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チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

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ようこそ!音楽チャートの世界へ!

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みなさん。こんにちは。知っている方も初めての方も、こんにちは!

はじめましてチャー トこと申します!

(ちなみにアンダーバー_は5個)

 

音楽チャート、またポップ音楽について考察していきたい、自称チャート研究者によるブログです。

 

音楽チャート、ポップ音楽のなるべくディープな世界について書いていきたいです。

 

未来のチャート少年がニヤっとできる記事と、新たな音楽の楽しみを提案するような記事、議論のタネになるような記事を作ることを目指しています!!

 

※できるだけミスの無いよう努めていますが、もしミスを発見したらご一報頂けると幸いです。 

 

・おすすめ記事20選

 

 ※画面右(パソコン)や画面下(スマホ)にある「人気記事」の項目もぜひ参考にしてください!

 

 

 

※連絡等がございましたら、Twitterでお問い合わせください。あとは質問箱も用意しています。

 

 

Hot 100 2020年1月まとめ 【激動の1ヶ月、Roddy Ricch大活躍など】

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 今年からHot 100の記事は週ごとではなく、テーマ別で記事をまとめようと考えています。毎週の記事はテーマがある週のみまとめ、代わりに月末にその月の動向を振り返るというスタイルにしようと考えています。理由はテーマ別の方が後から参照しやすい、記事を書くほどテーマが無い週もある……などです。まあ今月はテーマが多くて結局毎週更新していたのですが! 

 

・今月のトップ10(シングル)推移

  1月4日 1月11日 1月18日 1月25日
1 All I Want for … Circles The Box The Box
2 Rockin' Around … Memories Yummy Life Is Good
3 Jingle Bell Rock The Box Circles Circles
4 A Holly Jolly … Someone You Loved Memories Memories
5 Circles ROXANNE 10,000 Hours Lose You to Love Me
6 ROXANNE Good As Hell Someone You Loved Someone You Loved
7 It's The Most Dance Monkey Dance Monkey 10,000 Hours
8 Someone You Loved Highest in the Room
Good As Hell Dance Monkey
9 Memories 10,000 Hours ROXANNE ROXANNE
10 Good As Hell Lose You to Love Me Lose You to Love Me Yummy

※表の都合で一部曲名を短縮しています

 

 

・今月のアルバムトップ5推移

  1月4日 1月11日 1月18日 1月25日
1 Fine Line / Harry Styles
89,000
JACKBOYS / JACKBOYS
154,000 👕
Please Excuse me for… / Roddy Ricch 97,000 Rare / Selena Gomez
112,000 🎫👕
2 Christmas / Michael Bublé
77,000
Please Excuse me for… / Roddy Ricch 74,000 Hollywood's Bleeding / Post Malone 65,000 Please Excuse me for… / Roddy Ricch 110,000
3 Please Excuse me for… / Roddy Ricch 73,000 Hollywood's Bleeding / Post Malone 64,000 Fine Line / Harry Styles
49,000
Time Served / Moneybagg Yo 66,000
4 Merry Christmas / Mariah Carey 71,000 Fine Line / Harry Styles
54,000
JACKBOYS / JACKBOYS
47,000
Hollywood's Bleeding / Post Malone 60,000
5 WHEN WE ALL FALL… / Billie Eilish 64,000 Soundtrack / Frozen 2
46,000
Soundtrack / Frozen 2
42,000
Kirk / DaBaby
43,000

※緑背景はその週にリリースされたアルバム

 

 

~各週のハイライト~

 

1/4のハイライト◇

・クリスマス曲が1位~4位を独占。全体で25曲がランクイン。(うち24曲がトップ50)

・”All I Want for Christmas Is You”が1位キープ。再生数は7270万

・集計対象は昨年12月ながらも、チャート日付は新年1月のため、Mariah Careyは4Decade連続での1位獲得を達成。史上初の快挙

・アルバム1位は2週連続でHarry Styles

 

1/11のハイライト◇

・クリスマス曲が全て去る。合計27曲が新登場/再登場する出入りの激しい週に

・1位がPost Maloneの”Circles”、2位がMaroon5の”Memories”、3位がRoddy Ricchの”The Box”(初のトップ10入り)

・アルバム1位はTravis Scott率いるJACKBOYS。インスト曲一つを除き、全曲がHot 100入り

・クリスマス期に1度はリカレントで外されたヒットが7曲再登場

 

1/18のハイライト◇

・Roddy Ricchの”The Box”がJustin Bieberを退け首位浮上!ストリーミングの数字が圧倒的(6820万)。彼はアルバムも1位

・Justin Bieberの”Yummy”は2位。セールスとラジオで抜群の成績も、ストリーミングは”The Box”の半分以下

・BROCKHAMPTONが初のHot 100入り!”SUGAR”が70位

YouTubeに関する集計変更で”Old Town Road”が15位→46位に。”Ransom”は33位から圏外に

 

1/25のハイライト◇

・FutureとDrakeの“Life Is Good”が2位に登場。Futureにとってはキャリア最高位

・DrakeのHot 100エントリー数が207に。歴代最多のGlee Castと並ぶ

・”The Box”が首位を守る。ストリーミング数は7720万まで到達

・Selena Gomezがアルバム1位。リリース6週目のRoddy Ricchとは僅差(2000枚)

・上位デビューが相次ぐ。Mac Miller、Lil Baby、Halsey、Selena Gomezの新曲がトップ40圏内に登場

 

 

今月トップ40(以上)に入った曲

(☆=新登場 ◇=再登場 △=順位上昇 初はトップ40入りが初のアーティスト)

 

1/4

◇36 Chuck Berry – Run Rudolph Run

◇31 Kelly Clarkson – Underneath the Tree

◇29 Derlene Love – Christmas (Baby Please Come Home)

△24 Andy Williams – Happy Holiday / The Holiday Season

 

1/11

☆38 JACKBOYS feat. Young Thug – OUT WEST

△36 Maren Morris – The Bones 

△32 blackbear – hot girl bummer

△31 Trevor Daniel – Falling (初)

 

1/18

△40 Lady Antebellum – What If I Never Get Over You

△35 Roddy Ricch feat. Mustard – High Fashion

☆2 Justin Bieber – Yummy

 

1/25

△39 YNW Melly – Suicidal

☆30 Selena Gomez – Rare

☆29 Halsey – You should be sad

☆17 Mac Miller – Good News 

☆16 Lil Baby – Sum 2 Prove

☆2 Future feat. Drake – Life Is Good 

 

今月Hot 100から外れた主な曲 

※滞在が10週以上、またはピーク順位が高い曲

 

1/4

87 Matt Stell – Prayed For You (🗻36位 /⏰20週)

45 Jonas Brothers – Only Human (🗻18位 /⏰27週) ※のちに再登場

22 Juice WRLD – Lucid Dreams (🗻2位 /⏰48週)

 

1/11

92 DaBaby feat. Offset – Baby Sitter (🗻59位 /⏰20週)

79 Ellie Goulding & Juice WRLD – Hate Me (🗻56位 /⏰20週)

+すべてのクリスマス曲

1 Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You (🗻1位 /⏰37週) など

 

1/18

98 Anuel AA, Daddy Yankee, 等... - China (🗻43位 /⏰18週)

80 Joji – SLOW DANCING IN THE DARK (🗻69位 /⏰13週)

47 Lil Baby & DaBaby – Baby (🗻21位 /⏰21週)

33 Lil Tecca – Ransom (🗻4位 /⏰31週)

 

1/25

89 Post Malone feat. DaBaby – Enemies (🗻16位 /⏰18週)

50 DaBaby – Suge (🗻7位 /⏰37週)

46 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus – Old Town Road (🗻1位 /⏰45週)

45 Ed Sheeran feat. Khalid – Beautiful People (🗻13位 /⏰26週)

 

 

主なトピックス

 

・Roddy Ricchの“The Box”が大躍進

 今月の主役は彼。昨年にアルバム1位を獲得して以降、徐々にシングルもヒット。そしてクリスマス後に本格的に花開きました。新鋭のラッパーがビッグスター(Justin Bieber)の1位を阻むという構図は昨年の“Old Town Road”を彷彿とさせるものがあります。どこまで1位支配が続くか見ものです。ビデオが未リリース、さらにラジオも伸びている途中と、まだまだポイントが上昇する余地が残っています。

 “High Fashion”などその他のシングルも好調。”The Box”も”High Fashion”もTikTokでよく使われているようです

  

・クリスマス後の特別措置。ただし……

 今年は過去最大の25のクリスマス曲がランクイン。そのぶんチャートから外れた曲が多く、このクリスマスが曲のチャート入り「最後」になったと思われた曲がいくつかありました。

 しかしクリスマス明けの週、これらの曲を特別に再登場させました。「リカレントルール」でチャートから外れた曲は、何か特別な再浮上が無い限り再登場しないのですが、「クリスマス曲に押し出されるのは不当」と考えたのでしょうか。特別措置が取られました。これは昨年までは無かったことです。

 この特別措置で再登場した曲はほとんど既にピークを過ぎた曲で、「新しい曲の枠のために古い曲を外す」というリカレントルールの目的に反するもので、この特別措置による再登場はあまり賛成できない、というのが私の意見です。

 またここで再登場した曲はほとんどラジオで人気の曲だったので、Hot 100における「ラジオの濃さ」が増すことにもなります。

 ここで再登場した7曲のうち、3曲が2週のうちにチャートから再び外れています。他の曲はどこまでチャートに残留するでしょうか。

 

☆クリスマス週に関する詳細な記事

Hot 100 1/4 特集 [チャート上では2020] 【クリスマス2019特集】 - チャート・マニア・ラボ

 

☆クリスマス後の再登場に関する詳細な記事

Hot 100 1/11 特集 【クリスマス後のリフレッシュ / 新方針?一度外れた曲を戻す】 - チャート・マニア・ラボ

 

 

・ルール変更によって弾かれた“Old Town Road” グラミーに向けて残念?

 集計期間が2020年に入り、1/18付けのチャートからHot 100でルール変更がありました。YouTubeでユーザーが作成したビデオを減算するように。具体的には、複数曲が含まれるコンピレーションなどが対象外に、ユーザーによる曲単体のアップロードは3/4に減算されました。詳しくは↓の記事に。

Hot 100 1/18 特集 【ルール変更:YouTubeの集計は公式ビデオが中心に】 - チャート・マニア・ラボ

 

 これの影響を受けた曲の数は少ないですが、その影響を受けた一部の曲はかなり順位を落としました。特にミームで人気だった曲はマイナスが大きいようです。

 “Old Town Road”はその週15位→46位と順位を落としました。そして次の週にはチャートから外れてしまいました。(=51位以下相当)

 個人的にはこれはグラミーに向けて少し残念です。なぜかというと、久々にグラミーがチャートに影響を与える現象が発生するかも?と考えていたからです。

 インターネットでの話題作りに定評のある彼の“Old Town Road”ならばグラミーで再浮上するかな?と考えていたのですが、チャートから外れてしまった以上その現象をチャートで観察することは難しそうです。

 他にも若者への影響力が強そうな”bad guy”も同様に再浮上するかもしれませんが、この曲もグラミー前にチャートから外れてしまう可能性があります。(”bad guy”も同様にルール変更で順位を大きく落とした) ※次のHot 100が勝負所です。

 

 

・短評①:”Life Is Good”

 Drakeを迎えたFutureの”Life Is Good”が2位にランクイン!Futureは“Mask Off”=5位を上回りキャリアピークを更新しました。Drakeのヴァースで始まり、ダイナミックに展開していく、という近年のfeat. Drakeでの黄金パターンを採用した1曲です。

 この曲はストリーミングでかなり人気を集め、セールスもその週の1位になるなど優秀な成績を収めたのですが、“The Box”の壁はとても高く2位スタートに。

 とはいえSpotifyではUSの週間再生数が歴代15位の約1986万を記録するなど、成功を収めたと言える成績を収めています。ちなみに“The Box”は歴代5位の約2497万再生。Apple Musicでは瞬間的に1位を獲得することはありましたが、週トータルで見ると”The Box”の方が1位に立っている期間が長かったです。

  DrakeはこれでHot 100エントリー数を207まで伸ばし、歴代最多のGlee Castと並びました。彼が次の曲をリリース次第、この記録を打ち破るでしょう。

 

・短評②:”Yummy”

 注目デビューながらも①の“Life Is Good”と同様に”The Box”に敗れ、2位スタートとなった“Yummy”。この曲はアルバムチャートで行われているような手法を採用して本気で1位を奪いに来ました。サイン入りヴァイナルなどを活用してセールスを伸ばし、さらにはJustin Bieber当人のインスタグラムで国外のファン向けに居住地偽装すればUS1位を取れる!などの画像を一瞬投稿して物議を醸しました。

 アルバムチャートでこのようなグッズ戦略を用いた作品は2週目に大きく数字を落とします。シングルでも同様に過去にこの戦略を行ったTravis Scottの“HIGHEST IN THE ROOM”が1位→6位に、The Weekndの”Heartless”が1位→17位、そして“Yummy”は2位→10位と順位を落としました。

 ここまでなんかネガティブな情報だらけですが、ラジオでは大成功を収めており成績自体はさほど悪くはないと考えています。この曲の評価は今後どこまで長持ちするか?という点、具体的にはトップ10に何週残るか?で下したいと思います。トップ10滞在は10週までは伸ばしたいところです。

 

・短評③:”Suicidal”

 YNW Mellyは現在殺人容疑で収監中。その素行を問題視されているのか、ラジオでほとんどオンエアされていません。しかしストリーミングでは安定した人気を得ており、ここまで”Murder On My Mind”、”223’s”、そして今回の”Suicidal”と3曲がトップ40まで到達。ラジオの割合が高いHot 100でかなり健闘しています。

 ラジオとセールスが低いので、かつてのHot 100ではランクインしていなかったタイプの曲です。

 “Suicidal”は最近Spotifyの最大手プレイリストToday’s Top Hitsに入りました。(よりヒットしていた”Murder On My Mind”は入っていなかった)

 Spotifyは以前、素行面に問題のあったR. Kellyをプレイリストから削除したことがあったので、この追加は意外でした。

 

短評④:”Hate Me”

 TikTok効果で再浮上を果たした“Hate Me”ですが、20週の満期を迎えてチャートから外れました。チャート入り第一期はラジオ効果、第二期はTikTokによるストリーミング効果。第一期での最高位は72位、第二期での最高位は56位とTikTok後にピークが来ています。

 仮に第二期にラジオのピークが来ていれば相乗効果でもっと高い順位まで到達するのですが、TikTokでのヒットは未知の曲 or 意外な過去曲が多いので、狙ってラジオとTikTokのヒット周期を合わせるのは現実的ではないでしょう。

 

 

短評⑤:”Enemies”

 Post Maloneの「サブシングル」の曲がピーク16位、18週という成績でチャートを後に。彼のメインシングルは“Circles”ですが、主にオンエアされていたのはポップ系ラジオです。こちらの”Enemies”は”Circles”があまり広がらなかったラップリスナー向けのシングルです。(リズミック系で1位)

 ストリーミングでアルバム単位の人気が出た場合、アルバムのリリースから時間を置いてカットされるシングルは奮わない傾向が強いので、サブシングルも活用して適切な時期にシングルをカットするのは良い戦略だと思います。彼のように複数ジャンルのシングルを使い分けられるアーティストは希少ですが。

 

 

・来月以降

 まずは来週に大きく動きます。EminemMac Millerのアルバム曲が大量に登場し、どの曲がチャートに残るか?が大きなテーマでしょう。古い曲が2020の年間チャートに入るためには、ここで粘ってチャートに残る必要性があります。

 

 注目の既存シングルは”Don’t Start Now”、”BOP”、”High Fashion”、”Blinding Lights”あたり。“Don’t Start Now”は現在14位で、キャリア2曲目のトップ10が間近に迫っています。

 “BOP”も同様にトップ10入りの可能性がある曲。ビデオリリース時に大きな上昇を見せたものの、クリスマス曲に阻まれてトップ10入りならず。そこから現在に至るまでトップ10の壁を破れていませんが、果たして?

 “High Fashion”は非シングルながらもストリーミング人気によって27位まで到達。この曲がどこまで順位を伸ばすのか、いつシングルカットされるのか、などに注目。

 “Blinding Lights”はストリーミングでの人気を受けてシングルカットされ、浮上中。SpotifyでもAppleでもこっちの方の順位が上。SpotifyのToday’s Top Hitsでは”Heartless”の方は既にリストから外されています。

 この”Blinding Lights”はドイツでThe Weekndにとって初のシングル1位を獲得、ほかオーストラリアで1位、イギリスで4位などUS以外で絶賛ヒット中です。

 

 

イギリス 2019年間シングルチャートを6のポイントで振り返る

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こんばんは。この記事ではUKの年間チャートを6つのポイントで振り返っていきます!まずは年間チャートの表から!  

※この記事を書いているのは2020年ですが、便宜上今年=2019年、昨年=2018年とします。

 

Peak = 週間チャートの最高位 (2019年内での最高週間順位。*印付きの曲はそれ以外の年でこれよりも高い順位を記録しているもの)

LY=昨年の年間チャートでの順位

 

Pos Artist Song Peak LY
1 Lewis Capaldi Someone You Loved 1  
2 Lil Nas X Old Town Road 1  
3 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care 1  
4 Billie Eilish bad guy 1  
5 Calvin Harris & Rag'n'Bone Man Giant 2  
6 Ava Max Sweet but Psycho 1  
7 Stormzy Vossi Bop 1  
8 Tones And I Dance Monkey 1  
9 Mabel Don't Call Me Up 3  
10 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 1  
11 Meduza feat. Goodboys Piece of Your Heart 2  
12 George Ezra Shotgun 7 3
13 Dave feat. Burna Boy Location 6  
14 Lewis Capaldi Hold Me While You Wait 4  
15 Post Malone & Swae Lee Sunflower 3  
16 Ariana Grande 7 rings 1  
17 Post Malone Wow. 3  
18 AJ Tracey Ladbroke Grove 3  
19 Tom Walker Just You And I 3  
20 Lady Gaga & Bradley Cooper Shallow 1 87
21 Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People 1  
22 Sam Smith & Normani Dancing With A Stranger 3  
23 Ed Sheeran feat. Stormzy Take Me Back To London 1  
24 Dominic Fike 3 Nights 3  
25 Lewis Capaldi Bruises 6  
26 Kygo & Whitney Houston Higher Love 2  
27 Lewis Capaldi Grace 9  
28 Mark Ronson feat. Miley Cyrus Nothing Breaks Like A Heart 2  
29 Jonas Brothers Sucker 4  
30 Ariana Grande thank u, next 2* 68
31 Panic! At The Disco High Hopes 37* 90
32 NSG feat. Tion Wayne Options 7  
33 Ariana Grande break up with your girlfried, i'm bored 1  
34 Avicii feat. Aloe Blacc SOS 6  
35 Russ & Tion Wayne Keisha & Becky 7  
36 Billie Eilish bury a friend 6  
37 Marshmello & Bastille Happier 26* 62
38 Regard Ride It 2  
39 Young T & Bugsey Malone feat. Aitch Strike A Pose 9  
40 Halsey Without Me 10*  
41 Joel Corry Sorry 6  
42 benny blanco, Halsey & Khalid Eastside 29* 19
43 Khalid Talk 9  
44 Ed Sheeran feat. Chance the Rapper & PnB Rock Cross Me 4  
45 Aitch Taste (Make It Shake) 2  
46 Ed Sheeran Perfect 40* 6
47 Calvin Harris & Sam Smith Promises 21* 25
48 Pinkfong Baby Shark 6  
49 Sigala & Becky Hill Wish You Well 8  
50 Wiley, Stefflon Don & Sean Paul Boasty 11  
51 Jess Glynne Thursday 3  
52 Jax Jones & Martin Solveig feat. Madison Beer All Day And Night 10  
53 Lil Tecca Ransom 7  
54 Keala Settle This Is Me 16* 4
55 Ed Sheeran feat, Camila Cabello & Cardi B South Of The Border 4  
56 Marshmello feat. CHVRCHES Here With Me 9  
57 P!nk Walk Me Home 8  
58 Mabel Mad Love 8  
59 Mist feat. Fredo So High 7  
60 Freya Ridings Lost Without You 9 81
61 Tom Walker Leave A Light On 31* 36
62 Sam Smith How Do You Sleep 7  
63 The Killers Mr. Brightside 54* 80
64 Queen Bohemian Rhapsody 48*  
65 Loud Luxury feat. Brando Body 39* 33
66 Post Malone Circles 3  
67 Chris Brown feat. Drake No Guidance 6  
68 Lizzo Good As Hell 7  
69 Dermot Kennedy Outnumbered 6  
70 Calvin Harris & Dua Lipa One Kiss 22* 1
71 Taylor Swift feat. Brendon Urie ME! 3  
72 Lauv & Troye Sivan i'm so tired.. . 8  
73 Steel Bangles feat. AJ Tracey & Mostack Fashion Week 7  
74 Billie Eilish when the party's over 61*  
75 Travis Scott SICKO MODE 33* 94
76 Ed Sheeran Shape of You 82* 31
77 George Ezra Hold My Girl 8  
78 Dave feat. Fredo Funky Friday 38*  
79 Post Malone feat. Young Thug Goodbeys 5  
80 George Ezra Paradise 46* 8
81 Meek Mill feat. Drake Going Bad 13  
82 Ava Max So Am I 13  
83 Shawn Mendes If I Can't Have You 9  
84 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You 2 再※
85 Rudimental feat. Jess Glynne & Macklemore These Days 53* 5
86 A Boogie Wit da Hoodie feat. 6ix9ine Swervin 27  
87 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You 34* 26
88 Anne-Marie 2002 37* 12
89 Cadet & Deno Driz Advice 14  
90 Hugh Jackman, Keala Settle, Zac Efron & Zendaya The Greatest Show 25* 18
91 Sigrid Don't Feel Like Crying 13  
92 Tyga feat. Offset Taste 67* 40
93 Lizzo Truth Hurts 29  
94 Sam Feldt feat. Rani Post Malone 10  
95 Wham! Last Christmas 3*  
96 Rita Ora Let You Love Me 23* 88
97 Stormzy Crown 4  
98 Little Mix feat. Nicki Minaj Woman Like Me 18*  
99 Queen Don't Stop Me Now 79*  
100 Jonas Blue feat. Theresa Rex What I Like About You 16  

 (アーティスト表記はサイト準拠。Billy Ray Cyrusはクレジットされず)

※再=1994年、2007年に次ぐ再登場

☆UKチャートでは週間チャートで古い曲にマイナス補正をかけることがあり、順位の割に実はヒットしているようなパターンも見られます。(年間チャートではそのマイナス補正は受けないと思われる)

 

 

☆年間シングルトップ100のリンク↓

 

☆年間アルバムトップ100のリンク↓

 

 

1 今年の主役:Lewis Capaldi

 UKの主役は彼。シングル・アルバムともに年間1位を獲得した、まさしく今年のUKの顔です。代表曲”Someone You Loved”が昨年末からじわじわと浮上、それに伴い彼自体への注目度も向上し、それ以外の曲の人気も増しました。

 その他の曲も含めた総合的な注目度、また同胞の超ビッグスターEd Sheeranが同年にアルバムをリリースしながらもそのレースに打ち勝ったことはインパクトがありました。(時期的に有利だったという側面もありますが)*1

 

 昨年このようなポジションにいたGeorge Ezra(シングル3位・アルバム2位)と大きく違うのはUSでの躍進具合。EzraはUKでの大活躍の一方で、USでは週間の100位にも入れませんでしたが、Capaldiは“Someone You Loved”が見事首位を獲得。UKのアーティストでは今年唯一のUSシングル首位獲得です。

 しかし、CapaldiもHot 100エントリーはまだこの曲のみなので、USでの地位を確立しているのかは不明です。これ以降のシングルでどこまで活躍できるでしょうか。今年の後半にリリースされた新曲”Before You Go”はラジオで人気を得始めているようですが。(この曲はリリースが遅かったため、UKでヒットしているものの今年の年間チャートには入っていない)

 

2 Ed Sheeranは7曲もエントリー

 この章では誰が多く年間チャートに入ったか?を見ていきます。

 

7曲:Ed Sheeran

4曲:Lewis Capaldi・Post Malone

3曲:Billie Eilish・Calvin Harris・Stormzy・George Ezra・Ariana Grande・Khalid・Sam Smith

 

 リリースした時期の問題もあって年間シングル1位の座はLewis Capaldiに譲りましたが、エントリーの曲数ではEd Sheeranが上回っています。今年のアルバムから5曲が入ったほか、2017年のアルバム”÷”からも2曲が入りました。超絶ロングヒット。

 UKの毎週のシングルチャートでは、「ランクインするのは1アーティスト3曲まで」という規制がありますが、年間チャートの集計ではその「毎週入っているかどうか」ではなく、純粋な合計の売上数(セールス+ストリーミング)で計算されるため、このルールは年間チャートには影響を及ぼしません。例えば”Shape of You”は自身の他のシングルに押し出される形で今年3週しかチャート入りしていないのですが、年間チャートには余裕で入っています。

 後の章でも説明しますが、Ed Sheeran・Lewis CapaldiタイプのSSWがUKでは際立っています。

 

 昨年は5曲が入り、Hugh Jackmanと並んで年間チャート最多エントリーだったPost Maloneは今年4曲がエントリー。今年のアルバム”Hollywood’s Bleeding”からのシングルがすべて年間チャート入り。また当人の曲ではないですが、Sam Feldtによる“Post Malone”(曲名)も94位に入っています。

 

 その他7名が3曲エントリー。USでも大活躍だったBillie Eilish・Ariana Grande・Khalid・Sam Smith、昨年のシングルが長持ちだったCalvin Harris、George Ezra。そしてコラボでも数字を伸ばしたUKラッパーのエース格Stormzy。

 

 

3 年間トップ10クラスの大ヒットは?多様な面々がランクイン

 

1 Lewis Capaldi – Someone You Loved

2 Lil Nas X – Old Town Road

3 Ed Sheeran & Justin Bieber – I Don’t Care

4 Billie Eilish – bad guy

5 Calvin Harris & Rag’n’Bone Man - Giant

6 Ava Max – Sweet but Psycho

7 Stormzy – Vossi Bop

8 Tones And I – Dance Monkey

9 Mabel – Don’t Call Me Up

10 Shawn Mendes & Camila Cabello – Señorita

 

 UKの覇権を取ったLewis Capaldiに次ぐ2位を記録したのは“Old Town Road”。ラップ&カントリーというUS人気が際立つ2ジャンルの融合、そしてヒットのきっかけがUSのチャートという、US特有の要素が強めな1曲でしたが、国外でも曲としてしっかり受容され特大ヒットになっています。昨年の途中からビデオ再生(公式ビデオのみ)がUKチャートでも集計の対象になったのですが、その恩恵もある程度受けているかもしれません。

 3位はEd SheeranとJustin Bieberの豪華タッグ。年の中盤のリリースで集計期間的な問題もあり3位止まりに。

 アーティスト単位で人気を高めたBillie Eilishの”bad guy”が4位、そしてUKでの人気が根強いCalvin HarrisとRag’n’Bone Manの”Giant”が5位。

 年始めに広い地域でヒットした”Sweet but Psycho”が6位、UKラップの巨星Stormzyが7位。UKラップに関しては次の章で詳しく説明します。

 年の後半に世界的ヒットとなった“Dance Monkey”と”Señorita”がそれぞれ8位と10位にランクイン。

 そしてUKに拠点を置くシンガーMabelの“Don’t Call Me Up”が9位。彼女はこの曲で初のHot 100入りも果たしています。Mabelは"Mad Love"も続いてヒットし(年間58位)存在感を発揮しました。

 

 トップ10曲には合計13名のアクトが参加していますが、一人も重複していません。トップ10にかぶりがいないのは少し珍しく、2010年代では2014年以来2回目。*2

 

UK年間トップ10に複数入ったアーティスト(客演含む)

2019:なし

2018:George Ezra、Drake

2017:Ed Sheeran(4曲)

2016:Drake

2015:Justin Bieber

2014:なし

2013:Pharrell

2012:Sia

2011:Adele、Pitbull

2010:Rihanna

 

 

4  UKラップのさらなる躍進

 次に、年間チャートをジャンル別に区分します。

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↑UK・USそれぞれの2019年間シングルチャートでのジャンルの割合

 

UKは ラップ / R&B 25 ダンス 13 ロック 6 ポップ 56 ラテン・カントリー 0

※ジャンル分類はビルボードを参考にしています

※George Ezraはロック扱い

 

 USと比較するとラップ/R&Bが減少して、ポップが増加。そしてカントリーの代わりにダンス曲といった印象でしょうか。ほかロックがやや多くて、ラテンが皆無です。この中で注目したのはラップ、その中でもUKラップのさらなる躍進です。昨年7曲だったUKラップのエントリーが今年は13曲まで増加しました。特筆すべき活躍を見せたのはStormzy・Daveの2人です。

 

7位:Stormzy – Vossi Bop

13位:Dave feat. Burna Boy – Location

18位:AJ Tracey – Ladbroke Grove

32位:NSG feat. Tion Wayne

35位:Russ & Tion Wayne – Keisha & Becky

39位:Young T & Bugsey Malone feat. Aitch – Strike A Pose

45位:Aitch – Taste (Make It Shake)

50位:Wiley, Stefflon Don & Sean Paul – Boasty *3

59位:Mist feat. Fredo – So High

73位:Steel Banglez feat. AJ Tracey & Mostack – Fashion Week

78位:Dave feat. Fredo – Funky Friday

89位:Cadet & Deno Driz – Advice

97位:Stormzy - Crown

 

 StormzyはUKラッパーの中で最多エントリー数を記録したうえ、“Vossi Bop”が年間7位と上位入り。またEd Sheeranとの”Take Me Back To London”も週間で1位を獲得し、年間23位に入りました。もう一つのエントリーは”Crown”の97位。

 年末にリリースされた彼のアルバムはその週に1位を獲得できなかったものの、2020年に入ってから週間1位を獲得しました。

 ラップは基本的に地産地消の傾向があり、UKラップはあくまでUK圏内(とアイルランド程度)に留まることが多いですが、”Vossi Bop”はオーストラリアでもトップ40まで到達し、国外でも一定の人気を得ることに成功しました。(ただしUSでは芽が出ず。USで人気のあるリスト、SpotifyのRapCaviarに名を連ねたものの人気は出ず)

 また年末にリリースされたシングル”Own It”はEd Sheeranという強力な客演を擁することもあって、同様に豪州トップ40など国外での人気も得始めています。(こっちはRapCaviarよりも規模が大きいSpotifyの総合ヒットリストToday’s Top Hitsに入った) 今後さらに伸びることはあるのでしょうか。

 

 Daveは2019年内にUKラッパーで唯一アルバム1位の獲得に成功。純セールスでは11位ながらもストリーミングでの人気によって逆転しました。USでは日常茶飯事のパターンですが、UKではかなりレアです。今年UKで週間アルバム1位を獲得した作品は、Post Malone*4とDaveの2つを除いてすべてセールスでも週間1位に立っており、USと比べると純セールスがそのまま順位に反映されるケースが多いのです。

 理由として考えられるのは、規模の問題、USと違い新作がアルバム単位ではさほど再生されないこと、純粋な再生数が反映されない*5ことなどでしょうか。*6

 このアルバムでの人気をきっかけに、シングルの”Location”は長くヒットし、最終的に年間13位まで食い込みました。UKではレアな、USのラッパーっぽいヒットをしたといえる曲です。(アルバムの人気曲がそのままヒットというパターン。その他のUKラップは単体でヒットしていることが多い)

 

 あとUKのラッパーではないですが、もう一人注目したいのはBurana Boy。ナイジェリア出身のラッパーですが、”Location”以外にStormzyの客演をつとめた”Own It”が同様にUKでヒット。(2020年に入ってからUK1位に) 

 海外の勢力も巻き込むことで、UKラップの市場自体を大きくし、いずれUSのように他国も巻き込む影響力を持つことができるでしょうか。

 

 

5 Hot 100との比較

 続いてUSチャートとの曲の違いを探っていきます。UKの年間チャートに入りながらも、週間のHot 100に入らなかった曲は42曲ありました。ジャンル別にまとめると以下の通りです。

(Hot 100に入らなかった曲数 / UK年間チャートに入った曲の総数)

 

・UKラップ(13曲/13曲)

(4章に掲載)

 

・UK産男性SSW(10曲 /19曲)

Shotgun・Hold Me While You Wait・Just You And I・Take Me Back To London・Bruises・Grace・Leave A Light On・Outnumbered・Hold My Girl・Paradise

 

・ダンス(9曲 /13曲)

Giant・Piece Of Your Heart・Ride It・Sorry・Wish You Well・All Day And Night・These Days・Post Malone・What I Like About You

 

・女性ポップ(8曲 /20曲)

Thursday・Mad Love・Lost Without You・So Am I・2002・Don’t Feel Like Crying・Let You Love Me・Woman Like Me

※Showmanとクリスマス曲は除く、”Señorita”はShawn Mendesメインととらえる

 

・その他 (2曲)

3 Nights・The Greatest Show

 

 

 ラップは前の章で語った通り、「地産地消」の傾向が強いためすべてUSでランクインせず。Stormzyはある程度海外進出を果たしたものの、USのチャートには入らず。

 

 UK産男性SSWは近年UKでの花形ポジション的存在。このジャンルを牽引しているのは、もちろんEd Sheeran。彼の世界的大ブレイクに続く形で、昨年のGeorge Ezra、今年のLewis Capaldiなど大スターが多く登場しています。この3人以外では、Tom Walker、Dermot Kennedyがランクイン。USでのブレイクはラジオでのオンエア次第といったところでしょうか。

 USではこのポジションに当てはまるような「ポップスの」男性SSWの年間チャートへのエントリーは少ないですが(7曲*7)、カントリー界から多くの男性SSWがエントリーしています。(ただしカントリー界には自ら曲を書かないシンガーも一部いる)

 

 ダンスはUSであまり人気の無いジャンル。一時期EDMの大ブレイクでUSでも人気が出ましたが、2010年代終盤では勢いが衰え、ダンス系のヒットは減少しました。UKでは従来から人気のジャンルで、現在も地位を確保しています。UK発のダンス系曲が「US以外の」あらゆる地域で人気を得るようなケースが例年いくつか見られます。今年は”Giant”など。”Piece of Your Heart”のMeduzaはイタリア出身ですが、UKでの順位の方が上です。

 

 女性ポップ人気は、UKでの全体的なポップ人気の高さに基づきます。Anne-MarieやRita OraのようなUKのシンガー故、USとUKでの人気にギャップがあるパターンもありますが、Ava MaxのようにUSシンガーながらもUKの方が大規模ヒットになるケースもあります。(昨年だとJason Deruloがこのパターン)

 

 

 

6 レガシーソングスたち

 2017年以降、”Mr. Brightside”が連続で年間チャート入りするなど、UK年間チャートでは古い曲のエントリーが際立ちます。今年はそのような曲が7つもありました。(ほかLizzoの2曲も元のリリースはかなり前)

 古い曲を整備するルールを週間チャートで導入している点はUSと同じですが、UKではそれが年間チャートに導入されないため、このような曲がランクインします。

 

46位 Ed Sheeran - Perfect

63位 The Killers – Mr. Brightside

64位 QueenBohemian Rhapsody

76位 Ed Sheeran – Shape of You

84位 Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You

95位 Wham! - Last Christmas

99位 Queen – Don’t Stop Me Now

 

 2章で触れたように、UKの年間チャートでは週間チャートのポイントではなく、純粋な年間の合計売上量でランキングが作られるので毎週の数字が地味でも、積み重ねで年間チャートまで到達するケースもあります。”Don’t Stop Me Now”はわずか1週の滞在で年間チャートに入っています。それだけ年間で通して聞かれていたということでしょう。

 クリスマス曲以外の5つの特徴は、特に今年は浮上のきっかけが無かったものの、元のヒットをベースにその人気がとても長持ちになった、ということですかね。映画の効果が薄れそうなQueenの2曲は微妙ですが、Ed Sheeranの“÷”の2曲と“Mr. Brightside”は来年も年間チャートに入るかもしれません。

 ちなみに”Mr. Brightside”は2010年代通して驚異的な粘りを見せており、この年代での週間ピークは28位ながらも、Decade-Endのチャートでは12位に入っています。特筆すべきリバイバルが無くとも、安定して人気が継続すれば積み重ねでいつの間にか巨大になる、というデジタル時代の特徴が顕著に現れた1曲です。ストリーミング時代になって、アクセスの容易性が下がったことから、この傾向はさらに強化されるような予感です。

(↑Decade-Endチャート)

 この曲以外に1994年の”All I Want for Christmas Is You”が77位に、1995年Oasisの”Wonderwall”が78位に、1982年Journeyの”Don’t Stop Believin’”が87位にランクインしています。”Believin’”はGlee Castのカバーという再注目のトリガーがありました。

 

 

 話を今年の年間チャートに戻します。2つのクリスマス曲は逆に短期間で集中してポイントを得て年間チャートに入っています。クリスマスムードに入るのは11月~12月とそこまで長くはないですが、その短期間で爆発的な人気を得ているのです。UKのSpotifyでは、一日の再生数が多い曲の歴代トップ5をクリスマス曲が独占しています。クリスマス期間は再生数の規模が全体的に伸びるということです。

 

 とても古い曲以外にも、継続してヒットするような曲が今年は多く見られ、以前も年間チャートに登場したことのある曲数が昨年12→今年24と大きく増加しています。

 

 

 

 

おまけ 予想の答え合わせ

年間チャート トップ10 半年前予想! 2019 (USシングル) - チャート・マニア・ラボ

 

  予想 結果
1 Someone You Loved Someone You Loved
2 I Don't Care Old Town Road
3 7 rings I Don't Care
4 Sweet but Psycho bad guy
5 Giant Giant
6 Old Town Road Sweet but Psycho
7 Don't Call Me Up Vossi Bop
8 bad guy Dance Monkey
9 Ed Sheeranのアルバム曲 Don't Call Me Up
10 Hold Me While You Wait Señorita

 

 昨年ほどは当たらず。昨年はトップ10が8曲正解・ピタリは4曲でしたが、今年はトップ10が7曲・ピタリは2曲に。

 ただUSと違ってラジオが無く、その分後半の調子が読みづらいため、USよりも予想の難易度が高いと思います。去年の予想がちょっとラッキーで、今年は「こんなもんかな~」ぐらいに思っていただけると幸いです。(個人的には満足です!)

 

 

関連記事

 

・この記事の昨年版

 

・この記事のUS版

 

*1:リリースが遅ければ、その分集計される期間も短くなるということ

*2:あと余談ですが、USの年間チャートでトップ10かぶりが無かったのは2012年の1回のみです

*3:feat. Idris Elbaの表記が他の媒体ではされているが、UKチャートではクレジットされていない

*4:セールス週間4位

*5:12曲まで・上位2曲は減算など 参考:Official Albums Chart to include streaming data for first time

*6:ストリーミングを制限するにしても、ルールはどちらか一つで良い気がしますけどね。USと比べてアルバム単位でストリーミングがやや少ないUKでは上位2曲の減算は効果抜群でしょう。

*7:Ed Sheeran2、Sam Smith2、Lewis Capaldi1、Dean Lewis1、Bazzi1

Hot 100 1/18 特集 【ルール変更:YouTubeの集計は公式ビデオが中心に】

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 今週YouTubeに関するルール変更がありました。面白そうなので、記事にまとめることにしました!公式ビデオ・ユーザー作成ビデオに関するルール変更です。

 ↑の画像は今週のYouTube「楽曲」ランキング。↓の「ビデオ」ランキングと比較すると数字にギャップがあることが分かります。(=公式ビデオ以外からの再生数も一定数あるということを示す) *1

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◇今週のHot 100 ハイライト◇

・Roddy Ricchの”The Box”がJustin Bieberを退け首位浮上!ストリーミングの数字が圧倒的(6820万)。彼はアルバムも1位

・Justin Bieberの”Yummy”は2位。セールスとラジオで抜群の成績も、ストリーミングは”The Box”の半分以下

・BROCKHAMPTONが初のHot 100入り!”SUGAR”が70位

YouTubeに関する集計変更で”Old Town Road”が15位→46位に。”Ransom”は33位から圏外に

 

 

1~100位までの順位表は↓

  

 

1 YouTubeのルール変更について

 突如ルール変更が来ました。今週のトップ10解説記事の後半に記載されています。

 

まとめると……

YouTubeからの再生を公式ビデオ・非公式ビデオで別々のカウントにする

・ユーザーが作成した非公式ビデオのうち、「曲」の体裁を成しているものは再生数のカウントをラジオ型ストリーミングと同じ水準に(=3/4引き下げる*2

・ユーザーが作成した非公式ビデオのうち、「曲」ではないもの、例えば複数曲が集められたコンピレーションなどは集計の対象外になる

 

 下記のアルバムチャートでの変更と合わせて「公式ビデオ重視」の路線を打ち出しました。「歌の体裁を成している」で主に該当するのは、ユーザーによる独自のリリックビデオなど。「成していない」で主に該当するのは、複数曲が含まれるコンピレーションなどです。

 勘違いされやすいのですが、「ユーザーに作成された」といっても後ろめたいものではなく、コネクトidというシステムで曲を使用した際には、権利の管理者側が収益を受け取る or ブロックなどの選択肢を取ることができます。

 

 この変更で大きな下降を見せた曲がいくつかあります。

・Old Town Road 15位 → 46位

・bad guy 15位 → 34位

・Ransom 33位 → チャート外(=51位以下相当)

・SLOW DANCING IN THE DARK 80位 → チャート外(=101位以下相当)

・ROXANNE 5位 → 9位 (順位の下降は地味ですが、ラジオが大幅に伸びながらも順位が下降しているのは変更のダメージを受けたと推測される)

 

 影響を受けた曲の数はそこまで多くないものの、その一部の曲はかなりの下落幅を記録しています。他の集計方法に関する記述はなく、据え置きのままと思われるので、他の指標で人気な曲が相対的に少し比重を上げたことになります。従来から強かったラジオやApple/Spotifyが今後もチャート上位を占めるものと思われます。

 

 

2 非公式ビデオの除外について考える

 1で紹介したルール変更の良い点、悪い点について考えていきます。まず、良い点として挙げられるのは「深追いしすぎ」だったのを改善できたという点です。

 YouTubeは収益が他の媒体と比べて収益が低すぎる点を指摘されています。それが非公式ビデオともなれば、さらに収益が下がるかもしれません。またコンピレーションであれば、アーティストの文脈からは「かなり離れた」コンテンツであります。

 私はミームが発生しても、それがいかに実際的な評価=有料ストリーミングなどの「見える評価」に変わることが大切と考えていました。つまりミーム単体で成立している曲と実際にApple/Spotifyで伸びる曲の間には大きな壁があると考えています。

 そのことから、収益面でも、アーティストに対する評価面でも寄与率が低いと考えられるこのタイプの動画まで集計する「深追い」のバランスが改善された、という見方もできます。

 

 一方悪い点として挙げられるのは、現在音楽消費の中心にいるストリーミングが相対的に弱体化されることです。個人的にはこっちの方が気になります。ストリーミングの一部の比重が下げられ、他が据え置きということで、Hot 100では主にラジオ(とDL)の比重が相対的に上がっています。

 このラジオの「相対的な強化」は今回が初ではなく、以前もありました。2018年7月に「無料会員の再生は2/3、プログラム型=ラジオ型再生は1/2」という変更があり、他の指標は据え置きだったため、その週ラジオで人気の曲が多く登場しました。(その週の記事:Hot 100 7/14 見どころ 【チャートの微調整でラジオに追い風が吹く可能性も? / Drakeの週】 - チャート・マニア・ラボ

  現在音楽消費を牽引しているストリーミングが2連続で比重を落とされるのは疑問に感じるので、このような変更をするならば全体的なポイント比重のテコ入れをするべきと私は考えています。

 

☆個人的な案

セールス:ストリーミングの比率がアルバムチャートよりもはるかにセールス重視に設定されているので、その比率をアルバムチャートと同程度にします。(とはいっても規模が小さいのでそこまでチャートに影響を与えませんが。ただ最近はバンドル戦略をシングルにも持ち込むアーティストが増えたため、要注目かも)

セールスは現状「固定ファンによる初週ブースト」の数字になっており、ヒットを証明するものとは微妙に違う印象です。

 

ラジオ:これの比重が強いせいで、ストリーミングでの人気が既に下がった頃合いにHot 100でピークを迎えることが多発。ラジオは依然として重要な指標とは思っていますが、現状のHot 100ではラジオのパワーが強すぎると感じます。

 

このことから……

セールス:実数/6 → 実数/10に変更

ラジオ:従来のポイントを×0.9

ストリーミング:従来のポイントを×1.1

が良いと考えました。現行のチャートシステムはMusic Pulse Boardで考案されたものを参考にしています。

 

 

3 アルバムチャートにビデオが入ったことについて

 こちらは事前に告知がありました。アルバムチャートでビデオの再生数が適用。公式ビデオのみが対象。RIAA(プラチナ認定などをする機関)では元々ビデオのストリーミングも集計対象だったため、これに近づいたことになります。 (RIAAでも同様に公式ビデオのみ。ただし、無料/有料会員で区別をするという記述は見当たらず、ビデオの比率がビルボードと比べて高いと思われる) 

 ただしこれの効果は限定的なものになっています。主要なビデオ媒体であるYouTubeからの再生は「広告付き再生」に分類され、少なく計算されていることが大きいでしょう。また、YouTubeではアルバム単位での再生はあまりされず、一部の曲(特にビデオがある曲)のみに再生数が集まりやすく、「アルバム全体の再生数」が伸びづらいことも関係しているかもしれません。

  ちなみに全盛期の”Old Town Road”でもプラス分は+1万になるかどうか程度だと思います。

 

※現行アルバムチャート

有料会員のストリーミング再生は1250 = 1枚

無料会員(広告付き)のストリーミング再生は3750 = 1枚

 これはそれぞれの1再生あたりの収益、または無料会員はアルバム単位での再生が難しいことなどが理由として考えられます。(例えばSpotify無料会員はアルバムの曲順がシャッフルしてしまう)

 有料会員の再生数の方が多く、だいたい1再生=1300~1350程度になることが多いです。(従来はすべて1500再生 = 1枚だった)

 

 

4 “The Box” vs “Yummy”について

 これもビッグテーマの一つ。気鋭のRoddy RicchとJustin Bieberの激しい1位争いは前者に軍配。ストリーミングで圧倒的な数字を残しました。Apple MusicとSpotifyの両方で圧倒的な首位。ビデオ無しながらもYouTubeでも首位です。

 DLとラジオではJustin Bieberが大きく上回りましたが、ストリーミングでの差が非常に大きかったです。(”The Box”は6820万、”Yummy”は2930万)

 

 “The Box”はアルバムリリースとともに頭角を表し、プレイリスト入りやミームでその規模を拡大する、というストリーミングらしい手法でヒット。気鋭のラッパーがストリーミングの爆発的人気によってビッグスターの新曲を抑えて1位を獲得するのは昨年の“Old Town Road”を彷彿とさせます。Justin Bieberは昨年の”I Don’t Care”に引き続き連続でこのパターンで1位を防がれています。

 ヒットの要因で大きいのはアルバム単位での人気を集められたことですかね。それだけアーティストに対する期待度が高かったということです。現在のストリーミングでは(特にApple)ではアルバムリリース時に規模が伸びることも多く、アルバムで成功できるアーティストがそのままシングルでもヒットを飛ばしやすい傾向にあります。

 また、閑散期にリリースされたことも要因の一つでしょうか。新リリースが少ない12月では珍しい上昇曲だったので、SpotifyのToday’s Top Hitsにも2週目に追加され、そこからさらに再生数を伸ばしました。そこから雪だるま式に再生数を伸ばしていきました。 

 現在Roddy Ricchという存在に対して大きな注目が集まっているのか、その他の曲も上昇中。Mustardを迎えた”High Fashion”は35位まで上昇。ほか“Start Wit Me”、”Tip Toe”、“Peta”と合計5曲がHot 100入りを果たしています。また、彼が客演するMustardの”Ballin’”も今週11位とピークを更新しています。アルバムチャートでは1位に再浮上。

 

 一方“Yummy”もそこまで悪くない成績を残しています。セールスは7.1万を記録。昨年6月の”You Need To Calm Down”(7.9万)以来最高の数字です。この数字はアルバムチャートで見られるような「グッズ戦略」と似たような手法で稼がれています。公式サイトで販売されたヴァイナル・カセット(一部サイン付き)が人気で、これの占める分量がかなり多いと思われます。(おそらく過半数

 ラジオも同様に好調。1週目ながらも既に”The Box”を凌駕するオンエア。彼が本来得意とするポップ系だけでなく、アダルトポップ、リズミック、アーバンと幅広い系統でオンエアが始まっています。アダルトポップとアーバンが両立する曲はなかなか珍しいです。(例えばPost Maloneの“Circles”はアダルトポップでオンエアされるが、アーバンではオンエアされない)

 しかしストリーミングで“The Box”に及ばず。どの媒体でもトップ10には入っていて悪くはない成績ですが、Justin Bieberとしては物足りないといった印象でしょうか。ラップ曲天下のApple Musicで1位にならないのは想定通りなのですが、Spotifyで”Roxanne”にも負けて3位だったこと、ビデオも用意したのにYouTubeで2位だったことは少し予想外でした。(”The Box”はビデオ無し)

 複数種類用意されたビデオからは「何が何でも1位を獲得してやる!」という強い意思を感じましたが、そのストリーミングで思うような数字を残せませんでした。

 さらに公式インスタグラムで一瞬アップロードされた「どうやったら“Yummy”は首位になるのか?」というファン向け投稿では、VPNを偽装(=居住地偽装)してストリーミングを伸ばすことを奨励しており、ネガティブな印象を残しています。

 

ちなみにRoddy Ricchはこんな発言をTwitterでしています。

 

 一見ライバルを励ます?かのようなツイートにも見えますが、これが発信された1/11は既に”Yummy”が一番伸びやすい1週目の集計が終わった後なので、個人的には「励ましに見せかけた勝利宣言」なのでは?とも考えました。そこまで深いこと考えているかは不明ですが。

 

一見謎のツイートだったのですが、次の週のアルバム1位を争う関係でもあるんですね。これも競合相手をなぜか応援。関係ふぁぼ・RTが上のツイートを越えています。Roddy RicchはSNSの扱いがうまそうな予感。

 

 

5 その他の新規エントリーについてざっと説明

 

☆60 Moneybagg Yo feat. Lil Baby – U Played

 Tay Keithプロデュースの1曲。彼はアルバムを先日リリースし。次のチャートに反映されます。

 

☆70 BROCKHAMPTON – SUGAR

 グループ初のHot 100エントリー!AppleSpotifyで大きく上昇中。そしてポップ系ラジオでもオンエアされています。(ビルボードのポップ系ラジオチャートにはまだ入っていない)

 

☆95 Dpja Cat – Say So

 TikTokでの人気も確認される1曲。このようなタイプの曲は今週大きく順位を下げたと説明しましたが、この曲はしっかりSpotify / Appleでも人気なのでHot 100入り。

 

☆98 Baby Keem – ORANGE SODA

 初のHot 100エントリー。人気はSpotify > Apple。アーバン系ラジオでもオンエア。

 

 

Hot 100に入った曲 (☆新登場 ◇再登場)

◇99 Moneybagg Yo & Megan Thee Stallion – All Dat

☆98 Baby Keem – ORANGE SODA

◇96 YoungBoy Never Broke Again – Make No Sense

☆95 Doja Cat – Say So

☆94 Lil Tjay – 20/20

☆93 Carly Pearce & Lee Brice – I Hope You’re Happy Now

☆90 Olivia Rodrigo – All I Want

◇86 Roddy Ricch feat. Meek Mill – Peta

☆70 BROCKHAMPTON – SUGAR

☆60 Moneybagg Yo feat. Lil Baby – U Played

☆2 Justin Bieber - Yummy

 

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【先週の順位、アーティスト名、曲名、🗻ピーク順位、⏰チャート滞在週数】

98 Anuel AA, Daddy Yankee, 等... - China (🗻43位 /⏰18週)

97 Diplo feat. Morgan Wallen – Heartless (🗻78位 /⏰4週)

96 Doja Cat – Candy (🗻86位 /⏰6週)

95 DJ Snake, J Balvin & Tyga – Loco Contigo (🗻95位 /⏰2週)

94 Juice WRLD – Let Me Know (🗻78位 /⏰3週)

92 Ant Saunders – Yellow Hearts (🗻81位 /⏰8週)

91 Trippie Redd feat. DaBaby – Death (🗻59位 /⏰7週)

80 Joji – SLOW DANCING IN THE DARK (🗻69位 /⏰13週)

69 JACKBOYS, Pop Smoke & Travis Scott - GATTI (🗻69位 /⏰1週)

47 Lil Baby & DaBaby – Baby (🗻21位 /21週)

33 Lil Tecca – Ransom (🗻4位 /31週)

 

 

~その他のHot 100情報~

 

・今週のトップ10

△1◎ Roddy Ricch – The Box 🍎✅🚩

☆2◎ Justin Bieber – Yummy

▽3  Post Malone – Circles

▽4  Maroon 5 – Memories

△5◎ Dan + Shay & Justin Bieber – 10,000 Hours

▽6  Lewis Capaldi – Someone You Loved

―7  Tones And I – Dance Monkey

▽8  Lizzo – Good As Hell

▽9◎ Arizona Zervas – Roxanne

―10◎ Selena Gomez – Lose You To Love Me

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

 

 

・Hot 100圏外の曲のうち各サービスで最も人気のあった曲

🍎 Roddy Ricch feat. Ty Dolla $ign – Bacc Seat (今週17位程度)

✅ Harry Styles - Falling (今週42位)*3

🚩 YoungBoy Never Broke Again – Bring ’Em Out (今週24位) 

Apple Musicは週の最終日の順位を週間の“参考順位”としています(Apple Musicには週間チャートが無い)

 

 

 

・各指標の順位

Spotifyhttps://spotifycharts.com/regional/us/weekly/2020-01-03--2020-01-10

Apple Music:【魚拓】Top 100: USA on Apple Music

YouTubehttps://charts.youtube.com/charts/TopSongs/us/20200103-20200109

・ラジオなど:https://kworb.net/radio/

 

 

 

 

 

*1:"Yummy"はリリックビデオも11位にランクイン。しかし合計しても「楽曲」の再生数には少し及ばない

*2:有料会員の再生を1とすると、YouTubeなどの無料会員の再生は2/3、パンドラなどのラジオ型ストリーミングは1/2で集計される

*3:不正操作疑惑のFrench Montanaは除く

Hot 100 1/11 特集 【クリスマス後のリフレッシュ / 新方針?一度外れた曲を戻す】

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今週は変化が大きい週 + ビルボードが新方針を打ち出し、語りどころが多いので記事作成です!Jonas Brothersが新方針で恩恵を受けています。

 

◇今週のHot 100 ハイライト◇

・クリスマス曲が全て去る。合計27曲が新登場/再登場する出入りの激しい週に

・1位がPost Maloneの”Circles”、2位がMaroon5の”Memories”、3位がRoddy Ricchの”The Box”(初のトップ10入り)

・アルバム1位はTravis Scott率いるJACKBOYS。インスト曲一つを除き、全曲がHot 100入り

・クリスマス期に1度はリカレントで外されたヒットが7曲再登場

 

 

1~100位までの順位表は↓

 

 

テーマ1 入れ替わりの量について 

 クリスマス曲がすべてHot 100から去り、出入りが大量に入れ替わりました。クリスマス曲25に加えリカレント2曲、合わせて27曲が今週新たに登場/再登場しています。

 

Hot 100に入った曲 (☆=新登場 ◇=再登場)

◇25 Jonas Brothers – Only Human

◇28 Ed Sheeran & Justin Bieber – I Don’t Care

◇29 Jonas Brothers – Sucker

☆38 JACKBOYS feat. Young Thug – OUT WEST

◇40 Khalid – Talk

◇42 Ed Sheeran feat. Khalid – Beautiful People

◇43 DaBaby – Suge

◇47 Lil Baby & DaBaby – Baby

☆48 JACKBOYS & Sheck Wes – GANG GANG

☆52 Don Toliver feat. Quavo & Offset – HAD ENOUGH

☆56 JACKBOYS feat. Don Toliver – WHAT TO DO?

☆69 JACKBOYS, Pop Smoke & Travis Scott – GATTI

☆70 Roddy Ricch feat. Mustard – High Fashion

◇71 DaBaby feat. Lil Baby & Moneybagg Yo – TOES

☆74 Gabby Barrett – I Hope

◇77 Jason Aldean – We Back

☆84 Jimmie Allen – Make Me Want To

◇86 Luke Bryan – What She Wants Tonight

◇87 Kelsea Ballerini – homecoming queen?

☆88 Ingrid Andress – More Hearts Than Mine

☆90 Riley Green – I Wish Grandpas Never Died

◇93 Tory Lanez & T-Pain – Jerry Sprunger

◇95 DJ Snake, J Balvin & Tyga – Loco Contigo

◇97 Diplo feat. Morgan Wallen – Heartless

◇98 Anuel AA, Daddy Yankee, Karol G, Ozuna & J Balvin – China

☆99 Jordan Davis – Slow Dance In A Parking Lot

☆100 Noah Cyrus feat. Leon Bridges – July

 

他の年との比較

2020:27曲 (新12、再15)

2019:28曲 (新14、再14)

2018:15曲 (新8、再7)

クリスマス曲のHot 100エントリー増加により、それが去った時の入れ替わり具合も昨年から激しくなっています。

 

 

テーマ2 新ルール リカレントを戻す

 今までに無かった方針です。クリスマス期間にリカレントで外れた曲を今週チャートに戻しました。(今週50位以上の曲が対象) クリスマス曲大量登場によって枠がなくなり、Hot 100から押し出された曲への救済措置でしょうか。

 

◇25 Jonas Brothers – Only Human

◇28 Ed Sheeran & Justin Bieber – I Don’t Care

◇29 Jonas Brothers – Sucker

◇40 Khalid – Talk

◇42 Ed Sheeran feat. Khalid – Beautiful People

◇43 DaBaby – Suge

◇47 Lil Baby & DaBaby – Baby

 

 昨年もクリスマス期間にチャートから押し出される曲は多かったですが、このような措置は取られませんでした。おそらく昨年も7曲程度ポイント的には復帰できるかもしれなかった曲はあったのですが、一旦リカレントで外れた曲は一つも復帰していませんでした。

昨年復帰できたかもしれない曲:

The Middle、Psycho、I Like Me Better、Tequila、Lose It、Broken 

 

 ある種これらの曲は「クリスマス曲によって再浮上のチャンスを阻まれた」という捉え方もできます。この中で”Tequila”はポップ系ラジオへの飛び火が確認されたこともあり、後に再登場を果たしました。まださらなるヒットのポテンシャルを残しており、やっぱりチャートに残しておくべきだった!という判断を後で下したということになります。

 1回リカレントされた曲が、後の伸びによって再登場するという流れ自体はクリスマス期以外にも発生します。それから実際にその予見通りヒットすることもありますが、予想に反して再登場直後にすぐチャートから外れるパターンもありました。

  また“Broken”もラジオのピークからそう遠くないポジションに残っていたので、クリスマス曲がいなければチャートに残留してロングヒットになった可能性もあります。

 

 この2曲に関しては、「クリスマス曲にチャンスを阻まれた」という解釈ができます。たしかに、このような曲はクリスマス後に戻す判断をしても不自然ではありません。”Tequila”のように後の伸びを見てから判断しても遅くはないと感じますが。

 

 ただしこれ以外の曲は「さらなるヒット」を見込むのが難しく、あまり積極的に再登場させるべき曲ではないと思っています。そもそもなぜこの曲がポイント的に復帰できそう=50位以上相当と判断したかというと、ラジオが伸びているからです。しかしこの伸びが年始年末に限定的な物で、そこから本格的な浮上を見せる訳ではないのです。

 ポップ系ラジオでは今年の振り返りを行うのか、年始年末にはその年ヒットした曲の再生数が大きく持ち直します。それ以降はゆるやかに数字を落としていきます。ピークを更新するような規模まで伸びることはありません。つまり、この年始年末の再浮上は過去曲の「臨時ボーナス」のようなもので、「新たなヒットの兆し」ではありません。

 

 今年の再登場曲に話題を戻します。この中で「チャンスを阻まれた」感があるのは、”Only Human”のみです。この曲はHot 100に外れる直前の週でもラジオでトップ10とかなり人気がありました。今まさに脂が乗っている時期という判断もできるので、これに関しては再登場を考慮する余地はあると思います。

 ただこれ以外はピークを更新するような大きな再浮上の見込みが薄い曲で、今これらの曲を復帰させても新曲の「枠」を奪うという側面が強いと感じます。

 特に”I Don’t Care”と”Sucker”はラジオのスコアを中心に長くチャートに居座りそうです。これらの曲を残すことでHot 100の他に無い特徴である「ラジオ」の要素がさらに強まることになります。

 

 リカレントルールは基本的に古い曲を外し、新しい曲のためのポジションを空けるためのルールだと思われるので、「古い曲の過去ボーナス」ならば再登場させず、新しい曲のために枠を空けるのが筋かなと思っています。

 そのためこの程度のクリスマス曲登場であれば昨年のように特別措置での復活はナシの方が個人的には納得がいきます。

 さすがにトップ50のうち40曲ぐらいクリスマス曲になれば話は別でしょうが、現状の曲数ではクリスマス曲によって押し出される曲は基本的にピークを既に終えた曲ばかりなので……

 

 あと個人的にクリスマス期はそのクリスマス曲が既存曲のチャンスを奪う代わりに、その嵐が去った後は、古い曲をチャートから外し枠を空けて新しい曲のチャンスを広げる……という釣り合い方が好きだったので、やはりこの新方針は少し残念です。

 

 

テーマ3 JACKBOYS

 アルバム1位はTravis Scott率いるレーベルJACKBOYSのコンピレーション。総合売上は15.4万で2位にダブルスコアの差を付けています。グッズ戦略によるセールス(7.9万)・ストリーミング(7.4万)の両方から多くのポイントを得ました。

 リリースが少ない年始年末において貴重な新リリースだったこともあるのか、AppleSpotifyの両方で人気を集めました。Travis Scottは2年前にも、この時期にQuavoとのコラボアルバムを出しています。

 このコンピレーションからはインスト曲”JACKBOYS”を除く収録曲6つ全てがHot 100入り。Young Thugを迎えた”OUT WEST”は38位とトップ40圏内。”GATTI”に参加したPop Smokeは初のHot 100入りです。

 新たにリミックスが公開された”HIGHEST IN THE ROOM”は8位まで浮上。ただし人気は原曲>リミックスと判定されたため、参加したROSALÍAやLil Babyはビルボードに記載されていません。ROSALÍAは初のHot 100入りならず。

 来週のアルバムチャートからはビデオも加算されます。公式ビデオのみが対象。

 

 

テーマ4 その他の登場曲

JACKBOYS以外の新規登場曲をザッと紹介します。

 

・70位 Roddy Ricch feat. Mustard – High Fashion

 Roddy Ricchのアルバム曲の③としてストリーミングで人気に。Apple Musicでの好調際立ちます。SpotifyYouTubeでも続いて浮上中

 

・100位 Noah Cyrus & Leon Bridges – July

 Noah CyrusにR&BシンガーLeon Bridgesが加わる。彼はHot 100初登場。SpotifyApple Musicの両方で一定の人気。ただしいずれもNoah Cyrusソロバージョンの順位が上。

 

・その他の新規登場曲

 全部カントリー系ラジオ。Gabby Barrettの”I Hope”は唯一ストリーミングが高め。彼女はアメリカンアイドル出身のシンガー。

 

 

テーマ5 ピークを更新した曲

 クリスマス曲がいた上位のポジションも多く空いたので、ピークを更新する曲も多かったです。

2 Maroon 5 – Memories

3 Roddy Ricch – The Box 

7 Tones And I – Dance Monkey

12 Mustard feat. Roddy Ricch – Ballin’

21 Dua Lipa – Don’t Start Now

31 Trevor Daniel – Falling 

32 blackbear – hot girl bummer 

36 Maren Morris – The Bones 

41 YNW Melly – Suicidal

45 Doja Cat & Tyga – Juicy

50 Camila Cabello feat. DaBaby – My Oh My

58 Jon Pardi – Heartache Medication

60 Sam Hunt – Kinfolks

64 Kane Brown – Homesick

66 The Black Eyed Peas & J Balvin – RITMO (Bad Boys For Life)

73 H.E.R. feat. YG – Slide

76 Karol G & Nicki Minaj – Tusa

79 DaniLeigh feat. Chris Brown – Easy

81 Russ & BIA – BEST ON EARTH

 

 注目はMaroon 5とRoddy Ricch。Maroon 5は3Decade連続での1位獲得とはいきませんでしたが、3Decade連続での「トップ2」の座は確定。3Decadeで「トップ2」に入るのはThe Rolling Stonesに次ぐ2組目の記録だそうです。

 Roddy Ricchは初のトップ10入りで3位まで到達。ストリーミングでの人気が凄まじく、現在Apple MusicとSpotifyの両方で1位。来週は”Circles”、Justin Bieberの”Yammy”と1位の座を争うと考えられています。 彼が客演を務めるMustardの”Ballin’”もピークを更新しています。

 ほか”Falling”、”hot girl bummer”、”The Bones”の3曲が新たにトップ40入り。

 

 

 

 

~その他の今週のHot 100情報~

 

・今週のトップ10

△1◎ Post Malone – Circles

△2◎ Maroon 5 – Memories

△3◎ Roddy Ricch – The Box 🍎✅

△4  Lewis Capaldi – Someone You Loved

△5  Arizona Zervas – Roxanne

△6◎ Lizzo – Good As Hell

△7◎ Tones And I – Dance Monkey

△8◎ Travis Scott – HIGHEST IN THE ROOM

△9◎ Dan + Shay & Justin Bieber – 10,000 Hours

△10◎ Selena Gomez – Lose You to Love Me

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

🚩=”Old Town Road” (15位)

※DaBabyの”BOP”は結局トップ10入りできず。クリスマス曲がいなければピーク時にトップ10まで届いたと思われますが……

 

 

アルバムチャートトップ10

1 JACKBOYS – JACKBOYS – 15.4万 (セ:7.9万👕、ス:7.4万 シ:0.1万)

2 Roddy Ricch – Please Excuse Me For Being Antisocial – 7.4万

3 Post Malone – Hollywood’s Bleeding – 6.4万

4 Harry Styles – Fine Line – 5.4万

5 Soundtrack – Frozen II – 4.6万

6 Billie Eilish – WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? – 4.5万

7 Young Thug – So Much Fun – 3.8万

8 DaBaby – Kirk – 3.6万

9 Taylor Swift – Lover – 3.0万

10 Summer Walker – Over It – 2.8万

※アルバム名の右にあるのは今週の総合売上 

(セ:純セールス ス:ストリーミング シ:シングルDL)

 

 

今週チャートから外れた曲 (27曲)

【先週の順位、アーティスト名、曲名、🗻ピーク順位、⏰チャート滞在週数】

92 DaBaby feat. Offset – Baby Sitter (🗻59位 /20週)

79 Ellie Goulding & Juice WRLD – Hate Me (🗻56位 /20週)

69 John Legend – Happy Xmas (War Is Over)  (🗻69位 /⏰1週)

49 Thurl Ravenscroft – You’re A Mean One, Mr. Grinch (🗻49位 /⏰1週)

45 Dean Martin – Baby It’s Cold Outside (🗻45位 /⏰1週)

44 Jonas Brothers – Like It’s Christmas (🗻44位 /⏰4週)

43 Frank Sinatra – Jingle Bells (🗻43位 /⏰2週)

42 Bing Crosby – White Christmas (🗻12位 /⏰16週)

40 Elvis Presley – Blue Christmas (🗻40位 /⏰2週)

37 Perry Como – (There’s No Place Like)Home For The Holidays (🗻32位 /⏰3週)

36 Chuck Berry – Run Rudolph Run (🗻36位 /⏰5週)

32 Gene Autry – Here Comes Santa Claus (Right Down...)  (🗻28位 /⏰6週)

31 Kelly Clarkson – Underneath The Tree (🗻31位 /⏰5週)

29 Darlene Love – Christmas (Baby Please Come Home)  (🗻29位 /⏰3週)

28 Perry Como ... – It’s Beginning To Look A Lot Like Christmas (🗻28位 /⏰4週)

24 Andy Williams – Happy Holiday / The Holiday Season (🗻24位 /⏰4週)

22 Gene Autry – Rudolph The Red-Nosed Reindeer (🗻16位 /⏰8週)

21 The RonettesSleigh Ride (🗻21位 /⏰7週)

16 Nat King Cole – The Christmas Song (Merry Christmas...) (🗻11位 /⏰21週)

15 Dean Martin – Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow (🗻15位 /⏰8週)

12 Jose Feliciano – Feliz Navidad (🗻12位 /⏰9週)

11 Wham!Last Christmas (🗻11位 /⏰14週)

7 Andy Williams – It’s The Most Wonderful Time Of The Year (🗻7位 /⏰15週)

4 Burl Ives – A holly Jolly Christmas (🗻4位 /⏰15週)

3 Bobby Helms – Jingle Bell Rock (🗻3位 /⏰30週)

2 Brenda Lee – Rockin’ Around The Christmas Tree (🗻2位 /⏰32週)

1 Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You (🗻1位 /⏰37週)

 

 

・Hot 100圏外の曲のうち各サービスで最も人気のあった曲

🍎 Roddy Ricch feat. Meek Mill - Peta (今週20位程度)

✅ French Montana feat. ... – Writing On the Wall (今週35位)

または Harry Styles – Falling (今週42位)

🚩 Drake - War (今週18位) 

Apple Musicは週の最終日の順位を週間の“参考順位”としています(Apple Musicには週間チャートが無い)

※French MontanaはSpotifyの再生数をハックした容疑あり(たしかに不自然な浮上があった)

※Drakeの“War”はApplyやSpotifyでは公開されていません

 

 

関連 / 参考記事

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

Post Malone's 'Circles' No. 1 on Hot 100, Maroon 5 & Roddy Ricch Reach Top 3 | Billboard

‘Jackboys’ Debuts at No. 1 on Billboard 200, As Christmas Albums Depart Chart | Billboard

 

 

・各指標の順位

Spotifyhttps://spotifycharts.com/regional/us/weekly/2019-12-27--2020-01-03

Apple Music:【魚拓】Top 100: USA on Apple Music

YouTubehttps://charts.youtube.com/charts/TopSongs/us/20191227-20200102

・ラジオなど:https://kworb.net/radio/