チャート・マニア・ラボ (CML)

音楽チャート/ポップス研究家 (自称) 未来のチャートマニア・音楽マニアがニヤッとする記事を作ることが目標! 引用、コメントなどお待ちしております。

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ようこそ!音楽チャートの世界へ!

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みなさん。こんにちは。知っている方も初めての方も、こんにちは!

はじめましてチャー トこと申します!

(ちなみにアンダーバー_は5個)

 

音楽チャート、またポップ音楽について考察していきたい、自称チャート研究者によるブログです。

 

音楽チャート、ポップ音楽のなるべくディープな世界について書いていきたいです。

 

未来のチャート少年がニヤっとできる記事と、新たな音楽の楽しみを提案するような記事、議論のタネになるような記事を作ることを目指しています!!

 

※できるだけミスの無いよう努めていますが、もしミスを発見したらご一報頂けると幸いです。 

 

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 ※画面右(パソコン)や画面下(スマホ)にある「人気記事」の項目もぜひ参考にしてください!

 

Hot 100 10/20 見どころ 【悲願の初!&4年ぶりのトップ10 + Lady Gagaアルバム・シングル両方で好調】

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 今週はシングル&アルバムともに動きが大きかったです!シングルでは3曲が新たにトップ10入り。アルバムリリースのLil Baby + Gunna、Lady Gaga + Bradley Cooperに加えてMarshmello + Bastilleの”Happier"もトップ10入り!Marshmelloは意外にも初のトップ10入り、Bastilleは4年ぶりのトップ10入りです。

 そしてアルバム1位はLady Gaga + Bradley Cooperによる”A Star Is Born"のサウンドトラック。twenty one pilotsなどとの高いアルバム1位争いを制しました。

 

 

☆今週のHot 100 ショートハイライト

Lady Gaga・Bradley Cooperによるサントラがアルバム1位!“Shallow”はシングル5位に浮上

・Lil Baby & Gunnaのジョイント作がストリーミングで大人気。アルバム4位、Hot 100には計8曲が登場。“Drip Too Hard”は4位に浮上

・Halseyの“Without Me”が18位と高い順位に登場

・twenty one pilotsがアルバム2位

・Marshmello & Bastilleの“Happier”がトップ10に浮上

 

・今週のトップ10

―1 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You 

△2 Juice WRLD – Lucid Dreams

△3 Post Malone – Better Now 

△4 Lil Baby & Gunna – Drip Too Hard 

△5 Lady Gaga & Bradley Cooper – Shallow 

―6 Travis Scott – SICKO MODE 

△7 5 Seconds of Summer – Youngblood 

△8 Marshmello & Bastille – Happier 

△9 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It

△10 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz - FEFE

 

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

1~100位までの順位表は↓

 

 

 

曲の個別解説

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 

 

☆81 twenty one pilots – My Blood

 twenty one pilotsが5枚目のアルバム“Trench”をリリース。アルバムチャートではLady Gaga & Bradley Cooperに敗れ1位を獲得できませんでしたが、初週17.5万枚を売り上げ、アルバム1位を獲得した前アルバム”Blurryface”の初週セールスを上回りました。

 アルバムからは3曲がHot 100入り。先行シングルの”Jumpsuit”と“Nico and the Niners”が再登場したほか、現行シングルの”My Blood”が81位に登場しました。

 ストリーミングでも一定の人気があり、ほかのアルバム曲2つがBubbling Under(101位~125位相当のチャート)に入っています

 

◇68 Eric Church – Deperate Man

 Eric Churchが6枚目のアルバム“Desperate Man”をリリース。過去に2回アルバム1位を記録している彼ですが、今週はアルバムチャート争いが熾烈だったこともあり、今回はアルバム5位止まりに。

 アルバムからは表題シングル“Desperate Man”が68位に再登場しています。

 Eric Churchは批評家からの評価が高め。以前2014年にリリースしたアルバム“The Outsiders”は複数の批評サイト(SpinやRolling Stoneなど)の年間ベスト入り。今回のアルバムもPitchforkに7.6点と高く評価されています。(Pitchforkがカントリー歌手を採点すること自体珍しい)

 

◇43 Eminem – Venom

 Eminemの“Venom”がビデオ公開に伴い、43位に再登場。YouTubeで今週3番目の再生数を記録しています。YouTubeの再生数だけでなく、ビデオ公開の効果でダウンロードも上昇しました。(今週DL13位)

 ビデオはいくつか公開しているEminemですが、未だにラジオ用のシングルが選定されておらず、どのシングルもラジオのポイントを得ることが出来ていません。シングルを長持ちさせるためには、ラジオ用のシングルを早く選ぶべきですが、どうするでしょうか。

 

△39 lovelytheband – Broken

 アメリカのインディーポップ・バンドlovelythebandの“Broken”が39位に浮上。自身初のHot 100エントリーでトップ40まで到達しました!

 ヒットの要因はラジオ。元々オルタナティブロック系ラジオで人気の1曲でしたが、その人気がポップ系やアダルトポップ系に飛び火。その複合的な人気によって現在ラジオ総合11位まで浮上しています!アダルトポップ系では今週3位。

 冒頭など曲の各所でかかるサウンドMGMTの“Kids”を彷彿とさせます。

 

☆36 Lady Gaga – I’ll Never Love Again

 今週アルバムチャートを制したLady GagaとBradley Cooperによる“A Star Is Born”のサントラ。収録曲にも注目が集まっており、先行シングル”Shallow”が5位まで浮上したほか、4曲がHot 100に新登場。

 Lady Gagaソロの“I’ll Never Love Again”が36位、”Always Remember Us This Way”が41位、”Is That Alright?” が63位に登場。そしてBradley Cooperソロの ”Maybe It’s Time”も93位に登場。

 今週のダウンロード1位~4位は全てLady Gagaの楽曲です。(Bradley Cooperのソロは今週ダウンロード6位。DL5位はHalseyの“Without Me”)

 

 このアルバムは今週計23.1万枚(相当)を売り上げました。うち16.2万枚が純セールスで、3.7万がストリーミング、3.3万がシングルDLでした。(アルバムチャートは現在この3部門で集計されている) 来週のアルバムチャートでも1位見込みです。

 セールスやシングルDLも高いですが、ストリーミングもなかなか優秀な成績で、女性による非ラップアルバムとしてはかなり高い数字だと思います。

 

※参考 高いストリーミングを記録した女性によるアルバム

 

1 Cardi B – Invasion of Privacy :13.5万枚相当 (2.02億再生)

2 Nicki Minaj – Queen :9.7万枚相当 (1.28億再生)

3 Ariana Grande – Sweetener :9.7万枚相当程度 (1.26億再生)

4 Beyoncé – Lemonade :7.7万枚相当 (1.15億再生)

5 The Carters(Beyoncé + Jay-Z) - Everything Is Love :4.9万枚相当 (不明)

6 Camila Cabello – Camila :3.8万枚相当 (不明)

7 Lady Gaga & Bradley Cooper – A Star Is Born :3.7万枚相当 (不明)

 

ビルボードは再生数だけ出すことや、枚数換算の数字だけ出す場合があり、片方の数字が分からないケースがある。2018年7月以降はストリーミングの計算方法が少し変わったため、ストリーミング数と枚数換算が時期によって微妙に違う

 

※来週のチャートで集計されるElla Maiも4~5万枚相当分のストリーミング数を稼ぐ見込み。(再生数に直すと6000万前後 程度)

 

△35 Panic! At The Disco – High Hopes

 Panic! At The Discoの“High Hopes”が35位まで浮上!2006年の”I Write the Sins Not Tragedies”(7位)、2015年の”Hallelujah”に次ぐキャリア通算3曲目のトップ40です!

 ポップ系~オルタナティブ系などのラジオで好調。ほかDLやストリーミング(主にSpotify)でもなかなかの好成績を出しています。

 この曲はアメリカ以外の国でも好調。オーストラリアでは最高7位、イギリスでは12位、ドイツでは25位まで達しています。

 

☆25 6ix9ine feat. Bobby Shmurda – Stoopid

 6ix9ineの新曲“Stoopid”が25位に登場。客演のBobby Shmurdaは現在獄中のため、電話音声での参加。シングルのジャケにも電話が描かれています。プロデューサーは今最も勢いがあるTay Keith。

 この曲は主にストリーミングで好調。YouTubeでは今週最も高いストリーミング数(1340万)を記録。

 

※Bobby Shmurdaは2014年の“Hot N***a”(6位)、”Bobby Bitch”(92位)に次ぐ3回目のHot 100エントリー

 

☆18 Halsey – Without Me

 Halseyの“Without Me”が18位に登場。かなり好調なスタートを切っています。DLで高い数字を記録しているほか、ストリーミングでも好調。

 ポップ系ラジオで順調に数字を伸ばしており、将来的なトップ10入りに期待を持てそう。同じくbenny blanco・Khalidとの“Eastside”も将来有望。

 

☆15 Lil Baby & Gunna feat. Drake – Never Recover

 Lil BabyとGunnaがジョイントアルバム“Drip Harder”をリリース。純粋なセールスは6000枚のみながらも、ストリーミングでかなりの数字(12.1万枚相当)を記録しアルバムチャートで4位に食い込みました。

 Hot 100には8曲がエントリー。今週4位まで浮上した先行シングル“Drip Too Hard”のほか、Drakeとのコラボ”Never Recover”などが新登場。この曲も”Stoopid”と同じくTay Keithプロデュース。ほか”Close Friends”(今週28位)などが人気。

 

△8 Marshmello & Bastille – Happier

 MarshmelloとBastilleの“Happier”が8位に浮上!Marshmelloはついに初のトップ10到達。Bastilleは”Pompeii”以来4年ぶりのトップ10。

 Marshmelloは昨年終盤あたりから既にストリーミングでは高い人気がありましたが、なかなかHot 100でトップ10入りできず。それらはラジオでの再生数がいまいち伸び切らなかったことが理由として考えられます。今回のシングルではラジオ側がMarshmello人気の向上を認知し、リリース後すぐにラジオでも人気に。ストリーミング人気・ラジオ人気が同じタイミングで上昇することにより、ポイントを効率よく上げて遂にHot 100のトップ10に到達することができました。

 また、Bastilleの効果でMarshmelloが今まであまり縁のなかったオルタナティブロック系ラジオでかかっていることも大きいと思います。

 

△5 Lady Gaga & Bradley Cooper – Shallow

 Lady Gaga+Bradley Cooperの“Shallow”が5位まで到達!Lady Gagaにとっては15曲目、Bradley Cooperにとっては初のトップ10に。

 アルバム(“A Star Is Born”サントラ)のリリースによって注目度が上昇したことがトップ10入りの要因。元々高かったダウンロードやストリーミングの数字が伸びました。

 Spotifyでは特に好調で、現在トップ10まで突入。USのストリーミングではラップ1強状態が続いているので、非ラップによるトップ10入りは大健闘。この勢いが続くでしょうか!

 2016年リリースの“Joanne”からのシングルは苦戦続きでしたが、思わぬ形でLady Gagaが華麗な復活を遂げたといえます。サントラからの1曲なのでそこまでヒットは意識していなかったと思いますが、Lady Gagaの底力みたいなものが響いて人気が出たのでしょうか!この”Shallow”でのLady Gagaの力強いボーカルはたしかに魂のようなものを感じます。

 

△4 Lil Baby & Gunna – Drip Too Hard

 Lil BabyとGunnaの“Drip Too Hard”が4位にまで浮上!Lil BabyはDrakeとの”Yes Indeed”(=6位)を超えてキャリアピークを更新、Gunnaにとっては初のトップ10入りに。

 人気の要因はほとんどストリーミング。今週Apple Music、Spotifyの両方で1番人気となりました!元からストリーミングで人気がありましたが、アルバムリリースでその人気にさらに高まりました。ストリーミングではアルバムリリースが曲の人気向上に寄与することが多く見られます。

 

 

▽× Lil Wayne feat. Sosamann – What About Me

 先週Hot 100に22曲がエントリーしたLil Wayneでしたが、今週6曲まで減少。先週24位だった“What About Me”のようにトップ40圏内に入っていた曲でも今週チャートから外れてしまいました。

 また、先週はトップ10に4曲が入っていましたが、今週はそれらが全てトップ10圏外に落ちてしまいました。

 2週目で大きく数字を落としてしまったのはアルバムの曲数が多く、人気が分散してしまうこと等が理由でしょうか。このアルバムは「待望のリリース」だったので、最初の週は「ご祝儀」的なストリーミングも一部あったのかもしれません。

 また今週Machine Gun Kellyの“Rap Devil”もチャート圏外に。ピーク13位、チャート滞在は4週。登場時の順位が高くても、シングルとして「人気をキープするためのサポート」を受けないとすぐにチャートを落ちていくケースが近年多発しているので、仮に高い順位で登場したとしても油断は大敵です。

 

 

今週チャートから外れた曲 (19曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Jason Aldean feat. Miranda Lambert – Drowns The Whisky (🗻32位 /⏰16週)

93 Avril Lavigne – Head Above Water (🗻64位 /⏰2週)

90 Lil Wayne feat. Nivea – Dope New Gospel (🗻90\位 /⏰1週)

86 Lil Wayne – Perfect Strangers (🗻86位 /⏰1週)

81 Lil Wanye – Demon (🗻81位 /⏰1週)

79 Machine Gun Kelly – Rap Devil (🗻13位 /⏰4週)

78 Lil Wayne – Used 2 (🗻78位 /⏰1週)

76 Lil Wayne feat. Ashanti & Mack Maine – Start This S**t Off Right (🗻76位 /⏰1週)

75 Lil Wayne – Let It All Work Out (🗻75位 /⏰1週)

74 Lil Wayne – Mess (🗻74位 /⏰1週)

65 Lil Wayne – Took His Time (🗻65位 /⏰1週)

62 Lil Wayne – Open Safe (🗻62位 /⏰1週)

59 Lil Wayne – Hittas (🗻59位 /⏰1週)

57 Lil Wayne – Problems (🗻57位 /⏰1週)

47 Lil Wanye – Open Letter (🗻47位 /⏰1週)

39 Lil Wayne feat. Snoop Dogg – Dope N****z (🗻39位 /⏰1週)

36 Lil Wayne feat. Reginae Carter – Famous (🗻36位 /⏰1週)

26 Lil Wayne feat. Nicki Minaj – Dark Side of the Moon (🗻26位 /⏰1週)

24 Lil Wayne feat. Sosamann – What About Me (🗻24位 /⏰1週)

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

🎫=チケットとCDを絡めた戦略を展開(CD購入でチケット割引・先行購入など)

👕=アーティストのグッズとCDを絡めた戦略 (シャツにCDがおまけで付くなど)

 

1 Lady Gaga & Bradley Cooper – A Star Is Born (Soundtrack)

2 twenty one pilots – Trench

4 Lil Baby & Gunna – Drip Harder

5 Eric Church – Desperate Man

6 Steve Perry – Traces

7 for KING & COUNTRY – Burn The Ships

13 T.I. – Dime Trap

14 Coheed And Cambria – The Unheavenly Creatures

17 Sheck Wes – Mudboy

29 Ice Nine Kills – The Silver Scream

36 Lany – Malibu Nights

48 Gregory Alan Isakov – Evening Machines

53 Lindsey Buckingham – Solo Anthology: The Best of Lindsey Buckingham

57 Mozzy – Gangland Landlord

59 Matt Nathanson – Sings His Sad Heart

66 Quavo – Quavo Huncho (!?)

70 Dave East & Styles P – Beloved

85 Behemoth – I Loved You At Your Darkest

87 Phora – Love Is Hell

96 Cat Power – Wanderer

127 High On Fire – Electric Messiah

129 Atmosphere – Mi Vida Local

184 GUNSHIP – Dark All Day

 

※Quavoのアルバムがチャートに反映されるのは来週のはずなのですが、ややフライング気味にリリースされ、その短い間にDLやストリーミングを一定数記録して今週にランクインしたということでしょうか。来週アルバムチャート3位前後の見込み

 

来週以降の動向など

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・Bad Bunny feat. Drake - MIA

Kodak Black feat. Travis Scott & Offset - ZEZE

 ストリーミング等で高い成績をキープする2曲。いずれも来週のHot 100でトップ10圏内でデビューする可能性あり。

 

・Juice WRLD – Black & White

 ラジオにおけるJuice WRLDのシングルは現在“Lucid Dreams”ですが、今回公開されたビデオは”Black & White”。このビデオ公開にともない、Apple Music・Spotifyの各ストリーミングではこの“Black & White”の再生が上昇中。ビデオ公開によってシングルが決まっているかのような状況です。

 ラジオとストリーミングはヒットのサイクルの早さが違うため、それぞれに合った速度でシングルを切り替えていくのはなかなか賢い戦略だと思います。

 Juice WRLDはFutureとコラボした“Fine China”も近いうちのHot 100入りの可能性あり。

 

BTS – FAKE LOVE

 FAKE LOVEの日本語バージョンが今週リリース。一般的に日本語バージョンは日本向けのシングルなのですが、BTSには世界的に熱心なファンがいることから、「日本語バージョン」であろうが、新曲をダウンロードする使命感を持った人も多く、一時期アメリカのiTunesシングル6位まで浮上していました。

 Hot 100に再登場するほどの規模でもないですが、面白い現象です。

 

BTSの日本オリジナルシングル、“Don’t Leave Me”はおそらく日本語歌詞の曲で最もSpotifyグローバルのチャートで最も高い順位を記録した曲だと思われます。

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

 

 

・ビルボードの報道の傾向:トップ○○「デビュー」の記録強調に関する疑問について

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 先日、Lil Wayneがリリースしたアルバム“The Carter V”がアルバム・シングル両方のチャートで圧倒的な成績を残しました。その時のビルボードの報道の仕方について感じることがあったので、記事にしました。

※ ちょっとマニア向けな記事かもしれません。

 

 

Maroon 5 & Cardi B's 'Girls Like You' Leads Hot 100 for Third Week, Lil Wayne Is First to Debut Two Songs in Top Five

 

Maroon 5とCardi Bによる“Girls Like You”が3週にわたりHo 100をリード、そしてLil Wayneは初めてトップ5に2曲をデビューさせたアーティストとなった」

 

 これは先週(2018/10/13)のHot 100のトップ10の内容を伝える記事のタイトルです。この週のHot 100のトップ10は以下の通りです。

 

―1 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

☆2 Lil Wayne feat. Kendrick Lamar – Mona Lisa

▽3 Juice WRLD – Lucid Dreams

▽4 Post Malone – Better Now

☆5 Lil Wayne feat. XXXTENTACION – Don’t Cry

―6 Travis Scott – SICKO MODE

☆7 Lil Wayne – Uproar

△8 5 Seconds of Summer – Youngblood

▽9 Drake – In My Feelings

☆10 Lil Wanye feat. Travis Scott – Let It Fly

 

※ ―=順位キープ △=上昇 ▽=下降 ☆=新登場

 

 このようなチャートのトップ10に対し、ビルボードは2位と5位に注目。そこに「デビュー」という情報を追加し、「初の記録だ!」と声高に叫んでいます。

 純粋に「トップ5圏内に複数曲」ならば、歴代にいくつでもある記録(例えば、1位・2位同時支配でも歴代で20回以上ある)なのですが、そこに「デビュー」というオプションを付けることで、史上初の記録に「仕立て上げる」ことが可能になります。

 ビルボードはこのような○○デビュー(特にトップ10デビュー)に関する記録を重要視しているように思います。

 例えば、この記事の後半では

Lil Wayne becomes the fifth act to have debuted multiple songs in the Hot 100's top 10 simultaneously, joining Ed Sheeran, Drake, J. Cole and Scott.

 と記述し、「トップ10圏内で複数曲がデビューする」ことが特殊な記録と見立て、この記録への「仲間入り」を果たしたとしています。(ちなみにEminemもこの記録を達成しているので、正式には6人目の記録達成)

 他にもビルボードが管理するチャート情報発信アカウント、@Billboardchartsではこの「デビュー」に関する細かい記録を発信しています。

 

 

 

 今回、考えていくのはビルボードが「トップ○○デビュー」を強調すること に関する是非についてです。

 

 まず、「トップ○○デビュー」(特にトップ10デビュー)とはいかなるものか?ということから説明します。

 

・トップ10デビュー

 「トップ10デビュー」とは、Hot 100の登場初週からトップ10圏内にエントリーするということ。アメリカではラジオを通して曲が人々に浸透していき、次第にヒットする……という流れが習慣化しているので、多くの曲はいきなりトップ10圏内では登場せず、次第にチャートを上昇し、何週かをかけてトップ10までに到達するのですが、一部の「曲のリリースだけで注目を集められる」ような超ビッグなアーティストは、そのリリースへの反応(セールス、最近だとストリーミング)で大きく数字を稼いで、いきなりトップ10デビューをすることが可能なのです。

 この現象は1995年頃からいくつか発生しています。以下が1995年~2018年における、「トップ10デビュー」を果たした曲の数です。

 

 

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 これらは大きく4つの時代に分けることが出来ると思います。

① 1995年~1998年:ラジオCD分離期

② 1999年~2006年:アメリカンアイドル期  

③ 2007年~2015年:ダウンロード期

④ 2016年~2018年:ストリーミング期 

 

① 1995年~1998年:ラジオCD分離期

 ビルボードはHot 100をかつて「シングル」チャートと捉えており、この時期まではCD、マキシシングルなどの形で「シングルカット」された曲のみをHot 100集計の対象としていました。しかし、このようなシングルカットが「アルバムのセールスと共食いになってしまう」と考え出してアーティスト・レーベルが現れ始めました。

 その対策として、「ラジオで多くかかっているのに、CDなどがない」という手段がとられました。このことにより、ラジオで聴いたあの曲を買うにはアルバムを買わなければいけなくなります。この代表例として挙げられるのは、No Doubtの”Don’t Speak”(ラジオ16週制覇)やGoo Goo Dollsの“Iris”(ラジオ18週制覇)などです。

 本来ラジオ+セールスでバランスよくポイントを獲得しないとHot 100上位にはエントリーしませんが、ラジオで人気な曲がCDカットせず、シングルとみなされずHot 100上位に入らないので、代わりにセールスが高い曲が上位にランクインできたのだと思われます。

※セールスはリリース後すぐ伸びる可能性があるが、ラジオは少しずつしか上昇しない(山なりの孤道を描くように上昇する)

 

 このラジオCD分離現象が目立った1995年~1998年において、多くの「トップ10デビュー」が発生しましたが、ビルボードは1998年末にルールを改定。ラジオのみでヒットしている曲もHot 100に入るようにしたのです。これによってしばらく「トップ10デビュー」は減りました。

 

② 1999年~2006年:アメリカンアイドル期  

 ①で述べたルール改定によって、しばらくは「トップ10デビュー」はあまり見られなくなりました。この時期における数少ない「トップ10デビュー」は主にアメリカンアイドルの曲によるものでした。主に2000年代半ばに人気が高かったこの番組は、多くのアメリカ国民の心を掴み、国民的イベントとなりました。その注目度がセールスに昇華され、関連曲は毎週高い順位でデビューしていました。Clay Aiken、Fantasia、Carrie Underwood、Taylor HicksらはHot 100で1位デビューを成し遂げています。

 ただし、この中には息が長く続かない曲も一部ありFantasiaの“I Believe”はHot 100の1位に立ちながらも、年間チャートに入れなかった歴代唯一の曲という記録を持っています。

 

③ 2007年~2015年:ダウンロード期

 しばらくは見られなかった「トップ10デビュー」でしたが、iTunesなどダウンロード消費の上昇によって再び増加しはじめます。店頭に出向いてCDを購入することに比べると、ダウンロードは圧倒的にラクな上に安いく、購入のハードルが低いのでその時の「熱狂」がすぐに数字に反映されるということが特徴的です。

 2008年~2013年までは、このダウンロード増加にともない毎年10件以上の「トップ10デビュー」が見られました。しかし、2014年に入り、アメリカにおけるダウンロードが落ちてくると一旦はこの「トップ10デビュー」が減少していきました。

(※アメリカにおけるダウンロードのピークは2012年 ソース:U.S. Sales Database - RIAA

 

④ 2016年~2018年:ストリーミング期 

 このダウンロード減を補ったのはストリーミングでした。ダウンロードと同じように、「手軽さ」が持ち味のストリーミングは、リリース直後の「熱狂」をすぐに反映させることが可能で、2016年には多くの曲がストリーミングのポイントを活かして「トップ10デビュー」を成し遂げました。

 ストリーミングでは従来とやや違うテイストのアーティストが評価されることもあり、2016年に今まで1曲もトップ10に入ったことが無かったJ. Coleが“Deja Vu”がいきなり7位でデビューしたことがその象徴のように思います。

 

 現在もこのような傾向が続いていますが、2018年に入ってからはこの現象が加速していきました。それは、「ストリーミングによるアルバム人気」によるものです。現在(特にアメリカで)ストリーミングでは曲をアルバムで聴く傾向が強くなっていて、ストリーム数がアルバムリリース時にピークを迎えることが多いです。(アルバム聴きに関する調査記事の例です:アメリカのSpotifyのみで「1日100万円」を稼いだ?曲たち ~アルバムの時代?~ - チャート・マニア・ラボ (CML)

 そのことにより、アルバムのメインシングルではない、「一般のアルバム曲」ですらHot 100のトップ10デビューを成し遂げることが可能になったのです!2018年は「一般のアルバム曲」または「アルバムアーティストのシングル」が多くトップ10デビューしたことにより、10/13時点で35件と、今までになく多くの「トップ10デビュー」が生まれました。

 

 

ビルボードの「トップ○○デビュー」(多くはトップ10デビュー)報道について

 次いで、このトップ10デビューをビルボードがどのように報じてきたか、について軽く説明します。この○○デビューが目立ち始めた(と個人的に感じた)のは2017年頃からです。

 2017年の1月、Ed Sheeranが“Shape of You”・”Castle on the Hill”が同時にトップ10圏内にデビューします。これは画期的なことで、史上初の「同時複数曲トップ10デビュー」だったのです。一曲を集中的にプロモーションし、狙ったシングルのDLを高めるダウンロード時代の戦略と違い、曲をリリースすればリスナーが自由に選べるストリーミング時代においては、複数曲が注目を集める場合があります。

 この記録は「ストリーミングの申し子」のようなもので、大変興味深い記録だったと思います。

 しかしストリーミングで「アルバム聴き」が一般化し、この「同時複数曲トップ10デビュー」が頻発するようになり、次第に陳腐な記録となっていきます。2018年5月に起こったJ. Coleによる「史上最多の同時3曲トップ10デビュー」は少し面白かったですが、連日ビルボードによって報道される「珍しい複数トップ10デビュー!」のようなものに私は少しずつ疑問を持つようになりました。たしかに、歴代では珍しい記録ですが、最近ではかなり陳腐な記録だからです。

 そして、今週の「Lil Wanyeが史上初のトップ5複数デビュー」でその疑問がかなり大きくなったので今回その件についてまとめようと思ったのです。なぜそこまで「デビュー」の記録にこだわるのか?と感じるのです。

 

 

論点

1 複数の要素を組み合わせすぎたニッチな記録であること

 「Lil Wanyeが史上初のトップ5複数デビュー」 この記録は「史上初」ですが、「デビュー」という言葉を取ってしまうと一気にありふれた記録になります。デビューにこだわらなければ、1位2位同時支配の記録でさえ歴代で20件以上あったので、時期にこだわらない「トップ5に複数曲」はそれ以上に多く存在することが分かります。

 さらには、トップ10と比べるとややマイナーなトップ“5”という概念を使っている点もやや気がかりです。「トップ10に4曲デビュー」だと今年Drakeも達成した記録で、史上初にならないので、トップ“5”にしたのだと思われます。

 つまるところ、この記録は「デビュー」と「トップ“5”」というややイレギュラー基準を二つ持ち出して生み出されたニッチな記録というのが私の感想です。トップ“5”の方だけならばまだしも、「デビュー」というここ数年のみに頻発する基準を使って「歴史的記録!」というのは、記録を必死に「作りに行っている」という印象を受けました。

 

 この記録が史上初で、今までに見られていないような音楽の聴き方がされているのは事実ですが、記録がニッチに絞られすぎていて「史上初で歴史を作り上げた!」と言われるとオーバーな表現なように感じてしまいます。

 

 

2 アルバム曲その3、4あたりはチャートに残る「体力」が無いことが多い

 2018年に「トップ10デビュー」が増えたのは、「アルバム聴き」が強いことが理由であると説明しました。それによって「非シングル」でもトップ10に入ることができるのですが、「非シングル」はアルバムリリース以降「放置」されてしまうので、アルバムリリースされてから時間が経つと順位をどんどん落としてしまうのです。 

 ストリーミング数はアルバムリリース直後にピークを迎えますが、時間が経つと少しずつ再生数が落ちていきます。それを対策するために人気曲は「シングル」にしてラジオ・ビデオなどを駆使して人気キープに務めます。しかし、何曲もシングル化できないので、アルバムリリース時に複数曲が人気だったとしても、結局長く生き残るのは1~2曲だけということも多いです。

 例えば、先週Lil Wayneの曲が2位、5位、7位、10位でデビューしましたが、今週のチャートでは全てトップ10圏外に落ちてしまいました。このケースはかなり下降の具合が激しいですが、そうでなくともアルバムの2番人気以降はシングルに選ばれないことも多く、最終的にチャートに残る「体力」が無いケースが多いのです。

 

 そしてビルボードは、チャートを「今後伸びる曲を発見するツール」とみなしているのか、逆にこれから落ちる曲に注目することがあまりありません。個人的には曲がチャートを落ちた時、最終的にどのような成績だったのか?ということを振り返るのは大切なことだと思っているのですが、ビルボードがこれをやることはめったにありません。(年間チャートくらい)

 このようなことから、デビュー時は大きく報じられた割に、最終的にはそこまでヒットにならないケースが増えてきているのです。しかも、ビルボードはその「最終的にどうだったのか」ということにほとんど注目をしないので、報道上では「その曲はヒットのままで終わった」ということになってしまいます。

 

 このように記録を大いに盛り上げるのは良いですが、それならば「最終的にどうなったのか?」ということをセットで報じる必要性が高いと感じています。

 幸い、年間チャートでは「最終的にどうなったのか?」ということを分かりやすく理解できるので、チャートが乱高下する昨今において、年間チャートの重要性が高まっていると私は感じています。(年間チャートの発表は毎年12月半ばです。 ちなみに今年は週のトップ10に入りながらも、年間チャートに入らない曲が歴代最多になるのでは?と考えています)

 

 他にこの問題を解決する方法として、「チャートのルール改定」も手段として存在します。

 Hot 100の集計においてラジオの比重を上げて、新曲がいきなりトップ10に入りづらくする、という方法です。これならば後に落ちる曲が初週のみトップ10に入る、のようなことが減ると思います。

(この問題を鑑みずとも、近年急落しているDLがHot 100では最重要の項目になっているので、比率を直すことは必須だと思っています。 数字が低いのにも関わらず、最重要視されているので、相対的に少ない労力でチャートを動かすことができる)

 

 

さらなる考察

 

 ビルボードのHot 100集計比率など、チャートに関してはよく練られていると感じることが多いですが、そのせっかくのチャートをうまく報道できていないな、と個人的に感じることが多いです。他にも、重要なチャートの3位よりもマイナーなチャートの1位を優先して報道する点、チャートを上昇する曲「のみ」に注目してチャートを落ちる曲には注目しない点など、ビルボードのチャートの報道の仕方には疑問符が付く部分もあります。

 今回の「トップ○○デビュー」以外にも、ビルボードは頭をフル回転させ、さまざまな制約をつけて意地でも”First”、つまり「史上初」を付けにいこうという姿勢が伺えます。そうやって大きく「盛った」ほうが注目を集めるからだと思います。

 

 私は音楽チャートを信頼し、ビルボードのことをまるで学術機関のように扱っていますが、ビルボードはその前に「金を稼がなくてはいけない企業」でもあるのです。そのことから、記事を通してアクセスを稼ぐ必要があり、記録をうまく盛り上げることは大切なことなのです。注目を集めないことにはチャートが存続しない、という未来もあるのかもしれません。

 

 でもそれはやはり、せっかくのチャートを活かせていないように個人的には感じることもあり、1マニアとしては不満を感じることもあるのです。(私が考えすぎな気もしますが。オタク特有の早口……)

 その熱量を記事執筆等に変換し、私はこれからも「チャートはこう見ると良いですよ!」のような活動を地道に続けていきたいと思います。

 音楽チャートはどれも複雑で難しいなと思うこともあるのですが、それが逆に面白さに繋がっている部分もあるとも思うので、このブログ等での発信を通じて、音楽チャートに興味を持つ人が増えたら幸いです。

 

 

・おまけ 今年ビルボードTwitterで「歴史的」と称した出来事一覧

 

 ビルボードTwitterで何を「歴史的」と称したかを調査しました。ビルボードのツイートで”History”の入ったツイートを抜き出し、そのうちチャート関連の物を取り上げました。

 Drakeのアルバム関連の記録が入っていないなど、全部の記録をHistoryと称している訳ではないようですが、この“History”として取り上げているものを見ることで、ビルボードは何を報道したがるのか?ということが垣間見えるように思います。

 

 

・Lil Wayne 史上初のトップ5に2曲デビュー (2回配信)

Carrie Underwood女性カントリー歌手として最多のアルバム1位

・Drake 同じ年における累計1位週数を更新 (29週)

Eaglesの“Their Greatest Hits 1971-1975”が史上最も売れたアルバムに

・Meant To BeがHot Country Songsでの1位滞在が歴代最長に (2回配信)

・Meant To BeがHot Country Songsでの1位滞在が歴代最長タイに

・Camila Cabelloが史上初めてデビューアルバム最初の2シングルでPop & Adult Pop系ラジオを制する

・BLACKPINKが韓国語で歌うガールズグループとしては初のHot 100

・Florida Georgia Lineが史上初めてHot Country Songsのトップ10に3曲エントリー 

Kanye Westが歴代最長タイの8連続アルバム1位 (後にEminemに抜かれる)

・Imagine Dragonsが史上初めてアルバムから3曲がAlt、HAC系統のラジオ両方を制す 

・Meant To BeがHot Country Songsでの1位滞在がデュオで歴代最長に(2回配信)

・Imagine Dragonsの曲が4曲1年以上Hot 100に滞在=史上最多

・J. Coleが史上初めてトップ10圏内に3曲が「デビュー」する

BTS・EXO・NCTがSocial 50トップ3支配。K-Popがトップ3を支配するのは史上初

BTS・EXO・Wanna One・Got 7 4組がSocial50のトップ10に入る (3回配信)

・Bruno MarsがUsherを抜いて男性としてラジオ最多1位を記録 (2回配信)

・MigosがHot 100に14曲同時エントリー グループとして史上最多タイ

・Cardi B、最初のHot 100エントリー3曲が全てトップ10入り (ラッパーとして初)

 

 

Hot 100 10/13 見どころ 【Lil Wayne、圧倒的なアルバム1位・シングルに選ばれた曲は?】

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  Lil Wayneが圧倒的な成績でアルバムチャートを制覇!歴代で2番目に多いストリーミング数=4億3300万再生 を記録。Hot 100にも22曲が登場しました。

  その中でシングルに選ばれるたのは"Uproar" ↑の画像はLil Wayneと、そのUproarでプロデューサーをつとめるSwizz Beatz。 (2人がコラボした"Pistol On My Side"のビデオより)

 

☆今週のHot 100 ショートハイライト

・Lil Wayneがアルバム1位。ストリーミングでは歴代2位の再生数=4億3300万を記録

・そのアルバムから“I Love You Dwayne”を以外の全22曲がHot 100入り。”Mona Lisa”は2位に登場

・大量エントリーの裏で、多くの曲がチャートから外れました。Drakeの“God’s Plan”や”Nice For What”、超ロングヒットの“Perfect”など。The Cartersの”Ape**t”やNicki Minajの“Barbie Dreams”は不完全燃焼(チャート滞在が20週未満)でチャートから去る

 

・今週のトップ10

―1 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

☆2 Lil Wayne feat. Kendrick Lamar – Mona Lisa 

▽3 Juice WRLD – Lucid Dreams

▽4 Post Malone – Better Now

☆5 Lil Wayne feat. XXXTENTACION – Don’t Cry 

―6 Travis Scott – SICKO MODE

☆7 Lil Wayne – Uproar 

△8 5 Seconds of Summer – Youngblood 

▽9 Drake – In My Feelings

☆10 Lil Wayne feat. Travis Scott – Let It Fly 

 

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

 

1~100位までの順位表は↓

 

 

曲の個別解説

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 

 

◇99 Shawn Mendes & Zedd – Lost In Japan

 Shawn Mendesの新シングル“Lost In Japan”が99位で再登場。シングル化に伴い、Zeddと連名のシングルになりました。

 二人ともポップ系のラジオでの人気が高く、今後ラジオでの上昇に期待が持てます。

 

☆56 Kodak Black – If I’m Lyin, I’m Flyin

 Kodak Blackの久々のシングル“If I’m Lyin, I’m Flyin”が56位で登場。8月の出所後、初の自身のシングルです(客演としては2週間前にGucci Mane、Bruno Marsとの”Wake Up in the Sky”をリリース) 各種ストリーミングで人気を集めています。

 この曲は1974年にリリースされたPonter Sistersの“Easy Days”という曲をサンプリングしています。

 

☆36 Lil Wayne feat. Reginae Carter – Famous

 今週Lil Wayneがアルバム1位に輝きました!48万枚相当という圧倒的な数字でのアルバム1位です。(Drake、Travis Scottに次いで今年3番目に高い数字)48万枚のうち、純セールスは14.1万、ストリーミングは32.5万、シングルDLは1.4万でした。(現行アルバムチャートはこの3つの指標を合算して「実質売り上げ」として計上されている)

 このアルバムは初週だけで4億3300万再生を記録!Drakeの“Scorpion”の7億4590万再生に次いで、歴代で2番目に高いストリーミング数を記録しています。23曲と収録曲が多かったことも、ストリーミング数の高さに寄与していると思われます。

 5年越しのリリースということで、5年分の期待感がリリースで一気に爆発した、ということでしょうか。

 そのストリーミングの人気が反映される形で、 “I Love You Dwayne”を除く全22曲がHot 100に登場。

  

No. 2, "Mona Lisa," feat. Kendrick Lamar

No. 5, "Don't Cry," feat. XXXTentacion

No. 7, "Uproar"

No. 10, "Let It Fly," feat. Travis Scott

No. 14, "Dedicate"

No. 17, "Can't Be Broken"

No. 24, "What About Me," feat. Sosamann

No. 26, "Dark Side of the Moon," feat. Nicki Minaj

No. 36, "Famous," feat. Reginae Carter

No. 39, "Dope N****z," feat. Snoop Dogg

No. 47, "Open Letter"

No. 57, "Problems"

No. 59, "Hittas"

No. 62, "Open Safe"

No. 65, "Took His Time"

No. 74, "Mess"

No. 75, "Let It All Work Out"

No. 76, "Start This S**t Off Right," feat. Ashanti & Mack Maine

No. 78, "Used 2"

No. 81, "Demon"

No. 86, "Perfect Strangers"

No. 90, "Dope New Gospel," featuring Nivea

 

 一部懐かしいアクトが客演に。Ashantiは2009年以来の、Niveaは2005年以来のHot 100入りになりました。

 また“Famous”で登場するReginae CarterはLil Wayneの娘です。そのReginae Carter、そして”What About Me”で客演を務めるSosamannは初のHot 100入りです。

 

☆28 Lady Gaga & Bradley Cooper – Shallow

 Lady GagaとBradley Cooperが組んだ“Shallow”が28位で登場。高いDLを記録しています。来週のチャートではアルバムのリリースが反映され、ストリーミングの指数が伸びる見込み。DLも高い数値をキープしていることから、トップ10入りの可能性があります。

 この曲はミュージカル映画“A Star Is Born”のサウンドトラックからの1曲。このサウンドトラックは来週のアルバムチャート1位が有力視されています。(ライバルはTwenty One PilotsやLil Baby + Gunna)

 

☆27 DJ Snake feat. Selena Gomez, Ozuna & Cardi B – Taki Taki

 DJ SnakeがSelena Gomez、Ozuna、Cardi Bを迎えて制作したラテン風の1曲、“Taki Taki”が27位で登場。ストリーミングで人気を集めているようです。Ozunaだけでなく、Selena Gomez(父親がメキシコ系)、Cardi B(父親がドミニカ人)もラテンのルーツを持っています。

 Ozunaは“Te Boté”を超えて自己最高位を更新しています。

 

 Ozunaのヴァースで”Booty explota como Nagasaki”、つまり「長崎のように爆発するケツ」という歌詞があります。日本人目線ではかなりビックリする、なんとも悲しくなるフレーズですが、あまり海外のサイト・日本のサイトの両方でこの歌詞について取り上げられている様子がありません。

 次のヴァースでは” Prende los motores Kawasaki”=カワサキのようにエンジンをつける と再び日本語の名詞が登場。ラップでは定番の「バイクのカワサキ」を指しています。

 最近の曲では他にもLil Skiesの“Red Roses”、Tygaの”SWISH”などでこの「バイクのカワサキ」が歌詞に登場します。

 

△13 Marshmello & Bastille – Happier

 Lil Wayneのアルバム曲大量登場の影響で、既存の曲がほとんど順位を落とす中、ラジオで好調をキープする2曲、“Happier”(15位→13位)、”Youngblood”(10位→8位)だけは順位を上げました。(ほか”Girls Like You”、“SICKO MODE”、”Drip Too Hard”の3曲は先週の順位をキープ。それ以外の曲は全て順位を落としています)

 ラジオの伸び幅が大きく、さらにそれに伴いDLも上昇中の“Happier”は近いうちのトップ10入りが有望です。

 トップ40ヒットを5曲も量産しているMarshmelloですが、トップ10は意外とまだ経験なしです。 Bastilleは2014年に”Pompeii”が5位まで到達していました。

 

☆7 Lil Wayne – Uproar

 アルバム曲が22曲もHot 100に登場し、さらにうち4曲はトップ10入り。10位にTravis Scottとの“Let It Fly”、7位に”Uproar”、5位にXXXTENTACIONとの“Don’t Cry”、そして2位に”Mona Lisa”がランクイン。

 今週一番順位が高いのは“Mona Lisa”なのですが、今後注目を集めそうなのは7位の”Uproar”です。

 今後ラジオでかかる「シングル」はこの“Uproar”のようです。既に今週Hip-Hop / R&B系ラジオチャートの30位に登場しています。一部では”Uproar Challenge”なるものもあるようで、ヒットに寄与するかもしれません。

 現在Instagramにおける #Uproarchallengeの投稿数は15,200件、#Uproarの投稿数は31,900件です。チャレンジのルールは、Lil Wayneの出だしのフレーズに合わせて体をクネクネすること、みたいです。

 

 

 

☆2 Lil Wayne feat. Kendrick Lamar – Mona Lisa

 Lil Wayneのアルバム曲の中で最も高い順位で登場したのはKendrick Lamarとの“Mona Lisa”。圧倒的なストリーミングに加え、DLも一定の数字を記録し高い順位での登場となりました。ここ数週Hot 100のトップ10の指数がデフレ気味なことも密かな要因です。

 今回のアルバムの大ヒットで、Lil Wayneはキャリア通算トップ10曲数を24まで伸ばしました。Kendrick Lamarはキャリア通算8曲目のトップ10。

 

※Lil Wayneの連続年間チャート入りについて

 Lil Wayneは2005年に で年間チャートトップ100に入って以降そこから13年連続で何らかの曲を年間チャートに送り込み続けています。

 今年はまだ年間チャートに入りそうな曲が無いので、この“The Carter V”の曲が何かしら年間チャートに滑り込むことに期待がかかります!

しかし、今年の年間チャートの集計が残り7週(今週も含めて)と短いので、今後ポイントを高くキープしないと、年間チャートへの滑り込みは厳しいかもしれないです。

 

※年間チャートに入ったLil Wayneの曲 

1999 Back That Azz Up(Juvenile

2005 Soldier(Destiny’s Child

2006 Gimme That(Chris Brown

2007 You(Lloyd)・Make It Rain(Fat Joe

2008 Lollipop・Got Money・A Milli・Can’t Beleve It(T-Pain)・Sweetest Girl(Wyclef Jean)・Let It Rock(Kevin Rudolf)・My Life(The Game)・Mrs. Officer

2009 Down(Jay Sean)・Let It Rock(Kevin Rudolf)・Turnin Me On(Keri Hilson)・Forever(Drake)

2010 Down(Jay Sean)・Forever(Drake)・I Made It(Kevin Rudolf)・Right Above It

2011 Look at Me Now (Chris Brown)・How To Love・6 Foot 7 Foot・I’m on One(DJ Khaled)・Motivation(Kelly Rowland)・She Will

2012 The Motto(Drake)

2013 Love Me

2014 Loyal(Chris Brown)・Believe Me

2015 Only(Nicki Minaj)・Truffle Butter(Nicki Minaj)

2016 Sucker For Pain

2017 I’m the One(DJ Khaled)

 

()内はメインのアーティストを表す=Lil Wayneは客演だった曲。()が無い曲はLil Wayneがメインの曲

※ 複数の年で登場している曲は、年をまたがってヒットした曲です

 

▽× The Carters – Apes**t

 Lil Wayneのアルバム曲が大量に登場した煽りを受け、代わりに多くの曲が今週Hot 100を去りました。

 まずはThe Cartersの“Apes**t”リリース時はストリーミングで注目を集め13位までジャンプアップし注目を集めましたが、次第に失速。15週という短い滞在の末、チャート圏外へ落ちてしまいました。年間チャートに入るのはやや厳しそうです。

 アルバムチャートでも1位を取り逃し、シングルも不完全燃焼に終わってしまい、夫婦ジョイント作はセールスの面では微妙な成績に終わりました。

 

 

▽× Juice WRLD – All Girls Are the Same

 Juice WRLDの“All Girls Are the Same”が今週チャートから外れました。ピークは41位、チャート滞在は20週という成績でした。

 “Lucid Dreams”の影に隠れる形で、ラジオではほぼかかりませんでしたが、チャート入りから最後までほぼストリーミングのみでポイントを稼ぎ、チャートを「完走」しました。

 ラジオを使わずとも、ストリーミング内のプレイリストの選曲などによって「シングル」が次第に定まり、人気が集まっていくというストリーミング時代特有の形でのヒットでした。運が良ければ年間チャートのトップ100にも入れるかもしれないです!

 

※「完走」=Hot 100にはヒットした曲は21週目以降、51位以下に落ちるとチャートから外れるというルールがあります。20週以上チャートに滞在し、このルールでチャートから外れるとヒットした感覚が付くため、チャートに20週残ることを「完走」と言うことが多いです。(逆にチャート滞在が20週未満だと短命の曲だったことになる)

 

▽× Nicki Minaj – Barbie Dreams

 Nicki Minajの“Barbie Dreams”が今週チャート圏外に。ピークは18位、チャート滞在はわずか7週でした。

 アルバムリリースのタイミングで注目を集めた時は18位に付けていたのですが、早くに失速。その後ビデオ公開で少し持ち直すものの、再び下降線をたどりました。アルバムへの注目度が無くなってからはApple MusicやSpotify(いわゆるオンデマンド・ストリーミング)などでの再生数が一気に減ってしまったことが痛かったです。

 Nicki Minajは今年、2週目のTravis Scottに負けてアルバム1位を取れず、アルバムからのシングルも不発に終わってしまいました。一方、“FEFE”や”MotorSport”など、客演では存在感を発揮しています。

 

▽× Drake – Nice For What

 Drakeの曲が今週2曲チャートから外れています。先週45位だった“God’s Plan”、39位だった”Nice For What”が外れました。

 先週39位だった“Nice For What”はやや不運と言えるかもしれません。Lil Wayneに押し出される形で25週と少し短めの滞在でチャートから外れました。Lil Wayneの「押し出し」がなければあと数週はチャートに残りそうでした。

 “Nice For What”は1位に8週間も滞在していたので、大ヒットだったと言えますが、その1位が「デフレ」の期間での1位だったことや、チャート滞在が短かったこともあって、年間チャートのトップ10入りに入るかは微妙です。

 

※現時点での年間チャート予想

 “God’s Plan”・”Perfect”・“Meant to Be”・”Havana”・“rockstar”・”Psycho”・”I Like It”・“In My Feelings” までは年間チャートトップ10入りほぼ確定。

 残りの2枠を“The Middle”・Nice For What”・”Girls Like You”・“Lucid Dreams”辺りが争っている印象です。

 

▽× Ed Sheeran – Perfect

 驚異的なロングヒットだったEd Sheeranの“Perfect”が今週チャートから外れました。ピークは1位で、チャート滞在は57週でした。

 2015年の末から、Hot 100には「53週目以降、26位以下に落ちるとチャートから外れる」というロングヒットを制限するルールが制定されました。そのルールによって53週以上チャートに残ることが非常に困難になりましたが、この“Perfect”はその壁を乗り越えて滞在57週まで到達していました。

 

 このルールが出来てから、チャート滞在53週を超えた曲は”Uptown Funk”(56週)、”Shape of You”(59週)、“Perfect”(57週)の3曲だけです。 いずれも幅広い系統のラジオでかかり、長く愛されてきた曲たちです。

 

 

今週チャートから外れた曲 (26曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Ozuna & Manuel Turizo – Vaina Loca (🗻94位 /⏰2週)

99 Clean Bandit feat. Demi Lovato – Solo (🗻58位 /⏰13週)

98 Wiz Khalifa feat. Swae Lee – Hopeless Romantic (🗻72位 /⏰7週)

97 The Carters – Apes**t (🗻13位 /⏰15週)

96 Maren Morris – Rich (🗻96位 /⏰1週)

95 Eminem – The Ringer (🗻8位 /⏰4週)

94 Eric Church – Desperate Man (🗻71位 /⏰9週)

93 Kygo feat. Miguel – Remind Me To Forget (🗻63位 /⏰11週)

92 Pardison Fontaine feat. Cardi B – Backin’ It Up (🗻92位 /⏰1週)

91 Khalid, Ty Dolla $ign & 6LACK – OTW (🗻57位 /⏰18週)

90 Mac Miller – Self Care (🗻33位 /⏰3週)

89 Juice WRLD – Lean Wit Me (🗻68位 /⏰8週)

88 6ix9ine feat. Anuel AA – BEBE (🗻30位 /⏰4週)

87 Travis Scott – Stargazing (🗻8位 /⏰8週)

84 Travis Scott – Yosemite (🗻25位 /⏰8週)

83 Lil Mosey – Noticed (🗻83位 /⏰2週)

79 Dylan Scott – Hooked  (🗻48位 /⏰11週)

78 Thomas Rhett – Life Changes (🗻36位 /⏰14週)

74 The Chainsmokers feat. Kelsea Ballerini – This Feeling (🗻74位 /⏰1週)

73 Eminem – Fall (🗻12位 /⏰4週)

72 Juice WRLD – All Girls Are The Same (🗻41位 /20週)

71 Labrinth, Sia & Diplo (LSD) – Thunderclouds (🗻67位 /⏰4週)

70 Nicki Minaj – Barbie Dreams (🗻18位 /⏰7週)

45 Drake – God’s Plan (🗻1位 /36週)

39 Drake – Nice For What (🗻1位 /25週)

21 Ed Sheeran - Perfect (🗻1位 /57週)

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

🎫=チケットとCDを絡めた戦略を展開(CD購入でチケット割引・先行購入など)

👕=アーティストのグッズと音源を絡めた戦略 (シャツに音源がおまけで付くなど)

 

1 Lil Wayne – The Carter V

2 Logic – YSIV 👕

3 Cher – Dancing Queen 🎫

4 Kevin Gates – Luca Brasi 3

9 Tom Petty – An American Treasure

25 Elevation Worship – Hallelujah Here Below

38 alt-J – Reduxer

40 Bearthooth – Disease

62 Rod Stewart – Blood Red Roses

65 Aretha Franklin – The Atlantic Singles Collection 1967-1970

78 Loretta Lynn – Wouldn’t It Be Great

89 Palaye Royale – Boom Boom Room: Side B

107 Soundtrack – Rick And Morty

120 Cypress Hill – Elephants On Acid

191 SOB X RBE – Gangin Ⅱ

 

 Logicは以前"44 More"で「Katy PerryHarry Stylesのアルバム売上を超えた」(昨年のアルバム”Everybody”で超えた)と高らかに宣言していましたが、今回のアルバムはその2人の売上を下回りました。Lil Wayneというストリーミングでの強力なライバルがいたことも影響していますかね。

 

来週以降の動向など

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・XXXTENTACION – Moonlight

 XXXTENTACIONの現行シングル“Moonlight”。シングル化によってラジオでかかり始めたことや、ビデオ公開などによって再浮上中。来週以降にHot 100に復帰する可能性もありそうです。既にヒットした曲なので、チャートに戻るには50位以上にランクインする必要があります。

 

 

・Lil Baby, Gunna & Drake – Never Recover

 ストリーミングで人気を集めたLil Baby・Gunnaのジョイント作。アルバムから複数曲がHot 100に登場しそうです。先行シングルの“Drip Too Hard”も順位を上げそうです。(トップ10入りの可能性も)

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

あと最近「おすすめ記事リスト」を更新したので、そちらも宜しければ……

 

 

 

Hot 100 10/6 見どころ 【BROCKHAMPTONアルバム1位の要因とは? + Avril Lavigne 新曲が登場】

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 今週はやや動きが少なめの週でした!今週はアルバム1位とその戦略について、またAvril Lavigneの新曲などについて触れていこうと思います。

 写真は今週アルバム1位のBROCKHAMPTONについてです。彼らはHot 100未登場ながらもアルバム1位を獲得するという珍しい記録を達成。その戦略とは……?(https://shop.brckhmptn.com/products/the-number-one-boyband-in-show-business-brockhampton-tee-navy-digital-album-bundle?variant=19669995913274 より)

 

☆今週のHot 100 ショートハイライト

Avril Lavigne久々の新曲“Head Above Water”が64位で登場

・ラジオで好調の“Lucid Dreams”が2位まで上昇!

・Lil Peep、XXXTENTACIONによる”Falling Down”が13位に浮上

・ストリーミングで人気、好調Sheck Wesの“Mo Bamba”が31位とトップ40入り!

・French Montana + Drakeの“No Stylist”が47位に登場

・アルバム1位はBROCKHAMPTON

 

・今週のトップ10

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

 

―1 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

△2 Juice WRLD – Lucid Dreams 

△3 Post Malone – Better Now

▽4 Drake – In My Feelings

▽5 Eminem – Killshot 

△6 Travis Scott – SICKO MODE 

▽7 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin – I Like It

―8 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Murda Beatz – FEFE

▽9 Kanye West & Lil Pump – I Love It

―10 5 Seconds of Summer – Youngblood 

 

1~100位までの順位表は↓

 

曲の個別解説

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 

 

☆96 Maren Morris – Rich

 Maren Morrisの“Rich”が96位で登場。グラミー新人賞ノミネートにも繋がった2016年のアルバム”Hero”から4曲目のシングル。このアルバムからシングルカットされた曲は全てHot 100に登場しています。

 他のカントリー曲と同様に、カントリー系ラジオで主に好調。

 

☆92 Pardison Fontaine feat. Cardi B – Backin’ It Up

 新人ラッパー、Pardison FontaineがCardi Bを迎えた“Backin’ It Up“が92位に登場。Pardsion Fontaineは初のHot 100。主にYouTubeApple Musicで人気。

 Kanye Westによると、このParadison Fontaineは今年のアルバム”ye”に収録された”Violent Crimes”のソングライトに参加していたようです。

(参考:Kanye West Says Pardison Fontaine Wrote The Verses On "Violent Crimes" | Genius

 

☆74 The Chainsmokers feat. Kelsea Ballerini – This Feeling

 The Chainsmokersがカントリー歌手Kelsea Balleriniを迎えた“This Feeling”が74位で登場。過去の曲でも見られる客演の歌手+The ChainsmokersのAndrew Taggartのダブルボーカル体制。

 曲の印象としては”Something Just Like This”風サウンドにカントリーのエッセンスを少し足したような感じ。この曲はApple MusicのThe A-List: CountryやSpotifyのHot Countryにも入っています。

 

☆64 Avril Lavigne – Head Above Water

 Avirl Lavigneの久々のシングル、“Head Above Water”が64位で登場。”Hello Kitty”以来4年ぶりのHot 100エントリー。

 2010年代に入ってからはまだトップ40ヒットが2曲(”What the Hell”=11位 と“Here’s to Never Growing Up”=20位 )しか無いAvril Lavigneですが、久々にチャート上位へ顔を出せるでしょうか。この曲は主にDLで数字を稼いでいます。

 

※2000年代には”Girlfriend”=1位、“Complicated”=2位、”I’m With You”=4位、“My Happy Ending”=9位、”Sk8er Boi”=10位 と5曲でトップ10入りを果たしています。

 

 

△56 Lil’ Duval feat. Snoop Dogg & Ball Greezy – Smile (Living My Best Life)

 Lil‘ Duvalの“Smile”がじわじわチャートを上昇中。今週63位→56位。この曲はラップ~R&Bに分類される曲としては珍しくラジオを得意とし、ストリーミングを苦手にしています。

 3週前にSpotifyの人気プレイリスト、RapCaviarに追加されたもののSpotifyのランキング200位圏内にはまだ入ることができていません。

 

☆47 French Montana feat. Drake – No Stylist

 French MontanaとDrakeによる“No Stylist”が47位に登場。London on da Trackプロデュースのダンサブルな1曲。昨年の大ヒット”Unforgettable”を彷彿とさせるノリやすい1曲です。

 French Montanaはこの曲と同時に”Juice”、“Nervous”という曲も公開しています。(この3曲合わせて ”No Stylist Single” という括りらしいです)

 

▽40 Machine Gun Kelly – Rap Devil

 Eminemへのアンサー曲、“Rap Devil”に続いてMGKはEP、”Binge”をリリース。アルバムチャートでは24位に登場。

 その“Rap Devil”もそのEPに収録されているものの、EPリリースの恩恵*1はシングルチャートには反映されず、今週22位→40位と順位を落としています。

 ディスに対応するための「緊急シングル」だったので、今後はあまりプロモーションされずに次第に落ちていくかもしれません。

 

▽39 Drake – Nice For What

 来週のHot 100にはLil Wayneのアルバム曲が大量に登場する見込み。それに伴い、Hot 100に今週いた曲が多くチャートから外れる見込み。

 特に今週30位以下で滞在が20週を超えている曲は外れる可能性がいくらかありそうです。

 今週45位の“God’s Plan”、44位の”Tequila”辺りは高確率でチャートから外れそうです。ほか今週39位の“Nice For What”、37位の“The Middle”、35位”Psycho”辺りも危険水域。

 運が悪ければ34位の“I Like Me Better”、33位”SAD!”、32位“no tears left to cry”、30位”Meant to Be”も外れてしまうかも。

(あとは21位の“Perfect” ルール上、この曲に限っては26位以下に落ちると外れる)

 

△31 Sheck Wes – Mo Bamba

 ストリーミングで調子を上げている“Mo Bamba”が31位にまで浮上!ヒットの目安とされるトップ40圏内に突入しました。

 この曲はApple Music、Spotifyの両方でトップ10に入っています。ラジオでも少しずつ再生数を伸ばしており、そのうちHot 100のトップ10にも手が届きそうな予感がします。

 

△24 Lil Uzi Vert – New Patek

 Lil Uzi Vertの“New Patek”が38位→24位と浮上。この曲は水曜日リリースで先週はリリースから3日分しか集計されていませんでしたが、今週は7日分フルで集計されたので、その分ストリーミングが伸びてHot 100の順位を上げました。

 

△13 Lil Peep & XXXTENTACION – Falling Down

 Lil PeepとXXXTENTACIONの“Falling Down”が47位→13位と浮上。この曲も水曜日リリースで、順位を上げた理由は上の”New Patek”と同じです。ストリーミングだけでなくDLの数字も高く、それが高い順位浮上に結びついています。

 この活躍に伴い、Lil Peepの昨年のEP ” Come Over When You're Sober” がアルバムチャートに再登場(199位)しました。

 この曲はオーストラリアで7位、イギリスで10位、ドイツで12位など他国でもかなり高い順位を記録しています。

 

△2 Juice WRLD – Lucid Dreams

 今週2位まで順位を伸ばして首位に接近したのは“Lucid Dreams”! 元々ストリーミングでは高い人気を保ってきましたが、ここ最近ラジオのポイントが急浮上中。これらが組み合わさり、Hot 100の順位上昇に繋がっています。

 特に規模が最も大きいポップ系ラジオでの上昇が大きいです。ラップはこのポップ系であまりポイントを稼げないことも多いですが、この曲はサンプリング元“Shape of My Heart”の親しみやすさもあってか、ポップ系ラジオでも人気を得ています。

 

 来週は現在1位の“Girls Like You”、そして新登場予定、Lil WayneとKendrick Lamarの”Mona Lisa”とHot 100首位の座を争います。 “Better Now”は目立ったプラスが無いので、まだ首位に立つことはなさそうです。

 

※“Mona Lisa”はストリーミングでは爆発的なポイントを稼いでいるものの、DLやラジオのポイントがそこまで高くなく、本来ならば1位を取るレベルのヒットではないのですが、ここ数週のHot 100が「デフレ」中なので、1位取りの可能性も考えられるようです。

 

▽× The Chainsmokers feat. Emily Warren – Side Effects

 The Chainsmokersの“Side Effects”が今週チャートから外れました。ピーク66位、滞在6週とあまり振るわず。

 一時期ラジオでの人気に火が付き、上昇の兆しを見せていましたが、そのラジオがここ数週で急落したことによりHot 100から外れてしまいました。

 今週Hot 100に登場した次シングル“This Feeling”のリベンジに期待がかかります。

 

今週チャートから外れた曲 (6曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

99 Eminem - Kamikaze (🗻16位 /⏰3週)

94 Eminem feat. Royce da 5’9 – Not Alike (🗻24位 /⏰3週)

90 Carrie Underwood – Cry Pretty  (🗻48位 /⏰12週)

88 The Chainsmokers feat. Emily Warren – Side Effects (🗻66位 /⏰6週)

78 Brett Young - Mercy (🗻29位 /20週)

76 6LACK feat. J. Cole – Pretty Little Fears (🗻76位 /⏰1週)

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

🎫=チケットを絡めた戦略を展開(CD購入でチケット割引・先行購入など)

👕=アーティストのグッズを絡めた戦略 (シャツにCDがおまけで付くなど)

 

1 BROCKHAMPTON – iridescence 👕

2 Josh Groban – Bridges 🎫

11 Prince – Piano & A Microphone 1983

15 Young Dolph – Role Model

17 Young Thug – On The Rvn!! (EP)

19 The Story So Far – Proper Dose

24 Machine Gun Kelly – BINGE

26 Joe Bonamassa – Redemption

27 Slash feat. Myles Kennedy & The Conspirators – Living The Dream

41 YoungBoy Never Broke Again – Decided

51 Kid Rock – Greatest Hits: You Never Saw Coming

60 Lupe Fiasco – Dragas Wave

73 Billy F Gibbons – The Big Bad Blues

95 Metric – Art Of Doubt

121 Gateway – Greater Than

160 Frank Foster – ‘Til I’m Gone

174 Quando Rondo – Life After Fame

 

※ 👕 ←グッズ戦略、Travis Scottの“Astrowrold”で確認されて以降、多くのアーティストによって利用されています。

 

 例えば今週この戦略を使ったBROCKHAMPTONは15$でシャツとアルバムの音源を販売。USにおける金銭感覚はよく分からないですが、公演でのグッズ販売を思い浮かべると15$のシャツはかなり安い気が…… その上に音源がつくとは、音源はほぼ「タダ同然」という読み取り方もできるかも。

 今後、この戦略を取るアーティストは増え続けるのか、またビルボードはこの戦略に規制をかけることはあるのか、🎫戦略と合わせて注目の事象です。

 ちなみに今週のBROCKHAMPTONによるアルバム1位は、史上20回目のHot 100に登場したことが無いアーティストによるアルバム1位。

 Bob Newhart(1960年・1961年)、Slipknot(2008年・2014年)、Vampire Weekend(2010年・2013年) の3組はHot 100登場経験が無いながらも複数回アルバム1位を記録しています。 *2

 

※2011年 Lady Gagaはわずか0.99$という値段でアルバム“Born This Way”を販売。(Amazon限定) その安さに多くの人が食いつき、アルバムは爆発的な売り上げ(約111万)を記録。

 しかしその動きをビルボードは宜しくないと捉え、以降アルバムチャートに反映される「セールス」は3.49$以上の作品に限る(初週のみ適用)、というルールを制定。

» ‘Billboard’ Changes Rules Thanks To Lady Gaga’s ‘Born This Way’ 99 Cent Sale

 

 このルールを踏まえると、CDやアルバム音源が「タダ同然」で買えてしまうグッズ戦略やチケット戦略に対してテコ入れをする必要があるのかもしれません。この場合、どこからどこまで制限するのかが難しそうですが……

 

来週以降の動向など

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・Lil Wayne feat. Kendrick Lamar – Mona Lisa

 Lil Wayneのアルバムがストリーミングで爆発的人気。Apple Musicでは全23曲がそのままランキングで1位~23位を独占するなど、かなりの人気。ほとんどの曲がHot 100に登場しそうです。

 それに伴い、今週30位以下だった曲は、来週Hot 100から外れてしまう可能性もあるかも。“Nice For What”辺りが危険水域。可能性は低いが、”no tears left to cry”辺りも外れる可能性は0ではないかも。

 

・Kevin Gates – Discussion

・Logic feat. Ghostface Killah など – Wu-Tang Forever

 Lil Wayneに次ぐアルバムたち。この2人もある程度Hot 100に入るかもしれません。

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

 

*1:EPを出したことによって曲をもう一回聞く、などの恩恵

*2:参考:Weekly Chart Notes: Amos Lee, Far*East Movement, Kelly Clarkson | Billboard この記事が完成以降、N.W.AとArcade FireはHot 100入りを達成し、このリストから「抜けた」 アップデート版はウィキペディアに載っています

https://en.wikipedia.org/wiki/Billboard_200#Albums_to_top_the_Billboard_200_by_artists_who_have_never_appeared_on_the_Hot_100