チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

【8人の裏方】 1位シングルの裏方たち 【Julia Michaels - Issues リリース記念】

f:id:djk2:20170119024655j:plain

先週の金曜日、Julia MichaelsさんがIssuesという曲をリリースしました!


 自分が注目しているシンガーのシングルとあって、このリリースは自分にとってはかなりホットなニュースで、曲も気に入っています。

 Julia Michaelsは歌う側としてだけではなく、多くの曲で裏方的にソングライターも務めていて2015年の終盤から現在にかけて多くの曲、アーティストをヒットに導いてきました。その”曲”の中にはHot 100で1位も獲得した"Sorry"も含まれており、彼女は裏方ながらも1位を獲得したことのあるシンガー・ソングライターということになります。

では、ここで近年の「裏方1位」を振り返ってみましょう。

 

以下が近年(2010年以降)の「裏方1位」のリストです

Rob Swire (Knife Partyの人) (Rude Boy)

Skylar Grey (Love the Way You Lie)

Bonnie McKee (California Gurls など)

Benny Blanco (California Gurls など)

Ester Dean (What’s My Name など)

Dan Wilson (Someone Like You)

Josh Ramsay (Call Me Maybe)

Sia (Diamonds)

Marvin Gaye (Blurred Lines ★)

Jon Bellion (The Monster)

Bebe Rexha (The Monster)

Priscilla Renea (Timber)

Trinidad James (Uptown Funk! ★)

Belly (The Hills)

Julia Michaels (Sorry)

Justin Tranter (Sorry)

Ed Sheeran (Love Yourself)

PARTYNEXTDOOR (Work)

Jack Antonoff (Look What You Made Me Do)

Kodak Black (Bodak Yellow ★)

Joey Badass (rockstar)

Starrah (Havana、Girls Like You)

Pharrell Williams (Havana)

Lauryn Hill (Nice For What ★)

City Girls、Lil Wayne、Static Major (In My Feelings)

 

※「裏方ソングライター」のうち、自身の名義でも活動している人を中心に抜き出しました。 ★つきのアーティストはサンプリングで採用された人です。

 

 そこで、今日は彼女のような「裏方1位」のシンガー・ソングライターを何人か紹介しようと思います。今回はシンガーとしての今後の活動、飛躍に期待が持てる、8名を紹介していきます!

 

f:id:djk2:20180221200421j:plain

1 Skylar Grey

関わった主な曲:"Love the Way You Lie" (Eminem), "Clarity" (Zedd) など

 

 アメリカ出身。Holly Brookという名義でも活動をしていた時期があり、2005年にはLinkin ParkのメンバーFort Minor (Mike Shinoda)の"Where’d You Go"の客演としてHot 100(USシングルチャート)の4位まで上り詰めた実績あり。Love the Way You Lieでソングライトを担当して以降、Eminemとは名コンビになっており、"Love the Way You Lie"で組んだことをきっかけに、EminemDr.Dreとの"I Need A Doctor"でシンガーとして起用されました。さらにEminemの最新アルバム"Revival"では4曲でソングライトを担当し、アルバムのプロデューサーも務めました。

 また、他にもDavid Guetta, Nicki Minajの客演を務めるなど幅広く活動しています。。しかしこれだけ実績を残しているにもかかわらず、意外にも本人の曲でのHot 100登場は未だ無いです。

 

f:id:djk2:20180221200647j:plain

2 Bonnie McKee

 

関わった主な曲:"California Gurls", "Roar"など (Katy Perry), "Dynamite" (Taio Cruz) など

 

 裏方として、アメリカで6曲の1位、イギリスで6曲の1位を獲得するという圧倒的な実績の持ち主、中でもKaty Perryとのコンビで多くのヒットを生み出しており、"California Gurls", "Last Friday Night", "Teenage Dream", "Part of Me", "Roar"とこのコンビで5曲もの1位をHot 100で獲得しています。2013年には自身の曲のリリースをし、"American Gir"lがHot 100にエントリー。など2013年あたりまでは順調だったが、2014年辺りから裏方としての仕事が減少気味。2015年にはCharlie Puthも製作に参加したEP, Bombasticをリリースしたがヒットせず………

 前のアルバムから時間が空いているKaty Perryと共に今後の動向が気になります……(Katy Perryの新アルバム、"Witness"へは関わっていませんでした)

 最近Kygoのアルバムのボーカリストとして起用されていました。 

 

f:id:djk2:20180221200942j:plain

3 Jon Bellion

関わった主な曲:"The Monster" (Eminem) など

 

 裏方としての実績は"The Monster"くらいです。シンガーとしての活動がどちらかというとメインなようです。2015年にZeddの"Beautiful Now"の客演として初のHot 100入りを果たした後、2016年にブレイク。アルバム"The Human Condition"はアルバム5位を記録し、さらにシングルの"All Time Low"が現在トップ40ヒットを記録。基本ポップながらも、ヒップホップともロックともとれる独自のスタイルの持ち主です。

 この"All Time Low"、2018年のお正月にブルゾンちえみが新ネタのBGMとして使っていました。どれくらいそのネタをやっているかは分かりませんが……

 

f:id:djk2:20180221201037j:plain

4 Bebe Rexha

関わった主な曲:"The Monster" (Eminem), "Team" (Iggy Azalea) など

 

 このリストの中では一番有名かもしれないのはこのBebe Rexhaです。2015年David Guettaの"Hey Mama"の自身初の客演で初のトップ10を記録して以降は好調で"Me, Myself & I、In the Name of Love"と複数のヒットを記録しています。以前は他のアーティストの客演のような形でヒットを記録することが多かったですが、今年に入ってからは自身の"I Got You"でもHot 100入りを成し遂げ、さらに2018年に入ると"Meant To Be"がトップ10入り。ほか元One DirectionのLouis Tomlinsonの客演を務めるなどシンガーとしてかなりステータスを上げてきたと思います。

 そんなBebe Rexhaですが、Rita Ora・Charli XCX・Cardi Bと共に"Girls"という曲をリリースし、Nicki Minaj・Iggy Azalea・Cardi Bと2010年代を代表する女性ラッパー3人と全て仕事をした(おそらく)唯一のシンガーとなります。(あとはMigosのQuavoくらい)

 

f:id:djk2:20180221201110j:plain

5 Belly

関わった主な曲:The Hills, Earned It, In the Night (The Weeknd) など

 

 パレスチナ系カナダ人のラッパーです。The Weekndの2015年のアルバム"Beauty Behind the Madness"では6曲でソングライトを担当しました。それ以外でもThe Weekndとの関わりがあり、Belly feat. The Weekndの"Might Not"は二人の地元のカナダでヒットしカナダの年間93位となりました。

 

f:id:djk2:20180221201143j:plain

6 Justin Tranter

関わった主な曲:Sorry (Justin Bieber), Centuries (Fall Out Boy), Cake by the Ocean (DNCE) など

 

 下記のJulia Michaelsと組んでソングライトすることが非常に多いです。二人で組んだ曲はJustin Bieberの"Sorry"、Selena Gomezの"Good for You"、Nick Jonasの"Close"など。ただ、Juliaと組まずにソングライトに参加することも多く、上記の"Centuries"や"Cake by the Ocean"がその例です。シンガーとしての活動は少なめで、The KnocksのTied to You程度。

 

f:id:djk2:20180221201230j:plain

7 Julia Michaels

関わった主な曲:Sorry (Justin Bieber), All in My Head (Fifth Harmony), Good for You (Selena Gomez) など

 

 上のJustin Tranterが相方的存在。Justin Tranterと組まずにソングライトした例はFifth Harmonyの"All in My Head"や"Miss Movin’on"※など。Justin Tranterと比べると、シンガーの側面が強く、2014年くらいから表向きにならない(=ft. 表記されない)形でEDM系の曲でボーカルを多く務めています。代表例はCash Cashの"Surrender、ZeddのDaisy"*1と"Straight into the Fire"など。

 2016年あたりからはft. 表記されるようになり、Kygo ft. Julia Michaelsの"Carry Me"はシングル化もされました。そして今年に入って自身のシングル、"Issues"をリリース。

 2017年に入ってからEd Sheeran、Zara Larssonのアルバムにソングライターとしてピンで起用(=Tranter抜き)されました。Issuesでのブレイクを経て注目度が上昇した現れでしょうか。

  2017年半ばには自身のEPもリリースしました。

 

 "Issues"がヒットになってからはシンガーとしても注目を浴び、Maroon 5、Clean Banditの客演も務めました。さらにその後、グラミーの新人賞にもノミネートされるなど(受賞はせず)大躍進を遂げました。

 ソングライターとしても、"Sorry"で組んだJustin Tranter・BloodPopと共にJustin Bieber の"Friends"に関わりました。後にJulia Michaelsをボーカルとして追加したリミックスもリリースされました。

 

f:id:djk2:20180221201317j:plain

8 PARTYNEXTDOOR

関わった曲:Work, Sex With Me (Rihanna) など

 

 Workの客演のDrakeのレーベル、OVO Soundに所属するPARTYNEXTDOOR。彼以外にもRihannaのアルバム"Anti"には多くのヒップホップアーティストやプロデューサーが「裏方」として参加していて、"Woo"にはThe Weeknd、Travis Scott、Jeremih、The-Dreamという面々が。アルバムには入りませんでしたが、"FourFiveSeconds"にもTy Dolla $ignが、"Bitch Better Have My Money"にはKanye WestTravis Scottが「裏方」として参加するなど、近年のRihannaはヒップホップ色が強く見られます。世界的な影響力を持つRihannaが、アルバムを通して多くのヒップホップアーティストやプロデューサーを紹介してくれるのでは?という期待がもしかしたら今後も持てるかもしれません。

 最近ZaynやMajor Lazer、Calvin Harrisの曲でも起用されましたね。Drakeの甘美なR&Bトラックは彼の影響だ!という噂もあるみたいです。

 

※後日追加

f:id:djk2:20171124230439j:plain

9 Starrah 

関わった曲:Havana (Rihanna)、Fake Love (Drake)、 Girls Like You (Maroon 5) など

 

 R&B~ポップスのスタイルを得意とするシンガー / ラッパーです。近年大活躍中で、多くのトップ10や、Calvin Harrisの"Funk Wav Bounces Vol.1"の多くの収録曲に関わっています。2017年にDiploと組んでEPをリリースするなど、シンガーとしても活動しています。詳しくは↓に書きました。


※後日追加 2

f:id:djk2:20181130020148j:plain

10 Benny Blanco

関わった曲:California Gurls (Katy Perry)、Moves Like Jagger (Maroon 5)、 Diamonds (Rihanna) など

 

 この人は以前から裏方としてバリバリ活躍していて、既に1位シングルを量産するなど実績も十分なのですが、2018年に自身の名義をリリースし始めたので、新しく紹介します。 その抜群のソングライトを活かし、Halsey、Khalidを迎えた”Eastside"をヒットさせました。

 

【まとめ】

 この記事のテーマになっているJulia MichaelsのIssues、現在(この記事を最初に書いた2017の1月頃)なんとiTunes Chart (アメリカ)で39位、Spotify (Daily) で115位とヒットの兆しを見せている模様です!

 そのヒットの理由として考えられるのは、Selena GomezがInstagramでこの曲を歌って紹介したからだと思われます。Instagramの女王Selena Gomezの影響は凄まじく、YouTubeのコメント欄に多くの「Selenaのインスタから」コメントが見られます。

※4/23追記 Instagramからその動画は現在削除されました。

 

 このヒットの仕方は少しPPAPと似ていますが、PPAPとこのIssuesと違う点は、以前から2人の関わりがあったという点。PPAPは偶然見つけられた面も多少ありますが、こちらは元々仕事仲間だったので、ある種必然的に見つけられたのかもしれません。Selenaが紹介しなくても、これだけ多くのアーティストと関わりのあるJulia Michaelsの曲ならほかの人が紹介したかもしれませんし。

 

 このように、「裏方」シンガー・ソングライターは新たな出世街道の一つになるかもしれません!これを期に、ヒット曲の「裏方」に注目してみるのも面白いかもしれません!!

 

(この記事を最初作った時はここまでJulia Michaelsが躍進するとは思っていませんでした!)

 

 

 

 

 ・関連記事

 

 


 

 

*1:アルバムリリース時にはアンクレジット・ボーカル=表向きにはft.にならない状態でしたが、2016年にZedd Vevo(=YouTube)に上がった音源にてft. 表記が追加

UK Singles Chart 1/14 【Ed Sheeranの制圧、そして新人のトップ10入り!】

今週のイギリスのシングルチャートが面白い感じなので、特別編ということで記事を作成しました!

f:id:djk2:20170114225812j:plain

 

 

91位 Sia – Move Your Body

シングル化されたMove Your Bodyが早速91位で登場。シングル化に伴い、アルバムバージョンとは違うシングルバージョンがリリースされています。他にもデラックス・エディションにはAlan Walkerが収録されていますね。

 

83位 Olly Murs(人名) – Years & Years(曲名)

Olly Mursの、Years & Yearsという曲が83位で登場。昨年リリースされたアルバム24 Hrsからの3曲目のシングルです。

この曲に関して、こういうやりとりがなされたようですね!↓

74位 The xx – On Hold

今週アルバムがリリースされたThe xxのOn Holdが74位で再登場。アルバムの集計がなされるのは来週のチャートですが、何位になるでしょうか。

ちなみに2009年のファーストアルバムは3位、2012年のセカンドアルバムは1位。そして2015年のJamie XXのソロアルバムは3位でした。

 

50 Migos ft. Lil Uzi Vert – Bad and Boujee

アメリカで今週1位のBad and Boujeeですが、イギリスだとまだ50位。Black Beatlesはイギリスでも2位まで到達しましたが、その再現なるか。

 

43位 Sage the Gemini – Now and Later

Sage the GeminiのNow and Laterが43位で、チャートを上昇中。Sage the Geminiはアメリカ出身のヒップホップアーティストですが、アメリカよりも先にイギリスでヒットの兆しを見せています。オーストラリアでも好調。(今週24位)

※アメリカではまだHot 100にエントリーしていません。

 

33位 Snakehips & MØ – Don’t Leave

SnakehipsとMØのDon’t Leaveが33位で登場。SnakehipsはZayn、Chance the Rapper、Anderson. Paakなど客演(組む相手)がなかなかおもしろいですね。

 

29位 Charli XCX ft. Lil Yachty – After the Afterparty

Charli XCXのAfter the Afterpartyが29位。10月末のリリースでしたが、じわじわと上昇し少しずつピークを更新しています。アルバムリリースは5月と言われていますが、それに向かって順位はどうなるのですかね…?

ちなみにCharli XCX自身のシングルで最高位なのはBoom Clapの6位です。(客演だとI Love Itは1位でした)

※Lil Yachtyにとっても、またプロデューサーのSophieにとっても自己最高位です。

 

28Sean Paul ft. Dua Lipa – No Lie

昨年多くの客演で再び注目を浴びたSean Paul。そんな彼のNo Lieが28位と上昇の兆し。客演はDua Lipa。

 

10位 Steve Aoki & Louis Tomlinson – Just Hold On

アメリカでは下位に沈んでいるSteve AokiとLouis TomlinsonのJust Hold Onですが、イギリスでは好調。2位3位3位12位10位と、登場以降上位をキープしています。ZaynとTaylor SwiftのI Don’t Wanna Live Foreverと同じ週に登場したこの曲ですが、登場以降全ての週でI Don’t Wanna Live Foreverよりも上の順位を記録しています。

 

9位 Jax Jones ft. Raye – You Don’t Know Me

8位 Starley – Call On Me

7位 JP Cooper – September Song

9位、8位、7位には新人がランクイン。Jax Jones、Raye、Starleyは初のトップ10。Jonas BlueのPerfect Strangerで客演を務めたJP Cooperもソロでは初のトップ10。

※Rayeも同じくJonas BlueのBy Your Sideで客演を務めています。しかし、彼女はJonas Blueのコラボ相手、というよりもCharli XCXのコラボ相手という印象が強いと思います。

RayeがAfter the Afterpartyのソングライトをし、逆にCharli XCXがRayeのI, U, USというシングルのソングライトをするなどかなり関わりがありますね。Rayeには要注目かもしれませんね。

 

5位 Little Mix - Touch

今週5週目のアルバム1位を記録したLittle Mix。シングルも好調で、Shout to My Exに続くTouchも5位と上位をキープしています。また、Charlie PuthとのOopsも41位と、上位を伺っています。

 

☆Ed Sheeran

94位 Give Me Love

84位 I See Fire

70位 Don’t

49位 Thinking Out Loud

45位 Photograph

2位 Castle on the Hill

1位 Shape of You

 

Ed SheeranのCastle on the Hill、Shape of Youがそれぞれ2位、1位で登場。それに伴いEd Sheeranの過去の曲が主にストリーミングを伸ばして5曲再登場しました。

イギリスで初登場の曲が1位と2位を同時占拠するのは初めてのようですね。

 

Billboard Hot 100 1/21 【Migos初の1位!しかし来週には強力なライバルが!?】

f:id:djk2:20170111192452j:plain

こんばんは。今週はMigosが1位を獲得しましたが、来週は1位争いの強力なライバルが出てきそうなので、それについても書いています。

↑の写真は他人とのコラボ、客演以外では初のHot 100入りとなったBebe Rexhaです。

※プレイリストは下にあります。

 

100 Ugly God – Water

新人ラッパーのUgly GodのWaterが100位に登場。彼はCarnageのRariという曲で客演を務めるなどの経歴が。

 

95 Brantley Gilbert – The Weekend

ロック寄りのスタイルを得意とするカントリー歌手Brantley GillbertのThe Weekendが95位で登場。曲名はThe Week”e”ndで週末の意味の模様。ちなみにThe Week”e”ndでYouTube検索をかけるとこの曲ではなく”The Weeknd”のStarboyが一番初めに出てきます。

 

94 Bebe Rexha – I Got You

Bebe RexhaのI Got Youが94位で登場。主にポップ系ラジオで好調。Hey Mama, Me, Myself & I, In the Name of Loveなど客演や客演に近い形でのヒットは多くありますが、自身が主役(=自分のアルバム用の曲)だと初のHot 100。今月中にアルバムリリースの予定らしく、そちらも楽しみです。

※I Can’t Stop Drink About Youは115位、No Broken Heartsは109位ピークで惜しくもHot 100に入れず、といった感じだったのでようやく入った!!と言った感じがしますかね…!

 

93 Travis Scott ft. NAV - Beibs in the Trap

Travis ScottのBeibs in The Trapが93位で登場。ビデオ公開の効果でのHot 100入りと思われます。同じくTravis ScottのGoosbumpsも76位と順位を少しずつ上げています。しかし、pick up the phoneは今週限りでチャートから姿を消しました。

 

74 Maren Morris – 80s Mercedes

Maren Morrisの80s Mercedesが91位→74位と上昇。チャートに最初入った時は90位あたりを上下しすぐにチャート圏外へ落っこちてしまいましたが、グラミーの新人賞候補に選ばれた辺りから復調。グラミーの時期に合わせての飛躍も期待できそうか。普段カントリーを聴かない層にヒットするかが成功の鍵でしょうか。

 

41 Auli'i Cravalho – How Far I’ll Go

ディズニー映画Moanaのサウンドトラックが今週アルバム2位まで上昇。それに伴い、同サウンドトラックから4曲がHot 100に。その4曲のうち、Auli’I CravalhoバージョンのHow Far I’ll Goの順位が最も高く、41位。

 

40 Lil Uzi Vert – You Was Right

数週前までは登場からの週数の関係でチャートから落ちる危機にあったLil Uzi VertのYou Was Rightですが、瀬戸際で粘り26週目にしてトップ40に突入。今週40位。現在1位のBad And Boujeeで客演を務めていることもあり、その相乗効果でさらなる上昇も期待できるかもしれません。

 

38 Adele – Water Under the Bridge

Adeleのアルバム25からの4曲目のシングルWater Under the Bridgeが38位でトップ40圏内に。ラジオが18位ながらもダウンロード、ストリーミングが両方50位圏外でバランスの悪いポイントの取り方が気になる所。”25”がアルバム賞にノミネートされたグラミーに乗じてこの曲への注目度を高められるかに注目。

 

37 James Arthur – Say You Won’t Let Go

James ArthurのSay You Won’t Let Goが37位に上昇。自身初のトップ40。母国イギリスではアルバムも1位を獲得し地歩を固めている印象のあるXファクター出身の彼ですが、アメリカでどこまで存在感を発揮できるでしょうか。

 

26 Sia ft. Sean Paul – Cheap Thrills

今週47週目ながらも26位とロングヒットとなっているSiaのCheap Thrills。最近下り調子のThe Greatest(今週32位)の順位が入れ替わりました。ロングヒットの鍵はラジオ。今週12位と高順位をキープしています。53週目以降の曲は26位以下に落ちるとチャートから外れてしまいますが、その壁を突破できるか見ものです。

 

12 Alessia Cara – Scars to Your Beautiful

Alessia CaraのScars to Your Beautifulが12位とトップ10に近づいてきました。ラジオでの好調が際立ち今週ラジオ3位。Moanaのサントラ曲、Troye Sivanの客演を務めるなど2016年活躍の幅を広げた彼女、Hereに続く自身2曲目のトップ10入りなるか。

 

11 Zay Hilfigerrr & Zayion McCall – Juju on the Beat (TZ Anthem)

今週11位とトップ10から落っこちたJuju on the Beat。ラジオが50位にも入れませんでしたが、ストリーミングで爆発的にポイントを稼ぎ一時は5位に。しかし、現在その頼みのストリーミングもSpotifyで127位など陰りを見せていて、これからは急落してしまうかも。

 

1 Migos ft. Lil Uzi Vert – Bad and Boujee

先週2位に入った勢いそのまま1位を獲得したBad and Boujee。ラジオは50位圏外ですが、ダウンロード(2位)、ストリーミング(1位)のポイントで1位を獲得。来週、Ed SheeranのShape of Youとの1位争いを制することができるか。

 

※Shape of Youはダウンロード、ストリーミングで高い数字を記録しているだけでなく、ある程度ラジオのポイントも望めます、1位デビューの線が強いかもしれません。Castle on the Hillもトップ10圏内での初登場の可能性が高そうです。

※ラジオでポイントが望める、と言いましたが過去にShake It Off、Hello、Can’t Stop the Feeling!などが初登場の週からラジオが10位以上になる事例があり、Shape of Youもそれに続くのでは、と考えています。

 

自分の予想 Shape of Youは、Hot 100:1位、ラジオ:9位、ダウンロード1位、ストリーミング2位 です。

Hot 100の順位だけでなく、ラジオ等まで細かく順位予想するのは初めてですが、どこまで当てられますかね……? 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲 Machine Gun Kelly & Camila Cabello – Bad Things

今週最もダウンロードが上昇した曲 Zayn/Taylor Swift– I Don’t Wanna Live Forever

今週最もストリーミングが伸びた曲 Migos ft. Lil Uzi Vert – Bad And Boujee

最も高い順位で新登場した曲 Chris Young ft. Vince Gill – Sober Saturday Night

 

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位)

99 Olivia O'Brien - Hate U Love U

97 Nicki Minaj & Mike WiLL Made-It - Black Barbies

95 Kodak Black - No Flockin

65 Young Thug & Travi$ Scott ft. Quavo - Pick Up The Phone

47 George Michael – Faith

41 Wham! - Last Christmas

35 Mariah Carey - All I Want For Christmas Is You

33 Wham! ft. George Michael - Careless Whisper

 

プレイリスト!!!

年間チャート (Year-End) 関連記事 まとめ

最近年間チャート関連記事を多く書いたので、まとめページを作りました。

2016年の復習に役立つかもしれません。よろしくお願いします。

 

2016年 / アメリカ

年間チャートがどうやって集計されるのか、についての記事です。

 

年間チャートのデータを見て、誰が2016年活躍したかを考察した記事です。

 

過去の年間チャートと2016年の年間チャートを比較して、メインストリームの勢力図の移り変わりを考察した記事です。

 

インディーや評論家たちの勢力図と、メインストリームの勢力図の比較を試みた記事です。

 

2016年/イギリス

イギリスの年間チャートのデータです。

 

考察編。

 

2015年以前

1曲が売れるも、その後Hot 100に入れないアーティスト達についての記事です。

 

最後におまけ アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの年間チャートで誰が多く曲を送り込んだか。

f:id:djk2:20170109204752j:plain

 

2016 UK Singles Chart Year End ② 【年間チャート考察】

イギリスのシングル年間チャートの考察をしていきます。

年間チャートの順位表は↓にあります。


f:id:djk2:20170109002229j:plain

-1 世界的な存在になったDrake

イギリスでの年間1位はOne Dance。さらには、それに加えてイギリスでも年間チャートに送り込んだ曲が最多(タイ)の5曲。

2014年まではイギリスでのヒットが殆どなかった彼でしたが(Hold On~と、リアーナと組んだ曲くらい)、2015年のHotline Bling以降は存在感を発揮し、2016年はイギリスのシングルチャートの主役に。

今まであまり縁がなかったイギリスのシングルチャートも制し、さらに上のステージに進んだ感があります。

 

-2 主役その2Justin Bieber

Drakeと同じく5曲を年間チャートに送り込んだのはJustin Bieber。Love Yourself, Cold Water, Sorry, Let Me Love You, What Do You Mean、というアメリカの年間チャートと共通の曲がイギリスの年間チャートにも入りました。

ただ、集計時期がアメリカよりも約1ヶ月半あとなので、Purposeからのシングルはアメリカより低めです。

※アメリカの年間チャートの集計2015年11月半ば ~ 2016年11月半ば

 イギリスの年間チャートの集計2016年1月 ~ 2016年12月

 そしてPurposeのリリースは11月。つまりイギリスの場合、少し2015年分にカウントされる分がある、ということです。

 

―3 Siaはイギリスのほうが人気?

上記の2人の5曲に次ぐ多くの曲を年間チャートに送り込んだのはSia (4曲)。Cheap Thrillsが3位に入ったほか、The Greatest, Bang My Head, Chandelier(!?後述します) 

チャート方法の集計の違いもあるので一概には言えませんが、2016年のCheap Thrills(イギリス3位・アメリカ11位)、2015年のElastic Heart(イギリス32位・アメリカ52位)、そして2016年の年間チャートに送り込んだ曲の数(イギリス4曲・アメリカ2曲)などと、イギリスでの人気の方が少し高いのかな、と感じました。

(ちなみにSiaはオーストラリア出身)

 

-4 Rihannaの安定感

Siaと同じ4曲が年間チャートに。うち2曲はDrakeと組んだ曲で、Too Goodはなんと週間ピークが3位まで到達し、Drakeのイギリスでの躍進を強力にサポートしていました。ちなみに3位ピークはOne Danceに次いでDrakeメインの曲の中では2番目の成績です。

またNeeded Meは週間ピークがとかなり低い数字の38位ながらも年間チャートに入りました。

アルバムAntiは以前と違う作風でしたが、Rihannaの人気は不変のようです。

 

―5 イギリスの年間チャートでの期待の新人

上記の4人以外で多くの曲を年間チャートに送り込んだのはCalvin Harris, Adele等の以前から活躍するイギリス人、そしてアメリカでも活躍したDJ Snake, The Chainsmokers, Major Lazer等のDJ/プロデューサー など。(いずれも3曲が年間チャートに)

彼らと同じ3曲を年間チャートに送り込んだ期待の新人が。

それはZara LarssonLush Lifeが年間6位に入ったほか、Tinie TempahとのGirls Like、MNEKとのNever Forget Youが年間チャートに。This One’s For Youは惜しくも年間チャート入りならず。

Ain’t My Fault、I Would Likeとその後もヒットを連発し、さらには2017年序盤にアルバムをリリース予定と今年も大活躍しそうです。2017年の年間チャートは、2016年よりも多くの曲を送り込む可能性もあるかもしれませんね。

 

―6 イギリス代表のポップグループ        

One Directionが活動休止し、人々の興味がメンバーそれぞれのソロ活動に移りましたが、Little Mixは健在。Shout Out to My Ex、Secret Love Song、Hairの3曲が年間チャートに。年間チャートに3曲も入るのはLittle Mixにとって初で、イギリス代表のポップグループの座を確保したと言えそうです。アメリカでのヒットはまだ少ないので、今後のアメリカでのヒット具合も気になります。

 

―7 客演で存在感を示したのは?

客演で最も存在感を示したのはSean Paul。Cheap Thrills、Rockabye、Hairと全て客演でのエントリーですが、ダンスホール風の曲の流行に乗った見事な復活劇と言えそうです。今年も客演仕事が多く舞い込むのでしょうか。また、Dua Lipaを客演に迎えたNo Lieという自身がメインの曲もリリースしたようで、アルバム等、彼メインの活動も気になります。

※その他3曲を年間チャートに送り込んだのは、MØとAriana GrandeとThe Weeknd。

 

―8 ブリティッシュな面々1

ここではイギリスらしい面子をチェックしていきます。まずはロック編。ColdplayがHymn For The Weekend, Adventure of Lifetimeを年間チャートに送り込んでいて、これはアメリカと同じなのですが、BastilleのGood Grief, The 1975のThe Soundというアメリカの年間チャート(シングル)にいない面々が。

この2曲は両方ともアメリカでは週間のHot 100に入っておらず、イギリス特有のヒットとも言えるのかも。しかしBastilleは2014年にPomepiiがアメリカで年間12位のヒット、The 1975も昨年アルバムがアメリカで1位獲得など、アメリカでの知名度はあるはずなので、アメリカのHot 100で受けなかったのは意外な結果ではあるかも。

 

-9 ブリティッシュな面々2

上記のようにDrakeが存在感を発揮した2016年でしたが、イギリス人のヒップホップアーティスト達はどうなのでしょうか。年間チャートに入ったのは、Girls Like (Tinie Tempah)、When The Bassline Drops, Nothing Like This (いずれもCraig David)、Shut Up (Stormzy)、IN2 (WSTRN)。中でもCraig Davidはアルバムも1位など、2016年活躍した一人といえるでしょう。スタイルはヒップホップというよりもハウス寄りでしたが。

評論面ではSkeptaが賞賛されていましたが、年間チャート入りはならず。グライム自体も93位のShut Upくらいで、チャートでの存在感は示せませんでした……

 

-10 超低ピークの年間チャート入り

最後にチャートマニアなポイントです。

2014年の半ばにストリーミングが導入されたイギリスのチャート。それ以降曲のチャートの動き方がかなり変わってきました。

それ以前は曲のセールスのみの判定だったので、曲がリリースされた週が勝負!それ以降は落ちるのみ…という感じでトップ10が目まぐるしく入れ替わっていたのですが、ストリーミング導入以降はセールスが落ちてもストリーミングでカバーできるため、上位に入った曲が順位をキープしやすくなりました。その結果何が起こるかというと、週間のピークが高くなくても、低空飛行を続ければ年間チャートにも入ることが可能になったというわけです。

例えば

2015年の年間チャートに入った曲の中でピークが最も低いのはOne Last Timeの24位。(2015年当時のピーク)

2016年の年間チャートに入った曲の中でピークが最も低いのはNeeded Meの38位。

さらに

ストリーミング導入前の最後の年の2013年の年間チャートでピークがトップ10に達していないのは8曲(Latch, Explosions, I Will Wait, Chocolate, A Thousand Years, Treasure, Do I Wanna Know, Radioactive)

2016年だとそれがなんと27曲!とてつもない増え方です。

 

前述したChandelierも、2016年のピークは35位ながらも低空飛行を続け、2014年リリースの曲ながらも2016年のチャートにも入ることができました。

ちなみにアメリカだと21週目以降51に”落ちる”とチャートから消えるルールがあるので、51位以下の低空飛行は年間チャートの対象外になるのでこのような現象は起こりません。

 

このように、ストリーミングの導入がイギリスのシングルチャートを大きく変えていて、このテーマは研究し甲斐があると考えています。

 

おまけ

アメリカVSイギリス、誰が多く曲を年間チャートに送り込んだか

 

f:id:djk2:20170109002042j:plain