8 Ed Sheeran – Bad Habits

 粘りを発揮しているシングル。既に滞在が40週を超えており、早期にチャートから外れる危険性もありますが、順位がまだ高いため、なんとか粘り続けるかも。イメージ的には2020年の“Someone You Loved”に近いチャートアクションで年間トップ10に届くと読みました。(昨年のヒットで、期間中のピーク順位はあまり高くないものの、ラジオの安定感があり、11-20位あたりで粘り続けて年間10位)

 

9 Latto – Big Energy

 クロスオーバーでラジオヒットを達成し、年間チャート上位候補に名乗り。ラップ曲ですがラジオの方が得意な曲です。そのため、ラジオの動向に左右されそう。

 この曲のようなオンエア系統の広さは、ロングヒットにつながりやすいです。さらに、ラップ曲の鬼門とも言えるアダルトポップ系統でも奮闘しそうな気配があり、これが後半戦の伸びしろ&安定性に繋がりそう。

 ラジオで強い曲が年間チャートでも強い、という傾向を踏まえて年間トップ10入りと予想。

 

10 Jack Harlow – First Class

 リリースは遅めでしたが、”As It Was”と同様にハイペースでポイントを稼いでいる曲。ストリーミングの優秀さに加え、ラジオでも予想以上の活躍を見せているため、後半の継続的な活躍に期待が持てそう。候補は他にもありましたが、最終的にこの曲が年間トップ10に滑り込むと考えました。

 

 

・その他の候補

 

Elton John & Dua Lipa – Cold Heart (Pnau Remix)

 最後まで候補として考えていた曲。ピーク7位・トップ10滞在6週と捉えると微妙に感じますが、トップ10陥落後の安定感がかなり高く、長い期間をかけてじわじわ稼ぐとも考えられます。

 しかし既に滞在が35週で、少なくとも52週のタイミングでは外れてしまいそう。そうなると、最後の数週はポイントが0になってしまうため、やはりそこがネックになると感じました。

 

・Imagine Dragons & JID – Enemy

 最後まで迷っていた曲その2。現在ラジオ1位で、今がピーク。ラジオでのロングヒット実績が豊富にあるImagine Dragonsの曲だけに、後半戦の安定感にも期待が持てそう。というのが当初の読みだったのですが、どうもここ数日の下落幅が気になり、惜しくもトップ10圏外に。チャートアクションが似ている“Big Energy”をわずかに下回るようなイメージです。

 

・GAYLE – abcdefu

 前半戦にポイント的には上位の有力候補で、途中まではラジオも良さそうですが、ここ数週でラジオの雲行きが怪しくなってきていて、後半戦の稼ぎが不十分でトップ10に届かないと読みました。”Easy On Me”と同様に、ここ数週のアルバムラッシュでチャートから押し出される可能性もあります。

 

※ここまでで紹介した13曲がおそらくトップ10の有力な候補です。以下はサプライズ候補、または年間上位に入りそうで実は遠い曲などです。

 

 

・Encanto Cast – We Don’t Talk About Bruno

 現時点でこの曲が年間トップ10絶望的、と分かった方は年間チャート予想への理解度が高いです。この曲が週間のトップ10を外れたあたりで、年間トップ10は無理そうだな~と考えた方は年間チャート予想の上級者ですね。

 たしかにピーク時の勢いはあったものの、下落が速すぎて年間チャートでは低くなる典型パターンです。

 これには、ストリーミングでの大ヒットの割にラジオでガン無視されたという背景があります。ロングヒットで重要なラジオを(ほぼ)完全に取り上げられてしまっては、どうしようもありません。

 この曲はラジオだけでなく、ストリーミングの大手プレイリストでも扱いが悪く、不思議でした。他の曲との相違点は何か?ヒット曲とは何か?ということを考えさせられる、かなり異質な不遇ぶりでした。

 

・Lil Nas X – THATS WHAT I WANT

 ピークは低いものの、アダルトポップ系で1位を獲得するなど、後半戦で粘る可能性もあるか……?と少し考えていましたが、この記事を出す直前くらいからラジオが大きくマイナスに転じ始めました。

 

・Muni Long – Hrs And Hrs

 ラジオでサプライズを起こす候補を挙げるとすれば、この曲でしょうか。前半戦はストリーミングやR&B関連のラジオでポイントを稼いでいた曲ですが、ここ最近はポップ系ラジオでもオンエアされる動きが。このクロスオーバーを成功させれば、チャート滞在も伸びて、ポイントの積み上げも高くなりそう。

 何かしらの系統のラジオが伸びていれば、チャート残留or復帰も可能なので、仮に一回51位以下に落ちたとしても心配はいりません。

 ただ、仮にクロスオーバーを成功させたとしても、ピークが不十分そうなので、トップ10の候補として計算するのはさすがに厳しいでしょう。

 

・Lizzo – About Damn Time

 元から得意のラジオに加え、ストリーミングも突如覚醒し、後半戦の有力なヒット候補に。バランスよくポイントを積み上げていきそうで、サプライズ年間トップ10入りの候補になり得る存在。ただ、さすがにスタートが遅いような

 

・Future feat. Tems & Drake – WAIT FOR U

 ストリーミングで人気を得て、ロケットスタート。ただ未だにポップ系ラジオではオンエアされていないことなどから、年間トップ10に逆転で食い込むほどのポイントは見込むのは少し難しいと考えています。

 

・Kendrick Lamar – N95(など)

 アルバム全体のストリーミングは凄そうですが、何か特定のシングルが際立つような作品ではなさそう。また、どの曲がシングルかまだ決まっていないようで、その分ラジオの上昇も遅れてしまいます。このような要素を踏まえると、リリース時期の不利を覆して年間トップ10入りするシナリオは考えづらいです。

 

・Morgan Wallen - ???

 まだ新アルバムのリリース日すら決まっていませんが、彼は最近シングルを多くリリースしており、そろそろ新作を出す可能性も?

 アルバムが出た暁には、膨大なストリーミングが予想されます。さらに、素早くシングル指定を行い、かつカントリー系だけでなくポップ系も席巻するようなことがあれば、ほんのわずかに可能性も……?

 とはいえ、出来るだけアルバムをリリースした上で、さらに細かい複数の条件を満たさなくてはならないため、さすがに可能性はほとんど無いでしょう。

 

 むしろこのアルバムで注目したいのは、既存曲を追い出す効果のほう。彼は前アルバムの曲数がとても多く、新作でもそれを踏襲したとすれば、その分チャートでの「押し出し」効果も大きくなります。

 リリース時期、またアルバムの規模によっては、年間チャート上位候補曲を押し出し、一波乱を巻き起こす存在になるかも……?まあ、まだアルバムがリリースされるか自体も不明ですがね。

 

 

参照

・予想時点でのHot 100:https://www.billboard.com/charts/hot-100/2022-05-14/

・ラジオの細かい動きなど①:https://kworb.net/radio/

・ラジオの細かい動きなど②:https://hitsdailydouble.com/mediabase_building_charts

・Hot 100ポイント予想:https://twitter.com/talkofthecharts / https://twitter.com/lippredicts など (ポイントの試算等で参照)

 

(ちなみにこの企画は2017年から開始。これまでのトップ10平均一致数は7.8曲。平均順位ピタリ数は2.4曲です。果たして今年は……??)

リンク:2021 2020 2019 2018 2017

 

 

Spotifyでの過去曲の盛り上がり 【2021】

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 Spotifyで昨年盛り上がりを見せた過去曲の動向について、データや背景、分析などを書きました。

 

 

 

1 定義

 ここでは5年以上前の曲を「過去曲」とし、それらの動向について扱います。日単位等ではカウントせず、年単位で5年とします。

 どういうことかというと、2021年の調査では常に2016年にリリースされた曲がすべて対象になります。例えばチャートの日付が2021年1月で、リリースが2016年12月だったとすると、5年は空いていませんが、年ごとを比較し5年以上前の曲と扱います。2020年調査の場合は2015年……と推移していきます。

 

 また、クリスマス曲は数が多すぎてバランスブレイカーになってしまう、などの理由でこの調査の統計からは除外しています(最後に詳しく書いています)

 

 

2 変遷

 この記事で調査の対象とするのはGlobalとUSチャートです。この2つのチャートでの、2020年以降の「過去曲」のエントリー数をグラフにすると、以下の通りになります。

 

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(ともに左側が2020年、右側が2021年)

 2020年前半はどちらもエントリー数は一桁でしたが、2021年後半には40曲前後まで増加しています。この「過去曲」の躍進が最近の明確な傾向として伺えます。ストリーミングではどんな曲でも「現役復帰」をしやすい環境が以前から整っていましたが、ここまでの規模で過去曲が盛り上がるとは興味深いです。

 

 ちなみに定義の都合上、2020年→2021年で新たに2016年リリースの曲が対象として加わります。一応その「調査方法の変化」がどこまで影響を及ぼしているかを説明しておきます。2016年には強力なロングヒットも多いです。”goosebumps”がその筆頭でしょうか。しかし2016年の曲の週ごとの平均エントリー数は、Globalが3.1曲、USが3.3曲。一定の存在感はありますが、全体の増加ペースはこの数字を凌駕しています。

 

 

3 おおまかな傾向―滞在が特に長い曲

 それでは、2021年にどのような曲がランクインしたのか、データを見ていきます。まずは大まかな傾向をつかむため、それぞれで滞在が特に長い曲(50週以上)の曲を見ていきます。

 

Global

(滞在週数:アーティスト – 曲名 (リリース年))

52週:The Neighbourhood – Sweater Weather (2012)

52週:The Neighbourhood – Daddy Issues (2015)

52週:Coldplay – Yellow (2000)

51週:Hozier – Take Me To Church (2013)

51週:NirvanaSmells Like Teen Spirit (1991)

51週:QueenBohemian Rhapsody (1975)

 

 The Neighbourhoodの2曲、そしてColdplayの“Yellow”が全週制覇。The Neighbourhoodは特に”Sweater Weather”の人気が高く、過去曲ながらもトップ50に入る期間も短くなかったです。それに引っ張られる形で、“Daddy Issues”の方も人気を確立させていました。これらは当初のリリース時、ここまで高い注目を集めては来なかったので、今の方がピークといえる大活躍でした。

 以下51週にはロックの大御所等が続いていきます。ここで挙げた6曲はすべてロック/オルタナティブに該当する曲です。

 

 

US

52週:The Neighbourhood – Sweater Weather (2012)

52週:J. Cole – No Role Modelz (2014)

52週:The Neighbourhood – Daddy Issues (2015)

51週:The Killers – Mr. Brightside (2003)

50週:Arctic Monkeys – 505 (2007)

 

 こちらでもThe Neighbourhoodの2曲が全週制覇。いかに彼らが昨年人気を集めていたかが分かります。ほかJ. Coleの”No Role Modelz”が制覇。この曲は以前からロングヒットとして知られている印象です。USのSpotifyではランキング内滞在日数が現在2277日(2022年4/2時点、同2位の”goosebumps”とは300日以上差がある)

 以下2000年代のロック曲が続きます。こちらもやはりロック・オルタナティブ系の曲が目立ちます。

 

 

4 上位50

 続いて、それぞれで滞在日数が50位までの曲を詳しく見ていきます。

 

Global

  Global   週数 ピーク
1 The Neighbourhood Sweater Weather 52 35
2 The Neighbourhood Daddy Issues 52 99
3 Coldplay Yellow 52 101
4 Hozier Take Me To Church 51 108
5 Nirvana Smells Like Teen Spirit 51 109
6 Queen Bohemian Rhapsody 51 124
7 James Arthur Say You Won't Let Go 49 94
8 Travis Scott goosebumps 47 75
9 John Legend All of Me 46 110
10 Fleetwood Mac Dreams 42 86
11 OneRepublic Counting Stars 42 138
12 Vance Joy Riptide 40 122
13 Avicii The Nights 40 126
14 The Police Every Breath You Take 40 144
15 Bruno Mars Talking to the Moon 38 45
16 Tom Odel Another Love 38 76
17 Surf Curse Freaks 35 55
18 Avicii Wake Me Up 33 142
19 The Killers Mr. Brightside*1 33 142
20 Eminem The Real Slim Shady 30 123
21 Arctic Monkeys Do I Wanna Know 26 117
22 The Weeknd The Hills 25 52
23 Queen Another One Bites The Dust 25 138
24 The Chainsmokers feat. Halsey Closer 24 167
25 AURORA Runaway 21 19
26 Arctic Monkeys Why'd You Only Call Me When You're High 20 104
27 Bruno Mars Just the Way You Are 20 133
28 Gotye feat. Kimbra Somebody That I Used To Know 19 129
29 Drake feat. Wizkid & Kyla One Dance 19 149
30 James Arthur Train Wreck 17 62
31 J. Cole No Role Modelz 16 119
32 Gym Class Heroes feat. Adam Levine Stereo Hearts 16 136
33 Mother Mother Hayloft 14 120
34 Eminem Without Me 14 150
35 Adele Rolling in the Deep 13 36
36 The Walters I Love You So 12 43
37 Sam Smith Like I Can 12 55
38 Macklemore & Ryan Lewis feat. Ray Delton Can't Hold Us 12 170
39 Coolio feat. L.V. Gangsta's Paradise 11 132
40 Adele Someone Like You 10 38
41 Gym Class Heroes feat. Patrick Stump Cupid's Chokehold 10 77
42 Tame Impala The Less I Know The Better 10 187
43 Adele When We Were Young 8 33
44 Adele Love In The Dark 8 46
45 The Weeknd feat. Daft Punk Starboy 8 64
46 BØRNS Electric Love 8 166
47 Taylor Swift Enchanted 7 61
48 J. Cole feat. Amber Coffman & Cults She Knows 7 124
49 Taylor Swift Blank Space 7 140
50 Marina and the Diamonds Bubblegm Bitch 7 148

 

 ここで入っている曲を分類すると、以下の4つに分類されると思います。(複数にわたる属性を持つ曲も多いです)

 

1:普通にヒットしていた曲

 “Take Me To Church”、“Say You Won’t Let Go”、“Counting Stars”など。ヒット当時からロングヒットだった曲が多く、Hot 100での滞在が50週超えの曲も少なくないです。

 このような2010年代に加え、既に「Decadeを代表する曲」が確立されている2000年代以前の代表曲もいくつかランクインしています。

 

2:今も褪せないアーティスト性

 新曲の有無に関わらず、今もアーティストとしての強力な「引き」があるため、過去曲でも聞かれるということです。The NeighbourhoodやArctic Monkeysが代表でしょうか  

 

3:当初ヒットしていない曲(主にオルタナティブ

 Surf Curseがここの最大のヒットです。これに関しては、USの方が際立つのでそちらの項目で詳しく。Tame Impalaは2と3の中間と評せるかも。(メディア間では有名でしたが、当時のメインストリームでの存在感は限られていたので)

 

 “Blinding Lights”の記事でも、似たようなことを書きましたが、ヒット曲はそのサイクルを終えた後も、絶えず序列の入れ替わりが見られます。2010年代が過去となった今、「2010年代を象徴する曲は何なのか?」という考察が、1-3の要素を踏まえつつ、リスナー間で行われているのかもしれません。

 

4:TikTok効果が大きい曲

 ランキングを脈絡も無く急浮上してくる曲です。そして、すぐに順位を落とす傾向にあります。このジェットコースター的なチャート上での動きは、TikTok内での流行の変遷の速さが反映されたものなのでしょう。

 ただし、2の要素(アーティスト性)等とうまく絡められれば、TikTok内でのヒット周期が終わった後もランキング内に残ることもたまにあります。

 

 

US

  US   週数 ピーク
1 The Neighbourhood Sweater Weather 52 19
2 J. Cole No Role Modelz 52 43
3 The Neighbourhood Daddy Issues 52 59
4 The Killers Mr. Brightside 51 72
5 Arctic Monkeys 505 50 105
6 Fleetwood Mac Dreams 49 53
7 Travis Scott goosebumps 48 67
8 BØRNS Electric Love 45 75
9 Mac Miller The Spins 44 91
10 Tame Impala The Less I Know The Better 43 117
11 Grouplove Tongue Tied 41 107
12 Kendrick Lamar feat. Jay Rock Money Trees 39 134
13 Neon Trees Everybody Talks 37 124
14 The Weeknd The Hills 36 27
15 Surf Curse Freaks 36 31
16 Cage The Elephant Cigarette Daydreams 36 114
17 Chris Stapleton Tennessee Whiskey 35 135
18 Bruno Mars Talking to the Moon 31 64
19 Journey Don't Stop Believin' 30 132
20 Beech House Space Song 25 92
21 J. Cole Work Out 20 111
22 Nirvana Smells Like Teen Spirit 20 114
23 Mother Mother Hayloft 19 64
24 J. Cole feat. Amber Coffman & Cults She Knows 19 74
25 WILLOW Wait A Minute! 19 110
26 Kid Cudi feat. MGMT & Ratatat Pursuit Of Happiness 17 142
27 James Arthur Say You Won't Let Go 17 144
28 Joy Again Looking Out for You 15 77
29 Post Malone I Fall Apart 15 140
30 Ricky Montgomery Mr Loverman 15 160
31 Gym Class Heroes feat. Patrick Stump Cupid's Chokehold 14 44
32 The Weeknd Die For You 14 115
33 Hozier Take Me To Church 14 141
34 Childish Gambino Redbone 14 152
35 Zac Brown Band Chicken Fried 13 71
36 ScHoolboy Q feat. Kendrick Lamar Collard Greens 13 113
37 Kanye West Heartless 13 137
38 The Walters I Love You So 12 45
39 All Time Low Dear Maria, Count Me In 12 90
40 Arctic Monkeys Why'd You Only Call Me When You're High 12 111
41 Ricky Montgomery Line Without a Hook 12 118
42 The Rare Occations Notion 11 75
43 James Arthur Train Wreck 11 95
44 MKTO Classic 10 102
45 AURORA Runaway 9 34
46 Paramore Misery Business 9 125
47 Vance Joy Riptide 8 180
48 Taylor Swift Enchanted 7 29
49 Adele When We Were Young 7 35
50 My Chemical Romance Teenagers 7 104

 

 Globalと比べると、こちらの方の規模が小さい影響か、選曲がかなりマニアックです。トップ10だけ見ても、半数がHot 100入りしておらず、トップ10は2曲のみです。また全体を見渡しても、曲名はおろかアーティスト名すら知らないという場合も多いでしょう。

 

 そんなマニアックな動きに関して、少し経緯を説明します。(前章の3にあたる部分です)この動きを一番はじめに見せたのは2019年のTame Impalaです。批評界隈からは高い評価を得ていたものの、これまでUSのSpotifyトップ200にランキング入りしたのはその年3月の“Patience”のみ。その曲も1週でランキングを後にしています。

 そんな彼らの2015年の、“The Less I Know The Better”が7月にUSのランキング入りを果たしたのです。その年彼らがリリースした新曲の効果も多少はあるのかもしれませんが、タイミングはズレているため、「リスナー間で評価を高めて発掘された」面の方が強いと思われます。以降も継続してランキングに残り続けています。この曲のランクインは、「当時のヒット序列をひっくり返して浮上する」という点で画期的でした。

 この曲の注目の高まりもあり、2020年の新譜はSpotify内で人気を集めました。しかし、その後もランキングに残り続けたのは新しい曲ではなく、“The Less I Know The Better”でした。どちらかというとアルバム志向のアーティストによく見られますが、新曲自体は人気を集めるが、その後長くランキングに残るのは結局過去曲、という事例は少なくありません。(Lil Uzi Vert、J. Cole、Jojiなど)

 

 Tame Impalaはメインストリームでの存在感は限られていたとはいえ、批評界隈では有名なアーティストでした。しかし2021年初頭頃からは、そこでも知名度の低いアーティストが台頭し始めます。先陣を切ったのはRicky MontgomeryとMother Motherです。前者はインディーポップシンガー。後者は男女ツインボーカルが特徴的なバンド。前者は2016年のアルバムから、後者は2007年のアルバムから複数曲をランキング入りさせることに成功させました。

 過去曲エントリーが増え始めた2021年以降からはこの手の発掘も相次ぎ、Surf Curse、Joy Again、The Rare Occasionsなどの曲が浮上を見せました。また、他にもTame Impalaタイプ(批評界隈では知名度がある)のBeach Houseの活躍も見られました。

 

 このような傾向から、リスナーによる丹念なディグを感じます。これらは従来ヒットしていなかった曲が浮上しており、リリース年は古いものの「新規ヒット」という捉え方も十分可能だと思います。

 となると、これらの曲がプレイリスト*2やラジオで採用されてもおかしくはありませんが、まだそのような動きは少ないです。万が一これらの曲がプレイリストやラジオで注目されれば、「ヒットは新しい曲である必要がない」「リスナーの好みが業界の選曲を動かす」のような点で、従来の「ヒット曲像」を揺さぶると思います。

 一応このような動きはゼロではなく、2014年リリース、The Waltersの“I Love You So”は一部プレイリストやラジオで採用されるという事例も。まだまだ数は少ないですが。

 

 もう一つ、Globalの方の表では見られなかった傾向がポップパンクのプチ隆盛です。”good 4 u”との類似性が指摘されたことがきっかけで注目されたParamoreのほか、All Time Low、My Chemical Romanceも一定の結果を残しました。

 All Time Lowで興味深いのは、この年ラジオヒットしていた新規シングル“Monsters”は一切ランキングに入らず、それを差し置いて過去曲の”Dear Maria, Count Me In”の方が入った点です。近年多く見られるラジオとストリーミングの奇妙なねじれを象徴するような出来事でした。

 

 

5 このようなヒットが生み出される背景?

 

 過去曲が再注目されるようになった背景を、3つの側面から推察していきます。

 

・イベント型

 何らかの出来事を起因に、昔からよく見られるパターンです。まずはカレンダー上のイベントです。クリスマスがその最大手で、ストリーミングではかなり強さを発揮しています。便宜上、この記事では対象外にしていますが……

 次いでヒットの規模が大きいのはハロウィン、アメリ建国記念日、年始年末です。この時にヒットする曲はSpotify公式が作った○○Day Playlistの影響が強いです。「年始年末用」の曲はほとんど存在しませんが、カレンダー上で印象的な日であること、プレイリストの効果によってランキングに影響を及ぼす印象です。(ちなみに、2020年と2021年はThe Black Eyed Peasの”I Gotta Feeling”が新年プレイリストの影響で注目されています。)

 ハロウィンと建国日はクリスマスと性質が似ていますが、プレイリスト選曲の影響か、その日「専門」ではない曲も絡んでくるのがクリスマスにない特徴です。建国記念の日に大きく浮上した”Chicken Fried”は、その週以外のランキングにもエントリーしていました。(この複雑性、または区分けのしづらさがクリスマスと違い、調査の対象にした要因でもあります)

 

 そして催事を行っている場合です。代表例はスーパーボウルのハーフタイムショーです。年によってチャート効果を発揮するかまちまちですが、2021年のThe Weekndは過去曲も含めた明確な再浮上が見られました。この「イベント」はリアル世界である必要がなく、以前Fortnite内で仮想コンサートを行ったMarshmelloやTravis Scottの過去曲が再浮上した事例もありました。2019年のMarshmelloのコンサートは同週に行われていたMaroon 5のハーフタイムショーを大きく上回るチャート効果を発揮しており、かなりインパクトがありました。

 あとは超有力アーティストの久々のリリースにもイベント性があります。2021年はAdeleの新曲~新アルバムを起因として、過去曲にも注目が集まりました。

 

 

・古くても知らなければ新しい?

 私がこのテーマを扱う時によく思い浮かべるのは、「仮にリリース年が古くても、それを知らなければ新しいものとして捉えられることが可能」という発想です。例えば21世紀生まれは、2000年以前のものを少なくともリアルタイムには知らないわけで、19xx年産コンテンツは軒並み「新鮮な発見」となり得ます。

 また仮にそれを知っていたとしても、時間軸と「新鮮軸」がねじれることもあると思います。時代の違う曲ならば、今と雰囲気も違い、その点が新鮮さに結びつくことも考えられます。○○リバイバルのような動きがよく発生するのも、この「時代に違いに新鮮さを感じる」という考え方によるものでしょう。また、この○○リバイバルにもトレンドがあるように、「どの時代の何に新鮮さを感じるか」も時によって変わるようです。

 

 現在Spotifyのランキングで興味深い傾向が一つ見られます。それは「上位曲が弱い」ということです。例えばUSでは、現在デイリーランキングで100万超えの曲が一つも無いという日も珍しくありません。一方で5年前の同時期のランキングでは、だいたい5曲程度は100万再生を超えています。

 しかし、200位の曲の再生数を比べると逆の傾向が見られます。2017年はおよそ16万~17万だった水準が現在では22万前後まで伸びています。上位曲が伸び悩み、下位曲が底上げされている……つまり個人でのディグが進み、ヒット曲以外の選択肢も多く持つようになったことを感じます。(グローバルのランキングでも似たような傾向が見られます) (補足→*3

 

 ストリーミングの導入によって、未知の曲を聞く障壁が下がった、またストリーミング内での経験の積み重ねによってレコメンデーションが噛み合うようになった、さらにインターネットでの情報の流れ方が変わったなどの理由で各々がディグを行いやすくなったと考えられます。

そのディグの方向性が年代的な意味にも進んだことが過去曲の隆盛に大きく寄与していると私は考えています。従来はマイナーだった曲の発掘が多いのも、そのディグの熱心さを物語っているでしょう。

 過去曲の隆盛は傍からみると、「なんでそれを今更?」とも感じるかもしれませんが、それまで知らなかったもの、また新鮮に感じるものを個人が探し求めた結果である可能性があるのです。

 

 

・無関係ではないTikTok、ただし?

 そして最後にTikTokです。先に述べた「情報の流れ方」とも大きく関わります。インターネットでは双方向、そして「界」が絶え間なく交流していることから、物事が思いもよらぬ進化を遂げることがあります。これが「ミーム」ですね。「ミーム」というと「おもしろコンテンツ」のような印象もあるかもしれませんが、個人的には「インターネットで様々な栄養を与えられ、複雑な成長をしたコンテンツ」のように捉えています。

 TikTokは(短さや柔軟なアルゴリズム*4ゆえ)流動性のある機関で、ミームの成長や伝搬力に長けています。そして音楽が重要な立ち位置を占めているということで、音楽ヒットへの影響力を及ぼしています。ただしその流動性ゆえ、サービス内ではそこまで曲のヒット等が「保持」されにくいです。

 このように近年様々なヒットを生み出す要因とされていますし、もちろん過去曲が発掘されることとも関係があるでしょう。ただし、TikTokヒットのように見えてもヒットの理由が多岐にわたり、TikTokの比重が高くないこともあると私は考えています。

 

 TikTokの流行がそのままストリーミングに反映されるわけではありません。ラジオでかかる曲とストリーミングの人気が違うように、TikTokとストリーミングにも人気にギャップはあります。TikTokで人気があっても、全然ストリーミングのランキングに出現しない曲も多数あります。

 

 他にもTikTokが「ミーム成長」のどの段階にいるか不明瞭という側面もあります。以前見てなるほど、と思ったツイートがあるのですが、「TwitterTikTokの転載を見たと思ったら、次にTikTokTwitterのスクショを見た」というもの。TikTokが既に規模の大きいSNSであり、流行の発信源にも受け皿にもなり得るという例えの一つです。ストリーミングのランキング、TikTokの使用数を測るTokboardを細かく観察していると、曲のヒットの方が先で、TikTokでの人気の方が後と思わしきパターンもたまに見られます。

 

 あと個人的に注目したのは、「過去曲のヒットが不思議に感じられるものであり、その理由を説明したくなる」という心理についてです。これは最新曲でも未知のアーティスト、意外な曲がヒットを飛ばした場合にも当てはまります。

 現象と理解の間にギャップがあり、それを埋めたくなって、そこでTikTokが利用されるという構図です。TikTokは巨大で様々なコンテンツが存在するため、たいて何かしらのビデオが見つかります。そしてそれを「答え」とすることも可能です。

 しかしこの記事で示したように、過去曲がランキングに入ってくる事例は珍しいことではないため、ヒットに特別な理由が無いこともあるでしょう。

 逆に一見TikTokヒットと称されていなくても、実はTikTok発のようなパターンもあるかもしれません。*5

 

 TikTokの影響が色濃い曲の場合、急上昇/急落下を見せる傾向にあります。これはTikTokの流行の入れ替わりの激しさゆえです。この記事の表にある曲だと、“Runaway”や”Like I Can”などが当てはまると思います。ただしTikTok仕様の「急上昇」を見せた後、TikTokではピークが終わってもストリーミングで上位に残り続ける曲もあります。これは、TikTokからストリーミングの「知見」に変わった瞬間とも捉えられます。

 

 

(おまけ)クリスマスを調査から除外した理由

 まずは、便宜上の理由です。あまりに数が多すぎるため、バランスブレイカーになるからです。再生回数記録を更新する勢いでチャートを制圧するクリスマス曲も含めると、データが大きくブレてしまい、私が取り上げたい事象についての視点が分かりづらくなるのです。

 基本的にこれが理由としては大きいのですが、他にも個人的な推測も理由の一つとして挙げられます。それは「クリスマス曲は他の過去曲と枠組みが違うのではないか」というものです。

 クリスマス曲は、12/24に近づくにつれてストリーミングを増やし、12/26以降は一気に再生数が落ちていきます。いや、それは当たり前なのですが、なぜか個人的には「他の過去曲ヒットで見られるような複雑なダイナミック性を感じない」点で引っかかるのです。

 動きが画一的ということは、ヒットの理由も画一的ということです。しかし他の過去曲は理由が一つに特定出来ないことも多く、チャート上の動き方もバラバラです。これが上で述べた「ダイナミック性」に当たります。

 また、クリスマス曲を聞く人が多ければ毎年ヒットにトレンドの変遷が見られても良い気がするのですが、そのような動きは無いです。このような点から、ランキングの傾向から違いを個人的には見出した、ということです。まあマニア特有の考えすぎかもしれませんが。

 

 

参考

https://spotifycharts.com/regional/global/daily/latest

https://spotifycharts.com/regional/us/daily/latest

Tokboard - Top TikTok Songs This Week

https://kworb.net/spotify/ (データまとめ)

How TikTok recommends videos #ForYou | TikTok Newsroom

アレックス ペントランド、矢野 和男、小林 啓倫  (2015) 『ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』 草思社 (情報の流れ~のような記述は主にこの書籍から発想を得ています)

 

*1:平均順位が"Wake Me Up" > "Mr. Brightside"のため

*2:SpotifyのToday’s Top Hitsは過去曲への対応は皆無に近いです。代わりに他のプレイリストで「役割分担」しているのかもしれませんが。一方Apple Music(US)の同テーマのプレイリストは、時折過去曲も取り扱います。

*3:~~この部分の補足~~

・USの方を例に挙げたのは、100万超えるか否かで桁が変わり、分かりやすいからです

Spotifyでは曜日ごとに再生規模が違うので、比較の際は曜日を揃えると良いです。

・金曜日が強く、日曜日が弱いです。上記の再生数水準はそれ以外の曜日のものを参照しています

・ほか、大規模アルバムがあった際も上位の水準が異なる点に注意してください

・この現象は最近時折目にする「Hot 100首位のポイントが低い」のようなことも関連していると考えています。(Hot 100の集計対象が変化しているので、ポイントが低い要因はシステム面にもありますが)

*4:リコメンデーションの固定化をこの手のシステムの課題とし、それを脱却するための工夫がリンクに記載されています。

*5:Eminemの”The Real Slim Shady”はfavsounddsというユーザーがランキング入りに寄与した可能性もあると推測しています

Hot 100に登場した日本関連の曲+ 2021

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 主にHot 100のデータを参照しながら、今年(この記事では2021年を指します)日本関連の人物やワードが、どのように活躍/言及されているかを書いていきます。

 

 

1:日本関連人物の活躍

 

(ピコ太郎以降の日本人Hot 100エントリー)

2016:1曲=ピコ太郎

2017:0曲

2018:2曲=植野有砂、オノヨーコ(過去のクリスマス曲)

2019:3曲=宇多田ヒカル、Joji×2

2020:1曲=Joji

2021:0曲

 

 ピコ太郎以降、コンスタントにHot 100入りが見られるようになりましたが、今年はゼロ。上記のアーティストのうち、(この期間で)複数回Hot 100入りしているのはJojiのみ。その彼が今年新曲をリリースしなかったことが、理由としては大きいかもしれません。

 

 そのJojiは過去曲がUSのSpotifyで驚異的な持続性を見せています。”SLOW DANCING IN THE DARK”はUSのSpotifyランキング(デイリー)での滞在日数が1233日に到達しており、これは歴代9位(2022年2/20付でのデータ)の長さです。現在もランキング中位に位置しており、さらなる記録更新に期待が出来そうです。

 

 もう一人Spotifyランキングで結果を残したのはMitski。2018年にリリースされた”Nobody”と“Washing Machine Heart”が、今年に入ってから初めてUSのSpotifyランキング入り。さらにその後にリリースされた新曲”Working for the Knife”もUSやGlobalのランキングに入りました。(記事的な時空?的には未来の話になりますが、2022年にリリースされたアルバムからも多数の曲が同ランキング入りをしています)

 

 二人とも、過去曲が人気を得ているという点が共通。新曲よりはアピールの少ない過去曲にリスナーが到達しているということは、「アーティストとしてのパワー/引力」のようなものがあるということでしょう。今後も活躍が期待できそうです。

(両者ともに日本出身で、現在はアメリカ拠点での活動、歌詞は英語)

 

 

・Globalの話

 日本人の活躍が見られたビルボードのチャートといえば、2020年の下半期にローンチされたGlobal系のチャートです。全世界を対象としているこのチャートでは、海外でヒットしたか否かに関わらず、日本の音楽市場の規模ゆえにランク入りすることが可能です。

 全世界対象のGlobal 200、アメリカを除く全世界が対象のGlobal Excl. US 200と2種類のチャートが存在。それぞれの年間ランキングには以下の曲がランクインしました。基本的に日本中心のヒットですが、中にはYOASOBIやLiSAなどアジア圏で一定の存在感を示すアーティストも。

 

(Global 200)

55 YOASOBI – 夜に駆ける

141 YOASOBI – モンスター

183 優里 – ドライフラワー

 

(Global Excl. US 200)

24 YOASOBI – 夜に駆ける

49 優里 – ドライフラワー

62 YOASOBI – モンスター

90 YOASOBI – 群青

107 LiSA – 炎

118 Ado – うっせぇわ

124 Eve – 廻廻奇譚

142 Official髭男dism – Cry Baby

150 DISH_ – 猫

180 藤井風 – きらり

200 Ado – 踊

 

 

2 歌詞

 

 Hot 100に登場した曲のうち、歌詞に日本関連のワードが含まれるものを紹介します。

 関連ワードなどをGenius歌詞検索で探してリストアップしています。Geniusに感謝🙏(手作業で探しているため、抜け落ちの可能性もあることをご容赦ください、見つけ次第訂正します)

 

 ワード解説の前にチャート上の特性のようなものを紹介します。日本関連のワードを検索すると、多く出てくるのはラッパーたちの曲です。歌詞内の言葉数が多いからでしょうか。そしてラッパーたちはアルバム単位で大量のHot 100エントリーをするようなことも多いです。その採用数+Hot 100エントリー曲数の2種類の多さにより、このコーナーに登場する曲はラッパーの曲が自然と多くなります。

 

 しかし非シングル曲の場合、アルバムのリリース直後以降は急速に勢いが衰え、ピーク順位からは想定するようなヒットではなくなっている場合もあります。それを示すために、今年の記事では滞在週数も記載します。このような曲(滞在が1週の曲など)は、熱心なファンには知られてはいるけれど、一般的な浸透度では他に劣る可能性があるということです。

 

(表記)

・客演等で複数名義の曲は、日本語歌詞部分を担当しているアーティストを太字にしています

・(位/週)は2021年最終週時点での成績。2022年にピークを更新した/滞在が伸びた場合には、“+“が付いています。

・リミックス等がある場合、ビルボードがメインとしたバージョンのものを集計しています。

 

 

①:Bad Bunny - Yonaguni (🗻1位 /⏰20週)

“今日はセックスしたい

でもあなたとだけ

どこにいますか?

どこにいますか?

今日はセックスしたい

でもあなたとだけ

どこにいますか?

どこにいますか?Eh”

 

 ヒット度が高く、何より日本との関連性が非常に深いため、今年このテーマで最も存在感のあった曲。曲名が日本の与那国島を指していることに加え、なんとガッツリ日本語ヴァースが。以前から日本関連ワードへの言及が多かったBad Bunnyが、さらなる日本への造詣を披露しました。

 日本拠点のアーティストでも、Hot 100エントリーするのは英語歌詞曲だったりするので、これ以上に日本語歌詞が多いケースは少ないと思います。*1

 日本語歌詞は基本的に「示唆する」ようなものが多いため、ここまで直球な表現はかなり新鮮です。

 

 ちなみに彼のライブでは、この日本語部分を客が歌う模様。(リンク:Bad Bunny - Yonaguni Live at Denver Colorado (El Último Tour del Mundo) - YouTube

 

 

②:Doja Cat – Need To Know (🗻8位 /⏰27+週)

“Prolly thinkin' I'm a telekinetic

Oh, wait, you a fan of the magic?

Poof, pussy like an Alakazam”

 

 ヒット度では”Yonaguni"以上。最初、Alakazam(=フーディン)なんて一般人からしたらマニアックなポケモン行ったな、という印象を持っていたのですが、この“Alakazam”という単語はマジックを魅せる時にも登場する一般的な単語のようで、普通の人はそっちの意味で取るかもしれません。

 しかし、過去曲等からゲームへの造詣の深さが伺えるDoja Catの脳内では、間違いなくフーディンの方が浮かんでいるでしょう。

 Geniusの解説では、”poof”の部分が進化前のAbra(ケーシィ)がテレポートで逃げる音を再現している、という熱心な考察がされています。

 

③:Drake, Future & Young Thug - Way 2 Sexy (🗻1位 /⏰15+週)

“I'm too sexy for Milan

Too sexy for Milan

New York or Japan”


 ここまでの3曲がヒット度では頭一つ抜けています。歌っているのはここにクレジットが載っている3人ではなく、サンプリング元のRight Said Fred

④:Young Stoner Life – Ski  (🗻18位 /⏰15週)

“(Tsunami)”

Wheezyがたまに使うプロデューサータグ。この単語が歌詞に登場するとモヤモヤするかもしれませんが、津波という現象自体は海外でも頻繁に起こる現象なようで、語源こそ日本語ですが、津波=日本とはそこまで思われていない可能性もあります。

 

⑤:Gunna & Future – Too Easy  (🗻38+位 /⏰9+週)

“Yeah, I'm gon' chop a brick like judo, snatch a Lamborghini (Chop it up)”

空手チョップ。空手への言及は過去にもありましたが、繰り出す技は様々。

 

⑥:Latto – Big Energy (🗻69+位 /⏰8+週)

“Daddy from the street, so he move lowkey

Tryna ride that mic' like karaoke (Oh)”

曲名のBig EnergyはBig (Dick) Energyということで、この歌詞部分のマイクもその暗喩でしょう。女性ラッパーの方がよく使う印象のある単語です。Ariana GrandeのPete Davidsonに対するツイートが流行のきっかけとする説も?

 

⑦:YoungBoy Never Broke Again – Life Support (🗻48位 /⏰5週)

・“Comme des Garçons, she say she like on me”

“On my Kawasaki, tryna do a heel clicker”

同じ曲の違う箇所に、複数言及がある曲。Comme des Garçonsはハートの比喩として使われることが多いようです。

 

⑧:Drake – Papi’s Home (🗻8位 /⏰4週)

“Turn me up (Mario)”

マリオはUpとの組み合わせが多いです

 

⑨:J. Cole – a m a r i (🗻5位 /⏰3週)

“Imagination turned a Honda into Wraith”

ホンダは庶民向け、Wraithは高級車とされています。(つまり成り上がりを意味する歌詞)

 

⑩:J. Cole – 9 5 . s o u t h (🗻8位 /⏰3週)

“Could put a M right on your head, you Luigi brother now”

前半部分の「頭にMがある」はマリオへの言及でしょう

 

⑪:Young Stoner Life feat. Lil Duke & Yak Gotti – Slatty (🗻99位 /⏰1週)

“Flathead the pull up, the Honda, the Civic (Skrrt)”

Honda製品の中で言及率高めの、Civic

 

⑫:Juice WRLD – From My Window (🗻86位 /⏰1週)

“Mario, Luigi, my bros to the bitter end”

マリオルイージのセット

 

⑬:Playboi Carti – Slay3r (🗻72位 /⏰1週)

“She suckin' my dick, I was on the PlayStation (Woo, woo)”

Geniusの解説では、Playboi Cartiの元カノのIggy Azaleaへの言及であると推測されています

 

⑭:Migos – Modern Day (🗻61位 /⏰1週)

“Huncho the sensei ('Cho)”

Hunchoから分かる通り、Quavoのパートより

 

⑮:YoungBoy Never Broke Again – Forgiato (🗻80位 /⏰1週)

“You already know, nigga, we tote big Glocks, be like Yamaha

Hot 100エントリー数の多い彼

 

⑯:Juice WRLD – You Wouldn’t Understand (🗻64位 /⏰1週)

“Remember Huaraches and stealin' food out of Hibachi, wouldn't catch me tippin' (On God)”

Hibachiとは日本でいう鉄板焼のこと

 

⑰:DJ Khaled feat. Nas, Harmonies by The Hive, James Fauntleroy & JAY-Z – Sorry Not Sorry (🗻30位 /⏰1週)

“Circular ice on Japanese whiskey, on my mezzanine”

Jay-Zとお酒

 

 

※Bubbling Underに入った曲での言及

・Young Thug – Stupid / Asking:Kawasaki

・Young Boy Never Broke Again – Level I Want To Reach:COMME des GARÇONS

・Young Thug – Die Slow:COMME des GARÇONS

・Migos (Offset) – Roadrunner:Honda

・Young Stoner Life (Young Thug) – Litty:Honda

・Trippie Redd – Super Cell:Dragon Ball, Super Cellなど計10以上のドラゴンボール関連ワード

(↑ Hot 100入りこそしていませんが、これも今年のインパクトのある日本関連の曲の一つでした。ほかBubbling Underには入っていませんが、アルバム内には”Baki"という曲も)

 

(リミックス等)

Kanye West – Jesus Lord pt 2:Honda

Kanye WestJunya pt 2:Hibachi, Karate(Ty Dolla $ignのパート)

 

 

3 統計

 

・多かったワード (同一曲での繰り返しは1カウント)

  2021 2020 2019 2018
5+       Japan (7)
4       Chun-Li, Kamikaze
3   Honda, Tsunami, Godzilla, Sensei, Karate, Comme des Garuçons Japan Mario, Tokyo, Sumo
2 Japan, Honda, Mario, Luigi Sushi, Kamikaze, Tokyo, Nintendo, Sasuke, Judo, Benihana, Tekken Honda, Sensei, Nobu, Benihana, Tsunami Kawasaki, Pikachu, Karate, Sushi, Teriyaki, Ninja
1 Kawasaki, Comme des Garuçons, Playstation, Judo, Tsunami, Snensei, Karaoke, Alakazam, Yamaha, Hibachi Pokémon, Super Saiyan, Nobu, Kawasaki, Murakami, Yu-gi-oh, Suzuki, Anime, Hadoken, Japón, Sumo, Mario Ichiro, Tokyo, Kawasaki, Mazda, Goku, Super Saiyan, Manga, Ryu & Ken, Luigi, Pokémon / Ash, Pikachu, Dojo, Sushi, Ramen, Karaoke Toyota, Honda, Anpanman, Goku, Playstation, Judo, Kimono, Murakami, Benihana, Saké, Pokémon, Tsunami

※Honda、Kawasaki、Tsunamiが4年連続でエントリー

 

 

・言及曲数が多いアーティスト (同一曲での繰り返しは1カウント)

Juice WRLD 2

YoungBoy Never Broke Again 2

J. Cole 2

Doja Cat 1
Latto 1
Migos 1
Future 1
Playboi Carti 1
Drake 1
Yak Gotti 1
Jay-Z 1
Bad Bunny 1

その他 2(サンプリング、タグ)

 

 

参照・関連記事

昨年の記事:Hot 100に登場した日本関連の曲 2020 - チャート・マニア・ラボ

 

(参照)

Genius | Song Lyrics & Knowledge

https://www.billboard.com/charts/year-end/ *2

https://www.billboard.com (アーティスト名+ビルボードで検索すると、チャート履歴が閲覧できる)

https://kworb.net/spotify/country/us_daily_totals.html

 

*1:おそらくこれより多いのは、坂本九と植野有砂のみ

*2:Globalの年間チャート、最初は200位まで見られたのですが、なぜか今は100位までです(?)

プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2021

f:id:djk2:20220119214343p:plain   

 Spotify最大のプレイリスト、Today’s Top Hitsを1年間通して観察してきたので、そのデータ等を軽く紹介しようと思います

(2022年に記事を書いていますが、この記事での今年=2021年とします)

 

↑リンク

 

2020年度版:プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2020 - チャート・マニア・ラボ

2019年度版:Today’s Top Hitsを5つのポイントで見る - チャート・マニア・ラボ

 

 

1:登録人数

 

(1/18時点)

Today’s Top Hits:3037万

Global トップ50:1651万

RapCaviar:1429万

Viva Latino:1152万

Baila Reggaeton:1037万

Songs to Sing in the Car:993万

Rock Classics:990万

All Out 2000s:976万

All Out 80s:916万

Beast Mode:864万

 

 これらが人気のプレイリストです。Today’s Top Hitsの登録人数は前回比で、+317万そして+11.2%でした。前回は+4.6%(ただし集計が2ヶ月短い)だったので、今年は伸びの調子が良かったと言えるでしょう。

 

 

2:曲数

 

 50曲を保ち続け、何か入れる時は何かを外します。(ちなみに昨年あたりからApple MusicのToday’s Hits(US)も同じ仕様になりました)

 亡くなったアーティストへの敬意を示す時など、稀に変化することもあります。今年6/25の週には、1週限りで55曲まで拡張し、リストで人気を集めた過去曲を特集するという企画もありました。

 

 今年の1週あたりの入れ替わりは3.6曲。2019年は6曲、2020年は4.4曲の入れ替わりだったので、だんだん固定的になっていることが分かります。リストを観察していると、まだヒットしていない未知な曲を取り入れる回数がずいぶんと減った印象です。

 この堅実なチョイスから、逆説的にこのリスト入り=ヒットの証拠という見方もできるでしょう。

 

 

3 入っていた曲

 

 プレイリストの名前通り、基本的に現行ヒット曲が入っているのですが、純粋にランキングの上位がそのまま入るわけではありません。以下のような場合、ランキング上位でもリストから外されてしまいます。

 

・ピークが既に過ぎ去ったと判断された場合

・同一アーティストの曲の中で、相当的に優先度の低い曲 (主にアルバム曲)

・英語曲でない場合 (リスト入りはするが、基準が英語曲より厳しい)

・素行に問題がある場合 (レアケース)

・その他 (レアケース)

 

 おそらくポップ系ラジオをベースにしたような選曲をしているので、英語曲のポップ~ラップを中心とした編成になっています。それが世界的に最も流通している音楽フォーマットなのでしょうか。この軸から大きく離れていると、グローバルランキングの上位でもリストに入らないような曲もあります。

 

 しかしUSポップ系ラジオよりは柔軟に曲を入れる印象です。そこでは入らないような、ヨーロッパでヒットするダンス曲、ドイツでのヒット曲、英語曲ながらも未知のアーティストの曲、ラテン曲などが定期的にリスト入りを果たしています。

 またアルバム曲に対しても柔軟な対応を見せ、正式シングルカット前でもストリーミング人気があれば、リストに採用されることも。

 

  以下が2021年内に、最も長くリストに入っていた曲のランキングです!

 

アーティスト 曲名 週数
1 Glass Animals Heat Waves 53
2 Dua Lipa feat. DaBaby Levitating 45
3 Lil Nas X MONTERO (Call Me By Your Name) 41
3 The Weeknd & Ariana Grande Save Your Tears 41
5 Doja Cat feat. SZA Kiss Me More 39
6 Silk Sonic Leave The Door Open 35
7 Olivia Rodrigo good 4 u 34
8 HVME & Travis Scott Goosebumps 33
9 Justin Bieber feat. Daniel Caesar & Giveon Peaches 32
9 Giveon Heartbreak Anniversary 32
11 Masked Wolf Astronaut In The Ocean 29
11 The Kid LAROI WITHOUT YOU 29
13 Ed Sheeran Bad Habits 28
13 Måneskin Beggin' 28
15 Olivia Rodrigo traitor 27
15 The Kid LAROI & Justin Bieber Stay 26
15 Maroon 5 feat. Megan Thee Stallion Beautiful Mistakes 26
15 ATB, Topic & A7S Your Love 26
15 Riton & Nightcrawlers feat. Mufasa & Hypeman Friday 26
15 Saweetie feat. Doja Cat Best Friend 26
15 Ariana Grande 34+35 26
22 Lil Nas X & Jack Harlow INDUSTRY BABY 24
22 Cardi B Up 24
22 Doja Cat Need To Know 24
25 Billie Eilish Happier Than Ever 23
25 Olivia Rodrigo deja vu 23
25 Tiësto The Business 23
28 Farruko Pepas 22
28 Marshmello & Jonas Brohters Leave Before You Love Me 22
28 Dua Lipa We're Good 22
28 Zoe Wees Girls Like Us 22
32 Doja Cat Woman 21
32 24kGoldn feat. iann dior Mood 21
32 MEDUZA feat. Dermot Kennedy Paradise 21
35 Elton John & Dua Lipa Cold Heart (Pnau Remix) 20
35 Sleepy Hallow 2055 20
35 Doja Cat Streets 20
38 SZA Good Days 19.5
39 Duncan Laurence Arcade 19
40 Kali Uchis telepatía 18.5
40 Bad Bunny & Jhay Cortez Dakiti 18.5
40 Polo G RAPSTAR 18.5
43 Blxst & Tyga feat. Ty Dolla $ign Chosen 18
43 OneRepublic Run 18
43 BTS Butter 18
43 Justin Bieber Hold On 18
47 Olivia Rodrigo drivers license 17.5
48 Ed Sheeran Shivers 17
48 Oliver Tree Life Goes On 17
48 Lost Frequences & Calum Scott Where Are You Now 17
48 Camila Cabello Don't Go Yet 17
48 Billie Eilish Therefore I Am 17
48 Black Eyed Peas & Shakira GIRL LIKE ME 17

 

※プレイリストは金曜日に本格的に更新されます(サムネ変更など)。そのタイミングを1週間の切り替わるタイミングとし、それ以外の曜日にリスト入りを果たした場合、曜日に関わらず0.5週とカウントしています。

※原曲/リミックスは同一曲としてカウントし、入っているのが長かったバージョンを表に記しています。

※"Levitating"のDaBabyは、騒動以降もリストに残っていました。

※週数が緑背景になっている曲は、2022年に入ってもリストに残っている曲。赤背景は2020年からリスト入りしている曲です。(つまりここでの週数よりもトータルでの滞在は長い) “Heat Waves”は2020にも2022にもランクインしています。

 

~メモ~

・30週以上入った曲数は2019年から2曲→8曲→10曲と推移。20週以上は11曲→34曲→37曲と、固定化が進んでいることが分かります。

 

・この中でHot 100入りを果たさなかったのは”Your Love”、”Friday”、“Girls Like Us”、”Paradise”、”Run”、”Where Are You Now”の6曲。

 

 

4:リストに多く入ったアーティスト

 

・そのアーティストの全ての曲の合計週数をカウント。客演曲は0.5週とカウント

・複数バージョンがリスト入りしている場合は、その切り替わりのタイミングを考慮したカウント

・客演等の表記はSpotifyのものを参照。ところどころビルボードと違う部分があります。(ビルボードではメイン扱いだが、Spotifyでは客演扱い等の場合も)

 

1 Justin Bieber (11) Peaches, Stay, Hold On, Ghost, Anyone, Monster, Lonely, As I Am, Wandered To LA,Essence*, Don't Go 136.5
2 Doja Cat (7) Kiss Me More, Need To Know, Woman, Streets, Best Friend*, You Right, Ain't Shit 127
3 Dua Lipa (5) Levitating, We're Good, Cold Heart, Love Again, Prisoner* 107.5
4 Olivia Rodrigo (4) good 4 u, traitor, deja vu, drivers lisence 101.5
5 Lil Nas X (5) MONTERO, INDUSTRY BABY, THATS WHAT I WANT, HOLIDAY, SUN GOES DOWN 94
6 The Weeknd (8) Save Your Tears, Take My Breath, One Right Now, LA FAMA, Moth To A Flame, You Right, Tears In The Club, Hawái 88.5
7 Ariana Grande (7) 34+35, Save Your Tears, positions, Just Look Up, pov, Met Him Last Night*, test drive 78.5
8 The Kid LAROI (5) WITHOUT YOU, Stay, SO DONE, Not Sober, Reminds Me Of You 70
9 Billie Eilish (6) Happier Than Ever, Therefore I Am, Your Power, Lost Cause, NDA, Lo Vas A Olvidar 68.5
10 Ed Sheeran (6) Bad Habits, Shivers, Afterglow, Overpass Graffiti, Visiting Hours, Peru, Run* 61
11 Glass Animals Heat Waves 53
12 SZA (4) Good Days, Kiss Me More*, No Love, I Hate U 51.5
13 BTS (4) Butter, My Universe, Dynamite, Permission To Dance 51
14 Silk Sonic (3) Leave The Door Open, Smokin Out The Window, Skate 48.5
15 Giveon (2) Heartbreak Anniversary, Peaches* 48
16 Måneskin (4) Beggin', I WANNA BE YOUR SLAVE, MAMMAMIA, ZITTI E BUONI 46
17 Tiësto (3) The Business, Don't Be Shy, The Motto 42
18 Travis Scott (3) Goosebumps, Fair Trade, ESCAPE PLAN 41.5
19 Megan Thee Stallion (6) Beautiful Mistakes*, Thot Shit, Body, Butter, SG, I DID IT* 39
20 Bad Bunny (5) Dakiti, Yonaguni, Volví, LA NOCHE DE ANOCHE, Lo Siento BB:/ 38
21 Drake (6) Way 2 Sexy, What's Next, Laugh Now Cry Later, Fair Trade, Girls Want Girls, Having Our Way* 37
22 Polo G (4) RAPSTAR, Better Days, Not Sober*, Last One Standing* 33.5
23 HVME Goosebumps 33
24 Saweetie (2) Best Friend, Out Out* 32.5
25 Cardi B (3) Up, Rumours*, Wild Side* 30

*=客演の曲

(ポイントが多い順位並んでいます)

Justin Bieberは昨年も1位でした。2連覇。

 

 

5 先頭に配置されていた曲

 

1月1日 Justin Bieber - Anyone
1月8日 Ariana Grande - 34+35
1月15日 Olivia Rodorigo - drivers license
1月22日 Billie Eilish & ROSALÍA - Lo Vas A Olvidar
1月29日 Olivia Rodorigo - drivers license
2月5日 Cardi B - Up
2月12日 The Weeknd - Save Your Tears
2月19日 Ariana Grande - test drive
2月26日 Lil Tjay & 6LACK - Calling My Phone
3月5日 Justin Bieber - Hold On
3月12日 Bruno Mars & Anderson. Paak - Leave The Door Open
3月19日 Justin Bieber & Khalid - As I Am
3月26日 Justin Bieber, Daniel Caesar & Giveon - Peaches
4月2日 Lil Nas X - MONTERO (Call Me By Your Name)
4月9日 Lil Nas X - MONTERO (Call Me By Your Name)
4月16日 Doja Cat feat. SZA - Kiss Me More
4月23日 The Weeknd & Ariana Grande - Save Your Tears
4月30日 Billie Eilish - Your Power
5月7日 Dua Lipa feat. DaBaby - Levitating
5月14日 Doja Cat feat. SZA - Kiss Me More
5月21日 Olivia Rodrigo - good 4 u
5月28日 Olivia Rodrigo - good 4 u
6月4日 Doja Cat feat. SZA - Kiss Me More
6月11日 Olivia Rodrigo - good 4 u
6月18日 Doja Cat feat. SZA - Kiss Me More
6月25日 Ed Sheeran - Bad Habits
7月2日 Doja Cat & The Weeknd - You Right
7月9日 Post Malone - Motley Crew
7月16日 The Kid LAROI & Justin Bieber - Stay
7月23日 Måneskin - Beggin'
7月30日 Billie Eilish - Happier Than Ever
8月6日 The Weeknd - Take My Breath
8月13日 Lil Nas X feat. Jack Harlow - INDUSTRY BABY
8月20日 The Kid LAROI & Justin Bieber - Stay
8月27日 The Kid LAROI & Justin Bieber - Stay
9月3日 Drake & Lil Baby - Girls Want Girls
9月10日 Ed Sheeran - Shivers
9月17日 Lil Nas X - THATS WHAT I WANT
9月24日 Ed Sheeran - Shivers
10月1日 Lil Nas X feat. Jack Harlow - INDUSTRY BABY
10月8日 Ed Sheeran - Shivers
10月15日 Adele - Easy On Me
10月22日 Adele - Easy On Me
10月29日 Ed Sheeran - Overpass Graffiti
11月5日 Post Malone & The Weeknd - One Right Now
11月12日 Elton John & Dua Lipa - Cold Heart (PNAU Remix)
11月19日 Adele - Oh My God
11月26日 Adele - Easy On Me
12月3日 GAYLE - abcdefu
12月10日 GAYLE - abcdefu
12月17日 The Kid LAROI & Justin Bieber - Stay
12月24日 Ed Sheeran - Shivers
12月31日 GAYLE - abcdefu

※多くの場合、先頭のアーティストがリストのサムネになりますが、たまに違う時もあります。

 

 

6 不思議と?入らなかった曲

 

 Globalチャートの順位の割に、なぜか入らなかった曲を取り上げます。枠が50で、古い曲等が外されることを考慮すると、英語曲でGlobal 75位以上(目安)なのにリスト入りしないと少し不思議に感じます。

 

1 Starboi3 feat. Doja Cat – Dick

最高順位:72位 リリース:2019年

 

 曲の内容が下ネタすぎて避けられたでしょうか。順位もそこまでは高く、リリースからも少し経過していたたことも考慮されたのでしょう。あと、リスト内にDoja Catの他の曲が複数あり、それと競合した可能性も?

 

2 Elyotto – SugarCrash!

最高順位:53位 リリース2020年8月

 

 “Dick”と比べると、リリース日や順位が(リスト入りにあたり)優秀。さらに、下ネタなど避けられるような要素も見当たりません。それなのに入らなかった理由を探すと、その作風でしょうか。音楽批評では既に浸透している、この曲のHyperpopというジャンルが、ポップ系ラジオでは今も異質で不適切と判断された。それが入らなかった理由だと私は推測しています。

 

3 The Walters – I Love You So

最高順位:44位 (2021年内) リリース:2014年

 

 50位以上なのにリストに入らない曲。さらに作風も穏やかで、ここも問題なさそう。しかしTodayのヒットを扱うプレイリストなので、リリース日がネックになっているのでしょう。とはいえ過去にヒット歴が無く、現在ピークを迎えている曲なので、いくらリリースが古くても現行ヒットとして扱っても良いと私は思います。

 2022年に入ってからはさらに順位を上げており、このリストのスタッフがToday’s感を重視するのか、それとも順位に適した扱いをするのか。そのせめぎあいに個人的に注目しています。

 

(追記)……と書いていていたら、次のアップデート(2022年1/21)でこの曲が追加されました。Global Chartでは25位前後まで到達しており、そこまで上昇すると無視できないのでしょうか。(とはいっても配置は下の方ですが)

 次にリストに入るか注目なのはFrank Oceanの"Lost"(2012年リリース)です。Global Chartのトップ50には到達しています。Apple MusicのToday's Hits(US)の方ではリスト入りしています。

 

 

7 おまけ

 

 こうやって毎週プレイリストを観察していると、「私だったらこうするな」……という感想も思い浮かんできます。それを反映させたのが以下のプレイリストです。Apple Musicなのは個人的な都合です。

 

 Today’s Top Hitsの選曲をベースとしつつも、それよりも少し広い視点で音楽シーンを観察しています。「私がもし同様のプレイリストの担当を任されたらどうするか?」というコンセプトなので、個人的な趣味はあまり反映されていません。

 曲単位よりは、「どのアーティストを取り上げるか」という視点を重視しています。愛好家シーンで人気の曲、英語以外の曲も一部採用。また過去曲でもピークが今と判断すれば積極的にリストアップしています。