チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

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ようこそ!音楽チャートの世界へ!

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みなさん。こんにちは。知っている方も初めての方も、こんにちは!

はじめましてトコトコと申します!

(ちなみにアンダーバー_は5個)

 

音楽チャート、またポップ音楽について考察していきたい、自称チャート研究者によるブログです。

 

音楽チャート、ポップ音楽のなるべくディープな世界について書いていきたいです。

 

未来のチャート少年がニヤっとできる記事と、新たな音楽の楽しみを提案するような記事、議論のタネになるような記事を作ることを目指しています!!

 

※できるだけミスの無いよう努めていますが、もしミスを発見したらご一報頂けると幸いです。 

 

 

・おすすめ記事20選

 ※画面右(パソコン)や画面下(スマホ)にある「人気記事」の項目もぜひ参考にしてください!

 

 ・Noteで連載もやっています!

 

・記事のアーカイブ

 

 

Billboard(US) 動向 3月号 【月の後半に動いたHot 100上位】

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 こんばんは!

 

目次:

 

 

 

1 後半に動いたHot 100上位 / 複数の首位候補

 

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 先月は”drivers license”が全ての週を制し、動きが無かったHot 100の\。しかし今月の後半、上位が激しく動きました。

 3/20にチャートを席巻したのはDrake。リリースした3曲が、そのまま1位2位3位に収まり、トップ3を独占。The Beatles、Ariana Grandeに次ぐ史上3回目の快挙を成し遂げました。Drakeにとって43-45曲目のトップ10で、首位は8曲目です。

 この3曲は“Scary Hours 2”というEPのような形式でリリースされており、それらがアルバムのような熱量で受容され、3曲全てが圧倒的な再生数を叩き出したことが大きかったと考えています。(ストリーミングではアルバムが強い)

 とはいえこの3曲はシングル扱いで、アルバムチャートには登場していません。仮にアルバム扱いならば、アルバムチャート首位獲得相当の成績を収めています。(Rolling Stone Charts等に記載されている3曲の数字を合算すると、この週のアルバム1位を上回ります)

 この3曲のうち“What’s Next”がラジオシングルで、今後は主にこの曲がHot 100で上位に残りそうです。ただ”Wants and Needs”も非シングルながらストリーミングでの調子が良いため、この曲にも期待がかかります。

 

 同週にこの3曲に次ぐ4位に登場したのはBruno MarsとAnderson .Paakによるユニット、Silk Sonicの”Leave the Door Open”。前者は17曲目の、後者は初のトップ10。Anderson. PaakはHot 100エントリー自体もまだ2曲目です(1曲目は客演を務めた、昨年のEminemのアルバム曲)

 DL、ストリーミング、ラジオ全てで優秀な成績。特にラジオはリリースから即座に大きな上昇を見せています。Bruno Marsはポップ、アダルトポップ、リズミック、RMS(Mainstream R&B/Hip-Hop)と広い系統でオンエアされるのが強み。リズミック&アダルトポップの組み合わせも珍しいのに、RMSまでカバーできるタレントは他にあまり浮かびません。(RMSでのオンエアが本格的に始まるのは来月からですが)

 リリース直後の注目度が大きすぎる反動で、2週目は大きくポイントが減少するのが近年の一般的なチャートアクションですが、この曲は2週目にHot 100首位獲得のチャンスがありました。引き続きのラジオの大幅な上昇に加え、グラミーでパフォーマンスを行い、注目度も向上。DrakeのEP3曲が初週よりは大きく数字を落としたこともあり、首位の有力候補の1つでした。

 しかし“Leave the Door Open”との僅差の争いを制し、Hot 100首位を獲得したのはCardi Bの”Up”でした。Cardi Bにとって5曲目の首位に。

 リリース以降ストリーミングの調子をあまり落とさなかったこと、こちらもラジオの調子が良かったこと(この週リズミック/RMSの2系統で首位)。この従来の2点の好調に加えて、この週DLが伸びた(+96%)ことも、僅差を制する上では効いたかと思います。この曲もグラミーでパフォーマンスを行ったため、その恩恵もあったでしょう。

 ちなみにこの次の週、“Up”はUSのSpotifyでの週間再生数のピークを更新しています。グラミーでのパフォーマンスやHot 100首位獲得のニュースもプラスに働いたのでしょうか。有名アーティストの曲は、ストリーミングでリリース初日にピークが来ることが多いので、このような追い上げ型は珍しいです。

 来月以降は”Leave the Door Open”、”Up”の2曲に加え、新たにリリースされたJustin Bieberの”Peaches”、この3曲で首位争いが繰り広げられるでしょう。

 

 

2 動かないアルバムチャート

 

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 一方、アルバムチャートは1位が変わらず。Morgan Wallenが10週まで、その1位滞在を伸ばしています。先月はまだ売上が10万を超えていて、新規アルバムの1位チャレンジを阻んでいるという印象がありましたが、今月は売上も下がってきていて、競合がいなかった点が1位キープの要因として強いかと思います。

 とはいえ、ストリーミングでここまで安定した強さを維持しているのは見事でしょう。複数の曲がストリーミング内でシングルとして成立したこと、曲数の多さなどが強さの理由と思われます。

 

 数少ない新たな動きだったのはAriana GrandeとGiveon。Ariana Grandeはデラックス版をリリース。5曲を新たに追加したものの、そこまでストリーミングが伸びず2位止まりに。デラックス版で大きく伸びるのは、Apple Musicでの人気が高いタイプのアーティストに限られているような気もします。(正統系のラッパーなど)

 Giveonは昨年のEP2つを合体したコンピレーションをリリース。アルバムチャート5位に入りました。

 この2つにしても、正式な新作ではないので、本当にリリースが少い月だったことが伺えます。

 

(参考:先月のアルバムチャート)

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  The Weekndのベスト盤や、Foo Fightersの新譜は今月のリリースならアルバム1位を獲得していたかもしれません。

 

 

(以下長尺のアルバムに関する余談)

 今のリスナーが、どこまで真面目にアルバムという単位で音楽を聞くかは不明ですが、仮に真面目に最後まで聞くとすれば、長尺アルバムは2つの恩恵を受けると思います。まずは単純に曲数の多さの分だけ再生数が伸びる点。再生数を伸ばすために、ストリーミング以降で長尺の作品が増えた、という問題はストリーミング初期から指摘されています。

 もう一つ、私が最近感じたのはリコメンドで有利になるという点です。私はそこまでMorgan Wallenを好んで聞いているわけではない(流行っているから、勉強として少し聞こうぐらいの感覚、Nワードの一件の前に)ですが、ちょいちょいApple Musicの個人用リコメンドプレイリストに登場してきます。

 この理由を考えたところ、再生時間が長め=この人はMorgan Wallenが好き、と判断された可能性が浮かびました。今回のMorgan Wallenの作品は1時間37分で、30分くらいのアルバムの3周に相当します。「流し」で聞いたとしても、聴取時間では上位に行きやすいすいのです。個人用プレイリストの選曲アルゴリズムは、詳しくは分かりませんが、再生時間がマイナスに働くことはまずないでしょう。

 

(ただ、これは私のApple Musicの使い方も関係するのかもしれないです。私は「ラブ」も「これと似たおすすめを減らす」も、ライブラリ追加も全くしていないので、再生時間しかアルゴリズム的な判断材料が無いです。これを積極的にする人はこの限りではないのかもしれません。この機能が一般的にどれくらい使われているか、は分かりませんが)

 

 

3 グラミーはどうだった?

 

 昨年は主要4部門を独占したBillie Eilishの楽曲が浮上。それがきっかけでラジオも上向くなど、継続的な向上が見られました。(その曲が今年のRecord of the Yearを受賞した”everything i wanted”) ほかパフォーマンスされた曲が4つHot 100入りしましたが、それらは全て1週or2週でチャートから外れてしまいました。

昨年:Hot 100・Billboard 200まとめ 2月号 【アルバム激戦区・不動のシングル上位など】 - チャート・マニア・ラボ

 

 今年は新規登場が無かったものの、上位には影響を及ぼしました。パフォーマンスが行われた”Up”はグラミー後に一定のストリーミング/iTunesの伸びが見られたので、僅差の首位レースを制する要因の1つになったかと思われます。また、同じくパフォーマンスされたDua Lipaの“Levitating”はセールス/ストリーミングが増加。トップ10に返り咲きました。

 昨年グラミー効果でHot 100入りした曲がすぐに外れたように、新たにヒットを作り出すような影響力はグラミーには望みづらいです。しかし依然広い層にアピールできる貴重なイベントではあるので、既存の曲を上向かせるプロモーションの場、とくに僅差を制する必要がある時には有効な方法だと思います。

 ただグラミーはそんな単純な場所ではなく、アーティスト側の思い通りにプロモーションを出来るとも限りませんが。(あとタイミングの問題もあります)

 

 次に実際に受賞した曲に目を向けます。今年のRecord / Song of the YearはHot 100でのピークが低いことが特徴です。Songを受賞したH.E.R.の”I Can’t Breathe”はHot 100に入ってもいない曲です。Record / Song受賞曲でHot 100入りもしていないのは、2009年の”Please Read the Letter”以来です。(Robert PlantAlison Kraussによる / Record受賞)

 またSongの”everything i wanted”の8位ピークも順位が低い部類に入る曲で、そのHot 100に入らなかった2曲以外では、その2009年以降では最もピークが低い曲です。ただし、2008年以前だと8位より低いRecord / Song受賞曲は多く見られます。

 

 

4 トップ10周り

 

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Chris Brown & Young Thug - Go Crazy

 ちょうどラジオで1位だったタイミングでFuture, Lil Durk, Mulattoのリミックスをリリース。この効果で3位とピークを更新しました。(リミックス勢はクレジットされず)

 42週目でピークを更新するというかなり遅咲きの曲。しかし月の後半になるとラジオが減少し、トップ10を後にしました。

 

・Doja Cat – Streets

 ビデオが注目を集め、16位まで浮上。ただしラジオのサポートが現在手薄なため、トップ10は近いようで遠いかもしれません。

 

Olivia Rodorigo - drivers license

 ラジオで1位を獲得。ただしその週に新曲が大量リリースされたため、5位に順位を下げました。今月上位に登場した“Up”、”Leave the Door Open”のほか、来月はJustin Bieberの“Peaches”という新たな競合も登場するため、今後1位に復帰するかは微妙なところです。

 

 

5 Kali Uchis大躍進、今月のTikTok関係

 

 TikTokに関連しそうな曲では、“Astronaut In The Ocean”、”telepatía”、”No More Parties”の3曲が今月トップ40入り。それぞれのヒット経路は様々。

 “Astronaut~”は、TikTokから直接ヒットしたというよりは、まずヨーロッパ圏(ドイツなど)で先に火がついた曲が、TikTokの力を借りつつUSでもヒットしたような印象。このヨーロッパ圏でのヒットの効果もあり、ラジオのオンエアも順調に伸びています。来月にはトップ10に届くかもしれません。

 ”telepatía”はTikTokによって「発掘」されたシングルと思います。発掘以降順調にストリーミングを伸ばしていったものの、既にかなり上位のため、これ以上伸ばすのは難しい気がします。またラジオのサポートが遅いため、現状でこれ以上順位を伸ばすのは難しそうです。TikTokストリーミングで伸びたものの、ラジオのサポートが遅いという点で、Doja Catの“Streets”と似ています。

 “No More Parties”は一般的なTikTokヒットとは違い、Apple MusicとYouTubeに人気が偏っており、Spotifyでは圏外です。Lil Durkのリミックス追加によって大きく順位を伸ばしました。

 Mooskiの“Track Star”にも似たような傾向が見られます。(Spotifyで圏外ではないですが、100位以下)

 

 来月以降、TikTok関連曲でヒットが期待されるのはBeach Bunnyの“Cloud 9”。現在Spotifyを中心に数字を伸ばしていて、このペースが続けばHot 100にも手が届きそう。

 

 

TikTok関連の余談×2)

 

・SugarCrash!の謎

 TikTokの人気曲を計測するサイト、Tokboardでは1位まで浮上。さらにはSpotifyのGlobalランキングでは53位まで到達するなど、TikTok内外でヒットになっているElyOttoの“SugarCrash!”。USのSpotifyでも51位につけるなどし、Bubbling Underまで到達しました。

 しかしこの曲には謎の点が1つあり、それはSpotifyでの成績の割に一向に最大手プレイリストToday’s Top Hitsに入らないことです。

 

 Today’s Top Hitsはその名の通り、ヒット曲全般を扱うプレイリストです。50曲の編成なので、Global50位以上の曲が主にリスト入りの対象と自然に考えられますが、一定期間経った曲は上位でも外されるので、このリスト入りするためのボーダーラインは50位よりもかなり低いです。

 また、過去曲以外にもこのような場合にはリストに入りません。

1:アルバム曲(=アルバムの4番手以下)の場合

2:英語曲ではない場合 (入らない訳わけではないが、基準が厳しくなる)

3:アーティストの素行に問題がある場合(レアケース)

 

 この“SugarCrash!”は53位と順位的にも十分で、かつ1-3にも当てはまりません。リスト入りは時間の問題!と思っていたのですが、まだ入りません。

 入らない理由として思い当たるとすれば、その作風です。この曲はHyperpopというジャンル(大まかに説明すると”未来志向のポップス”)なのですが、その作風は現行メインストリームの一員としては相応しくない、離れすぎていると考えられた可能性があります。 

 また昨年も、Indian Style Remixのミームで知られるDripReportによる”Skechers”がリスト入りしないという似たようなケースがありました。一方で、順位的には足りなさそうな特定のシンガーの曲が、複数回に渡ってリスト入りするようなこともあります。(このタイプのシンガーは、SpotifyだけではなくAppleのリストにも入ることが多い)

 ラジオよりはジャンルの壁が下がったプレイリストですが、それでも「これはメインストリーム向き」「これは不向き」といった、暗黙の了解、基準があるのでは?と感じました。

 

 ちなみに同じくHyperpopとしてカウントされているCharli XCX(とKim Petras、Jay Park)の“Unlock It”もTokboardで1位まで到達し、同ランキングの1位&2位をHyperpopが占めている期間もありました。”Unlock It”はメジャーなランキングには今のところ入っておらず、具体的なヒットはまだ観察されていません。

 

(こうやってヒット系プレイリストを観察していると、自分ならこの選曲をする、という考えが色々湧いくるので、作った私作成のヒット系プレイリスト →トコの「トコ Today's Hits」をApple Musicで

 

 

・日本関連のコンテンツ?

 ストリーミングやDLでは圏外で、Hot 100に接近しているわけではないですが、TikTok内で日本関連のコンテンツの英語圏での躍進が今月見られました。

 最も際立ったのはLizz Robinett(日本だと核のリズという名前)による「恋愛サーキュレーション」の英語カバー。この曲はアニメ「化物語」のOPで、オリジナルは声優の花澤香菜によって歌われています。この音源はTokboardで11位まで一時期浮上しています。オリジナルの曲はもともと、英語圏でも「人気のミーム曲」として受容されていて、一部では根強い人気があった曲なのだと思います。その人気が今回花開いたということでしょうか。

 もう一つここ数日で大きな浮上を見せているのは桃黒亭一門(ももいろクローバーZの別名義)による「ニッポン笑顔百景」です。こちらは主にコスプレイヤーの間で人気が出ています。(日本関連のコンテンツが海外圏に広がる時、コスプレイヤーを中心に人気になるというのはパターンの1つです)

 日本関連のコンテンツを積極起用する有名TikTokerのBella Poarch(最多Like動画記録の保持者)もこの「ニッポン笑顔百景」を使用していました。「恋愛サーキュレーション」は今回人気が出た英語版ではなく、日本語版(だけどオリジナルではなくカバー)を以前使っていたことがあります。ほか以前に楽天パンダのCMを踊っていたこともあります。

 

 

6 Hot 100デビューを果たしたアーティスト

 

Clinton Kane – Chicken Tendies (🗻88位 /⏰1週)

Mooski – Track Star (🗻55位 /⏰4週)  ※継続中

Lil Baby feat. EST Gee – Real As It Gets (🗻34位 /⏰2週)  ※継続中

ROSÉ – On The Ground  (🗻70位 /⏰1週) ※継続中/ソロ名義として初

NF feat. Hospin - LOST  (🗻79位 /⏰1週) ※継続中

Machine Gun Kelly feat. CORPSE – DAYWALKER!   (🗻88位 /⏰1週) ※継続中

 

 太字のほうが初登場アーティストです。(客演等で複数アクト名義の場合) 後ろ3つは最後の週に登場したので、継続中という表記にしましたが、おそらく次の週には外れるでしょう。

 ROSÉはBLACKPINKのソロプロジェクト、第二弾。2018年の第一弾、JENNIEの“SOLO”はBubbling Underにも届きませんでしたが、今回は見事Hot 100入り。それぞれの曲やメンバーの違いというよりは、この約2年半でBLACKPINKがグループとして、勢力を伸ばしたことが大きいでしょう。

 

 

7 1年滞在の曲2つなど。今月のリカレントたち

 

 今月、計11曲がリカレントルールによってチャートを去りました。うち2曲が53週目/26位以下のルールによって外れています。Drake等の上位デビューが多かった3/20の週は、一挙に6曲がリカレントで外れています。(詳しいデータは下の「主なデータ」欄にあります) そのうちのいくつかをこの章で紹介します。

 

・Lewis Capaldi – Before You Go (🗻9 /52)

 2曲のHot 100エントリーが、両方とも滞在52週に到達する、ロングヒットのエキスパートLewis Capaldi。アダルトポップ系ラジオに適した作風を持ち、ラジオでのオンエアがかなり長いことが特徴。ストリーミングも弱くはないです。

 

・Gabby Barrett feat. Charlie Puth – I Hope (🗻3 /62)

 ゆったりとしたラジオの系統移行(カントリー → ポップ)が功を奏し、46週目でピークを更新していた遅咲きの曲。この曲もアダルトポップ系に適した作風で、ピーク後のラジオ減少もゆるやかでした。2015年に新リカレント(53週/26位)が適用されてからは、”Blinding Lights”に次いで2番目に滞在が長いです。

 

・AJR – Bang!  (🗻8 /35)

 ピークに到達するまでは遅かったですが、その後はラジオが急落して、下降が思いの外早かった曲です。

 

・Internet Money & Gunna feat. Don Toliver & NAV - Lemonade (🗻6 /29)

 ポップさも兼ね備えたラップ曲。全員US外でのヒットはこれまで少なかったですが、この曲はUK1位、ドイツ2位などUS外でも大ヒットでした。

 

・Drake feat. Lil Durk – Laugh Now Cry Later (🗻2 /29)

 自身がトップ3を独占した週に外れる。ピークが高く、上位にいた期間も長いものの、トータルの滞在週数があまり長くないのはDrakeっぽいチャートアクションです。

 

・Justin Bieber & benny blanco - Lonely (🗻12 /20)

・Justin Bieber feat. Chance the Rapper - Holy (🗻3 /25)

 4月の1週目にアルバムのリリースがチャートに反映されるJustin Bieber。しかしその前に先行シングルが2つチャートから外れてしまいました。近年のヒットシングルは滞在が長めなので、アルバム前に2つもシングルがリカレントしているのは、なんだか懐かしい感じがします。

 

Harry Styles - Golden (🗻57位 /20)

 20週滞在と、シングルとして一定の存在感は示したものの、ピークは57位で前2つのシングルほどにはならなかったです。

 

・Jack Harlow – Tyler Herro (🗻34 /20)

 ブレイク後の次シングル。下位の滞在が長かったものの、20週まで到達。さすがに前シングル”WHATS POPPIN”ほどのヒットを望むのは難しいので、20週まで到達するだけでも健闘だと思います。

 

 

8 短評

 

・SpotemGottem feat. Pooh Shiesty Or DaBaby – Beat Box

 アーティストに優しい表記をしている曲。リミックスが存在しても、原曲を上回ってメインにならない限り、ビルボードのクレジットに載らないのが定番。ほかリミックスがリリースされた週だけはクレジットされても、次の週にはすぐクレジットが外される、ストリーミング媒体ではリミックスが上でもラジオ等の関係かリミックスが認識されない、などリミックスで活躍した人の名義がイマイチ反映されていないことが多いです。

 しかしこの“Beat Box”では複数のリミックスが “Or”の表記で両方掲載される、というリミックスならびにアーティストに優しい表記になっています。

 この曲自体は一時期15位と、その多くのリミックスの恩恵を受けて好調です。

 

・Juice WRLD, Clever & Post Malone – Life’s A Mess II

 この曲は昨年のJuice WRLD & Halseyの“Life’s A Mess”のリミックスに相当する曲なのですが、新たに”II”と銘打ってリリースしたことからか、別の曲としてチャート入りしました。リミックスに関する名義は時と場合によってさまざまな扱いが見られます。

 

・Pop Smoke feat. A Boogie Wit da Hoodie – Hello

 Pop Smokeの新たなシングルカット。ストリーミングでもある程度調子をキープしているところに、ラジオ再生が加わりHot 100入り。

 彼は昨年のアルバム曲のうち、オリジナル版に入っていた曲は全てリリース週にHot 100入りしたのですが、デラックス版の曲は当時入らず(Juice WRLDのアルバムとバッティングしたため) この“Hello”はデラックス版の曲で、シングルカットのタイミングで初めてHot 100に入りました。

 

Tiesto – The Business

 イギリスとドイツで3位など、ヨーロッパ圏でヒットしているダンス曲。この手の曲はUSにあまり縁が無い印象なので、現在の69位でも健闘の部類だと思います。

 

・CJ – Whoopty

 まだHot 100には残っていますが、下落のスピードがものすごく早い曲。20週くらいの滞在で外れそうです。ラジオ&ストリーミングを両立する曲としては珍しい下落だと感じます。

 

・Machine Gun Kelly & blackbear – my ex’s best friend

 滞在が20週を超えてからもラジオの粘りによって、Hot 100ピークを更新していた曲。そのポップパンク的な作風が認められ、Alternative系ラジオで1位を獲得しています。

 

・Shawn Mendes & Justin Bieber – Monster

 滞在は14週に終わる。最初の週は8位だったものの、長続きはせず。キャリア初期は30週を超えるようなロングヒットのシングルが多かったですが、直近の”Wonder”と”Monster”はいずれも20週未満の滞在に終わってしまいました。

 初めてHot 100首位の獲得に成功した”Señorita”が良くも悪くもキャリアの変換点になった印象です。

 

・Ed Sheeran – Afterglow

 彼が本来持っていたアコースティック系のサウンドを試みたシングルも、20週に満たない滞在でHot 100を後にしました。

 直近のアルバムでは“Sing”、”Shape of You”、“I Don’t Care”とアップテンポなシングルを先行曲として持ってくることが多いので、そのような傾向を踏まえると、この曲はアルバム宣伝用の曲ではなく、彼の作風を取り戻す等の、ヒット以外の意図のあった曲なのではないかと私は考えています。

 

Maroon 5 & Megan Thee Stallion – Beautiful Mistakes

 ストリーミングの反応がイマイチだったものの、ラジオに安定感があり、Hot 100中位デビュー。その後ラジオが順調なうえ、Spotifyでの数字が改善してきたため、2週目に順位を上げるという珍しいチャートアクションに。今後もまだ伸びそうです。

 

・Selena Gomez & Rauw Alejandro – Baila Conmigo

 自身のルーツも意識した、スペイン語EPという意欲的な試みも、アルバムチャート22位、Hot 100入りは1曲のみと、大きなインパクトは残せませんでした。

 

・Luke Combs – Forever After All

 ストリーミングでの人気もあり、リリース週に2位を記録していた曲。その後もPandoraで1位など、ストリーミングの数字で粘りチャートに残っていましたが、このタイミングでようやくラジオでシングルカット。21週目、かつ51位以下ながらもHot 100に残っているのは、そのラジオの伸びが理由です。

 

・Lil Durk – Hellcats & Trackhawks

 昨年2つアルバムをリリース。今年1月末にはそのデラックス版もリリースしているLil Durkですが、今月は自身のレーベルOnly the Familyの作品もリリース。多作です。

 

 

主なデータ

 

・外れた曲

 

3/6

11 Taylor Swift – Love Story (Taylor’s Version)  (⏰1週)

33 Lewis Capaldi – Before You Go (🗻9位 /⏰52)

77 The Kid LAROI – SO DONE (🗻59位 /⏰15週)

83 Kenny Chesney – Happy Does (🗻47位 /⏰14週)

89 Chris Lane – Big, Big Plans (🗻42位 /⏰20週)

92 Karol G - BICHOTA (🗻72位 /⏰12週) ※

97 Saweetie feat. Jhené Aiko – Back To The Streets (🗻58位 /⏰13週)

98 Juice WRLD & Young Thug – Bad Boy (🗻22位 /⏰5週)

 

3/13

94 Ed Sheeran - Afterglow (🗻29位 /⏰10週)

98 Shawn Mendes & Justin Bieber - Monster (🗻8位 /⏰14位)

 

3/20

24 Gabby Barrett feat. Charlie Puth – I Hope (🗻3位 /⏰62)

35 AJR – Bang!  (🗻8位 /⏰35週)

38 Internet Money & Gunna feat. Don Toliver & NAV - Lemonade (🗻6位 /⏰29週)

41 Justin Bieber & benny blanco - Lonely (🗻12位 /⏰20週)

47 Drake feat. Lil Durk – Laugh Now Cry Later (🗻2位 /⏰29週)

89 Kelsea Ballerini – Hole In The Bottle (🗻39位 /⏰20週)

100 Karol G – BICHOTA (🗻72位 /⏰13週)

 

3/27

49 Justin Bieber feat. Chance the Rapper - Holy (🗻3位 /⏰25週)

65 Harry Styles - Golden (🗻57位 /⏰20週)

93 DDG – Moonwalking in Calabasas (🗻81位 /⏰11週)

94 Jack Harlow – Tyler Herro (🗻34位 /⏰20週)

95 Morgan Wallen – Somebody’s Problem (🗻25位 /⏰13週)

96 Morgan Wallen – Cover Me Up (🗻52位 /⏰10週)

 

 

・アルバムチャート キリ番

 

3/6

1周年:Lil Baby – My Turn (10位)

1周年:Bad Bunny – YHLQMDLG (31位)

1周年:A Boogie Wit da Hoodie – Artist 2.0 (184位)

1周年:Jason Aldean – 9 (193位)

100週目:Billie Eilish – WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? (28位)

250週目:Drake – Views (108位)

 

3/13

1周年:Lil Uzi Vert – Eternal Atake (32位)

1周年:Jhené Aiko – Chilombo (55位)

100週目:Khalid – Free Spirit (117位)

200週目:Hozier – Hozier (144位)

 

3/20

150週目:Post Malone – beerbongs & Bentleys (41位)

200週目:Drake – More Life (120位)

400週目:Tom Petty And The Heartbreakers – Greatest Hits (83位)

 

3/27

1周年:The Weeknd – After Hours (4位)

100週目:Lizzo – Cuz I Love You (115位)

350週目:The Rolling Stones – Hot Rocks 1964-1971 (168位)

 

 

各指標の1位

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 それぞれで人気曲が異なります。

 

 

Rolling Stone Chartsのトップ10

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 こちらでは"Back in Blood"と"telepatía"がトップ10に入っています。

 

Spotifyチャートのトップ10

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◇各週の動向メモ◇

 

3/6

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3/13

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3/20

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3/27

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・リンク / 参照

 

・Hot 100:The Hot 100 Chart | Billboard

Billboard 200:Billboard 200 Chart | Billboard

・ChartBeatの記事:Chart Beat | Billboard

・Kworb(ラジオ等):https://kworb.net/

Spotify Charts:Spotify Charts

Apple Music Top 100 (US):Top 100: USA on Apple Music

YouTube楽曲ランキング(US):YouTube music charts

・Tokboard:Tokboard - Top TikTok Songs This Week

Spotify - Today's Top Hits:Today's Top Hits | Spotify Playlist

 

 

(過去の月へのリンク)

2月号:Billboard(US) 動向 2月号 【シングル/アルバム1位が不動の月】 - チャート・マニア・ラボ

1 シングル/アルバム1位が不動
2 ハーフタイムショー
3 その他のトップ10
4 Hot 100に初登場 or 2~3曲目のアーティスト
5 正統派 Hip-Hop / R&B

 

1月号:Billboard 動向・1月号(2021) 【予想外の1位独走など】 - チャート・マニア・ラボ

1 予想を超える1位:"drivers license"
2 期待通りの1位:Morgan Wallen
3 期待ほどではない(?)1位
4 超圧倒的だったクリスマス曲、去る
5 クリスマス後の特別復活ルール
6 その他のトップ10 + 今後

 

 

 

Billboard(US) 動向 2月号 【シングル/アルバム1位が不動の月】

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 こんばんは。2月のHot 100 / Billboard 200の動向を観察していきます。イベントの多い先月とは違い、シングル/アルバム1位に変化がないなど、動きの少ない月でした。

 

目次:

 

 

1 シングル/アルバム1位が不動

 

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 共に1位が変わらず、”drivers license”とMorgan Wallenが独占。月を通して、シングル1位が変わらないのは昨年の7月以来(”ROCKSTAR”)、アルバム1位が変わらないのは昨年4月以来(The Weeknd)です。レア度が高いのはアルバムの方で、その一つ前の事例は2016年6月のDrake - ”Views”まで遡ります。シングル/アルバムの両方が月を通して変わらないのもその時以来です。

 “drivers license”はストリーミングが徐々に減少するものの、ラジオの急上昇でそれをカバー。トータルでは少しずつポイントを落としているものの、1位をキープするには十分な成績を維持しています。”34+35”や”Up”、”Blinding Lights”など複数の曲が1位に迫りましたが、そのチャレンジにことごとく勝ってきました。

 ビルボードでは先週比ポイントが上昇した曲にはAwardsの欄に”Gain in Performance”という表記がされます。(◎か☆が付いている曲です) 逆に無ければポイントはマイナスということなのですが、何かしらのジャンルで伸び幅が最大の場合は、ポイントに関わらずGain in Performanceと表記されます。”drivers license”はここ数週続けて「ラジオの伸び幅最大」を記録しているため、ずっとGain in Performanceという扱いになっています。ただしストリーミング等の数字を見ると、ポイント自体は若干減少していると推測されます。

 

 そしてアルバム1位のMorgan Wallen。Nワードを発したことにより、ラジオやプレイリストでのサポートが終了。リスナーからも「キャンセル」されてしまう可能性がありましたが、この1件の直後はむしろ売上がアップしました。

 この1件の動きが大きく反映された2/13付のチャートでは総合売上が14%アップ(14.9万枚)。ストリーミングは3%のみの上昇ですが、セールスは102%、シングルDLは67%と著しく上昇。ファンが彼をサポートするために行動したことが伺えます。

 続く2/20付けチャートでは、セールスがさらに向上し、売上も微増の15万枚まで到達しました。この2週に関して、「伸びた理由」を説明するとセールスになりますが、この2週でも引き続き総合売上の2/3以上はストリーミングが占めているので、「売れている要因」はストリーミングということになります。

 ちなみにこの週は前アルバムの”If I Know Me”も10位に浮上。それまでのピークを更新し、滞在124週目にして初のトップ10入りを果たしました。

 2/27になるとアルバムのセールスが落ち着き、売上は まで減少。初めて10万を割りました。しかし競合となるようなアルバムが存在しないため、1位はキープしています。(3月もしばらくそうかも)

 

 

2 ハーフタイムショー

 

 今年のハーフタイムショーは一定のチャート効果を発揮。2/20付のHot 100では”Save Your Tears”は8位→4位に、”Blinding Lights”は3位キープですが著しい上昇を見せました。その他ベスト盤の”The Highlights”がアルバムチャート2位に登場。

 ベスト盤とオリジナル作品の曲は一部重複していますが、そのような場合は実セールスが高い方にストリーミング(とシングルDL)がカウントされます。この週最も売上が高かったThe Weekndの作品は”The Highlights”なので、該当シングルはすべてこちらに集計。稼ぎ頭のシングルをある意味「奪われた」”After Hours”は?位から37位に順位を落としています。次の週にはセールスが”After Hours” > “The Highlights”となり、元のような順位に戻っています。

 ちなみに昨年のハーフタイムショーはYouTubeでの再生数が過去最大を記録するなど、かなり評判が良かったですが、チャート効果でいうと存在感希薄でした。Hot 100への関連曲の登場はゼロ。アルバムチャートでも関連作品が50位以内にも入っていませんでした。ShakiraJennifer Lopezの現行ヒットが少なかったことが理由に挙げられそうです。(このことからチャート効果と評判/注目度がイコールではないことが伺えます)

 

 

3 その他のトップ10

 

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 ・Dua Lipa feat. DaBaby - Levitating

 ラジオとストリーミングを両立したヒットで、かつての“New Rules”=6位を上回り、5位まで到達。ピーク順位で見るとキャリア2番目のヒットに。さらなる浮上なるか?と思いましたが、月末あたりからラジオがマイナスに転じ始めたので、これ以上の上昇は難しいでしょう。

 

・Ariana Grande - 34+35

 先月のリミックスに引き続き、ビデオ効果で再び2位に浮上。どこかで1位を取る算段だったのかもしれませんが、”drivers license”の壁は高かったです。ちなみにリミックスをリリースした週以外は、オリジナルの方がメインと見なされ、リミックス勢(Doja CatとMegan Thee Stallion)はクレジットされず。とはいえ個々のChart Historyにはクレジットは残ります。

 

・CJ - Whoopty

 ストリーミングで芽が出たドリル曲。ラジオも素早く追随し、見事トップ10に。1週でトップ10を後にしましたが、現在もラジオがまだ伸びているのでトップ10復帰の芽もあります。

 この曲のヒットによって、昨年のPop Smokeでも見られたドリル・ムーブメントがさらに強化されたような印象です。TikTokではこの曲に絡めたUS Drill vs. 他の国のDrillの比較動画が登場し、各種ドリルリミックス(”Just Dance”や”Smells Like Teen Spirit”)なども流通しました。(ただ不安定なプラットフォームの宿命なのか、何個か動画が消えているような気もします)

個人的なお気に入り: https://vt.tiktok.com/ZSJRQePFC/

 

TikTokはそれぞれに合わせたFor Your Pageの機能が充実しており、そこがメインで使われているようです。しかし「それぞれに合わせた」ものなので、自分のFYPに出てくるコンテンツが全国区ではない可能性もあります。個人的にはこのDrill Songs比較シリーズ、めちゃくちゃ見かけた印象なのですが、どこまでの規模なのか全体像を把握することは難しいです。ただDrill Remixの2曲に関してはある程度の規模をTokboard等で確認しています)

 

・Cardi B - UP

 Cardi B新曲。“WAP”の再現を狙いましたが、2位スタートに。ストリーミング、セールス共に”WAP”の半分以下でした。(もちろん”WAP“が比較対象としては異例なのですが)

 セールスはこの週で最多の3.7万。うち0.3万はCDから計上されています。

 ストリーミングは3120万。ビルボードのStreaming Songsでは首位を獲得しましたが、Spotifyでは週間5位、YouTube週間2位、Apple Musicでも週の半分くらいは2位(残り半分は1位)になるなど、必ずしも覇権を握っていたわけではないです。

 初週1位を逃したとはいえ、このような初週ブーストを狙うタイプの曲としては2週目以降の下降が最小限なのは朗報です。2週目も5位をキープし、各指標で上位に残っています。

 

・Pop Smoke - What You Know Bout Love

 TikTok→ストリーミング→ラジオの順で人気に。そのラジオが伸びてきて、23週目にしてトップ10入り。ストリーミング→ラジオへと人気がスライドする曲は、ピークが分かれてしまう故にあまり順位が伸びないことも多いですが、この曲はトップ10に届きました。

 

・Lil Tjay feat. 6LACK - Calling My Phone

 リリースと共に、ストリーミングで予想外の注目を集め、見事上位デビュー。両者にとって初のトップ10となりました。6LACKはトップ40も初。一方Lil TjayはPolo Gとの“Pop Out”で11位まで到達した経験があります。

 このような2人が予想外の大ヒットを遂げた要因としてビルボードが指摘するのは、TikTokにあったスニペット。(=曲の一部の切り取り)正式リリース前にこれが流通したことにより、リスナーに浸透して期待度が高まっていたということです。これはMorgan Wallenの”7 Summers”でも指摘されていたことです。

 この2曲はいずれもTikTok内で覇権クラスのヒットというわけではないのですが、リスナーにうまく届けば規模はあまり関係ないのかもしれません。先述のようにTikTokはおすすめ機能(For Your Page)に力が注がれており、規模が大きくない動画でもFYPに一定数現れます。

 ちなみにビルボードは6LACKを客演表記にしていますが、多くの他媒体ではLil Tjay & 6LACKの表記になっています。

 

・Billie Eilish - Therefore I Am

 今月トップ10には入っていませんが、そのうち復帰しそう(リリース週は2位だった)な曲です。初週のようなストリーミングはもう無いですが、代わりにラジオで浮上中。オルタナティブ系ラジオでは自身4曲目の1位を達成しています。

 

 

4 Hot 100に初登場 or 2~3曲目のアーティスト

 

・Giveon

 今月面白い登場の仕方をしたシンガー。2/3曲目のHot 100入りを果たしました。昨年Drakeのミックステープに収録された“Chicago Freestyle”で初のHot 100入りを達成。この作品には多くの豪華ゲストが参加していましたが、それらの曲を上回り、アルバム曲の中では最大のヒットになっていました。(12週滞在、シングルの”Toosie Slide”に次ぐ成績)

 そのDrakeのミックステープよりも前に、彼はEPをリリースしていたのですが、そこに収録されているシングルが今になって注目されはじめました。2/27付のHot 100で、ストリーミングヒットの“HEARTBREAK ANNIVERSARY”、そしてラジオシングルの”LIKE I WANT YOU“が同時に登場しました。

 ちなみに前者は”Anniversary”の名をなぞるかのように、リリースからほぼ1周年のタイミングでHot 100入りを果たしています。後者はアダルトR&Bという系統での人気に加え、“Anniversary”人気に引っ張られたストリーミングの浮上も生きてのHot 100入りだと思われます。

 このような過去曲の急な浮上は、おそらくTikTokの影響もあるとは思うのですが、彼に対しては以前からプレイリストのサポートも充実していました。

 SpotifyではGlobal / USランキングに入る前から最大手プレイリストToday’s Top Hitsに。このリストに入って以降、大きな躍進を果たしました。Apple Musicでは、この曲がプレイリスト入りしたのはヒットしてからでしたが、12月末に彼のクリスマス曲がToday’s Hits(US版)に入るということがありました。特別クリスマス曲の中でも目立つセールスだったわけではないので、彼に期待してのプレイリスト入りだったと思われます。

 ちなみにAppleiTunesではGIVĒONという表記で、SpotifyではGiveonです。ビルボードは技術的な問題なのか、発音記号を表記しないので、Giveonです。

 

・Brent Faiyz & DJ Dahi feat. Tyler, the Creator - Gravity

 Brent FaiyazはGoldlinkの客演を務めた“Crew”以来2曲目のHot 100。DJ Dahiは自身の名義では初のHot 100に。(名前が表に出ない裏方としては数曲のHot 100入り歴があります) Tylerは13曲目のHot 100。

 この曲はTikTokでも注目されていますが、曲のヒットよりも少し後に注目されたような気もするので、因果関係は不明。1週でチャートから外れてしまいましたが、今後TikTokで勢力を伸ばせば、再登場の可能性もあるかも?

 

・Masked Wolf - Astronaut In The Ocean

 オーストラリア出身ラッパーの曲がグローバルヒットに。おそらくTikTokから恩恵を受けてのヒット。現在世界的に急浮上中で、今後の順位上昇が大いに期待されます。

 どちらかというとポップラップという曲調で、オンエアされるラジオはおそらくポップやリズミック系で、RMSビルボードでのMainstream R&B/Hip-Hop Airplay)ではかからないタイプの曲だと思います。

 

・Coi Leray – No More Parties

 フィメールラッパーが初のHot 100入り。主にApple MusicやYouTubeで人気の曲。オリジナルだけではなく、Lil Durkリミックスも注目を集めており、今後飛躍するかも。ただしSpotifyでは両バージョンとも圏外です。(この曲はTikTokでヒットしたのような記述もありますが、仮にそうだったとしても、TikTokの影響がより出やすいSpotifyでは圏外のため、一般的にイメージされるようなTikTokヒットとは少し違うかと思います)

 ちなみに日本のApple Musicでカタカナ表記だったため、自分が知らないだけで有名な人なのかな?と思ったのですが、英語版のWikipediaもまだ無かったです。Trippie Reddの元カノらしいです。

 

・Morray - Quicksand

 彼は初のHot 100入り。どちらかというとラジオヒットタイプの曲。

 

・YBN Nahmir feat. 21 Savage - Opp Stoppa

 YBN Nahmirは2017年の”Rubbin Off The Paint”、2018年の”1942”(メインはG-Eazy)以来、3曲目のHot 100入りです。TikTokでも注目されていたので、その影響もあるのかもしれません。

 

・Tom McDonald - Fake Woke

 Tom McDonaldは初のHot 100入り。DLがその週の1位。しかし他の媒体ではYouTubeくらいでしか注目されなかったので、DLが1位でもHot 100では96位という結果に。

 

 このように今月はTikTok系のヒットが多く見られました。来月最大の注目株はKali Uchisの“telepatía”。Doja Catの”Streets”のような勢いでストリーミングを浮上中。

 

 

5 正統派 Hip-Hop / R&B

 

 ラップと一口に言っても、その中で受容のされ方に多少の違いが見られます。今回紹介するのは他のジャンルからの影響が薄いラップ、またはR&B曲についてです。このようなタイプの曲はApple MusicやYouTubeで人気を得るものの、Spotifyでの影が薄い傾向にあります。ほかラジオではRMS(=Mainstream R&B/Hip-Hop)系統で主にかかり、次いでリズミック、ポップにはほぼかかりません。

 このような曲はクロスオーバー的な人気を得る見込みは薄いですが、熱心なラップリスナーに支えられており、根強い人気があります。またアルバム人気の高いApple Musicでの人気が高いことにより、アルバムリリース時にはHot 100大量登場することが多いです。(アルバム志向の強いリスナーがApple Musicに集まっているのか、それともApple Musicがシステム的にアルバム志向なのか、どっちが先かは分かりません。ただ、Apple MusicはSpotifyと比べてリコメンドが控えめなので、システム的にアルバム志向になりやすいというのは納得できます)

 

・BRS Kash - Throat Baby

 AppleYouTubeRMS系ラジオで人気。DaBabyとCity Girlsのリミックスという強力な援護もあり、トップ40入り。一方Spotifyでは100位に入らず。典型的なこのジャンルのヒットになっている印象です。

 

・Pooh Shiesty feat. Lil Durk - Back in Blood

 AppleYouTube中心に頭角を表す。今月は新ミックステープをリリースし、Apple Musicでは大人気。アルバムチャートでは4位に入り、3曲がHot 100入りを果たしました。その週にシングルの“Back In Blood”は17位まで到達しています。(次の週は16位とさらに浮上)

 Spotifyではアルバム単位の人気を得ることはなかったのですが、“Back In Blood”単体では人気を得ました。直近のデータだとトップ10まで到達しています。

 

・Lil Durk

 昨年末にリリースした“The Voice”のデラックス版を今月リリース。オリジナルと同様にApple Musicで人気を集めました。このデラックス版リリースの週では、オリジナル版リリースの週の売上を上回ることに成功しています。

 

・Moneybagg Yo - Time Today

 Apple Musicで人気。どの媒体でもそこまで派手な順位ではなかったので、Hot 100登場順位が高め(37位)で少し意外でした。

 

・Megan Thee Stallion – Body / Cry Baby

 元来はこのジャンルのラッパーだったMegan Thee Stallionですが、既にこの枠を超えた大スターに。2019年の”Hot Girl Summer”あたりからポップへのクロスオーバーを意識しはじめ、現在では3曲がポップ系ラジオチャート入りを果たしています。(”Savage”, ”Hot Girl Summer”, ”Body”)

 直近のシングルだった。“Body”はリズミックとRMSで1位に。ポップ系でも20位に入りました。月末からシングルが“Cry Baby”に切り替わり、”Body”は大きくラジオを落としています。

 

 

6 短評

 

・Sabrina Carpenter – Skin

 “drivers license”へのアンサーとされる曲。その効果もあり、46位でHot 100入り。Sabrina CarpenterはこれまでBubbling Under止まりの曲が2つあって、Hot 100に到達したことが無かったので、念願のHot 100入りと言えるでしょう。

 しかし本格的にはヒットせず、3週でHot 100を後にしています。ラジオのオンエアも多少はあるので、まだ復活の可能性もありますが。

 

・Cardi B feat. Megan Thee Stallion – WAP

 ピーク1位、しかし滞在は23週と短めの期間で外れました。ミームも含めた特大ヒットからの短めの滞在というチャートアクションは、Drakeの“In My Feelings”に通じるものを感じます。

 リリース初週における記録を更新するなど、ストリーミングでは特大ヒットでしたが、ラジオが週間最高19位止まりだったことが滞在の短い理由でしょうか。上記のMegan Thee Stallionの項目にあるように、ポップ系ラジオチャートにはエントリーしていません。歌詞の内容的には致し方ないのでしょうか?その歌詞がヒットの要因でもあるので、この曲のラジオの少なさとストリーミングでのヒットはトレードオフ関係なのかもしれません。

 

・Jawsh 685 & Jason Derulo - Savage Love (Laxed – Siren Beat)

 ピーク1位、滞在31週の成績で外れました。TikTokで名を馳せたJason Deruloが同サービス内で人気のインスト曲にボーカルを乗せ、ヒットに。さらに上位に入った所でBTSリミックスを追加し、セールス効果で1位を獲得するという、現代音楽マーケティングの教科書のような1曲でした。

 この曲は本来無いはずの31週目の滞在がありました。2/6付の週、51位ながらもビルボードのミスによってチャートに残っていましたが、2/13に正式に外れました。元来は50位以上だったところ、ポイントの修正が入り51位に落ちたものの、反映が間に合わずに残留のようなことだと思われます。

 2013年の8/31付けHot 100で、51位/29週目の”I Love It”が残留していたのも同様の理由かと思われます。

 

・Ava Max - My Head & My Heart / Kings & Queens

 Ava Maxの新シングル。過去の彼女のシングルでは、ヨーロッパのヒットから遅れてUSラジオのオンエアが始まる、のようなパターンでしたが、今回のシングルではタイムラグなくUSラジオでのオンエアが始まりました。2連続ラジオヒットで信頼を掴んだということでしょうか。

 この新曲が伸びた代わりに、前のシングル“Kings & Queens”のラジオが落ち、Hot 100から外れました。ピーク13位、滞在27週でした。

 

・Lil Nas X - HOLIDAY / Blanco Brown

 “HOLIDAY”がピーク37位、滞在12週で外れました。クリスマス曲と被ってしまったこと、また2020年初頭に大きく削減された公式ビデオ以外でのYouTubeポイントで数字を稼いでいた可能性の2つを考慮すると、時期が違えばもう少し良い成績を期待できるポテンシャルのある曲だと考えています。

 ちなみに彼の影響を受け、カントリー&ラップのスタイルでヒットを飛ばしたBlanco BrownはLil Nas Xとは違ってカントリー系ラジオに定着。Parmaleeとの”Just The Way”が今月トップ40入りを果たしています。

 

・Jack Harlow - WHATS POPPIN

 ピーク2位、滞在51週の特大ヒットでチャートを去りました。原曲→リミックスへの切り替えが非常にうまくいったことで、ロングヒットとなりました。(リミックス効果で2位まで到達したのは21週目) 51週の滞在はラップとしてかなり長い部類です。

 

・Taylor Swift – Love Story (Taylor’s Version)

 過去ヒットの再録音源ながらも、DL&ストリーミングで人気を集めて11位に登場。彼女のアーティストとしての注目度の高さが垣間見えました。元曲は既にリカレントで外れた曲ですが、再録音源は別物として滞在1週目からカウントされています。

 ちなみに“Love Story”は昨年Discolinesという非公式リミックスがTikTok内で大流行していました。この効果で、少しだけSpotifyランキング下位に登場していました。そのヒットがこの曲の人気に影響を及ぼしているかは不明ですが。

 

・Dua Lipa - We’re Good

 2/27に49位に登場。Future Nostalgiaのデラックス版からの新曲。リリースと共にラジオで多くオンエアされており、”Don’t Start Now”、”Break My Heart”、”Levitating”に次ぐ4連続のラジオヒットを目指します。

 

・DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR

 ピーク1位、滞在42週の成績で外れる。DaBabyの初の1位で、ポップ系やUS外などの従来にないフィールドでも注目を集めることに成功しました。例えばUKでは、それまで彼自身の曲ではトップ40も無かったですが、この曲で一気に1位獲得を果たしました。

 USでは2019年にブレイクしたDaBabyですが、その他の地域ではこの曲の存在により2020年にブレイクしたと言えそうです。彼もタイプ的には正統派ラッパー寄りで、曲によっては人気がAppleYouTubeに偏っていることもあります。

 

・Ritt Momney - Put Your Records On

 Corinne Bailey Raeのカバー。元々TikTokで人気を集め、ストリーミングで人気になっていた曲。Spotifyでのピークは10月~11月でしたが、ラジオでは今がまさに旬。Hot 100でもトップ40入りをこのタイミングで果たしています。

 

・Miley Cyrus feat. Dua Lipa - Prisoner

 ピーク54位、滞在12週の成績でチャートを後に。先月の“Midnight Sky”で久々(2014年初頭以来)に滞在20以上の「完走」を達成しましたが、この曲は滞在12週に終わりました。ラジオのサポートが終わってしまったことが下落の要因です。ピークが思いっきりクリスマスと重なってしまったため、そうでなければピークはトップ40に入っていたと思います。

 

・SZA feat. Ty Dolla $ign - Hit Different

 ピーク29位、滞在20週で外れる。リリース直後以外は、長く下位にいた曲ですが、ラジオでの粘りもあり滞在20週の「完走」を果たしています。この曲の存在があってなのか、ストリーミングでの人気シングル“Good Days”のラジオオンエアがやや遅れました。

 

 

 データ等

 

主に外れた曲

 

2/6

38 Dan + Shay – I Should Probably Go To Bed  (🗻28位 /⏰24週)

50 Cardi B feat. Megan Thee Stallion - WAP (🗻1 /⏰24週)

56 Russell Dickerson – Love You Like I Used To (🗻31位 /⏰20週)

 

2/13

51 Jawsh 685 & Jason Derulo – Savage Love (Laxed – Siren Beat)  (🗻1 /⏰31週)

83 SZA feat. Ty Dolla $ign – Hit Different (🗻29位 /⏰20週)

93 Lady A – Champagne Night (🗻33位 /⏰14週)

94 Future & Lil Uzi Vert – Drankin N Smokin (🗻31位 /⏰4週) ※

98 YoungBoy Never Broke Again – Kacey Talk (🗻50位 /⏰16週)

※のちに再登場

 

2/20

35 Morgan Wallen – 7 Summers (🗻6位 /⏰24週)

38 Morgan Wallen – More Than My Hometown (🗻15位 /⏰32週)

49 Jack Harlow feat. DaBaby, Tory Lanez & Lil Wayne – WHATS POPPIN (🗻2位 /⏰51)

59 Sam Smith - Diamonds (🗻39位 /⏰20週)

80 Lil Nas X - HOLIDAY (🗻37位 /⏰12週)

100 21 Savage & Metro Boomin feat. Drake – Mr. Right Now (🗻10位 /⏰18週)

 

2/27

48 Ava Max – Kings & Queens (🗻13位 /⏰27週)

49 DaBaby feat. Roddy Ricch - ROCKSTAR (🗻1 /⏰42)

98 Miley Cyrus feat. Dua Lipa – Prisoner (🗻54位 /⏰12週)

 

 

アルバムキリ番

 

2/6

1周年:Mac Miller – Circles (97位)

150週目:XXXTENTACION - ? (54位)

150週目:Foo Fighters – Greatest Hits (132位)

 

2/13

1周年:Pop Smoke – Meet The Woo, V.2 (83位)

100週目:Juice WRLD – Death Race For Love (29位)

500週目:Adele – 21 (173位)

 

2/20

200週目:Kendrick Lamar – DAMN. (69位)

400週目:The BeatlesAbbey Road (116位)

450週目:AC/DC – Back In Black (76位)

 

2/27

1周年:BTS – MAP OF THE SOUL:7 (108位)

150週目:Cardi B – Invasion Of Privacy (100位)

 

 

各指標の1位

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 "drivers license"一色とまではいかず

 

・Rolling Stone Chartsのトップ10

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 ラジオが減少したぶん、Hot 100では一部の曲が順位を落としたMorgan Wallenの曲ですが、ラジオの影響が無いこちらでは上位に。

 

今月のSpotify(US)トップ10

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※日付はHot 100準拠。新コーナーです。

 

 

◇各週の動向まとめ◇

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・リンク

・Hot 100:The Hot 100 Chart | Billboard

Billboard 200:Billboard 200 Chart | Billboard

・ChartBeatの記事:Chart Beat | Billboard *1

・Kworb(ラジオ等):https://kworb.net/

Spotify Charts:Spotify Charts

・Tokboard:Tokboard - Top TikTok Songs This Week *2

 

 

1月号:Billboard 動向・1月号(2021) 【予想外の1位独走など】 - チャート・マニア・ラボ

1 予想を超える1位:"drivers license"
2 期待通りの1位:Morgan Wallen
3 期待ほどではない(?)1位
4 超圧倒的だったクリスマス曲、去る
5 クリスマス後の特別復活ルール
6 その他のトップ10 + 今後
7 短評

 

 

*1:従来なら当月くらいは遡って記事閲覧できたのですが、Paywallが激しくなって直近の週しか見られなくなりました。このペースで行くと直近の週も見られなくなりそうで、恐怖です。

*2:更新再開!

ヒット曲の最終的なHot 100成績 + おまけ 【2020】

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 Hot 100では古い曲が過剰にチャートに居座るのを防ぐため、それらを外す「リカレントルール」なるものが存在します。ルールは上記の画像のように、21週目以降に51位以下に落ちた時、53週目以降に26位以下に落ちた時です。(落ちた時、というのがポイントで、該当順位/週数にいても落ちていない=上り調子ならば残留する時がある)

 Hot 100はラジオを基調としたシステムのため、このルールを制定しないと過去のラジオヒットが必要以上に残ってしまいます。

 このルールで1回外れると、ほとんどの場合再登場しません。例外は訃報があった際、過去のピークを大幅に更新しそうな時くらいです。このことから、リカレントで外れたタイミングの成績が、基本的にはその曲のHot 100最終成績になるのです。この記事ではその「最終成績」一覧をまとめています。

 

 

リカレントした曲の最終成績

※一時復活(過去曲など)やクリスマス曲は除く

🎄=クリスマス後に再登場を果たす曲

 

アーティスト
1月4日 Matt Stell Prayed For You 36 20
Jonas Brothers Only Human 🎄 18 27
1月11日 DaBaby feat. Offset Baby Sitter 59 20
Ellie Goulding & Juice WRLD Hate Me 56 20
1月18日 Lil Baby & DaBaby Baby 21 21
Lil Tecca Ransom 4 31
1月25日 DaBaby Suge 7 37
Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus Old Town Road 1 45
Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People 13 26
2月1日 Wale feat. Jeremih On Chill 22 23
Khalid Talk 3 46
Lady Antebellum ※ What If I Never Get Over You 40 21
Taylor Swift Lover 10 22
Summer Walker Playing Games 16 20
Chris Brown feat. Gunna Heat 36 20
2月8日 Post Malone feat. Ozzy Osbourne & Travis Scott Take What You Want 8 20
2月15日 Lil Nas X Panini 5 32
Halsey Graveyard 34 20
2月22日 NLE Choppa Camelot 37 20
2月29日 Young Thug feat. Gunna Hot 11 26
Luke Combs Even Though I'm Leaving 11 24
Jon Pardi Heartache Medication 42 20
DaBaby VIBEZ 21 20
3月7日 Lizzo Truth Hurts 1 42
Juice WRLD & YoungBoy Never Broke Again Bandit 10 20
3月14日 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM 1 21
SHAED Trampoline 13 39
Jonas Brothers Sucker 1 47
Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care 2 39
Jonas Brothers Only Human 18 36
3月21日 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 1 37
Billie Eilish bad guy 1 49
Sam Hunt Kinfollks 34 21
Old Dominion One Man Band 20 28
3月28日 Doja Cat & Tyga Juicy 41 20
4月4日 Lizzo Good As Hell 3 30
4月11日 Selena Gomez Lose You to Love Me 1 23
4月18日 Lil Baby Woah 15 21
YoungBoy Never Broke Again Make No Sense 57 20
4月25日 Kane Brown Homesick 35 21
5月2日 YNW Melly & Juice WRLD Suicidal 20 20
Dustin Lynch Ridin' Roads 47 20
5月9日 DaBaby BOP 11 30
Chris Brown feat. Drake No Guidance 5 46
Russ & BIA BEST ON EARTH 46 20
Karol G & Nicki Minaj Tusa 42 21
5月16日 Arizona Zervas Roxanne 4 26
The Weeknd Heartless 1 23
Dan + Shay & Justin Bieber 10,000 Hours 4 30
5月23日 H.E.R. feat. YG Slide 43 20
5月30日 Rod Wave Heart On Ice 25 27
Ingrid Andress More Hearts Than Mine 30 20
6月6日 Lewis Capaldi Someone You Loved 1 54
Mustard feat. Roddy Ricch Ballin' 11 44
6月13日 The Black Eyed Peas & J Balvin RITMO 26 27
Lil Baby Sum 2 Prove 16 20
6月20日 Eminem feat. Juice WRLD Godzilla 3 20
6月27日 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 12 27
Tones And I Dance Monkey 4 36
JACKBOYS feat. Young Thug OUT WEST 38 22
7月4日 Diplo feat. Morgan Wallen Heartless 39 21
7月11日 Carly Pearce & Lee Brice I Hope You're Happy Now 27 25
Billie Eilish everything i wanted 8 33
7月18日 Maroon 5 Memories 2 41
Blake Shelton & Gwen Stefani Nobody but You 18 25
blackbear hot girl bummer 11 42
7月25日 Pop Smoke Dior 2 21
Roddy Ricch feat. Mustard High Fashion 20 28
Jhené Aiko P*$$y Fairy 40 25
8月1日 なし      
8月8日 Surfaces Sunday Best 19 21
8月15日 なし      
8月22日 Trevor Daniel Falling 17 38
NLE Choppa feat. Roddy Ricch Walk Em Down 38 20
8月29日 Sam Hunt Hard To Forget 26 20
BENEE feat. Gus Dapperton Supalonely 39 22
9月5日 Lil Baby Emotionally Scarred 31 25
Miranda Lambert Bluebird 26 20
Drake Toosie Slide 1 20
9月12日 Roddy Ricch The Box 1 38
9月19日 Thomas Rhett feat. Reba McEntire, Hillary Scott ,Chris Tomlin & Keith Urban Be A Light 42 22
Florida Georgia Line I Love My Country 40 20
Keith Urban God Whispered Your Name 60 20
9月26日 Powfu feat. beabadoobee death bed 23 26
Justin Bieber feat. Quavo Intentions 5 31
StaySolidRocky Party Girl 21 20
Don Toliver After Party 57 20
10月3日 Maren Morris The Bones 12 52
Luke Bryan One Margarita 19 20
10月10日 Doja Cat feat. Nicki Minaj Say So 1 38
Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 1 28
Lil Mosey Blueberry Faygo 8 33
10月17日 Future feat. Drake Life Is Good 2 38
Morgan Wallen Chasin' You 16 36
Maddie & Tae Die From A Broken Heart 22 25
Lil Baby & 42 Dugg We Paid 10 22
10月24日 Lady Gaga & Ariana Grande Rain On Me 1 20
10月31日 なし      
11月7日 なし      
11月14日 Post Malone Circles 1 61
Dua Lipa Don't Start Now 2 52
Lil Baby The Bigger Picture 3 20
11月21日 Dua Lipa Break My Heart 13 32
11月28日 Rod Wave faet. ATR Son Son Rags2RIches 12 20
SAINt JHN Roses 4 34
Luke Combs Lovin' On You 23 20
12月5日 Jason Aldean Got What I Got 16 25
Harry Styles Adore You 6 50
Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch The Woo 11 20
Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings 17 20
12月12日 HARDY feat. Lauren Alaina & Devin Dawson One Beer 33 25
Lee Brice One Of Them Girls 17 26
Parker McCollum Pretty Heart 🎄 36 20
Juice WRLD & Marshmello Come & Go 2 20
Juice WRLD Wishing Well 5 20
12月19日 Kane Brown, Swae Lee & Khalid Like That 19 21
Lewis Caoaldi Before You Go 🎄
9 44
Surf Mesa feat. Emilee ily 23 28
Moneybagg Yo Said Sum 17 22
Harry Styles Watermelon Sugar 🎄 1 37
12月26日 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love 🎄 1 26
Morgan Wallen More Than My Hometown 🎄 15 26
Blake Shelton feat. Gwen Stefani Happy Anywhere 🎄 36 20

※のちにLady Aに改名

 

~ポイント~

・20週と21週ではかなり違いがあります。20週ちょうどで外れるということは、その前の週から下半分の順位にいることがほとんどですが、21週以上残るということは少なくとも21週目のタイミングで上半分に残っているということになります。(上昇による特例で下半分/21週目で残留する稀なケースを除く)

→このことから、最終週の順位に大きな開きがある場合が多いです。

 

・上位の新規登場が多いと、その分押し出される曲が多くなるので、週によって残留難度が違います。運が悪いと30位台にいたのに外れてしまうことも。

 

 

おまけ1:統計

 順位帯、滞在週数別にタイプ分けしました。

 

◇2020年

  1-5位 6-10 11-20 21-30 31-40 41-
20週 6 2 7 6 8 10 39
21-29 7 2 14 8 9 2 42
30-39 13 3 6 0 0 0 22
40-49 7 1 2 0 0 0 10
50- 3 1 1 0 0 0 5
36 9 30 14 17 12 118

  多いパターンには色をつけました。最多は21-29週でした。最近はロングヒットが多い印象ですが、以前と比較するとどうなのでしょうか。気になったので2010年の同データと比較してみました。

 

◇2010年

  1-5 6-10 11-20 21-30 31-40 41-  
20 2 6 7 14 18 20 67
21-29 13 11 5 7 1 2 39
30-39 10 1 3 0 1 0 15
40-49 2 0 1 1 0 0 4
50- 5 0 0 0 0 0 5
  32 18 16 22 20 22 130

 比較するとやはり滞在週数が伸びている傾向にありそうです。ここでは20週の滞在が最多。特に増えたのは30-39、40-49週でしょうか。2010年はこの2タイプの合計が19曲ですが、2020年は32曲です。

 

 

おまけ2:ピーク20位以上ながらもリカレントに届かなかった曲

1月4日 Harry Styles Lights Up 17 5
1月25日 Post Malone feat. DaBaby Enemies 16 18
2月22日 Mac Miller Good News 17 4
3月21日 BTS ON 4 2
Billie Eilish No Time To Die 16 3
4月4日 Lil Uzi Vert Silly Watch 9 2
Lil Uzi Vert Futsal Shuffle 2020 5 11
4月11日 Lil Uzi Vert feat. Chief Keef Bean (Kobe) 19 2
Lil Uzi Vert Lo Mein 8 3
4月18日 Lil Uzi Vert Baby Pluto 6 4
4月25日 The Weeknd After Hours 20 7
Jonas Brothers What A Man Gotta Do 16 12
5月2日 Lil Uzi Vert P2 11 6
Justin Bieber Yummy 2 15
5月16日 Lil Uzi Vert Myron 13 7
5月23日 Lil Baby & Gunna Heatin Up 18 7
5月30日 Future, Drake & Young Thug D4L 19 2
DaBaby feat. YoungBoy Never Broke Again JUMP 17 4
6月6日 Drake feat. Playboi Carti Pain 1993 7 3
6月20日 Lady Gaga Stupid Love 5 10
6月27日 NAV, Gunna & Travis Scott Turks 17 11
Lil Uzi Vert That Way 20 12
7月18日 The Weeknd In Your Eyes 16 15
7月25日 6ix9ine & Nicki Minaj TROLLZ 1 4
8月1日 6ix9ine GOOBA 3 10
8月8日 Juice WRLD Titanic 14 2
Juice WRLD Bad Energy 16 2
Travis Scott & Kid Cudi THE SCOTTS 1 13
Luke Combs feat. Eric Church Does To Me 20 19
Drake feat. Giveon Cicago Freestyle 14 12
8月22日 Taylor Swift the last great american great dynasty 13 2
Taylor Swift my tears ricochet 16 2
Juice WRLD Blood On My Jeans 12 4
8月29日 Juice WRLD & Halsey Lief's A Mess 9 6
A$AP Ferg feat. Nicki Minaj & MadeinTYO Move Ya Hips 19 2
9月5日 Juice WRLD Conversations 7 6
Juice WRLD Righteous 11 16
9月12日 Juice WRLD & Marshmello feat. Polo G & The Kid LAROI Hate the Other Side 10 7
Taylor Swift feat. Bon Iver exile 6 5
9月19日 Taylor Swift the 1 4 6
9月26日 Billie Eilish my future 6 6
Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 1 18
11月7日 21 Savage & Metro Boomin Glock In My Lap 19 3
BLACKPINK & Selena Gomez Ice Cream 13 8
Juice WRLD & The Weeknd Smile 8 10
11月14日 DJ Khaled feat. Drake GREECE 8 15
12月5日 21 Savage & Metro Boomin Runnin 9 7
12月12日 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. Franchise 1 9
DJ Khaled feat. Drake POPSTAR 3 19
12月26日 Morgan Wallen 7 Summers 🎄 6 17
Shawn Mendes Wonder 🎄 18 10
Miley Cyrus Midnight Sky 🎄 14 17
BTS Life Goes On 1 3

 ※↑の🎄3曲のうち、"Wonder"は復帰後もリカレントに届かず。残り2つはリカレントまで到達。

 

~ポイント~

・シングルヒットを狙いながらもうまく行かなかった曲も見られますが、そもそもシングルではなく、ヒットを狙っていないにも関わらず上位入りした曲も多いです。ただしこのタイプの曲はラジオが無いので、持久力に欠けます。

・どちらにせよ一時的にでも高い順位を記録するということは、アーティストとしての注目度は高いということなので、仮に尻すぼみで終わっていても一定の評価はできます。

 

 

2019年版:ヒット曲の最終的なHot 100成績 【リカレント2019】 - チャート・マニア・ラボ

2018年版:ヒット曲の最終的なHot 100成績 【リカレント2018】 - チャート・マニア・ラボ

 

 

 

Hot 100に登場した日本関連の曲 2020

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 今年(この記事では2020年を指します)、Hot 100に登場した曲のうち、日本に関連する曲を取り上げます。(1:日本人/日系人が参加した曲 2:日本関連のワードが歌詞に入っている曲)

 

 

1 日本人/日系人によるHot 100エントリー

 

(歴代の日本人Hot 100エントリー)

1963年 坂本九Sukiyaki (🗻1位・⏰14週)
1963年 坂本九 – China Nights (🗻58位・⏰3週)

1979年 ピンクレディー – Kiss in the Dark (🗻37位・⏰11週)
1980年 YMO – Computer Game Theme from The Circus (🗻60位・⏰9週)
1981年 横倉裕 feat. Patti Austin – Love Light (🗻81位・⏰3週)
1981年 オノ・ヨーコ – Walking On Thin Ice  (🗻58位・⏰10週)
1990年 松田聖子 feat. Donnie Wahlberg – The Right Combination (🗻54位・⏰13週)

2016年 ピコ太郎 – PPAP (🗻77位・⏰4週)

2018年 Sofi Tukker feat. Nervo, The Knocks & 植野有砂 – Best Friend (🗻81位・⏰5週)
2018年 John & Yoko/The Plastic Ono Band With The Harlem Community Choir - Happy Xmas (War Is Over) (🗻42位・⏰2週) 

2019年 宇多田ヒカル & Skrillex - Face My Fears (🗻98位・⏰1週)
2019年 Joji – SLOW DANCING IN THE DARK (🗻69位・⏰13週)
2019年 Joji – Sanctuary (🗻80位・⏰1週) 

2020年 Joji - Run (🗻68位・⏰1週)

 (🗻ピーク順位・⏰チャート滞在週数)

 

 今年は+1曲増加。昨年の3曲ほどの勢いはありませんが、着実に曲数は積み上がっています。2016年のピコ太郎が26年ぶりのHot 100エントリーだったことを考えると、近年のペースは驚異的です。

 Jojiは上記のアーティストでは最多の累計Hot 100入り数:3を記録。次点はオノ・ヨーコ坂本九の2曲。

(ちなみになんですが、ピコ太郎より前の日本人Hot 100 エントリーのソースにしていたサイトが最近見たら消えていました。「日本人」の定義は曖昧な部分もありますが、ピコ太郎より前はそのサイトの判断に従っています。以降は自分で判断)

 

 

・Joji

 彼の2018年の“SLOW DANCING IN THE DARK”はクラシック級のアンセムに。現在もSpotify(US)の100位前後をキープしており、同ランキングの滞在日数は800日を超えています。

 そんな期待感もあってか、今年リリースされたアルバムは9.2万と前作(5.7万)よりも売上が大幅に増加。週によっては1位も取れる成績でしたが競合のMachine Gun Kelly、SuperMに破れ3位でした。

 そのストリーミング人気からHot 100に多くの曲が登場……!となるかと個人的に考えていたのですが、突出した曲がなく均等に再生されたためなのか、一つもHot 100には入らず。5曲がBubbling Underに入るというなんとも惜しい成績を記録しました。(今年唯一Hot 100入りした“Run”はアルバムの週ではなく、シングル単体でリリースされた週でのHot 100入り)

 Spotifyでは大人気(初日全曲トップ100入り)だったのに対し、Apple Musicでは注目されず(1曲もトップ100に入らない)だったことが痛かったですかね。ライバルのMachine Gun Kellyは両方の媒体で人気がありました。(SuperMは専らセールス)

 “Your Man”はポップ系に、”Daylight”はオルタナティブ系に、と一部シングルはラジオでもオンエアされましたが本格的に人気を得ることはなかったです。

 

 

日系アーティスト / おまけ

 

・Jhené Aiko

 Aikoの名前から伺える通り日系です。今年かなり活躍していました。新作がアルバムチャートでは自己最高の2位。しかも売上は15.2万なので、平均的な週ならば余裕で1位を取れる成績でした。(この週の1位はLil Uzi Vert)Apple Musicを中心としたストリーミングで人気を集めていました。

 このアルバムからの3曲に加え、客演でも3曲、計6曲が今年新規でHot 100エントリーを果たしています。

 

・Conan Gray

 母親が日本人らしいです。ブレイクのきっかけとなった“Maniac”はBubbling Under止まりでしたが、次の”Heather”で初のHot 100入りを果たしています。今後の活躍にも期待が持てそうなタレントです。

 

・MadeinTYO

 日系であるかは不明ですが、日本に過ごした期間もあるようで、それがアーティスト名にも反映されています。(TYO=Tokyo)

 A$AP Fergの客演を努めた“Move Ya Hips”で19位入り。ただし滞在2週で外れる。この曲のヒットに大きく寄与したのはもう一人の客演、Nicki Minajの存在。彼女のファンベースの強さから、関連曲は初週に数字が集中することが多いのです。それゆえ、MadeinTYOがこの曲のヒットにどこまで寄与しているかは不明。

 

 

(おまけ)

TOKYO’S REVENGE - Goodmorningtokyo!

 ストリーミングで注目を集め、Hot 100ギリギリ手前=Bubbling Underで1位まで到達した曲。アーティスト名も曲名も両方日本からの影響が見られますが、彼と日本との関係性は不明。

 

LiSA

 Hot 100ではエントリーからは程遠いですが、ビルボードが新設したGlobal 200で「炎」がトップ10入り。ただ世界的に売れたかというというよりは、日本の規模の大きさによってランクインしたような印象。各国のランキング分布を参考にすると、東アジアに人気が集中しているからです。(ただ、一般的な日本の曲と比べるとかなり海外でも人気があるような印象です)

 日本の市場規模の大きさから、このGlobal 200では日本で活動する日本人アーティストの上位入りが多く見られます。

 

 

2 ワード

 

 実際に聞いて気づいたもの、または関連ワードなどをGenius歌詞検索で探してリストアップしています。客演等で複数名義の曲は、日本語歌詞部分を担当しているアーティストを太字にしています。(手作業で探しているため、抜け落ちの可能性もあることをご容赦ください、見つけ次第訂正します)

(Geniusに感謝🙏)

 

 ワード解説の前に……日本関連のワードをよく曲に登場させるのはラッパーたちです。言葉数の多さ等が関係しているのでしょうか。そして彼らはアルバム単位で大量のHot 100エントリーをすることも珍しくはないです。この採用数+Hot 100エントリー曲数の多さの2要素により、このコーナーに登場する曲はラッパーの曲が自然と多くなります。

 しかし非シングル曲の場合、アルバムのインパクトが終わってしまうと急速に勢いが衰え、ピーク順位からは想定するようなヒットではなくなっている場合もあります。それを示すために、今年の記事では滞在週数も記載します。このような曲は、熱心なファンには知られてはいるけれど、一般的な浸透度では他に劣る可能性があるということです。

 

 まずはワード数集計です。私がこの企画をはじめた2018年以降のエントリー数の推移を見ます。

  2020 2019 2018
5以上     Japan (7)
4     Chun-Li, Kamikaze
3 Honda, Tsunami, Godzilla, Sensei, Karate Japan Mario, Tokyo, Sumo
2 Sushi, Kamikaze, Tokyo, Nintendo, Sasuke, Judo, Benihana, Tekken Honda, Sensei, Nobu, Benihana, Tsunami Kawasaki, Pikachu, Karate, Sushi, Teriyaki, Ninja
1 Pokémon, Super Saiyan, Nobu, Kawasaki, Murakami, Yu-gi-oh, Suzuki, Anime, Hadoken, Japón, Sumo, Mario Ichiro, Tokyo, Kawasaki, Mazda, Goku, Super Saiyan, Manga, Ryu & Ken, Luigi, Pokémon / Ash, Pikachu, Dojo, Sushi, Ramen, Karaoke Toyota, Honda, Anpanman, Goku, Playstation, Judo, Kimono, Murakami, Benihana, Saké, Pokémon, Tsunami

3年連続で入ったワード:Honda, Tsunami, Sushi, Tokyo, Benihana, Pokémon, Kawasaki

 

 ある程度ワードの中にも人気/定番があるような印象。7ワードが3年連続でHot 100入りを果たしています。大まかにジャンル分けすると、車/バイク・食べ物・アニメ/ゲーム・スポーツ あたりですかね。

 

 ここからはワード別に事例を見ていきます。複数人が参加している曲は、その該当ワードを発した人物を太字にしています。リミックスは、ビルボードがそのリミックスをメインバージョンとして掲載した物のみを採用しています。

 

 

☆Honda

① Bad Bunny, Jowell & Randy & Ñengo Flow - Safaera(81位、7週)

Chinga en lo' Audi, no en lo' Honda, ey (Tra)”

(=ホンダではなく、アウディでfuckする)

 

② Lil Uzi Vert - Baby Pluto(6位、4週)

“I ain't fuck a bitch in so long, I'd do it in a Honda Accord (Nah, for real)”

・2巡目だと最後のアドリブが(Woah)に変化する

・この曲の冒頭には中国語も登場

 

③ Lil Baby & Young Thug - We Should (91位、1週)

“You a Honda Civic whipper, in my (In what?) chameleon (Yeah)”

 

 これらの他、Lil WayneとYoungBoy Never Broke AgainのBubbling Under曲にも登場します。この企画に3年連続で登場していますし、かなり定番のワードなんでしょうかね。他の自動車メーカーよりもかなり登場数が多いです。

 

 

・Suzuki

Lil Wayne feat. Big Sean & Lil Baby - I Do It (33位、2週)

“I treat the Wraith like that bitch is Suzuki”

 

 

☆Pokémon

Bad Bunny - Pero Ya No (63位、1週)

“A mí ya no me cachas, yo no soy un Pokémon”

(あなたはもう私を捕まえられない、私はポケモンじゃないし)

 

 これも3年連続登場の人気ワード。実は2018年、2019年には“Pikachu”も登場していたのですが、今年は登場せず。ただThe Kid LAROIの”Pikachu”がBubbling Underには入りました。曲名だけではなく、曲中のリリックにも“Pikachu”は登場。使用法は毎回おなじみの黄色い車をピカチュウに例えるというものです。

 あとThe Kid LAROIはアルバムのジャケットが渋谷のスクランブル交差点風でしたね。個人的には本来ガストがあるべき場所(?)がラブホテルになっているのがツボですね……(ちなみに上記の“Pikachu”が登場するのは、このアルバムのデラックス版です)

 

 

 

☆Sensei

 Eminem feat. Don Toliver - No Regrets (84位、1週)

“Since day one, Hellraiser with twin blades of a sensei”

 

② Big Sean feat. Travis Scott – Lithuania (69位、1週)

“I'm sensei and senseless, same time (Ah)”

 

③ Pop Smoke - 44 bulldog (39位、2週)

“And I keep a chop like sensei (Uh)”

 

 2019年~2020年にロングヒットになったMustardとRoddy Ricchの“Ballin‘”でも印象的な使われ方をされている先生というワード。道場(昨年のエントリー)、チョップあたりのワードと併用されている所を見ると空手のMr. Miyagiが参考元なのでは?と個人的には仮説を立てました。

 

 

☆Sushi / Kawasaki

Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. – Franchise (1位、9週)

“Golf buggy, Kawasaki; catch a fish: sushi, maki, livin' life”

 

 ともに3年連続登場の人気ワード。Sushiをmakiしているのは少しマニアックで面白いです。Sushiは他にも大ヒットの”Life Is Good”のリミックス(Futureのパート)や、T.D(後述)にも登場します。

 

 

☆Nobu

NAV feat. Lil Baby - Don’t Need Friends (65位、1週)

“I eat at Nobu when I get the munchies (Let's go)”

 (ほか大ヒットの”Lemonade”のリミックスのRoddy Ricchパートにも登場)

 

☆Benihana

① Lil Uzi Vert - Come This Way (83位、1週)

“Yeah, she in my kitchen, whip it up like Benihana (What? What?)”

 

② Gunna – WUNNA

“Benihana ('Hana), cookup, hey (Hey)”

  NobuとBenihanaよく登場する日本料理点の2つです。

 

 

Tsunami

① Lady Gaga & Ariana Grande - Rain On Me (1位、20週)

“Rain on me, tsunami

 

② Black Eyed Peas, Rey J. Soul & Ozuna - MAMACITA (62位、11週)

“I know I got you wet like tsunami (Eh)”

(※Black Eyed Peasのメンバーのうち、apl.de.apによるパート)

 

③ Pop Smoke - Mood Swings (17位、20週)

“She a tsunami, I ain't never felt it dry”

 

  日本人的な感覚からすると、津波は災害のイメージを大きく伴う恐ろしいものですが、これらの使用法を見ると英語圏では恐怖感のようなものはなく、「たくさん水分が出るさま」なことが多いっぽいですね。

 

 

Godzilla

 Eminem feat. Juice WRlD – Godzilla (3位、20週)

“I can swallow a bottle of alcohol and I'll feel like Godzilla

Godzilla, fire spitter, monster”

“Fire, Godzilla, fire, monster”

 

 Eminem feat. Don Toliver - No Regrets (84位、1週)

“Or Godzilla squashin' a crouton with combat boots on”

 

③ DJ Chose & Beatking - THICK

“Club Godzilla, I can't smash no duck for free”

 

 曲名も“Godzilla”。この曲はアルバム1番のヒットでした。Eminemが以前からよく使っているワードの一つです。

 

 

☆Kamikaze

① Eminem feat. Young M.A. – Unaccommodating (36位、2週)

“That's why they call me Kamikaze, it's plain suicide, yeah”

 

② Eminem – Marsh (83位、1週)

“When that Kamikaze hit (When that Kamikaze hit)”

 

 前アルバムのタイトルにしていたことから分かるように、これもEminemのお気に入りワードらしいです。

 

 

☆Mario

Tyla Yaweh feat. Post Malone - Tommy Lee (65位、2週)

“I finish the bottle, dawg, get this bitch jumpin', no Mario”

  ジャンプやコインなどのワードとの組み合わせが定番のように思います。

 

(参考?)

以下の2曲ではSupah Marioというプロデューサーが務めており、自身のタグが曲名に載っています。名称的にスーパーマリオの影響下と思われるので、参考までに。彼は過去にDrakeやYoung Thugの曲を担当したこともあるようです。主にアルバム曲ですが……

 

Lil Uzi Vert – Myron (13位、7週)

Lil Uzi Vert - Silly Watch (9位、2週)

 

 

☆Tokyo

 

Pop Smoke - Bad Bitch From Tokyo? (55位、1週)

“Bad bitch from Tokyo (Oh), drip from Italy (Oh)”

 

 当たり前なんですが、固有の地名では圧倒的な知名度があります。ほか“Loyal”のリミックスにも登場(Bad Bunnyのパート)

 

☆Tokyo / Super Saiyan / Sushi

~Lil Yachty & Tierra Whack feat. A$AP Rocky & Tyler, the Creator - T.D (83位、1週)~

 

A$AP Rockyパートより)

“I Tokyo Drift like the sample”

“Super Saiyan blonde, her lacefront on (Uh)”

 

(Tyler, the Creatorパートより)

“Raw as fuck, bitch, I feel like sushi”

 

 “Tokyo Drift”をサンプリングした1曲だけあって、大量に日本関連のワードが登場する曲です。日本のラッパーやDJによって構成されるTerirayki Boyzによる”Tokyo Drift”は、ワイルドスピードの主題歌に採用されており、2006年にBubbling Under入りも果たしています。現在でも時折TikTokで人気を得ています。(例えばSean Paulとのマッシュアップとか)

 

 

☆Karate

① Moneybagg Yo - Said Sum (17位、22週)

“Karate’d the wock, he tryna kick the cup (Shake it)”

 

② Lil Tjay - 20/20 (94位、1週)

“Big .40 cal' in my shirt, no karate”

 

③ 21 Savage & Metro Boomin – Brand New Draco

“You gon' fuck around and get chopped, lil' Karate Kid (Pussy)”

 

☆Judo

① Lil Baby & Future - Live off My Closet (28位、1週)

“Pray to Young Pluto and kick it like judo (Yeah)”

 

② Future & Lil Uzi Vert - Sleeping on the Floor (65位、1週)

“I'll kick the shit like it's judo (Bitch, bitch)”

 

☆Sumo

Future & Lil Uzi Vert - Sleeping on the Floor

“I'm Baby Pluto (Baby, Baby Pluto), pockets, they big like a sumo (Sumo, yeah)”

 

 日本のスポーツシリーズ。何の比喩になっているかを見るのが面白いと思います。Judoは高確率でKickの比喩。

 

 

☆Murakami

Lil Uzi Vert - Chrome Heart Tags (45位、1週)

“Murakami on my walls (Ooh)”

 

 多分村上隆のこと。村上隆は今年J Balvinのアルバムデザインも担当していました。(このアルバムからのHot 100入りは無し)

 

 

☆Nintendo

Eminem feat. Young M.A. – Unaccommodating

“Like a dusty cartridge from an old Nintendo”

 

Eminem feat. - You Gon’ Learn

“Take your Nintendo and then skate”

  けっこう日本関連のワードを重用するEminemさん

 

 

☆Sasuke / Narut / Anime

 

① Lil Uzi Vert – Sasuke (65位、1週)

“Yeah, Sasuke, Sasuke, Sasuke, Sasuke, Sasuke, Sasuke

This is not no Naruto, but I chop that like Sasuke”

 

② Megan Thee Stallion - Girls in the Hood

“I'ma make him eat me out while I'm watchin' anime (Wow, wow, anime)

Pussy like a Wild Fox, lookin' for a Sasuke (Yeah, yeah, ayy, yeah)”

 

 どちらもメインキャラクターのナルトではなく、サスケにフォーカス。Lil Uzi VertはFutureとの”She Never Been to Pluto”(Bubbling Under入り)でもサスケを歌詞に登場させています。(この曲でも“Not Naruto“とナルトではないことを主張しています)

 

関連記事:2018年のPitchforkのナルト特集。この記事では、ナルト+ラップの組み合わせを開拓したのはSoulja Boyと分析しています。

Why Is Rap Obsessed with Naruto? | Pitchfork

 

 

☆Yugi-Oh

Lil Uzi Vert - You Better Move (36位、1週)

“Yu-Gi-Oh, Yu-Gi-Oh, you wanna duel?

Blue-Eyes White Dragon, no, I will not lose”

 

 Windowsピンボールの効果音サンプリングも印象的な1曲。2行目のBlue-Eyes White Dragonはカードの名称

 

 

☆Hadoken

Bad Bunny - BOOKER T (78位、1週)

“En este género yo fui un Hadōken (Ey, ey, ey)”

(このジャンルでは、私は波動拳だった)

 

 ストリートファイター関連もよく歌詞に登場する人気シリーズ。ほかBubbling Underに入ったEminemの“I Will”にはBlankaが登場します。

 

Tekken

① Pop Smoke – Tunnel Vision (Outro) (79位、1週)

“All in a second, gun kickin' like it's Tekken (Buck, buck)”

 

② ROSALÍA & Travis Scott – TKN

“TKN TKN TKN”

(TKNの正体は明かされていないが、鉄拳が最有力説と言われている)

 

 同じく日本の格闘ゲーム、鉄拳も人気を集めています。

 

 

☆Japón (Japan)

Bad Bunny & ROSALÍA - LA NOCHE DE ANOCHE (53位、2週)

“Que yo me iría otra vez pa' Japón (Hey)”

 ROSALÍAは3曲のHot 100エントリーのうち、2曲で日本関連のワードを登場させています。

 

(ほか1位を獲得した”Franchise”にも“Japan”ならびに”Tokyo”が登場します=Futureのパートで)

 

 

多く日本関連のワードをHot 100に登場させたアーティスト

※同一曲での同一ワードの繰り返しは1とカウント

 

Lil Uzi Vert:8回 (Honda, Benihana, Murakami, Sasuke, Naruto, Yu-Gi-Oh, Judo, Sumo)

Eminem:7回 (Sensei, Godzilla×2, Kamikaze×2, Nintendo×2)

Bad Bunny:3回 (Honda, Pokémon, Hadouken)

Pop Smoke:3回 (Tsunami, Tokyo, Tekken

A$AP Rocky:2回 (Tokyo, Super Saiyan)

Megan Thee Stallion:2回 (Anime, Sasuke)

ROSALÍA:2回 (Japón, TKN)

 

 

2019年度版:Hot 100に登場した日本関連の曲 2019 - チャート・マニア・ラボ

2018年度版:今年Hot 100に登場した、日本に関連する曲 まとめ - チャート・マニア・ラボ