Tame Impalaのカバー以外はリアーナ本人がライティングに関わっているようで、実はリアーナのアルバムとしてはかなり珍しいよう。(今までは他に提供された曲を歌うことが多かった)たしかに、以前より「分かりやすい」曲は減った気がしますが、それでも自分のやりたいこととセールスで同時に成果を出すのはさすがでした。
「ClarityのFoxes」が遠い過去になったのだと感じるアルバム。Foxesはこういうシンガーなのよ!という主張がよく伝わり今後に期待を持てるアルバム、と思ったが評論家からはまずまずな評価、そしてセールスも空気という結果に……ただ、Album of the Yearというサイト(総合評論サイトのようなもの)でMost Underrated Albums of 2016で3位なよう。一部で期待されているのか…?
シングルNever Be Like Youなど、前のアルバムよりセールスで結果を出したFlume。そんなアルバムは一部で「Flume、色気付きやがって!」のような評価を得ているようですが、私はそう感じませんでした。一部インスト曲等を挟み、Never Be Like You、Say Itなどのアンセムを際立たせる構成は同胞Tame Impalaの昨年のアルバムCurrentsを彷彿とさせ、絶品でした。
キレいなFuture!?もちろん、別にFutureが汚いと言いたいのではありません。個人的にFutureの声は”毒タイプ”と思っているのですが(悪い意味ではない、良い意味で個性的かつ彼にしか出せない雰囲気を出せるというニュアンスのつもり…)、それがChance The Rapperの世界観と合わさって、新世界が出来ている気がしました。
上記のように、今週合計10曲のクリスマス曲がHot 100へ。このスペイン語のFeliz Navidadほか、It's The Most Wonderful Time Of The Year、A Holly Jolly Christmasが初登場、また今週アルバム1位のPentatonixのMary, Did You Knowなどが再登場。
ただ、2016の年間チャートに入ったJay-Z, Usherは翌年(1997年)それぞれ曲名??(Foxy Brownの客演)、Make Me Wannaで年間チャート入り、さらにBeyoncéも翌々年(1998年)にDestiny’s ChildのメンバーとしてNo, No, Noで年間チャート入りを果たしています。 惜しいですね。
2006年以前と一番違うと感じた点は、被りアーティストのジャンルが広がったことです。2006年の項で述べたように、客演で有利なヒップホップ、R&Bアーティストは依然多いですが、それ以外のジャンルも増えたと思います。ポップは、2006年もいたP!nkに加え、Selena Gomez, Taylor Swift, Mike Posner, Adeleの名が。さらにはDJ/プロデューサーのCalvin Harrisが。彼はEDM代表の一人として語られることも多いですが、2006年にはEDMという言葉は無かったですもんね。
アルバムPurpose以前は週間1位を取ったことがありませんでしたが、Purposeでは3曲の1位を獲得。もともと知名度は抜群でしたが、殻を破ってワンランク上のステージへ進んだ印象があります。1位2位のLove Yourself, Sorryのほか25位にCold Water, 31位にWhat Do You Mean, 47位にLet Me Love Youと5曲が年間チャートに。昨年末からの好調を維持していると言えそうですね。
ご存知の通りHot 100はアメリカのシングルチャートですが、今年はカナダ人の活躍が際立っていました。上記のように最も多くの曲を年間チャートに送り込んだのはカナダ人のDrakeですが、さらに5曲のJustin Bieber, The Weeknd(Low Life, The Hills, Starboy In The Night, Can’t Feel My Face)が彼に続きます。他にもShawn Mendesが3曲(Stitches, Treat You Better, I Know What You Did Last Summer)、Tory Lanezが2曲(Luv, Say It)、Kai(Never Be Like You), Ruth B(Lost Boy)も1曲など多くのカナダ人アーティストが活躍しました。
2012年の”Call Me Maybe”以来5年連続でカナダ人による1位が誕生しています。2014年以前のそれに該当するCarly Rae Jepsen、Robin Thicke、Magic!は1位獲得以降チャートでの存在感は低いですが、Drake, The Weeknd, Justin Bieberは1位獲得以降も勢いが止まりませんね。
―4 12年連続
曲を1番多く送り込んだのはDrake、それに次ぐのはJustin Bieber, The Weeknd。ここまでカナダ人ですが、次はさすがにアメリカ人でしょう?と思うかもしれませんが、アメリカ人はまだです。彼らに次ぐのは、バルバドス出身のRihanna。4曲(Work, Needed Me, This Is What You Came For, Too Good)ここ数年でヒットを連発、2010年代の顔といっても過言ではない彼女、これでデビュー以来12年連続年間チャート入りになります。週間のトップ10ヒットも同じく12年連続出し続けています。
―5 横に並ぶアメリカ人たち
アメリカ人の中では3曲を年間チャートに送り込んだアクトが最多。とはいってもその同率1位が多数いて、なんと9アクト。twenty one pilots, The Chainsmokers, Daya, Future, Ariana Grande, Selena Gomez, Meghan Trainor, Charlie Puth, そして最近何かと話題のCamila Cabello(ソロとグループを合算)。圧倒的なアクトはいなかったものの、アメリカ人自体の存在感が無かったわけではないですね。
この9アクト全員が「今年アメリカ人で一番」といえるわけですが、それぞれで意味合いは違うと思います。
ヒット連発で大ブレイクしたtwenty one pilots, The Chainsmokersはもちろん大成功と言えますが、個人的に注目したいのはDayaとSelena Gomez。
Don’t Let Me DownでおなじみのDayaですが、これ以外にも2曲(Hide Away、 Sit Still, Look Pretty)を年間チャートに送り込んでいて「裏・新人王」のような雰囲気を出しています。これら3曲はすべてロングヒットでゆっくりとヒットしていて、来年以降もDayaのじわじわヒットに期待がかかります。
そしてSelena Gomez。昔から知名度が高いですが、トップ10を連発するようになったのは実は最近から。アルバム”Revival”以前はトップ10入りした曲が2曲だけでしたが、それ以降は4曲のトップ10ヒットを輩出。その成果が現れるような今年の年間チャートには3曲(Same Old Love, We Don’t Talk Anymore, Hands To Myself)が入りました。
The Major Snake……今年の年間チャートで際立つDJたちの名前をまとめてみました。注目したいのはDJ Snake。実はThe Chainsmokersと同じ3曲をHot 100に送り込んでいるのです!Turn Down For What以降3年連続で年間チャートに曲を送り込んで安定した活躍をしています。他にもMajor Lazerが2曲、Calvin Harris, Flume, Daft Punk, Zedd とGreyがそれぞれ1曲など、他のDJ/プロデューサーたちも奮闘しています。いわゆるEDMサウンドには変化が見られますが、DJ/プロデューサー+歌手という形は定着していますね。