チャートのチャート研究ラボ

音楽チャート・ポップス等の動向・文化について頑張って研究しています!議論のネタになるような変わった視点からの記事を目指しています。

ビルボードの新チャート!フィリピンのHot 100が登場。どんな曲がチャートイン?

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BillboardPH Hot 100 - Billboard Philippines

 

ビルボードに新しいチャートが登場しました!フィリピンでのHot 100(以下PH Hot 100)が今日(6/12)新しく登場です。現存するチャートでは、カナダ(2007-)、日本(2008-)に続く3カ国目の世界進出。

(また、PH Hot 100だけでなく、PH Hot 100からフィリピン人の曲のみを抜き出した"Philippine Top 20"、地元のスターのソーシャルメディアでのフォロワーを計測する"Top 20 Social Charts"、3年以上前のフィリピンの人気曲チャートの"BillboardPH Catalog Charts"があります。Top 20 Socialは少し前から発表されていたチャートのようです。

PH Hot 100ではダウンロードとストリーミング(SpotifyApple Music、YouTube)を計算に入れるようです。フィジカル媒体のシングルは数が100程度で数が少なすぎるので、カウントしないとのこと。また、アメリカではカウントされているラジオも、データの収集がなされていないという点で現在は計算に入らないそうです。

アメリカ本国ではニューヨークの都市部などの一部の地域を除いては車が生活に必須で、そのことがラジオ文化を発展させているという話はよく聞きます。つまり車社会であることにより、ラジオの生活への密着度が高いのです。

私はアメリカもフィリピンも行ったこと無いので詳しくは分かりませんが、フィリピンでのラジオの生活への浸透度次第では、このまま集計に入れなくても良い、という可能性もあるかもしれません。

 

以下がローンチに関する記事です。参考までに。

 

それでは、実際にPH Hot 100の最初の週にどのような曲が入っているのか見てみましょう!

 

まずは国別の内訳を計測します。客演がいる曲は、メインのほうの国でカウントします。&で別国籍がカウントされていた場合は両方にカウントします*1

アメリカ=50曲

イギリス=20 曲

カナダ =6曲

ノルウェー=2曲

フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、プエルトリコ=1曲

いわゆる【グローバルヒット】は計80曲

 

韓国=8曲

フィリピン=12曲 *2

 

この週のPH Hot 100を見て感じたことをいくつか述べていきます。

・グローバルヒットが多数。

↑の集計を見れば明らかだと思いますが、他の欧米諸国と似たようなヒット曲が上位を占めています。ただ、それだけではなく71位のLany、93位のZ(ともにアメリカ出身)のような、母国ではヒットしていないが異国ではヒットしているような曲もあってそういう曲が今後増えるのか、という点は注目かもしれません。2曲エントリーしているDawinもどちらかというとこちら側かもしれません。

あと、このグローバルヒットの多さがPhilippine Top 20というチャートが出来た理由だと思います。フィリピンのチャートとはいえ、フィリピンの曲が少ないので独立チャートにして分かりやすくしようという意図でしょう。ちなみに日本だと逆で、Overseas Tracksという形でグローバルヒットを抜き出してチャートにしています。ちなみに直近の日本のHot 100での比率はグローバルヒット:日本ヒット=24:76。

 

・ジャンル的にはダンス多め、ヒップホップも健闘

主にグローバルヒットを見ての感想。The Chainsmokersの7曲をはじめ、23曲のEDM系統曲が100位圏内に。ちなみにアメリカでは100位圏内には現在EDM系統の曲は9曲入っています。また、ヒップホップはかなり少ないかな?と予想していたのですが、それなりにチャートに入っていました。I'm the One、Mask Off、HUMBLE.などの大ヒットに加え、AminéのCaroline、Juju on the Beatなど意外なのもあって計8曲が入っていました。世界的にヒップホップの規模拡大が進んでいるということでしょうか!

 

・なぜか同一アーティストの曲が多い

上で述べたThe Chainsmokersの7曲に加え、Ed Sheeranの6曲、Justin Bieberの6曲(客演含む)など一つのアーティストが多くの曲をチャートインさせる例がPH Hot 100を見ていて目立っていました。この3組は現在トップクラス中のトップクラスなので別かもしれませんが、他にもLittle Mix4曲、Charlie Puth4曲、Jonas Blue3曲、またトップ10にBruno Marsが3曲など、少ないアーティストに人気が集中しているのかな、と感じました。

 

・韓国勢の多さ

韓国のグループ等から8曲が100位圏内に。この多さは一過性のものではなく、フィリピンで日常的に韓国の曲が根付いているということなのだと思います。Spring DayがアメリカのHot 100でも115位相当*3まで入ったBTSが3曲で最多。

 

フィリピンの音楽産業の経済規模は世界20位以下で、世界的なフィリピン人ミュージシャンはまだ見られないので、現状で重要度はそこまで高くないと思います。

しかし、入るアーティストに偏りがあったり、K-Pop勢が多めだったり、また意外なアメリカ人が躍進しているなど、独自な動きをするチャートだとは思うので、何か面白い点がないか注目したいと思います!

*1:I Don't Wanna Live Forever、Scared to Be Lonely、It Ain't Meが該当

*2:Ex BattalionとSilent Sanctuaryはフィリピンのバンドですが、Philippines Top 20に入らず

*3:Bubbling Underで15位