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Hot 100 8/18 見どころ 【圧倒的なTravis Scott / Tay Keithは止まらない】

 

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 今週チャートを支配したのはTravis Scott。圧倒的な成績でアルバムチャート1位を記録しただけでなく、アルバム全曲がHot 100に登場しました!ほか今週はプロデューサーのBlocBoy JBのプロデューサーとしてブレイクしたTay Keithなどについて触れています。Tay KeithはTravis Scottのアルバムにも参加しています。

↑はDJ Boothのインタビューを受けるTay Keith。 *1

 

☆今週のHot 100ハイライト☆

Travis Scottが53.7万枚「相当」の売上を記録し、アルバム1位に!収録曲全てがHot 100入り。“SICKO MODE”・”STARGAZING”はトップ10入り

・BazziがCamila Cabelloを迎えた“Beautiful”が60位に登場

・“Boo’d Up”でブレイクしたElla Maiの新曲が79位で登場

Travis Scottの影で多くの曲がHot 100から外れる。Foster the People、Kanye West、The Weeknd、“Look Alive”・“Freaky Friday”がチャート外に

 

・今週のトップ10

―1 Drake – In My Feelings

△2 Maroon 5 feat. Cardi B – Gilrs Like You

▽3 Cardi B, J Balvin & Bad Bunny – I Like It

☆4 Travis Scott – Sicko Mode

▽5 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz – FEFE

―6 Post Malone – Better Now

―7 Juice WRLD – Lucid Dreams

☆8 Travis Scott – Stargazing

―9 Tyga feat. Offset – Taste

▽10  Ella Mai – Boo’d Up

 

1-100位の順位表は↓

 

曲の個別解説

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 

 

☆87 Juice WRLD – Lean Wit Me

 Juice WRLDの“Lean Wit Me”が87位で登場。自身5曲目のHot 100エントリー。彼はTravis Scottのアルバムの”No Bystanders”にも登場します。(feat.の表記は無し)

 この曲は一応、アルバム“Goodbye & Good Riddance”の4曲目のシングル、という扱い*2になっていますが、そのほとんどがラジオであまりかかっていないので、シングルの体をなしているのは、ほぼ”Lucid Dreams”のみです。

 この“Lean Wit Me”は、RapCaviar(Spotify)やHip-Hop A List(Apple Music)にも入っていないので、どこかで選ばれた「シングル」という認識なしに、リスナーがアルバムを聴いているうちに自然発生的に人気を得た曲、といえます。

 最近はラジオであまりかからなくても、有力プレイリストに入ることでシングルの体をなすことがありますが、この曲はそのプレイリストにも入っていない、という点で珍しいです。

 

☆79 Ella Mai – Trip

 “Boo’d Up”でブレイクを遂げたElla Maiの新曲、”Trip”が79位で登場。プロデューサーは“Boo’d Up”と同じく、恩師・DJ Mustard。

 この曲は既にR&B / Hip-Hop系のラジオで人気が出始めています。Ella Maiはイギリス人ですが、DJ Mustardと契約を結び渡米し、成功を収めています。

 

☆76 H.E.R. feat. Bryson Tiller – Could’ve Been

 R&Bシンガー、H.E.R.がEP“I Used to Know Her:The Prelude”をリリース。アルバムチャートで20位を記録しました。

 収録曲のうち、Bryson Tillerを迎えた“Could’ve Been”が76位でHot 100に登場しています。キャリア3曲目のHot 100。

 ちなみに“H.E.R. singer”で検索すると、ほかのシンガーの画像が多く出てきます。(○で囲ったのがH.E.R.の画像 約半分……)

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☆60 Bazzi feat. Camila Cabello – Beautiful

 今年“Mine”でブレイクを遂げたBazziの新シングル、“Beautiful”が60位で登場しました。Camila Cabelloを迎えたリミックスの効果でDLやストリーミングが伸びました。

 Camila Cabelloは今まで9曲がHot 100入りしていますが、うち8曲が男性ボーカルとのコラボ曲です。(当てはまらないのは“Crying in the Club”のみ。”Never Be the Same”はトップ10入りの要因となったKane Brownリミックスを考慮)

 そんな彼女の次シングルはSwae Leeを新たに迎えた“Real Friends”だそうです。

 

◇50 Travis Scott – Butterfly Effect

 今週の1位アルバム、Travis Scottの“ASTROWORLD”は全曲がHot 100に登場。昨年ヒットし、既に22週チャート入りしていた”Butterfly Effect”も再登場しました。

 既に22週チャート入りしていることから、ルール上50位以上にランクインする必要がありましたが、その基準をギリギリクリアしチャートに再登場しました。*3

 

△16 YG feat. 2 Chainz, Big Sean & Nicki Minaj – Big Bank

 YGのアルバム“Stay Dangerous”がアルバムチャートで5位に登場。そのうち2曲がHot 100に入っています。”Handgun”が98位、そして“Big Bank”が16位に上昇しました。

 YGはこの曲で“My Hitta”を越えて自身のキャリアピーク*4を更新しましたが、この成績にケチをつける人もいます。それは6ix9ine。

 6ix9ineは以前、「YG???あいつ2004年ぐらいにヒット飛ばした昔の人間だろwww」とYGに挑発を仕掛けており、この”Big Bank”に関しても、

「こんな豪華な客演がいてこのチャート成績かよwwwもっと行くだろwww」と煽っています。

 この“Big Bank”はゴールド認定を受けており、チャートも16位とそれなりに好成績を記録していますが、”FEFE”で3位を記録した6ix9ineにとっては弱く感じる成績だったのでしょうか??? 6ix9ineは至るところでビーフしまくっているので、どこまで本気かは分かりませんが……

 

☆4 Travis Scott – Sicko Mode

 今週の主役、Travis Scott。アルバムチャートを53.7万枚(相当)という圧倒的な成績で制し、収録曲の全てがHot 100に登場しました!ちなみに53.7万枚はDrakeの“Scorpion”に次いで今年2番目の規模。

 53.7万枚の売上のうち、26.1万枚(相当)はストリーミングから、27万枚はセールスから、0.6万枚はシングルのDLから記録しています。

 ここまでセールスが多いのは、自身の公式サイトでグッズと音源を組み合わせる戦略を行ったからです。他のミュージシャンは「チケットの値段割引」という形でCDや音源と組み合わせることが多いですが、Travis Scottはグッズ + そしてチケット購入の優先権などと共に音源を提供しています。

 この「チケット付きCD」は、ストリーミングを苦手とするロック系のミュージシャンがアルバムチャートの成績を良くするために行うことが多く、ラッパーがこれをやるのは珍しいです。

(ラッパーはストリーミングをかなり得意とするため、セールスを伸ばさなくてもストリーミングのポイントによってアルバムチャートで有利に立つことができる)

 アルバムの純セールス27万枚は、Dave Matthews Bandの28.5万枚に次いで、今年2番目に多い数字です。(Dave Matthews Bandもこの”バンドル”)

 

 このアルバムはストリーミングの数字も莫大で、歴代で5番目に多い約3億4943万再生を記録しています。

 

1 Drake / Scorpion 7億4592万

2 Post Malone / Beerbongs & Bentleys 4億3130万

3 Drake / Scorpion (2週目) 3億9098万

4 Drake / More Life 3億8484万

5 Travis Scott / Astroworld 3億4943万

※特に断りが無い場合は、リリース最初の週の成績

 

 この高いストリーミング数字により、アルバム全17曲がHot 100入り。“SICKO MODE”、”STARGAZING”の2曲はトップ10に入りました!アルバムの半数以上がトップ40圏内に入っています。

 このアルバムの曲はfeat.の表記が無いですが、Drake・Frank Ocean・The Weeknd・Swae Lee・Quavoなどが客演として参加しています。

 

▽× Kanye West – All Mine

 Kanye Westの“All Mine”が今週チャートから外れました。これでアルバム”ye”からの曲は全てチャートから外れました。

 この曲のピークは11位・チャート滞在は9週とかなり短命ですが、近年のカニエは”Runaway”のチャート滞在が13週、“Bound 2”が6週のみ、 “Famous”が14週、などもともと短命シングルが多いので、「従来どおり」のチャートアクションといった印象です。

 いつもアルバムで独自の世界観を見せるカニエの曲は、「シングル」という単位に解体するのが難しいのだと思われます。

 

▽× The Weeknd – Call Out My Name

 The Weekndの“Call Out My Name”が今週圏外へ。ピーク4位、チャート滞在18週という成績でした。

 リリース時は4位と大きく注目を集めましたが、次第に注目度が落ちていき、下位を彷徨う期間が長かったです。チャート滞在も18週と短めでした。

 上記のカニエのように、「アルバムの一部のシングルがたまたまヒットした」のような状況ならばこの尻すぼみは気になりませんが、この曲はiTunesで割引されるなど、「シングルを売るための努力」が伺えたので、この尻すぼみはもしかしたら不本意かもしれません。

 

▽× Post Malone faet. Nicki Minaj – Ball For Me

 Post Maloneの「影なるシングル」“Ball For Me”も今週圏外へ。ピークは16位、チャート滞在14週。

 現在、Post Maloneは“Better Now”をメインのシングルとして運用していますが、ラップ系*5のラジオに対しては”Ball For Me“をシングルとして流しています。これはラップ系のリスナーは”Ball For Me”の方を好む、との予想でシングルを「区別」したのだと思われますが、こちらはそこまで大ヒットにはならず、14週と短めのチャート滞在となりました。

 これからはラップ系のラジオでも“Better Now”をかけて、シングルを一本化する見込みです。

 

▽× Lil Dicky feat. Chris Brown – Freaky Friday

 春頃に高い存在感を発揮した“Freaky Friday”が今週圏外へ。ピークは8位、チャート滞在は20週でした。

 ストーリー仕立てのビデオ、Lil DickyがEd Sheeran・DJ Khaled・Kendall Jennerに化けるという設定が受けて大ヒットになったこの曲。イギリスでは1位を獲得するなど、リリース時は勢いがすごかったですが、やや失速気味でチャート滞在を終えました。

 思ったよりもヒットしなかったのは意外とラジオでかからなかった点です。特にポップ系のラジオとかなり相性が良さそうな1曲でしたが、リズミック系で9位に到達した以外は際立った成績をラジオで残せませんでした。(ラジオ総合では最高48位)

 

▽× Foster The People – Sit Next To Me

 今年久々にHot 100入りし、奮闘していたFoster The Peopleもチャートから外れました。ピークは42位と惜しくもトップ40に届かず。チャート滞在は20週でした。

 彼らが再びチャートに返り咲いた要因はラジオでの幅広い支持。オルタナティブロック、ポップ、アダルトポップ、など幅広い系統でこの曲はかかっていました。

 

▽× BlocBoy JB feat. Drake – Look Alive

 Drakeを迎え大ヒットした、BlocBoy JBの“Look Alive” がチャートから外れました。ピークは5位、チャート25週。

 この曲がきっかけとなり、BlocBoy JBの名前を客演で見る機会が増えたように感じますが、それ以上に仕事が増えていると感じたのは、この曲のプロデューサー・Tay Keithです。

 この曲のブレイク以降に、Drakeの“Nonstop”、Travis Scottの”Sicko Mode”のプロデュースを担当し、複数のトップ10曲に寄与しています!他にもLil Yachty、Wiz Khalifaなどの曲のプロデューサーも務めています。

 この曲のヒットにより、BlocBoy JB本人だけでなく、プロデューサーのTay Keith、さらにはシュートダンスまでもが大きく飛躍。様々なムーブメントを起こした曲として、今年を象徴する1曲かと思います。

 

 ちなみに、この曲は「年間」のトップ10に入ると個人的に予想していましたが、このタイミングでチャートから外れてしまったので、それは厳しくなったと思います。代わりに“In My Feelings”が年間トップ10に入りそうです。*6

 これらの曲以外にもImagine Dragonsの“Whatever It Takes”、Luke Combsの”One Number Away”、DrakeとMichael Jacksonの“Don’t Matter To Me”などがチャートから外れました。

 

今週チャートから外れた曲 (21曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Mitchell Tenpenny – Drunk Me (🗻100位 /⏰1週)

98 Queen Naija – Karma (🗻98位 /⏰1週)

97 Martin Garrix feat. Khalid – Ocean (🗻78位 /⏰5週)

96 Kanye West – All Mine (🗻11位 /⏰9週)

95 The Weeknd – Call Out My Name (🗻4位 /⏰18週)

93 Eric Church – Desperate Man (🗻71位 /⏰3週)

91 Migos – Narcos (🗻36位 /⏰12週)

90 NF – Lie (🗻90位 /⏰2週)

89 Post Malone feat. Nicki Minaj – Ball For Me (🗻16位 /⏰14週)

88 Khalid, Ty Dolla $ign & 6LACK – OTW (🗻57位 /⏰14週)

87 The Chainsmokers feat. Emily Warren – Side Effects (🗻87位 /⏰1週)

84 A$AP Rocky feat. Skepta – Praise the Lord (🗻45位 /⏰8週)

83 Lil Dicky feat. Chris Brown – Freaky Friday (🗻8位 /20週)

80 Logic feat. Ryan Tedder – One Day (🗻80位 /⏰1週)

76 TK Kravitz feat. Jacquees – Ocean (🗻76位 /⏰3週)

66 Drake feat. Michael Jackson – Don’t Mattaer To Me (🗻9位 /⏰5週)

49 Luke Combs – One Number Away (🗻34位 /20週)

48 Foster the People – Sit Next To Me (🗻42位 /20週)

47 Demi Lovato – Sober (🗻47位 /⏰3週)

40 BlocBoy JB feat. Drake – Look Alive (🗻5位 /25週)

37 Imagine Dragons – Whatever It Takes (🗻12位 /27週)

 

 

・アルバムチャートに新登場した作品

1 Travis Scott – Astroworld

3 Mac Miller – Swimming

5 YG – Stay Dangerous

11 Moneybagg Yo – Bet On Me

19 VA – Now That’s What I Call 67

20 H.E.R. – I Used To Know Her: The Prelude (EP)

108 Phil Wickham – Living Hope

116 Lucero – Among The Ghosts

144 Iggy Azalea – Survive The Summer (EP)

168 lovelytheband – finding it hard to smile

 

 

来週以降の動向・プレイリストなど

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集

 

・Nicki Minaj – Barbie Dreams

 来週のチャートで一番大きなリリースの、Nicki Minajのアルバム。その中で抜群の注目を集める“Barbie Dreams”がHot 100の上位に登場見込み。

 アルバム1位の座をかけて、2週目のTravis Scottと熾烈な争いを繰り広げています。ビルボードの中間予想では「両方とも16万枚前後で互角」とのこと。果たして……

 

・Trippie Redd – Taling A Walk

 この週リリースされたTrippie Reddのアルバムにも注目が集まっています。Apple MusicとSpotifyの両方でトップ10入りを果たした“Taking A Walk”がHot 100に登場見込み

 

・(G)I-Dle – Hann (Alone)

 iTunes下位(90位前後)に登場。USのiTunesチャートにK-Pop勢が入ることがかなり増えてきています。ただし、iTunesのこの順位ではHot 100に入る可能性はほぼ無いです。

 

・プレイリスト

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

 

*1:Tay Keith Interview: On Drake's "Nonstop," His Memphis Roots & Seizing the Moment - DJBooth

*2:ウィキペディア

*3:次の週のHot 100では再びチャートから外れることが確実です。

*4:客演を除く

*5:いわゆる「アーバン系」

*6:予想を外してすいません

Hot 100 8/11 見どころ 【DJ Khaled新曲5位デビュー / ソングライター・Emily Warren】

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 今週は際立ったのはDJ Khaled新曲!”I'm the One"の面子を多く起用した”No Brainer"は5位デビューを果たしています。

 ほか、今週はThe Chainsmokersの客演で参加したシンガー、Emily Warrenや、現代シングル考察、YouTubeで10億に到達する曲?などについて書いています。

 画像はThe ChainsmokersのAndrew Taggart(左)と、Emily Warren(右) *1

 

今週のハイライト

・DJ Khaledの“No Brainer”が5位デビュー!

・The Chainsmokers新曲“Side Effects”が87位に登場。この曲はラジオで好調

・今年YouTubeの再生数が世界一の曲、Nicky JamとJ Balvinの“X”がチャートから外れる(ピーク41位/滞在21週)

・最初の週は8位で登場したDrakeの“Emotionless”、5週目でHot 100から外れる

 

☆今週のトップ10

ー1 Drake – In My Feelings

―2 Cardi B, J Balvin & Bad Bunny – I Like It

△3 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz – FEFE

▽4 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

☆5 DJ Khaled feat. Justin Bieber & Chance the Rapper & Quavo – No Brainer

▽6 Post Malone – Better Now

△7 Juice WRLD – Lucid Dreams

▽8 Ella Mai – Boo’d Up

△9 Tyga feat. Offset – Taste

▽10 Drake – Nice For What

 

11位以下の順位表は↓

 

曲の個別解説

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 

 

☆100 Mitchell Tenpenny – Drunk Me

 カントリー系ラジオで浮上中の1曲、Mitchell Tenpennyの“Drunk Me”が100位で登場。彼にとって初のHot 100に。

 彼はナッシュビル出身のカントリー系シンガー&ソングライター。Granger Smithの“If the Boots Fits”など、他人の曲のソングライトに参加することも。

 

☆99 YG feat. A$AP Rocky – Handgun

 YGがアルバムリリースに先駆けてリリースしたA$AP Rockyとの“Handgun”が99位で登場。Apple Musicで主に人気と思われます。

 次の週のチャートでは、そのアルバムのリリースが反映されるので、この曲が上昇するかもしれないです。

 

☆92 Yella Beezy – That’s On Me

 新人ラッパーYella Beezyのシングル“That’s On Me”が92位で登場。この曲は主にR&B/Hip-Hop系のラジオやYouTube(今週27位)で人気。

 彼は複数回にわたり、Lil Babyとのコラボしたこともあるようです。

 

☆87 The Chainsmokers feat. Emily Warren – Side Effects

 The Chainsmokersの新曲“Side Effects”が87位で登場。DLを一定数集めた(今週22位)ほか、ポップ系ラジオでも好調です。

 客演に入ったEmily Warrenは以前からThe Chainsmokersのソングライターとして活躍していた女性SSW。大ヒット“Don’t Let Me Down”など、計11曲でThe Chainsmokersのソングライトを担当しています。

 今年リリースされた5曲では全てでソングライトに関与するなど、その関わりを強めています。

 彼女はThe Chainsmokersの曲以外でもソングライトを担うことがあり、代表作はDua Lipaの“New Rules”。ほかCharli XCXの”Boys”、Sigridの“High Five”などにも携わっています。

 Emily Warren自身がシンガーとしてHot 100にエントリーするのは、2016年のFrenshipとの“Capsize”に次いで2回目です。

 

☆80 Logic feat. Ryan Tedder – One Day

 LogicがOne RepulicのRyan Tedderを迎えたシングル、“One Day”が80位で登場しています。この曲は主にSpotifyで人気(今週34位)

 この2人は以前にも、One Republic feat. Logicの“Start Again”でもコラボしています。

 

△59 Ciara – Level Up

 Ciaraの“Level Up”が77位→59位と上昇。DLが先週よりも落ちた代わりに、YouTubeの再生数が伸びています(再生数24.6%増) Level Up Challengeが好評、ということでしょうか!

 この週にはFatman Scoop、Missy Elliottを迎えたリミックスもリリース。このリミックスも、順位上昇の理由の一つなのかもしれないです。

 このリミックスは、2005年にHot 100最高3位とヒットだった“Lose Control”の面々を再び集結させたものです。(ただし、”Lose Control”はCiaraメインの曲ではなく、Missy Elliottメインのもの)

 

△54 Queen Naija – Medicine

 気鋭のR&Bシンガー、Queen NaijaがデビューEPをリリース。アルバムチャートでは26位でした。

 そのEPからは2曲がHot 100に入りました。“Karma”が98位で再登場、”Medicine”が54位へと浮上しました。また、“Butterflies”は110位相当にランクイン。

 Queen Naijaは主にYouTubeApple Musicで人気。しかしSpotifyではあまり人気が無く、これらの曲は全て今週圏外でした。

 

△39 Jason Aldean feat. Miranda Lambert – Drowns the Whiskey

 カントリー界の人気者が共演したシングル、“Drowns the Whiskey”が39位へ浮上し、トップ40入り。

 Jason Aldeanのアルバム”Rearview Town”からのシングルは2曲連続でトップ40入りを果たしています。

 

△22 Kenny Chesney – Get Along

 カントリー界のベテラン、Kenny Chesneyがキャリア17枚目のアルバム“Songs for the Saints”をリリース。アルバムチャートではDrakeに及ばず2位。

 その効果でシングルの“Get Along”が22位まで浮上しました。彼にとってキャリアで3番目に高いHot 100順位です。(2曲でトップ20に入ったことがある。トップ10入りの経験は無し)

 

▽13 Taylor Swift – Delicate

 Taylor Swiftの“Delicate”が12位→13位と一つランクダウン。トップ10に接近も、わずかに手が届きません。

 この“Delicate”はラジオのポイントでは2位まで到達し、アルバム”reputation”の中では最もラジオで成功したシングルとなりました。(”Look~”はラジオ最高5位だった)

 ラジオの好調を活かし、Hot 100のトップ10に到達したいところですが、ここ数週ラジオが落ち始めてきたので、少し難しいかもしれないです。

 とはいえ、「尻すぼみシングル」が多かった”reputation”のシングルの中では唯一期待を上回った曲で、テイラーが最後に意地を見せたと言えそうです。

 

☆5 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance The Rapper & Quavo – No Brainer

 DJ Khaledの豪華な新曲、“No Brainer”が5位デビュー。昨年の”I’m the One”からLil Wayne以外を「続投」しています。

 この曲はDL、ストリーミングが高いことに加え、ラジオでも既に大人気。今週ラジオのポイントが28位で、リリース直後の週の数字としては今年一番高いようです。

 このラジオ、ストリーミングの数字を今後もキープできれば“I’m the One”のような大ヒットになりそうです。

 この曲はDJ Khaledにとっては4曲目、Justin Bieberにとっては14曲目、Chance the Rapperにとっては2曲目のトップ10です。QuavoはMigosでの実績も合わせると9曲目のトップ10。

 

▽× Drake – Emotionless

 Drakeの”Emotionless”が今週圏外に。最初の週は8位で登場したものの、登場から5週目で圏外へ。アルバム全体のストリーミングが好調で、仮に最初はHot 100で高い順位で登場しても、「シングル」として成立する曲は数に限りがあるということを表していると思います。

 Drakeのアルバム、“Scorpion”からは既存シングル3つ( “God’s Plan”、”Nice For What”、”I’m Upset”)に加え、”In My Feelings”、“Nonstop”、”Don’t Matter To Me”、“Mob Ties”あたりが人気曲として定着しつつあります。

 この中にはシングルとしてラジオにかからなかった曲(”I’m Upset”*2や“Mob Ties”)もありますが、これらの曲は代わりにストリーミングサービスの有力プレイリスト(RapCaviarやHip-Hop A List)には入っています。

 現代では「シングル」を選定する手段として、ラジオ以外にもプレイリストが台頭してきていますが、それでも全部の曲をシングルには出来ないので、リリース当初にあった人気をあまりキープできない曲もある、というわけです。

 このように最初の順位の割に尻すぼみですぐチャートから外れてしまう曲が最近は増えているので、少し長い目でチャートを見ることが大切なのかもしれません。

 

▽× Nicky Jam & J Balvin - X

 今年の曲でYouTube再生数が世界一の曲、Nicky JamとJ Balvinの“X”が今週チャートから外れました。ピークは41位・チャート滞在21週と、ラテン曲としてはかなりのヒットでした! 世界的なラテンの隆盛がUSのチャートにも、それなりに反映されています。ただし、年間チャートトップ100に手が届くかは微妙です。

 この曲は今年の曲の中では最速でYouTube再生回数が10億に到達。最近ではDaddy Yankeeの“Dura”も10億に到達しました

 

☆おまけ

 以下の表は今年の曲で、年内にYouTubeの再生回数が10億に到達しそうな曲のリストです。

 現時点での再生数のペース(1日あたりの再生数)が続くとして、あと何日で10億再生に達するか?を表しています。(“In My Feelings”や“FEFE”はビデオがリリース直後で、今後もこのハイペースが続くかは微妙)

 次に10億に到達しそうな”Te Bote"、”El Farsante"、”Sin Pijama"はいずれもラテン系の曲で、YouTubeにおけるラテン系の強さが際立っています。

 Hot 100においても、ラテン系は主にYouTubeでのポイントが高い傾向にあります。

※データは8/7時点 (参考:YouTube - Most Viewed Music Videos Published in 2018

 

曲名 今の再生回数 1日平均再生 あと何日
Nicky Jam x J. Balvin - X (EQUIS) | Video Oficial | Prod. Afro Bros & Jeon 1,126,976,687 3,268,844  
Daddy Yankee - Dura (Video Oficial) 1,000,695,711 2,450,040  
Te Bote Remix - Casper, Nio García, Darell, Nicky Jam, Bad Bunny, Ozuna | Video Oficial 988,645,083 5,993,289 1.9
Ozuna x Romeo Santos - El Farsante Remix 876,875,223 3,011,531 40.9
Becky G, Natti Natasha - Sin Pijama (Official Video) 643,451,881 5,975,960 59.7
Maroon 5 - Girls Like You ft. Cardi B 536,200,096 7,713,388 60.1
Drake - In My Feelings 44,654,597 11,322,678 84.4
El Chombo - Dame Tu Cosita feat. Cutty Ranks (Official Video) [Ultra Music] 686,433,244 3,392,874 92.4
Cardi B, Bad Bunny & J Balvin - I Like It [Official Music Video] 377,666,126 6,361,581 97.8
Drake - God's Plan 761,738,724 2,118,153 112.5
6ix9ine, Nicki Minaj, Murda Beatz - “FEFE” (Official Music Video) 131,648,956 7,013,447 123.8
Vaina Loca - Ozuna x Manuel Turizo ( Video Oficial ) 194,331,090 5,568,628 144.7

  

今週チャートから外れた曲 (7曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Drake – Can’t Take A Joke (🗻18位 /⏰4週)

99 Drake – Emotionless (🗻8位 /⏰4週)

95 Wiz Khalifa feat. Swae Lee – Hopeless Romantic (🗻72位 /⏰2週)

93 Billie Eilish – You Should See Me in a Crown (🗻93位 /⏰1週)

88 twenty one pilots - Jumpsuit (🗻50位 /⏰3週)

60 Chance the Rapper – I Might Need Security (🗻60位 /⏰1週)

47 Nicky Jam & J Balvin – X (🗻41位 /21週)

 

・アルバムチャートの上位に新登場した作品

※アルバムチャート(Billboard 200)で50位以上に新登場した作品です

 

2 Kenny Chesney – Songs For The Saints

8 Halestorm – Vicious

10 Daughtry – Cage To Rattle

11 Cody Jinks – Lifers

15 G Herbo & Southside – Swervo

26 Queen Naija – Queen Naija (EP)

28 Denzel Curry – TA13OO

29 Grateful Dead – Dave’s Picks Volume 27

41 Dave East – Karma 2

 

 先週のチャートとは違い、今週は新登場が多めです。トップ10には3つのアルバムが登場しています。批評家からの評価が高いDenzel Curryのデビュー作はアルバムチャート28位に登場。

 

来週以降の動向・プレイリストなど

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集

 

Travis Scott – SICKO MODE

Travis Scott – STARGAZING

 来週のチャートの大本命・Travis Scottのアルバム。ほぼ全曲がHot 100に登場する見込み。上記2曲はトップ10デビューを果たす可能性も!

 

・YG feat. Jay 305 – Bulletproof

Mac Miller – Hurt Feelings

 Travis Scottに次ぐ規模のストリーミングを記録した2つのアルバム。彼らのアルバム曲も一部Hot 100に登場するかもしれません。

 

・Red Velvet – Bad Boy

 韓国のガールズグループ・Red VelvetがEPをリリース。そのうち“Bad Boy”の英語バージョンがiTunes下位に登場しましたが、Hot 100に入る可能性は無さそう。

 チャートに入るとしたら、シングルではなくアルバムチャートのほう可能性はありそうです。

 

・Kim Petras – Heart to Break

 ドイツのシンガー・Kim Petrasの“Heart to Break”がポップ系ラジオのランキング50位前後*3に登場。Hot 100入りはまだまだ遠いですが、ラジオの再生数がじわじわ伸びれば、いずれはHot 100に入れるかも???

 この曲は「ビルボードの評論家が選ぶ、2018前期ベストソング」の12位に入っています。いま最も期待されているポップシンガーと言ってもよいかもしれません

 

・プレイリスト

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

 

*1:Emily Warren Talks Working With The Chainsmokers, Singing on 'Paris' | Billboard より

*2:ウィキペディアではシングル扱いになっているものの、ラジオにかかった形跡があまり無い

*3:kworb.net のデータを参考にしている

8/3 新シングル・新アルバムを観察 【Travis Scottの爆発的人気 / Mac Miller・YGも好成績】

 

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 今週はアルバム激戦区!Travis Scott、YG、Mac Millerと有力ラッパーたちが複数アルバムをリリースしています。他にもMoneybagg Yo、Iggy Azalea、H.E.R.などが作品をリリース。その中でも一際輝いたのはTravis Scott!Drakeのアルバムチャート進撃をストップしそうです! *1

 

① 今週の主なアルバム

 

Travis Scott – Astroworld (iTunes:1位、Apple Music:1位、Spotify:1位)*2

 Travis Scottの新アルバムが爆発的な人気!Apple Music、Spotifyの両方で上位を支配しています。“Stargazing”、”Sicko Mode”はSpotify「のみ」で400万再生を越えています。

 

 ※曲個別の成績

  Spotify Apple iTunes
Sicko Mode (feat. Drake) 2 2 2
Stargazing 1 1 11
Carousel (feat. Frank Ocean) 3 3 82
R.I.P. Screw (feat. Swae Lee) 5 5 圏外
No Bystanders (feat. Juice WRLD & Sheck Was) 6 7 圏外
Stop Trying To Be GOD (feat. Kid Cudi, James Blake & Stevie Wonder) 7 6 圏外
Wake Up (feat. The Weeknd) 8 11 39
5% Tint  9 9 圏外
Skeletons (feat. Pharrell Williams & The Weeknd) 10 8 圏外
NC-17 (feat. 21 Savage) 11 12 圏外
Yosemite (feat. Gunna & NAV) 12 13 91
Astrothunder 14 14 圏外
Who? What! (feat. Quavo & Takeoff) 15 16 圏外
Can't Say (feat. Don Toliver) 16 17 圏外
Houstonfornication 17 19 100
Butterfly Effect 18 26 圏外
Coffee Bean 20 21 圏外

 

 既にHot 100登場済みの”Butterfly Effect”を除く、アルバム全曲がHot 100に登場する予感です。”Sicko Mode"はトップ10登場の可能性もありそうです。

 この抜群の成績ならば、Drakeに打ち勝てそう!好成績で、Drakeのアルバムチャート進撃をストップしそうです。

 Spotifyの再生数などを鑑みると、週間のストリーミング数は最終的にPost Maloneの“Beerbongs & Bentleys”(4億3130万再生)より一回り少ない再生数(4億程度?)になると考えています。

 客演だけでなく、このアルバムはプロデューサーも豪華。Boi-1da、Frank Dukes、Murda Beatz、Tay Keith、Hit-Boyなどのラップ界隈の名裏方だけでなく、Tame Impala・Thundercat・John Mayerと他のジャンルの名手もプロデューサーとしてこのアルバムに参加しています。

 また、このアルバムに対するメディアにの採点はまだ数が少ないですが、NMEが満点をつけています。

 

※このアルバムのサンプリング集

 

GeniusによるSicko Modeの解説

 

 

 

Mac Miller – Swimming (iTunes:2位、Apple Music:4位、Spotify:2位 or 3位くらい) *3

 iTunes2位につけるのはMac Millerの新作。目立ったシングルは無く、アルバムとしてのまとまりがかなり重視されている印象です。

Spotifyではアルバム全曲がランキング圏内に入り、Apple Musicでもアルバム4位に入るなど、ストリーミングでも好成績を残している印象です。

 

・YG – Stay Dengerous (iTunes:3位、Apple Music:2位、Spotify:4位くらい) *4

 Mac Millerと今週2番手の座を争うアルバム。YGの新作。Spotifyでは収録15曲中、11曲がランキング圏内に。Apple MusicではMac Millerを上回り2位。

 Mac Millerと違ってヒットシングルがあるので、最終的にはYGがストリーミングでMac Millerを抜かす予感です。

 Mac Miller 対 YGのバトルを制してもアルバム2位になれるかは微妙。6週目のDrakeという強力なライバルがいます。(Drakeはストリーミングを中心に10~15万相当の成績を残すと思います。アルバム2位に入るにはそれを抜く必要があります)

 

・H.E.R. – I Used to Know Her (EP) (iTunes:4位、Apple Music:9位)

 主にアダルトR&B系ラジオで人気を得ているシンガー、H.E.R.がEPをリリース。Bryson Tillerを迎えたシングル“Coluld’ve Been”が人気を得ています。

 

 

その他のアルバム

・Moneybagg Yo – Bet On Me (iTunes:8位、Apple Music:8位)

・Iggy Azalea – Survive the Summer (iTunes:11位、Apple Music:69位)

 

 

② 今週の主なシングル

 

・Bazzi feat. Camila Cabello – Beautiful (iTunes:10位、Spotify:58位)

 今週の目玉シングル。DL、ストリーミングともに好スタートを切っています。Bazziの“Beautiful”にCamila Cabelloが新たに加わったシングルです。

 この両者は今年ポップ系ラジオで1位を獲得していて、この曲もポップ系ラジオでの人気浮上に期待が持てます。(Camila Cabelloは“Havana”と”Never Be the Same”で、Bazziは“Mine”で)

 ちなみに二人は同い年(1997年生まれ)

 

・Zayn feat. Timbaland – Too Much (iTunes:49位、Spotify:146位)

 Zaynの新シングル。今回はTimbalandとダッグ。Zaynは毎回少し凝った曲調や客演を迎えている印象。しかし最近はシングルがあまりヒットになっていないので、そろそろヒットを飛ばしたいところ。果たして……

 

・Robyn – Missing U (iTunes:22位、Spotify:155位)

 批評家から高評価を受けてきたスウェーデンのシンガー、Robynによる久々のリリース。ソロとしてのリリースは、2010年のアルバム“Body Talk”以来だそうです。

 Robynは1990年代に2回Hot 100に入った経歴があります。

 

・Ella Mai – Trip (iTunes:37位、Spotify:168位)

 “Boo’d Up”で頭角を現したElla Maiの期待の新曲。DLもストリーミングもあまり高くない順位での登場ですが、”Boo’d Up”のようにラジオの人気によってじわじわヒット……のような展開に期待です。

 

・Cash Cash feat. Abir – Finest Hour  (iTunes:36位、Spotify:圏外)

 新リリースではないですが、iTunesを浮上中。この曲を0.69$で購入するたびに、慈善団体 St. Judeへ2$の寄付をするらしいです。割引よりも寄付の効果による浮上ですかね。

 

 

・iKON – Killing Me  (iTunes:97位、Spotify:圏外)

 韓国のボーイズグループ、iKONが今週EPをリリース。その中のシングル、”Killing Me”がUSのiTunes*5 97位にランクイン。今年1月の前シングル“Love Scenario”の時はUSのiTunes 100位圏内に入っていなかったので、約半年で勢力を少し伸ばしたことが伺えます。

 

※↑の2曲、Spotifyの成績が間違っていたので訂正しました

 

その他のシングル

・Danielle Bradbery & Thomas Rhett – Goodbye Summer  (iTunes:15位)

・Jay Allen – Blank Stares  (iTunes:46位)

・Martin Garrix feat. Bonn – High on Life  (iTunes:57位)

・Illenium – Take You Down  (iTunes:75位)

・Evvie Mckinney – How Do You Feel  (iTunes:87位)

・Hunter Hayes – Dear God  (iTunes:90位)

 

 

③ プレイリストの動向

 

・Hip-Hop A List・RapCaviar

  🍎 S
Travis Scott / Stargazing
DJ Holiday feat. Quavo & 21 Savage - 2 Seater
Travis Scott / Sicko Mode
Travis Scott / Carousel
Baka Not Nice / Dope Game  
Travis Scott / Wake Up  
Mac Miller / Hurt Feelings  
YG feat. Jay 305 / Bulletproof  
Moneybagg Yo feat. Lil Baby / No Cutt  
YG feat. Ty Dolla $ign / Power  
Smokepurp feat. Lil Pump / Nephew  
Chance the Rapper - 65th & Ingleside  
Mac Miller / Self Care  

 🍎はApple MusicのHip-Hop A Listに入った曲

SはSpotifyのRapCaviarに入った曲

 

 Travis Scottのアルバムからの選曲は2つであまり違いはありませんが、Mac MillerとYGは違う選曲をしています。

 深い理由はわかりませんが、RapCaviarはなぜか1週間ごとにChance the Rapperの曲をチェンジしています。(1週目:65th~ 2週目:Wala Cam、3週目:65th~)

※”I Might Need Security”のほうはリリースからずっとRapCaviarに入っています。

 

・New Music Friday

 表紙はTravis Scott。彼のアルバムはアメリカ以外でも人気!イギリス、オーストラリア、ドイツなど他の主要国でもアルバム全曲がランキング圏内に入っています。

 

④ ラジオの近況

左の数字は現在推定ラジオ順位 

右の数字(+,-)は1日のべ再生数の増減

 

・上り調子

32 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo No Brainer
219 Drake Nonstop
4 Drake In My Feelings
6 Post Malone  Better Now
1 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You
2 Cardi B, J Balvin & Bad Bunny I Like It
233 The Chainsmokers feat. Emily Warren Side Effects
43 5 Seconds of Summer Youngblood
49 Old Dominion Hotel Key
103 Imagine Dragons Natural

 

・下り調子

30 Jake Owen I Was Jack
8 Marshmello & Anne-Marie FRIENDS
3 Taylor Swift Delicate
13 Shawn Mendes In My Blood
11 Drake Nice For What
168 Big Boi feat. Lunchmoney Lewis All Night
5 Ariana Grande no tears left to cry
29 Dua Lipa New Rules
7 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
37 Foster the People Sit Next To Me

 

・今週ラジオでかかり始めた曲

                                        ポップ
18 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo No Brainer
38 The Chainsmokers feat. Emily Warren Side Effects
48 Zedd & Elley Duhe Happy Now
49 Tyga feat. Offset Taste
                                          HAC
49 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo No Brainer
                                       リズミック
18 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo No Brainer
36 Drake Nonstop
40 Meek Mill feat. Jeremih & PnB Rock Dangerous
43 Kanye West All Mine
48 Migos  Narcos
49 Queen Naija Medicine
                                        アーバン
33 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo No Brainer
36 6ix9ine fefat. Nicki Minaj & Murda Beatz FEFE
45 Childish Gambino Summertime Magic

 各系統で”No Brainer"が大人気!Drakeが、ヒット中の”In My Feelings"に加えて”Nonstop"も一部ラジオ局でシングル化。

 

 

⑤ 各種トップ10

 

・パンドラ (ラジオ型ストリーミング)

1 Drake In My Feelings
2 Lil Baby & Drake Yes Indeed
3 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin I Like It
4 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You
5 Post Malone Better Now
6 Juice WRLD Lucid Dreams
7 Cardi B Be Careful
8 Ella Mai Boo'd Up
9 Tyga feat. Offset Taste
10 5 Seconds of Summer Youngblood

 

 

 

・Album Of The Year / Most Popular

※批評メディアまとめサイトで注目されているアルバム

1 Travis Scott Astroworld ☆
2 Denzel Curry TA13OO ☆
3 Mac Miller Swimming ☆
4 Iggy Azalea Survive the Summer (EP)
5 KIDS SEE GHOSTS KIDS SEE GHOSTS ☆
6 Pusha-T Daytona ☆
7 Kanye West ye
8 YG Stay Dengerous
9 Travis Scott Rodeo
10 Travis Scott Birds in the Trap Sing McKnight

 ☆は評論家の間で好評=平均75点以上

 

*1:画像はWho is Travis Scott, the father of Kylie Jenner's baby? | Her.ie より

*2:Spotifyにはアルバムチャートが無いですが、ランキングから1番人気ということが伺えます

*3:Spotifyにはアルバム……(以下同 Mac Millerのアルバムも人気で全曲が200位圏内に入りましたが、6週目のDrakeを上回っているか微妙

*4:Spo……以下同…… Post Maloneに負けてるかも

*5:シングル

Hot 100 8/4 見どころ 【2人のトップ10入り・躍進の6ix9ine、復活のTyga】

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 今週の話題は2人のラッパーのトップ10入り!6ix9ineが初の、復活のTygaが3曲目のトップ10入りを成し遂げました。Tygaの“Taste”で客演のOffsetも、「自身の名義」では初のトップ10。ほかダンサブルなCiaraイスラエル出身シンガーソングライターなど。 ↑の画像は”Taste"のビデオでのTygaとOffset。

 

☆今週のHot 100ハイライト

・6ix9ineの“Fefe”が4位で登場。自身初のトップ10に

・Tygaの“Taste”が10位へ浮上!4年ぶりのトップ10入り

・緊急搬送の報を受け、Demi Lovatoの“Sober”が56位に再登場

CiaraのLevel Upが77位に登場

・Billie Eilish新曲が93位に登場。自身2曲目のHot 100に

・Drakeの"In My Feelings"が引き続き首位。これでDrakeは1位滞在が通算42週となり、2010年代で最も長くHot 100の1位に滞在したアーティストとなりました。

 

 

・今週のトップ10

ー1 Drake - In My Feelings 

ー2 Cardi B, J Balvin & Bad Bunny - I Like It

ー3 Maroon 5 feat. Cardi B - Girls Like You

☆4 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz - FEFE

△5 Post Malone - Better Now

▽6 Drake - Nice For What

▽7 Ella Mai - Boo'd Up

▽8 Juice WRLD - Lucid Dreams

ー9 Post Malone feat. Ty Dolla $ign - Psycho

△10 Tyga feat. Offset - Taste

 

 ・100位まで全ての順位表

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲           Drake – In My Feelings

今週最もダウンロードが上昇した曲 Ed Sheeran - Perfect

今週最もストリーミングが伸びた曲 YG feat. 2 Chainz, Big Sean & Nicki Minaj – Big Bank

最も高い順位で新登場した曲           6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz - FEFE

 

曲の個別解説

 

 

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 ─=同順位

☆97 NF – Lie

 昨年アルバム1位を獲得し、ブレイクを遂げたミシガン出身のラッパー・NFの“Lie”が97位で登場。彼にとって3曲目のHot 100に。

 この曲は主にポップ系ラジオで人気。一方、Hip-Hop / R&B系ラジオではあまりかかっていません。

 

☆93 Billie Eilish – you should see me in a crown

 16歳のシンガーソングライター・Billie Eilishの新曲”you should see me in a crown”が93位で登場。”Lovely”に次いで自身2曲目のHot 100に。

 DLで一定の数字を稼いだ(今週39位)ほか、ストリーミングでも好評(Spotifyで今週39位など)です。

 リスナーの間ではこのようにじわじわ注目度が上がっているBillie Eilishですが、ラジオからはまだあまり注目されていないようです。(“Lovely”も”you should see me in a crown”もまだ各ラジオ系チャートでまだ圏外)

 “Lovely”などシングルの浮上によって、彼女の昨年のEP、“Don’t Smile At Me”(”Lovely”は収録されていない)への注目度も上がっています。リリース当初はアルバムチャートで200位圏外でしたが、先週アルバムチャートで38位まで到達しました(今週は40位)

 

☆90 Dennis Lloyd – Nevermind

 Dennis Lloydの“Nevermind”が90位で登場。イスラエル出身のシンガー、Dennis Lloydにとっては初のHot 100に。

 ブレイクのきっかけはSpotify。イタリアで人気に火が付いたのち、じわじわ他の国でもヒット。ピークは今年の4月~5月頃で、Spotifyのグローバルチャートでは最高19位まで到達しました。

 USでもSpotifyにおけるピーク(36位まで到達)は4月で、既に現在はその時と比べると下降中(今週Spotifyで110位)ですが、代わりにラジオで伸びた(オルタナティブ、ポップ系など)ことからHot 100デビューを果たしました。

 

◇86 Weezer - Africa

 Drakeのアルバム曲がHot 100から徐々に減少。その「枠」に代わりに入る形で、いくつかの曲が今週、再登場しています。

 オルタナティブ系やアダルトポップ系のラジオで人気、Weezerの“Africa”が86位で、カントリーの貴公子Kane Brownの新シングル”Lose It”が98位で再登場しています。

 

☆81 Daniel Caesar feat. H.E.R. – Best Part

 Daniel CaesarとH.E.R.による“Best Part”が81位で登場。2人とも自身2曲目のHot 100エントリーです。

 この曲はR&B / Hip-Hop系ラジオで人気。特にその中の1系統、アダルトR&B系のラジオで人気です。Daniel Caesarは前シングル“Get You”でアダルトR&B系ラジオの1位に立っています。

 この2人はいずれも今年の来日公演が予定されていましたが、両者ともキャンセルになってしまいました。

 

☆77 Ciara – Level Up

 Ciaraの“Level Up”が77位で登場。Ciaraにとって2015年の“Dance Like We’re Making Love”以来3年ぶりのHot 100登場に。

 この曲はダウンロードを多く集めた(今週10位)ほか、YouTubeでも人気(今週43位)。踊りやすいサウンドが好評で、一部で#Levelupchallenge というタグが流行。この流行が YouTubeでの人気につながったのだと思います。

 

 私、流行調査?と思って最近Tik Tokをダウンロードしてみたのですが、「曲」のタブを開いたら“Level Up”が1番上に出てきました*1。Tik Tokでも#Levelupchallenge が注目を集めているようです。

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 Tik Tokは日本以外のユーザー(東アジアなど)も多く、グローバルの流行が多く入ってきている印象があります。(うまくローカル / グローバルを使い分けているように思います)

 

 

☆60 Chance the Rapper – I Might Need Security

 Chance the Rapperの“I Might Need Security”が60位で登場。客演を除く自身の曲では、”No Problem”、“Blessings”*2に次ぐ3曲目のHot 100エントリーです。(客演も入れると7曲目)

 この曲はこれまでのChance the Rapperの楽曲と同様、iTunes等では開放されていおらず、DLのポイントが0、つまりほぼストリーミングのポイントのみでHot 100に入ったということになります。

 現在Hot 100はDL、ラジオ、ストリーミングの3項目*3で構成されていますが、Chance the Rapperの楽曲(客演は除く)は常にそのうちの一つ、DLがゼロの状態でチャートに入っているということになります。

 2016年のシングル、“No Problem”はDLのポイントが0というハンデを負うなか、ラジオとストリーミングで奮闘し、Hot 100で43位と大躍進を遂げました。

 

※この"I Might Need Security"と同時にリリースされた"65th & Ingreside"は117位相当、"Work Out"は119位相当でした。”Wala Cam"はBubbling Under(101-125位相当)の圏外。

 

◇56 Demi Lovato – Sober

 薬物過剰摂取による緊急搬送の報を受け、Demi Lovatoの“Sober”が56位で再登場。DLやストリーミングの数字が伸びました。 

 この“Sober”の歌詞では、Sober状態(しらふ=つまり薬物無し状態)が途切れてしまった、と歌われています。5月にはここ6年間Sober状態だったことをTwitterで公表したDemi Lovatoでしたが、この曲の歌詞にある通り、Sober状態が実際に途切れてしまったようですね……

 Demi Lovatoが客演を務めるClean Banditの“Solo”も今週66位→61位と少し順位を上げています。

 

☆37 Imagine Dragons – Natural

 Imagine Dragonsの“Natural”が37位で登場。DLで高い数字を記録(今週4位)したほか、ラジオでも既に人気ということから、登場週からいきなりトップ40に入りました。

 単発シングルなのか、次のアルバムからのシングルなのか、などこのシングルの「立場」はまだ不明です。

 数多くのヒット曲を生み出したJustin Tranterがソングライターとして参加しています。(彼は“Believer”でもソングライトを担当していた)

 

△28 YG feat. 2 Chainz, Big Sean & Nicki Minaj – Big Bank

 先週トップ40入りを果たしたYGのシングル、“Big Bank”が好調。ラジオやストリーミングのポイントを伸ばし、39位→28位と上昇中です。

 YGは今週3枚目のアルバム“Stay Dengerous”をリリース。Travis Scott、6週目のDrakeなどとアルバム1位の座を争います。(このアルバムがチャートに反映されるのは再来週)

 

△10 Tyga feat. Offset – Taste

 Tygaの“Taste”が10位へ浮上!この曲はTygaにとっては久々のHot 100入りでしたが、一気にトップ10まで順位を伸ばし、V字回復を遂げました。Tygaにとってトップ10はChris Brownの客演を務めた”Loyal”以来の快挙です。自身の曲では“Rack City”以来6年ぶりの出来事。

 この曲はストリーミングで人気のほか、ラジオでも浮上中で、多方面から支持を得たことが、トップ10入りの大きな要因だと思います。

 Offsetはソロ名義では初のトップ10に。(Migos名義では既に4曲でトップ10入り)

 Tygaは次シングル“SWISH”も好調で、来週のHot 100に入るかも。勢いを取り戻しつつありますね!

 

☆4 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz – FEFE

 先週の日曜日にリリースされた6ix9ineの“FEFE”が絶好調!いきなり4位で登場しました!6ix9ineにとっては初のトップ10になりました!(“GUMMO”は12位ピーク)

 ストリーミングで爆発的な人気(Apple Musicで1位、SpotifyYouTubeで2位)を得ているほか、ダウンロードも上々の数字(今週6位)を記録しています。

 客演に入ったNicki Minajにとっては17曲目のトップ10、かつ93曲目のHot 100エントリーに。Hot 100エントリー曲数の多さでカニエ(92曲)を抜き返しています。

 もう一人の客演、Murda Beatzはカナダ人のプロデューサー。彼が自身の名義でHot 100入りするのは今回が初です。裏方プロデューサーとしては、“Nice For What”、”MotorSport”など多くの曲でHot 100入りを果たしています。

 この曲は日曜リリース、と週の途中リリースだったため今週の集計は約5日分と中途半端でした。7日分フルで集計される来週はある程度ジャンプアップが期待できます。ただし、1位~3位の曲がいずれもラジオを中心に絶好調のため、トップ3の壁を破れず4位のまま、という可能性もありそう。

 

─3 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

 Maroon 5の“Girls Like You”がラジオで1位に!Hot 100の順位は3位のまま。

 Maroon 5にとってこの曲は、”Moves Like Jagger”、“Payphone”、“One More Night”、”Animals”、“Don’t Wanna Know”に次ぐ6曲目のラジオ1位で、Boyz Ⅱ Menを抜いてラジオ1位が最も多いグループとなりました!

 全体では、Rihanna(13曲)、Mariah Carey(11曲)、UsherKaty Perry(7曲)に次ぐ、5番手です。(Ludacris、Taylor Swift、Kanye West、Beyoncéも同じく6曲でラジオ1位を記録)

 

 先週までのラジオ1位はCardi Bの“I Like It”だったため、ラジオ1位は2曲連続でCardi Bの曲に。同一アーティストの曲が2連続でラジオ1位になるのは2016年のJustin Bieber(”Sorry“ → “Love Yourself”)以来です。

 主にストリーミングを得意とするCardi Bですが、このようにラジオでも着実に結果を残し続け、幅広い支持を得ていることが伺えます。

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Drake feat. Jay-ZTalk Up (🗻20位 /⏰3週)

99 Future – 31 Days (🗻65位 /⏰2週)

98 Drake – 8 Out Of 10 (🗻21位 /⏰3週)

97 Bad Wolves – Zombie (🗻54位 /⏰18週)

89 David Lee Murphy & Kenny Chesney – Everything’s Gonna Be Alright (🗻66位 /⏰13週)

86 Halsey feat. Big Sean & Stefflon Don – Alone (🗻66位 /⏰14週)

82 Drake feat. Static Major & Ty Dolla $ign – After Dark (🗻41位 /⏰3週)

80 Drake – Blue Tint (🗻30位 /⏰3週)

79 twenty one pilots – Nico And The Niners (🗻79位 /⏰1週)

73 Wiz Khalifa feat. Lil Skies – Fr Fr (🗻73位 /⏰1週)

67 Drake – Elevate (🗻14位 /⏰3週)

 

 Ciaraの元夫・FutureがHot 100から消える

 

・アルバムチャートの上位に新登場した作品

※アルバムチャート(Billboard 200)で50位以上に新登場した作品です

26 The Internet – Hive Mind

 

 リリースが少なく、50位以上に新登場したアルバムはこれのみ。他の新リリースで200位圏内に登場したのは、77位88risingの“Head in the Clouds”、171位Popcaanの”Forever”、182位Meg Myersの”Take Me To The Disco”のみ。

 新リリースではないですが、“Mamma Mia Here We Go Again”のサントラがアルバムチャートで3位まで浮上

 

来週以降の動向・プレイリストなど

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集

・Loud Luxury feat. Brando – Body

 Spotifyで好調なグローバルヒット曲。USのSpotifyでも今週29位まで浮上しています。今週115位相当とHot 100に接近中です!

 このタイプの曲がHot 100にエントリーするには、Spotify以外でもヒットすること(例:ラジオ、他のストリーミングなど)が重要ですが、この曲は他の媒体にも人気が飛火するでしょうか!

 

・Dynoro – In My Mind

 Gigi D’agostinoの“L’amour Toujours”をDynoroがアレンジした”In My Mind”がSpotifyで浮上中。

 この曲はドイツで大人気。今年、ドイツのSpotify週間チャートでは途中まで全ての週でラップが1位だったのですが、この“In My Mind”がその「ラップ支配」を止めました。

 

 

・その他の新曲情報はこちらを参照してください!

 

・プレイリスト

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

*1:今検索したら違う曲が出てくるかも知れないです

*2:Ty Dolla $ignが客演のほう。前のミックステープには”Blessings”というタイトルの曲が2つある

*3:Hot 100は目安として優先度がDL>ラジオ>ストリーミングに設定されているので、DLが抜けているのはHot 100上ではかなりキツい

7/27 新シングル・新アルバムを観察 【DJウィーク / DJ Khaled、Murda Beatz、The Chainsmokersなど】

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 今週はDJ Khaledをはじめとして、ほかMurda Beatz、The Chainsmokers、David Guettaなどの「DJ」や「プロデューサー」関連のリリースが目立ちます!

 その中で特に好調なのは”I'm the One"の続編的なDJ Khaledの”No Brainer"、Murda Beatzがプロデュースし、自身も客演に入っている6ix9ine、Nicki Minajとの”FEFE"でしょうか!

 ↑の画像はDJ Khaledの誕生日パーティーの様子。DJ Khaledの右にいるのがMurda Beatz。*1

 

 

※特に明記が無い限り、iTunesSpotifyの順位は、「アメリカ」の「金曜日」の順位を指しています。

 

① 今週の主なアルバム

 

・Kenny Chesney – Songs for the Saints (iTunes:1位)

 カントリー界のベテラン、Kenny Chesneyによる17枚目のアルバム、“Songs for the Saints”がiTunesアルバム1位。

 昨年の彼のライブアルバム、“Live in No Shoes Nation”はチケット付きCDの効果などもあって、Kelly Clarksonを打ち破ってアルバム1位を獲得しましたが、今回のアルバムはどうなるでしょうか。

 ちなみにアルバム1位争いのライバル、Drake(5週目)はこの週に、ストリーミングを中心に20~25万枚「相当」のセールスを記録すると思います。

 

・Halestorm – Vicious (iTunes:3位)

 Lizzy Hale率いる紅一点ロックバンド、Halestormの新作がiTunesアルバム3位に。Halestormはハードロック系ラジオ(Billboardでは“Mainstream Rock Airplay”という名称)で人気があり、今までにこのラジオ系統で3回1位を取ったことがあります。

 

Daughtry – Cage to Rattle (iTunes:4位)

 Daughtryの5枚目の“Cage to Rattle”がiTunesアルバム4位で登場。

 Daughtryは主に2000年代半ばに人気を集めたバンドで、セルフタイトルのデビュー作は週間のアルバム1位に輝いただけでなく、2007年の「年間」アルバム1位にもなっています。

 

Queen Naija – Queen Naija (EP)  (iTunes:6位)

 YouTubeを拠点に活動し、ブレイクを果たしつつあるR&Bシンガー、Queen NaijaがデビューEPをリリースしました。DLだけでなく、ストリーミングのポイントもある程度は期待できそうです。

 

・Denzel Curry – TA13OO (iTunes:11位)

 新進ラッパー、Denzel Curryの3枚目のアルバム“TA13OO”が今週リリースされました。Light / Grey / Darkの3部で構成されているこのアルバムには、ゲストにGoldlink、JPEGMAFIAが参加。さらには、現在”Lovely”や”you should see me in crown”がヒット中のBillie Eilishもバックグランドコーラスとして参加しています!

 このアルバムはPitchforkが7.7/10点と高めの点数をつけていて、今後彼に対する注目度が上る可能性も!

 

・RL Grime – NOVA (iTunes:26位)

 ダンス系のDJ~プロデューサー、RL Grimeが2枚目のアルバムをリリース。Ty Dolla $ign、Jeremih、Miguel、Julia Michaelsなど豪華ゲストが参加。ほかDayaや88risingのJojiなどもアルバムに参加しています。

 Miguel、Julia Michaelsが参加したシングル、“Light Me Up”はSpotifyで注目(83位)されています。

 

・G Herbo & Southside – Swerbo  (iTunes:10位)

 シカゴのラッパーG HerboとプロデューサーSouthsideによるジョイントアルバム。Apple Musicでの人気が高く、ストリーミングのポイントによってアルバムチャート上位に食い込む

 

☆その他のアルバム

・Cody Jinks – Lifers (iTunes:2位)

 

② 今週の主なシングル

 

・DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo & Chance the Rapper – No Brainer

iTunes:3位 Spotify:15位)

 今週の主役DJ!今週の目玉シングル、DJ Khaledの“No Brainer”がアメリ*2の金曜日正午あたりにリリースされ、瞬く間に人気になっています。

 正午リリースで、今日は半日分しか集計されていないので、24時間フルで集計される明日には、再生数が伸びる可能性もあるかも!*3

 客演がJustin Bieber、Quavo、Chance the Rapperと“I’m the One”からLil Wayne以外を続投していますが、客演だけでなくプロデューサーのNic Nacも続投しています。 

 “I’m the One”以上にJustin Bieberのヴァースが多く、彼を中心に据えた1曲という印象です。

 

・6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz (iTunes:6位 Spotify:2位)

 先週の日曜日にリリースされた6ix9ine、Nicki Minaj、Murda Beatzによる“FEFE”が絶好調です。iTunes6位、Spotify2位のほか、Apple Musicでは1位に立っています!

 客演に入っているMurda Beatzは、カナダ出身のラップのプロデューサー。今までDrakeの“Nice For What”や”Portland”、Migosの”MotorSport”などのプロデュースを担当しています。

 ストリーミングでの好調を受け、来週または再来週のHot 100ではトップ10入り見込み。実現すれば、6ix9ineとMurda Beatzにとっては初のトップ10です。(Murda Beatzは自身の名義での初のHot 100となる)

 

・DJ Durel & Migos – Hot Summer (iTunes:圏外 Spotify:153位)

 この曲もDJ系リリース。DJ DurelとMigosによる“Hot Summer”。

 DJ DurelはMigosのオフィシャルDJ。Migosの今年のアルバム“Culture Ⅱ”では“Narcos”、”BBO”など計10曲でプロデューサーを務めています。

 

・Logic feat. Ryan Tedder – One Day (iTunes:22位 Spotify:20位)

 LogicがOne RepublicのRyan Tedderを迎えた新曲。DLやストリーミングでそれなりに注目されています。

 この2人はドラマ “13 Reasons Why”のサントラに収録されている”Start Again”でもコラボしていました。(その時はOne Republic feat. Logicで、今回とは客演が「逆」)

 

・The Chainsmokers feat. Emily Warren – Side Effects

iTunes:35位 Spotify:44位)

 The Chainsmokersの新曲。客演はソングライトなどで長年The Chainsmokersと関わってきたEmily Warrenです。 DL、Spotifyともに悪くないスタートを切っている気がします。

 

・David Guetta feat. Anne-Marie – Don’t Leave Me Alone

iTunes:59位 Spotify:65位)

 David Guettaが新曲“Don’t Leave Me Aloneをリリース。客演はAnne-Marie。DJとしてはベテランの部類に入るDavid Guettaですが、今も積極的に多くのアーティストとコラボし、シングルを精力的にリリースしていますね!

 客演のAnne-Marieの効果もあって、アメリカ「以外」のストリーミングではそれなりにヒットする予感。アメリカでヒットするかは不明。

 ちなみにこの曲のタイトルは“Don’t Leave Me Alone”で、歌詞にもこのフレーズは登場しますが、Anne-Marieが客演で参加したRudimentalのシングル、”Let Me Live”では”Leave Me Alone”と逆の歌詞を歌っています。

 

・Tyga – SWISHiTunes:圏外 Spotify:23位)

  “Taste”で勢いに乗るTygaの新曲が、Spotify23位と快調なスタートを切っています!

 現在では好調のTygaですが、ヒットした”Taste"もリリース当初はSpotifyで圏外など、少し前まではTygaへの注目がかなり薄かった印象がありました。しかし”Taste“のヒットで一気に巻き返した印象があります!

 

・HONNE feat. Anna of the North – Feels So Good (iTunes:圏外 Spotify:圏外)

 イギリスのプロデューサー、HONNEが新曲“Feels So Good”をリリース。この曲は来月リリース予定のアルバム”Love Me◑ / Love Me Not◐”からの1曲。

 客演はノルウェー出身の女性SSW、Anna of the North。彼女は昨年、G-Eazy、Tyler, the Creatorのアルバムに客演として参加していました。 

 HONNEはタイでの人気が高いようで、今年リリースされた“Day 1”はタイのSpotifyApple Musicの両方でトップ10入りしています。

 

・Charli XCX – Girls Night Out (iTunes:圏外 Spotify:圏外)

 Charli XCXが新曲、“Girls Night Out”をリリース。プロデューサーはSophieとStargate。この曲は、昨年”Boys”をリリースしてからちょうど1年後にあたる時期のリリースになりました。

 アメリカではiTunesSpotifyも圏外で、イギリスでも特段人気!という訳でもないですが、評論メディアの世界では注目度が高く、ビルボードを含めた多くのメディアが、この曲のリリースについて報じています。音楽メディアまとめサイトAlbum of the Yearではシングルリリースながらも、注目を集めています。

 Charli XCXは年々インディー界隈での人気が高まっていますね。

 

 この曲はCharli XCXにとって”5 in the Morning”、”Focus”、”No Angel”に次ぐ今年4曲目となりましが、彼女はRolling Stoneのショートインタビューで、「自分の曲、客演に関わらず、今はできるだけ多くの曲をリリースしていきたい気分」と述べています。

 

 

☆その他のシングル

・Zhavia Ward - Candlelight (iTunes:44位 Spotify:圏外)

・Tinashe – Throw a Fit (iTunes:97位 Spotify:圏外)

・YG feat. A$AP Rocky – Handgun (iTunes:圏外 Spotify:165位)

・Sheck Was – Mo Bomba (iTunes:圏外 Spotify:186位)

 

③ プレイリストの動向

・Hip-Hop A List・RapCaviar

  🍎 S
Tyga - Swish
6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz - Fefe
DJ Durel & Migos - Hot Summer
YG feat. A$AP Rocky - Handgun
DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo - No Brainer  
Denzel Curry - SUPER SAIYAN SUPERMAN I ZUPER  
A$AP Rocky feat. Skepta - Praise the Lord  
Sheck Was - Mo Bamba  
Chance the Rapper feat. Supa Bwe & Forever Band / Wala Cam  
YBN Cordae - Kung Fu  
Rich the Kid feat, Quavo & Offset - Lost It  

🍎はApple MusicのHip-Hop A Listに入った曲 / SはSpotifyのRapCaviarに入った曲

 

 Tyga、6ix9ine、YGの新曲などが両方のプレイリストに入っています。それ以外は過去曲の追加が多いです。(Apple Musicの”Praise the Lord"、RapCaviarにおけるChance the Rapper など)

  RapCaviarの入れ替わりの方が多いという珍しい週に。

 

・New Music Friday

 今週の表紙はLogic。Marshmelloとの”Everyday"をリリースした週に次いで、今年2回目の表紙起用です。今週は他にDavid Guetta、DJ Khaled、The Chainsmokersなど大物リリースが他にもあったので、この表紙チョイスはやや意外な気もします。

 

④ ラジオの近況

左の数字は現在推定ラジオ順位 

右の数字(+,-)は1日のべ再生数の増減(単位:100万)

 

・上り調子

9 Drake In My Feelings +3.9
1 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You +2.5
10 Post Malone Better Now +2.3
28 Keith Urban feat. Julia Michaels Coming Home +1.7
15 Khalid & Normani Love Lies +1.5
167 Ariana Grande God is a woman +1.3
73 Weezer Africa +1.1
155 Imagine Dragons Natural +1.0
29 Selena Gomez Back To You +1.0
52 5 Seconds of Summer Youngblood +0.9

 Maroon5とCardi B の”Girls Like You"がラジオ首位に。ラジオ1位曲が2連続でCardi B です。(I Like It → Girls Like You)

 

・下り調子

55 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive -1.9
7 Drake Nice For What -1.8
5 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle -1.6
195 Sam Hunt Downtown's Dead -1.5
14 Bazzi Mine -1.2
4 Ariana Grande no tears left to cry -1.2
256 Lindsay Ell Criminal -1.2
12 Shawn Mendes In My Blood -1.2
64 Rich The Kid Plug Walk -1.1
13 Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant To Be -1.0

 ”Meant To Be"、”The Middle"、”Nice For What"など今年前半のヒットが少しずつラジオの再生数を減らしています。

 

・今週ラジオでかかり始めた曲

              ポップ
37 Charlie Puth The Way I Am
39 Benny Blanco, Halsey & Khalid Eastside
47 Martin Garrix feat. Khalid Ocean
49 Imagine Dragons Natural
50 Jonas feat. Jack & Jack Rise
             アダルトポップ
40 Charlie Puth The Way I Am
46 Bebe Rexha I'm A Mess
49 Dan + Shay Tequila
                                       リズミック
43 NAV feat. Travis Scott Champion
45 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz Fefe
46 2 Chainz feat. Quavo &Drake Bigger Than You
50 Queen Naija Medicine
                                         アーバン
33 Migos Narcos
34 Meek Mill feat. Jeremih & PnB Rock Dangerous
41 J. Cole ATM
45 Teyana Taylor Gonna Love Me
48 Goldlink feat. Miguel Got Friends

 

 ラジオで強いCharlie Puthの新シングルが早速伸びています。

 6ix9ineの”FEFE"がリリース後すぐにラジオでも人気に。Migosの”Narcos"がシングルカットによってラジオで人気に。

 ほかグローバルヒットのJonas Blue、”Rise"がポップ系ラジオに登場 など。

 

⑤ 各種トップ10

 

iTunesシングル 

1 Drake In My Feelings
2 Demi Lovato Sober
3 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Chance the Rapper & Quavo No Brainer
4$ Cardi B, Bad Bunny & J Balvin I Like It
5 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You
6 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz Fefe
7 Imagine Dragons Natural
8 Post Malone Better Now
9 Florida Georgia Line Simple
10 5 Seconds of Summer Youngblood

 首位は”In My Feelings”のまま。DL上位の面々にあまり変化はありません。

 

・パンドラ (ラジオ型ストリーミング) ※今週

1 Drake In My Feelings
2 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin I Like It
3 Lil Baby & Drake Yes Indeed
4 Drake Nice For What
5 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You
6 Post Malone Better Now
7 Migos feat. Drake Walk It Talk It
8 Selena Gomez Back To You
9 Ella Mai Boo'd Up
10 Juice WRLD Lucid Dreams

  ほかのストリーミングで人気の”In My Feelings"や、”Lucid Dreams"がここでも上位に。

 

・Album Of The Year / Most Popular

※批評メディアまとめサイトで注目されているアルバム 

1 Denzel Curry TA13OO ☆
2 The Internet Hive Mind ☆
3 KIDS SEE GHOSTS KIDS SEE GHOSTS ☆
4 Ross from Friends Family Portrait
5 Deafheaven Ordinary Corrupt Human Love ☆
6 Drake Scorpion
7 Charli XCX Girls Night Out (シングル)
8 Kanye West ye
9 Pusha-T Daytona ☆
10 Gaika  Basic Volume ☆

☆=高評価を受けたアルバム (平均75点以上)

 アルバムの項目で述べたDenzel Curryが一番注目を受けています。Ross from Friendsはディープハウス、GaikaはオルタナティブR&Bのアーティストです。

 

*1:http://www.zimbio.com/photos/DJ+Khaled/Murda+Beatz より

*2:EST

*3:逆にリリース直後の「せっかくだしチェックしよう」のような心理が薄れて、再生数が落ちる可能性も