チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

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ようこそ!音楽チャートの世界へ!

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みなさん。こんにちは。知っている方も初めての方も、こんにちは!

はじめましてトコトコと申します!

(ちなみにアンダーバー_は5個)

 

音楽チャート、またポップ音楽について考察していきたい、自称チャート研究者によるブログです。

 

音楽チャート、ポップ音楽のなるべくディープな世界について書いていきたいです。

 

未来のチャート少年がニヤっとできる記事と、新たな音楽の楽しみを提案するような記事、議論のタネになるような記事を作ることを目指しています!!

 

※できるだけミスの無いよう努めていますが、もしミスを発見したらご一報頂けると幸いです。 

 

 

・おすすめ記事20選

 ※画面右(パソコン)や画面下(スマホ)にある「人気記事」の項目もぜひ参考にしてください!

 

 ・Noteで連載もやっています!

 

・記事のアーカイブ

 

 

TikTok Top Tracks(仮)案

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 今年に入っても、Hot 100等でTikTokに関連したヒット曲が続発。引き続き音楽のヒットへ影響を及ぼす存在になっています。今回は私が考えたTikTokチャートのようなもの、の案を紹介しようと思います。(主にUS方面の人気曲を探ります)

 

 以前、YouTubeにあるTikTokウォッチャーの動画を活用して、TikTok人気曲を探る方法を記事にしました。

 

 またこれの類似の方法としてTikTok曲を追うプレイリストも参考になる、とも書きました。以降、記事で紹介したViscksさんのシリーズ、AppleにあるAliya Carpenterさんのリスト、Spotifyにある公式のリストなどを追ってきました。これらの方法は手軽に流行を知ることが出来て、後追いが可能な点が特徴的です。

 

・(Visicksさんのリスト):https://www.youtube.com/watch?v=SpfiruQwufg&list=PLNLyZRTvamh5M2ZUax5Ygec0NghQfR-3a&index=1

・(Appleのリスト):Tik Tok by Aliya Carpenter on Apple Music

・(Spotifyの公式プレイリスト):TikTok Trending on Spotify

 

 しかしこれらのリストで微妙に選曲が違い、「TikTokで流行っている曲とは?」に完全回答が無いことが分かります。またリストだけで追うと分からないことがあって、

 

・その曲がどのくらい使われているか?が分からない (リストだと入る・入らないの2択しかない)

・その後どのくらい人気が持続したか?

SpotifyAppleの場合、抜けている曲もある / 使用法が分からない

SpotifyAppleの場合、リミックスやマッシュアップが反映できないことも多い

・3種類追っていても微妙に抜けている曲がある気がする

……などがあります。

 

 そこでTikTokランキングのようなものを自分で作成出来たら、面白いと考えました。作成にあたり着目したのはTikTokインフルエンサーの存在です。

 

 この存在に気づいたきっかけはFamous Birthdaysというサイトです。このサイトはその名の通り誕生日を紹介するサイトなのですが、人物ごとにBoostというボタンがありそれで投票することが出来ます。そこで投票され上位に入った人物は、実際の知名度とは微妙に違い若者向けのスターが多く、セレブリティ好きのコミュニティのような様相になっています。

 ちなみにこのサイトはBillboardとアクセス規模、アクセス元の国が似ています。(Similar Webというツールを参照) 両方とも2200万ほどの月間ビュー。そしてアクセス元はアメリカが多くの割合を占め、他の英語圏が続きます。つまり……(=マイナーなサイトではないので、ある程度情報に説得力があるということです)

 

 昨年8月頃、TikTok Star(職業)としてはじめてPayton Moormeierが総合ランキング入り。その後も躍進はTikTok Starはランキングを急浮上。そして年明け頃からTikTok Starの最大手的存在、Charli D’Amelioが全体で1位の人気を獲得しました。彼女は現在フォロワー数もTikTok内で最多です。

 ほかAddison Rae、Chase Hudsonもこのサイトの総合トップ10に入っています。TikTokの勢いを感じます。

 このようなインフルエンサー数名が上げた動画を全て観察し、そこで使用された曲をカウントすればTikTok Top Tracks(仮)のようなものが作れるのでは、と考えました。また、以下のようなことがこの考えを後押ししました。

 

 

・個人名が音楽系メディアで取り上げられるようにもなった

 チャート系メディアのHits Daily Doubleは”CHARLI IN CHARGE”とし、単独記事でTikTokスターを紹介。個人がヒットを生み出すようになるのでは?ということを推察しています。記事にはAddison RaeやDixie D’Amelioも登場します。

 またHeadline Planetというチャート系サイトの創設者は(アーティストの)プレスリリースに「この曲はCharli D’Amelioによって使われた」のような記述が見られるようになった、述べています。

 

 業界での期待度も高いようで、仮に流行っていない曲だとしてもインフルエンサーがかければ本当にヒットになるかもしれない、という可能性も考えてインフルエンサーの使う曲を調べる意義があると感じました。

 

インフルエンサー同士がイベントで会うようなことも多い

 今は状況的に難しいですが、少し前まではインフルエンサー同士が一緒の場所で撮影する、または同じイベントに登場するなど……のようなことが多かったです。

 トップ同士が親しい関係にあることから、TikTok上や直接の交流を通して情報の共有が行われている可能性がある、ということです。このトップスターの誰かが流行をキャッチすれば、トップスター内に広がっていくのではと考えたのです。

(ちなみにこの話は『ソーシャルメディアの生態系』という本で紹介される、Vineはスター同士で紹介し合うのが人気の秘訣だ、というエピソードから着想を得ました。TikTokにも似たような部分があるのではないか、と考えました。)

 

 

他にも……

 The Hype HouseというTikTokのコミュニティのようなものも存在します。これもTikTokスター同士が親しい、ということの証左の一つではあったのですが、最近D’Amelio姉妹がここを脱退しました。

 

 また準トップクラスのNoen EubanksはTikTokのコンテンツがどんどん似通っていきていると意見しています。仮にそうだとすれば、数人を調べるだけでTikTok全体像のようなものがわかる、ということになります。

 

 TikTokに専念している人から採取したい(それの方がTikTok内の流行に敏感、TikTokらしさを反映?)と考えたので、Famous BirthdaysのTikTok Star上位10名が使用した曲をカウントすることにしました。随時ランキングが変動するので、毎月調査対象が少しずつ変わります。

 このFamous BirthdaysはUSからのアクセスが中心で、ここで選ばれたスターも(今のところ)全員北米出身でした。つまりこのランキングでは主にUS方面での人気を反映させたものと考えて良いでしょう。

(ただしTikTokヒットと称される曲のチャートアクションを見ると、英語圏以外でも人気を得ているケースも多いので、ここで上位に入った曲は他国で人気を得るポテンシャルも秘めていると思います)

 他にもフォロワー数が純粋に多い人、など対象の選び方には他の方法もあるとは思うので、この人のチョイスは再考の余地があるのかもしれないです。

 

 

◇カウント方法は……

・使用人数ではなく、回数をカウントする

マッシュアップは採用された全ての曲に+1のカウント

・リミックスも原曲も同一の曲としてカウント

・カバーは別物としてカウント

・調査時にSound Not Availableの曲は対象外

・Shazam、もしくは歌詞の検索をすればほとんどの曲は特定できますが、ごくわずかに特定不能なものもあります。

・単純に喋っているだけの動画など、曲として分類できないものは割愛

・同じ回数の場合、使用人数が多いほうを上位に

 

(凡例)

・緑背景はマッシュアップでのみ使用された曲

・太字はその人のパートが主に使用されていたことを指す

・順位がピンクになっている曲は先月に引き続きランクインしたもの

・ここで表示するのは40位まで

・「先月数」は先月の「使用回数」

 

3月

対象:(Charli D’Amelio, Chase Hudson, Addison Rae, Dixie D’Amelio, Avani Gregg, Josh Richards, Payton Moormeier, Anthony Reeves, Zoe Laverne, Nessa Barrett)

 

      回数 人数
1 Megan Thee Stallion Savage 47 9
2 King Critical Why Is Everything Chrome 42 8
3 BENEE feat. Gus Dapperton Supalonely 39 7
4 YNW Melly Dangerously in love 24 7
5 Rontae Don't Play She Belong to the Streets (Toxic) 23 8
6 Rontae Don't Play I'm Single and I'm Lit 22 7
7 SAINt JHN Roses (Imanbek Remix) 18 6
8 Wiz Khalifa feat. Ty Dolla $ign Something New 17 7
9 Johny G feat. Sales Over It (Chinese New Year TikTok Remix) 15 6
10 Doja Cat feat. Gucci Mane Like That 14 7
11 DŸLN, Priceless Da ROC Yiken 12 8
11 50 Cent Disco Inferno 12 8
13 MC Hammer u can't touch this 12 6
13 BENEE Glitter 12 6
15 Rihanna feat. Drake What's My Name 12 3
16 Tory Lanez feat. Chris Brown The Take 11 5
17 Trey Traylor Knock Knock (Mac Miller Cover) 11 3
18 Mighty Boy Need A Freak 9 4
18 Doja Cat Say So 9 4
18 GraphicMuzik / 増田順一 ポケモン赤緑・VSチャンピオン (Trap Remix) 9 4
18 DripReport Skechers 9 4
22 Sean Paul Temperature 9 3
23 Nfasis Tra Tra 8 5
24 Nick & Sienna Paparazzi (Lady Gaga Cover) 7 5
24 Moe Outta There 7 5
26 GraphicMuzik Max And Rubyyy 7 4
26 Kesha Cannibal 7 4
26 Doja Cat Cyber Sex 7 4
26 Harry Styles Adore You 7 4
26

iMarkkeyz (feat. Cardi B)

Coronavirus 7 4
26 不明 Can You Catch Me? 7 4
32 Lil Uzi Vert Myron 7 2
33 Trippie Redd Taking a Walk 6 6
34 Beyoncé Dance For You 6 4
34 Cookiee Kawaii Vibe 6 4
36 Dua Lipa Don't Start Now 6 3
36 Trey Songz feat. Nicki Minaj Bottoms Up 6 3
36 Surfaces Sunday Best 6 3
39 Ava Louise Skiny Legend Anthem 5 5
39 Pop Smoke Dior 5 5

 

~補足~

1位 Savage

 他の媒体にも人気が乗り移ったこの曲が今月1位。曲のヒットに伴いDaddy Remixなど他のエディションも続々登場。流行を支えました。

 

2位、4位、5位、6位

 この4曲が合わさったマッシュアップが大流行。どの曲も単体で使用されることは少なく、マッシュアップの「効果音」的な立ち位置になっている印象です。

 

11位&11位 Yiken & Disco Inferno

 この2曲のマッシュアップのみでのランクイン

 

13位 Glitter

 "Supalonely"人気に伴い、BENEEの別曲もマッシュアップで人気に。

 

18位 VSチャンピオン (赤緑)

 GraphicMuzik氏が"Pokemon Gm"というタイトルで上げている音源より。"Gm"というのは全ての曲の末尾についており、曲名では無いらしいです。なので「曲名は何?」と聞かれたら表のような表記になると思います。

 

26位

 "Something New" → "Savage" → "Coronavirus"(Cardi Bの絶叫)というマッシュアップの1パーツとしてのみの使用

 

3月 おまけ (日本関連の曲)

101位タイ 山下達郎 – Fragile (2回/2名)

159位タイ 花澤香菜恋愛サーキュレーション (1回/1名)

159位タイ 花澤香菜 – リカバーデコレーション (Android 52 Remix) (1回/1名)

 

 

4月

対象:(Charli D’Amelio, Chase Hudson, Addison Rae, Dixie D’Amelio, Avani Gregg, Josh Richards, Payton Moormeier, Tony Lopez, Zoe Laverne, Anthony Reeves)

 

      回数 人数 先月数
1 Doja Cat Say So 39 7 9
2 Megan Thee Stallion Captain Hook 22 6 4
3 J Boog Let's Do It Again 20 7 -
4 BLIND .SEE & BRYOZA Rockstar Shit 19 7 1
5 Megan Thee Stallion Savage 18 7 47
6 GraphicMuzik / 増田順一 ポケモン赤緑・VSチャンピオン (Trap Remix) 17 7 9
6 Doja Cat feat. Gucci Mane Like That 17 7 14
8 Championxiii Splash 15 7 -
9 Pia Mia feat. Chris Brown & Tyga Do It Again 13 7 -
9 Don Toliver After Party 13 7 -
11 Jawsh 685 Laxed (SIREN BEAT) 12 7 -
12 Bruno Mars Treasure 11 6 1
13 Summer Walker Girls Need Love 11 5 5
13 Don Toliver No Idea 11 5 3
15 BENEE feat. Gas Dapperton Supalonely 10 5 39
16 StaySolidRocky Party Girl 10 4 -
17 Estelle feat. Kanye West American Boy 8 7 2
18 Moe Outta There 8 5 7
18 Lil Uzi Vert Myron 8 5 7
20 King Critical Why Is Everything Chrome 8 4 42
21 ZaeHD & CEO Hustle & Flow 8 3 -
22 Nicki Minaj Super Bass 8 2 2
23 幡谷尚史 ルーヴル美術館侵入
7 6 -
24 Kesha Cannibal 7 5 7
24 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead 7 5 1
24 Megan Thee Stallion Hot Girl 7 5 -
24 JXDN Angel & Demons 7 5 5
24 YNW Melly Dangerously In Love 7 5 24
29 Rihanna feat. Drake What's My Name 7 4 12
30 Willow Wait A Minute! 6 5 -
30 Verzache Needs 6 5 -
32 Dej Loaf No Fear 6 4 4
32 Frank Ocean Lost 6 4 1
32 Drake Toosie Slide 6 4 -
35 Michael Jackson Rockin' Robbin 6 3 -
35 Dua Lipa Blow Your Mind (mwah) 6 3 -
37 Joji Old Yeller 5 5 -
38 Tory Lanez feat. Chris Brown The Take 5 4 11
38 Linda Clifford Never Gonna Stop 5 4 -
38 Mustard feat. Roddy Ricch Ballin' 5 4 -
38 Tame Impala The Less I Know The Better 5 4 2

 

~補足~

1位 Say So

 楽曲としての人気の根強さが光りました。TikTokで人気に火がついたあとの「その後」も大成功しているパターンの一つでしょう。

 

2位、24位 Captain Hook / Hot Girl

 "Savage"人気によって彼女の他の楽曲も人気になりました

 

3位、9位 Let's Do It Again / Do It Again

 オリジナルと、それを参照にした曲が同時に流行しました

 

1位、3位、6位、12位 Say So x Like That x Do It Again *1

 上記のタイトルのマッシュアップが人気でした。"Tressure"は曲名に含まれていませんが、インストで使われています。

 

22位 Super Bass

 すべて"Say So"とのマッシュアップでの使用でした。リミックスが出る前から、"Say So" x Nicki MinajはTikTok内で人気の兆し?を見せていました。

 

23位 ルーヴル美術館侵入

 定期的にTikTok内で人気を得るゲームのBGM。2012年の『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』より。"Rhythm Thief but Cursed"という名称で使用されていました。"Cursed"の名の通り、多少アレンジがされています。

 

24位 Angel & Demons

 TikTokスターの一人でありJXDNによる楽曲。(Jaden Smithではない) 当時はまだ正式にリリースされていませんが、スニペットのみで流行の兆しを見せていました。5月半ばに正式リリースされ、Spotify / Appleのランク圏内に入りました。

 

32位 No Fear

 先月に引き続き、cannibal x what's my name x savageのマッシュアップのインストとして活躍しました。

 

4月 おまけ 

153位タイ きゃりーぱみゅぱみゅにんじゃりばんばん (1回/1名)

 

 

~実際にやってみて~

 

・曲名

 曲名が表示されないものがかなりありました。例えば4月のCharli D’Amelioは…… 

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※名称, ビデオ数, 割合 

※音楽が流れる動画のみカウント

 

① 正式な音源:音源のアイコンがシングルのジャケになっている

② ヒント付きユーザー:ユーザーによるアップロードだが、曲名などが書いてあり、音源にたどり着く手がかりがある

③ ユーザー Original:主にOriginal Sound – ユーザー名 という曲名で、ユーザーによるアップロードで、曲にたどり着く手がかりが無いもの

 

 曲名が書いていないものが4割程度を占めており、「これは○○という曲」という自覚無しに使われている曲もかなり多いのかもしれません。

 

 

マッシュアップが多い 

 TikTok特有の文化だと感じました。多くあったのは流行の曲同士をまとめたものです。このことからマッシュアップは流行を再ブーストさせる役目を担っているのではないか、と考えました。他にも

・オリジナルとは一味違う「聞こえ方」がするので、曲の魅力を再確認できる可能性

・流行のものを合わせたマッシュアップが多い、ということから逆説的にここで使われるということ=流行っているという印象を与えることも可能?

 などの仮説も思いつきました。

 

 ともかく、マッシュアップTikTokにおける重要な文化だと感じました。そのような考えから、マッシュアップの構成曲は全て+1でカウントすることにしました。

 Rapidsongs氏など、多くのマッシュアップをヒットさせる「職人」のような人物も存在します。(Rapidsongs氏はマッシュアップ以外にもTikTok用Editなども作成しており、ヒットを司る存在として非常に興味深いです)

 

・動画のオチ?

 ちゃんとオチを作って動画として完成させる、というよりは単純にムードに合わせて踊るという動画がかなり多かったと感じました。下記の疑問にもつながる内容です。

 

TikTokヒットとしての認識?

 曲と組合せて具体的な○○チャレンジ、みたいなのがあると外部からヒットを認識されやすいという説です。例えば”Blinding Lights”、”Toosie Slide”あたりは思ったよりも登場回数が少なかったのですが、これらは曲に合わせた「ダンスの仕方」が確立されていることもあり「TikTokのヒット」という認識を得ています。

 たまたま今回はインフルエンサーだけ使用回数が少なかった可能性も考えられますが、他媒体での「TikTokヒット」の認識と実際のTikTokでの実際の使用頻度(回数など)にギャップがあるのか?ということは気になります。

 

 けっこうやってみて楽しかったのです!引き続き、観察を続けて色々と探っていこうと思います。

 

 

Appleのプレイリストも作りました。 (こちらでは扱う曲数が少し多いです)

トコの「TikTok Top Tracks」をApple Musicで

 

 

おまけ:2大巨頭エディション

 特に影響力が強い、2大巨頭のCharli D’AmelioとAddison Raeの2人「のみ」の使用数を計測したランキングです。

 

 ・3月

      回数 全体(位)
1 Megan Thee Stallion Savage 23 1
2 BENEE feat. Gus Dapperton Supalonely 21 3
3 King Critical Why Is Everything Chrome 16 2
4 Rihanna feat. Drake What's My Name 9 15
5 MC Hammer u can't touch this 8 13
6 YNW Melly Dangerously in love 7 4
6 Rontae Don't Play She Belong to the Streets (Toxic) 7 5
6 Rontae Don't Play I'm Single and I'm Lit 7 6
6 Doja Cat feat. Gucci Mane Like That 7 10
6 Doja Cat Say So 7 18
6 GraphicMuzik / 増田順一 ポケモン赤緑・VSチャンピオン (Trap Remix) 7 18

 ※2人の使用回数がゼロの曲で、全体の順位が最も高いのは"The Take"(16位 / 11回)

 

・4月

      回数 全体(位)
1 Doja Cat Say So 17 1
2 Megan Thee Stallion Captain Hook 11 2
3 BLIND .SEE & BRYOZA Rockstar Shit 10 4
4 Megan Thee Stallion Savage 9 5
5 Championxiii Splash 9 8
6 J Boog Let's Do It Again 8 3
7 Pia Mia feat. Chris Brown & Tyga Do It Again 7 9
7 ZaeHD & CEO Hustle & Flow 7 21
9 Don Toliver After Party 6 9
9 Don Toliver No Idea 6 13

※2人の使用回数がゼロの曲で、全体の順位が最も高いのは"Supalonely"(15位 / 10回)

 

 そこまで全体の順位と変わらないような気がします。調べながらうっすらジェンダー差による選曲の差のような物を感じたので、それもテーマの一つかなと思います。

 

 

 

年間チャート トップ10 半年前予想 2020 (Hot 100)

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 各種音楽チャートで年末に発表される「年間チャート」は、その年の総決算的な位置づけになっています。これを見ることで、総合的に見てその曲がどこまでヒットしていたか?を知ることが出来ます。

 この記事では、Hot 100の年間チャートが最終的にどうなるか?を集計が半分の現時点で予想することを目指します。

 Hot 100の年間チャートは、現在11月の半ばが年の切り替わりタイミングになっているので、5/16付のチャートをもって半分が経過したと考えられています。

(ちなみにビルボードは集計期間を公表していないが、昨年版の順位からこの期間だと推測されている)

 

・年間チャートを読み解くポイントは……

① 週間チャート圏外の期間は年間チャート集計外で、「いかにロングヒットしているか」が肝になります。この結果ラジオでロングヒットの曲がピークの割に上位に入るケースがあります

② 同じHot 100首位でも「弱い首位」「強い首位」の差があるのでこれも考慮する必要があります。

 

 昨年はトップ10のうち8曲が的中し、さらに4曲が順位ピタリでした。2018年と2017年はいずれもトップ10が8、ピタリ2でした。今年もそれぐらいの精度を目指せるように頑張ります。(今年はそろそろ外れるような予感もしますが(弱気)……)

 

 

 

 

1 Hot 100年間予想とその説明

 

まず単刀直入に予想から発表します

 

1 The Weeknd – Blinding Lights

2 Roddy Ricch – The Box

3 Post Malone – Circles

4 Doja Cat feat. Nicki Minaj – Say So

5 Dua Lipa – Don’t Start Now

6 Future feat. Drake – Life Is Good

7 Maroon 5 – Memories

8 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR

9 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé – Savage

10 Trevor Daniel - Falling

 

  今年は前半の時点で「これは当確/有力」のような曲が少ない印象で、例年よりも難しく感じました。(これが先に述べた弱気の理由) さあ運命やいかに!?ランクイン曲の説明をそれぞれしていきます。

 

 

1 Blinding Lights

・実はまだラジオが微増中

・そのラジオも活かして今後しばらく上位に残りそう

・チャートの後期の粘りに重要なアダルトポップ系で人気が高い

・実は“The Box”よりもHot 100登場が1週早い

・集計最後の週、またはそれに近い時期までHot 100に残りそう

・現状では”The Box”とのポイントに大きな差がありますが、最後の最後で追いつきそうと考えて年間1位に

 

2 The Box

・前半戦の主役

・昨年似たようなヒットを遂げた“Old Town Road”は年の後半粘っていましたが、ビルボードYouTubeの非公式ビデオを減算 or 集計から外したため、同じように粘るのは難しい可能性も("Old Town Road"はこの変更で一気に順位を落とした)

・ストリーミングでは強いが、ラジオで粘るのは難しそうなので、集計残り7週ぐらいのタイミングでHot 100から外れてしまうのではないか?

・ラジオはマイナスに転じています。

 

3 Circles

・ラジオ+ストリーミングのハイレベルな両立によって史上最長のトップ10滞在を記録。

・ただしうち10週は昨年の集計分。

・粘りなら随一だが、滞在期間が既に36週で、途中から(53週目以降)残留のハードルが高くなるので、上の2曲よりも早くチャートから外れてしまうのではないか。

・おそらく”Box”や”Blinding”よりもピーク時の成績が低い

 

4 Say So

・登場は少し遅いですが、ラジオも高く後半に多くのポイントを稼ぎそう

・2バージョンが両立し、ピーク時にはかなり好成績を記録

・後半の粘りに大切なアダルトポップ系でも今後人気が出そう

 

5 Don’t Start Now

・集計期間の序盤からチャート入りし安定

・アダルトポップ系の人気もばっちり、後半も安定した成績を記録しそう

・ただしピーク成績が他の上位曲よりは見劣りする (ピークは2位×1週)

・おそらくトップ5はこの5曲になることが有力

 

6 Life Is Good

・“The Box”とピークが被ってしまいましたが、1位を取れるクラスのヒットでした

・ストリーミングで人気も、ラジオが落ちて後半順位を落としそうな感じが”7 rings”と近いかもしれません

・一応アルバム効果で多少は再浮上も狙えるでしょうか(5/30付のチャート)

YouTubeでの根強い人気がある

 

7 Memories

・ラジオ人気が手堅く、地味にポイントを稼ぎ続ける

・どの週までチャートに残るかが焦点

・満期(52週)かそれ近くまで残れば年間トップ10がより確実に。現在滞在33週

・この6位7位の2曲が「準有力」曲。

 

8 ROCKSTAR

・後半にヒットすると読んで8位に配置。

TikTokで人気を得たことなどにより、ここ最近AppleSpotifyの両方で1位に再浮上。上昇気流に乗る

・ラジオやビデオなどでの伸びシロが大きく、登場時期の遅さを巻き返すようなヒットに期待。

 

9 Savage

・この2週で上位入りしましたが、今後は正直未知数。どこまで上位を保つか。

・登場時期も遅いので、2バージョンの強さなどを活かしてしばらくトップ10に居座る必要性があります

・リミックス以降ラジオが急激に伸びたのは好材料

・2つのバージョンが両方とも人気を保てるとすれば強そうです。

・不安要素もありますが、他の候補よりも可能性が高いと感じたので入れました

 

10  Falling

・もっと未知数な後半のヒット予想その2

・長い期間中位に留まっているため、ピーク低めながらも既にポイントをわりと稼いでいる

・まだまだラジオが伸びている途中で、今後ピークを伸ばしていきそう

・ポップ系で現在上昇中。まだあまりオンエアされていないアダルトポップ系でどこまで伸びるかも重要。リズミック系ではすでにピークが終了。

・”I Like Me Better”の強化版、または“Congratulations”や”Believer”のようなチャートアクションになると期待。

・もしかしたら週間でトップ10に入らずとも年間トップ10入りするかも?

・実はリミックスを既にリリース済み(Summer Walkerと)。ビデオもある。つまり「追加戦略」は既に使用済みで、今後の伸び具合は本当にラジオ次第

 

 

~その他候補~

 

◇ Drake - Toosie Slide

・登場後すぐにラジオが伸び切ったため、今後を乗り越える要素が少なそう

・アルバムやビデオといった「追加要素」も使用済み

・Drakeは夏に正式アルバムをリリースするとしており、それが実現すれば他のシングルに切り替わりそう

・1位を獲得しながらも年間11位だった”Nice For What”のようなイメージ

 

◇ Drakeの「6枚目のスタジオアルバム」の曲

・2018年の”Scorpion”のリリースは6/29。今回は「夏にリリース」なのでそれよりも遅いリリースと考えられる

・そこから特大ヒットになった”In My Feelings”が年間9位

・リリースが多少遅い分、”In My Feelings”と同様の規模のヒットになってギリギリ年間トップ10に手が届くくらいでしょうか?

・つまりハードルは高いと思います

 

◇ Lewis Capaldi - Someone You Loved

・既に滞在が52週。26位以下に落ち次第即Hot 100から外れます。

・あと+11週ぐらいあれば年間トップ10にも手が届きそうですが、どこまでHot 100に残留するか?

・ペース的に1週ごとにマイナス1位程度という印象なので、11週は残れないか?

 

◇ Harry Styles - Adore You

・安定感・登場時期が良いですが、トップ10の滞在期間が短いです。

・すでにラジオもゆるやかな下降線に

 

◇ Justin Bieber feat. Quavo - Intentions

・トップ10滞在が11週と密かにヒット中。

・ただし今後大きく伸びる要素が無く、年間トップ10クラスまで粘るのは難しいです。

 

◇ Billie Eilish - everything i wanted

・ここまで安定して上位に入り続けている

・ただしピークが8位、トップ10滞在も8週なので厳しいです

・既にラジオはマイナスに

 

◇ Gabby Barett (feat. Charlie Puth) - I Hope

・カントリーとしては高めのストリーミングを得て、トップ20まで到達

・Charlie Puthリミックスでポップ/アダルトポップ系ラジオでもオンエア開始

・このポップ系への飛び火が特大規模で成功すれば年間トップ10クラスになるかも……?

 

◇ Stuck with U

・登場時期もヒット規模も“I Don’t Care”と似た展開になりそう

・ラジオ受けはかなり良いと思います

・セールスの高さから初週は大きくポイントを稼ぎそう

・既にストリーミングで尻すぼみ傾向

 

◇ GOOBA

・仮に次週1位だったとしても、ラジオが無いためすぐに落ちるでしょう

・ちなみに彼がHot 100のポイントシステムをリークしたと話題ですが、まだ真偽が不明位なこと、従来予想されていた物とそこまで変わらないこと、記事を出す直前すぎることなどにより、この段階ではほとんど予想に反映させていません。

 

◇ その他の新曲

・後半から一気に巻き返せるような特大アクトのリリースは無いと予想。

・久々組(RihannaとAdele)はシングルリリースをすれば、アルバムもセットだと思うので、この状況下でそこまでの綿密な予定を立ててのリリースができるか?と言われると難しいと思います。

・”Old Town Road”系、つまりミームで稼ぐ曲はビルボードYouTube関連を減算するようになったので、未知の新人がトップ10に食い込むのも同様に厳しいです。

 

 

☆候補曲のこれまでの順位推移

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2 おまけ:UKの予想

 

1 The Weeknd – Blinding Lights

2 Dua Lipa – Don’t Start Now

3 Lewis Capaldi – Someone You Loved

4 SAINt JHN - Roses

5 Tones And I – Dance Monkey

6 Doja Cat – Say So

7 Powfu feat. beabadoobee – death bed

8 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR

9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy – Own It

10 Surf Mesa feat. Emilee - ily (※後半のヒット曲が入ると予想。その一例

 

 

・集計期間が1月~12月。そして週間チャートの順位と年間チャートの集計が若干異なること。この2点がUKチャートを抑える上でのポイントです。

(USは外れている期間は集計外だが、UKは対象。またUK週間チャートには一定のタイミングで順位が数字以上に落ちるという制度がある)

・12月までの集計で、まだ20/52週の段階です

・5月の時点で全ての年間トップ10が出揃っているケースもある(2017や2018)

・ただ昨年は後半のヒット曲が2つランクインした

・”Someone You Loved”と”Dance Monkey”の粘りは凄まじいと予想。

・7、8、10位の曲はどこまで行けるか未知数

・まだ20/52週の段階なので、UKはおまけと思っておいてください。

 

 

 

3 おまけ:昨年の反省会場

 

☆Hot 100

  予想 結果
1 Old Town Road Old Town Road
2 Without Me Sunflower
3 Sunflower Without Me
4 Happier bad guy
5 Wow. Wow.
6 High Hopes Happier
7 7 rings 7 rings
8 bad guy Talk 
9 thank u, next SICKO MODE
10 Sucker Sucker

 

・トップ10的中はそのまま、ピタリが増えて嬉しかった

・予想が外れた”High Hopes”と”thank u, next”は実際の年間チャートで11位、12位。外れ幅が最小限にできた

・入れなかった”SICKO MODE”と”Talk”もけっこう迷いましたが、直前のマイナス動向が気になって外してしまった(残念)

・あとは”I Don’t Care”のヒット具合を見極められたのも良かったです。ただ途中に述べたアダルトポップ系の不安は当たらず(ポップ系とアダルトポップ系ほぼ同等の成績でした)

・ただ、今考えると前半にヒットしている曲が多くて予想しやすい年だったのかも

・サイレントの集計期間変更によって、実は27週目の段階で予想していた(ただ当時それを考慮するのは難しいので致し方ない)

 

 

☆UKチャート

  予想 結果
1 Someone You Loved Someone You Loved
2 I Don't Care Old Town Road
3 7 rings I Don't Care
4 Sweet but Psycho bad guy
5 Giant Giant
6 Old Town Road Sweet but Psycho
7 Don't Call Me Up Vossi Bop
8 bad guy Dance Monkey
9 Ed Sheeranのアルバム曲 Don't Call Me Up
10 Hold Me While You Wait Señorita

・後半のヒットが2つランクインしたので、この年の予想は難易度高めだったかもしれません。

 

 

・ズボラな箇条書きスタイルの記事、サクサク書けるのでまた採用するかも(ズボラ)

 

 

 

・2019年度の予想記事

 

・2018年度の予想記事

 

 

・2017年度の予想記事

 

 

 

 

Hot 100 / Billboard 200まとめ 4月号 【The Weekndがアルバム4タテなど無双】

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 今月のチャートは先月と比べると落ち着いているかな、といった印象です。その中でもThe Weekndの強さが際立ちました。*1

 

 

◇今月のHot 100上位推移

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◇今月のBillboard 200上位推移

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各週のハイライト

 

4/4 ハイライト◇

・The Weekndが44.4万相当の売上でアルバム1位!今年最大の数字。チケットやグッズを駆使したセールス、ストリーミングともに高水準の成績を記録

・ストリーミング人気によって収録曲すべてがHot 100入り。うち10曲がトップ40圏内に

・そして”Blinding Lights”が1位獲得!プロデューサーMax Martinは4Decade連続1位を達成

・”Say So”がトップ10入り(9位)

・Megan Thee Stallionの”Savage”が20位まで浮上

 

4/11 ハイライト◇

・The WeekndがHot 100&アルバム1位の座をキープ

・Dua Lipaのシングル”Break My Heart”が21位に登場。アルバムは4位

・NAV、Gunna、Travis Scottの”Turks”が17位に登場

・PARTYNEXTDOORとRihannaの”BELIEVE IT”は23位に登場。後者は約2年ぶりのHot 100

・”Lose You To Love Me”がチャートから外れる

 

4/18 ハイライト◇

・Drakeの”Toosie Slide”が1位に登場!キャリア7曲目の1位

・DaBabyの”Find My Way”が22位に登場

・The Weekndが3週目のアルバム1位

・アルバム2位はRod Wave。収録曲8つがHot 100入り(下位のランクインが中心)

・”death bed”、”WHTAS POPPIN”など複数曲がトップ40入り

 

4/25 ハイライト◇

・The WeekndがHot 100首位に返り咲き。アルバムチャートでも4週連続1位

・twenty one pilotsの新曲が23位に登場

・Doja Catの”Say So”が5位に浮上、”Boss Bitch”も100位に登場

・Selena Gomezの”Boyfriend”が59位に登場

・Jonas Borhtersの”What A Man Gotta Do”が12週の滞在で圏外へ

 

 

主なトピックス

 

・The Weekndがシングル・アルバム両チャートを制圧

 アルバムは4タテし今月のチャートの主役となったのはThe Weeknd。初週には今年最大の44.4万枚(相当)を売り上げることに成功しています。

 R&Bアルバムとしては歴代最多の再生数(2.21億)を叩き出すなど、ストリーミングも優秀だったのですが、ここまで初週の数字が伸びたのは純セールスに依る部分が大きいです。初週44.4万のうち27.5万は純セールスから来ています。チケット戦略やグッズ戦略が有効に働いたようです。その後もアルバムチャート首位を守り、結局4月の4週全てを制覇することに成功しました!

 またシングルチャートでも”Blinding Lights”が4週のうち3週を制圧。アルバム効果でストリーミングが伸びたこと、さらに従前からのラジオの伸びが有効に働きHot 100首位獲りに成功しました。うまいことアルバムとラジオのタイミングが合ったことが複数週に渡る首位獲得の要因でしょう。

 "Blinding Lights"が首位に浮上したことで、この曲のプロデューサーのMax Martinは4つのDecadeで連続して首位曲を獲得することに成功しています。

1990年代:…Baby One More Time

2000年代:It's Gonna Be Me, I Kissed A Girl, So What, My Life Would Suck Without You, 3

2010年代:California Gurls, Teenage Dream, Last Friday Night, E.T. Raise Your Glass, Hold It Against Me, Part Of Me, One More Night, We Are Never Ever Getting Back Together, Roar, Dark Horse, Blank Space, Shake It Off, Bad Blood, Can't Feel My Face, Can't Stop the Feeling!

2020年代:Blinding Lights

 

 

・セールス戦略の大戦争

 The Weekndは2週目以降ストリーミングの数字が過半数を占めていたものの、純セールスも地味に高かったです。4週目までつねにビルボードの記事ではマーチの存在が明記されており、このマーチによる微妙なプラス分が無ければ4週連続1位にはならなかったかもしれません。

 特に僅差だったのは2週目です。ストリーミングでの継続的な人気に加え、このマーチによるセールス、そして2位の5SOS側に不運があったことも合わさって僅差のレースを制しました。(詳しくは↓の記事に書いています)

 

 ちなみに3週目と4週目も、仮に純セールスが0ならばアルバム2位に逆転されてしまいます。さすがに0になることは考えづらいですが、この連続したマーチ戦略が4週連続アルバム1位にある程度貢献しているということです。

 彼のように2週目以降もマーチの存在がビルボードの記事内で明記されているのは珍しいです。*2

 

各週の総合売上 / 純セールス (純セールスの割合)

4/4 44.4万 / 27.5万 (61.9%)

4/11 13.8万 / 4.7万 (34.1%) 2位:13.3万

4/18 9.0万 / 2.3万 (25.6%) 2位:7.2万

4/25 7.5万 / 2.0万 (26.7%) 2位:6.4万

 

 

・Dua Lipa

 上記で述べたようなマーチを使用していないようで、純セールスは低かったですが、ストリーミングは好成績に感じます。おそらくアメリカ以外出身の女性シンガーのアルバムでは歴代最高のストリーミング成績だと思われます。(2位はLordeの2.4万枚相当?)

 アルバムチャートでは週間4位と地味な成績ですが、シングルの大成功と合わせて基本的に商業面でも*3大成功を収めたアルバムという認識で良いと思います。ヒットシングルがある&ストリーミング好調なので、年間アルバムチャートでもそれなりに上位に入る気がします。

 

 

・Drakeも1位を獲得

 The Weekndチャート完全制覇に唯一風穴を開けたのはDrakeでした。Spotify / Appleの両方で1位に立ち、見事首位奪取。2週目以降も同様にストリーミングでは首位でしたが、”Blinding Lights”との再生数の差は縮まり、元からあったラジオの差によりHot 100首位を譲りました。(Rolling Stone Chartsでは2週目以降も1位)

 ラジオの再生数は一気には伸びないので、新曲は既存の曲よりもラジオ再生が劣ることがほとんどです。とはいえ”Toosie Slide”もリリース初期の割には、すでにラジオでガンガン数字を伸ばしてきています。リズミック&アーバンのDrake鉄板の2系統に加え、ポップ系でも比較的人気を得ています。

 この曲はダンスを作ってからリリースという経緯もあり、かなりTikTokを意識しているようです。実際TikTokで人気を得ているとされています。

 Drakeはこれでキャリア通算の1位滞在週数を50まで伸ばしています。(歴代4位タイ)

1 Mariah Carey 82週

2 Rihanna 60週

3 The Beatles 59週

4 Boyz Ⅱ Men 50週

4 Drake 50週

※Hot 100の前進を含めるとElvis Presleyも計79週

 

 この曲のプロデューサーはスイス出身のOZです。彼は主にTravis Scottと組むことが多く、”SICKO MODE”、”HIGHEST IN THE ROOM”なども彼のプロデュースです。この“Toosie Slide”はそれらに次ぐ3回目のHot 100首位獲得です。他にもDrakeとは過去に”Omertá”や”Life Is Good”などでタッグを組んでいました。

 彼はスイス出身という土地柄か、近隣国ドイツ圏のラッパーのプロデュースを受け持つこともあります。Shindyの”DODI”はドイツで1位を獲得。ほかAaliyah & 50 Centサンプリングの”Nautilus”、Fat Joeの同名の曲をサンプリングした”What’s Luv”など、Shindyらとともにドイツで多くのヒットを飛ばしています。

 他にもドイツ圏のラッパーはUSのラッパーやプロデューサーを時折起用しています。(Ronny JやMurda Beatz、GunnaやFutureなど) USのラッパー側がドイツ圏のラッパーを迎えることはあまり無いですが、一部で人材の交流が見られています。

 

 ちなみにビルボードはこの曲が1位を獲得した週のトップ10特集の記事タイトルを”Historic Debut at No.1~”としています。ビルボードっぽい表記の仕方だと感じます。DrakeがHot 100首位「デビュー」を果たすのが3回目で、それが史上最多「タイ」だからHistoricalと称しているのですが、それを言うなら4回目で単独最多になった時の方が良いのでは?と思いますね……

 あとやはり個人的に「デビュー」かどうかは重要ではないと考えています?理由としては、近年は途中の週に1位を獲得するよりも初週の勢いで1位を獲得することのほうが難易度的に低いように思うこと、初週1位の曲はその後尻すぼみになる可能性があること、時代によってデビュー首位の難易度が変わることが挙げられます。

 もちろん初週にそれだけの数字を集めるということは、「曲」ではなくすでにアーティストとしての地位がとても高いということで、それはそれで重要なことですが。

 あとは記録上ではデビューでなくとも、実質首位デビューを果たしている曲もあります。Taylor Swiftも「名目上」では首位デビュー曲が3つあります。“We Are Never~”と“Look What You~”は正式なデビュー週の前に、ラジオの成績のみでHot 100入りしてしまったため首位デビューとはなりませんでしたが、意味合い的にはこれらも「首位デビュー」に相当します。*4これと実際に首位デビューだった”Shake It Off”も合わせて合計3曲、ということです。

 

 私は厄介なオタクなので、その“Historical”や”Debut”に関してここまで注釈を付けたくなりますが、やっぱり目立つワードで言い切った方がチャートの盛り上がりを誘発できる、みたいな狙いがあるのですかね……? *5

 

 

・”Say So”と”Adore You”がラジオ増加に伴いHot 100でも浮上

 もともとストリーミングで人気が高かった曲ですが、ラジオでも人気が伴うことによってHot 100でもトップ10入りを果たしました。”Say So”はかかっているラジオ系統の幅が広いことから、まだまだ伸びるかもしれません。*6

 

 この枠に次入りそうなのは”My Oh My”ですかね。ストリーミングではゆっくり下降線を描いていますが、ラジオで上昇を見せているためトップ10にじわじわ接近中。あとは後の項目で登場するTikTok発の”Savage”、またはカントリーの”The Bones“や”I Hope”などにもチャンスがありますかね

 

 

・”Circles”のトップ10滞在が33週まで到達。次週にも記録更新?

 “Circles”のトップ10滞在が歴代最長タイの33週まで到達。ラストの週に7位で、かつ目立った落下が無いため次週にもこの記録を更新しそうです。(もう執筆時点では更新した)

 

トップ10滞在週数ランキング

33週 Ed Sheeran – Shape of You (2017)

33週 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You (2018-2019)

33週 Post Malone & Swae Lee – Sunflower (2018-2019)

33週 Post Malone – Circles (2019-2020)

 

 ラッパーらしいストリーミングの高さ、そしてラッパーらしからぬラジオ分布を両立したことが記録更新の要因だと思います。

 ポイントとなるのはアダルトポップ系での躍進。この系統はあまりラップがかからないのですが、ラップ成分が弱かった“Circles”は見事この系統で1位を取ることに成功します。逆にリズミック系では10位止まりでしたが。*7

 このアダルトポップ系統はヒットの流行サイクルが遅いことも多く、Hot 100で長きに渡って中位に居座っているような曲は、この系統のラジオ再生数がポイント源となっている場合が多いです。この系統ではラップがあまりかからないため、ストリーミング人気をかなり保てないとラッパーはHot 100でのロングヒットが難しいのですが、“Circles”はこの系統にもフィットする曲調だったため、その壁を乗り越えることに成功しました。

 

 ちなみにこの記録の上位に最近の曲が多いかと言うと、ラジオ・DL・ストリーミングで人気の曲が異なり、それらを両立する曲が上位で無双するようになったからだと考えられます。またストリーミングはDLと違い、繰り返せることも理由の一つかもしれません。

 

 

・”Savage”が大きくジャンプアップ。今月のTikTok曲は?

 今月もTikTok発とされる曲がチャートで活躍しました。上昇が大きかったのはMegan Thee Stallionの“Savage”。先月末に下位に登場した後、トップ20まで到達しました。このストリーミングでの飛躍を見て、ラジオシングルもこの曲に切り替わった*8ことも今後追い風になりそうです。(TikTok発でヒットしていても、ラジオとうまく連携が取れていない場合もあります)

 ちなみにこの曲は私が作成したTikTok影響力ランク(3月)で1位になりました!4月号なのになぜ3月?と思うかもしれませんが、Hot 100の4月の集計期間の半分弱(12/28日)は3月です。この影響力ランクについては、今後記事にして説明する予定です。*9

 またこの曲の躍進に伴い、“Captain Hook”もTikTokで注目を集め、Hot 100にも再登場しています。

 他にも”death bed”や”Roses”、”Sunday Best”など、TikTok発とされる曲が続々トップ40まで到達しています。

 

 次に来そうな曲として”Skechers”、”Play Date”、”After Party”を挙げます。“Skechers”は様々な意味で興味深いです。

 まずTikTokで人気だった「編集側」が曲をリリースしてヒットさせたということです。この曲をリリースしたDripReportは元々Indian Style Remixなるものを作成していた人物で、このRemixもTikTokで同様に人気でした。この流れを引き継ぐ形で、TikTok内でLo-FiリミックスをヒットさせるLlusionや、マッシュアップを多くヒットさせているRapidSongsなども自身の曲でヒットを飛ばせるのでは?と少し期待しています。

 もう一つ興味深いのは、英語曲ながらもプレイリストでの立ち位置に恵まれていないことです。具体的に言うと、Spotifyでグローバルトップ50圏内ながらもToday’s Top Hitsに入っていないのです。非英語曲ならば、この順位でもリスト入りしないことは多いですが、英語曲で入らないのは珍しいです。過去に例があるのは、特定アーティストの4番手以外の曲、または倫理性に問題がありそうなアーティスト*10などですが、DripReportはどちらも当てはまりません。他に何かリストに入れない「因子」があるのでしょうか。

 ちなみにApple MusicのToday’s Hits(US版)でも同様にリスト入りしていません。

 

 “After Party”は少し”Savage”っぽい流れでヒットしています。というのも、元々注目されていたアルバムの曲が、あまり時間を置かずにTikTokでヒットし始め、曲の評価(プレイリストの配置など)も同時に上がっているところが似ていると思います。

 “Play Date”はTikTokで最初注目され始めてから若干時間が経って大ヒットしたところが面白いです。各TikTokヒットリストには半年前くらいから登場していました。“Sunday Best”も同じく発掘~実際のヒットまで時間差があったみたいです。

 

 

 

・大躍進のカントリー曲。Gabby BarrettとMaren Morrisが特に期待の星?

 複合的なラジオ人気で長く上位をキープするMaren Morrisの”The Bones”、ストリーミング人気もあるGabby Barrettの”I Hope”、そして夫婦共演でDL人気もあるBlake SheltonとGwen Stefaniの”Nobody but You”の3曲がトップ20まで到達。

 “The Bones”はカントリー系だけでなく、アダルトポップ系ラジオでも首位に立ち、クロスオーバーに成功。この2系統でのピークは過ぎましたが、現在もポップ系ラジオでも伸びを見せているため、まだトップ10入りの可能性は残っていると思います。カントリー人気が高いAmazon Musicのほか、ラジオ型ストリーミングのPandoraで人気。一方AppleSpotifyでは圏外。

 “I Hope”はあまりカントリーがヒットしないAppleSpotifyでもランク入り。もちろんAmazon Musicでも上位に入っています。カントリー系ラジオでのピークは既に来ましたが、その後もヒットが続くかもしれません。この曲はCharlie Puthとのリミックスをリリースしたのですが、これは「ポップ系ラジオでもオンエアしますよ」という合図に感じるので、その読み通り他のラジオ系統でもヒットすればトップ10にも手が届くと思います。

 “Nobody but You”はDLの成績高めです。カントリー人気の強いAmazon、Pandoraでは上位に。Spotifyでも一応200位圏内には入っています。このヒットで気になったのはGwen Stefaniが久々に上位入りしたということです。本人名義のトップ40入りは”Great Escape”の2007年以来、またNo Doubt名義まで含めると”Settle Down”の2012年以来です。

 ほか現在25位、Morgan Wallenの”Chasin’ You”も期待がかかります。(”I Hope”と以上にストリーミング人気が高め)

 

 Sam Huntがアルバムをリリースした週にはカントリーのストリーミングが再生数でも割合でも歴代最多を記録しました ラジオと比較すると、割合的にまだ小規模に感じますが、どこまで数字を伸ばしますかね。

Country Music Streams Hit Record High in U.S. | Billboard

 

 もちろんカントリーがストリーミングに適合した曲をリリースしているという面もあると思います。Sam Hunt、Dan + Shay、Luke Combsなどは主要なAppleSpotifyなどのサービスでも活躍が見られます。

 しかしながらAppleSpotifyで躍進せずとも「ストリーミングが伸びた」とされる曲も多く、カントリーのリスナーは特定のサービスに寄っているような印象もあります。この伸びは「カントリーのリスナーがストリーミングを始めだした」という部分も大きいかと思います。

 

 またビルボードは月末に最近のカントリーの躍進についての記事を出しました。他ジャンルのアーティストとコラボすることで、カントリー歌手への注目が集まったことなどが書かれています。

The Bones Are Good: Inside Country's Recent Resurgence on the Hot 100 | Billboard

 

 ちなみに記事内でも書かれているカントリー曲のトップ40増加ですが、これは純粋なカントリー曲の躍進だけではなく、Hot 100のバランス調整も影響していると思います。2018年半ばと2020年初頭にストリーミングに関する調整(無料会員や非公式ビデオの減産)が行われ、相対的にラジオが強くなったため、ラジオの指数が高いカントリー曲は以前よりも上位に入りやすくなっています。

 仮にここにテコ入れが入れば、またカントリー曲がHot 100で奮わなくなる可能性もあります。

 

 

・アルバム後に生き残る曲? Lil Uzi Vert、Bad Bunny、Lil Babyなど

 ストリーミング中心の現在の環境では、アルバム曲がHot 100に大量登場することが増えました。しかし追加でプロモーションが行われない非シングル曲は次第に脱落していき、Hot 100でもすぐに順位を落としていきます。ただ上位に入りヒットのポテンシャルを持っているような曲を放置しておくのはもったいない、ということで多岐にわたるシングル展開をするアーティストもいます。

 最近の例として挙がるのはPost Maloneで、彼はラジオの系統によってシングルを使い分けて、多くの曲がラジオにかかりました。”Circles”はポップ系へ、”Enemies”はリズミック系へ、”Take What You Want”は主にハードロック系でオンエアされHot 100にも長く残りました。ほか”Allergic”もオルタナティブ系ラジオへかかっていました。

 ただこのようなラジオを駆使した戦略は、彼のように広範なラジオ人気、さらには多くの系統でかかるような音楽面での幅広さが求められるので他のアーティストに簡単にできることではないです。

 先月アルバムをリリースしたLil Baby、Bad Bunny、Lil Uzi Vertは複数曲が現在(4月最終週のこと)もHot 100に残っています。彼らがどのような戦略で複数曲をHot 100に残しているのかを見ていきます。

 Lil Babyは”Sum 2 Prove”がラジオに。ほか多くの曲でビデオを作りましたが、ビデオ作成曲と他のストリーミングの人気曲は一致しないので、ビデオの効果はあまり無いと思われます。とはいえ複数曲がプレイリスト入りし、ラジオシングル以外も人気を保っています。

 Bad Bunnyはビデオの効果が大きく、特に“Yo Perreo Sola”はビデオが公開された週には、アルバムの週よりも高い順位でHot 100に再登場しました。これがきっかけでラジオシングルにもなりました。ほかビデオ&ラジオ無しながらもストリーミングで人気のある”Safaera”がHot 100に残っています。

 Lil Uzi Vertは”That Way”がラジオでかかったくらいで、あまり目立ったプロモーションをしていない印象です。一応リリックビデオはありますが。これをプロモしましょう!という明確な指示が無いため、SpotifyAppleでプレイリストに入る曲や人気曲が一部異なっています。

 

Spotify (4/28付けHot 100に相当する週)

25位:P2 

26位:Myron 

32位:That Way 

59位:Lo Mein

76位:Futsal Shuffle 2020

 

Apple Music (4/28付けのHot 100に相当する週の最終日)

20位:Myron

45位:Baby Pluto

48位:Lo Mein

51位:Yessirskiii

53位:That Way

 

 

・今月外れた曲たち

 

・Lizzo – Good As Hell

 4/4に外れました。ピーク3位、滞在30週。ラジオでは1位に立ちましたが、ストリーミングでは最高21位でした。先に芽が出たのはストリーミングの方でしたが。

 Lizzoはこのシングルの次に、”Cuz I Love You”をカットしポップ系ラジオなどでオンエアされましたが、Hot 100には届きませんでした。この曲は”Truth Hurts”や”Good As Hell”とは違い2019年のアルバム向けにリリースされた曲です。(表題曲です)

 

・Selena Gomez – Lose You To Love Me

 4/11に外れました。ピーク1位、滞在23週でした。首位に立った割に滞在が短い点が気になったので、他のケースと比較してみたらラジオの成績が低めでした。2010年代にHot 100首位を獲得したポップ曲としては3番目(タイ)にラジオ順位が低かったです。ちなみにその1番目2番目はHot 100首位に立った経緯が独特です。

 

Lady Gaga & Bradley Cooper – Shallow ラジオ10位、滞在45週

Mariah Carey – All I Want for Christmas Is You ラジオ12位*11、滞在37週

Selena Gomez – Lose You To Love Me ラジオ5位、滞在23週

Taylor Swift – Look What You Made Me Do ラジオ5位、滞在20週

Britney Spears – Hold It Against Me ラジオ5位、滞在20週

 

 同じラジオ5位の2曲は滞在20週きっかりで終わっているので、それと比べると粘りました。Selena Gomezはラジオ成績の最高位が3位で、元からそこまでラジオには恵まれていない印象です。

 このことから、デビュー時に大きく注目を集めることに成功しキャリア初の1位を獲得に成功。ただ最終的な成績では従来と同程度に終わった、ということでしょう。とはいえ初の栄冠を獲得してキャリアに泊を付けたという意義は大きいと思います。

 

 ちなみに2010年代の全ての首位曲のラジオ成績を集計したので、それに関する記事を今後書くと思います。おそらく。

 

・Khalid & Disclosure – Know Your Worth

 4/18に外れました。ピーク57位、滞在8週でした。ラジオもストリーミングも滑り出しは悪くなかったですが、長くは持ちませんでした。Khalidはここ最近のシングルが軒並みトップ40まで届いておらず、苦戦傾向です。そろそろ巻き返したいところですね。

 

Right Back 🗻73位・⏰11週

Up All Night 🗻89位・⏰1週

Eleven 🗻83位・⏰1週

Know Your Worth 🗻57位・⏰8週

 

・YoungBoy Never Broke Again – Make No Sense

 4/18に外れた曲です。ピーク57位、滞在20週でした。TikTokで人気を得たこと、そしてラジオシングルになったことによって、アルバム最大のヒットとなりました。

 ラジオではアーバン10位、そしてリズミック37位と微妙な成績に見えますが、アーバン系は彼の最高位、リズミックではJuice WRLDとの“Bandit”に次ぐ2番目に高い成績と彼の曲としてはかなりラジオ人気があったことが分かります。彼はストリーミングでの人気ぶりの割に、ラジオにかなり恵まれていません。曲のリリースペースが早すぎて、シングルを選定しているうちに次のシングルをリリースするからでしょうか。

 

 

今月のデータ

 

新たにトップ40入りした曲

 

4/4

☆16 The Weeknd – In Your Eyes

△20 Megan Thee Stallion – Savage

☆21 The Weeknd – Alone Again

☆24 The Weeknd – Scared To Live

☆25 The Weeknd – Hardest To Love

☆28 The Weeknd – Too Late

☆32 The Weeknd – Snowchild

☆39 The Weeknd – Escape From LA

 

4/11

☆17 NAV, Gunna & Travis Scott – Turks (NAVは初)

☆21 Dua Lipa – Break My Heart

☆23 PARTYNEXTDOOR & Rihanna – BELIEVE IT

△32 Blake Shelton & Gwen Stefani – Nobody But You

△36 Morgan Wallen – Chasin’ You 

△37 Jordan Davis – Slow Dance In A Parking Lot (初)

△39 SAINt JHN – Roses (Imanbek Remix) (初)

△40 Brett Young – Catch

 

4/18

☆1 Drake – Toosie Slide

☆22 DaBaby – Find My Way

△33 Powfu feat. beabadoobee – death bed (ともに初)

△36 Jack Harlow – WHATS POPPIN (初)

△37 Ingrid Andress – More Hearts Than Mine (初)

△40 Sam Hunt – Hard To Forget

 

4/25

☆23 twenty one pilots – Level Of Concern

△38 Surfaces – Sunday Best

 

 

主に外れた曲

 

4/4

44 Lizzo – Good As Hell (🗻3位 /⏰30週)

52 Lil Uzi Vert – Silly Watch (🗻9位 /⏰2週)

94 Lil Uzi Vert – Futsal Shuffle 2020 (🗻5位 /⏰11週)

 

4/11

47 Selena Gomez – Lose You To Love Me (🗻1位 /⏰23週)

65 Kelsea Ballerini – homecoming queen?  (🗻65位 /⏰13週)

87 Lil Uzi Vert – Lo Mein (🗻8位 /⏰3週)

 

4/18

46 Lil Baby - Woah (🗻15位 /⏰21週)

83 YoungBoy Never Broke Again – Make No Sense (🗻57位 /⏰20週)

97 Bad Bunny - Vete (🗻33位 /⏰18週)

99 Idina Menzel & AURORA – Into the Unknown (🗻48位 /⏰12週)

 

4/25

48 Kane Brown - Homesick (🗻35位 /⏰21週)

98 Jonas Brothers – What A Man Gotta Do (🗻16位 /⏰12週)

 

 

・各週ラジオで伸びた曲

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※ソースはKworbのラジオのページ

※太字は伸び幅が大きい曲

※赤背景はその週にHot 100に入っていない曲

 

 

・各指標の1位曲

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 Kenny Rogersの"The Gambler"、Bill Withersの"Lean On Me"は訃報を受けてのDL1位。ただし古い曲(かつリカレント)なので、Hot 100に登場しませんでした。(このような曲は50位以上相当のポイントを得なければHot 100い再登場できない)

 

 

・Rolling Stone Chartsトップ10曲

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 Hot 100ではまだトップ10入りしていない”Savage”や”Blueberry Faygo”の躍進が際立ちます。

 

 

 

この月のHot 100リンク

4/4:https://www.billboard.com/charts/hot-100/2020-04-04

4/11:https://www.billboard.com/charts/hot-100/2020-04-11

4/18:https://www.billboard.com/charts/hot-100/2020-04-18

4/25:https://www.billboard.com/charts/hot-100/2020-04-25

 

 

・3月号

・2月号

 

・1月号

 

 

 

 

 

*1:もう5月第1週のチャートが発表されましたけれど、暦の上ではまだ4月だからヨシ!

*2:ただビルボードは1位以外の内訳について詳しく記載しないため、2週目以降マーチがあっても1位でないとそれを書いていないのかもしれません

*3:批評方面でも高い評価を得ています

*4:ラジオが前の週に出てくるくらい盛り上がっている、という意味では、初週に首位デビューするよりも圧倒的な首位デビューを果たしているという解釈ができる

*5:こうやって初週に「これだけすごい記録を成し遂げました!」って強調するからには、最終的にどうなったか?をセットで報じることがフェアだと私は感じますが、ビルボードはそれをしませんね……

*6:Nicki Minajリミックス発表前に書いていました。リミックスが無い段階でもかなり有望だったので、リミックスが来れば1位も期待できるかも。Nicki Minajがビルボードにクレジットされるかどうかは不明ですが

*7:“Congratulations”以降のメインシングルでは最低位

*8:それまでは”B.I.T.C.H.”

*9:ちなみに2位:Why Everything Is Chrome 3位:Supalonely 4位:Dangerously in Love 5位:She Belong to the Streets とTikTokで人気でも曲として人気ではないものも多いです

*10:2019年の前半YNW Melly、しかしその後リスト入りを果たした

*11:Hot 100で首位を取った年のラジオ成績

4月アルバムチャートの乱 【The Weekndと5 SOS、そしてマーチ】

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 4/4付、そして4/11付のUSアルバムチャートで「乱」ともいえる動きがあったので、まとめました。↑はThe Weekndのマーチの一部

 

 

1:The Weeknd

 今年最大の数字(44.4万)を記録し、アルバムチャートを制しました。内訳はセールスが27.5万、ストリーミングが16.3万、シングルDLが0.6万でした。

 R&Bのアルバムとしては歴代最多の2.21億再生を記録し、ストリーミングも優秀な数字ですが、44.4万の大きな要因はやはりセールスの高さにあるでしょう。

 そのセールスに関してビルボードは記事内で、「このセールスは主にチケット戦略、80種以上のマーチ戦略から来ている」としており、この数字は戦略によるものが大きいということが伺えます。

※ チケット戦略=ライブのチケットを買うとDL音源 or CDが貰える

マーチ戦略=グッズを買うと、主にDL音源が一緒についてくる

 

 さらにこの作品は2週目もマーチの存在が明言されていました。2週目は「90種以上」のマーチとビルボードの記事にあり、1週目から種類が増えていることが分かります。

 この追加マーチは、(次に紹介するデラックス版と合わせて)アルバムへの注目の持続を狙ったものでしょう。その結果、この作品は2週連続でアルバム1位を取ることに成功します。

 

 この作品でもう一つ焦点となったのはその「多数のデラックス版」です。3/20にオリジナル版をリリース以降、3/23にデラックス①、3/30にデラックス②、そして4/3にリミックスEPをリリースし、合計4バージョンの関連作品をリリースしました。

 現在のストリーミング環境では、デラックス版が出てもファンにコストはほとんどかからないので、気軽にリリースが可能です。ヒット曲を後付けでアルバムに追加する、「サイレントデラックス」なるものも存在しています。

 なぜこれが「サイレント」なのかというと、曲の区分が微妙に変わるだけで新しい曲はリリースされず、あまり話題にならないからです。この戦略は追加曲の分だけ、そのアルバムの数値が上昇するのでお得な戦略です。昨年Shawn Mendesは”Señorita”を前アルバムに追加し、その週にアルバムチャートで33個順位を上げました。

 

 現在デラックス版の活用は広く行われていて、ファンにもほとんどコストがかからないので、今回も多いとはいえど特別な戦略という印象はありません。*1昨年”Old Town Road”がリミックスを出しまくった、みたいなものでしょう。もちろんここまで短期間に大量にリリースされると、「商魂たくましいな……」という印象は与えると思いますが。*2

 このデラックス版も、随時追加され注目度の持続に一役買った「マーチの一種」のようなものなのでしょう。デラックス版の追加は、音楽メディアにも取り上げられやすい=リスナーへの注目喚起ができる点もポイントなのかもしれません。(一方マーチもファッションメディアに取り上げられ、別の角度からメディア露出に寄与していたことをフォロワーさんに教えていただきました)

 

 あとはインタビューで発信された「究極の正当性評価」という発言も一部で注目を集めていました。その発言もですが、個人的に気になったのはビルボード側の質問項目です。

 この発言はHot 100・Billboard 200・Artist 100・Hot 100 Songwriters・Hot 100 Producersのチャート5部門を制した「初のアーティスト」になったことに対するコメントです。ただSongwritersとProducersチャートが登場したのは2019年6月で、実際には「1年弱で初」の記録なのです。

 仮にこの2種のチャートが以前からあったとして、直近にこれを獲得できるのは2017年のEd Sheeran(と思われる)ので、レアな記録であることは事実です。(Songwritersまでの4部門制覇できるアーティストはもう少しいますが、自分でプロデュースしている人は少ないです)

 これ以外に当てはまる人はいなさそうなので、やはり珍しい記録ではあるのですが、SongwriterやProducer部門をアーティストが獲得するのはアルバム曲が大量登場するようになったストリーミング前 / 後でも難易度が変わっていることも頭に入れておきたいです。(おそらくストリーミング前だと、アーティスト自身ではなくMax Martinのような専業裏方がこの部門を多く取りそう)

 

 何が言いたいのかというと、実際にレアな記録ではあるものの、「初」の部分には自分だったら注を付けたくなるな~ということです。

 ビルボードの表現に対して、毎回ここまで深く追う必要は全くありませんが、ビルボードはチャート記録等を多少オーバーに表現する場合もある、ということを頭の片隅に入れておいても良いかもしれません。*3

 

 ちなみにマーチやデラックス版の有無の影響があるのはBillboard 200とArtist 100の2種類のチャートですが、ストリーミングも優秀な数字を収めているため、極端な話セールスがゼロだったとしても変わらず5部門制覇はしているかと思います。つまりマーチやデラックス版の存在はあまりこの発言とは関係ないと思います。

 ただ関係が薄いとはいえ、ヘビーなセールス戦略を用いつつも「俺は真のアーティストだ」的な発言をするのは、反感を買ってしまう余地があります。

 

 

2:5 SOS

 一方5 Seconds of Summerはマーチ関連で不運な目に逢いました。The Weekndと同様にチケット戦略・マーチ戦略を取った彼らですが、そのチケット戦略と連動したCDの配送が一部予定よりも早く行われました。そのミスによって、1.1万枚相当が正式なリリースの一つ前の週にカウントされました。

 そして正式リリースの週に13.3万の売上を記録しましたが、2週目のThe Weekndが13.8万の売上を記録したためアルバムチャート1位を獲得できず。デビュー作から続いていた3連続アルバムチャート首位の記録が途絶えてしましました。

 仮にそのミスの分が正しく配送されていれば、The Weekndの数字を逆転できるので、ファンたちはビルボードに #BillboardSpeakUpなどのタグを送り、訂正や声明を求めています。(関係の無いツイートにもこのタグが送りつけられています)

 さらに5 SOSのメンバー、Ashton Irwinは「他のアーティストは早い送付があっても修正されるのに、私たちにはそれが起こらなかった」と主張しています。

 

 たしかに同情の余地はありますが、配送ミスはビルボードの管轄外ですし、例外を作るとルールが歪んでしまうので訂正されることはきわめて低いでしょう。「他のアーティストは訂正されるのに!」の部分の真偽は気になりますが。

 ビルボードはその週のアルバムチャートを紹介する記事内で1週目→2週目のアルバムチャートを大きく駆け上がった過去の事例を紹介しています。これを提示するということは、やはり訂正される可能性は低いと思われます。

 単に事実を羅列しているだけで、かつファンたちが#BillboardSpeakUpのようなタグを作る前に完成した記事なので問題は無いですが、この記述はファンを逆撫でしてしまいそうです。今後何かしらの説明をすることはあるのでしょうか。  *4

 

 

3:マーチを取り巻く環境

 2週目に順位が急落する可能性、利用方法によっては「ガメつい」印象を与える可能性、さらには5SOSの配送ミスなどリスクもあるチケットやマーチ戦略ですが、現在のアルバムチャートでは必要不可欠なものになっています。

 今年アルバムチャートのトップ5に新登場したアルバム28のうち、20のアルバムが何かしらのセールス戦略を利用がビルボードの記事で明記されています。(多くはチケット or マーチ戦略ですが、BTSのみ複数バージョンのCD販売)

 ここまで多くのアルバムがこの戦略を活用しているので、通常通りの販売だと、戦略を用いたアルバムの水準に付いていくのが難しくなってしまうのです。

 

 例えば直近の4/11付チャートで、Dua Lipaは6.6万の売上でアルバム4位でした。ヒットシングルがあり、アルバム自体への注目度も高かったように思うのですが、首位争いからは程遠い水準の成績でした。(とはいえDua Lipaのキャリアで最も高い成績でしたが)

 総合売上6.6万のうち、セールスが1.8万、ストリーミングが4.4万、シングルDLが0.3万でした。(合計すると数値がズレますが、四捨五入の問題でしょう)

 ストリーミングはUS国外の女性アーティストとしてはトップクラス*5で、優秀な数字です。この週アルバム2位の5 SOSに「ストリーミングでは」ダブルスコア以上の差を付けています。(5 SOSのストリーミングは1.9万枚相当)

 しかしセールスの低さ(1.8万)が足を引っ張り、総合売上は5 SOSの半分程度に収まっています。ビルボードの記事内で何かしらの戦略を用いたという記載はなかったので、「自然な数字」で勝負するとこれぐらいのセールスになるということです。

 Dua Lipaは戦略を行えばアルバム1位になる!というわけでも無いですが、セールス戦略を何も行わないとセールスで差が付き、結果的に総合売上にも大きな影響が出るという例の一つでしょう。

 

 他への対抗策として、チケットやマーチの戦略は「導入せざるを得ない」面も強く、ビルボードがこれを除外でもしない限り、いたちごっこ方式でこの戦略は続きそうです。

 ビルボードは今年1月からこのような戦略に関するルール改定を行いましいたが、「チケット戦略については据え置き、マーチは値段制限と販売場所を制限する*6」と変化は小さいものだったので、あまり規制する気はなさそうな気がします。

 

 チケットやマーチ戦略を売るにも「アーティストのパワー」が必要で、それをアルバムチャートで測ることは悪いことではないと個人的に考えています。ただしこの戦略があるか無いか、で数字がだいぶ変わってくるので、現在のアルバムチャートを見る際にはこの戦略の有無を確認し、それを踏まえた上で順位や売上を見ることが大切だと考えています。

 そしてこの戦略を用いたアルバムは、その効果が切れてから以降急落するケースもあります。どこまで戦略に依存しているかを確認するために、2週目以降のアルバムチャート順位、またはストリーミングでどこまで数字を記録したかをチェックするのも同様に大切です。

 

 

参考:

4/4のアルバムチャート記事:The Weeknd’s ‘After Hours’ Debuts at No. 1 on Billboard 200 Chart With Biggest Week of 2020 | Billboard

4/11のアルバムチャート記事:The Weeknd’s ‘After Hours’ Spends Second Week at No. 1 on Billboard 200 Chart | Billboard

The Weekndへのミニインタビュー:The Weeknd on Being the First Artist to Top These 5 Charts At Once: 'It Feels Like a Huge Blessing' (Exclusive) | Billboard

(この和訳記事で「究極の正当性評価」は登場します)

 

 

 

 

*1:ちなみにオリジナル版と比較すると、ストリーミングでの影響力はあまり無かった

*2:あとリミックスが多岐にわたるので、どの曲がどのバージョンにあるのか把握するのが難しそう

*3:そのビルボードの報道表現について書いた過去記事です:ビルボードの報道の傾向:トップ○○「デビュー」の記録強調に関する疑問について - チャート・マニア・ラボ

*4:というのも、ビルボードはスタンに投票を求めるVote記事や、一般人のツイートを紹介するFans Reactのような、「ファンの力を借りる」記事をコンスタントに作成しているので、各スタンへの対応は丁寧に行った方が自身のためにもなるね、という私の持論です

*5:全てのデータを隅々までチェックできないですが、おそらく過去最高の成績。2017年にLordeが記録したSEA換算2.4万枚程度?ぐらいしかその他のUS外の女性アーティストのストリーミングでの好成績は覚えがないです。この枠の強力なアクトの一人であるAdeleは前作、リリース時にアルバムをストリーミング開放していなかった

*6:アーティストの公式サイトで扱ったもののみ