チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Billbaord Hot 100 6/3 見どころ【Miley Cyrus、Selena Gomez、Demi Lovato揃い踏み】

f:id:djk2:20170524195559j:plain

Selena Gomez、Miley Cyrusの新曲が注目を集めていますが、それに合わせて(同じくディズニーチャンネルをルーツに持つ)Demi LovatoもHot 100に登場!客演ですが。

 

↑プレイリストには原曲のGhost in This Houseが入っていますが、今週Hot 100入りしたのはLauren Duskiのカバーです。

 

100 Shakira – Me Enamore (New)

今週末にアルバムをリリース予定のShakira。そのアルバムからのMe Enamoreが100位で登場。アルバムの多くはスペイン語曲ですが、Cashmere Cat, Julia Michaels等のソングライトした英語曲も収録されるようです。客演陣はNicky Jam、Magic!など。また、メキシコやスペインで一位を獲得するなどスペイン語圏で絶大な支持を得て、Hot 100でも51位にもなったMalumaとのChantajeもアルバムに。

 

98 Lauren Duski – Ghost in This House (New)

The Voiceに出場するLauren DuskiによるShenandoahのGhost in This Houseをカバー。今週12番目に多いダウンロードを記録して、Hot 100の98位に登場。今後数週間はThe Voice勢のランクインが続きそうです。

 

95 Cheat Codes ft. Demi Lovato – No Promises (New)

数週間前からチャートに入りそうだったNo PromisesがついにHot 100に登場!95位。Cheat Codesはアメリカ出身ですが、これが初のHot 100。(昨年SexがHot 100にニアミスしていました)イギリスでは既に5曲のトップ40*1を記録しているので、遅れてきた新人のような感が。現在既にポップ系ラジオで支持を得ていますが、どこまで勢力を伸ばせるでしょうか。2013年のHeart Attack以来トップ10の無いDemi Lovatoにとっても少し勝負所かもしれません。*2

 

93 Maluma – Felices Los 4 (New)

前述のShakiraと同胞、コロンビア出身のMalumaのFelices Los 4が93位で登場。Despacitoが現在1位と勢いに乗って、他のラテン系歌手がどこまで勢力を伸ばせるかどうか、見ものです*3。特にアメリカでもヒットの多いShakiraとChantajeで共演したMalumaは注目株なのかもしれません。また、チャートでの成績だけでなく評論家から高評価を得るラテン系曲、アーティスト、アルバム*4が出現するかどうかも着眼点だと思います。

 

92 Imagine Dragons – Whatever It Takes (New)

6月にアルバムをリリース予定のImagine Dragons。Whatever It Takesが92位で登場。

ここまでリリースした収録予定の3曲が全てHot 100入りと好調。前作に引き続きのアルバム1位に加え、シングルヒットも期待できそうです。Believer(現在20位)は既に前アルバムのI Bet My Lifeのピークの26位を超えています。

 

87 Zac Brown Band – My Old Man (Re)

今週のアルバムチャートで新アルバムが2位だったZac Brown Band。それまでは3アルバム連続で1位だったのですが、今回はHarry Stylesとの1位争いに敗れました。そのアルバムからはMy Old Manが87位で再登場。アルバムチャート1位のHarry Stylesほか、6位ParamoreのAfter Laughter、8位Machine Gun KellyのBloom等、新アルバムリリースが多い週でしたが、Hot 100への影響はあまり無かったです。

 

80 Selena Gomez – Bad Liar (New)

PitchforkからBest New Track認定も受けたSelena GomezのBad Liarが80位で登場。これもまた木曜日リリースで真価が分かるのは来週、ということに。3週連続で木曜リリースの曲がHot 100に入ったことになるのですが、謎のトレンドですね。世界的にシングル/アルバムのリリースは金曜日になっていてチャートもそれに合わせて集計されているので、

木曜日リリースだと、リリース当日しかチャートに集計されず、第1週では低い順位が出るのです。たしかに、多くの曲が金曜日にリリースされるサイクルだと、木曜日は一番新曲が待ち遠しい日ではあるのですが、このリリース方法って何か効果があるのでしょうか。

 

62 Calvin Harris ft. Future & Khalid – Rollin (New)

ヒップホップ、R&B界隈の大物が集結するアルバムを6月末にリリース予定のCalvin Harris。そのアルバムから3曲目の先行シングル、FutureとKhalidを迎えたRollinが62位で登場。Young Thug、Pharrell Williams、Ariana Grandeが客演のHeatstrokeの96位より好調な出だし。Slideも徐々に調子を上げてきていて今週25位。同時期にリリースされたZeddのStay、KygoのIt Ain’t Me、The ChainsmokersのSomething Just Like Thisは既にトップ10入りしていて、それと比べると遅れをとっていますが、Slideはどこまで行けるか。

 

59 Katy Perry ft. Migos – Bon Appétit (Re)

ビデオのリリース等もあってKaty PerryのBon Appétitが59位で再登場。初登場した週の76位を上回っていて、ビデオのプロモーションが有効だったということですが、これを今後にどこまで繋げられるかが鍵でしょう。今週88位と沈んでいるChained to the Rhythmのリベンジなるか。

 

36 Jason Derulo ft. Nicki Minaj & Ty Dolla $ign – Swalla (↑)

イギリスで今週7位(ピーク6位)と好調のJason DeruloのSwallaが母国アメリカでもようやくトップ40入り。36位。彼にとってWant to Want Me以来2年ぶり。また客演のTy Dolla $ign。多くの曲で客演を務めている印象のある彼ですが、意外と客演でのトップ40入りはWork from Homeに次いで2曲目なようです。

 

15 Kyle ft. Lil Yachty – iSpy (↓)

iSpyが今週15位。Hot 100のピークは4位、かつポップ系ラジオでピーク19位などヒップホップリスナー以外にも人気が飛び火して、夏を代表するアンセムになるのでは?と個人的に期待していましたが、今週トップ10から外れてしまいました。もちろん、新人のピーク4位は大健闘です。

 

10 Miley Cyrus – Malibu (↑)

はじめて1週間分のポイントがチャートに集計された今週、Miley CyrusのMalibuが10位まで上昇。2013年のWrecking Ball以来のトップ10に。前アルバムでは先行曲のWe Can’t StopをトラックメイカーMike Will Made-It*5が担当するなど、アルバムを通してヒップホップの影響を強く受けた作風でしたが、このMalibuはギターサウンドポップス系。そして風貌も2013年の坊主など奇抜な者から一転して「清純派」に。アルバムもこの作風でしょうか。

 

× DJ Khaled ft. Beyoncé & Jay-Z – Shining (↓)

I’m the Oneで豪華客演陣を携え、自身初の1位を獲得しキャリアを軌道に載せているDJ Khaledですが、意外とその前のシングル、BeyoncéとJay-Zを迎えたShiningはそこまでヒットせず。先週までピーク57位、チャート滞在13週と微妙な成績。リリースが急に行われたこと、ビデオをリリースしないなどプロモーションが不十分だったからですかね。そもそも勝負曲はI’m the Oneでこちらはあまり売る気はなかったのかもしれませね。豪華客演陣の名前に負けない好チューンだと思うのですがね…!

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

今週最もダウンロードが上昇した曲 Miley Cyrus - Malibu

今週最もストリーミングが伸びた曲 Miley Cyrus - Malibu

最も高い順位で新登場した曲          Calvin Harris ft. Future & Khalid - Rollin

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

Play-N-Skillz ft. Frankie J, Becky G & Kap G - Si Una Vez (Shazam 38位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 35位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 34位)

Trey Songz – Nobody Else But You (Shazam 42位)

Liam Payne ft. Quavo – Strip That Down (Spotify 46位)

 

注目はLiam PayneのStrip Down。制作陣にEd Sheeran、客演Quavoとトレンドを吸い上げた一曲でダウンロード/ストリーミングで好調。Hot 100の順位ではZaynのPillowtalk(1位)、Harry StylesのSign of the Times(4位)~Nial HoranのThis Town(20位*6)程度ですかね。

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

100 Marian Hill – Down

99 Lil Yachty ft. Migos – Peek A Boo

98 Drake – Gyalchester

95 Big Sean – Moves

94 Ed Sheeran – Galway Girl

91 Lord Huron – The Night We Met

89 Chris Stapleton – Either Way

85 DJ Khaled ft. Beyoncé & Jay-Z

71 Logic – Everybody

 

 

*1:ウィキペディアや公式のページを見ると、Sex、Let Me Hold You (Turn Me On)、No Promises、Shed A Lightの“4”曲がトップ40に入ったように思えますが、Pretty Girlのリミックスが考慮されていないので、実質5曲です。UK Official Chartsはこの曲の原曲バージョンをチャートに載せていますが、UKシングルチャートの調査対象のダウンロード、ストリーミングではいずれもリミックスバージョンがヒットしているので、この曲はリミックスが人気と判断して良いでしょう。

*2:そういえば今年のグラミーのベストポップアルバムの候補に挙がっていましたね、Demi Lovato。しかしそのアルバムからのCool for the Summerは11位と惜しくもトップ10入りせず。アルバムチャートでもPentatonixに敗れ2位でした。

*3:DespacitoのLuis Fonsi、Daddy Yankeeはプエルトリコ人で同胞ではないですが

*4:ラテン系アーティストは、オリジナルアルバムというよりは、ベストアルバムに近いことが多い?気がします。

*5:この曲はピーク2位で惜しくも1位獲得ならず。しかし昨年Mike Will Made-Itは見事Black Beatlesで1位を獲得。今年に入ってからもHUMBLE.でも1位を獲得

*6:初登場時ではなく、ピーク順位

半年経過時点での年間チャート予想!?【トップ10大胆予想】

f:id:djk2:20170521223733p:plain

チャート大好きな私ですが、その中でも特に大好きなのが年間チャート!今回は2017年の年間チャートの予想をやっていこうと思います。

 

 

※2018年版の予想記事はこちら↓ 2017年の予想が結局どうだったのか?ということにも触れています。

 

 ところで、まだ5月も終わっていないのに、なぜ【半年】なのでしょうか。それはビルボードが年間チャートの集計を12月-11月の期間で行っているからです。さらに、雑誌特有の進んだ日付で○○号を出すことから、既に5月最後のチャートが発表されているので、この時期が年間チャート的には半年時点なのです。詳しいことは↑の【年間チャート入門】に書いてあります。

というわけで、予想を早速発表したいと思います。半年時点での【大胆予想】で、要は未来のことを予想しているので、大外れの可能性も0ではないです…!はい!

 

5/21 時点での年間チャート 【大胆予想】 はこれだ!!!

1 Ed Sheeran - Shape of You

2 Bruno Mars - That's What I Like

3 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

4 Migos ft. Lil Uzi Vert - Bad and Boujee

5 Kendrick Lamar - HUMBLE.

6 The Chainsmokers ft. Halsey - Closer

7 DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne - I'm the One

8 TAYLOR SWIFT UPCOMING SINGLE

9 The Chainsmokers & Coldplay - Something Just Like This

10 Post Malone ft. Quavo - Congratulations

 

下線はちょっとした博打枠です。

正直????が止まらない予想だと思います。UPCOMING SINGLEって………どうしてこういう予想をしたのか段階を追って説明します。

 

予想のステップ① 過去のチャートと見る

未来のことは妄想で当てるしか無いのですが、その妄想の精度を上げるには過去の事例を比較・検証すれば良いのです。ここ3年の年間チャートトップ20のデータをまとめました。

※表の見方

①=トップ10入り週数 (ロングヒットかどうか、目安となりやすい指標)

②=ピーク順位 *週数*1 (最大風速)

③=トップ10入りした月 (いつの時期のヒットかの目安)

 

2016

  曲名
1 Love Yourself 24 1*2 12
2 Sorry 18 1*3 12
3 One Dance 20 1*10 5
4 Work 18 1*9 2
5 Stressed Out 14 2 1
6 Panda 17 1*2 4
7 Hello 15 1*7 12
8 Don't Let Me Down 23 3 5
9 Can't Stop the Feeling! 15 1*1 5
10 Closer 15 1*12 8
11 Cheap Thrills 18 1*4 7
12 7 Years 15 2 3
13 Neede Me 16 7 5
14 My House 11 4 2
15 I Took A Pill in Ibiza 14 4 3
16 Work From Home 15 4 4
17 This Is What You Came 19 3 5
18 Cake by the Ocean 7 9 3
19 Me, Myself & I 12 7 2
20 Pillowtalk 16 1*1 2

 

2015

  曲名
1 Uptown Funk 31 1*14 12
2 Thinking Out Loud 23 2*8 12
3 See You Again 19 1*12 4
4 Trap Queen 25 2 3
5 Sugar 21 2 1
6 Shut Up And Dance 18 4 4
7 Blank Space 16 1*6 12
8 Watch Me 18 3 7
9 Earned It 18 3 3
10 The Hills 18 1*6 8
11 Cheerleader 16 1*6 6
12 Can't Feel My Face 19 1*3 7
13 Love Me Like You Do 15 3 2
14 Take Me To Church 16 2 12
15 Bad Blood 13 1*1 6
16 Lean On 10 4 8
17 Want To Want Me 9 5 5
18 Shake It Off 11 4 12
19 Where Are U Now 3 8 7
20 Fight Song 9 6 7

 

2014

  曲名
1 Happy 22 1*10 2
2 Dark Horse 22 1*4 1
3 All of Me 23 1*3 3
4 Fancy 17 1*7 5
5 Counting Stars 21 2 12
6 Talk Dirty 18 3 2
7 Rude 16 1*6 6
8 All About That Bass 16 1*8 8
9 Problem 16 2 3
10 Stay With Me 21 2 6
11 Timber 16 1*3 12
12 Pompeii 15 5 2
13 Shake It Off 13 1*4 9
14 Am I Wrong 14 4 6
15 Turn Down For What 15 4 4
16 The Monseter 10 1*4 12
17 Say Something 14 4 12
18 Team 14 6 2
19 Let Her Go 12 5 12
20 Royals 11 1*1 12

 

懐かし?の曲たち……次にこの表をどのように見ていくかを説明します。

 

予想のステップ② 過去のチャートから、トップ10に入る曲の要素を探す

意外と上位に入る曲、意外と低めな曲が何曲かあると思いますが、そういう【意外さ】にも目を付けながらポイントを見ていきます。

・年の前半にピークがある曲が強め

これはピークの後のポイントが次の年に持ち越されないからです。特に2016年のトップ10は9曲が年の前半に既にトップ10入りしています。これがこの時点でもある程度年間チャートを予想できる理由だったりします。2015年も同記録が8曲、2014年は7曲とわりかし年の前半にヒットした曲が有利といえます。

さらにそれぞれの年のトップ2に目をつけると、どれも遅くとも2月にはトップ10入りしていることが分かります。トップ2くらいに入るにはほぼ通年のチャート入りが求められているということです。

 

・トップ10週数が長い曲など、ロングヒットの曲が強め

ピークが2,3,4など1位に到達していなくても、ロングヒット、とくに遅咲きの曲なら1位の曲よ上に行くことはかなりあります。上の表にはありませんが、2013年の年間3位のRadioactive(ピーク3位)が良い例でしょうか。2015年のShut Up And Dance、2016年のDon't Let Me Downも似たような事例です。ロングヒットの中でもラジオで強みを見せた曲は上に来る傾向があるように思えます。ここではロングヒットの指標としてトップ10入り週数を挙げましたが、最終的なチャート滞在週もロングヒットの指標のひとつです。例えば、2016年のPillowtalkが1位を獲得してかつトップ10入り週数も16と悪くないながらも年間20位なのは最終的なチャート滞在週がわずか24週。似たような条件のPanda=38週と大きく差があります。

 

・全体的な大枠は、前半ヒット約8曲+後半ヒット約2曲

上の要素を組み合わせて、前半のヒット約8曲+後半のヒット約2曲というざっくりとした組み合わせで予想していきます。「後半ヒット」をさらに2種類に分けると、ロングヒット枠+突如現れた大型ヒット枠と考えています。

 

予想のステップ③ 上記の予想と今年のヒットを見比べる。

上の表の2017年版を用意しました。

Shape of You  18+ 1*12 1
Closer 17 2 12
Black Beatles 12 1* 12
Starboy 12 1*1 12
Bad and Boujee 14 1*3 1
That's What I Like 13+ 1*1 3
Something Just Like  10+ 3 3
HUMBLE. 6+ 1*1 4
Despacito 4+ 1*? 5
I'm the One 2+ 1*1 5
Stay? 2+ 7 5
Congratulations? 0 12 ?
Unforgettable 0 29 ?
Now or Never 0 32 ?
Attention 0 53 ?

 

既にヒットした曲のなかでトップ10入りの可能性がある曲、もしかしたらこれからヒットするかもしれない曲のリストです。この表の中から、「前半ヒット」8曲をピックアップします。

 

・Shape of You

おそらく今年のダントツ1位シングル。1月リリースで時期もよく、また18週目の現在でも5位をキープと長持ち。現在もラジオ、ストリーミングで高水準の数字をキープしていてロングヒットになるだろう。1位に12週という最大風速も良いです。

 

・That's What I Like

3月リリースながらも、他に大きなライバルがいないため2位の有力候補にしました。1位は1週と短いですが、2位の期間が長かったり、ラジオでの支持が高くトップ10に長く居座りそうという点が高ポイントにつながるかと思います。今後どこまで上位に居座れるかがポイントです。

 

・Despacito

5月~8月あたりのチャートを制覇するのでは、と予想し3位。2016年のOne Dance、2015年のSee You Againのようなチャートアクションを取ると予想しています。場合によってはThat's What I Likeを抜いて2位もありそうです。

 

・Bad and Boujee

ラジオのポイントが不足したせいか(ラジオのピーク13位)、トップ10入りの週数が14位と心もとないですが、1月ヒットという時期の良さと、最近20以前後で粘っていてそれなりにロングヒットになりそうな点から4位にしました。

 

・HUMBLE.

上のBad and Boujeeと同じく、ラジオで苦戦しそうなHUMBLE.。しかしストリーミングで記録的な数字を飛ばし続けていて、I'm the One、Despacitoの強力な刺客たちにも負けずに7週連続でUSのSpotifyの1位をキープ中。今後いかにラジオのポイントを上昇させるか。それ次第で年間チャートでの順位が決まりそう。今後ラジオでの上昇の期待も込めて5位です。それよりも上位に入るにはリリースがやや遅いと思います。

 

・Closer

ちょっとびっくり枠だと思います。2016年も年間10位だったのに、2017年も本当に年間6位となったらかなりの化物。実際にこの曲は既に歴代最長タイの32週のトップ10入りを記録していて、「化物」に相応しいと思います。実際タイ記録をCloserと共有するLeanne RimesのHow Do I Liveも1997年間9位→1998年間5位と推移していました。

さらに、ビルボードは年をまたぐ曲は2年目がやや強く感じるケースがあり、例えば2010年のBruno MarsのJust the Way You Are。ピークは10月で2010年ながらも、2010年間18位→2011年間15位という結果に。

これらのことを踏まえて6位予想にしました。

 

・I'm the One

ビーバー2曲目。ラジオでかなり影響力を持ちそう。昨年のCold Waterと似たヒットになりそう。Cold Waterよりリリースが早いのでこの順位に。元々はChance the Rapperの帽子に影響されてか(?)、この曲を年間3位だと思っていましたが、Despacitoの勢いの方が強そうなので、Despacitoを上にしました。どこまで上位に踏みとどまれるかがカギでしょう。

 

・Something Just Like This

ピーク3位で、現在7位。しかしラジオが好調でもう少し伸びそう。ちょっと上位期間が短い気もしますが、他のライバルを鑑みると、これくらいの順位に入る可能性はあります。ただParisが最近急速に順位を落としているところを見ると、やや心配。

 

以下が前半ヒットの8曲です。Starboy、Black Beatlesは去年のポイントが高めで、今年のポイントはトップ10には足らないのではないか、と考え外しました。両方ともチャートから落ちる速度が早めでした。

 

予想のステップ④ 「後半ヒット曲」を妄想する

「後半ヒット曲」枠のうち、まず「ロングヒット枠」の曲を予想していきます。現在既にチャート入り週数が長め、かつ伸びしろが感じられる曲……の条件に当てはまったのは……

Post Malone ft. Quavo - Congratulations !!!

です。現在まだピーク12位で年間のトップ10に入るのには完全に物足りないですが、この曲に伸びしろを感じるのです。

・ラジオでの伸びしろ

この曲はラジオのポイントをほとんど稼いでいないようです。しかしHip-Hop & R&B系ラジオで最近かかりはじめているようで、今週ようやく48位に登場。まだまだ低いですが、裏を返せばそれだけ伸びしろが残されているということです。ポップ系ラジオでもかかり始めているようで、そちらにも期待がかかります。

・スルメ曲?

だと思います。現状20週目のチャート入りなのですが、それでも伸びしろがかなりあるのがすごい。上で述べた「ロングヒット」が有利という点に当てはまります。ストリーミングでの数字を高くキープし続けられれば、上位に入るでしょう。Spotifyでもじわじわ順位を上げています。

 

……とは言ったものの、かなり博打枠です。少し前まではこの枠はポップ系ラジオでもかかり始めたiSpy推しだったのですが、最近トップ10を外れそうになってしまい、推し変をしました。まだトップ10にすら入っていないこの曲も、いつか「推し変」されてしまうかもしれません………とはいえポテンシャルはあると思います。

 

そして最後の枠……

今年は上位の入れ替わりが激しく、前半のヒット曲はShape of You以外数字上では小粒でした。さらに後半の特大ヒットが年間トップ10に1曲は食い込む過去の傾向から、何か見知らぬシングルがトップ10に入るであろうと思われます。最近リリースされたMiley CyrusのMalibuやSelena GomezのBad Liarも候補には上がります。この2曲はヒットはすると思いますが、「特大」までいくような曲かは微妙な気がします。*2

後半から特大ヒットで巻き返せるような知名度があって、さらに今年に曲orアルバムをリリースする可能性がある人なんているか……………いた!!!!!

 

f:id:djk2:20170522001920j:plain

Taylor Swift様です。あくまで憶測の域ですが、今年にアルバムをリリースする説もあるようです。前アルバムが2014年なので、時期としてはあるかもしれませんね。前アルバムの盛況ぶりを見ると、シングルは特大ヒットするでしょう。7月~8月リリースなら年間トップ10に間に合うと思います。

ということから、完全な「妄想」ですが、年間トップ10の座のうちの一つをTAYLOR SWIFT UPCOMING SINGLEにします。

 

最後に予想をもう一度。

1 Ed Sheeran - Shape of You

2 Bruno Mars - That's What I Like

3 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

4 Migos ft. Lil Uzi Vert - Bad and Boujee

5 Kendrick Lamar - HUMBLE.

6 The Chainsmokers ft. Halsey - Closer

7 DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne - I'm the One

8 TAYLOR SWIFT UPCOMING SINGLE

9 The Chainsmokers & Coldplay - Something Just Like This

10 Post Malone ft. Quavo - Congratulations

 

下線はちょっとした博打枠です。

 

未来を妄想しているだけなので、どこまで当たるかは不明です。ただ、予想はすごく楽しかったですし、予想の仕方は様々あると思うので、皆さんも予想してみてください!そしてその予想を是非私に教えてください!!!

 

おまけ Quavo!Quavo!Quavo!

上記の予想ではQuavoがトップ10に三曲も名を連ねていることになっています!(Migosの一員なので)今年Migosの勢いが凄さを証明しているか、と思います。実際何曲Migos、またQuavoの曲がトップ10までに入るかはまだ不明ですが、年間100位までのエントリー曲数で、Quavoが最大になる可能性は十分にありそうです。

現在Quavoの曲で年間チャートに入りそうなのは、Bad and Boujee、T-Shirt、I'm the One、Congratulations、Portland(当落線上)、そしてSlippery、Bon Appétit次第では7曲まで到達。将来的なリリース次第ではさらに増える可能性もありますね。

ライバルはKendrick Lamar。HUMBLE.、DNA.、Don't Wanna Knowがほぼ当確。そしてThe Greatest、Goosebumpsが有力、そして場合によってはLoyaltyも入るかもしれませんね。

年間100位圏内へのエントリー数、という視点でもこれからのチャートを楽しんでいきたいです!

 

 

*1:1位曲のみ

*2:曲の良し悪しではなく、ヒットするかどうかという論点で

5/19 リリースの新曲の初動 

f:id:djk2:20170520235344p:plain

新企画です。今週にリリースされた新曲の調子はいかが?ということを探ろうと思います。

新リリース曲の調子を知りたい方、また単に今週どんな曲がリリースされたかを知りたい人にもオススメの記事です。

今週リリースされた曲のアメリカでのSpotifyiTunesでの初動を調べるというものです。

まずはSpotify。ソースは これ

 

Spotify Daily 5/19  

1 Kendrick Lamar HUMBLE.
2 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber Despacito
3 DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
4 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
5 Future Mask Off
6 Kendrick Lamar DNA.
7 Selena Gomez Bad Liar
8 Logic ft. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
9 Post Malone ft. Quavo Congratulations
10 Miley Cyrus Malibu
40 Liam Payne ft. Quavo Strip That Down
54 Katy Perry ft. Nicki Minaj Swish Swish
57 Camila Cabello Crying in the Club
98 Bebe Rexha ft. Lil Wayne The Way I Are (Dance With Somebody)
139 Linkin Park Sorry For Now
152 XXXTENTACION Looking for a Star
162 Lil Yachty X Men
174 Francis and the Lights ft. Chance the Rapper May I Have This Dance
191 Robin Schulz ft. James Blunt OK

★トップ10は参考までに載せていますが、太字以外は新曲ではないです。

※Selena GomezのBad Liarは木曜日リリース。

今週リリースの曲の中で一番勢いがあるのはSelena GomezのBad Liar。Pithcfork様からBest New Track認定を頂くという快挙も成し遂げています。木曜日なのもあって、来週のHot 100にすぐに登場しそう(他の今週リリースの曲は再来週のHot 100で登場)。現在Justin BieberがHot 100を制圧していますが、それにどこまで対抗できるでしょうか…?

2番人気は元One DirectionのLiam Payneのソロデビュー曲。Ed Sheeranがソングライトし、客演がQuavoという流行を取り入れた布陣。本人はヒップホップを意識した曲を作ると述べているようですが、どちらかというとEd Sheeran成分強めですかね。(特に"Don't"っぽい……?)

それに次ぐSwish SwishCrying in the Clubは制作陣に注目。

Katy Perryの新曲Swish Swishは前シングルBon Appétitに引き続きダンサブルな曲に。制作陣にはDuke Dumontの名が!彼はイギリスでは1位シングル2曲+2位シングル1曲とヒットを何回か飛ばしていますが、アメリカでのHot 100入りは今までなし。アメリカ人のKaty Perryとしては意外な所を呼んだな、とも思いますが、昨今ポップス界で影響を強めるストリーミングサービスとは合いそうな曲調で、ヒットを多少は期待できるかもしれません*1。少し復調?してきたBon Appétitとともにアルバムでどこまで巻き返すかに注目です。

元Fifth HarmonyのCamila Cabelloのソロデビュー曲Crying in the ClubはBenny Blanco、Sia、Cashmere Catと強力な布陣。さらにChristina AguirellaのGenie in a Bottleもサンプリングするというなかなか濃い一曲。LordeやCharli XCXも賞賛する1曲ですが、成功を掴めるか…?この曲がCamilaのソロキャリアを左右するでしょうかね。

あとBebe RexhaThe Way I Are (Dance With Somebody)。このシングルは3枚目のEP(今年出したEPの続編)からのシングルらしいです。アルバムは出さずにEPを出しまくるのか……ちなみにその今年出したEPのシングルの、Ty Dolla $ignとのBad BitchがSpotify 78位でそのうちHot 100に登場するかもしれません。

最後にLinkin ParkSorry For Now。今週アルバムをリリースした彼らですが、シングルのHeavy(Spotify157位)を上回るアルバムで1番人気の曲だそう。ダウンロードでは現在アルバム1位のようですが、ストリーミングでの数字が足りていないような……先週アルバムをリリースしたHarry Stylesとのレースを制することができるか。

 

最後に iTunes

1 Liam Payne ft. Quavo Strip That Down
3 Selena Gomez Bad Liar
9 Camila Cabello Crying in the Club
15 Katy Perry ft. Nicki Minaj Swish Swish
32 Logan Paul ft. Why Don't We Help Me Help You
84 Bebe Rexha ft. Lil Wayne The Way I Are (Dance With Somebody)
88 Muse Dig Down

 

こちらだとLiam Payneが一番人気。ちなみにほぼダウンロードのみでHot 100に入るためのボーダーラインは25位~20位くらいです。

*1:「プロモーショナル」シングルらしいですが

Billboard Hot 100 5/27 見どころ 【約10年前に大活躍だったChris Brown、Justin Timberlakeの現在地】

f:id:djk2:20170517223053j:plain

こんばんは。今回のテーマはこの2人!Chris BrownJustin Timberlake。今週、彼らの曲がチャートから外れたのですが、それまでその曲がどのようなチャートアクションを取ったのかということから、彼らの現在地を探ろうと思います。

 

 

89 Chris Stapleton – Either Way (New)

アルバムの「セールス」では1位だったものの、ストリーミング等を加算する「アルバムチャート」のBillboard 200では2位だったChris Stapleton。そのアルバムからはEither Wayが89位で登場。

 

64 Miley Cyrus – Malibu (New)

木曜リリースで1日集計ながらも、多くのダウンロード等でポイントを稼ぎ、64位で登場したMiley CyrusのMalibu。新登場の曲の中では一番高い順位(=Hot Shot Debut)1週間フルでポイントが入る来週は大きな上昇が見込まれます。実際、先週木曜リリースながらも90位で登場したNiall HoranのSlow Handsは今週52位まで順位を上げています。

 

56 Migos ft. Gucci Mane – Slippery (Re)

MigosとGucci ManeのSlipperyが56位で再登場。アルバムリリース時のHot 100の順位もシングルのBad And Boujee、T-Shirtに次ぐ順位と元から人気のある曲でしたが、ビデオのリリース*1が追い風になったのか、ストリーミングが全体的に伸びました。(今週ストリーミングが50位圏外から30位と上昇) まだラジオではかかっていないようで*2シングル化はまだのようですが、そのうちシングル化されるでしょうか。

 

47 Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255 (↑)

セールスでは2位ながらもストリーミング等での数字により見事今週のアルバムチャート1位を獲得したLogicのEverybody。そのアルバムの中で最も注目を集めたのは1-800-273-8255。ストリーミング増により47位まで順位を上げました。アルバムからは他にもEverybodyが71位で再登場しました。

※ストリーミング量から推測して、もう少し多くの曲がHot 100に登場するかと思いましたが、2曲とは意外と少なかったです。とはいえ、アルバム1位は見事です!

 

38 Ed Sheeran – Castle on the Hill (↑)

約1ヶ月前に「シングル化宣言」がなされたCastle on the Hill。正直なところ「今までシングルじゃなかったのか……」といったところですが、その宣言通りここ1ヶ月で少しずつ順位が上昇し、今週は38位とトップ40に復帰。アルバムリリース週以来のトップ40。ラジオでのポイントが復調の要因。Shape of Youと共にリリースされた週は6位で登場したこの曲ですが、再びその順位に近づけるでしょうか。

※ちなみにビデオがリリースされたGalway Girlが今週94位で再登場しています。こちらもシングルという報道がされていましたが、果たして……?

 

36 Childish Gambino – Redbone (↑)

少しずつ順位を上げていたChildish GambinoのRedboneが今週36位とついにトップ40入り。彼にとって初のトップ40。23週目のトップ40と遅咲きですが、まだまだ順位を伸ばしそうな予感がします。Hip-Hop/R&B系ラジオで4位と好調。

 

29 French Montana ft. Swae Lee – Unforgettable (↑)

French MontanaとSwae LeeのUnforgettableが29位まで上昇。トップ40に突入。上昇の要因は #unforgettabledancechallenge 等によるストリーミングでの好調。既にイギリス、カナダではトップ10入りしていて、二人の本拠アメリカでもいずれはトップ10に入るか。Swae Leeによるサビパートの中毒性が高く、夏を彩るヒット曲の一つになる予感がします。

ダンスホール調でノリが良く、ポップ系のリスナーへの受けも良さそうで、ジャンルを超えたヒットになるかも。

 

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber – Despacito (↑)

Justin Bieberのリミックスがリリースされて以降特大ヒットとなったDespacitoがついに1位を獲得。英語以外*3の曲が1位を獲得するのは21年ぶりかつ史上7曲目。ダウンロード、ストリーミングで1位を獲得しています。

5週連続で異なる曲が1位を獲得するなど、入れ替わりが最近ですが、このDespacitoはどこまで高い順位をキープできるでしょうか。先週1位のI’m the Oneはダウンロードとストリーミングは落としていますが、ラジオのポイントを大きく上昇させていて、1位への復帰もあるかも…?とにかく、激戦区のチャートから目が離せません。

※ちなみに同一アーティストが2週連続で異なる1位曲を”新たに”生み出すのはこれが初(Justin BieberによるI’m the One→Despacito)、またJustin Bieberの曲同士が1位で入れ替わるのはこれが2回目で、(2016年のSorry→Love Youreself)史上3人目。(1964年のThe Beatlesの異なる3曲(I Want to Hold My Hand→She Loves You→Can’t Buy Me Love)での連続1位、2004年のUsherの(Yeah!→Burn / Burn→Confession Part 2)に次ぐ)

Justin Bieberの人気は凄まじいですが、先週のI’m the Oneが5人の大所帯*4になるなど、近年は客演の人数が増加しており、前よりこの系統の記録が生まれやすくなっているため、ビートルズとの単純の比較は難しいかもしれないです。

 

× Dwayne Johnson – You’re Welcome (↓)

2020年の大統領選への立候補が報じられ、山籠もり中?の「神」ことKanye*5のライバルになるとも考えられる?ロック様ことDwayne Johnson。彼はディズニー映画Moanaで歌も担当していましたが、そのYou’re Welcomeは今週チャート圏外へ。12月頃からMoanaの曲が何かしらHot 100に入り続けていましたが、今週は0曲になり、一段落。

 

× Starley – Call On Me (↓)

StarleyのCall On Meがチャート圏外へ。Hot 100の順位には表れづらいヒットの仕方をした1曲。Ryan RibackのリミックスがSpotifyを中心にヒットし、その後ラジオでもかかるようになってHot 100にも入った、というような経緯の曲。しかしSpotifyでのピークが1月末、ラジオでのピークが4月末と離れていて、ピークが2つ出来てしまいます。その影響でロングヒットにはなるものの、それぞれのポイントが散っていて最高順位が高くはなりづらく、なんとも惜しい気がします。ラジオをチャート計算に導入しているHot 100特有の悩みです。同じようなことが、Spotifyで先にヒットしたAJRのWeakにも言えます。

 

× Future ft. Rihanna – Selfish (↓)

2月に連続でリリースしたFuture、HNDRXXがいずれもアルバムチャートで1位を獲得したFuture。それに伴い、複数曲がHot 100に登場しましたが、このRihannaとのSelfishがチャート圏外に外れたことにより、残りは現在6位のMask Offのみに。他の”Future”と”HNDRXX”の曲を今後どのようにプロモーションするのか、またはプロモーションせずにまた新しい曲をリリースするのか注目したいです。

 

× Chris Brown ft. Usher & Gucci Mane – Party (↓)

Chris BrownのPartyが20週のチャート滞在を終えてチャート圏外へ。ピークは40位ながらも50位前後にいた期間が長いため、トータルで見ればピーク20位で2016年間チャート89位となったBack to Sleepと同程度のヒット具合と思います。曲をリリースすれば安定してトップ40とヒットしているという見方も出来ますが、この順位からは、例えば2008年に年間チャートトップ10に3曲(Forever, With You, No Air)も送り込んだ時のような勢いは感じられません。

また、「ラップ曲の客演歌パート役」としても高い支持を得てきた彼ですが、近年は客演の枠にThe Weeknd、JeremihなどのChris Brownと同じ「甘い声の歌パート役」、はたまた「声出し役」としての“客演DJ Khaled”!?等、ライバルが多数台頭。

かつてのような再ヒットを狙うか、客演仕事を増やすか、それとも他のジャンルへ進むか、もしかしたら路線変更が求められる時期なのかもしれません、現在77位のPrivacy含めて今後の彼の動向に密かに注目です。

 

× Justin Timberlake – Can’t Stop the Feeling! (↓)

先週までの52週=1年のチャート滞在を終えて、チャートから外れたJustin TimberlakeのCan’t Stop the Feeling!。見事なロングヒットでした。先週39位だったのですが、「53週目以降の曲が26位以下に落ちた時はチャートから外れる」というルールにより、チャートから外れました。

1位で登場するロケットスタートだったこの曲でしたが、息の長いロングヒットとなったこの曲、今まで18曲1位でHot 100に登場した曲があるのですが、その中でもこの曲は最も長いチャートインを記録しています。(52週、今まではShake It Offの50週が最長)

1位で登場するような勢い、そして長く愛されるような定着度を併せ持ったこの曲のチャート成績から、Justin Timberlakeの健在ぶりが伺えます。

※最近、彼がかつて所属したN’Syncの代表曲It’s Gonna Be Meをもじって、5月ということでIt’s Gonna Be May というのが多少ブームになりました。このIt’s Gonna Be Meは2000年の曲で、彼の息の長さが分かります。

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

99 Lil Yachty ft. Migos – Peek A Boo (Re)

98 Drake – Gyalchester (Re)

97 Midland – Drinkin’ Problem (New)

95 Big Sean – Moves (Re)

94 Ed Sheeran – Galway Girl (Re)

79 Blake Shelton – Every Time I Hear That Song (New)

71 Logic – Everybody (Re)

 

上記以外でトップ40にはじめて突入した曲

40 Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne – I’m the One

今週最もダウンロードが上昇した曲 Harry Styles – Sign Of The Times

今週最もストリーミングが伸びた曲 Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255

最も高い順位で新登場した曲          Miley Cyrus - Malibu

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

Calvin Harris ft. Khalid & Future – Rollin’ (Spotify 23位)

Play-N-Skillz ft. Frankie J, Becky G & Kap G - Si Una Vez (Shazam 28)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 35位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 36位)

Josh Ritter – Homecoming (Shazam 43位)

Trey Songz – Nobody Else But You (Shazam 49位)

※Cheat Codes ft. Demi Lovato – No Promises (Shazam 54位)

 

注目はCalvin HarrisのRollin’。人気者Futureを客演に入れたこともあり好調。Slideを越えるかも。そしてポップ系ラジオで好調の2曲にも注目。ポップ(ラジオ)チャートでSi Una Vezは40位、No Promisesは33位。前者はネクスト・Despacitoとして期待されています。後者は近いうちにHot 100に登場しそう。

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

99 Dwayne Johnson – You’re Welcome

97 Starley – Call On Me

95 Future ft. Rihanna – Selfish

93 Harry Styles – Sweet Creature

89 Kendrick Lamar – YAH.

※80 Chris Brown ft. Usher & Gucci Mane – Party

79 Kendrick Lamar ft. U2 – XXX.

76 Katy Perry ft. Migos – Bon Appétit

67 Kygo & Ellie Goulding – First Time

※※39 Justin Timberlake – Can’t Stop the Feeling! 

 

Bon Appétitは近いうちにHot 100に復帰はするでしょう……高い順位を記録するかは不明ですが……

*1:音源はアルバム全曲YouTubeにもとから上がっていますが

*2:Hip-Hop/R&B Airplayチャートで50位圏外

*3:一部Justin Bieberが英語で歌っているが、基本スペイン語なので

*4:1位の曲としては歴代最多の人数

*5:彼も2020年の大統領選の立候補を仄めかしている

Billboard Hot 100 5/20 【LordeのGreen Lightの動向など】

f:id:djk2:20170510194147j:plain

こんばんは。今週はのチャートは新登場/再登場が多めの15曲。見どころ多めの週ですかね!写真はInstagramでのLorde。後半に彼女のGreen Lightについて触れます。

 

 

93 Harry Styles – Sweet Creature (New)

今週初のソロアルバムがリリースされるHarry Styles。それに先立ちSweet Creatureをリリース。93位で登場。昨年のZaynに引き続きアメリカでアルバム1位を取れるでしょうか。同じ週にはParamore(前アルバム1位)、Zac Brown Band(前アルバム1位)、Machine Gun Kelly(前アルバム4位)がアルバムをリリースしますが果たして……

 

91 Playboi Carti – Magnolia (New)

Playboi Cartiが今年4月にリリースしたミックステープから2曲がHot 100に。このMagnoliaが91位、Lil Uzi Vertとの*wokeuplikethisが100位に。そのミックステープはリリース時にアルバムチャート12位と注目を集めています。今年の台風の目になり得るでしょうか。

 

90 Niall Horan – Slow Hands (New)

Niall HoranのSlow Handsが90位で登場。木曜日という珍しいリリース日により集計期間はわずか1日分。来週の大幅な順位上昇が見込まれます。前シングルのThis Townよりも注目を集めているのではないでしょうか。

 

87 Chris Brown – Privacy (New)

Chris BrownのPrivacyが87位で登場。3月のリリースから少し時間を置いての登場。Partyに引き続き、次のアルバム(Heartbreak on a Full Moonというタイトル?)のシングルと思われます。ここ2作品はアルバム1位を取り逃している彼ですが、久々のアルバム1位を取れるでしょうか。

※来週Chris Brownを大きく取り上げる予定です。

 

76 Katy Perry ft. Migos – Bon Appétit (New)

Katy PerryがMigosを迎えたBon Appétitが76位で登場。前シングルChained to the Rhythmが今週74位(12週目)まで落ちてしまい、現在背水の陣に置かれているKaty Perry。その状況下でサウンド面、またショートカットを披露したアートワーク等かなり挑戦的な曲をリリースしたと言えます。前アルバムで2番目*1にリリースされたDark Horseが17位で登場したことを考えると最初の週の順位は低めに感じますが、現在勢いのあるMigosのパワーも借りて巻き返せるでしょうか。

※今年Bad and Boujeeで1位を獲得したMigosですが、ポップ系ラジオではそこまで人気ではなく31位止まり。ポップ系ラジオでの影響は限定的?なのでMigos等ヒップホップ系リスナーにどう響くかが巻き返せるかの鍵でしょうか。

 

70 Imagine Dragons – Thunder (New)

先日アルバムのリリースを発表したImagine Dragons。(6月。タイトルはEvolve)それに先駆けThunderをリリース。70位で登場。今週20位まで上昇したBelieverはRadioactiveを彷彿とさせる重厚なサウンドですが、このThunderはOn Top of the Worldを彷彿とさせる軽やかなサウンドです。*2

 

67 Kygo & Ellie Goulding – First Time (New)

KygoとEllie GouldingのFirst Timeが67位で登場。It Ain’t Me(現在10位)に引き続きビッグネームを起用。連続でヒットを飛ばせるか。Ellie Gouldingは2012年~2016年で5年連続年間チャートに入り続けていて、その記録を伸ばすことも期待できそう。

 

61 Logic ft. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255 (New)

先週アルバムをリリースしたLogicがアルバムに先駆けリリースしていた1-800-273-8255(アメリカの自殺予防センターの電話番号)が61位で登場。アルバムのリリースが反映されるのは次のチャート。この1-800-273-8255はアルバムのなかで一番人気のようで、どこまで順位を上げるか。

※実はこの3人全員Zedd同窓会です。(LogicはTransmission*3で、Alessia CaraはStayで共演済、KhalidもZeddとのコラボを仄めかしています

 

34 Luke Combs – Hurricane (↑)

カントリー歌手Luke CombsのHurricaneが34位に上昇。先週のBrett Youngに引き続き2週連続でカントリー歌手が初のトップ40を記録したということに。昨年は年間チャートにカントリー曲がわずか3曲でしたが、今年の年間チャートではもう少し多くのカントリー曲が見られるのでしょうか。

 

32 Travis Scott ft. Kendrick Lamar – Goosebumps (↑)

中位に長く留まり、なかなか上位に上がれずに一回はチャートから外れたTravis ScottのGoosebumpsでしたが、ビデオのリリース後は好調。今週32位まで上昇しトップ40入り。アルバム1位など地歩を固めてきたTravis Scottですが、意外にも客演以外でのトップ40はAntidoteに続きまだ2曲目。

 

23 The Chainsmokers ft. Halsey – Closer (→)

1位連続12週に加え、トップ10滞在32週(歴代最長タイ)とロングヒットとなっているCloser。トップ10から落ちて以降も下降スピードはゆるやかでCloserよりも24週後にリリースされた後続シングルのParis(今週24位)をなんと抜き返しました。これだけロングヒットなので、昨年の年間チャートでの順位並に高い順位を今年の年間チャートでは記録すると思われます。(個人的には6位予想、10位以内に入る可能性はとても高いでしょう)

 

1 DJ Khaled ft. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne – I’m the One (New)

I’m the Oneがダウンロード、ストリーミングで高い数字を記録し、見事に1位デビュー。DJ KhaledとChance the Rapperは初の1位。*4Chanceはトップ40すら初めて。*5ft.以下が長いこのシングルですが、5人がクレジットされている曲が1位を取るのは初のようです。(それまではPitbullのGive Me Everything、Christina AguileraなどのLady Marmaladeでの4人が最多)

良い意味で力の抜けたサウンドが夏とぴったりで、これから長い間ヒットする予感。同じくJustin Bieberが客演に入ったDespacitoがどこまで伸びてくるかにもよりますが、このI’m the Oneは夏を制して年間チャートで3位になるのでは?と個人的に予想しております。*6

 

× Lorde – Green Light (↓)

リリース時には大きく注目を集め、事実上のリリース週*7 には19位と高い順位だったのですが、その後は順位を落とし続けて今週ついにチャート圏外へ。今のところわずか9週間のチャート滞在。依然として音楽メディアからの注目度は高いように感じますが、ヒット度という観点からは苦しい結果に。

 

※↓個人的な考察

Green Lightがヒットチャートで奮わなかった理由の一つは、この曲が「重い」からと考えています。「重い」とはどういうことか、それは1回聴けば満足感が味わえるということです。この曲は「壮大」でアルバム単位でのピークとして大きな役割を果たすであろうと予想しています。

しかしその反面、この曲を単体でリピートするには不向きなように思います。おそらくこの曲はアルバム単位ではこの曲の前か後ろに「クッション」のような曲を置いてバランスを取ると予想しています。しかしまだアルバムがリリースされていないので、この曲に対応する「クッション」がまだ用意されていません。故にストリーミングでのプレイリストやラジオで再生されても「クッション」不在によりこの曲の真価を発揮できない?可能性もあります。

現在Hot 100はダウンロード、ストリーミング、ラジオによって構成されていますが現在はダウンロードの低下により主にストリーミングの影響力が強くなっています。ストリーミングのチャート上での特徴とは何か?それは「再生数の多さ」によって順位が決まるということ。つまり、1回での満足感の強い「重い」曲よりも、クセになる、リピートしたくなる「軽い」曲がストリーミングの時代では有利になるのでは?と推測できます。チャートでストリーミングの存在感が上昇するのは、「実際に再生されている曲」の評価が向上し、以前よりも「名より実」に近づく効果もある一方、リピートに向いていないタイプの曲(「壮大」以外にも単純に曲の長さが長い曲なども含む)をうまく評価できないという面もあるのかもしれません。この曲がヒットしなかった理由はこれだけではないかもしれませんが。

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

100 Playboi Carti ft. Lil Uzi Vert - *wokeuplikethis (New)

99 Dwayne Johnson - You're Welcome (re)

98 Cole Swindell - Flatliner (re)

96 Nicky Jam - El Amante (re)

94 Lady Antebellum - You Look Good (re)

84 Rag'n'Bone Man - Human (re)

 

上記以外でトップ40にはじめて突入した曲

38 Halsey- Now or Never

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲           Luis Fonsi & Daddy Yankee ft. Justin Bieber - Despacito

今週最もダウンロードが上昇した曲  Imagine Dragons - Believer

今週最もストリーミングが伸びた曲 French Montana ft. Swae Lee - Unforgettable

最も高い順位で新登場した曲          DJ Khaled ft. Justin Bieber, Chance the Rapper, Quavo & Lil Wayne - I'm the One

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

 

Play-N-Skillz ft. Frankie J, Becky G & Kap G - Si Una Vez (Shazam 27位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 40位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 43位)

 

Spotify、Pandoraの上位50が全てHot 100に入り済み。Logicの新譜から最大8曲程度Hot 100に入るでしょうか。特に1-800-273-8255は上位に食い込みそう。

 

今週チャートから姿を消した曲

(左の数字は先週の順位 ※はリカレントルールが適用された曲)

 

※100 J.Cole – Deja vu

97 Drake – Gyalchester

96 Kendrick Lamar – GOD.

95 Nicki Minaj, Drake & Lil Wayne – No Frauds

91 Kendrick Lamar – FEAR.

90 Paramore – Hard Times

※89 Auli’i Cravalho – How Far I’ll Go

88 Big Sean Moves

86 Lorde – Green Light

81 Zayn ft. PARTYNEXTDOOR – Still Got Time

75 Kendrick Lamar – LUST.

71 Kendrick Lamar – PRIDE.

69 Kendrick Lamar – FEEL.

64 Lana Del Rey ft. The Weeknd – Lust For Life

※48 Shawn Mendes - Mercy

*1:2曲目の「シングル」はUnconditionalyですが、リリース自体はDark Horseの方が先

*2:Radioactive、On Top of the Worldはいずれも彼らのファーストアルバムのシングル

*3:アルバムTrue Colorsの曲。X Ambassadorsと共演

*4:QuavoもQuavo名義では初、しかし彼は今年1位をBad and Boujeeで獲得したMigosの一員です

*5:それまではJustin BieberのConfidentでの客演の41位が最高位、昨年のNo Problemは43位ピーク

*6:ほら、この曲のビデオでChance the Rapperが”3”と書かれた帽子被っていたし……!、ちなみに1位Shape of You、2位はThat’s What I Likeと考えております

*7:木曜リリースのため、最初の週は1日分の集計だった。ここで言う事実上のリリース週はその次の週。