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音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

BTSのDNAがアメリカのシングルチャート、Hot 100に入る可能性が!? 4つの比較から検証

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ソース Live iTunes US Popularity Bars *1

 

iTunesのランキングを眺めていたら火曜日にひとつ、目立った動きがありました。それは、韓国のグループ、BTSの躍進。一時期はiTunes 4位と高い順位につけていました。

今回のEPではThe Chainsmokersが制作に携わるなど、世界的ヒットも視野に入れた作品なのだと思います。

シングルのiTunesでここまで躍進すれば、Hot 100にもしかして入るのでは?と感じたので、この曲の要素を分析しながら、他の曲との比較で実際にHot 100に入りそうかを検証しました。

 

要素1 週途中のリリース 比較 DJ Khaled & Drake - To The Max

 

まず、このDNAのチャート動向を考えるうえで大切なことはあります。それは「週の途中」リリースという点です。「週の途中」とはどういうことか?

現在、世界的に音楽のリリースは金曜日に行われています。それに合うように、ビルボードはじめ多くの国のチャートはダウンロード、ストリーミングの集計を金曜日~木曜日のサイクルで行っています。つまりチャート的な一週間は金曜スタート~木曜終わり、なのです。この場合「週の途中」とは金曜日以外の曜日のことを指します。

ただし、一部の曲が金曜日以外にリリースされます。すると、多少チャートで不利になってしまいます。一般的に曲のダウンロードがまず多く集まるのはリリース初日ではないでしょうか。ファンならば情報を聞きつけ、早めにダウンロードするであろうからです。その後は、1日目、2日目、3日目…とゆるやかにダウンロードを落としていくのが定番です。ただし、3日目、4日目……の数字も無視できるほど小さくなるわけではないです。

つまり、「週の途中」リリースだと初日のインパクトが生きる週と、7日分フルにカウントされる週が2つに別れてしまうのです。この理由で、「週の途中」リリースの曲はチャートでやや不利なのです。ただし、他の新曲リリースが少ないなかで曲がリリースされるので「目立つことができる」という効果もあるといえばあります。現状では「金曜リリース」という週間が定着していて、金曜以外に新曲をチェックが集中している気もしますが…………

 

話をDNAに戻します。DNAは月曜リリース、「週の途中」リリースなのです。つまり、金曜日~日曜日の分が集計されないということです。月曜日リリースの曲は週単位で、ダウンロードがどのくらいの順位になるのか? 同じく月曜日リリースの曲と比較して検証しましょう。

今回引き合いに出すのは、DJ KhaledのTo the Max。直近の月曜リリースの曲です。

参考にするデータは iTunesシングルの過去アーカイブです。最近よく登場する kworb.net 様です Index of /pop/archive

 

To the MaxのiTunesシングルの順位推移は以下のようでした。

月曜日 6/5 (リリース) 9位

火曜日 6/6 9位

水曜日 6/7 19位

木曜日 6/8 26位 (集計終了)

 

この成績で週単位でのダウンロード成績は 30位、でした! 参考 

週の途中のわりには巻き返した、ともいえるかもしれません。

 

ではDNAのiTunesシングルの順位推移を見てみましょう。

月曜日 9/18 (リリース) 5位

火曜日 9/19 10位

水曜日 9/20 32位

木曜日 9/21 ??? (集計終了)

 

ピークの順位はTo the Maxを上回っていますが、水曜日から順位落としています。この推移から見るあたり、週単位のダウンロードはTo the Maxよりは低くなるかもしれません。ただ、ピークが高いのでビルボードのダウンロードチャートで表示される50位圏内に入るのでは、と考えています。

 

つまり 「週の途中」のリリースでチャートでやや不利だが、iTunesでしっかりと数字を出している。週のダウンロード順位は40位程度?といったところです。

 

要素2 ダウンロードだけでどこまでいける? 比較 Lauren Duski – Ghost in This House

 

アメリカのシングルチャート、Hot 100はダウンロードだけで計算されているわけではないです。ダウンロードに加え、ラジオ・ストリーミングも集計の対象です。つまり、何か一つ「だけ」が良くてもHot 100に入ることはハードルが高いというわけです。ちなみに比率はダウンロード35-45%、ラジオ30%-40%、ストリーミング20%-30%とされていますが、それ以上の情報は公開されていません。*2

では、ダウンロード「のみ」でHot 100入りを当確させるにはどれくらいの順位に入ればよいのでしょうか?ここではLauren Duski のGhost in This Houseという曲です。

 

この曲はThe Voiceというオーディションで披露された「カバー」で、ラジオでもかからず、Apple MusicやSpotifyにも音源が上がっていないのでほぼストリーミングも無し、つまり純粋なダウンロード「のみ」でHot 100の順位がどこまで上がるか?という点を検証できる曲なのです。

さらに、この曲はHot 100で98位だったので、この曲のダウンロード順位が「Hot 100に入るかどうか」の参考基準になる、ということもいえるのです。

 

では、この曲のダウンロード順位はというと……12位! 参考

つまり、ダウンロード「のみ」でHot 100に入るには週12位程度のダウンロードが必要なのです……

DNAはTo the Maxの30位を下回る程度のダウンロードなので、ダウンロード「のみ」でHot 100当確、にはならないということが分かります……

しかし、BTSには強力な「援護射撃」があるのです。

 

要素3 K - Popのファンベース? 比較:CL - Lifted

 

次に、今までの他のK-PopのHot 100エントリーとの比較を行います。

直近のエントリーはCL のLifted。そのHot 100エントリーをビルボードは単独で記事にしています。 *3


この記事内でこのような記述があります。

The song debuts on the Hot 100 with nearly all its chart points from 5.2 million U.S. streams in the week ending Oct. 6, according to Nielsen Music. 

 ポイントのほとんどをストリーミングで稼いでHot 100に入ったと書いてあります。ストリーミングといえば代表的なものはSpotify。しかしこのLiftedはSpotifyで200位圏内に入ったことはない模様で、Apple Music*4YouTubeで再生されていることが有力*5です。

また傾向として、Apple MusicはHip-Hop / R&B系統がかなり強め、Spotifyは相対的にポップ強め(こっちでも強いのはHip-Hop / R&B系統)というものがあります。Liftedはどちらかというとポップ系なので、Spotify < Apple Musicになるとは考えづらく、残るYouTubeでポイントを稼いだと思われます。*6

PSYもYouTubeで飛躍したことがよく知られており、K-Popが伝統的にYouTubeで強いことが伺えます。

 

実際今回もBTSのDNAもリリース後24時間の再生回数が歴代11位になるなど、YouTubeで絶好調。さらにLifetedが約1年で稼いだ再生回数を、DNAはリリースからわずか3日で抜かしており期待はかなり高まります。

ほぼYouTubeのみでHot 100に入った曲をYouTubeの再生回数で抜いたのならば、かなりHot 100入りの可能性が高いといえそうです!一応、国別の比率が不明なことや、相対的な比率が不明なので「確定!」とも言い切れませんが……

 

要素4 BTSが115位に入った時は? 比較:BTS - Spring Day

 

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実はBTS、以前にもHot 100に迫ったことがありました。その時入ったBubbling Underは100位以下を扱うチャートで、そのチャートで15位というのは115位相当を意味します。

このチャートアクションをビルボードは記事にしています。

 

この時約14000ダウンロードを記録した、と健闘しましたが、ダウンロードの週間順位では50位以下でした。またSpotifyなどのストリーミングサービスでも200位圏内に入れず、惜しくもSpring DayはHot 100に入らず115位止まりでした。

 

しかし、今回のDNAはSpring Dayのときよりも強力です。ダウンロードは50位以上に入る可能性があり、YouTubeでも歴代記録にも入るような強さを発揮。さらにSpring Dayでは入っていなかったSpotifyでもDNAはエントリー。現在55位まで浮上!さまざまな要素でSpring Dayの時よりもチャート的プラスアルファが見られます。

115位のときよりも一歩進んでいる……これは100位圏内に入りそうです!

 

まとめ

以上の検証、特に3と4の部分から、BTSのDNAは次回のHot 100に入る可能性が高いと思われます。

ファンの間でもBTSのHot 100入りは悲願なようで、ファンの間で #BTSHOT100 というタグが使われているようですね


この悲願を何位で成し遂げることが出来るのか?来週のHot 100の注目ポイントになりそうです!

 

 

そして!!!

見事85位でHot 100入りしました!

 

その週の私のHot 100解説はこちら↓

djk2.hatenablog.com

 

 

 

 


 

 

 

*1:非公式サイトですが、ビルボードのダウンロードチャートと数字があっているので正確。むしろ、公式のiTunes Songs Chart のほうがビルボードのダウンロードと違う点が多くて不正確。

*2:私はコレを「継ぎ足しの秘伝ダレ」と呼んでいます……

*3:よろしければ、その週の私のHot 100解説記事も…… 

 

*4:過去のランキングを参照する手段なし

*5:規模が大きいのはその2つ、Pandoraも規模が大きいと思いますが当時はPandoraはHot 100に計上されていない

*6:ですが、YouTube自体も週のYouTubeトップ25に入っていないので、これもそこまで多くのポイントを稼いでいないと思われます。YouTubeのポイントがそれなりの割合にはなっているとは思うのですが、このLifted、イマイチ何でチャートポイントを稼いだかはよくわからないです

Hot 100 9/30 見どころ 【狙え!テイラーの首(位)!】

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現在Look What You Made Me DoでHot 100首位を走るテイラーですが、そんな彼女の首(位)を狙う刺客が続々登場。それは一体誰なのか???

 

 

 

99 Haille Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & Watt – Let Me Go (New)

Hailee SteinfeldのLet Me Goが99位で登場。Grey・Zedd*1 と組んだStarvingに続いて、今回もDJ系プロデューサーを起用。AlessoはTove LoとのHeroes以来2曲めのHot 100。*2

客演は最近「声」を異ジャンルに提供することが増えたFlorida Georgia Lineと、KygoのIt Ain’t MeやDJ SnakeのLet Me Love Youのソングライトに携わったAndrew Watt、通称Watt。

今週チャートから外れたMost Gilrsと入れ替わる形でのHot 100登場。

 

98 Chirs Brown feat. Yo Gotti, A Boogie Wit da Hoodie & Kodak Black – Pills & Automobiles (New)

Chris BrownのPills & Automobilesが98位で登場。現在89位のQuestionsと同じく、10月末リリース予定の40曲入りアルバムHeartbreak on a Full Moonに収録予定です。現在アーバン系ラジオ、Apple MusicなどR&B / Hip Hopリスナーが集う媒体で人気。この人気がポップ系リスナーにも飛び火すれば、Hot 100でも上昇できるか。

客演は最近初のトップ10を成し遂げたベテランYo Gottiと、名コンビのA Boogie Wit da Hoodie+Kodak Black。

 

97 Metro Boomin feat. Offset & Drake – No Complaints (Re)

Metro BoominとOffset、DrakeのNo Complaintsが97位で再登場。これによって約1カ月ぶりにDrakeがHot 100に帰ってきました。431週連続で何らかの曲をHot 100に送り込む、というとてつもない記録を打ち立てたDrake。その記録は途絶えてしまいましたが、誰かがその記録を更新するようなことはあるのでしょうか。

個人的な期待株は、Money Longer ~ You Was Right ~ Bad and Boujee ~ XO TOUR Llif3と繋いで去年の6月からエントリーし続けているLil Uzi Vert。客演*3でも引っ張りだこで、今後もエントリーが続く予感がします。

 

85 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B – No Limit (New)

G-EazyのNo Limitが85位で登場。躍進中のCardi BとA$AP Rockyが客演に。Cardi BはBodak Yellowに次いで2曲めのHot 100入り。このNo Limitは今年リリースの噂がある彼の新アルバムに収録される予定。前アルバムのMe, Myself & I(ピーク7位)のようなアンセムがこのアルバムからも生まれるでしょうか。

 

81 Lil Pump – Gucci Gang (New)

ストリーミングで支持を得るLil Pumpが初のHot 100入り。Gucci Gangが81位で登場。以前、Bossが100位手前のBubbling Underチャートに入った経験もあります。

※彼のシングルジャケのイラストがかわいいです。

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80 Kane Brown – Found You (New)

トップ40にも突入したWhat Ifsで波に乗るKane Brownの新曲、Found Youが80位で登場。ダウンロードが今週10番目の多さ。

※What Ifsなどの効果で、「わずか3シングルでSony Nashville(カントリーのレーベル)の中で最もストリーミングを稼いだ人」となったKane Brownでしたが、このシングルはまだ今週「カントリー・ストリーミング」チャートの圏外でした。

 

73 Blake Shelton – I’ll Name The Dogs (New)

カントリー界の大御所、Blake Sheltonの新曲I’ll Name The Dogsが73位で登場。上記のKane BrownのFound Youよりもダウンロードがやや少ないのですが、それでもHot 100での順位が高いのは、カントリーのラジオでかかっているから。大御所のリリースとあってラジオでもすぐ支持を得て、新リリースの曲ながらも今週カントリー系ラジオで22位。

 

62 Kelly Clarkson – Love So Soft (New)

Kelly Clarksonの新曲Love So Softが62位で登場。R&B ~ ソウルを基盤としたノリの良いポップスで、各種ラジオとの相性は良さそう。

前アルバムPiece by PieceのシングルはHeartbeat Songがピーク21位、表題曲Piece by Pieceは一時期7位につけるもその後の急落で年間チャートに入らない程度のヒットになる、といった感じ。前々アルバムでのStronger (What Doesn’t Kill You)のような特大ヒットは出ませんでした。今回のアルバムからはどのような規模のヒットが生まれるでしょうか。

※前々アルバム収録のMr. Know It Allはピーク10位でかつ急落したわけではないものの、チャート集計の時期の都合で年間チャートに入らないというまさかの事態に陥った「悲劇の1曲」としてほんの一部のチャートマニアに認知されています。*4

 

47 Thomas Rhett – Unforgettable (↑)

今週、Thomas Rhettの新作Life Changesがアルバム1位に。これは彼にとって初のアルバム1位なだけではなく、カントリーアルバムとしても今年初のアルバム1位に。セールス自体が1位だっただけでもなく、ストリーミング・シングルセールスでも好調で、2位に2倍弱の差をつけてのアルバムチャート1位でした。

※カントリーアルバムとストリーミングの関係性について↓の記事で詳しく説明しています。良かったらぜひ。

 

ちなみにセールス1位~3位とアルバムチャート*5の1位~3位が今週は同じ並びで、2位はThe National、3位ODESZAです。また、ここ直近4つの1位アルバムがBrand NewのScience Fiction、Lil Uzi VertのLuv Is Rage 2、LCD SoundsystemのAmerican Dream、そしてこのThomas RhettのLife Changesと来ているのですが、これらには「自身初のアルバム1位」という共通点があるようです。

 

そのLife Changesに収録されるUnforgettableがHot 100で47位に浮上しています。ポップ系ラジオへの飛び火を私は予見しているのですが、果たして……?

 

44 Zayn feat. Sia – Dusk Till Dawn (New)

Zaynの新曲Dusk Till Dawnが44位で登場。Zaynはテイラーと組んだI Don’t Wanna Live Foreverに引き続き、大物とのタッグ。サビでのダブルコーラス、そして映画風のビデオ&シングルジャケが特徴的な一曲。いきなり1位で登場したPillowtalk、6位で登場したI Don’t Wanna Live Foreverのような「ロケットスタート」にはなっていませんが、別に悪くはないスタートだと思います。

中位でスタートして、トップ10付近までだんだん上昇した元同僚、Niall Horan・Liam Payneのような形でのヒットが目標でしょうか。

 

40 Imagine Dragons – Thunder (↑)

従来のロック系統ラジオに加え、ポップ系ラジオでもかかり始めるなど、ラジオの規模拡大が追い風となってImagine DragonsのThunderがトップ40に突入。今週40位。

この勢いでBelieverに引き続いてトップ10入りなるでしょうか。そのBelieverは32週めで9位と粘りのロングヒットを見せていて、さすがはRadioactiveで歴代最長滞在記録(87週)をしたバンド。

※ちなみに世界的にみるとヒット具合はThunder > Believer で、例えばSpotifyグローバル順位*6のピークはThunderが7位、Believerが15位。Thunderはオーストラリアとドイツのシングルチャートでピーク2位を記録しています。

 

5 Sam Smith – Too Good At Goodbyes (New)

Sam SmithのToo Good At Goodbyesが5位で登場!今週ダウンロードが一番多かっただけでなく、ストリーミング・ラジオでもそれなりの数字を記録したため5位という好発進になりました。

ポップ系、アダルトR&B、アダルトオルタナティブなど広い系統のラジオでかかっているようで、今後に期待が持てそうです。ストリーミング・ダウンロードの数字をそれなりにキープして、ラジオが順当に伸びてくれば、いずれはHot 100の1位の座が見えてくるか!

Stay With Meがピーク2位と惜しくも1位を取り逃した*7ので、その時のリベンジを果たしたいですかね? テイラーへの刺客その1。

 

2 Cardi B – Bodak Yellow (→)

今週も2位のBodak Yellow。先週くらいまでは「このまま2位止まりか?」と思っていたのですが、来週にチャンスが。 テイラーへの刺客その2。

まず、テイラーの”Look”が思ったほどラジオを伸ばさなかったこと。”Look”は今週ラジオ10位。ラジオで登場から4週目としてはもちろん上々の数字なのですが、初週ラジオだけでHot 100入りした勢いの良さを鑑みるとなんだか伸びが微妙な気が……

近年いきなり1位デビューした曲のラジオ成績と比較すると、AdeleのHelloは4週目1位、Justin TimberlakeのCan’t Stop the Feeling!は2位、Ed SheeranのShape of Youは5位、とテイラーの今週ラジオ10位が微妙ということが伺えます。

Bodak Yellowはラジオでこの”Look”に負けて入るのですが、今週16位と食いついていて、思ったよりも差を広げられなかったことがCardi Bにとっては朗報です。

次に、iTunes割引を実施したこと。これによりってダウンロードが急上昇して”Look”に迫っています。残念ながら”Look”を抜くには至っていないようですが……あとは今週この曲のタイトルの元ネタとなったKodak Blackなどが参加したリミックスをリリース。それも微力*8ながらダウンロードのプラスにはなるでしょう。

ラジオ、ダウンロードでは負けているのですが、ストリーミングでは”Look”を上回っており、来週の1位という予想も一部であるようですが、果たして……!?

※ただ、ビルボードは他の国のチャートとくらべてストリーミングの比率が低いこともあって、そのストリーミングでラジオ・ダウンロードのビハインドをひっくり返すかは微妙なところですね…… (つまり来週の1位争いから目が離せません……!)

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Maroon 5 feat. SZA – What Lovers Do

今週最もダウンロードが上昇した曲 Thomas Rhett - Unforgettable

今週最もストリーミングが伸びた曲 Logic feat. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255

最も高い順位で新登場した曲          Sam Smith – Too Good At Goodbyes

 

 

今週チャートから外れた曲 (10曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Dej Loaf – No Fear (🗻100位 /⏰1週)

99 The Weeknd – Reminder (🗻31位 /⏰17週)

98 Justin Moore – Somebody Else Will (🗻59位 /⏰13週)

97 Miguel feat. Travis Scott – Sky Walker (🗻97位 /⏰1週)

96 XXXTENTACION – Revenge (🗻77位 /⏰2週)

94 Lil Uzi Vert feat. Pharrell WilliamsNeon Guts (🗻79位 /2⏰週)

93 Lil Uzi Vert – X (🗻81位 /⏰2週)

91 Lil Uzi Vert – Dark Queen (🗻91位 /⏰2週)

88 Hailee Steinfeld – Most Girls (🗻58位 /⏰16週)

87 Dylan Scott - My Girl (🗻39 /⏰20)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

Post Malone feat. 21 Savage – rockstar (Spotify, Apple Music, iTunes 全部1位)

今週の最大の注目。Spotifyなどストリーミングサービスでは他を圧倒する成績で、ダウンロードもストリーミングほど圧倒的ではないものの、今週ずっとiTunes1位なので、この2つの指数はかなり凄いです。

ラジオではまだほとんどかかっていないので、そこがネックとなって来週はまだ1位にならないと思いますが、Spotify等での圧倒的な数字を見るあたり、かなりの規模のヒットになる予感が。未来の1位候補。テイラーへの刺客その3……この曲が1位争いをする時にはテイラーはもう1位争いから脱落しているかもしれませんが……

※Post Maloneがなぜ一気にここまで来たのかを↓の記事で分析しました。


 ちなみにそのPost Malone、こんな出来事が……↓

 

Lorde feat. Khalid, Post Malone & SZA – Homemade Dynamite (Remix)  (Spotify 47位など)

こちらも期待が。Lordeの今年のアルバム、Melodramaはアルバムチャートでは1位で、評論家からも評価がかなり高かったのですが、シングルヒットには恵まれず。Green Lightはピーク19位ながらも9週滞在でチャートを後に、Perfect PlacesはHot 100にも入れず。(代わりにプロモーション・シングルのLiabilityは78位でHot 100入り)

それらの曲に代わってシングルヒットになってほしいと思っています。

 

BTS – DNA Spotify 61位など)

ダウンロードで高めの数字を出しているほか、YouTubeのビデオがリリース後24時間の再生数歴代11位を記録するなど、韓国のグループBTSに大きな注目が。ストリーミングサービスでもそれなりの数字を記録していて、現状の成績ならば来週のHot 100入りの可能性が高そうです。仮に入ればPsyの4曲、Wonder Girls、CLに次いで韓国人史上7曲めのHot 100に。

 

Pink! - What About Us (Cash Cash Remix)

リミックスがiTunes40位前後を記録。これが追い風となって来週のHot 100で順位が上がるか?ラジオでもゆるやかに上昇中です。

ちなみにCash Cashは以前Katy PerryのBirthdayもリミックスしていて、絶品です。


 

Bebe Rexha & Florida Georgia Line - Meant to Be (Spotify 62位)

今週Hot 100に登場したHailee SteinfeldのLet Me Goと同じく、ポップス+Florida Georgia Lineの曲。Spotifyで人気を博していて、ラジオでかかり始めればいずれHot 100に入りそうですかね。

*1:実際、曲を作ったのはGreyのほう。Zeddがしたのはプロデュースと、Zeddの「ブランド力?」の利用?

*2:ちなみにこのHeroesDavid BowieHeroesをサンプリングしていました。

*3:マリリン・マンソンのアルバムに客演するらしい

*4:なんで集計の都合で年間チャートに入らないのか?のロジックは↓の記事で説明しています。

*5:ストリーミング、シングルセールスがカウントされる

*6:デイリー

*7:Meghan Trainorの大躍進、Taylor Swiftのビッグリリースによって1位を阻まれた

*8:リミックスはiTunes 100位圏外なので……

9/15 リリース新曲/新作のチャート初動を観察 【Post Maloneへの期待感が爆発!】

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今週の注目はなんといってもPost Maloneです。自身の曲が予想をはるかに上回るスタートになったことに加え、注目のリミックスにも参加しています。

当初はGucci Maneがこの週の主役かな、と考えていたのですが今週に予定されていたアルバムリリースが10/13に延期されました。

 

Spotify デイリーのトップ10 (金曜日=9/15)

1 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
2 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
3 Cardi B Bodak Yellow
4 21 Savage  Bank Account
5 Sam Smith Too Good At Goodbyes
6 Taylor Swift Look What You Made Me Do
7 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
8 Khalid Young Dumb & Broke
9 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
10 XXXTENTACION Jocelyn Flores

 

首位は変わらず1-800-273-8255。2位以下との差を広げていましたが、今週強力なライバルが登場!Post Maloneと21 Savageのrockstarが2位で登場。再生数でもかなり僅差に迫っています。また、この曲はストリーミングで順調なスタートを切っただけでなく、ダウンロードでも大躍進。Niall Horan・Nick Jonasなどの今週の注目リリース、そしてTaylor Swiftの”Look"やSam SmithのToo Good At Goodbyesなど最近のビッグリリースを上回って現在iTunes1位の座をキープしています。

Congratulationsで今年初のトップ10入りを果たすなど、順調に実績を積み上げてきたPost Maloneでしたが一気にここまで伸びるとは予想外でした。今後の調子次第ではありますが、該当週のHot 100でトップ10スタートの可能性も考えられるか!

このロケットスタートにつながったのはアルバムのロングヒットになると思います。昨年末にリリースされたStoney、最初の週は6位と「そこそこ」の数字でしたが、そこから息の長さが凄く、現在に至るまでアルバムチャートの25位を下回ることなく15位前後を常にキープ。時折トップ10に入ることも。

そのアルバムチャートでのロングヒットの要因になっているのはストリーミングでの再生。セールスは最高19位、かつすぐに100位圏内*1からも落ちてほとんど数が無いにも関わらず、ここまでアルバムチャートでロングヒットになっているのはストリーミングで長く愛されているからです。その熱心なストリーミング・リスナーによって長く熟成されたアルバム、そしてPost Maloneへの愛がこのリリースで一気に開花したということでしょうかね!

ちなみにWhite Iversonはアルバムの中で特にロングヒットの曲で、Spotify観測史上デイリー200位圏内に入った日数が歴代で現在3番目に多い曲です。 *2

 

その他は従来から調子の良い曲が並んでいます。テイラーはやや調子を落としているといえるでしょうか。ほか、Camila CabelloのHavanaが少しずつトップ10に近づいています。(現在16位)

 

 

② 新曲/新アルバムからのシングル Spotifyデイリー順位 (金曜日)

32 Lorde feat. Khalid, Post Malone & SZA Homemade Dynamite (Remix)
35 Niall Horan Too Much to Ask
36 Gucci Mane feat. The Weeknd Curve
131 Foo Fighters Arrows
148 R3HAB You Could Be
168 Fall Out Boy The Lasst Of The Real Ones
171 Nick Jonas Find You
200 Tove Stryke Mistakes

 

今週の注目ポイントその2。LordeのHomemade Dynamiteのリミックス。Khalid、Post Malone、SZAという今年飛躍した注目のアーバン系歌手3人が登場。オリジナル版(51位)よりも高い順位をSpotifyで記録しています。

LordeのアルバムMelodramaからの最初のシングル、Green Lightは一時期19位まで到達したものの、わずか9週でチャートから消えるという無念な結果に。 (参考

次のシングルPerfect PlacesはHot 100にも結局入らないままに終わりそうです。一応オルタナティブ系ラジオでは伸びてきているのですが、そこまで規模の大きくないオルタナティブ系ラジオだけでのHot 100入りは至難の技です。

評論家からは今年ベストクラスの評価を受ける一方、チャート上では無念が続くLorde。ですが、その無念をこのシングルで晴らしてくれるのでは?と個人的には淡い期待を抱いています。その理由は幅広い系統のリスナーに好まれるのでは?と思っているからです。幅広い系統のリスナーに好まれる、ということはもちろんリスナーの純粋な数が増えてストリーミングやダウンロード増につながることだけではなくラジオで有利になれるのです!どのような系統のラジオでかかりそうでしょうか。

まずはオルタナティブ系ラジオ。最もLordeが得意とする系統のラジオです。前アルバムPure Heroineの時代からポップ系のラジオよりもオルタナティブ系ラジオでは高い順位を記録。Glory and Gore*3、やPerfect Placesなどオルタナティブ系ラジオでしかかからない曲があったり、Lordeが客演をつとめたDisclosureのMagnets(Disclosureは他の曲でオルタナティブ系ラジオのエントリーなし)が12位と比較的上位に入るなど、オルタナティブ系ラジオのリスナーからLordeが大人気ということが伺えます。変わらずこの系統ではかかるでしょう。

次にリズミック系ラジオ。リズミック系ラジオとはポップスとヒップホップ / R&Bの中間のようなラジオ系統なのですが、この系統ではこのHomemade Dynamiteで客演をつとめたKhalidとSZAが大人気。この2名に惹かれて、この系統でもかかり始める期待が持てる気もします。

そして最後にポップス近辺ラジオ。かかるラジオ系統はオルタナティブでも、Lordeのジャンルはポップス系統なので、他の局で人気に火が点けばポップ系のラジオも見逃さないはず。客演の面々もR&B ~ ヒップホップ系統ながらも、KhalidはLocation、Post MaloneはCongratulations、SZAはMaroon 5とのWhat Lovers Doとポップ系ラジオに馴染みが無いワケではないので、この系統でも期待が持てるかもしれません。

Green Light・Perfect Placesはチャート的には奮わなかったので、現状↑のようなシナリオでヒットする可能性は低いですが、淡い期待を持ちながら日々のラジオ経過を観察したいと思います。

 

ほか、Gucci Maneがアルバムリリースの代わりに先行リリースしたThe WeekndとのCurve、Niall HoranのToo Much to Ask、デビューアルバムをリリースしたR3HABの新曲などが登場しています。

 

iTunesップ10+新曲の順位 (金曜日)

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Niall Horan Too Much to Ask
3 Taylor Swift Look What You Made Me Do
4 Sam Smith Too Good at Goodbyes
5 Portugal. The Man Feel It Still
6$ Cardi B Bodak Yellow
7 Taylor Swift .. .Reday For It?
8$ Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
9$ Niall Horan Slow Hands
10 Imagine Dragons Thunder

 

13$ Nick Jonas Find You
20 Fall Out Boy The Last Of The Real Ones
25 Niall Horan Too Much to Ask
26 NF  Let You Down
28 Lorde feat. Khalid, Post Malone & SZA Homemade Dynamite (Remix)
39 Montogomery Gentry Better Me
66 Kid Rock Tennessee Mountain Top
72 U2 & Kygo  You're the Best Thing About Me (Kygo Remix)

 

先週までの注目リリースを抑え、今週のリリースが1位、2位のダウンロードを現状では記録。Niall Horanは別バージョン?(収録音源は同じだけれど、シングルからダウンロードするか・アルバムのリストからダウンロードするか?という問題?)も25位で登場しています。U2はKygoとリミックスを制作し、新たな層の発掘を試みます。Nick Jonasはリリース時から割引がされているという珍しいパターン。

 

iTunes アルバム順位

1 Foo Fighters Concrete and Gold
2 Prophets of Rage Prophets of Rage
3 Nothing More The Stories We Tell Ourselves
4 Superfruit Future Friends, Pt. Two
5 Thomas Rhett Life Changes
6 Madonna Revel Heart Tour (Live)
7 Galantis The Aviary
8 The Contortionist Clairvoyant
9 The Lone Bellow Walk into a Storm
10 Ricky Dillard & New G 10 (Live)

 

おそらくFoo Fightersがこの週のアルバム1位。7位のGalantisはアルバムから1曲もSpotifyの200位圏内に登場しなかったのが意外です。

 

⑤ 各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

今週からの新企画です。これでラジオ・ダウンロード・ストリーミングというHot 100に計上される3要素をすべてカバーしたことになります!

どのような集計をするかというと、ここ1週間で規模の大きいラジオ系統に登場した曲をチェックしています。「規模の大きいラジオ系統」とは、Pop系ラジオ、Adult Pop系ラジオ、Rhythmic系ラジオ、R&B / Hip-Hop系ラジオ、カントリー系ラジオの5つを指しています。ソースはこれです↓

Daily US Radio Updates

 

Pop #38 Kelly Clarkson Love So Soft
Pop #44 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
Pop #46 Imagine Dragons Thunder
     
AP #43 U2 You The Best Thing About Me
AP #44 Rod Stewart feat. DNCE Da Ya Think I'm Sexy
AP #45 Taylor Swift .. .Ready For It?
AP #47 Halsey  Bad At Love
AP #49 Lindsey Stirling feat. Rooty Love's Just A Feeling
     
Rhyth #38 Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do
Rhyth #47 Miguel feat. Travis Scott Sky Walker
Rhyth #48 Tyler, The Creator feat. Kali Uchis See You Again
Rhyth #50 Kendrick Lamar feat. Zacari LOVE.
     
Urban #45 French Montana feat. The Weeknd & Max B A Lie
Urban #49 Baka Not Nice Live Up To My Name
Urban #50 300Lbs Of Guwop Teefus
     
Count #47 Brett Eldredge The Long Way

 

注目はPop系ラジオに登場したHavanaとThunder。どちらもストリーミング、特にSpotifyでは人気で「今までシングルではなかったの?」という印象がありますが、今週ようやくの登場。Havanaは元々はアルバムプロモーション用シングルでしたが、人気が出たため、シングル決定。ThunderはBelieverが既に人気だったので、そちらの人気が落ち着くのを待ってシングル化した、ということでしょうか。ちなみにBelieverは現在ポップ系ラジオ4位でまさにピークといったところですが、最近はやや落ち気味。ThunderはベストタイミングでPop系ラジオに登場したといえるかも。

 

ほか、Maroon 5のWhat Lovers DoがRhythmic系ラジオに「飛び火」しています。客演のSZAのパワーでしょうか。

*1:純セールスのチャートは100位まで順位が出る 参考

*2:この記事を参考してください この記事の時点ではWhite Iversonは4位ですが、現在ではWet Dreamzに追いつきました 

 

 

*3:Pure Heorineで個人的に一番好きです!

Hot 100 9/23 見どころ 【Liam Payneに続くのは!】

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今週は再登場が多めで新エントリーが少なめです。つまり、新しい見どころが少ないということでもあります。しかし、そんな週にも掘るべきポイントはたくさんあります!

そんなディープなテーマを掘る週となりますが、今週もよろしくお願いします。

 

 

100 Dej Loaf – No Fear (New)

ポップやアーバンなど複数系統のラジオ局で支持を得ているDej LoafのNo Fearが100位で登場。これで客演を入れて4曲めのHot 100入り。今までHot 100に入った3曲(Try Me、Back Up、Kid InkとのBe Real)はいずれもピークが40位台半ばで、わずかにトップ40に届かず。今回はトップ40の壁を超えられるでしょうか?ポップ系のラジオでさらに伸びてくれば勝算あり。

 

97 Miguel feat. Travis Scott – Sky Walker (New)

リリースが反映される最初のチャートは先週でしたが、Lil Uzi VertとXXXTENTACIONのアルバム曲大量登場によりHot 100入りならず。リリース2週目は初動の注目度が落ちる*1から1週目よりも低い数字が出る傾向にありますが、このSky Walkerは2週目にあたる今週も堅調に数字をキープし、Hot 100入り。97位。

 

91 Lil Uzi Vert – Dark Queen (↑)

Hot 100に大量エントリーするようなアルバムのリリース後、シングル化された曲以外はだんだん落ちてHot 100から少しずつ脱落していきます。Lil Uzi Vert・XXXTENTACIONのアルバムから登場した計18曲から、Lil Uzi VertとThe WeekndのUnFazedなど7曲が「脱落」、しかしこのDark Queenだけは唯一順位を上げています。Hot 100に大量エントリーした曲のうち長く生き残った曲が順当にシングル化されることも、意外な曲がシングル化されることも両方ありますが、この2アルバムからは何が今後シングルとして残っていくのでしょうか?個人的な感覚だとシングル以外で5週以上Hot 100に残れば、爪痕を残したといえると思います。

アルバムの純セールスはLil Uzi Vertが34位、XXXTENTACIONが38位ながらもストリーミングの好調によって今週のアルバムチャートでもそれぞれ2位、3位と高めの順位をキープしています。

ちなみにアルバムチャート今週の1位はLCD SoundsystemのAmerican Dreamに。セールスが好調で初のアルバムチャート1位を成し遂げました。セカンドはアルバムチャート46位、サードは同10位、そして今回の4枚めは1位と枚を追うごとにアルバムチャートでぐんぐん順位を上げています。

※先週「アルバムチャートで注目かもしれない」と言ったEXOのEPですが、200位圏内にも入らず。来週200位圏内に入る可能性もありますが、結局入らない可能性が高い気がします。iTunes「瞬間」2位のこのEPでも(多分)200位圏内に入れなかったので、同じく週途中リリースなど条件の似ている宇多田ヒカルのFantômeは「瞬間」6位ではより厳しいということが分かります…………

 

90 Young Thug feat. Future – Relationship (Re)

先述したように先週は大量エントリーによってHot 100のボーダーラインが上がりましたが、今週は少し落ち着いてきたので5曲が再登場。このYoung ThugとFutureの先々週に続いて2回めの再登場です。Complexの「20代ベストラッパー」という企画でChance the Rapperに次いで2位*2に選ばれた彼ですが、意外にも自身の曲でのトップ40が無いです。客演でのトップ40はあるのですが、トップ10は無いです。アルバムも最高位7位とチャート成績的にはもう一歩欲しいところですかね。評論家、ファン等からの評価がメインストリームに響くと良いですね。

 

86 LANCO – Greatest Love Story (New)

昨年初のEPをリリースしたカントリーグループ、LANCOが初のHot 100入り。Greates Love Storyが86位で登場。表記がLANcoとなっている場合もあります。

 

81 Halsey – Bad At Love (New)

ポップ系ラジオで上昇中のBad At LoveがHot 100に登場。Halseyは表紙を飾った直後にHot 100から落ちた先週の無念をすぐに晴らしました。ビデオが公開されたこともプラスに働いています。Now or Neverくらいヒットするかは分かりませんが、ラジオが順調なのでしばらくは伸びそうです。

 

77 Bhad Bhabie – These Heaux (New)

ここ最近増えてきたYouTuberによるラップ。Bhad bhabieのThese Heauxが77位で登場。YouTuber曲はラジオ・ストリーミングサービス等ではあまり聴かれず、ダウンロード・YouTubeでの局地的な熱狂によってHot 100入りしているのですぐに落ちてしまう傾向があるのですが、いつかその壁を破って人口に膾炙する日は訪れるのでしょうか。

※ちなみにこのBhad Bhabie、通称Danielle Bregoliさんの関連チャンネルにはJake Paulの名前が。Jake Paulは最近のYouTuberラップで真っ先にHot 100に登場した人で、知名度が高いようです。特にIt’s Everyday Broが人気のようで、今年リリースされたYouTubeの音楽ビデオの中で(現在)77番目にあたる約1億2000万再生というそこそこの数字を記録しています。しかし、それ以上にすごいのが低評価の数。なんと今年リリースの曲ながらもビデオに押された低評価の数が「歴代」3番目という圧倒的な多さです。(1位はJustin BieberのBaby、これは圧倒的な数字の低評価を記録していてこれを抜かすのは至難の技と思います。)

 

27 Maroon 5 feat. SZA – What Lovers Do (↑)

Maroon 5とSZAのWhat Lovers Doが27位にジャンプアップ。はじめて7日分フルにされたのが今週で事実上のデビュー週です。他のMaroon 5の曲と同様に主にポップ系のラジオで好調で、今の勢いを維持できればトップ10にいずれ辿り着きそうです。SZAにとっては自身のLove Galoreを上回る順位を記録しています。

 

15 Niall Horan – Slow Hands (→)

現在、ポップ系ラジオでは元One Direction勢が急上昇中。特にNiall HoranのSlow Handsは同ラジオ3位、かつ今週ラジオの伸び幅が最大と勢いの良さが伺えます。ラジオでの順調ぶりを見る限り、Liam Payneに続くグループ4人目のソロトップ10を達成する日は近いか。

そのLiam PayneのStrip That Downもラジオでまだまだ上昇中で、他の曲の動向にもよりますがトップ10再登場の可能性は十分にありそうです。ただし、ZeddとのGet Lowは最近下り坂になっていて、Hot 100再登場の可能性は低いです。

一方Louis TomlinsonのBack to Youはここ最近停滞気味で、他のメンバーのようにポップ系ラジオの上位に入れず。Hot 100でのトップ10入りはまだお預けでしょうか……

 

4 Taylor Swift - ...Ready For It? (New)

日曜日に緊急リリースされた...Ready For It? がいきなり4位で登場。ダウンロードが自身のメガヒットLook What You Made Me Doとのレースを制して今週1番多かったことが今週4位デビューの理由だと思います。ストリーミングでもそれなりの調子で、週の半ばには一時期Spotifyで1位でした。(ストリーミング全体では今週11位)プロモーションシングル、つまりアルバム宣伝用の曲なのですがラジオでも少しかかっているみたいです。

これでテイラーは14曲めのトップ10デビューに。これは最も多い曲数で、テイラーが曲をリリースすれば常に最大級の注目を浴びている、ということが分かるデータだと思います。純粋なトップ10としてはこれで22曲めで、MadonnaRihannaMariah CareyJanet JacksonWhitney Houstonに次ぐ歴代6位の多さです。

Taylor Swiftの2曲、Cardi Bの躍進によってトップ4に女性が3人以上入るのは2014年以来、とビルボード紹介しています。当時トップ4に名を連ねていたのは。(Taylor Swift、Meghan Trainor、Nicki Minaj、Iggy Azalea、Jessie J、Ariana Grande、Rita Ora、Tove Loによる)

なぜトップ「4」という中途半端な基準を採用しているかは分かりませんが、いずれにせよ女性シンガーのヒット不足が嘆かれていた今年でしたが、少し盛り返してきたということが分かります。5位には1-800-273-8255で客演を務めるAlessia Caraが入ってきています。*3

 

※ちなみに2014年のその時期にトップ5が女性によって独占された週もあります。↓参考

 

あとはこの時期にIggy AzaleaとAriana Grandeが「同一アーティストがトップ10に同時3曲エントリー」という歴代で14回しか出ていない珍しい記録を同じ週に達成するなんてこともありました。2014年は女性のヒットがとても多かったです。

 

女性 / 男性によるチャート支配についてはこの記事で書いています↓

 

2 Cardi B – Bodak Yellow (↑)

Despacitoを抜かして2位に浮上したBodak Yellow。「Nicki MinajのAnaconda以来のトップ10」ということがよく報じられていますが、今週そのAnacondaのピークに追いつきました。そのAnacondaを超えていずれか1位に上がることはできるか?現状ではポップ系ラジオで苦戦していて、まだまだ厳しそうですが……

ちなみに女性ラッパーによるHot 100の1位獲りは至難の技でNicki Minajですらまだ1位は無いです。歴代のソロ女性ラッパーで1位を獲得したのはわずか4人で、Lauryn HillのDoo Wop、Lil Kimほか3名のLady Marmalade、Ludachrisの客演だったShawnnaのStand Up、そしてIggy Azalea*4のFancy。

参考↓

 

× Kendrick Lamar feat. Zacari – LOVE. (↓)

ほぼストリーミングのみでHot 100に残り続けていたKendrick LamarのLOVE.でしたが、チャート滞在が20週めとなりルールにより無念のHot 100退散。今週ようやくアーバン系ラジオでかかり始めたようですが、少し遅かったでしょうか。ビルボードが上昇の見込みがある曲と認定すればHot 100入り復帰はできますが、その「上昇の見込み」の基準が「ピークを更新できるか?」にある気がするので、ピークが18位と高いLOVE.が再登場する可能性は低そうです。50位以上になれば文句なしで復帰はできますが……

今週似たような理由でDNA.もチャートから姿を消し、残るDAMN.からのシングルはHUMBLE.(21位)、LOYALTY.(36位)に。

※ストリーミングでは同一アーティストの複数曲がリリース時から同時に注目されますが、ラジオでは同一アーティストの曲は時期をずらして流れるため、ストリーミングとラジオのサイクルがずれる場合があるのは仕方がないのかもしれません……

 

× Kygo & Selena Gomez – It Ain’t Me (↓)

Kygoにとって初のトップ10を記録したSelena GomezとのIt Ain’t Meがチャートから姿を消しました。Kygoの代表曲FirestoneですらHot 100で92位だったので、このIt Ain’t Meでの10位は大躍進といえます。この勢いに続いて自身のシングルのヒットに繋げたかったSelena Gomezでしたが、評論家期待のBad Liarは不完全燃焼のままチャートを後に……そして続くFetishも9週目で65位とかなり下降中で…………このままこの路線を押し通すか、ヒットを狙いに行くか見ものです……

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Niall Horan – Slow Hands

今週最もダウンロードが上昇した曲 Maroon 5 feat. SZA – What Lovers Do

今週最もストリーミングが伸びた曲 Logic feat. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255

最も高い順位で新登場した曲          Taylor Swift - ...Ready For It?

 

 

今週チャートから外れた曲 (12曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

99 Fifth Harmony feat. Gucci Mane – Down (🗻42位 /⏰10週)

97 Demi Lovato – Tell Me You Love Me (🗻97位 /⏰1週)

95 XXXTENTACION – Carry On (🗻95位 /⏰1週)

94 XXXTENTACION – Save Me (🗻94位 /⏰1週)

91 XXXTENTACION – Depression & Obsession (🗻91位 /⏰1週)

90 Lil Uzi Vert – No Sleep Talk (🗻90位 /⏰1週)

85 Kendrick Lamar feat. Zacari – LOVE. (🗻18 /⏰20)

84 Lil Uzi Vert feat. The Weeknd – Unfazed (🗻84位 /⏰1週)

82 Lil Uzi Vert – For Real (🗻82位 /⏰1週)

80 Lil Uzi Vert – Two (🗻80位 /⏰1週)

63 Kendrick Lamar – DNA. (🗻4 /⏰20)

45 kygo & Selena Gomez – It Ain’t Me (🗻10 /⏰29)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

Sam Smith – Too Good At Goodbyes (Spotify2位 Shazam 13位 など)

来週のHot 100で最注目の1曲。ダウンロードでこの週1位が濃厚なほか、Spotify2位+Apple Music6位。そしてラジオも急上昇で、3つの指数すべて順調。1位は”Look”のままだとは思いますが、かなり高い順位での登場が見込まれます。

 

Thirty Seconds To Mars – Walk On Water (Shazam 2位)

週半ばのリリースだったことから、ポイントが割れてリリース時にはHot 100に登場しjませんでしたが、ロック系ラジオで現在急上昇中。ラジオの好調が続けばいずれHot 100に登場するかもしれません。

 

G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B – No Limit (Shazam 32位、Spotify96位)

現在脚光を浴びているCardi Bが客演にいるG-EazyのNo Limit。ストリーミングで意外と調子が上がりませんが、アーバン系ラジオではバンバンかかっているみたいです。

 

MAX feat. gnash – Lights Down Low (Shazam 58位)

Jonas Blue feat. William Singe - Mama (Shazam 98位)

Hot 100に入りそうで入れない、ポップ系ラジオでの人気曲たち。特にこの2曲は勢いがストップしてきていて、来週あたりでHot 100に入らないと将来的なHot 100入りは厳しそうです。

 

Naughty Boy feat. Beyoncé & Arrow Benjamin – Runnin’ (Shazam 92位)

日本でも放映されているシャネルのCMに採用された曲。アメリカと同じ曲を日本でも採用しているのですね。Hot 100に入る程の成績を記録しているわけではないですが。

 

 

*1:特にダウンロード

*2:今年に入ってDrake、Kendrick Lamarが30代になって上位の席が2つ空いた

*3:ビルボードはチャートで載せる1-800-273-8255の写真になぜか客演のAlessia Caraを採用しています

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*4:今年Switchという曲をリリースしたIggy Azaleaでしたが、Hot 100には入らず。客演はブラジル人シンガーAnittaという人で、おそらく彼女を英語圏でブレイクさせようという狙いがあったのかもしれませんが、うまくいかず。逆にAnittaが大人気の母国ブラジルではSpotifyで一時期2位になるなどこのSwitchが人気に。Iggy AzaleaがAnittaのおかげで再注目される構図に。

9/8 リリース新曲/新作のチャート初動を観察 【ストリーミング時代を切り開くカントリー界の新エース】

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今週はインパクトあるシングルリリースが多かったです。特にSam Smithのカムバックシングルが注目を集めています。そんな今週で個人的に注目したいと思ったのは、アルバムをリリースしたThomas Rhettについて。なぜ注目なのか?などを語っていきたいと思います。では今週もよろしくお願いします。

 

Spotify デイリーのトップ10 (金曜日=9/8)

1 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
2 Sam Smith Too Good At Goodbyes
3 21 Savage  Bank Account
4 Taylor Swift Look What You Made Me Do
5 Cardi B Bodak Yellow
6 Taylor Swift .. .Ready For It?
7 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
8 XXXTENTACION Jocelyn Flores
9 Khalid Young Dumb & Broke
10 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable

 

1-800-273-8255がVMA以降ペース良く調子を上げ、週半ばにテイラーから1位を奪取。本人もご満悦の様子です。現在も1位をキープしています。

それに続いたのはSam Smithの新曲。目新しさは無いものの、確かな歌唱力を感じるバラードで力強いカムバックを果たしたと思います。ダウンロードとラジオでも順調なスタートを切っていて、Hot 100でトップ10スタートの可能性も?

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2014Sam Smith → 2017 Sam Smith ずいぶん印象変わりましたね

 

一方でテイラーの両シングルはそれぞれ4位、6位にランクダウン。両方とも100万再生 /日の大台はキープしているものの、どちらもデイリー1位だった時期もあり、少しペースを落としているといえます。"Look"のほうは木曜日(9/7)まではSpotifyグローバル(デイリー)で1位だったのですが、現在はMi Genteに1位の座を譲っています。ラジオ・ダウンロードでの数字は問題ナシなのでHot 100では1位を爆走すると思いますが、ストリーミングの数字が今後どうなっていくかは要観察かもしれません。

ほか、週半ばにはKhalidがMarshmelloのSilenceとあわせてトップ10に2曲入っていたのですが、Sam Smithに押し出され現在はYoung Dumb & Brokeのみに(Silenceは11位)

 

 

② 新曲/新アルバムからのシングル Spotifyデイリー順位 (金曜日)

18 ZAYN feat. Sia Dusk Till Dawn
※38 Thomas Rhett Unforgettable
49 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line Let Me Go
52 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit
54 Thomas Rhett Leave Right Now
※68 Thomas Rhett feat. Maren Morris Craving You
79 ODESZA feat. Sasha Sloan Falls
81 Kelly Clarkson Love So Soft
※82 Dustin Lynch Small Town Boy
89 Tove Lo Disco Tits
103 Thomas Rhett Life Changes
112 IloveMakonnen feat. Rae Sremmurd Love
※122 Thomas Rhett Sixteen
134 Thomas Rhett Marry Me
141 Demi Lovato You Don't Do It For Me Anymore
161 Beck Up All Night
166 Thomas Rhett When You Look Like That
167 Thomas Rhett feat. Rhett Akins Drink A Little Beer
※170 Thomas Rhett Grave
189 Thomas Rhett Sweetheart
192 Blake Shelton I'll Name the Dogs
195 Thomas Rhett Smooth Like The Summer

※少し前にリリースした曲ですが、アルバムリリースが今週なので参考に載せています

 

まずは冒頭でも述べたThomas Rhettについて。上の表を見ると11曲が200位圏内にエントリーしています。ポップ寄りの曲も一部あって少し「ネクスト1989」を個人的に感じるこのアルバム、全部で14曲で 11/14曲エントリー、約79%がデイリー200位圏内に入っています。今年に入ってからは毎週1枚か2枚こういうアルバムがありますが、カントリーでこのようなケースは珍しいのです。

カントリーとストリーミングの関係性を説明してきます。単刀直入に言うと、カントリーはストリーミングで苦戦しています。


ビルボードの↑の記事に詳しいことがいろいろ書かれています。

例えば8/26付けのアルバムチャートでの出来事。カントリーシンガー、Brett Eldredgeはセールスで1位を記録。その週のアルバム1位はこれかな?と私は思っていました。しかし、この週にアルバム1位を取ったのは登場から17週目のKendrick LamarのDAMN. セールスは6位ながらもストリーミングでは約4660万再生を記録したことにより「総合」アルバムチャートでは1位に。一方のBrett Eldredgeはストリーミングが880万再生で、この差がアルバムチャートでの逆転に繋がりました。

ほか、カントリーの(特に昔からの)ファンは伝統的な音楽聴取法を好む、ユーザーと結びつきの強いAmazon Music*1では意外とカントリーが人気、などカントリーファンの生態について詳しく書かれています。

 

Thomas Rhettのアルバムはそんなカントリーが苦手とするSpotifyで人気を博している点が珍しいといえます。カントリーアルバムで収録曲の半数以上がSpotifyデイリー200位圏内に入ったケースは無いワケではない(Sam HuntのMontevello、Chris StapletonのTravellerなど)ですが、ここまで多くの曲が入ったケースはおそらく初だと思います。

そんな彼のアルバム『Life Changes』ですが、iTunesダウンロード・シングルのセールスともに好調でアルバム1位濃厚。ビルボードも太鼓判を押しています↓ そんな今年初(濃厚)のカントリーアルバムは、今後カントリーがストリーミング時代で戦う上でのヒントを提示する印象的なアルバムと思います。

 

では次はシングルについて。最も高い順位で登場したのはZAYNとSiaのDusk Till Dawn。組み合わせだけでインパクトがありますが、その名前に見合う活躍をこれから見せられるでしょうか。スタートは悪くなさそうですね。ZAYNはデビューシングルのPillowtalk、テイラーと組んだ映画サントラ用のI Don't Wanna Live Forever以外はシングルがそこまでヒットせず(トップ40はこの2曲のみ)、直近のPARTYNEXTDOORとのStill Got Timeもそこまでヒットしていなかったので、ここは「勝負所」となりそうです。

組み合わせで注目なのが、Hailee Steinfeld・G-Eazy・ILoveMakonnenの新曲。

まずはHailee Steinfeld。Alesso+Florida Georgia Lineとの組み合わせ。Hailee Steinfeldは昨年Grey&Zeddと組んだStarvingでキャリアハイのHot 100で12位を記録しましたが、その時と同じEDM系プロデューサー、を迎えその時の再来を狙います。カントリーデュオFlorida Georgia Lineは最近他のジャンルへの客演が多いですね。今年に入ってからThe Chainsmokers、Bebe Rexha、そしてこれとエレクトロポップ界隈で多く登場しています。「声」でコラボしてカントリーへの興味を誘う、とはなかなか新しくて面白い試みかな、とは思います。

次にG-Eazy。客演はA$AP Rockyと現在勢いのあるCardi B!とくにCardi Bは客演がほぼ初ということもあって注目が高いようですね。Cardi B feat. OffsetのLickも現在Hot 100に接近中のようで、今年の年末にかけて彼女の名をHot 100で見かける機会が増えそうです。

最後はILoveMakonnenとRae SremmurdのLove。両者とも異端なボーカルスタイルで鮮烈なデビューを2014年に飾りましたが、現在知名度には大きな差が。ILoveMakonnenはDrakeのレーベルを抜けるなど紆余曲折がありましたが、ある種の「同期」とのコンビで再浮上を狙います。

 

Tove LoのDisco Titsもなかなか注目のリリース。HabitsがHot 100で3位、Talking Bodyが同12位、を記録してファーストアルバムでブレイクした彼女。セカンドアルバムではシングルヒットこそ無かったものの、自身のスタイルを先鋭化させ、かなり質の高い作品だったと思います。

おそらくサードアルバム向けのシングルであろうこのDisco Titsはタイトルもかなり挑戦的。Titsとは要は「おっぱい」なので、不適切ワードとして場所によってはT**sと表記されるときも。そんな状況を憂慮した彼女はTwitterで「ラジオ曲のみなさん、Titsがダメなら好きなワードを入れてDiscoナンチャラにしていいわよ」と宣言。今後この曲がどのような表記をされるのかが気になりますね……?ちなみに「Discoナンチャラ」のうち本人のお気に入りはコレらしい………

https://twitter.com/ToveLo/status/906174539922632704

https://twitter.com/ToveLo/status/9https://twitter.com/ToveLo/status/90617453992263270406174539922632704

https://twitter.com/ToveLo/status/906174539922632704

 

ほか来日が決まったBeckKelly Clarkson、アルバムリリースが近づくDemi Lovatoの曲などが登場しています。

 

iTunesップ10+新曲の順位 (金曜日)

1 Sam Smith Too Good at Goodbyes
2 Kane Brown Found You
3 Taylor Swift Look What You Made Me Do
4 Taylor Swift .. .Reday For It?
5 ZAYN feat. Sia Dusk Till Dawn
6 Kelly Clarkson Love So Soft
7$ Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
8 Blake Shelton I'll Name the Dogs
9$ Imagine Dragons Thunder
10$ Demi Lovato Sorry Not Sorry

 

18 U2 You're the Best Thing About Me
19 Kelly Clarkson Move You
21 Gabbie Hanna Out Loud
※23 Thomas Rhett Unforgettable
25 Demi Lovato You Don't Do It For Me Anymore
27 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line Let Me Go
※30 Dustin Lynch Small Town Boy
36 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit
※39 Thomas Rhett Life Changes
43 Thomas Rhett Marry Me
57 Caleb and Kelsey My Heart Will Go On (Cover)
59 Dustin Lynch feat. Karen Fairchild Love Me or  Leave Me Alone
65 Tove Lo Disco T**s
73 Kevin Gates Had To
77 Thomas Rhett feat. Rhett Akins Drink a Little Beer
91 Thomas Rhett Sweetheart

$は割引 ※は新アルバムの曲

 

ダウンロード1位はSam Smith。ただこれは金曜日=初日だけのデータなので、週全体でテイラーに競り勝てるでしょうか。ほか、先ほど述べたKane Brownですが今回はダウンロードでの好調のわりにストリーミングでは登場せず。

Thomas Rhettはシングルのダウンロードでも好調。ほかU2、Kevin Gatesの新曲など。

 

iTunes アルバム順位

1 Thomas Rhett Life Changes
2 The National Sleep Well Beast
3 Dustin Lynch Current Mood
4 Kip Moore Slowheart
5 Jack Johnson All the Light Above It Too
6 ODESZA A Moment Apart
7 Tori Amos Native Invader
8 Gregg Allman Southern Blood
9 Toby Keith The Bus Songs
10 Imagine Dragons Evolve

 

アルバムリリース多めの週。特にカントリーはThomas Rhett、Dustin Lynch、Kip Mooreと比較的人気なアーティストが3人もアルバムをリリース。上の表のうち、Imagine Dragons以外すべて今週リリースのアルバム。

*1:Amazon プライム会員ならタダで利用可能、カントリーのリスナーは郊外に多いと聞いたことがあるので、それならAmazon会員が多そうで、Amazon Musicでカントリーが人気ということは結びつくような気がしました