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チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

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ようこそ!音楽チャートの世界へ!

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みなさん。こんにちは。知っている方も初めての方も、こんにちは!

はじめましてチャー トこと申します!

(ちなみにアンダーバー_は5個)

 

音楽チャート、またポップ音楽について考察していきたい、自称チャート研究者によるブログです。

 

音楽チャート、ポップ音楽のなるべくディープな世界について書いていきたいです。

 

未来のチャート少年がニヤっとできる記事と、新たな音楽の楽しみを提案するような記事、議論のタネになるような記事を作ることを目指しています!!

 

※できるだけミスの無いよう努めていますが、もしミスを発見したらご一報頂けると幸いです。 

 

・おすすめ記事20選

 

 ※画面右(パソコン)や画面下(スマホ)にある「人気記事」の項目もぜひ参考にしてください!

 

 

 

※連絡等がございましたら、Twitterでお問い合わせください。あとは質問箱も用意しています。

 

 

Hot 100 4/27 見どころ 【BTSが3枚目のアルバム1位、アルバム曲もHot 100に登場】

 

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 こんばんは。今週の主要なトピックは3回目のアルバム1位を獲得したBTSです。ほかBaby SharkやQueenのソロ名義など……

 

◇今週のHot 100 ハイライト◇

BTSがアルバム1位。シングルの”Boy With Luv”は8位に登場!ほかアルバム曲の“Make It Right”も95位にランクイン

・そのBTSの2曲のほか、“Kill This Love”・”Baby Shark”がチャートに残り、今週韓国産の曲が4つ同時にHot 100入り

・Lil Uzi Vertの“Sanguine Paradise”が28位に登場

 

・今週のトップ10

      4月27日   R D S
- 1 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus Old Town Road ✅🍎🚩 18 1 1
2 Post Malone Wow. 5 7 4
  3 Post Malone & Swae Lee Sunflower  14 6 2
-   4 Ariana Grande 7 rings 4 14 6
-   5 Halsey Without Me 3 17 11
- 6 Jonas Brothers Sucker  1 9 26
7 Sam Smith & Normani Dancing With A Stranger 2 11 30
8 BTS feat. Halsey Boy With Luv - 3 5
9 Billie Eilish bad guy - 10 3
  10 Cardi B & Bruno Mars Please Me  12 22 15

 R=Radio、D=Download、S=Streaming

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

※3ジャンルのストリーミングを制覇した”Old Town Road"は今週1.25億再生。先週よりは少し数字を落としましたが、それでも従来の歴代最高だった”In My Feelings"=1.16億再生は上回っています。

 

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

緑背景はその指標がトップ10内で最高、赤背景は最低 *1

 

1~100位までの順位表は↓

 

 

曲の個別解説

 

☆96 Panic! At the Disco – Hey Look Ma, I Made It

 Panic! At the Discoのシングル“Hey Look Ma, I Made It”が96位に登場。前アルバム”Pray For the Wicked”から3曲目のシングル。

 この曲はシングルカットされた後、ラジオの再生数を次第に伸ばしてHot 100に登場……という最も一般的とされる手法でヒットしています。ポップ系、アダルトポップ系、オルタナティブ系で人気。

 

☆95 BTS – Make It Right

 今週アルバム1位を獲得したBTS。従来の作品と同じく、シングルの“Boy With Luv”がビデオの爆発的な人気によってHot 100の高い順位で登場したのですが、今回は「非シングル」=アルバム曲もHot 100入りを果たしました。

 Ed Sheeranがソングライトに参加した“Make It Right”が95位に登場。DLが今週13位だったほか、Spotifyで54位、Apple Musicで100位前後とストリーミングでも数字を稼いでいます。”Mikrokosmos”や“HOME”も同じくらいのストリーミングを稼いでいたのですが、”Make It Right”よりも若干DLが少なかったことからHot 100にはギリギリ手が届かず。(101位~125位相当を扱うBubbling Underには4曲がランクイン)

 

 BTSのこの2曲に加え、BLACKPINKの“Kill This Love”とPinkfongの”Baby Shark”が今週チャートに残ったことにより、今週は韓国産の曲が4つHot 100に同時エントリーしたことに。

 K-Popの複数Hot 100入りは先週に加えて、BTSの“FAKE LOVE”とBLACKPINKの”DDU-DU DDU-DU”が同時にランクインした昨年の6月にもありました。

 

・年別K-PopのHot 100エントリー数 (コラボ等も含む)

2009年:1(Wonder Girls)

2012年:1(PSY)

2013年:1(PSY)

2014年:1(PSY)

2015年:1(PSY)

2016年:1(CL)

2017年:2(BTS×2)

2018年:5(BTS×3、BLACKPINK×2)

2019年:4(BTS×2、BLACKPINK、Pinkfong)

合計:17曲

 

◇94 Lauv & Troye Sivan – i’m so tired...

 LauvとTroye Sivanの“i’m so tired...”が94位に再登場。86位に登場した、リリースの週以来のHot 100再登場です。ポップ系ラジオの再生数が上向いてきたことが再登場の要因です。

 この曲はリリース週以降もSpotifyでは高い人気をキープしていましたが、他のストリーミングやラジオで人気が上がらなかったことから、なかなかHot 100入りできず。一時期7週連続で「Hot 100に入っていない曲の中でSpotify順位が最も高い曲」でしたが、ここ数週はラジオが上向きHot 100に再登場を果たしました。ただしSpotify再生数はリリース時と比べると若干落ちてきています。

 

※2019年、Hot 100に入っていない曲の中でSpotify順位が最も高い曲

1/5:XXXTENTACION – whoa (mind in awe)

1/12:Khalid – Saturday Nights

1/19~2/2:XXXTENTACION – whoa (mind in awe)

2/9:Dua Lipa – Swan Song

2/16~3/30:Lauv & Troye Sivan – i’m so tired...

4/6:Khalid – My Bad

4/13:Billie Eilish – goodbye

4/20:Billie Eilish – i love you

4/27:Khalid & John Mayer – Outta My Head

※日付はHot 100準拠

 

 Spotify順位が高くてもHot 100に入れない曲は、「シングルではない場合」と「他のストリーミングで人気が出ない場合」が多いです。前者はストリーミングで人気が高いアーティストのアルバム曲、後者はポップスに見られる場合が多いです。(特にシングルリリースの場合、Apple Musicではあまり人気が出ない場合がある)

 前者はDLとラジオの不足、後者はストリーミングの不足がHot 100入りしない主な理由です。両方の理由が混在している場合もあります。

 

☆81 Eli Young Band – Love Ain’t

 カントリー系ラジオで人気を集めた“Love Ain’t”が81位に登場。カントリー系バンドのEli Young Bandは6曲目のHot 100エントリーです。

 

◇72 Offset feat. Cardi B – Clout

 OffsetとCardi Bの“Clout”が72位に再登場しています。新しくリリースされたビデオ、そしてシングル化に伴うラジオ再生数増加がHot 100入りの要因です。

 YouTube再生数が今週8位に。また、ビデオのリリースに伴いApple Musicでも再注目されて40位程度まで浮上しています。

 

☆68 Avicii feat. Aloe Blacc – SOS

 およそ1年前に亡くなったAviciiの”SOS”が68位に登場。“Wake Me Up”でもボーカルを担当していたAloe Blaccが客演で参加しています。

 この曲はSpotifyで今週11位にランクインしています。ほかApple Music、iTunesのダウンロードなどでも一定の人気を集めました。

 

☆66 Five Finger Death Punch feat. Kenny Wayne Shepherd, Brantley Gilbert & Brian May – Blue On Black

 Five Finger Death Punchによる“Blue On Black”が66位に登場。客演にもクレジットされているKenny Wayne Shepherdの楽曲をカバーしたものです。Five Finger Death Punchは2回目のHot 100エントリーで、最高位を更新。

 この曲はシングル化に伴い、新たにカントリーシンガーのBrantley Gilbert、そしてQueenのギタリストBrian Mayが新たに参加。その豪華ゲストの効果なのか、今週2番目に多いダウンロードを集めました。

 Brian Mayはソロ名義では初のHot 100入りです。ほかQueenのボーカル、Freddie Mercuryソロ名義で2曲のHot 100にエントリーしています。Queen名義では計23曲がHot 100入り。

 

▽43 Pinkfong – Baby Shark

 Hot 100の中位をキープし続け、気づいたらチャート滞在が16週にまで達していた”Baby Shark”。ほぼYouTubeの人気のみでここまで順位を保ち続けているという点が画期的です。中位に長く滞在し続けたことから、トータルでのヒット度は優秀で年間チャートにも入る可能性が高そうです。

 ちなみにビルボードはこの曲を「古い曲」と認識しており、51位以下に落ちるとチャートから外れてしまう模様です。

 

 ほか現在Hot 100で48位、A Boogie Wit da Hoodieと6ix9ineの“Swervin”も、非ラジオシングルながらもストリーミングの人気でHot 100の中位をキープし続けています。

 ラジオでシングルになっているのは”Look Back At It”の方ですが、ストリーミングでは“Swervin”も同等以上の人気があります。

 Spotifyはこの曲を最近ラップのプレイリスト=RapCaviarだけでなく、総合プレイリスト=Today’s Top Hitsにも追加しています。

(もともとは“Look Back At It”を入れていたが、この3週前に”Swervin”に切り替えました。現在は「容疑者」の身分の6ix9ineが参加しているシングルをプレイリストに新たに追加したのは意外でした)

 

☆28 Lil Uzi Vert – Sanguine Paradise

 Lil Uzi Vertの“Sanguine Paradise”が28位に登場。ストリーミングで絶大な人気を集めてHot 100上位に登場しました。

 Apple Musicで2位、Spotifyで7位と特に「オンデマンド型」のストリーミングでは高い人気。一方、YouTubeではビデオがリリースされていないからか、今週51位に留まりました。

 この曲と同時にリリースされた“That’s A Rack”も76位に登場しています。

 

△18 Ariana Grande – break up with your girlfriend, i’m bored

 “break up with your girlfriend, i’m bored”が19位→18位とやや浮上。この曲は今週ラジオ10位に突入しています。

 アルバムと共にリリースされたこの曲は、初週2位に登場して以降は順位を少し落として15位前後を推移。ストリーミングが落ちていく分、ラジオの伸びがそれを補い横ばいの状態が続きました。

 ストリーミングではアルバムのリリース時に最も盛り上がりを見せるため、アルバムから時間が経過するとどうしてもストリーミング数が萎んでいってしまいます。そのためラジオがこれからピークを迎えてもストリーミングの減少が足を引っ張ってトップ10まで届かないかもしれません。

 

△9 Billie Eilish – bad guy

 Billie Eilishの”bad guy”が11位→9位でトップ10に復活。DLが少し伸びたことや、ラジオでかかり始めたことが上昇の要因です。

 Billie Eilishは現在”when the party’s over”がメインシングルに据えられており、順調に再生数を伸ばしていますが、それと同時に”bad guy”もシングルカットされて、ラジオでかかり始めています。現在”when the~”はポップ系ラジオ25位、”bad guy”は同38位につけています。

 アルバムリリース前くらいまでの時期は、Billie Eilishの曲はあまりラジオでかかっていませんでしたが、アルバムを期にラジオも彼女の人気を認知したのか、ラジオの数字も伸びてきています。

 Billie Eilishのアルバムは今週で3週目ですが、ストリーミングで好調をキープ。”wish you were gay”や”my strange addiction”などのアルバム曲も今週Hot 100に残っています。合計8つの彼女の曲が今週Hot 100に入っています。

 目立った新リリースが無かった来週のアルバムチャートでは、1位に返り咲く可能性もあります。

 

☆8 BTS feat. Halsey – Boy With Luv

 BTSが3度目のアルバム1位を獲得!総合セールスは今までの作品で最も高い23.0万を記録。うちセールスが19.6万、ストリーミングが2.6万、シングルDLが0.8万でした。セールスが以前にも増して増加。さらに曲数が少ないことを考慮すると、今までの作品よりもストリーミングの数字も伸びている印象です。

(昨年の1位アルバム)

Tear:総合13.5万、セールス10万、ストリーミング2.6万、シングルDL0.9万

Answer:総合18.5万、セールス14.1万、ストリーミング2.5万、シングルDL1.9万

 

 初めてアルバム1位を獲得したのは昨年の5月。そこから昨年の8月、今年の4月と1年弱で3つのアルバムを獲得することに成功しました。1年以内に3つのアルバム1位を獲得するのは2015~2016年のFuture以来です。

 

 そしてシングルの“Boy With Luv”は彼らにとって過去最高の8位に登場。YouTubeの再生数が以前よりも少し伸びたこと、Spotifyでの人気(今週4位)、そしてポップ系ラジオでの人気が、過去最高位の理由です。

 

※USでの初週YouTube再生数

FAKE LOVE=10.3M → Hot 100で10位

IDOL=12.7M → Hot 100で11位

Boy With Luv=13.6M → Hot 100で8位

 

 この曲はYouTubeでリリース後24時間で7460万再生を記録。先週BLACKPINKが”Kill This Love"で記録した5670万再生を上回り、「リリース後24時間で最も再生された”音楽ビデオ”」の座を奪還しました。

 ちなみに音楽ビデオ以外では、映画"Rings"のイタズラ動画での2億再生が最高。(”Rings"は鈴木光司が原作の作品で、いわば「貞子」のアメリカ版)

 

 従来のBTSのシングルは、初週にDLとYouTubeによってドカーンと高い順位を記録した後、すぐにチャートを下降していくことが多かったですが、今回の“Boy With Luv”はポップ系ラジオやSpotifyでも人気を獲得したことから、持続的なヒットになるかも。

 BTSの曲で今までHot 100に最も長く滞在したのは“MIC Drop”の10週。この曲は同時にラジオで最もヒットした曲でもあります(ポップ系ラジオで25位)。

 ”Boy With Luv”は既に今週ポップ系ラジオで26位まで到達しているので、来週には“MIC Drop”を上回る最大級のラジオヒットになりそうです。

 

 

△7 Sam Smith & Normani – Dancing With A Stranger

 Sam SmithとNormaniの“Dancing With A Stranger”が7位へ浮上!トップ10入りを果たしました。Sam Smithにとっては6曲目のトップ10、Normaniにとってはソロで2曲目のトップ10です。

 ヒットの要因は今週2位まで浮上したラジオです。ポップ系、アダルトポップ系と規模が大きい系統で人気。ここ数週のラジオの伸びが大きく、今後“Sucker”とラジオ1位の座を争いそうです。 ※“Sucker”は今週ラジオ1位に立った

 この曲はストリーミングもある程度の数字をリリース以降キープしています。(SpotifyでもApple Musicでも現在60位程度、YouTubeでは15位と好調)

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Nipsey Hussle feat. Stacy Barthe – Vicotry Lap (🗻100位 /⏰1週)

97 Nipsey Hussle feat. Kendrick Lamar – Dedication (🗻93位 /⏰2週)

95 Aventura – Inmortal (🗻95位 /⏰1週)

93 Khalid – Right Back (🗻93位 /⏰1週)

92 Billie Eilish – all the good girls go to hell (🗻46位 /⏰2週)

87 Khalid – Bad Luck (🗻87位 /⏰1週)

85 Pedro Capó & Farruko – Calma (🗻85位 /⏰5週)

84 Khalid & SAFE – Don’t Pretend (🗻84位 /⏰1週)

69 Ariana Grande & Victoria Monét – MONOPOLY (🗻69位 /⏰2週)

58 Khalid & John Mayer – Outta My Head (🗻58位 /⏰1週)

55 Khalid – My Bad (🗻55位 /⏰3週)

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

1 BTS – Map Of The Soul: PERSONA

4 Anderson .Paak – Ventura

7 Beyoncé – HOMECOMING: THE LIVE ALBUM

18 Aaron Lewis - State I’m In

70 LSD – Labrinth, Sia & Diplo Present... LSD

76 Danny Gokey – Haven’t Seen It Yet

84 Grateful Dead – Warfield: San Francisco, California, October 9th, 1980 / October 10th, 1980

95 Melissa Etheridge – The Medicine Show

130 Bob Dylan – Blood On The Tracks Test Pressing

156 Green Day Live!: Woodstock 1994

158 Pink Floyd – A Saucerful Of Secrets

164 Norah Jones – Begin Again

167 Shovels & Rope – By Blood

176 The Rolling Stones – Big Hits [High Tide And Green Grass]

181 Fleetwood Mac – The Alternate Fleetwood Mac

184 Prince – Hi Majesty’s Pop Life / The Purple Mix Club

190 Pearl Jam – Live At Easy Street (EP)

200 Andy Black – The Ghost Of Ohio

 

・アルバムチャート滞在記録

☆1周年:J. Cole – KOD (今週98位)

 

その他

 

・今週ラジオで伸びた曲

☆Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus – Old Town Road

・Jonas Brothers – Sucker

・Sam Smith & Normani – Dancing With A Stranger

・Khalid – Talk

・Daddy Yankee feat. Snow – Con Calma (途中からKaty Perryバージョンも追加)

 

 ↑“Old Town Road”は今週カントリー系ラジオチャートで50位に再登場しています。

(すいません私の「カントリー系ラジオ再登場は難しい」という予想が外れました)  Mediabaseというラジオのチャート(かかった回数ベースのチャート)ではまだ50位以内に入っていません。このMediabaseでも50位以内に入れば満を持してHot Country Songs復帰か……??

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・Beyoncé – Hold Up

・Beyoncé - Formation

 Beyoncéの2016年のアルバム”Lemonade”がついにApple Music・Spotifyで解禁に。その効果でのストリーミング増によって収録曲のHot 100再登場もあるかも……?この効果が表れるのは来週もしくは再来週のHot 100です。

 ストリーミングではTidal限定で公開だったこのアルバムは、主にそのTidal人気によって収録曲が全てHot 100に登場していました。

 ちなみにApple Music・Spotifyの両方で1番人気は“Sorry”ですが、この曲は既に20週チャートに入っていたため再登場には50位以上にランクインする必要があります。(これ以外の曲もビルボードが「過去の曲」と判定して50位以上の順位が必要になる可能性も……??)

 

・TWICE - Fancy

 BLACKPINK、BTSの次はTWICE!?しかし、TWICEはまだこの2組と比べるとグローバルな人気を得ていない(=人気がアジア圏に集中している)ので、Hot 100にはまだ手が届かなさそうです。

 しかし初めてSpotifyのグローバルランキング圏内に登場するなど着実に人気は拡大中です。

 EPに収録された“GIRLS LIKE US”という曲ではCharli XCXとMNEKがソングライトに参加しています。

 

 

・参考 / 関連記事

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

ビルボードのスタッフが議論するシリーズ

 

今週のテーマはBTSのアルバムについてです。

① アルバム関連の記録で、何が印象的でしたか

② 今までのシングルは短命に終わっていますが、“Boy With Luv”はどうなる?

③ ファンではない人にオススメしたいPersonaの収録曲 (“Boy With Luv”以外で)

④ 英語圏のアーティストでBTSとコラボしてほしいのは?

⑤ グラミーの舞台でパフォーマンス、フェスのトリ、Hot 100首位、次に達成するのは?

 

↑④でGrimesやBROCKHAMPTONなどが挙げられいる点が印象に残りました。

 

※ChartData氏とAlexanderao氏の記事は毎週木曜日に更新だと思います

 

 

*1:同じくラジオ50位圏外の"Boy With Luv"、"bad guy"は両方がかけられているポップ系ラジオの順位で判定

Billy Ray Cyrusともコラボ!5年前にカントリーラップを志したBuck 22というラッパーについて

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 現在カントリーとラップを融合させたLil Nas Xの“Old Town Road”がアメリカを中心に大ヒットしています。この曲がヒットした一因はビルボードの「ジャンル変更」。途中までHot Country Songsというチャートに入っていたのですが、ヒットしかけたタイミングでチャートから除外されました。

 このことが話題を呼び、この曲のストリーミングなどが浮上。さらにはカントリー界のレジェンドBilly Ray Cyrusがリミックスに参加し、爆発的な人気に。今週のチャートではUSの週間最高ストリーミング数を塗り替える1.43億再生を記録したのです。(そしてビルボードのHot 100シングルチャートでは首位に立っています)

 

(この「ジャンル変更」騒動については以下の記事にまとめています)

 

 今回私が記事で取り上げるのは、Billy Ray Cyrusのその1個前のHot 100エントリーです。彼は“Old Town Road”が5年ぶりのHot 100エントリーだったのですが、実はその5年前のHot 100エントリーも「カントリーラップ」だったのです!

 

Buck 22 feat. Billy Ray Cyrus – Achy Breaky 2

  

 Billy Ray Cyrus自身最大のヒットである”Achy Breaky Heart”をアレンジ。サウンドをダンサブルにして、ラップを挿入。そしてコーラスのパートはBilly本人が担います。

(ちなみにYouTubeのコメント欄にはいくつかLil Nas X関連の言及があります)

 

 「カントリーラップ」は既に以前から存在はしていました。彼以外にもカントリー + ラップの融合自体はNelly、Jason Aldeanなどがそれ以前から試みています。

 しかしこの曲のBuck 22というラッパーが少し違うのは、「カントリーとラップの融合」をキャリアの中心に据えていたということです。NellyやJason Aldeanが融合を試みたのは「シングル単位」でしたが、Buck 22はその融合こそが一番のアイデンティティだったのです。*1

 そんな5年前にカントリーラップを試みた男、Buck 22についての記事です。

 

 Buck 22という男については、以下の“Achy Breaky 2”についてBilly Ray Cyrusに対して行われたインタビューを見ると分かりやすいと思います。

 Billy Ray Cyrusは大御所シンガー・Dionne Warwickのシングルに客演として参加。そのレコーディング途中、Dionneの息子であるBuck 22と遭遇。そのことがきっかけで“Achy Breaky 2”は出来上がったと語っています。

 Buck 22は有名シンガーの息子だったのです!彼はさらにDamon Elliottの名義のもと、Destiny’s ChildP!nkのプロデュースを行った経験もあるようです。

 Damon ElliottのTwitterの奥底を覗くと”Achy Breaky 2”についてのツイートをいくつかリツイートしており、同一人物であることが分かります。

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(↑@Chartdata以前にチャートニュースを伝えていた@Chartnews)

 

 Buck 22名義では“Achy Breaky 2”がデビュー曲で情報も少ない新人ですが、彼自体は「謎の存在」ではなく既に実績も交友関係もある人物でした。

 そんな実績を残していたプロデューサーが心機一転、名前を変えてデビューしたのはこれまでのキャリアとは違った「野望」を成し遂げるためではないでしょうか。それは「カントリーとラップの融合」です。

 

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 彼のTwitterを見てみると、プロフィールには

「俺はBuck 22。カントリーとヒップホップを融合させる革命を進行中。君もこのビッグウェーブに乗らないか?」

とあります。Buck 22にとって、カントリーとラップの融合は“Achy Breaky 2”に限ったものではなく、キャリアを通しての最大の目標だったのです!

 

 彼はこれ以外のシングルとして挙げられるのは“Country Pride”です。この曲はより「カントリー志向」が強く、カントリーのサウンドにそのままラップを乗せたような仕上がりになっています。ビデオもあります。

 これらの“Achy Breaky 2”、”Country Pride”などを収録した“Buck 22”というEPが2014年にリリースされています。(SpotifyにはあるがApple Musicには無い模様)

 ほかこのEPに収録されていない”Dale Earnhardt Jr.”という曲もあります。“Achy Breaky 2”のようにビートはダンサブルですが、コーラスのパートにカントリーっぽさがあります。

 

 このように一貫してカントリーとラップの融合を試みるシングルやEPをリリースしてきましたが、彼は残念ながら結果を残したとは言い難いです。

 

 “Achy Breaky 2”はYouTubeで注目を集めた結果、Hot 100にもエントリー。80位と順位は高くないですが、ある程度は注目を集めていました。

 しかし芳しくなかったのはその評価です。上記のリンクにもあるYouTubeでは低評価の嵐。全評価の約2/3で👎がついています。YouTubeは基本的に👍>👎となるので、ここまで👎が多いのは異例です。

 また音楽歌詞サイトGeniusではこの曲を「音楽の終わり」と評しており、注目は集めたもののやたらと評判が悪かったことが伺えます。

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 その結果、この曲はただの「一発芸」の域を抜け出せませんでした。Hot 100も1週で圏外に落ちて、YouTubeもその後もあまり再生数を伸ばせていないようです。インパクトだけはありましたが、リスナーに「定着」することは無かったのです。

 リリースから現在に至るまで、約5年間でこのビデオは997万再生を記録していますが、これはあまり大きい数字とは言えません。

 これに対して“Old Town Road”のリミックス今週の2週間のみでこれの6倍に相当する再生を記録しています!もちろん時代の違いなどの要因もありますが、それでも同じカントリーラップでも影響力が桁違いだということが伺えます。

 

 Buck 22はその後もシングルが注目を集めることはなく、徐々に存在感を失っていきます。以下はBuck 22のシングルのSpotify再生数なのですが……(4/21時点)

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 “Achy Breaky 2”でも5年をかけて27万再生程度……一方、”Old Town Road”は昨日「だけ」で約488万再生を記録しています!(リミックス、4/20、グローバルのデータ)*2

 

 「カントリーとラップの融合」という野望を抱き、いくつか曲をリリースしたBuck 22でしたが、注目は長く続かず、最終的にBuck 22は活動を中止してしまったようです。2015年の以降はシングルもリリースされておらず、Twitterも更新が4年前から止まっています。(一方、Damon Elliottのアカウントは今も更新が続いています。ただしLil Nas Xへの言及は見られない)

 

~~~~~

 Buck 22という男が5年前に試みたカントリーラップという路線は、「一発芸」的には一時インパクトを与えたものの、結局は人々に「目に見える」影響力は持つことなく幕を閉じてしまいました。

 ただし、まだヒップホップが現在のように「支配的なジャンル」ではなかった5年前から「カントリー + ラップ」の融合に目をつけ、それを軸にムーブメントを起こそうとした先見の明は秀逸だと思います。この記事で主に伝えたかったことはこれです。

 また「目に見える」影響力が無いだけで、実は水面下で影響を与えている?という可能性もゼロではありません。もしかしたらLil Nas Xはこの曲を参考にして“Old Town Road”を作ったかもしれないし、Billy Ray Cyrusは「”Achy Breaky 2”のリベンジ」を果たすために”Old Town Road”のリミックスに参加したのかもしれません。

 まあこれは私の推測なので合っているかどうかは知らないですが、それでも様々な物にアクセスできるインターネット・スマホ時代では、何が何のヒントになるかは分からないので、このような「独自の挑戦」をしたことに一定の意義があるということは、確かだと思っています。(仮に目に見える影響力が無くても)

 

 それに、少なくともこの曲は私には影響を与えています(笑) ”Old Town Road"騒動があった後、一時期この曲を1日5回くらい聴いていた時もありました。

 この騒動よりも前も、私の中では「なんか面白い曲」として記憶には残っており、巷では「忘れられた曲」ながらも定期的に再生していた気がします。

 ともかく、カントリーラップという独自の挑戦(当時)を5年前に行い、一時的だがインパクトは残したBuck 22に私は拍手を送りたいと思います。

 

*1:他にも何人かカントリーラップをメインに据えているアーティストはいます。ただしそれらのアーティストはHot 100へエントリーした経歴は無いようです 参考:Country rap - Wikipedia

*2:※ちなみに”Achy Breaky 2"が80位でHot 100にデビューした週に、前後の順位(79位・81位)の現在のSpotifyでのトータル再生数は以下の通りです。

79位:Arctic Monkeys - Do I Wanna Know :6億3100万再生

81位:Daughtry - Waiting For Superman :5038万再生

Hot 100 4/20 見どころ 【1.43億ストリーミングの"Old Town Road" + Khalidアルバム1位】

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 こんばんは!🐴🐎 今週はタイトルにある"Old Town Road"、Khalid以外にもBLACKPINKなど語りどころが多いチャートでした。

◇今週のHot 100 ハイライト◇

・”Old Town Road”が圧倒的1位。Hot 100ではオリジナル・リミックスが合算で集計されています。史上最多の1.43億再生という圧倒的なストリーミング数を記録

・Khalidがアルバム1位に。収録曲のうち8曲がHot 100入り、先行シングル”Better”は8位とトップ10入り。

・BLACKPINKの“Kill This Love”が41位に登場

 

・今週のトップ10

      4月20日   R D S
- 1 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus Old Town Road ✅🍎🚩 33 1 1
-   2 Post Malone & Swae Lee Sunflower  14 7 2
  3 Post Malone Wow. 8 8 4
  4 Ariana Grande 7 rings 1 13 5
-   5 Halsey Without Me 2 20 12
6 Jonas Brothers Sucker  3 6 20
  7 Cardi B & Bruno Mars Please Me  9 21 13
8 Khalid Better 15 15 7
  9 J. Cole MIDDLE CHILD  27 45 6
  10 Marshmello & Bastille Happier 13 36 16

 R=Radio、D=Download、S=Streaming

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

 

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

緑背景はその指標がトップ10内で最高、赤背景は最低

 

1~100位までの順位表は↓

 

曲の個別解説

 

☆100 Nipsey Hussle feat. Stacy Barthe – Vicotry Lap

 3/31日に亡くなったNipsey Hussle。その訃報を受けてストリーミングが伸び、今週のHot 100では5曲がエントリーしています。先週よりも1曲増加しました。(先週のチャートでは訃報~集計期間終了までおよそ4.5日だったが、今週は7日分フルに集計されることが影響していると思われます)

 5曲のうち、“Racks in the Middle”は26位と特に順位が高いです。この曲は訃報の前からApple MusicのThe A-List: Hip-Hopに入っており、まさに「現役シングル」だったので、今後ラジオなどでかかり始めて本格的にシングル化する可能性があります。

 

☆99 Megan Thee Stallion – Big Ole Freak

 気鋭の女性ラッパー、Megan Thee Stallionが“Big Ole Freak”で初のHot 100入り。99位に登場しています。

 この曲は主にアーバン系ラジオ(≒Hip-Hop / R&B系ラジオ)で人気。ほかApple MusicやYouTubeでも少しずつ順位を上げています。Spotifyではまだ圏外です。RapCaviarにもまだ入っていません。

 こうやって毎週Hot 100の動きを観察していて思ったのですが、Apple MusicとYouTubeはアーバン系ラジオの動きを拾うのが早く、一方Spotifyは遅い気がします。この2つの関係性は深く追ってみたいテーマの一つです。

 

☆95 Aventura – Inmortal

 ラテンポップ系バンド、Aventuraの“Inmortal”が95位に登場。彼らにとって2回目のHot 100入り。前回のHot 100エントリー”Ella y Yo“でのピークは97位だったので、この曲でキャリア最高位を更新したことになります。

 AventuraのメンバーにはRomeo Santosがいて、この曲は彼がこの週にリリースしたアルバム”Utopia”にも収録されています。

 この曲は今週YouTubeで29位を記録しています。ほかApple Musicでもランキング圏内に入っています。この曲も収録されているRomeo Santosのアルバムは、リリース直後にApple Musicアルバムランキングで4位に食い込んでいました。

 (その時の1位:Khalid、2位:Nipsey Hussle、3位:Billie Eilish)

 

☆58 Khalid & John Mayer – Outta My Head

 Khalidが初のアルバム1位を記録!セカンドの“Free Spirit”が20.2万(相当)の売上を記録してアルバムチャートの首位に立っています。

 20.2万のうち半分以上(11.1万)をストリーミングから記録。ほか純セールスでもチケット + 音源戦略の力を借りながら8.5万という高めの数字を記録しています。残りはシングルDLです(0.6万)

 アルバムの収録曲からは8曲がHot 100入り。主に人気が集まったのは先行曲。昨年のEP、“Suncity”にも収録されていた”Better”が8位、Disclosureプロデュースの“Talk”が18位にランクインしています。

 新登場の曲の中で一番人気だったのはJohn Mayerとのコラボ“Outta My Head”でした。この曲はストリーミング以外にもDLからも一定の数字を記録しています。

 

※“Saturday Nights”について:アルバムに収録されていたのはKane Brown無しのソロバージョンでしたが、リミックスもソロも「同一の曲」としてまとめて集計されているので、Hot 100でKane Brownのいる表記になっていても、集計システム上これは「アルバムの曲」という扱いになります。

 

※今週の「スタッフのチャート議論」シリーズはこのアルバムについてでした。リンクは末尾の参考記事の欄に貼っています。

 

☆41 BLACKPINK – Kill This Love

 BLACKPINKがパワーアップしてカムバック!新曲“Kill This Love”が”DDU-DU DDU-DU”(55位)よりも高い41位でHot 100デビューを果たしました!

 “DDU-DU DDU-DU”がHot 100に入った昨年の6月よりも、若干YouTubeのポイントが減算(その時よりも2/3に)されるというチャート上の逆風が吹きましたが、昨年時よりもヒットの規模が大きくなったことにより、Hot 100順位を上げることに成功しました。

 また同タイトルのEPはアルバムチャートの24位に登場。これもまた前回よりも高い順位を記録しています。

 

 これでK-PopのHot 100通算エントリー数は14or15まで伸びました。(これは韓国の教育系企業Pinkfongによる童謡カバー“Baby Shark”をK-Popに入れるかどうかによる違いです)

 ChartDataは“Baby Shark”をカウントしていませんが、ウィキペディアページは”Baby Shark”をカウントしています。

 

 ちなみにその“Baby Shark”は今週Hot 100で42位。チャート滞在は15週を迎え、「一発芸」の領域を抜けて次第に「定着したヒット」になりつつあります。年間チャート入りの可能性も出てきました。

 

△40 City Girls – Act Up

 City Girlsの“Act Up”が好調を維持。47位→40位とトップ40圏内に浮上。City Girlsキャリア2曲目のトップ40ヒットに。

 この曲は数週前からストリーミングで既に高い人気がありましたが、ここ数週で正式にシングル化されラジオでもかかり始めました。(今週R&B / Hip-Hop系で15位など)

 ラジオでのメインシングルがこの曲に切り替わった影響で、前シングル”Twerk”は大きくランクダウン。今週チャートから外れました。(ピーク29位、チャート滞在13週でした)

 

☆27 Jonas Brothers – Cool

 Jonas Brothersの“Cool”が27位に登場。快調なスタートを切っています。この曲はDLの数字が高かった(今週3位)ほか、1週目からラジオでかなり高い再生数を記録しています。(今週既にポップ系ラジオで26位)ほかストリーミングでも上々の数字を残しています。

 この曲では”Sucker"に引き続きRyan Tedderがソングライトに参加しています。

 前シングルの”Sucker”も好調を維持しています。特にラジオでの好調はかなり際立ち、来週はラジオで1位になる見込みです。

 

△21 Luke Combs – Beautiful Crazy

 Luke Combsの“Beautiful Crazy”がDLを伸ばして26位→21位と少しジャンプアップ。ピークを更新しています。

 このDL増はこの週に行われたAcademy of Country Music Awardsの影響。ここでパフォーマンス or 受賞があったアーティストの曲がDLを伸ばしています。カントリー以外のアーティストではKhalid、などがパフォーマンスを行いました。

 Hot 100で目立った伸びを見せたのは、Thomas Rhettの“Look What God Gave Her”が74位→48位、Dan + Shayの“Tequila”が50位→38位などです。ロングヒットの”Tequila”は今週チャート滞在49週目です。

 

主要部門を受賞したのは以下のアーティストでした

Entertainer of the Year: Keith Urban

Male Vocalist of the Year:Thomas Rhett

Female Vocalist of the Year:Kacey Musgraves

Song of the Year:“Tequila”

 

△16 Ava Max – Sweet But Psycho

 Ava Maxの“Sweet But Psycho”がラジオでの好調をキープ。今週18位→16位と順位を上げています。ラジオの再生数では今週トップ10に到達しています。

 ストリーミングもそこまで悪くはない数字を記録しており(YouTube > Spotify > Apple Musicの順で人気)、ラジオの好調があと少し続けばHot 100のトップ10にも手が届くでしょうか?

 

 アメリカではまだ伸びそうな“Sweet But Psycho”ですが、アメリカ以外ではAva Maxのメインシングルは“So Am I”に切り替わっています。Spotifyの有力プレイリストToday’s Top Hitsはおよそ1ヶ月前に”Sweet But Psycho”を外して“So Am I”をリストに追加しています。

 

△8 Khalid – Better

 アルバムリリースによるストリーミング増でKhalidの“Better”がトップ10入り!今週16位→8位と順位を上げました。彼にとって4曲目のトップ10に。コラボ以外でのトップ10入りは初です。ストリーミング以外にもラジオでも高い指数を記録しているのが特徴的です。

 この曲はロングヒットが多いKhalidの曲の中でも遅咲きのほうで30週目でのトップ10入りに。これは歴代で4番目タイに遅いトップ10入りのようです。

 

トップ10入りが遅かった曲

38週 Carrie Underwood – Before He Cheats (2007)

36週 Creed – Higher (2000)

31週 Imagine Dragons – Radioactive (2013)

30週 Faith Hill – This Kiss (1998)

30週 Lonestar – Amazed (2000)

30週 Nickelback – Rockstar (2007)

30週 Khalid – Better (2019)

 

 上記のトップ10入りの遅い曲は、ほとんどカントリー or ロックです。それぞれのラジオ系統で人気になった後にポップ系のラジオにも人気が飛火して、遅咲きを果たした結果トップ10が遅かったのだと考えられます。

 KhalidはR&Bシンガーですが、ここ最近はポップ系ラジオでの人気があった(=シングルカット時からポップでかかる)ので、従来の「元の系統から飛火してポップにたどり着いたロングヒット」とは少し違います。

 まずはストリーミングで人気に→次第にラジオでもかかり始める→アルバムによるストリーミング増 という新たなロングヒットのパターンです。

 ここ最近のストリーミングではアルバムリリースのタイミングで再生数が一気に伸びる傾向が見られるので、ラジオのピークとアルバムリリース時期を一致させるとHot 100での高順位が期待できるようになります。

 ストリーミング時代のロングヒット王Khalidから他のアーティストが参考にできるポイントは多いと考えています。

 

 

▽7 Cardi B & Bruno Mars – Please Me

 一方短命に終わってしまうかもしれないのがCardi BとBruno Marsの“Please Me”。Hot 100では6位→7位と変化が小さいですが、ラジオでの急落が始まっており来週以降は大きな下降を余儀なくされそうです。主に数字を落としているのはポップ系ラジオです。リリース以降一気にラジオ&ストリーミングを高めた後に尻すぼみになってしまった”Finesse”と似たようなチャートアクションになりそうです。

 

 トップ10内の曲のうち逆にロングヒットになっているのは”Happier”です。“Happier”が際立つのはトップ10の滞在週数です。今週歴代で11番目タイに長い27週目のトップ10滞在を記録しています。ただしそろそろトップ10から外れてしまいそうです。

 ほか"Without Me"はトップ5に21週間滞在しています。

 

―1 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus – Old Town Road

 “Old Town Road”が首位を独走。今週からBilly Ray Cyrusバージョンが集計に入ったことからストリーミング数が一気に向上。歴代で最多の1.43億ストリーミングを今週記録しました。2バージョンが両方とも人気で、それらが合算して集計されていることがこの圧倒的な数字の要因です。

 

(歴代の週間ストリーミング数の記録)

1 Old Town Road 1.43億

2 In My Feelings 1.16億

3 Harlem Shake 1.03億

4 God’s Plan 1.02億

5 thank u, next 0.94億

(それぞれのピーク再生数のみ抜粋)

 

 YouTubeでは5240万再生を記録しアメリカでの週間再生数の記録を塗り替えています。(それまでは”thank u, next”の5120万)

 Spotifyでも2バージョンを合算するとおよそ3586万再生となり週間での史上最高ストリーミング数になります。(”In My Feelings”の3075万再生が最高値) *1

 Apple Musicは再生数の実数値を表示しないので不明です。

 この曲はラジオでも好調。話題に上がっているカントリー系ラジオでの人気獲得には至っていませんが、ポップ・リミックス・アーバンと規模が大きめの系統での人気を確保。ラップ曲があまりかかっていないポップ系でも人気を得ている点が特徴的です。このペースが続けばいずれはラジオ1位になりそうです。

 

 また、そのカントリー系ラジオでの再生数不足から今週もHot Country Songsには復帰せず。Morning Showなどの「お試し」でオンエアされたことから、先週はカントリー系ラジオチャートの53位に入っていたのですが、結局はカントリー系ラジオリスナーの心をつかめず、今週60位圏外に落ちてしまいました。(こうなってしまうと将来的なHot Country Songsの再登場は厳しそうです)

 

 2バージョン両方のストリーミングの強さ、そしてラジオでも強いという盤石の体制が整いつつあり、同じく2バージョンの人気でチャートを制圧した“Despacito”並の大ヒットに期待が持てます。

 

※“Despacito”は”Shape of You”という超強力なライバルがいたため、年間チャートで1位になれませんでしたが、今年は年間チャート上での超強力なライバルはあまりいないため、“Old Town Road”は年間チャート1位になる可能性も考えられます。まだ気が早いですが。最大のライバルは”Without Me”?ほか“Sunflower”や”7 rings”など

 

 今週からBilly Ray Cyrusリミックスも集計に加わり、客演としてクレジットされるようになりました。Billy Ray Cyrusはこの曲が初のHot 100首位です。(それまでの最高位は”Achy Breaky Heart”での4位。この曲はリミックスの影響でダウンロードなどが伸びたそうです

 57歳という年齢での首位獲得は珍しく、今世紀では最も年長の1位獲得者となりました。(それまでの今世紀の最年長1位は“Thrift Shop”で客演していたWanz=当時51歳です)

 歴代で最も最年長の首位獲得は62歳で”Hello Dolly”が1位になったLouis Armstrongです。Cherが”Believe"で1位を取ったのは52歳のときで、これは女性の最年長1位です。

 

 彼のHot 100エントリーは約5年ぶり。奇遇なのかその曲もカントリーラップの“Achy Breaky 2”でした。これは彼のヒット”Achy Breaky Heart”のアレンジバージョンです。

 

・おまけ:アルファツイッタラーのLil Nas Xの今週のツイート集……

 

 

※Lil Nas Xの「Twitter遍歴 」についての記事↓

 

×× Kodak Black feat. Travis Scott & Offset – ZEZE

 Kodak Blackの“ZEZE”がチャートから外れました。ピーク2位、チャート滞在は25週でした。彼にとってキャリア最大のヒットに。(チャート滞在も最長???)

 Travis Scott、Offsetという豪華な客演、ノリやすい南国風のビートでリリース時から高い注目度。いきなりHot 100で2位に登場しましたが、それ以降は初週並の順位は記録できず。

 リリース時の注目度>ラジオのピーク時の注目度 というストリーミング時代らしいチャートアクションの曲でした。

 

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

99 Lil Baby – Pure Cocaine (🗻46位 /⏰15週)

98 Jason Aldean – Girl Like You (🗻46位 /⏰19週)

95 Chris Stapleton – Millionaire (🗻47位 /⏰17週)

91 benny blanco, Tainy, Selena Gomez & J Balvin – I Can’t Get Enough (🗻66位 /⏰5週)

85 Billie Eilish & Khalid – lovely (🗻64位 /22週)

83 City Girls feat. Cardi B – Twerk (🗻29位 /⏰13週)

79 Billie Eilish – 8 (🗻79位 /⏰1週)

63 Billie Eilish – listen before i go (🗻63位 /⏰1週)

62 Billie Eilish - ilomilo (🗻62位 /⏰1週)

53 Billie Eilish – i love you (🗻53位 /⏰1週)

49 Kodak Black feat. Travis Scott & Offset – ZEZE  (🗻2位 /25週)

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

1 Khalid – Free Spirit 🎫

6 Sara Bareilles – Amidst The Chaos

8 Brooks & Dunn – Reboot

18 Romeo Santos – Utopia

22 Reba McEntire – Stronger Than The Truth

24 BLACKPINK – Kill This Love (EP)

64 Periphery – Periphery IV: Hail Stan

106 PUP – Morbid Stuff

181 Various Artists – Now That’s What I Call Country, Volume 12

199 GRiz – Ride Waves

 

長期滞在に関する記録

1周年:Jason Aldean – Rearview Town(今週80位)

100週目:Chris Stapleton – From A Room: Volume 1 (今週186位)

 

その他

 

・今週ラジオで伸びた曲

☆Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus – Old Town Road

・Jonas Brothers – Sucker

・Jonas Brothers – Cool

・Sam Smith & Normani – Dancing With A Stranger

・Sebastián Yatra & Reik – Un Año

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

BTS feat. Halsey – Boy With Luv

 来週アルバム1位見込みのBTS。シングルチャートでの見どころは二つあり、まずはシングル“Boy With Luv”が何位に登場するか。以前よりも高いストリーミング再生数、ならびにラジオ再生数を記録しており、従来よりも若干高い順位に登場する予感。

 もう一つはこの曲以外もHot 100に登場するかどうか?です。各ストリーミングではこのシングル以外も一定の再生数を記録。今までBTSはシングル以外の曲がHot 100に登場したことが無かったのですが、今回は「非シングル」も入るかも……??

 

・Lil Uzi Vert – Sanguine Paradise

 こちらも高いストリーミング。Apple MusicではBTSよりも人気です。

 

・関連 / 参考記事

 

ビルボードのHot 100解説 / Billboard 200解説 

 

ビルボードのスタッフによるチャート議論

 

今週のテーマはKhalidのアルバムについてです。

① 初週の売上をどう感じたか?

② 先行曲の中では何が印象的?

③ そのほかの曲では何が好みだったか?

④ 「似たような曲が続く」という批評メディアの意見はどう思うか?

⑤ Khalidにオススメしたいプロデューサーは誰?

 

 

・ChartData氏 & Alexanderao氏によるHot 100解説

 

*1:一日の再生数だと2バージョンを足しても史上最多の”Nonstop”を上回らない

Hot 100 4/13 見どころ 【Billie Eilishの圧倒的アルバム1位 + "Old Town Road"がシングル1位に】

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こんばんは。自分は低気圧に弱い人間ということに気づいた今日この頃。今週はBillie Eilish、Lil Nas Xなどについて扱っていきます。今週は濃いチャートなので若干分量多めです。

 

 

◇今週のHot 100 ハイライト◇

・Old Town Roadが1位へ浮上!リミックスの分は基本的にまだ集計には入っていない、ほぼオリジナルのみの人気で首位になったことに(DL・ストリーミングは未集計、ラジオは若干リミックスの数字が集計に入っている)

・Billie Eilishがアルバム1位。収録曲は12曲がHot 100入り。さらにその他の2曲を合わせて彼女はHot 100に14曲ランクイン。女性としては最多のHot 100エントリーに

・急逝したNipsey Hussleの楽曲が4つHot 100に登場

 

・今週のトップ10

      4月13日   R D S
1 Lil Nas X Old Town Road 🍎🚩 - 3 1
  2 Post Malone & Swae Lee Sunflower  13 4 3
  3 Ariana Grande 7 rings 1 9 5
  4 Post Malone Wow. 7 5 4
  5 Halsey Without Me 2 16 9
  6 Cardi B & Bruno Mars Please Me  5 21 11
7 Billie Eilish bad guy ✅ - 7 2
8 Jonas Brothers Sucker  8 6 20
  9 Marshmello & Bastille Happier 10 23 13
  10 J. Cole MIDDLE CHILD  29 35 6

 R=Radio、D=Download、S=Streaming

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

(🍎✅🚩が全てトップ10圏内に)

 

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

緑背景はその指標がトップ10内で最高、赤背景は最低

 

1~100位までの順位表は↓

 

曲の個別解説

 

☆87 DaBaby – Suge

 DaBabyの“Suge”が87位に登場。DaBabyにとって初のHot 100入り。彼は5週前にリリースしたアルバムがアルバムチャート25位にエントリー。それ以降Apple Musicを中心に人気を保ち、現在はリリース時よりも高いストリーミングを記録しています。それに伴い、今週のアルバムチャートではリリース時よりも高い19位につけています。

 現在Apple Musicでは”Suge”以外にも“Baby Sitter”や”Goin Baby”も上位にエントリーしており、今後これらの曲もHot 100に入ってくるかもしれません。

 “Suge”はApple Music以外ではYouTubeでも人気。Spotifyではまだ100位以下です。

 

△85 Billie Eilish & Khalid – lovely

 先週に引き続き「伸びる見込み」が認められ、特例でチャートに残っている”lovely”。これ以外に今週再登場の”Ocean Eyes”、そして今週アルバム1位に輝いた”WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?”に収録された12曲がHot 100にエントリー。Billie Eilishは合わせて今週14曲がHot 100に入ったことになり、昨年のCardi Bを上回り女性としては最多の「Hot 100同時エントリー」を記録しました。

 

(女性で同時に10曲以上がHot 100入りしたアーティスト)

2019 Billie Eilish 14曲 (アルバム曲12 + その他2)

2018 Cardi B 13曲 (アルバム曲12 + その他1)

2019 Ariana Grande 12曲 (すべてアルバム曲)

2016 Beyoncé 12曲 (すべてアルバム曲)

2010 Taylor Swift 11曲 (すべてアルバム曲)

(これらの記録はすべてそれぞれのアルバムリリース週に記録されたもの)

 

☆70 Ariana Grande & Victoria Monét – MONOPOLY

 Ariana GrandeとVictoria Monétの“MONOPOLY”が70位に登場。Victoria Monétにとって初のHot 100登場に。この曲は月曜日にリリースされたので、今週のチャートではまだ3.5日分しか集計されていません。

 Victoria MonétはファーストからAriana Grandeのアルバムでソングライトを多く担当してきたR&Bシンガーです。

 

☆59 Blake Shelton – God’s Country

 Blake Sheltonの“God’s Country”が59位に登場。今週DLが1位で、カントリー系ラジオでも初週から多くの再生数を記録したので、カントリー曲としては珍しく最初の週から高めの順位に登場しました。

 カントリー曲はラジオとともにじわじわ順位を上げ、リリース後からかなり時間が経ったタイミングでHot 100に登場することが多いです。カントリー曲で初週からHot 100の好位置に登場するのは大御所ならではの特徴と言えます。

 

☆44 Nipsey Hussle feat. Roddy Ricch & Hit-Boy – Racks in the Middle

 3/31の訃報を受けてNipsey Hussleの関連曲のストリーミング数やDLが増加。今週、彼の楽曲がHot 100に4つ登場しました。特に今年にリリースされていたシングル”Racks in the Middle”は多くの再生数を記録しました。(Apple MusicのThe A-List:Hip-Hopは訃報の前からこの曲をリストに追加しており、まさに「現役」の1曲でした)

 

44位:Racks in the Middle /ft. Roddy Ricch & Hit-Boy

65位:Double Up /ft. Belly & DOM KENNEDY

82位:Last Time That I Checc’d /ft. YG

93位:Dedication /ft. Kendrick Lamar

 

 Nipsey Hussleが今までHot 100に入ったのは?の客演を務めた のみだったので、自身の曲でHot 100に入るのは今回が初ということになります。

 上記の曲で客演を務めているプロデューサーのHit-BoyとラッパーDOM KENNEDYはHot 100初登場です。

 Hit-Boyは以前から多くのヒットを生み出しており、“SICKO MODE”、”N***s in Paris”などのラップクラシック、そして時には”Scream & Shout”などのポップもプロデュースしてきました。自身の名義でHot 100に載るのは今回が初です。

 

 彼はアルバムチャートでも注目を集めて直近のアルバム”Victory Lap”は2位にランクイン。リリース時の順位よりも高い順位を記録しています。

 ほか”Crenshaw”が63位など彼の作品が合わせて5つ今週のアルバムチャートに登場しました。“Victory Lap”以外はリリース時にアルバムチャートに入っていなかったので今週初登場です。

 

◇29 Billie Eilish – when the party’s over

 2週間前にチャート滞在20週を迎えて満期でチャートから外れた”when the party’s over”が、アルバム効果で再浮上し再登場を果たしました。「21週目以降は51位以下に落ちると外れる」というルールが適用されない上位への返り咲きに成功しました。

 この曲はポップ系ラジオでも(ようやく)かかり始めたということもあり、今後もシングルとしてある程度の順位はキープしそうです。

 アルバムリリース効果でこれ以外の既存の曲も軒並み順位を上げています。

bury a friend 41位→25位

wish you were gay 84位→31位 (ピーク更新)

you should see me in a crown 再登場41位 (ピーク更新)

 

△27 Ellie Goulding & Diplo feat. Swae Lee – Close To Me

 Ellie GouldingとDiplo、Swae Leeによる“Close To Me”が28位→27位と少し浮上。じわじわ順位を伸ばして少しずつピークを更新しています。

 かなり地味なチャートアクションですが、実はラジオではかなりのヒットになっており、今週ラジオ5位まで到達しています。ラジオ5位は2014年にHot 100で13位まで到達した“Burn”と同じ成績です。

 ただ昨今はストリーミングの台頭によってラジオが二重の意味で影響力を失っています。(ラジオのポイントの相対的な低下、そしてラジオの人気曲のストリーミングでの選曲への影響力の低下)

 その影響で同じラジオ順位でも5年前よりもHot 100順位が低くなっています。ラジオの好調によってもう少しHot 100順位が伸びそうですが、ストリーミングではピークが終わっている以上、大きな伸びは難しそうです。

 

☆7 Billie Eilish – bad guy

 Billie Eilishがデビュー作でアルバムチャート1位を獲得!21世紀生まれのアーティストでは初の出来事です。総合セールスは31.3万と高い数字を記録しており、セールスが17万、ストリーミングが13.7万とバランス良く書く媒体で高いポイントを得ています。(残りはシングルDL) セールス、ストリーミングはいずれも今年2番目の数字です。

 

 セールスで際立ったのは1.5万枚というヴァイナルの数字。これは調査体制が現在のものになった1991年以降ではAdeleの”25”に次ぐ女性アーティストでは2番目に高い数字です。ほかこのアルバムはチケット&音源戦略でもセールスの数字を稼いでいます。

 ストリーミングの数字もかなり優秀で、女性のアルバムでは史上3番目に高い数字を記録。またこのアルバムを「ポップス」と捉えたとすればポップスのアルバムの中では歴代で2番目に高い数字です。

 

1 Ariana Grande – thank u, next (3.07億再生)

2 Cardi B – Invasion of Privacy (2.03億)

3 Billie Eilish – WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? (1.94億)

4 Nicki Minaj – Queen (1.28億)

5 Ariana Grande – Sweetener (1.26億)

 

 そのアルバムからは収録曲14のうち12曲がHot 100に登場。逆にHot 100に入らなかったのはアルバム最後の”goodbye”とアルバム最初に配置された長さ0:13の”!!!!!!!”でした。

 ストリーミングの時代ではいくつかのアルバムが大量登場してきましたが、そのアーティストたちの中でもBillie Eilishは「ラジオシングル」がかなり少なかったです。

 Billie Eilishは現在に至るまでの「ラジオシングル」*1は3曲です。“you should see me in a crown”と”bury a friend”がオルタナティブ系で、”when the party’s over”がポップ系でかかっています。

 

 アルバム曲をチャートに大量登場させた(=10曲以上がHot 100入り)アーティストの中で、「ラジオシングル」が少なかったアーティスト

Billie Eilish:3曲

Lil Uzi Vert:4曲(自身の曲では2曲)

Logic:4曲*2

 

↑この中でもBillie Eilishは目立ったヒットシングルが無かったので、特に「ラジオのサポートを受けずにストリーミングでの人気が拡大した」という印象が強いです。

(関連:10以上の曲をHot 100に送り込んだアルバムの記録 【+J. Cole が新記録!?】 - チャート・マニア・ラボ

 

 「ビルボードスタッフによるチャート議論」シリーズの今週のテーマはBillie Eilishについてでした。質問項目は……

① 初週の売上について何を思うか?

② Billie Eilishが「ポップスター」と言い表されることについてどう思うか?

③ 10代を魅了するBillie Eilishを、年上のあなたたちはどう考える?

④ シングルヒットはまだ少ない彼女ですが、10年後も残るこのアルバムの代表曲は?

⑤ ネクスト・Billie Eilishは誰?

 

 ほかビルボードは「18歳未満でアルバム1位を獲得したソロアーティスト」というまとめを作成しています。(Billie Eilishは11人目)

 

▽3 Ariana Grande – 7 rings

 Ariana Grandeの”7 rings”が1位→3位と下降。ストリーミングが少しずつ落ちてきたことが理由でしょうか。

 しかしラジオでは好調をキープしていて、今週ラジオで1位に。意外にもAriana Grandeにとっては初のことで、今までの最高位は“Problem”でのラジオ2位でした。

 Ariana Grandeは以前からポップ系のラジオでは高い人気がありましたが、ゆったりとした曲を好むアダルトポップ系統で伸びないことや、競合が強かったことなどによりラジオ全体での再生数の1位にはなれませんでした。

 今回のシングルもポップ系で人気(1位)、そしてアダルトポップ系ではそこそこという以前からの傾向が見られますが、複数ジャンルにまたがるラジオの大ヒットが無い=つまり競合が強くないことから1位を取ることができました。

 

△1 Lil Nas X – Old Town Road

 Lil Nas Xの“Old Town Road”が1位に浮上!初のHot 100エントリーで1位まで到達しました。 

 ジャンル分け騒動が起きてから注目度が上がり、結果Hot 100で首位まで獲得しました。このことで歪な形ですが、ビルボードが現在も大きな影響力を持っているということが証明されました。

 私はチャートの機能の一つに「ヒット曲の“広報”となり、さらなるヒットに寄与する」というものがあると思っているのですが、皮肉な形でその機能が観察されました。

 

 Billy Ray Cyrusのリミックスがチャートに大きく反映されるのは来週からで、Hot 100首位を奪うのは来週だと考えていたので今週に1位になったのは少し意外でした。来週はもっと圧倒的な成績で首位をキープするでしょう。オリジナルもリミックスも両方人気、という点で“Despacito”を彷彿とさせる部分があります。その”Despacito”のようにHot 100の首位を長きに渡って支配する可能性も?

 ちなみにこの曲はLilのつくラッパーの中では5人目のHot 100首位です。

Lil Kim - Lady Marmalade

Lil Jon - Yeah!

Lil Wayne - Lollipop、Down、I'm the One

Lil Uzi Vert - Bad and Boujee

Lil Nas X - Old Town Road

 

 Apple Music、YouTubeで1位。そしてSpotifyで2位というストリーミングの絶好調に加えてDLも今週3位とかなり高いことが首位取りの要因。ほかラジオでも一定の再生数を得ています。

 先週までかかっていたラジオ系統はポップとリズミックでしたが、Billy Ray Cyrusリミックスの影響でついにカントリー系ラジオでもかかり始めたようです。この流れで行けば、来週のHot Country Songsでは復活しそうです。*3

 ビルボードはこの騒動に関する記事を作成。この問題の焦点は「ラジオとストリーミングにおけるジャンルの考え方の違い」としています。ほかHot Country Songsから除かれた理由も説明されています。(トラップのビート、カントリー系ラジオの不足、レーベル、プレイリストなど。ただリミックスの動き次第では変化があることを示唆している)

 記事内ではFlorida Georgia Lineなどの意見も掲載され、彼らは「それがカントリーかどうかに拘ると、良いものを逃してしまう」という意見を述べています。

 

 

 この曲に関してもう一つの注目ポイントは「曲が短い」ということです。オリジナル版の長さは1:53で、これは今世紀の1位シングルの中では最も再生時間が短いそうです。

 歴代で最も短いHot 100首位曲は1:38のMaurice Williams & the Zodiacs'による“Stay”でした。Hot 100エントリー全ての中で最も短かったのは皆さんご存知”PPAP”です。

 実はその“PPAP”、今週「歴代で最短のHot 100エントリー」という称号を奪われる可能性がありました。

 その称号を奪う可能性があったのはBillie Eilishのアルバムに収録されていた”!!!!!!!”という曲です。この曲はわずか0:13だったのですが、人気アルバムの一部に組み込まれているということもあり0:13の「Interlude」のような曲でもかなりの再生数を記録していました。Apple Musicのランキングでは少なくともアルバム内で最も人気が無かった最終トラック”goodbye”よりは高い再生数を記録していました。

 ただ、Spotifyが1再生を「30秒再生された」という基準で判定していることから、Spotifyでの再生が0になってしまい結局はHot 100に入らず。

 この曲以外のアルバム曲で最も人気がなかったのはアルバム最後の”goodbye”でこの曲は今週104位相当だったので、もし仮にSpotifyの再生数がカウントされていれば余裕でHot 100に入り、“PPAP”の最短記録を更新していたと思います。

 

ちなみに”!!!!!!!”はカナダではランキング入りを果たしています。(79位)

 

×× DJ Snake feat. Selena Gomez, Ozuna & Cardi B – Taki Taki

 Billie Eilishのアルバム曲が多く登場した影響で、いくつかの曲がチャート外へ押し出されました。(アルバム大量登場は意外とチャートをリフレッシュする機能がある)

  DJ Snakeが豪華ゲストを迎えた“Taki Taki”が今週チャートから外れました。ピーク11位で滞在は26週でした。

 このゲストでUS11位は若干物足りない成績にも思えますが、世界的に見ると抜群の成績を残しました。

 YouTubeでは10億再生に到達するまでの日数が歴代で6番目に早く(115日)、現在は12億再生まで到達。Spotifyでも4週にわたり世界1位になっています。

 この曲に参加しているOzunaはYouTubeでの10億再生超え曲数が最も多いです。(DJ Snake、Selena Gomez、Cardi Bは他に1曲ずつ10億再生超えの曲がある)

 

YouTubeで10億再生超えの曲が多いアーティスト

 
1 7 Ozuna Criminal, Te Bote, El Farsante, Ahora Dice, Escápate Conmigo, Se Preparó, Taki Taki
2 6 Justin Bieber Sorry, Baby, What Do You Mean, Love Yourself, I'm the One, Where Are Ü Now
3 5 J Balvin Mi Gente, Ay Vamos, X, Ahora Dice, 6AM
3 5 Bruno Mars Uptown Funk, The Lazy Song, That's What I Like, Just the Way You Are, 24K Magic
3 5 Nicky Jam Te Bote, X, Hasta el Amanecer, El Perdón, El Amante
3 5 Maluma Chantaje, Vente Pa' Ca, Felices los 4, Corazón, El Perdedor
3 5 Sia Chandelier, Cheap Thrills, Dusk Till Dawn, Titanium, Elastic Heart

 

 ちなみにこの曲はリリース時に問題のある歌詞が日本の一部で話題になり、最終的に歌詞が訂正されましたが、世界的にはあまり注目されずヒットに影響が出るようなことはありませんでした。

  

×× Juice WRLD – Lucid Dreams

 Juice WRLDの“Lucid Dreams”がチャートから外れました。ピーク2位、チャート滞在46週という大ロングヒットでした。

 ヒットの要因の多くはストリーミングにありますが、ある程度ラジオでもヒット。ポップ系などでもかかりラジオでは最高6位まで到達しました。

 この曲でブレイクしたJuice WRLDはシングルだけでなくアルバムも大きな注目を受け、この“Lucid Dreams”以外の曲もいくつかHot 100入り。アルバムチャートでも上位に長く留まり、週間のピークは4位ながらもストリーミングでの長い人気によってアルバムチャートの年間18位に入りました。

 

 思い返せば去年の今頃はJuice WRLDも「ストリーミングから突如表れた異質なラップをするアーティスト」で、現在のLil Nas Xのような立場だった気がします。彼は今年、2週にわたってアルバム1位を獲得するほどのビッグスターに成長。Lil Nas XもJuice WRLDと同じ道を辿り、アルバムでも大成功を収めるスターになるのでしょうか?

 

 この曲のポップパンク版がなかなかナイスでした。Paramore好きに刺さるアレンジです。

 

×× Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It

 Cardi B、Bad Bunny、J Balvinによる“I Like It”がチャートから外れました。ピークは1位、チャート滞在は51週と特大ロングヒットでした。

 1位に滞在した週数は“Bodak Yellow”の3週よりも短い1週でしたが、チャートに滞在した週数は”I Like It”の方が長く、「キャリア最大級のヒット」にあたるのはこちらだと思います。

 ポップやラテンのリスナーまで人気が波及したことは大きく、Cardi B自身の曲のうちSpotifyYouTubeでの再生数が最も高いのはこの曲です。

 彼女のアルバム“Invasion of Privacy”は今週アルバムチャートで1周年を迎えています。1年が経過してもなお27位と高めの順位をキープしています。

 

 この曲で印象に残っているのはJ Balvinの“Pa-Pa-Paparazzi like I'm Lady Gaga ”というヴァース。Lady Gaga、しかも"Paparazzi"を選ぶとは意外なチョイスだな~と最初に聞いた時は感じたのですが、その約半年後にLady Gagaは“Shallow”が大ヒット。見事に復活を遂げたのです。

 この「ヒット曲の歌詞に出てきたアーティストの再浮上」というパターンは昨年もう一つ見られました。Post Maloneの“Better Now”では”With my brothers like it's Jonas, Jonas”という歌詞が登場するのですが、その曲からおよそ1年後にJonas Brothersは"Sucker"でキャリア最大のヒットを記録しました。

 ちなみにJonas Brothersは新曲“Cool”の歌詞にPost Maloneを登場させるという「恩返し」をしています。

 今後ヒット曲に意外なアーティストの名前が登場した時は、再ブレイクの兆し?かもしれないので、そのアーティストの新曲などの動向に注目してみると面白いかもしれません。

 

 

今週チャートから外れた曲 (18曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Carrie Underwood – Cry Pretty (🗻83位 /⏰10週)

99 Juice WRLD – Empty (🗻41位 /⏰3週)

98 Bebe Rexha – Last Hurrah (🗻98位 /⏰1週)

94 Kodak Black – Calling My Spirit (🗻46位 /⏰17週)

93 Anuel AA & Karol G – Secreto (🗻68位 /⏰8週)

92 Cody Johnson – On My Way To You (🗻91位 /⏰7週)

91 Chris Brown – Undecided (🗻35位 /⏰12週)

89 NAV feat. Meek Mill – Tap (🗻89位 /⏰1週)

86 Juice WRLD – Hear Me Calling (🗻38位 /⏰4週)

82 Lil Skies – I (🗻39位 /⏰4週)

80 Rich The Kid – Splashin (🗻80位 /⏰5週)

79 Jordan Davis – Take It From Me (🗻46位 /⏰13週)

78 Logic – Confessions Of A Dangerous Mind (🗻78位 /⏰1週)

72 NAV feat. The Weeknd – Price On My Head (🗻72位 /⏰1週)

65 Jake Owen – Down To The Honkytonk (🗻65位 /⏰13週)

48 DJ Snake feat. Selena Gomez, Ozuna & Cardi B – Taki Taki (🗻11位 /26週)

47 Juice WRLD – Lucid Dreams (🗻2位 /46週)

45 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It (🗻1位 /51週)

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

1 Billie Eilish – WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? 🎫

2 Nipsey Hussle – Victory Lap (再)

4 George Strait – Honky Tonk Time Machine

14 I Prevail – Trauma

18 Ben Platt – Sing To Me Instead

28 Yelawolf – Trunk Muzik 3

52 The Maine – You Are OK

63 Nipsey Hussle – Crenshaw

65 Jake Owen – Greetings From… Jake Owen

107 Steve Earle And The Dukes – Guy

109 Nipsey Hussle – Slauson Boy 2

142 O.A.R. – The Mighty

143 Whitechapel – The Valley

168 Marvin Gaye – You’re The Man

169 Devin Townsend – Empath

179 Nipsey Hussle – The Marathon

192 Nipsey Hussle – Mailbox Money

 

長期滞在に関する記録

1周年:Cardi B – Invasion Of Privacy (今週27位)

1週年:Bazzi – Cosmic (今週67位)

 

その他

 

・今週ラジオで伸びた曲

☆Jonas Brothers – Sucker

・Cardi B & Bruno Mars – Please Me

・Marshmello & CHVRCHES – Here With Me

・Lil Nas X – Old Town Road

・Ava Max – Sweet but Psycho

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・Khalid & John Mayer – Outta My Head

 来週アルバム単位で注目を集めそうなのはKhalid。ストリーミングの人気により複数局がHot 100に登場見込み。新曲の中で一番人気が高いのはJohn Mayerとの“Outta My Head”と思われます。

 John Mayerは今週来日公演やっていましたね。

 

・BLACKPINK – Kill This Love

 グループが初めてHot 100に入った“DDU-DU DDU-DU”の時よりもYouTubeやDL等の数字が向上。Hot 100順位もその時よりも高くなるか?

 

・G-Eazy & Blueface feat. ALLBLACK & YG – West Coast

 ビデオ公開でHot 100に接近中。G-EazyとBluefaceのシングルに二人がリミックスで加わったバージョンです。

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

(@Chartdata氏と@Alexanderao氏によるHot 100解説)

 

*1:ビルボードのラジオ系チャートに登場した曲のことを指す

*2:現行のシステムに合わせて50位以上の曲を集計しています

*3:Country Airplayチャートで50位以内まで順位を伸ばせるとより確実性が増しそうです。なぜ50位以内に入る必要があるのか? →“Meant To Be”がHot Country Songsに入ったのもAirplayで50位以上に入ったタイミングでした。これは他のジャンルのラジオチャートで表示されるのは50位以上のため?