チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

6/30 リリースの新曲/新作 の初動を観察 【Calvin Harrisはどこまでヒット?】

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今週のリリースの目玉はCalvin Harris。実は今までアメリカでアルバム1位を獲得したことのないCalvin Harrisですが、今回はどこまでヒットとなるのでしょうか。

写真はYouTubeに公開された、アルバムトレイラーからのワンカット。アルバムリリース前はFeelsのビデオ以外は音源をアップロードされていませんでしたが、昨日になったら全曲音源がYouTubeに上がりました。「アルバム単位で聞いてください」という彼からのメッセージでしょうか?


アルバムで聞けるYouTubeのプレイリスト ↓

 

 

まずは現在のSpotify トップ10から。

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber Despacito
2 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
3 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
4 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller Wild Thoughts
5 Kendrick Lamar HUMBLE.
6 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
7 Post Malone feat. Quavo Congratulations
8 Drake Signs
9 Calvin Harris feat. Frank Ocean & Migos Slide
10 Childish Gambino Redbone

アルバムリリースのタイミングでSlideが上昇。ピークタイの9位まで上昇しました。注目はXO TOUR Llif3。現在世界的に大ヒット中のWild Thoughtsを抜いて2位まで浮上。Hot 100では先週12位とトップ10から落ちてしまいましたが、まだ伸びしろはあるのでしょうか……!どの曲がDespacitoをいつ抜くのか、見ものだと思います。

ちなみにイギリスではWild ThoughtsがSpotifyで首位になっています。

 

※11 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean  Feels
※16 Calvin Harris feat. Future, Khalid Rollin
38 Calvin Harris feat. Travis Scott & A-Track Prayers Up
50 Tyler, The Creator feat. Frank Ocean 911 / Mr. Lonely
51 Calvin Harris feat. Kehlani & Lil Yachty Faking It
55 Calvin Harris feat. ScHoolBoy Q, PartyNextDoor & DRAM Cash Out
※74 Calvin Harris feat. Young Thug, Pharrell Williams & Ariana Grand Heatstroke
75 J Balvin Mi Gente
76 Future feat. Chris Brown PIE
77 Tyler, The Creator feat. A$AP Rocky Who Dat Boy
80 Future feat. YG Extra Luv
90 Calvin Harris feat. Snoop Dogg, John Legend & Takeoff Holiday
101 Calvin Harris feat. Nicki Minaj Skrt On Me
141 Calvin Harris feat. Jessie Reyez Hard to Love
178 Desiigner Liife
190 LANY Super Far

※新リリースではないものの、新アルバムのシングル

 

Calvin Harrisのアルバム全曲が圏内に。アルバムラストのHard to Loveの141位が底。好調なのは既発曲が中心。現在Hot 100でチャートイン中のFeelsは上昇、Rollinは再登場の線が強いと思います。Prayers Upは現状当落線上ですかね。ただアルバム通しで37分と短めなので、リピート回数が増えて現状の再生回数を維持できればより多くの曲がHot 100に入るかもしれません!

 

Q.結局Calvin Harrisはアルバム1位を取れそう……?

おそらく。現状iTunesのアルバム1位で、かつストリーミングでの数字も上々。さらにライバルとなりそうな勢いのあるアクトがいないので、高確率でアルバム1位になると思います。同週にJay-Zもアルバムをリリースしましたが、ダウンロードすらまだ不能なTidal限定なのでさすがに1位にはならないでしょう。ただ、ストリーミングはTidalのみでリリースだった*1昨年のBeyoncéのLemonadeはリリース時の「ストリーミング総合チャート」でSorryが8位、Hold Upが11位、6 Inchが12位など全曲が50位圏内に入ったという事例もありました。つまりTidalのみでも十分なストリーミング成績を残すことは可能ということを意味します。Tidal限定でもストリーミングである程度の数字を記録し、そこそこの順位でアルバムチャートに登場する可能性もあります。

18 Monthではアルバム19位、Motionではアルバム5位と着実に地歩を固めてきたCalvin Harris。さらなる飛躍へ……!

 

その他の注目点はTyler, The Creatorの2曲。Frank Ocean、A$AP Rockyという影響力のある客演の効果もあって好調な滑り出し。客演以外で初のHot 100の可能性も。

Futureは今年リリースしたアルバムFuture、HNDRXXのボートラという形で新曲を追加。Chris Brown、YGを迎えた2曲ともそれなりに注目を集めているようです。

最後にJ Balvin。ラテン系スターとしては上々の滑り出しを記録。Despacitoに続くヒットが出るか出ないか、ラテン系スターのリリースにも注目が集まると思います。

 

そしてiTunes。表にはありませんが、Charlie PuthのAttentionが割引で2位になっています。CassieのMe & Uはドキュメンタリー番組の効果のようです。

28 Tyler, the Creator  Who Dat Boy
39 J Balvin Mi Gente
52 Future feat. YG Extra Luv
57 One Republic Truth To Power
59 Adam Lambert Two Fux
61 Future feat. Chris Brown PIE
65 Dirty Heads Vacation
77 Bruno Mars & David Guetta Versace On The Floor
79 Dylan Scott Hooked
※86 Cassie Me & U
 

*1:ダウンロードは可能

Billboard Hot 100 7/8 見どころ 【ネキネキ高順位デビューの理由は……?】

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ネキネキするRihanna。そのWild Thoughtsが高い順位で登場しています!

 

100 Plies feat. Kodak Black – Real Hitta (New)

10年前にトップ10を記録したこともあるベテランのPliesがKodak Blackを迎えたReal Hittaが100位で登場。

 

89 Portugal. The Man – Feel It Still (New)

今週アルバムが32位で新登場したPortugal.The Man。アルバムリリースのタイミングで初のHot 100入りを達成。Feel It Stillが89位で登場。ラジオが主要なポイント源で、ロック系ラジオの一種のAlternativeラジオチャートでは、今週1位に登りつめました。ちなみに彼らはポルトガルではなく、アメリカのバンド。

※国のポルトガルといえば、今年のユーロビジョンの優勝者はポルトガル人でした。ユーロビジョンとは主にEU圏で行われる音楽コンテストなのですが、このイベントはアメリカでは注目されていないようで、優勝者の楽曲がデイリーのiTunes100位圏内にも入ることはなかったようです。イギリスではシングル97位を記録しています。

 

83 Young Thug feat. Future – Relationship (New)

新作Beautiful Thugger Girlsがアルバムチャートで8位だったYoung Thug。シングルではFutureとのRelationshipが83位で登場。2016年3月のSlime Season 3、2016年8月のJefferyに続いての3作連続アルバムチャートでトップ10登場と、人気を確立しつつあるようです。

 

79 Fifth Harmony feat. Gucci Mane – Down (↓)

Fifth HarmonyのDownがタイトル通り今週もダウン。登場から42位→71位→79位。最初の週はダウンロードが集まり、新曲ということでストリーミングでも注目度が高いこともあって高い順位でデビュー。しかしその次はそのダウンロードが落ちることの反動(ダウンロードは普通2回しない)により、2週目は順位が落ちるのがチャートの定番です。ただ3週目以降は、ヒットとなるにはラジオが伸びてきて巻き返すことが必要なので、来週もDownしてしまうと少し雲行きが怪しくなりますね。ちなみに元Fifth HarmonyのCamilaのCrying in the Club2週連続で順位を+1して、現在54位です。この2曲のチャートバトルも見ものです。

 

61 Kodak Black – First Day Out (New)

Kodak Blackの出所祝いソング、First Day Outが61位で登場。前述のReal Hitta (100位)など彼の曲が4曲Hot 100に。彼の行動が制限されている間にアルバムがリリースされ、またTunnel Visionが一時期Hot 100で6位まで上昇しましたが、現在は44位まで落ちてしまいました。ちょっと浦島太郎状態?ですかね。

 

55 2 Chainz feat. Travis Scott - 4AM (↑)

アルバムリリースがチャートに反映され、その恩恵を受けた2 Chainz。新エントリーは無かったものの、先週からHot 100に入っていた3曲がすべて上昇。Good Drankは94位→70位、It’s A Vibeは95位→58位、そしてこの4AMは85位→54位。アルバムチャートでも2位を記録しています。ちなみに今週のアルバム1位のLordeは今週のHot 100に1曲もエントリーせず。

 

51 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (New)

ついに今週リリースされるCalvin Harrisのアルバム Funk Wav Bounces Vol. 1からの4曲目の先行シングルFeelsが51位で登場。先行シングル4曲ともすべてHot 100に入っていますが、今回のFeelsはSlideに次いで2番目に登場時の順位が高いです。ほかの先行シングルはビデオがありませんが、この曲はビデオがリリースされました。

 

45 Alessia Cara – Scars To Your Beautiful (↑)

Alessia CaraのScars To Your Beautifulが落ちそうで落ちないです。43週目で45位と粘りを見せています。チャート入り初期はダウンロードやストリーミングが主要ポイント源ですが、いかにロングヒットになるかはラジオにかかっています。複数ジャンルのラジオでかかると尚良しです。Hot 100では45位のScars To Your Beautifulですが、ラジオチャートでは今週18位と高めの順位を保っています。

 

34 Liam Payne feat. Quavo – Strip That Down (↑)

Liam PayneのStrip That Downが34位に上昇でソロでは初のトップ40入りを記録。One Directionメンバーのソロデビューのうち、Zayn、Harry、Louisはデビュー週が最高位でしたが、それに対してLiamは今週デビュー時の順位(42位)を上回るなど、じわじわ上昇していますね。ここからどこまで順位を上げられるでしょうか。

 

17 James Arthur – Say You Won’t Let Go (↓)

最も遅いトップ10入り(38週目)も更新できるのでは?というぐらいに遅咲きヒットとなっているJames ArthurのSay You Won’t Let Goですが、今週12位 → 17位とトップ10が遠ざかりました。トップ10入りはやや厳しいか。アメリカで初のヒットとなったこの曲、ピーク11位でかつロングヒットなので、年間チャートでは高めな順位を期待できると思います。年間25-20位くらいですかね。ちなみにピーク11位は、彼がXファクターで優勝した時にカバーしたShontelleの原曲のImpossibleのピーク13位を上回っています。

 

4 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wild Thoughts (New)

DJ KhaledとRihanna、Bryson TillerのSantanaのMaria MariaをサンプリングしたWild Thoughtsが4位で登場。Bryosn Tillerにとっては初のトップ10。Rihannaがトップ5に入ったことにより、先週まで12週続いたトップ5の女性不在をストップしました。この曲、ダウンロードとストリーミングが2位というのも目を引きますが、それ以上に注目したいのはラジオで今週23位ということ。この数字はラジオチャートでの登場順位としてはここ1年で最も高い数字です。ダウンロード、ストリーミングの熱が冷めないうちにラジオがさらに上がってくれば、Hot 100で1位も取れると思います。Despacitoの次の1位の最有力候補だと思います。

 

× Katy Perry feat. Migos – Bon Appétit (↓)

シングルではなくなった=ラジオではかからなくなった、こともありアルバムリリースで順位を上げた先週から一転、チャート圏外へ落っこちたBon Appétit。中毒性があって個人的には好きなのですが、チャートでは完全に奮わなかったですね……後続のSwish Swishも84位と少しピンチです。

 

× Rae Sremmurd – Swang (↓)

Black Beatles後のシングル、Swangがピーク26位 / 26週滞在という悪くない成績を残してチャートから外れました。この曲のTravis Scott Remix好きです。

ちなみにこの曲の代わりにRae Sremmurdの片割れ、Swae Leeが客演を務めるFrench MontanaとのUnforgettableが現在16位と躍進中です。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Imagine Dragons - Believer

今週最もダウンロードが上昇した曲 Miley Cyrus - Malibu

今週最もストリーミングが伸びた曲 2 Chainz feat. Travis Scott – 4AM

最も高い順位で新登場した曲          DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wlid Thoughts

 

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

88 Zac Brown Band – My Old Man

 

今週チャートから外れた曲

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位/チャート滞在週数)】

99 Major Lazer feat. Travis Scott, Camila Cabello & Quavo – Know No Better (87位/2週)

98 Drake – Gyalchester (29位/11週)

96 Josh Turner – Hometown Girl (56位/16週)

86 Dierks Bentley – Black (56位/19週)

85 Katy Perry feat. Migos – Bon Appétit (59位/6週)

83 Linkin Park feat. Kiiara – Heavy (50位/17週)

50 Rae Sremmurd – Swang (26位/26週)

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

Drake – Signs (Spotify 8位)

Metro Boomin feat. Offset & Drake – No Complaints (Spotify 26位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 37位)

Yo Gotti & Mike Will Made-It feat. Nicki Minaj – Rake It Up (Shazam 36位)

DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jeremih – Don’t Quit (Spotify 42位)

Goldlink – Crew (Shazam 48位)

Sia feat. Labrinth – To Be Human (Shazam 55位)

Lauv – I Like Me Better (Spotify 56位)

Chris Lane – For Her (Pandora 57位)

 

来週高い順位で登場しそうなのは2つのDrakeの曲。Signsはストリーミングで高い支持を得ていて、ダウンロードもそれなりにあります。

そして大型アルバムをリリースするDJ Khaled。大量にHot 100エントリーすると私は考えていましたが、実際は入ったとしてもCalvin HarrisとのDon’t Quit程度かも。Imagine Dragonsとのアルバムチャート争いも注目です。ちなみにImagine DragonsのBelieverは来週トップ10入りすると思います。もしかしたら5位くらいまで行くかも……?

 

チャート好きが選ぶ 2017 Best Songs So Far (前期)

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多数のメディアが”So Far” と題して、今年前期のベストアルバム / シングルを発表していたので、それに私も続こうと思います。

 

今年は新鋭ラッパーが続々と台頭し、チャート上位を支配。さらにはスペイン語シングルが1位を獲得するなど、新たなタイプのスターが多く登場していることが、チャートからも分かります。その一方で、女性がトップ10に不在の週があり、6月まで女性ソロミュージシャンがアルバム1位を獲得しないなど、勢力図がこれから変わるのかも?という議論も浮上するなど(タイミングの問題もありますが)、ニュースに富んだ2017前半戦だったと思います。

 

そんな2017年に輝きを見せたシングル40曲 +α を紹介したいと思います。ちなみに2017年前期のベストシングルと称していますが、なるべく2016年12月以降リリースの曲を選考対象にしています。2016年12月は年の変わり目で去年のリストからは漏れるかなと考えたので………

 

プレイリストはこちら。SpotifyYouTubeのプレイリストもComing Soonです。

https://open.spotify.com/user/azumarill_a/playlist/5iU0xJbz1dWiR3nhyah6Dt

 

40 Haim – Want You Back

前のアルバム2013年のDays Are Goneから4年、来週リリースのアルバムが楽しみです。

 

39 Danny L Harle (feat. Phoebe Ryan) – Heavy Eyelids

Phoebe Ryanがソングライトした / 歌った曲は一瞬で分かるぐらい個性的なボーカリスト。PC Musicの刺激的なタッグ。

 

38 Poppy – Computer Boy

かわいい系の奇抜さを保ちながらも、ラジオバンガーにもなりそうなポテンシャルを感じる曲。

 

37 Katy Perry feat. Migos – Bon Appétit

Bon Appétitへのリンクがどこかに見えると無意識に再生してしまう。油断したら再生。

 

36 Lil Yachty – Harley

昨年One Nightに続くLil Yachtyのアンセムになるかもしれません。アルバムもっと聴き込みたいです。

 

35 Noah Cyrus – I’m Stuck

Miley Cyrusの妹、Noah Cyrus。Marshmello, Labrinthなど凝ったメンツと音楽を作っていて、自分の中のアルバムへの期待値が密かに高いです。

 

34 Zara Larsson – Only You

アルバムでは幅広いジャンルに挑戦していましたが、この曲が一番”Zara色”があったと思います。Twitterでデート相手を募集?したり相変わらず面白いです。

 

33 Young Fathers feat. Leith – Only God Knows

ノリノリになるしかないゴスペル系ロック

 

32 Raye – The Line

イギリスで今年大ヒットしたJax JonesのYou Don’t Know Meのシンガー。この曲からイギリスのR&Bを牽引する存在になるようなパワーを感じます。Charli XCXとの関わりにも注目したいです。

 

31 Migos – Out Yo Way

アルバムラストの隠れた好トラックだと思います。

 

30 Thundercat – Bus in These Streets

変態Thundercatのドリーミートラック。同じくドリーミーなJameel’s Space Rideも好みです。

 

29 Charli XCX feat. Cupcakke – Lipgloss

Cupcakkeの超ラップとキラキラ系トラックが融合した、3AMと並ぶミックステープの見どころの一つだと思います。

 

28 Allie X – Lifted

サビのかわいい感が特徴的。ちょっとNoonie Baoっぽい?

 

27 Lorde – Liability

アルバムの流れで聴くと際立つ「アルバムの中の」名シングル

 

26 Khalid feat. Rae Sremmurd & Lil Yachty – Young Dumb & Broke (Remix)

4人の「声の魔術師」による共演。私が好きな2015年のTy Dolla $ign feat. Rae Sremmurd, FutureのBlaséを彷彿とさせる部分もあります。

 

25 Stormzy – Big For Your Boots

ここ1年でセールス/ストリーミングがイギリスで2倍になったグライムシーンの牽引車と言ってもよい1曲です。

 

24 Harry Styles – Sign of the Times

トレンドよりも自分のやりたいスタイルをアルバムまで突き通し、それでヒットさせるカリスマ性が詰まった1曲です。

 

23 Calvin Harris feat. Young Thug, Ariana Grande & Pharrell Williams – Heatstroke

Slideも良かったけれど、この曲でのYoung Thugの無双っぷりが先行シングルのなかで一番の発見でした。

 

22 Sigrid – Don’t Kill My Vibe

3分少しで大きく心を揺さぶる、壮大なコーラスが特徴的な1曲です。もう少しヒットしてほしかったです。(イギリス60位、オーストラリア85位など)

 

21 Vin – It’s On

サウンドクランドに潜む魔法のようなダンストラックです。

 

20 Paramore – Fake Happy

新スタイルのParamoreの顔に加え、昔のParamoreを彷彿とさせるメロディラインをも感じる1曲です。

 

19 Gucci Mane feat. Offset – Met Gala

圧倒的なオフセット劇場。前期はQuavoが特にチャートで躍進しましたが、この無双っぷりからOffsetの躍進にも期待が持てるかもしれません。

 

18 The xx – Dangerous

アルバムの最初の強烈な一撃。†The xx式猫騙し†

 

17 Gorillaz feat. Danny Brown & Kelea – Submission

Danny Brownのこの曲へのフィット具合がたまらないです。

 

16 Kendrick Lamar – ELEMENT.

James Blakeが携わった、クールに突き放す1曲です。

 

15 Kyle feat. Lil Yachty – iSpy

客演仕事人、Lil Yachty。リリックビデオ / ビデオに共通するメルヘンな雰囲気も好きです。

 

14 Kehlani – Undercover

チャート的にはまだHot 100に4曲(うち2曲は映画のサントラ、残りの2曲はいずれも1週でチャートから外れています)ですが、今後チャートを支配できるポテンシャルを感じた、ポップセンスとR&Bを融合させた1曲だと思います。

 

13 Betty Who – Some Kinda Wonderful

オーストラリアのシンガーソングライターの、好ポップアルバムを代表する1曲です。

 

12 Lil Uzi Vert – XO TOUR llif3

“ロックスター”を自称するLil Uzi Vertが生み出した新アンセム

 

11 Carly Rae Jepsen – Cut to the Feeling

第二の春を謳歌するCarlyさんが生み出した、なぜかHot 100とは縁のない最高のポップスです。

 

10 Drake feat. Black Coffee & Jorja Smith – Get It Together

Drakeが連れてくる客演陣に特色のある”プレイリスト”のMore Lifeでしたが、この曲の出会いが私のなかでヒットでした。

 

9 Cashmere Cat – Victoria’s Veil

神 (Kanye) を目指した 猫 (Cashmere Cat)。彼のKanyeへのあこがれが分かる、New Slavesを彷彿とさせる超展開の1曲です。

 

8 Future – Mask Off

民が選びしアンセム。先にビデオがリリースされた曲、またはRihanna、The Weekndというゲストを迎えた曲よりも大きくヒットしました。Futureの凄みを感じます。

 

7 Julia Michaels – Issues

トレンド要素や、複雑なサウンドを取り入れずとも、シンプルな作りでヒットさせてしまう人気ソングライター陣の凄みを感じます。彼女もソングライトで参加した後のSelena GomezのBad Liarにも影響を与えているのではないでしょうか。

 

6 Vince Staples (feat. Kendrick Lamar) - Yeah Right

Sophie のビートにVince Staples、Kendrick Lamarを載せるという「混ぜるな危険」的なものと出会える一曲です。

 

5 Dirty Projectors – Ascent Through Clouds

煮詰められた感情が表現されたアルバムの雰囲気がよく分かる6分超えの大作シングルです。

 

4 Migos - T-Shirt

Bad and Boujeeの後、この曲を聴いてMigosの成功を確信しました。

 

3 Paramore - Hard Times

それまでのParamoreの印象をガラっと1つのシングルで変えてしまった。

 

2 Kendrick Lamar - DNA.

Kendrick Lamarの内面から湧き出るエネルギーの熱量で圧倒される1曲です。

 

1 Lorde - Perfect Places

傑作アルバムを締めくくる、2017年の最高級ポップスだと思います。

 

 

アルバムのベストはこう↓です。

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そして以下の10曲を “Honorable Mention”にします。

* Drake feat. Quavo & Travis Scott – Portland

* Hannah Diamond – Make Believe

* Icona Pop – Girls Girls

* Jans Lekman – How We Met, The Long Version

* Jamiroquai - Automaton

* J Hus – Did You See

* Kid Ink feat. Starrah – No Strings

* K?d – Glitch Boy

* Rich Chiga, Keith Ape & XXXTENTACION – Gospel

* ゆるふわギャング – YRFW Sh*t

 

いかがでしたでしょうか。チャート好きらしく?ポップスを中心に据えたランキングだと自分で思います。2017後期も素晴らしい音楽がリリースされるのを楽しみにするとともに、今まで出たアルバムをより一層聴き込むのも忘れないようにしたいと思います。

別の機会に「後期に楽しみなアルバム」についても書くかも……!

 

6/23 リリースの新曲/新作 の初動を観察 【Imagine Dragons vs. DJ Khaled】

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この週の見どころは、巨大アルバムの対決、Imagine Dragons 対 DJ Khaledです。両者とも前作では1位を獲得しているうえ、シングルでも好調。この週のアルバム1位はどちらの手に? また「ロックのストリーミング」というテーマについても少し書いています。

 

まずはSpotifyデイリー 現在のトップ10から。

1 Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber Despacito
2 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
3 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller Wild Thoughts
4 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
5 Kendrick Lamar HUMBLE.
6 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
7 Post Malone feat. Quavo Congratulations
8 Childish Gambino Redbone
9 Imagine Dragons Believer
10 Future Mask Off

Wild Thoughtsが勢い止まらず3位まで浮上。I'm the Oneもアルバムリリース効果で2位に舞い戻りました。Imagine DragonsのBelieverも負けじとBelieverが9位まで浮上。

Wild Thoughtsは来週のHot 100でトップ10入りの見込みと報じられています。(私もそう思います)

 

↓ 続いて、新リリース曲群のSpotify デイリー順位です。

※16 Imagine Dragons Thunder
19 DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jeremih Don't Quit
※40 DJ Khaled feat. Drake To the Max
※43 Imagine Dragons Whatever It Takes
52 DJ Khaled feat. Chance the Rapper I Love You so Much
57 DJ Khaled feat. Travis Scott, Rick Ross & Big Sean On Everything
58 DJ Khaled feat. Future, Migos, 21 Savage & T.I. Iced Out My Arms
59 Imagine Dragons Start Over
(re) 62 DJ Khaled feat. Beyoncé & Jay-Z Shining
72 Vince Staples (feat. Kendrick Lamar) Yeah Right
(re) 76 Imagine Dragons Walking The Wire
78 Imagine Dragons I Don't Know Why
82 Gucci Mane feat. Chris Brown Tone it Down
87 Imagine Dragons I'll Make It Up To You
90 DJ Khaled feat. Nas & Travis Scott It's Secured
92 DJ Khaled feat. Future & Nicki Minaj I Can't Even Lie
100 DJ Khaled feat. PartyNextDoor, Future, Travis Scott, Rick Ross & Kodak Black Down for Life
102 Vince Staples Big Fish
104 DJ Khaled feat. Migos Major Bag Alert
112 Imagine Dragons Rise Up
121 DJ Khaled feat. Alicia Keys & Nicki Minaj Nobody
149 DJ Khaled feat. Kodak Black, Gucci Mane & Rick Ross Pull a Caper
150 Fall Out Boy Champion
157 DJ Khaled feat. Sizzla I'm so Grateful
160 DJ Khaled feat. Pusha T & Jadakiss Good Man
161 Imagine Dragons Yesterday
172 Imagine Dragons Mouth Of The River
183 DJ Khaled feat. Future & Yo Gotti That Range Rover Came With Steps
185 DJ Khlaed feat. Future, Young Thug, Rick Ross & 2 Chainz Whatever
199 Imagine Dragons Dancing In The Dark

 

シングルでも目立つのは2大アルバムのシングルの面々。Imagine Dragonsはアルバム全11曲が、DJ Khaledは23曲中18曲が Spotify デイリーの200位圏内に。

実はImagine Dragonsの全11曲エントリー、けっこうな快挙だと思っています。ロックがストリーミングでここまで躍進するのは珍しいからです。

ストリーミングでは、どのような曲が上位に来るかを見てみます。まずは、ストリーミングとの相性が良いとされるラップから。最新のRap Streaming チャートを参照してみます。

Rap Streaming チャート

1 DJ Khaled feat... I'm the One (2017年)

2 Kendrick Lamar - HUMBLE. (2017年)

3 Future - Mask Off (2017年)

4 Lil Uzi Vert - XO TOUR Llif 3 (2017年)

5 Post Malone feat. Quavo - Congratulations (2016年)

6 French Montana feat. Swae Lee - Unforgettable (2017年)

7 Kyle feat. Lil Yachty - iSpy (2016年)

8 Ayo & Teo - Rolex (2017年)

9 Playboi Carti - Magnolia (2017年)

10 Kendrick Lamar - DNA. (2017年) 

※(リリース年)

 

主に2017、または2016年の曲が上位にランクインし、ストリーミングを通して多くのラップソング新たに火が点き、人気となっている様子が伺えます。またストリーミング量も非常に多く、上位10曲すべて、ストリーミング「総合」チャートのトップ15に入っています。ラップとストリーミングの相性が抜群であることは言うまでもないようです。一方でロックとストリーミングはどうなのでしょうか。

 

Rock Streaming チャート

1 Imagine Dragons - Believer (2017年)

2 twenty one pilots - Heathens (2016年)

3 Imagine Dragons - Thunder (2017年)

4 twenty one pilots - Stressed Out (2015年)

5 twenty one pilots - Ride (2016年)

6 Smash Mouth - All Star (1999年)

7 Passenger - Let Her Go  (2012年)

8 Imagine Dragons - Radioactive (2012年)

9 Imagine Dragons &... - Sucker For Pain (2016年)

10 Journey - Don't Stop Believin' (1981年)

※(リリース年、Rideはシングルとしてのリリース年)

 

Don't Stop Believin'!!!をはじめとして、過去の名曲が目立ちます。ちなみにDon't Stop Believinは'突如今週上位に入ったものではなく、常に10以前後にいる曲ということも明記します。 毎週毎週新しい曲がほぼ無いというワケではないですが、(例 この 週は新曲多めです)ロックの新曲がストリーミングで定着しづらく、ラップと比べるとストリーミングでの新曲ディグ(掘る)が進んでいないことが分かると思います。また、総合チャートとの比較でも首位のBelieverがストリーミング「総合」チャートで28位に入り以外は、すべて50位の圏外でした。 よってロックとストリーミングの相性が良くないことが分かるかと思います。

その不利なストリーミングというフィールドでも、アルバム全曲が入るというのは、Imagine Dragonsの人気、そして今回のアルバムが好評さ、というものを物語っていると思います。

 

しかしそんな充実ぶりを見せるImagine Dragonsの強力なライバルとなるのがDJ Khaled。アルバムのセールス自体ではImagine Dragonsが一歩リードしているようですが、アルバムの純セールス以外のアルバムチャートに計上される要素、TEA(アルバム内シングルのセールス、曲10セールス=1アルバムセールス) SEA (1500曲ストリーミング=1アルバムセールス)の要素ではDJ Khaledに分があります。

まずTEA。Wild Thoughts、I'm the Oneという巨大シングルが2つもあるので、この2シングルのセールスでかなり数を稼ぐと思います。それ以外でもCalvin Harrisとの曲もセールスを伸ばすかもしれません。

そしてSEA。今回のDJ Khaledのアルバムは、曲数が23もあるのでストリーミングとアルバムチャートという点からみるとImagine Dragonsよりも圧倒的に有利です。なぜかというと、アルバムの収録曲数に関係なく、1500ストリーミング=1セールス だからです。つまり11曲全てがSpotify200位圏内に入ることよりも、多少の曲が200位圏内に入らずとも、より多くの曲を量産することがアルバムチャートで1位を取るうえでは重要なのです。この問題についてPitchforkが以前に記事を書いています。↓

pitchfork.com

 

ストリーミングをアルバムチャートに計上するのは、実際の聴き方を反映させるうえで重要なことだとは思いますが、曲数が多ければとりあえず有利、という制度には今後メスが入るかもしれません。

このようなTEA、SEAの優位性から、この週のアルバム1位はDJ Khaledだと考えています。Imagine Dragonsはイギリスだとアルバム1位になるかなと思います。

 

ここまでは2大アルバムについて書きましたが、ここからはその他のシングルについて。Vince Staplesのアルバムがリリース。現在iTunesアルバムで5位、そしてシングルも2曲Spotify 200位圏内に登場と、2015年の前アルバムSummertime’06のアルバム39位を上回る数字が出そうです。その他Gucci ManeがChris Brownとの新曲をリリース、2015年にはトップ10シングルを出したFall Out Boyも新曲をリリースしています。

 

最後に新曲のiTunesチャートでの成績

※2 $ Imagine Dragons Believer 
※3 DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller Wild Thoughts
※4 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne I'm the One
※25 $ Imagine Dragons Thunder
31 DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jeremih Don't Quit
50 BLACKPINK As If It's Your Last
52 DJ Khaled feat. Future & Nicki Minaj I Can't Even Lie
61 Jacob Sartorius feat. Blackbear Hit Me Back
66 Gucci Mane feat. Chris Brown Tone It Down
※73 $ Imagine Dragons Whatever It Takes
92 Lecrae feat. 1K Phew Hammer Time
※96 DJ Khaled feat. Drake To the Max
100 Drake Signs

※=新曲ではないものの、新アルバム関連の曲

$=0.69ドルの割引

 

BelieverがDJ Khaledの曲を順位では上回るものの、Khaledのアルバムのほうが曲数が多いぶん、セールスでも有利といえそう。

注目は韓国の女性グループBLACKPINKの新曲。iTunes 50位ではHot 100に入ることは出来ないですが、ラジオ / ストリーミングでの数字を伸ばして「定着」すればHot 100入りもありえるかも?ちなみにカナダでならシングル100位圏内に入ったことがあります。

そしてDrake。リリースの時間が遅かったことから、まだSpotifyiTunesでの順位が低いですが、すぐに順位を上げるでしょう。

 

 

Billboard Hot 100 7/1 見どころ 【巨大アルバムのその後】

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今週は「巨大アルバムのその後」という大まかなテーマでHot 100を見ていきます。画像はそのテーマに当てはまる、The WeekndのReminderのビデオ。

 

97 The Weeknd – Reminder (Re)

The WeekndのReminderが97位で再登場。昨年12月のアルバムリリース時以来の再登場。5月にシングル化されてラジオでかかり始めたことが要因。2015年のアルバムBeauty Behind the Madnessでは、アルバム前後の盛り上がりから一区切りしてからシングル化された4曲目のシングルのAcquaintedはピーク60位でしたが、同じく4曲目のシングルのこのReminderはどうなるでしょう。ストリーミング時代の巨大アルバムでは、アルバムのシングルのピークがリリース前後に集中してしまうのが悩みでもあります。

 

95 2 Chainz feat. Ty Dolla $ign, Trey Songz & Jhené Aiko – It’s A Vibe (New)

2 ChainzのTy Dolla $ign、Trey Songz、Jhené Aikoを迎えたIt’s A Vibeが95位で登場。先週にアルバムPretty Girls Like Trap Musicをリリースした彼。リリースがチャートに反映されるのは来週ですが、Hot 100に新たに何曲か登場するかもしれません。現在は4AM、Good Drunk、It’s A Vibeの3曲がHot 100に。

※次の週のアルバム1位はおそらくLordeのMelodramaです。

 

93 Kane Brown feat. Lauren Alaina – What Ifs (New)

若手カントリーシンガー、Kane Brownのアメリカンアイドル出身のLauren Alainaを迎えたWhat Ifsが93位で登場。両者にとって3曲めのHot 100。今週は他にカントリーではBrothers Osborne のIt Ain’t My Faultが100位、Billy CurringtonのDo I Make You Wannaが79位で登場。

 

89 Wisin feat. Ozuna – Escapate Conmigo (New)

プエルトリコ出身のシンガー、WisinのEsacapate Conmigoが89位で登場。2014年にはJennifer LopezRicky Martinの2名の大物を客演に据えたAdrenalinaが94位に登場していました。Despacitoの1位独走で盛り上がるラテン曲シーンですが、ShakiraのChantajeの客演でHot 100に登場したMalumaが後に、自身の曲でもHot 100に登場(Felices Los 4が今週65位)など、この曲のように客演を据えることも多いことから、「客演で紹介したアーティストが後にブレイク」というヒップホップにも似た流れを感じます。この流れが続けば、Despacito単発ではなく、本格的なブームが到来するかも……?

 

74 Kendrick Lamar feat. Rihanna – LOYALTY. (→)

Kendrick Lamarのアルバム、DAMN.の曲で現在でもHot 100にも残っているのはHUMBLE.、DNA.、LOVE.、LOYALTY. アルバムリリースから9週目が経過したものの、LOYALTY.は順位をキープ、LOVE.は一つのみ順位を落とすなど「横ばい」状態に突入。これらの曲の驚くべきところは、シングル化されていなくてラジオとはほぼ無縁で、主にストリーミングでのポイントで横ばいになっていること。つまりLOYALTY.、LOVE.はストリーミングで音楽を聴いている人と、ラジオで音楽を聴いている人では熱量の差が開いている曲ということになると思います。このような事例が続くなら「ストリーミング vs ラジオ」というテーマを今後注目したいと思います。

※LOYALTY.は今週から一部のラジオ局でかかり始めるようです(=シングル化)

 

70 SZA feat. Travis Scott – Love Galore (New)

今週アルバム3位のSZAのCtrl。アルバムからはTravis ScottのLove Galoreが70位で登場。SZAにとって初登場。週の後半にはiTunesのアルバムチャート(デイリー)で同週リリースのKaty Perryを上回り1位を獲得するなど健闘。RihannaのAntiの最初の曲、Considerationでも客演を務めたSZAには期待がかかります。

 

62 Katy Perry feat. Nicki Minaj – Swish Swish (↑)

ストリーミングでそこまで指数を獲得せずとも、元からの支持の高さもあって余裕を持ってアルバム1位を獲得したKaty PerryのWitness。(セールス自体は前アルバムのPrismの約 2/3)Hot 100ではBon Appétitが85位、Swish Swishが62位でいずれも上昇。ポップ系ラジオではそのままSwish Swishで勝負し、Adult Pop系ラジオ向けにSave As Draftをシングル化するという「複数シングル戦略」を仕掛ける模様。この作戦を成功させ、不調の印象があるシングルでも巻き返せるか。

 

37 YFN Lucci feat. PnB Rock – Everyday We Lit (↑)

XXL Freshmanに落選したYFN Lucci、XXL Freshmanに選ばれたPnB RockのコンビのEveryday We Litが37位と、ヒットの水準とされるトップ40に突入。両者にとって初のトップ40。今年のXXL Freshman(全10人)の面々では5人目のトップ10入り。A Boogie Wit Da HoodieのDrowningが現在42位*1で、この曲もトップ40入りなるか…?

 

36 Migos feat. Gucci Mane – Slippery (↑)

MigosとGucci ManeのSlipperyが36位でトップ40入り。アルバムがリリースされた時の順位は48位でした。シングル化(Hip-Hop / R&B系ラジオで今週15位)、またそれによりストリーミングも再浮上したこともあって、一回目の山のピークを更新したということに。YouTubeでアルバム全13曲を公開し、7曲のビデオを作成するなど、シングルと非シングルが曖昧なようにも感じましたが、シングルはしっかりと順位を上げていて、Bad and Boujee、T-Shirt、このSlipperyはいずれもトップ40入りをしています。

※そのアルバムの続編、Culture 2 Coming Soonとの情報が出ていますが、いつリリースなのでしょうか……?

 

23 Selena Gomez – Bad Liar (↑)

水曜日のビデオリリースで注目を集めて、Selena GomezのBad Liarが大きく浮上。45位→23位。来週のチャートでは、ビデオ公開のポイントが一週間フルカウントされること、またiTunes0.69$値下げセールでダウンロードが伸びた(現在3位)こともあって、さらに順位を上げそうです。

ビルボードがこのBad Liarはヒットするか?という記事を作っていました。要旨は、「Shape of You、Something Just Like Thisが思ったよりもラジオで長くヒットしたこともあって、ポップ系ラジオでの争いは激しい。あと、スタートの順位もそこまで高くなかった。ただ批評家からの後押しもあるし期待はしている」


21 Ed Sheeran – Castle on the Hill (↑)

Shape of Youと対極的に、順位をずるずる落としていたのは過去の話。Ed SheeranのCastle on the Hillが今週21位まで浮上。大きなポイント源はラジオ。ラジオのポイントが今週10位。先週チラっとShape of YouがHip-Hop / R&B系ラジオのチャートに入りましたが、Castle on the HillはRock系のラジオである程度の期間かかっていたようです。リリースから上下動ありながらも、一回もチャートから外れずに、23週目にして上昇気流に乗るなどロングヒットになっています。ストリーミングではもう順位が高くはない(例:Spotify 139位)ものの、ラジオで支持を得て長持ちになっているという事象は、ストリーミング時代のシングルの売り方としては参考になりそうなケースだと思います。

※①リリース時 ②アルバムのリリース時 ③ラジオで再浮上 という3つの山があるという点で、2014年のColdplayのA Sky Full Of Starsとチャートアクションが似ていると思います。

 

16 David Guetta feat. Justin Bieber – 2U (New)

David GuettaとJustin Bieberの2Uが16位で登場。Purpose以降、Major Lazer、DJ Snakeと2組のDJをそれぞれ2位、4位に導いたJustin Bieber。今度はベテランDavid Guettaと共にどこまで順位を上げることができるか。ちなみにDavdi Guettaの最高位は2012年のTurn Me Onの4位。

ストリーミング、ラジオでも強いJustin Bieberですが、ダウンロードではさらなる強さを発揮していて、今週ダウンロードの多かった上位3曲はDespacito、I’m the One、2Uと全て彼の曲でした。

 

× Martin Garrix & Dua Lipa – Scared To Be Lonely (↓)

交際の噂が浮上?したタイミングで姿を消したMartin GarrixとDua LipaのScared to Be Lonely。84位ピークは低く感じるかもしれませんが、Martin Garrixもこのスタイルに転換してから日が浅く(=ポップスリスナーの間ではまだそこまで馴染んでいない)、またDua Lipaの知名度もアメリカでは低いこと、それに14週チャート滞在とこの順位にしては長め、ということを考慮すれば、「そこそこ」のチャート成績だと思います。Troye Sivanとの次シングルThere For Youはどこまでいけるでしょうか。

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Luis Fonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieber - Despacito

今週最もダウンロードが上昇した曲 Selena Gomez – Bad Liar

今週最もストリーミングが伸びた曲 YFN Lucci feat. PnB Rock – Everyday We Lit

最も高い順位で新登場した曲          David Guetta feat. Justin Bieber – 2U

 

 

上記以外でチャートに登場/再登場した曲

100 Brothers Osborne - It Ain’t My Fault (New)

79 Billy Currington - Do I Make You Wanna (New)

 

今週チャートから外れた曲

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位/チャート滞在週数)】

100 Rag'n'Bone Man - Human (74位/7週)

95 Martin Garrix & Dua Lipa - Scared To Be Lonely (84位/14週)

94 Jake Paul feat. Team 10 - It's Everybody Bro (94位/1週)

92 Gucci Mane feat. Offset - Met Gala (88位/2週)

89 Lil Yachty feat. Migos - Peek A Boo (78位/4週)

88 blackbear - do re mi (87位/7週)

82 Meek Mill feat. Chris Brown & Ty Dolla $ign - Whatever You Need (82位/1週)

49 Clean Bandit feat. Sean Paul & Anne-Marie - Rockabye (9位/27週)

 

 

近いうちのヒットが期待されるシングルたち

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲を集めました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora)

 

DJ Khaled feat. Rihanna & Bryson Tiller – Wild Thoughts (Shazam 3位、Spotify 5位)

Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (Shazam 36位、Spotify 20位)

Portugal. The Man – Feel It Still (Shazam 28 位)

The Revivalists – Wish I Knew You (Shazam 35位)

Yo Gotti & Mike Will Made-It feat. Nicki Minaj – Rake It Up (Shazam 49位)

Goldlink – Crew (Shazam 53位)

Sia feat. Labrinth – To Be Human (Shazam 55位)

Lauv – I Like Me Better (Spotify 59位)

 

DJ Khaled、Calvin Harrisの豪華客演の2曲がHot 100で高い順位での登場が期待できそう。特にDJ KhaledのWild ThoughtsはiTunesで現在2位、Spotifyで5位とすぐさま浸透しているようで、来週トップ10で登場するかも!

LauvのI Like Me Betterは、StarleyのCall On MeやAJRのWeak系統の、プレイリストでじわじわヒット中のいわば「Spotifyのみヒット」で、Hot 100に登場するのはまだまだ先かと思います。

*1:ピークは41位