チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

チャート好きが選ぶ 【2017 Best Albums 30】

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↑こういう表作って眺めるのが個人的に好きです (でもアプリのスタンプが残っている雑編集ですいません、、、)

 

昨年まではシングル単位で曲を聞く機会が多かったのですが、今年はアルバムで聞く機会が若干増えた気がします。

昨年はBest Album 20だったのですが、Best Album 30まで今年は拡張しました。年末のアルバム(具体的に言うと12/15以降、例えばCharli XCXのPop2など)は来年のリストにまわしています。

それでは今年のベストアルバムを発表していきます!

……とその前にアルバムと別枠で選んだベスト4EPから……

 

それは以前レビューを書いたこの2つと

 


Rina Sawayama - Rina (EP) とSigridのDon't Kill My Vibe (EP)です!

前者はロンドン在住の日本人によるもの。7曲EPながらも好ポップスが多く並ぶ完成度の高い作品で 、Pitchforkの「ベストポップ / R&B アルバム」の19位に入るなど、メディアからの期待もかなり高そうです!

後者はノルウェーのシンガー。ブレイクのきっかけとなったDon't Kill My Vibeのほかスケールの大きいエレクトロポップが特徴。このEPの後にリリースされたシングル、Strangersも好トラックで、今後が楽しみなシンガーです。

 

では、本編に参ります。

 

30 Pollàri - lil llàri galaxy

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アトランタ出身の新人ラッパー。重厚なボーカルスタイルと、ある意味不安になるような歪でヘビーなビートが特徴的です。まだまだ未知の新人という感があるのですが、一発シングルヒットを飛ばしそうな個性的なセンスを感じます。アルバムにはLil Yachtyなどが参加。アルバム最初のトラックはMy Beautiful Dark Twisted Fantasyなのですが、カニエのアルバムで例えるならば、Cruel Summer か 808's & Heartbreakが近いように思います。

29 Khalid - American Teen

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今年、最も飛躍を遂げたシンガーの一人、Khalid。最初にLocationを聞いたときは、しっとり聞かせる、アダルトR&B系志望のシンガー、と思ったのですが、アルバムでその印象は一変。Young Dumb & Brokeを筆頭に、自身の声を活かしつつポップにアルバムを作り上げていました。このアルバムで幅広いジャンルに対応するポテンシャルを見せ、今年の後半にはImagine Dragons、Lorde、Marshmelloなど多用な方面から引っ張りだこ。来年以降の活躍も楽しみです。

 

28 Harry Styles - Harry Styles

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先行シングル、Sign of the Timesの時の衝撃度はZaynのPillowtalk以上でした。アルバムでも初志貫徹し、Sign of the Timesのようなクラシカルロック系のポップで固め、完成度が高かったように思います。Sign of the TimesはHot 100の4位でデビューしたものの、後に調子を落とし結局わずか13週でチャートを去りました。また、アルバムリリース後にシングルカットした曲もHot 100に入れないなど、チャート面だけを見るとややネガティブな印象もあります。ただし、そのネガティブな印象を吹き飛ばし、ヒットチャートが主戦場だったOne Direction時代からの大きな変貌を遂げたアルバムだと感じました。

 

27 The xx - I See You

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 荘厳な雰囲気とポップさを両立したThe xxのアルバム。インディーのサウンド感覚を保ちながら、イギリスのシングルチャート100位圏内に10曲のうち7曲が入るなど、メインストリームのリスナーにもに響きました。メンバー各々のセンスが重なりあって、出来た美しいアルバムであることをフジロックのライブで実感しました。

 

26 Betty Who - The Valley

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昨年I Love You Always Foreverのカバーでが地元でヒットとなった オーストラリア出身のポップス系シンガーソングライター、Betty Who。彼女のポップセンスが発揮されたアルバムで、多くのエレクトロポップ・アンセムが並んでいます。オーストラリア以外や、批評家からはまだ注目されていませんが、何故か日本のカラオケで歌えます(Mama Say)

 

25 J Hus - Common Sence

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 イギリス出身のラッパー。トラックやビートに特長のあるアルバムで、Clartinでは吠えたり、それらを巧みに歌いこなしています。表題曲になっているCommon Senseはとにかくオシャレ。Ⅰ番のヒット、Did You Seeは哀愁漂うトラックとボーカルの組み合わせが心地よいです。リミックスではPopcaanが入ったダンスホール曲、Bouff Daddyもアルバムのハイライトの一つです。

 

24 Gorillaz - Humanz

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 近年ポップスにまで進出している、R&B / Hip-Hop界隈のアーティストたちを、ロックスターが巧みに調理したアルバムだと思います。Danny Brown・Vince Staples、そして以前も組んだDe La Soulなど拘りの客演陣が多く揃い、見どころの多いアルバムだと思います。最後のWe Got the Powerの終わり方も気持ち良いです。

 

23 LCD Soundsystem - American Dream

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 ディスコパンクの名手の復活作。気持ちよくじっくりと「揚げられる」感覚があり、アルバム全編を聞くと低音でおいしく熱せられた旨味たっぷりの料理のような気分になると思います(?)一曲一曲が長く、濃度の高いアルバムで、一度聞き始めたら途中で止めずに最後まで聞くと気持ちが良いと思います。

 

22 21 Savege, Offset, Metro Boomin - Without Warning

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 今年のUS年間シングルトップ100に、8曲をも送り込んだ名ラップ・プロデューサーMetro Boominと21 Savage・Offsetによるジョイントアルバム。そのアメリカを支配したMetro Boomin節が存分に味わえる一枚。ハロウィンの日に緊急リリースされたアルバムなのですが、ゲリラリリースでこんなアルバムを味わえるとは幸せなものです。(しかも21 Savage, Metro Boomin, Offset(※Migosの1員として)全員が今年既に別のアルバムをリリース済という点もすごい)

 

21 Tove Lo - Blue Lips

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前作Lady Woodはかなりダークでしたが、今作Blue Lipsはそれと比べるとかなり明るく開けているという印象があります。前アルバムで見せたポップセンスは健在で、注目を集めた先行シングルのDisco Titsのほか、Bitchesも美味な新アンセム。以前よりも"Go Indie"している印象のあるTove Loですが、このアルバムを聞く限り、再びポップシンガーたちの「裏方ソングライター」としても活躍できそうです。

 

20 Demi Lovato - Tell Me You Love Me

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今年Hot 100でSorry Not Sorryが自己最高の6位を記録するなど、飛躍を遂げたDemi Lovato。アルバムでは、ロック系のR&Bをベースにしたサウンドプロダクションと、Demi Lovatoのパワフルな声と合わさって、魂のこもった一枚になっています。Sorry Not Sorry、Sexy Dirty Love などの親しみやすい曲に加え、力強いボーカルを最も感じるCrybabyなどがアルバムのハイライトだと思います。

 

19 Charli XCX - Number 1 Angel

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Charli XCXの普段の様子をSNSで見る限り、彼女はかなり友達を多そうである。そのような、他のファンとの2ショットなどを見ると、ファンは「コラボ!コラボ!」とコメントを送る。そのファンの希望を叶えたのがこのミックステープだと思います。ポップスシンガーは、アルバムを慎重にリリースし、シングルカットもゆっくり行い、1枚1枚を丁寧に行う傾向にあると思っていたので、このようなフットワークの軽い刺激的な試みはかなり革新的に感じました。このミックステープはR&B / Hip-Hop系アーティストとのかかわり合いが見どころだと思います。

 

18 Mura Masa - Mura Masa

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イギリスのプロデューサーによる、マジカルなサウンド空間が広がるアルバム。A$AP RockyとのLove$ick、Charli XCXとの1 Nightなど前半のトラックに注目が集まっている印象はありますが、個人的にはChristine and the QueensとのSecond To None、Damon AlbarnとのBluなど後半の「温かい」トラックも好みです。

 

17 Allie X - Collxtion Ⅱ

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カナダのポップ系シンガー。雰囲気の良いポップソングが並び、ある種癒やし系のトラックや、哀愁のあるメロディラインを持つトラックなどを取り揃えています。アルバム。2曲目でソングライトを担当したTroye Sivanや、Melanie Martinezのファンにはオススメかもしれません。

 

16 Rostam - Half-Light

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元Vampire Weekendのメンバー、Rostamによる才能爆発系ポップス曲集。文字通り「爆発」を感じるDon't Let It Get To Youや、アンセム性のあるBike Dreamなどがアルバムのハイライト。多種多様なサウンドを楽しめるアルバムで、その才能を活かし今後彼がどのような方面と関わり合っていくかにも期待したいです。

 

15 Young Thug - Beautiful Thugger Girls

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唯一無二の特徴的な声を持つ、Young Thugの意欲作。アルバムタイトルにあるように、"Beautiful"・美しさが際立つアルバムで、トラップ的なセンスとギターサウンドや女性ボーカルとの重なり合いがこのアルバムの見どころだと思います。先日、雲を眺めながら「美味しそう……」と眺めるYoung Thugの画像を見かけたのですが、なんだかそのイメージと合致するアルバムのように思いました。

 

14 Noga Erez - Off the Raddar

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イスラエルのシンガー / プロデューサー。エッジの聞いたサウンドプロダクションが特徴のポップ~オルタナティブアルバム。アルバムの主役曲・Dance While You Shootは最近Apple MusicのCMにも起用されていました。全編に渡って、サウンドプロダクションの優秀さを感じるアルバムで、今後の彼女の飛躍を期待したいです。Kanye Westのアルバム・Yeezusが好きな方や、Kendrick LamarのLOVE.が好きな人に向いているアルバムかも。(YeezusとLOVE.はそこまで似ていませんが)

 

13 SZA - Ctrl

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Katy Perryと同じ週にリリースされたSZAのアルバムCtrl。週の後半にはiTunesでそのKaty Perryを抜かして1位浮上して、驚いたことを覚えています。その後もSZAのアルバムは注目され続け、年末に発表されたYear-EndリストではKaty Perryを上回る順位を記録。今後も長く愛されていきそう、そんな説得力のあるアルバムだと感じました。

 

12 Tyler, the Creator - Flower Boy

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アルバムチャート1位争いではLana Del Reyに惜しくも敗れたものの、アルバム全曲がSpotifyのランキングにエントリーするなど、飛躍を遂げたTyler, the Creator。他にもラジオでこのアルバムからの曲がかかりそれを聞いて嬉し泣きする、というエピソードも。ノルウェーのシンガー・Anna of the Northなどの意外な面子を含んだ客演陣も見どころの一つだと思います。

 

11 Poppy - Poppy. Computer

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とにかくかわいい系のアルバム。この系統は奇抜で取っ付きづらい場合もありますが、このアルバムは非常に聞きやすく感じました。My Microphone ~ Moshi Moshi ~ Computer Boyと3連続でアンセムが続く部分がこのアルバムのハイライトです。批評でもメインストリームでもほぼ注目されていないアルバムですが、個人的にかなりハマったアルバムでした。

 

10 Beck - Colors

 

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アルバム全編が「Beck先生の教える、ロックのポップへの組み込み方講座」のように感じました。現在、正統派のロックがメインストリームで苦戦をし、また批評家メディアもヒップホップへと舵を切り、より一層「ロック曲のヒット」が求められているように個人的に感じているのですが、そのヒントがこのアルバムに詰まっていると思います。このアルバムから何かしらのシングルヒットが出ることに意義があると思うので、何かしら来年ヒットしてほしいです。(Up All Nightは現在ロック系ラジオで無双中、Hot 100はまだ)

 

9 St. Vincent - MASSEDUCTION

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鬼才・St.Vincent。Pillsのような暴力的ともいえる破壊的ギターサウンドが特徴的ですが、個人的にはNew Yorkのようなバラード系も好き。(前作で言えばHuey Newton)その「破壊」・「美」の融合をハイレベルなポップセンスと共に楽しめるアルバムだと思います。わりとインディー寄りな人、な印象があると思いますがメインストリーム系の音楽ファンでも楽しめるアルバムだと思います。

 

8 Dirty Projectors - Dirty Projectors

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かなり暗い色使いのジャケットにあるように、かなり怨念的な雰囲気が漂うアルバム。「引き込み力」が素晴らしいアルバムで、最初のKeep Your Nameほか、Death Spiral、Ascent Through Cloudsなどがこのアルバムを象徴しています。特にアルバム後半のAscent Through Cloudsは泣いてしまいそうな、凄まじいエネルギーを感じる曲です。

 

7 Paramore - After Laughter

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実は、私の音楽の聴き始めはエモ系統ロックでした。このParamoreも私のヒロイン(ヒーロー)の一つでした。ですが、日が経つにつれ音楽の趣味も変化していき、現在は音楽チャートを追っているということもあり、ポップス~ヒップホップが主な私の趣味となりました。そんな現状エモ系統ロックは、あくまで「懐かしい」ものなのですが、そんな「かつて」のヒロインが、今の私の好みテイストのアルバムとは!そんな特別な気持ちのあるアルバムです。

 

6 Kendrick Lamar - DAMN.

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どこを取っても欠点の無いアルバムで、たしかに多くのメディアがしているように1位にしたい理由や気持ちも分かります。ただKendrick Lamarのポテンシャルやアルバムの立ち位置を考慮し、ある種の期待を込めてこの位置にします。James Blakeと組んだELEMENT.、Mike Will Made-Itと組んだDNA.は新鮮でした。

 

5 Kehlani - SweetSexySavage

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注目を集めるR&Bシンガー、Kehlani。そんな彼女のファーストアルバムはトラップ風の曲を歌いこなすなどの器用さも際立つが、何よりもアルバム全体に感じるエモーショナルな雰囲気が最大の特徴。Distraction、Undercoverなど人気のある曲のほか、アルバム最後のThank Youでの締め方もまたたまらないです。R&Bとジャンル分けされる彼女ですが、アルバムではポップセンスもかなり感じたので、今後のメインストリームでの活躍も期待したいです。

 

4 Migos - Culture

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年間チャート・まとめ記事でも書いたように、関連アーティスト(Cardi Bなど)や、メンバーのソロでの活躍を含めて、2017年の音楽界の中心にいるのは間違いなくMigosでした。そんな主役・Migosがいかに主役たらしめるかの説得力があるアルバムです。特に1曲目~4曲目までの勢いは凄まじいです。あと、密かにアルバムジャケのデザインも個人的に好きです。

 

3 Lana Del Rey - Lust For Life

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Max MartinやBenny Blancoというポップ系のプロデューサー、The Weeknd・A$AP Rocky・Playboi CartiなどのR&B / Hip-Hop勢がゲストに、さらにアルバムジャケットで笑顔を披露するなど、今までと違う点がいくつも存在する今回のLana Del Reyのアルバム。意欲的に新要素も加えつつ、Lana Del Reyの持つ荘厳な雰囲気をキープした新境地を見せた彼女の最高傑作と感じました。アルバムのどこを取っても美しいです。

 

2 Vince Staples - BIg Fish Theory

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Kendrick Lamarと双璧を成す現在最高のラッパーとも評されるVince Staples。今作では他のラッパーとはまるで違うビートを取り入れる新規性を見せました。そのKendrick Lamarと組んだYeah Right、Love Can Be...などのトラックが非常に刺激的。ネクストレベルの彼が見せた唯一無二のアルバムだと言えます。

 

1 Lorde - Melodrama

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正直ここまで今年Lordeが好きになるとは予想外でした。Green Lightが一番メディアに取り上げられることが多いですが、個人的にはLiabilityとPerfect Placesがアルバムの軸になっていると感じます。アルバム真ん中のバラードLiabilityではそこまでの流れを巧みに昇華させ、さらにアルバムに引き込む。そして最後のPerfect Placesが本当に素敵。このアルバムの最後に聞くPerfect Placesは、今年の音楽で最も美しかったです。他のアルバムも良かったですが、このアルバムが飛び抜けて1位でした。

 

 

 

ランキングの過半数をクリスマス曲が独占? クリスマス曲とストリーミングの関係を調査 【Spotifyで強め?】

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 私は普段から「世界一のチャートマニア」になるべく(?)、音楽の各種ランキングに目を通しています。

 そこで、最近気になっているのはSpotifyApple Musicの違いについてです。おおまかに2点の違いを述べると、アメリカではApple Musicが2016年にDrakeとFrank Oceanなどの独占配信を行い、登録者を集めたという経緯からApple MusicはR&B/Hip-Hopリスナーにユーザーが傾いており、ランキング上位はそれらが占める傾向にあります。

 さらに、最近別の違いも発見しました。毎週、新曲リリース日の金曜日の各種ランキングをいつもチェックしているのですが、そこで気になったのはSpotifyApple Musicでの「クリスマス曲の人気の度合いが違う」ということです。

 


 直近の調査 (12/22) では、なんとSpotifyでは51曲がランクインしているのに対し、なんとApple Musicはわずか4曲のみ!(いずれも200位までカウント)ここまで違うとは面白い事象なのでは?と思い、少し踏み込んで調査してみようと思いました。

 

 まず、そもそもクリスマス曲の中で何が人気なのか?という所から調査してみようと思います。調査に用いるのは、12/25デイリーのSpotify全世界再生数ランキングです。その中からクリスマス曲を抜き出しました。

 

Spotify グローバル

1 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You
2 Wham! Last Christmas
3 Band Aid Do They Know It's Christmas? (1984)
4 Brenda Lee Rockin' Around The Christmas Tree
6 Michael Buble It's Beginning To Look A Lot Like Christmas
7 Andy Williams It's the Most Wonderful Time of the Year
8 John Lennon Happy Xmas (War Is Over)
10 Bing Crosby White Christmas
11 Bobby Helms Jingle Bell Rock
12 Jose Feliciano Feliz Navidad
13 Ariana Grande Santa Tell Me
15 Frank Sinatra Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! 
16 Paul McCartney Wonderful Christmastime
17 Nat King Cole The Christmas Song
18 The Pogues feat. Kirsty MacColl Fairytale of New York
19 Chris Rea Driving Home For Christmas
21 Elvis Presley Blue Christmas
23 Burl Ives A Holly Jolly Christmas
24 Justin Bieber Mistletoe
28 Michael Buble Holly Jolly Christmas
29 Mykola Dmytrovych Leontovych Carol of the Bells
30 Eartha Kitt Santa Baby
31 Vince Guaraldi Trio Christmas Time Is Here
33 Chuck Berry Rund Rudolph Run
35 Elton John Step Into Christmas
38 Sam Smith Have Yourself A Merry Little Christmas
42 Bing Crosby Winter Wonderland
43 Shakin' Stevens Merry Christmas Everyone
44 Perry Como It's Beginning to Look a Lot Like Christmas
45 Coldplay Christmas Lights
47 The Beach Boys Little Saint Nick
48 Sia Santa's Coming For Us
53 Kelly Clarkson Underneath the Tree
54 Michael Buble & Shania Twain White Christmas
56 The Ronettes Sleigh Ride
59 Michael Buble feat. The Puppini Sisters Jingle Bells
60 Judy Garland Have Yourself A Merry Little Christmas
61 The Jackson 5 Santa Claus Is Coming To Town
63 Britney Spears My Only Wish
68 Kylie Minogue Santa Baby
69 Burl Ives Rudolph The Red-Nosed Reindeer
70 Daryl Hall & John Oates Jingle Bell Rock from Daryl
71 Dean Martin Silver Bells
75 Boney M. Mary's Boy Child
77 Frank Sinatra The First Noel
78 Darlene Love Christmas (Baby Please Come Home)
79 Bruce Soringsteen Santa Claus Is Comin' to Town
82 Nat King Cole Joy To The World
84 Michael Buble Santa Claus Is Coming To Town
85 Pentatonix Hallelujah
87 Frank Sinatra Mistletoe And Holly
88 Idina Menzel & Michael Buble Baby It's Cold Outside
89 Michael Buble Cold December Night
90 Bing Crosby Do You Hear What I Hear?
91 Gene Autry Here Comes Sant Claus
93 Carpenters Sleigh Ride
94 Michel Buble All I Want For Christmas Is You
95 Leona Lewis One More Sleep
101 Bing Crosby Mele Kalikimaka
103 Miley Cyrus Rockin' Around The Christmas Tree - Recorded at Spotify Studios NYC
104 Wizzard I Wish It Could Be Christmas Everyday
105 Pretenders 2000 Miles
107 *NSYNC Merry Christmas, Happy Holidays
108 Meghan Trainor I'll Be Home
110 Dean Martin Baby, It's Cold Outside
111 Carpenters Merry Christmas Darling
112 Thurl Ravenscroft You're A Mean One, Mr.Grinch 
115 Bing Crosby The Little Drummer Boy
117 Jona Lewje Stop the Cavalry
118 Destiny's Chlid 8 Days of Christmas
119 Queen  Thank God It's Christmas
122 Michael Buble Have Yourself A Merry Little Christmas
124 Michael Buble Christmas (Baby Please Come Home)
128 Stevie Wonder What Christmas Means To Me
138 Andy Williams Sleigh Ride
140 Carpenters Silent Night
141 Kay Starr The Man With The Bag
143 Nat King Cole Trio All I Want For Christmas (Is My Two Front Teeth)
144 Gwen Stefani feat. Blake Shelton You Make It Feel Like Christmas
146 Dean Martin Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! 
151 Tony Bennett Winter Wonderland
154 Bing Crosby I'll Be Home For Christmas
156 Perry Como Here We Come a-Caroling / We Wish You a Merry Christmas
157 Nat King Cole The Happiest Christmas Tree
158 Sam Smith River (Recorded At RAK Studios, London )
161 Michael Buble Santa Baby
162 Frank Sinatra Jingel Bells
163 Bing Crosby What Child Is This? / The Holly And The Ivy (Medley)
167 Mud Lonely This Christmas
169 Tony Bennett O Christmas Tree
171 Perry Como Medley:Caroling, Caroling / The First Noel / Hark! The Herald Angels Sing / Silent Night
173 Bing Crosby God Rest Ye Merry Gentlemen
177 Lou Monte & oe Reisman's Orchestra and Chorus
 Dominick The Donkey
179 Bing Crosby Hark! The Herald Angels Sing / It Came Upon A Midnight  Clear
180 Bing Crosby Tweleve Days Of Christmas
182 Eagles Please Come Home For Christmas
185 Nat King Cole O Tannenbaum
186 Sia Snowman
187 Elvis Presley O Little Town of Bethlehem
190 Peggy Lee The Christmas Waltz
195 The Platters Christmas Time
197 Michael Buble I'll Be Home For Christmas

 

 計102曲がランキングに!つまり、Spotifyランキングの過半数をクリスマス曲が占めるということに!

 Spotifyのアプリのホーム画面には「グローバル トップ50」がプリセットで入っており(当時)、そこから聞く曲を探す人もいるようなので、ランキング上位に入ることはかなりの「宣伝」にもなるというのですが、12/25は50位のうち32曲がクリスマス曲なので、「クリスマス曲を聴こうかなー」と思わずにSpotifyを開いた人をもクリスマス曲に巻き込んでいる、という可能性もあります。

 ここで注目すべき点は3つあると思います。まずは、クリスマスの人気曲は定番曲ということです。

 Spotifyなどのストリーミングサービスの持ち味の一つとして、「新しい曲をすぐに聴ける」という点があると思います。その持ち味を活かすべく、ユーザーは毎週新リリースの曲にすぐ飛びつきます。そして新曲がリリースされる金曜日は多くの新曲がランキングに登場します。(そこがピークになる曲もある)その新リリースの曲の中で、人気をキープした曲が上位に残る、という傾向があり最初の週からずっと上位を走る曲もよくあります。

 しかし、Spotify新しい曲一辺倒というわけでもないです。プレイリスト文化が栄えているSpotifyは過去曲にも目が配られるケースもあります。例えば、2004年にリリースされたThe Killers*1のMr.Brightsideは現在もイギリスのSpotify では未だに65位をキープ。このストリーミングの成績が生きてリリースから10年以上が経過しながらも、シングルチャートにも入っていました。また、Spotifyのサービス開始前にリリースされていたEminemの曲がアメリカのSpotify 200位圏内を頻繁に出入りする、などの事例もあります。

 このようにSpotifyのランキングは「新しい曲の人気にすぐ火がつく傾向があるが、過去曲へも注目が集められる」という特徴があります。

 今回のクリスマスでランクインしたのは、近年組(Michael Buble・Ariana Grande・Justin Bieber)などもいるものの、上位に入っているのは多くが2000年よりも前の曲。つまり、クリスマスはSpotifyにとって普段から持つ「過去の曲への注目」という特性を最大化したイベントであるとも言えます。

 

 次は、規模が拡大しているという点です。12/24・12/25の首位はいずれもMariah CareyのAll I Want For Christmas Is Youだったのですが、それぞれの日の再生数は約807万 → 約647万と推移しています。

 クリスマスのムードが終わった翌日・12/26はPost Maloneのrockstarが首位に舞い戻ります。再生数は"All I Want For~"と比べると少なめ(約386万)です。"rockstar"はクリスマス期もこの数値と同程度の再生数を記録していたものの、多くのクリスマス曲に再生数が「相対的」に見劣りして、「順位」では再生数首位に立てなかったものの、「数値」的にはSpotifyで1位を取れる規模の再生数をずっとキープしていたのです。

 またクリスマス時の200位(ランキング最下位)の再生数が12/24は約68万、12/25は約61万でしたが、12/26は約47万まで減少。つまり、全体的に再生数の規模が上がっていた、ということが伺えます。

 これらの点から、クリスマス曲たちは、現在ヒット中の曲を「駆逐」したのではなく、「両立」し、Spotifyの規模を大きく押し上げている、ということが読み取れます。

 

 そして最後の注目点はこのクリスマス期に向けて、Spotifyが独自の曲を追加したという点です。103位のMiley Cyrusの曲名に注目してください。曲名はRockin' Around The Christmas Tree - Recorded at Spotify Studios NYCとあります。 "Recorded at Spotify Studios"、つまりこれはSpotify用の独自の音源なのです!クリスマスのためにMiley Cyrusのような名のしれたシンガーを呼んでオリジナル音源を作成しているのです。ほかにも158位のSam Smithもこれに当てはまります。他にも複数アーティストが複数このような試みをしており、Spotifyがクリスマスに力を入れていることがわかります。

 


 まとめると、クリスマスはストリーミングサービス、特にSpotifyにとって独自の強みを活かしやすい「書き入れ時」ということが伺えます。

 

 では次に、アメリカ・日本のランキングを参照します。まずはアメリSpotifyから……

 

アメリカ Spotify

1 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You
2 Brenda Lee Rockin' Around The Christmas Tree
3 Anita Kerr Singers Jingle Bell Rock
4 Wham! Last Christmas
5 Andy Williams It's the Most Wonderful Time of the Year
6 Vince Guaraldi Trio Christmas Time Is Here
7 Burl Ives A Holly Jolly Christmas
8 Bing Crosby White Christmas
9 Band Aid Do They Know It's Christmas? (1984)
11 Nat King Cole The Christmas Song
12 Frank Sinatra Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! 
13 Bing Crosby Winter Wonderland
14 Elvis Presley Blue Christmas
15 Jose Feliciano Feliz Navidad
16 Mykola Dmytrovych Leontovych Carol of the Bells
17 Perry Como It's Beginning to Look a Lot Like Christmas
18 Chuck Berry Rund Rudolph Run
19 Judy Garland Have Yourself A Merry Little Christmas
20 Burl Ives Rudolph The Red-Nosed Reindeer
21 John Lennon Happy Xmas (War Is Over)
22 Eartha Kitt Santa Baby
24 Paul McCartney Wonderful Christmastime
25 Dean Martin Silver Bells
26 Michael Buble It's Beginning To Look A Lot Like Christmas
27 The Beach Boys Little Saint Nick
28 Nat King Cole Joy To The World
29 Bing Crosby Do You Hear What I Hear?
30 Bing Crosby Mele Kalikimaka
31 Frank Sinatra The First Noel
32 Frank Sinatra Mistletoe And Holly
33 Gene Autry Here Comes Sant Claus
35 Ariana Grande Santa Tell Me
36 Carpenters Sleigh Ride
37 Thurl Ravenscroft You're A Mean One, Mr.Grinch 
41 Dean Martin Baby, It's Cold Outside
42 Bing Crosby The Little Drummer Boy
43 Justin Bieber Mistletoe
48 Carpenters Merry Christmas Darling
50 Andy Williams Sleigh Ride
51 Carpenters Silent Night
52 Kay Starr The Man With The Bag
53 Nat King Cole Trio All I Want For Christmas (Is My Two Front Teeth)
54 Michael Buble Holly Jolly Christmas
55 Nat King Cole The Happiest Christmas Tree
57 Bing Crosby I'll Be Home For Christmas
60 Bing Crosby What Child Is This? / The Holly And The Ivy (Medley)
61 Perry Como Here We Come a-Caroling / We Wish You a Merry Christmas
62 The Pogues feat. Kirsty MacColl Fairytale of New York
63 Perry Como Medley:Caroling, Caroling / The First Noel / Hark! The Herald Angels Sing / Silent Night
64 Chris Rae Driving Home For Christmas
66 Lou Monte & oe Reisman's Orchestra and Chorus
 Dominick The Donkey
68 Tony Bennett O Christmas Tree
69 Bing Crosby Hark! The Herald Angels Sing / It Came Upon A Midnight  Clear
72 Bing Crosby God Rest Ye Merry Gentlemen
74 The Jackson 5 Santa Claus Is Coming To Town
75 Sam Smith Have Yourself A Merry Little Christmas
76 Peggy Lee The Christmas Waltz
77 The Platters Christmas Time
78 Bing Crosby Tweleve Days Of Christmas
80 John Denver We Wish You A Merry Christmas
84 Nat King Cole O Tannenbaum
85 Pentatonix Hallelujah
89 Bing Crosby Let's Start The New Year Off Right
90 Miley Cyrus Rockin' Around The Christmas Tree - Recorded at Spotify Studios NYC
99 Michael Buble feat. The Puppini Sisters Jingle Bells
101 Pentatonix Mary, Did You Know
102 Michael Buble & Shania Twain White Christmas
105 *NSYNC Merry Christmas, Happy Holidays
114 Kelly Clarkson Underneath the Tree
120 Bruce Soringsteen Santa Claus Is Comin' to Town
121 Michael Buble Cold December Night
122 Sia Santa's Coming For Us
125 Frank Sinatra Jingel Bells
126 Michel Buble All I Want For Christmas Is You
133 Coldplay Christmas Lights
134 Sam Smith River (Recorded At RAK Studios, London )
135 DMX Rudolph the Rednose Reindeer ✫
136 Vince Guaraldi Trio Linus And Lucy
138 The Ronettes Sleigh Ride
139 Demi Lovato I'll Be Home For Christmas  (Recorded at Spotify Studios NYC)
140 Stevie Wonder What Christmas Means To Me
141 Britney Spears My Only Wish
142 Michael Buble Santa Claus Is Coming To Town
145 Dean Martin Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow! 
147 Gene Autry Rudolph the Rednose Reindeer 
151 Meghan Trainor I'll Be Home
152 Michael Buble Christmas (Baby Please Come Home)
154 Darlene Love Christmas (Baby Please Come Home)
157 Michael Buble Have Yourself A Merry Little Christmas
159 Chris Brown This Christmas
161 Brett Eldredge feat. Meghan Trainor Baby, It's Cold Outside
165 Glee Cast Jingle Bell Rock
170 Fifth Harmony Can You See (Holiday, Recorded at Spotify Studios)
171 Mariah Carey Christmas (Baby Please Come Home)
172 Pentatonix O Come, All Ye Faithful
175 George Ezra White Christmas (Holiday, Recorded at Air Studios)
177 Pentatonix Dance of the Sugar Plum Fairy
178 Glee Cast Baby It's Cold Outside
184 Kelly Clarkson Christmas Eve (Recorded at Spotify Studios NYC)
187 Daryl Hall & John Oates Jingle Bell Rock from Daryl
192 Vince Guaraldi Trio O Tannenbaum
193 Christina Aguilera Have Yourself A Merry Little Christmas
200 Elton John Step Into Christmas

✫Recorded ~と書いてはいないが、Spotify限定のよう

 

 全体的に103曲がランクイン。過半数を占めています。9位にPost Maloneのrockstar以外は、1位ー22位を全てクリスマスが支配するなど、圧倒的な支配力があります。Spotify独自音源がグローバルの時よりも多く、Fifth Harmony・Demi Lovatoバージョンなどが登場しています。

 何が人気か?も微妙に違いますね。

 次はアメリカのApple Music。

 

アメリカ Apple Music

5 Mariah Carey All I Want For Christmas Is You
27 Pentatonix Hallelujah
39 Jose Feliciano Feliz Navidad
45 Bobby Helms Jingle Bell Rock
51 Nat King Cole The Christmas Song
56 Darlene Love Christmas
61 Bing Crosby White Christmas
66 Justin Bieber Mistletoe
71 Wham! Last Christmas
74 Brenda Lee Rockin' Around the Christmas Tree
83 Eartha Kitt Santa Baby
86 Chris Brown The Christmas
87 Pentatonix Mary, Did You Know?
91 Michael Buble It's Beginning To Look a Lot Like Christmas
96 Vince Guaraldi Trio Christmas Time Is Here
103 The Ronettes Sleigh Ride
107 Gene Autry Rudolph the Red-Nosed Reindeer
110 John Lennon Happy Xmas
114 Band Aid Do They Know It's Christmas?
126 Andy Williams It's the Most Wonderful Time of the Year
128 Jackson 5 I Saw Mommy Kissing Sant Claus
135 Elvis Presley Blue Christmas
136 Pentatonix Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
141 Frank Sinatra Jingle Bells
142 Dean Martin Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
144 Pentatonix O Come, All Ye Faithfull
150 Donny Hathaway This Christmas
157 Judy Garland Have Yourself a Merry Little Christmas
150 Mannheim Streamroller Deck the Halls
168 Kelly Clarkson Underneath the Tree
169 NSYNC Merry Christmas, Happy Holidays
173 Bruce Soringsteen Santa Claus Is Comin' to Town
175 Mariah Carey Christmas (Baby Please Come Home)
178 Michael Buble I'll Be Home For Christmas
181 Glee Cast Baby. It's Cold Outside
183 Stevie Wonder Someay At Christmas
185 Wham! Last Christmas
192 Sia Santa's Coming For Us

 

 なんと38曲にまで減少!ここまで露骨に違いが出るものなのですね。トップ10に入っているのはAll I Want For Christmas Is Youのみで、ほかのトップ10曲はQuavo・Travis Scottのジョイントアルバムからの曲が多くを占めていました。

 ここまで差がついたことの理由については二つ考えられます。まず、クリスマス・アンセムの多くは歌い上げるような曲が多く、Hip-Hopリスナーの興味が引けない可能性があるということ。クリスマス曲の多くは「アダルトポップ」のようなジャンルに分類されています。ただ、Run DMCのChristmas in Hollisなど一部ヒップホップ系のクリスマス曲もあります。(ここには入っていないですが)

 そして、Apple Musicがそこまでクリスマスに敏感ではないという可能性です。Apple Musicはアプリを立ち上げると、まずは自分が保存(または追加)した曲が表示されます。Apple Musicは、Spotifyよりも「どのような曲を聞けばよいか?」のような導線が少なく、常に能動的な検索が求められます。ホーム画面にランキングが表示されるSpotifyに対してApple Musicはランキングに到達するためには2回、画面を動かす必要があります。

 ここまでストリーミングサービスごとに違いが出るとは意外でした。続いて日本を調査します。

 

・日本 Spotify

1 Mariah Carey All I Want For Christmas Is You
2 Wham! Last Christmas
5 The Jackson 5 Santa Claus Is Coming To Town
6 John Lennon Happy Xmas
7 Sia Santa's Coming For Us
8 Paul McCartney Wonderful Christmastime
9 Ariana Grande Santa Tell Me
11 Brenda Lee Rockin' Around the Christmas Tree
13 Kelly Clarkson Underneath the Tree
22 Pentatonix Winter Wonderland / Don't Worry Be Happy
27 Kick the Can Crew クリスマス・イブRap
34 Michael Buble It's Beginning To Look a Lot Like Christmas
     
44 Sam Smith Have Yourself a Merry Little Christmas
47 Frank Sinatra Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
51 Bobby Helms Jingle Bell Rock
57 Mariah Carey Christmas (Baby Please Come Home)
59 Ariana Grande Last Christmas
61 Ariana Grande Winter Things
64 Justin Bieber & Mariah Carey All I Want For Christmas Is You
67 Sam Smith River (Recorded At RAK Studios, London )
68 Michael Buble & Shania Twain White Christmas
70 STEADY&CO, Only Holy Story
71 Pentatonix The Christmas Sing-Along
72 Leona Lewis One More Sleep
74 Nat King Cole The Christmas Song
75 サニーデイ・サービス クリスマス white falcon & blue christmas (小西康陽 remix)
77 Ovall Winter Lights
78 Donny Hathaway This Christmas
80 Mizuki Ohira Good Night (The Hotpantz Xmas Remix)
81 Burl Ives A Holly Jolly Christmas
82 Glee Cast Jingle Bell Rock
83 AI ハッピークリスマス
84 Michael Buble Holly Jolly Christmas
86 The Jackson 5 I Saw Mommy Kissing Sant Claus
89 Glee Cast Last Christmas
90 Coldplay Christmas Lights
91 Mariah Carey Santa Claus Is Comin' to Town
93 The Learners I Saw Mommy Kissing Sant Claus
95 Gwen Stefani feat. Blake Shelton You Make it Feel Like Christmas
97 Michael Buble Winter Wonderland
98 RUN D,M,C, Christmas In Hollis
99 Bruce Soringsteen Santa Claus Is Comin' to Town
100 Chris Brown This Christmas
105 DREAMS COME TRUE サンタと天使が笑う夜
107 Darlene Love Christmas (Baby Please Come Home)
113 Glee Cast Deck The Rooftop
114 Michael Buble feat. The Puppini Sisters Jingle Bells
115 Michael Buble All I Want For Christmas Is You
116 Judy and Mary クリスマス
118 Stevie Wonder Someday At Christmas
119 Band Aid Do They Know It's Christmas (1984)
123 Glee Cast All I Want For Christmas Is You
124 Glee Cast Baby, It's Cold Outside
125 Justin Bieber Mistletoe
127 Walk Off the Earth Sleigh Ride
132 KIRINJI クリスマスソングを何か
133 Miley Cyrus Sleigh Ride (Recorded at Spotify Studios NYC)
135 Stevie Wonder What Christmas Means To Me
137 Demi Lovato I'll Be Home For Christmas  (Recorded at Spotify Studios NYC)
139 Darlene Love Winter Wonderland
140 Little Mix Love Me Loke You (Christmas Mix)
141 Pentatonix Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
145 Michael Buble Santa Claus Is Coming To Town
147 Wolf Alice Santa Baby (Recorded at Strongroom Studios London)
150 Glee Cast We Need A Little Christmas
151 くるり 最後のメリークリスマス
153 May J. Let It Go ありのままで Christmas Gospel Ver.
155 Sabrina Carpenter Christmas the Whole Year Round
156 Michael Buble Christmas (Baby Please Come Home)
157 Glee Cast Santa Claus Is Coming to Town
158 Chemistry My Gift to You
159 Leona Lewis Winter Wonderland
160 The Ronettes I Saw Mommy Kissing Sant Claus
161 Natsu Summer Tropical Christmas
162 クレイジーケンバンド クリスマスなんて大嫌い!!なんちゃって
164 Mariah Carey Joy to the World
167 Boyz Ⅱ Men Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
168 Victor Willis A Very Merry Christmas to You
171 Glee Cast Santa Baby 
172 Mariah Carey Oh Santa!
174 Andy Williams It's the Most Wonderful Time of the Year
176 天才バンド Joy to the World!
177 Take 6  We Wish You A Merry Christmas / Carol Of The Bells
178 クボケンジ クリスマスタイム
179 Nissy (西島隆弘) GIFT
183 Darlene Love All Alone On Christmas
192 Jane's Party Last Train Home this Christmas
193 The Crystals Santa Claus Is Coming To Town
195 Take 6 Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
197 電気グルーヴ 東京クリスマス
198 Britney Spears My Only Wish
199 Darlene Love White Christmas
200 Rod Stewart Merry Christmas, Baby

 

 登場したのは93曲。わずかに過半数に届かず。とはいえ多いことには変わらず。27位のクリスマスイブRapなど、一部日本独自のアンセムも順位を伸ばしています。

 SpotifyApple Musicと比べて、邦楽の対応曲数が少ないため現在(12/28)トップ10には2位の打上花火のほか、6位にWherever You Are (2010年リリース・2016年CMに起用され注目)、7位にMy Boo (2016年リリース)、10位には愛をこめて花束を (2010年リリース)がエントリーするなど、日頃から独自に「過去曲を発掘」しているようです。

 現在では対応曲数の差は小さくなってきましたが、その後「愛唄」(2007年)や「ワタリドリ」(2015年)などがSpotifyの再生数トップ10入り(日本で)するなど、「J-Pop過去曲を発掘」という文化は続いているようです。

 クリスマス時も電気グルーヴくるり、クボケンジ、天才バンド、The HotpantzなどApple Musicでは入らなかった独自の面々を「発掘」しています。

 

・日本 Apple Music

1 Mariah Carey All I Want For Christmas Is You
3 山下達郎 クリスマス・イブ
4 Justin Bieber & Mariah Carey All I Want For Christmas Is You
7 BoA メリクリ
8 Ariana Grande Last Christmas
9 Sia Sant's Coming For Us
11 Paul McCartney Wonderful Christmastime
16 John Lennon Happy Xmas
19 Band Aid Do They Know It's Christmas? (1984)
20 Stevie Wonder Someday at Christmas
21 Bobby Helms Jingle Bell Rock
24 Jackson 5 I Saw Mommy Kissing Santa Claus
27 The Supremes Santa Claus Is Coming to Town
31 Justin Bieber Mistletoe
32 Dean Martin Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
38 Ronan Keating feat. Marire Brennan Fairytale of New York
40 Wham! Last Christmas
46 Status Quo It's Chirstmas Time
54 DREAMS COME TRUE WINTER SONG
59 EXILE Last Christmas
60 Elton John Step into Christmas
61 槇原敬之 雪に願いを
62 The Beach Boys Little Saint Nick
66 Jackson 5 Frosty the Snowman
67 Crazyboy feat. OMI First Class Xmas
69 Michael Jackson Little Christmas Tree
76 Ariana Grande Santa Tell Me
77 Justin Bieber 君とホワイト・キス(Mistltoe)
78 Rod Stewart Auld Lang Syne
81 Stevie Wonder One Little Christmas Tree
83 Kick the Can Crew クリスマス・イブRap
86 The Supremes My Favorite Things
87 木村カエラ A winter fairy is melting a snowman
88 STEADY&CO, Only Holy Story
89 Band Aid Do They Know It's Christmas? (1984)
90 BENI Fun Fun Christmas
93 稲垣潤一 クリスマスキャロルの頃には
94 Bing Crosby White Christmas
96 James Brown The Christmas Song
103 Bing Crosby Silent Night
107 Kelly Clarckson Underneath the Tree
109 Pentatonix Hallelujah
112 Crystal Kay 何度でも
115 ABBA Happy New Year
118 Michael Buble Santa Claus Is Coming to Town
121 Wham! Last Christmas
123 Sam Smith Have Yourself a Merry Little Christmas
124 Paul McCartney Wonderful Christmastime
125 Melanie Thornton Wonderful Dream
126 Coldplay Christmas Lights
138 Queen Thank God It's Christmas
143 Gwen Stefani feat. Blake Shelton You Make it Feel Like Christmas
145 Monkey Majik & 小田和正 A Christmas Song
152 RUN D,M,C, Christmas In Hollis
154 Leona Lewis Winter Wonderland
157 Chris Rea Driving Home for Christmas
161 Ariana Grande Santa Tell Me
162 Elton John Step into Christmas
172 ゴスペラーズ クリスマス・クワイ
174 Nissy (西島隆弘 まだ君は知らない My Prettiest Girl (Christmas Ver)
179 Chemistry My Gift to You
180 Shakin' Stevens Merry Christmas Everyone
191 カジヒデキ 99%のクリスマス
195 SCANDAL 恋人がサンタクロース

 

 ここでのエントリーは64曲。日本でも、クリスマス曲はSpotify > Apple Musicという結果に。特徴的だったのは、クリスマスのコンピレーションがアルバムランキングの首位に躍り出ていたこと。そこに入っている曲が基本的に強かった印象があります。

 

 クリスマス曲の中でも定番や、比較的知名度のあるアーティストが名を連ねていており、Spotifyのような「発掘力」はやや欠けていることが伺えます。

 

 これで、アメリカ・日本と共にクリスマス曲はSpotify のほうが人気、という結果が出ました。ほかイギリスでも調査したところ、Spotifyで160曲、Apple Musicで138曲となり再び同じ結果となりました。

 他の国でも調査してみようとも思ったのですが、Apple Musicのランキングは遡って閲覧することは不可能なので、今となってはもう調べようが無かったです。これは来年に向けての課題ですね。

 

 今回はクリスマス曲を事例に、ストリーミングとの関係性・サービスごとの違いを調査しました。その結果、クリスマス曲との相性はSpotify > Apple Musicということがわかりました。

 このようにストリーミングサービスごとの違いを調べ、何がヒットするのか?などを予測してみると新しい発見があると思います。今後も詳しく調べてみたい分野だと思っています。

 

*1:この人たち自体はアメリカのバンドですが

厳選?自分がリツイートした、アーティストなどのツイート集 2017

私は、自分でリツイートしたアーティストなどのツイートをただ眺めるのが好きなのですが、そのリツイートしたツイート集を作ってみました。

これを見れば、多少2017年を振り返ることができるかもしれません!

来年以降もアーティストたちのTwitterに注目していきたいです。

 

ビルボードからインタビューを受けました! 

 

EP出します! (今ヒットしているMeant to BeがあるのはPt. 2のほう)

 

Disclosureが活動休止…… 

 

 📷

 

2連続で驚きのコラボ 

 

今年の主役アルバムでした 

 

Yachty氏のデビュー作 ⛵

 

Chance the RapperがHot 100の1位を獲得します。 

 

PC Mucis界隈に参入したPhoebe Ryan氏 

 

Lil Yachty氏のお気に入りエモバンド 

 

この2人が一緒にいるとは!嬉しかったです!

 

Thank You For Being You ←これ好きです

 

Almost Doneから半年後にリリース 

 

ネキネキネキ 

 

見れて嬉しかったです! 

 

"Girls"のビデオを作るとしたら誰が出演する? 

 

3枚目が好きです 

 

今年の主役勢揃いのリミックス🎈 

 

プレイリストを始めたGrimes 

 

そのために絵を描きました! 

 

小説を書くことに興味を持ったLogic 

 

ロックスターらしく、ギターの破壊を行いたいPost Malone 

 

St.Vincent、みんな聞いてね! 

 

✌ 

 

今最も注目の夫婦!? 

 

2年連続のアルバム✌ 

 

hi bich. 

 

エルフ?

 

 

どの曲がPop2で好き? Lucky。 

 

メディアで多くの賞賛を得たRina SawayamaのEP、Rina! 

 

Charli XCXのお気に入りソング2017  

 

 

そして、最後に私がリツイートしたビルボードのツイートもまとめておきます。ビルボード本家によるチャート観察紀など、です。

 

パンドラがチャートに加わります 

 

33年ぶりに、女性がトップ10にいない……

※Gary TrustさんはHot 100のチーフです 

 

Congratulations、トップ10入り。年間チャート予想が当たって本当に嬉しかったです 

 

Boysにいるアーティストのリスト。 

 

カントリーとストリーミングは相性が悪い? 

 

Julia Michaelsが裏方から転じた理由 

 

ストリーミングの比率を変えます 

 

 日本の年間チャートです

 

 

Hot 100 2018・1/3 見どころ 【リミックスで浮上したラップ×3 + 新ルール適用? / クリスマス曲のピーク】

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チャートが新年になっています!ですが、集計対象はまだ年内のクリスマス前あたりです。もしかしたらストリーミングの集計の新ルールが今週から適応されているかもしれません?写真は今週QuavoとのIce Trayが今週Hot 100に登場したLil Yachty。

ちなみに彼はビーフ相手とのドッジボール対決が予定されています。

 

プレイリスト↓

 

 

82 Quavo & Lil Yachty – Ice Tray (New)

 ビデオのリリースやApple Musicでの人気によってHot 100に登場したQuavoとLil YachtyのIce Trayが82位で登場。先週アルバムチャートで5位だったQuality Control:Control the Streets Vol:1に収録の曲です。

 以前「Hot 100でのストリーミング集計の比率を変更する」というアナウンスがありましたが、このルールが適用され始める具体的な時期はこの記事では明記されず、ただ「2018年」とあったので、もしかしたら2018年 1/6付けの今週のチャートからかもしれません。仮にそうならば、Apple Musicで主に人気のこの曲は新ルールの恩恵を受けた第一号とも言えるかもしれません。

 ※ストリーミングの比率を有料ユーザー > 無料のユーザーとする新ルールです。Apple Musicは全員が有料ユーザーなので相対的に恩恵を受けると言えます。

 

79 BTS feat. Desiigner – MIC Drop (→)

チャート登場4週目で、79位のBTSのMIC Drop。ポップ系ラジオで好調で、1週目以来の「上昇印」がつきました。「上昇印」は、順位の横についている◎のことで、ポイントが総合的に上がっている曲についています。仮に順位が落ちているか、横ばいだったとしても◎が付いていればその曲には伸びシロがあると言えます。このMIC Dropも順位は先週と同じながらも◎が付いているので、来週以降の上昇が期待できそうです。USでどこまで浸透するかに注目です。

 

76 Taylor Swift – Look What You Made Me Do (↓)

18週目の今週、70位 → 76位と推移したTaylor SwiftのLook What You Made Me Do。クリスマス曲の追加で激戦区だったここ数週を切り抜け、チャートに残りました。チャートに20週残ることすら怪しいくらいの急落を見せていましたが、なんとかそれは避けられそうです。とはいえ1位獲得曲とは思えないくらいの成績を残したのは事実で、完全な尻すぼみとなってしまいました。(比較)

 また...Ready For It?も37位→59位と今週急落しています。残るは今週49位→42位のEnd Gameですが、こちらはどうなるか……

 

68 Tay-K (feat. 21 Savage & Young Nudy) – The Race (Re)

 デビューアルバムのリリースによる再注目と、21 SavageとYoung Nudyのリミックスのリリースによって68位でHot 100に再登場しています。アルバムチャートでは残念ながら200位圏外でした。

 

67 Addison Agen – Tennessee Rain (New)

The Voice出場者の曲が複数、Hot 100に。84位にRed MarlowのI Pray、69位にChloe KohanskiのWish I Didn’t Love You、67位にAddison AgenのTennessee Rainが。それぞれダウンロードでは3位、5位、7位と高い数字を記録しているのですが、ストリーミングに開放されておらず、他の水準でポイントが0となってしまい、総合的にヒットを見るHot 100では順位が低めになっています。

 出場者の音源をまとめた曲集も出ており、Chloe Kohanskiはアルバム64位、Addison Agenは76位、となっています。

 

49 Jose Feliciano – Feliz Navidad (Re)

  今週の集計が、ダウンロードとストリーミングは12/15-12/21、ラジオは12/19-12/25なので、おそらくクリスマス曲のピークになると思われます。(ビルボードも記事でそう述べています)

 今週はBobby HelmsのJingle Bell Rockが50位、Jose FelicianoのFeliz Navidadが49位で再登場し、今週のクリスマス曲は計8曲に。

昨年はこの8曲に加え、2016年リリースのPentatonix Christmasからの2曲(HallelujahとMary, Did You Know)もHot 100入りしていたので、計10曲のクリスマス曲がHot 100に入っていました。

(昨年のクリスマスのHot 100)


 

 

32 Andy Williams – It’s The Most Wonderful Time Of the Year (↑)

 先週、Mariah CareyのAll I Want For Christmasがリリースから23年でトップ10入りし、驚きを提供しましたが(今週も9位)、他にも上昇した曲が何曲かあります。Burl IvesのA Holly Jolly Christmasが38位、Nat King ColeのThe Christmas Songが37位、Andy WilliamsのIt’s The Most Wonderful Time Of The Yearが32位でそれぞれのピークを更新しました。今週Hot 100に入った曲のうち半数がピークを今年更新しました。

先週までの勢いと比べると、意外と今週伸びなかった印象もあるので、もしかしたら主にSpotifyで人気のクリスマス曲も、上記の「新ルール」の煽りを受けた可能性があります。

Spotifyの無料ユーザーは比率が下がる対象となっています。

 

26 A$AP Ferg (feat. Nicki Minaj) – Plain Jane (↑)

 A$AP FergのPlain Janeが26位に上昇。キャリア初のトップ40を記録しています。原曲のほうが人気と判断され、ビルボードには表記されていませんがNicki Minajのリミックス版追加が追い風となりました。

 Apple Music・Spotifyのいずれも原曲>リミックスとなっていますが、リミックスの方もある程度人気(Appleで53位、Spotifyで104位)のため、上手いこと原曲とリミックスを両立出来れば、ポイントがダブルで入るようになるため来週以降の上昇が期待できるかもしれません。

 

11 Eminem feat. Ed Sheeran – River (New)

 今週アルバムチャートで首位に立ったEminem。史上初の8作連続でアルバム1位「登場」という記録を達成。(デビュー作のSlim Shady LPのみアルバム2位) あくまで1位で「登場」なので、ビートルズも同様8作連続でアルバム1位を獲得はしています。(ただし最初の週での1位ではないので、1位で「登場」とは言えないという意味です)

 


 

 そのアルバムの中の目玉シングル、Ed SheeranとのRiverはHot 100の11位で登場。ダウンロード2位・ストリーミング15位のほか、ポップ系ラジオでいきなり32位など快調なスタートを切っています。ラジオでの好調を生かして、長く上位をキープしそうです。

 またアルバムからはWalk On Waterが87位で再登場、Believeが92位で再登場と、3曲がHot 100に入りました。101以下相当*1の曲を扱うBubbling Underでは104位にAlicia KeysとのLike Home、X AmbassadorsとのBad Husbandが115位、Skylar GreyとのTragic Endingsが117位、そしてRemind Meが121位で登場しています。

リリース日には、ダウンロードとストリーミングの両方で優秀な数字を叩き出していましたが、クリスマス曲の勢いに負けたのか、週の後半にストリーミングの数字が落ちてしまい、思ったほどHot 100に曲が登場しませんでした。ヒップホップが人気のApple Musicでもそこまでストリーミングされなかったのもマイナスでしたかね……

 ※このアルバムは「ヒップホップ」のアルバムよりは「ポップ」アルバムという要素が強いのかもしれません。Riverはポップ系ラジオに登場しましたが、R&B/Hip-Hopラジオチャートには登場していません。

 アメリカではアルバム1位は獲得しましたが、シングルでは他国と比べるとエントリーが不調という印象があります。チャートの集計方法が同じの隣国・カナダではアルバムから12曲が100位圏内に入っています。また非英語圏の中で市場規模が大きいドイツのチャートでも10曲が100位圏内に入っています。(ただしアルバムチャートでは2位)イギリスでは「同一アーティストの曲は3曲まで」というルールがあるため、アメリカと同じ3曲が100位圏内に入っています。(ただしストリーミングの数字を鑑みるに、14曲前後は100位相当のポイントを得ていると思われます) ※イギリスではアルバム2位。イギリスとドイツはラジオ抜きの、ダウンロード+ストリーミングという集計なため、アメリカよりもストリーミングで人気の曲が入りやすいチャート設計になっています。

 

 

5 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B – No Limit (↑)

 Eminemにぶつける*2形でアルバムを同週にリリースしたG-Eazy。惜しくもそのEminemには敗れ、さらにTaylor SwiftのReputation(6週目)よりも下のアルバムチャート3位を今週記録しました。(セカンドアルバムと並んで自己最高タイの成績)

 アルバムからは2曲がHot 100に入っていて、No Limitが10位→5位、Him&Iが26位→15位といずれも今週順位を上げています。No Limitは、ビデオとFrench Montana、Juicy J、Bellyとのリミックスのリリースの効果もあると思います。

 ※この曲はThree 6 MafiaのSlob On My Knobという曲を参照にしていますが、Juicy JはそのThree 6 Mafiaのメンバーであるので、このリミックスは「本家登場」のような意味合いがあります。

 

× Thomas Rhett – Unforgettable (↓)

 今年自身初のアルバム1位を獲得したThomas Rhett。そのアルバム表題曲、Unforgettableが今週チャートから外れました。長いこと中位に留まりピーク47位・滞在20週という成績でした。カントリー系ラジオでは1位を獲得しましたが、他のラジオ系統には広がりませんでした。次シングルMarry Meは12/17にリリースされたビデオの効果もあり、今週92位→63位と急上昇しています。

 

× Shawn Mendes – Therer’s Nothing Holdin’ Me Back (↓)

 Shawn MendesのThere’s Nothing Holdin’ Me Backが今週チャートから外れました。ピーク6位・チャート滞在34週となかなかの成績でした。これで今週Hot 100にShawn Mendesの曲は0になりました。

Stitchesが52週、Treat You Betterが39週と彼の曲はロングヒットの傾向があるようです。Stitchesがチャートから外れた2週間後にTreat You Betterがチャートに登場するなど、前は矢継ぎ早にシングルが出ていたようなのですが、次シングル or 次シングルカットはいつ行われるでしょうか。

※アルバムIlluminateの追加曲だったこの曲ですが、追加曲なのになぜかアルバムの最初の曲として追加されていたのが少し不思議でした。(追加曲はだいたいアルバムの最後に配されているので……)

 

× Kendrick Lamar – HUMBLE. (↓)

 ヒット・評価面の両方で今年を代表するシングル、HUMBLE.が今週チャートから外れました。ピークは1位、チャート滞在37週でした。アルバムDAMN.がリリースされた時はSpotifyで約400万再生(アメリカのみ・Spotifyで1日の最大記録)を記録するなど、ストリーミングでの爆発力でHot 100の1位を獲得したことが印象的でした。チャートから外れた今週もストリーミングチャートの43位に入っています。

 ただ一方ラジオはやや振るわず、Hot 100で1位を獲得した曲としてはやや低めのラジオ10位。これは今年Hot 100で1位を獲得した曲の中では、Bad and Boujeeの13位に次いで、2番目に低いラジオ成績です。(Bodak Yellowもラジオ10位)なぜ、ラップ曲がラジオで不利かというと、ポップ系のラジオの規模>>ヒップホップ系のラジオの規模であることと、ポップ系とラジオの相性が悪い傾向にあるからです。HUMBLE.はポップ系ラジオでは26位までしか到達しませんでした。USのポップ系リスナーと思わしき、日本の某氏が「軽い!」と憤っていたのが印象的でした。(「軽い!」という感想を他のリスナーも抱くかは分かりませんが、ポップ系のラジオのリスナーとHUMBLE.の相性が悪いのは事実だと思います)

 これでHot 100に残ったDAMN.からのシングルはLOVE.のみに。今週22位なのですが、ラジオでかなり好調で、今週の数字が奇しくもHUMBLE.のピークの数字と一致(今週ラジオ10位、ポップ系ラジオで26位)、この調子でHUMBLE.・DNA.に次ぐトップ10になるのか?注目です。

 

 ※HUMBLE.は2017年・アメリカのSpotifyで最も再生された曲となりました。ほかSpotifyの年間ランキングにはDNA.が15位、LOVE.が34位、LOYALTYが46位、ELEMENTが68位に入っています。

 世界合算の今年のSpotifyランキングではHUMBLE.は6位でした。日本のSpotifyランキングでも意外と?49位に入っています。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You

今週最もダウンロードが上昇した曲 Ed Sheeran Duet With Beyoncé – Perfect

今週最もストリーミングが伸びた曲 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B – No Limit

最も高い順位で新登場した曲          Eminem feat. Ed Sheeran - River

 

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Calvin Harris feat. Kehlani & Lil Yachty (🗻94位 /⏰4週)

98 XXXTentacion – Jocelyn Flores (🗻31位 /⏰16週)

90 21 Savage, Offset & Metro Boomin feat. Travis Scott – Ghostface Killer (🗻35位 /⏰7週)

86 Eminem – Untouchable (🗻86位 /⏰1週)

82 Migos & Marshmello – Danger (🗻82位 /⏰1週)

80 Big Sean & Metro Boomin feat. 21 Savage – Pull Up N Wreck (🗻80位 /⏰2週)

71 Thomas Rhett – Unforgettable (🗻47位 /20週)

68 Luke Combs – When It Rains It Pours (🗻33位 /20週)

67 Big Sean & Metro Boomin feat. Travis Scott – Go Legend (🗻67位 /⏰1週)

48 Shawn Mendes – There’s Nothing Holdin’ Me Back (🗻6位 /34週)

47 Kendrick Lamar – HUMBLE. (🗻1位 /37週)

 

 

来週以降にHot 100に入るポテンシャルを持った曲をピックアップしました

 

Travis Scott & Quavo feat. Takeoff – Eye 2 Eye

Travis Scott & Quavo – Modern Slavery

Travis Scott & Quavo – Black & Chinese

Travis Scott & Quavo – Huncho Jack

Travis Scott & Quavo – Motorcycle Patches

Travis Scott & Quavo feat. Offset- Dubai S**t

Travis Scott & Quavo – Saint

 

Travis ScottとQuavoのジョイントアルバムのうち現在、これらの曲がApple Musicのトップ10に入っているようです。来週Hot 100に大量登場の予感がしますが、どこまで登場するか!?ほかCardi Bの新曲・Migos名義での新曲など来週はラップがHot 100に多く登場しそうです。

 

WALK THE MOON – One Foot

Sofi Tukker feat. NERVO, The Knocks & Alisa Ueno – Best Friend

 

来週はクリスマスムードが終了し、クリスマス曲が大量にHot 100から外れる見込みなので、その枠に入る形での新エントリーが多い予感がします。ラジオでじわじわポイントが上昇している曲は来週のエントリーが期待できそうです。日本人史上9曲目(8人目)*3のHot 100はそろそろか!

 

 

 

*1:1回Hot 100に入ると、このチャートには入らなくなる

*2:意図的なのか、偶然なのかは不明

*3:坂本九が2曲エントリーしたため

Hot 100(USシングル)・2017年間チャートを10のポイントで振り返る

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こんばんは。今回はHot 100の年間チャートを振り返り、年間チャートから分かることを10のポイントに分けて書いていこうと思います。

詳しい順位はこちら↓ または表を参照にしてください。

 

(付録) 年間チャート順位表 

1 Ed Sheeran "Shape of You"
2 Luis Fonsi and Daddy Yankee feat. Justin Bieber "Despacito"
3 Bruno Mars "That's What I Like"
4 Kendrick Lamar "Humble"
5 The Chainsmokers and Coldplay "Something Just Like This"
6 Migos feat. Lil Uzi Vert "Bad and Boujee"
7 The Chainsmokers feat. Halsey "Closer"
8 Sam Hunt "Body Like a Back Road"
9 Imagine Dragons "Believer"
10 Post Malone feat. Quavo "Congratulations"
11 James Arthur "Say You Won't Let Go"
12 DJ Khaled feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper and Lil Wayne "I'm the One"
13 Lil Uzi Vert "XO Tour Llif3"
14 Future "Mask Off"
15 French Montana feat. Swae Lee "Unforgettable"
16 Bruno Mars "24K Magic"
17 Zedd and Alessia Cara "Stay"
18 DJ Khaled feat. Rihanna and Bryson Tiller "Wild Thoughts"
19 Rae Sremmurd feat. Gucci Mane "Black Beatles"
20 The Weeknd feat. Daft Punk "Starboy"
21 Khalid "Location"
22 Charlie Puth "Attention"
23 Shawn Mendes "There's Nothing Holdin' Me Back"
24 Cardi B "Bodak Yellow (Money Moves)"
25 Childish Gambino "Redbone"
26 Zayn and Taylor Swift "I Don't Wanna Live Forever"
27 Kygo and Selena Gomez "It Ain't Me"
28 Kyle feat. Lil Yachty "iSpy"
29 Julia Michaels "Issues"
30 Alessia Cara "Scars to Your Beautiful"
31 Logic feat. Alessia Cara and Khalid "1-800-273-8255"
32 Niall Horan "Slow Hands"
33 Rihanna "Love on the Brain"
34 The Weeknd feat. Daft Punk "I Feel It Coming"
35 Big Sean "Bounce Back"
36 Liam Payne feat. Quavo "Strip That Down"
37 Drake "Fake Love"
38 Maroon 5 feat. Kendrick Lamar "Don't Wanna Know"
39 Taylor Swift "Look What You Made Me Do"
40 Ed Sheeran "Castle on the Hill"
41 Machine Gun Kelly and Camila Cabello "Bad Things"
42 The Chainsmokers "Paris"
43 Ariana Grande feat. Nicki Minaj "Side to Side"
44 Clean Bandit feat. Sean Paul and Anne-Marie "Rockabye"
45 Portugal. The Man "Feel It Still"
46 DJ Snake feat. Justin Bieber "Let Me Love You"
47 Demi Lovato "Sorry Not Sorry"
48 21 Savage "Bank Account"
49 Justin Timberlake "Can't Stop the Feeling!"
50 J Balvin and Willy William feat. Beyoncé "Mi Gente"
51 Imagine Dragons "Thunder"
52 Migos "T-Shirt"
53 Yo Gotti feat. Nicki Minaj "Rake It Up"
54 Shawn Mendes "Mercy"
55 Kodak Black "Tunnel Vision"
56 Post Malone feat. 21 Savage "Rockstar"
57 Brett Young "In Case You Didn't Know"
58 Twenty One Pilots "Heathens"
59 Halsey "Now or Never"
60 Aminé "Caroline"
61 Ayo & Teo "Rolex"
62 Kendrick Lamar "DNA"
63 Zay Hilfigerrr & Zayion McCall "Juju on That Beat (TZ Anthem)"
64 Rae Sremmurd "Swang"
65 Drake "Passionfruit"
66 Kendrick Lamar feat. Rihanna "Loyalty"
67 Kesha "Praying"
68 Travis Scott feat. Kendrick Lamar "Goosebumps"
69 Maroon 5 feat. Future "Cold"
70 DRAM feat. Lil Yachty "Broccoli"
71 Calvin Harris feat. Frank Ocean and Migos "Slide"
72 Kane Brown feat. Lauren Alaina "What Ifs"
73 Katy Perry feat. Skip Marley "Chained to the Rhythm"
74 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry and Big Sean "Feels"
75 Jon Bellion "All Time Low"
76 Luke Combs "Hurricane"
77 Sam Smith "Too Good at Goodbyes"
78 Khalid "Young Dumb & Broke"
79 Playboi Carti "Magnolia"
80 SZA feat. Travis Scott "Love Galore"
81 A Boogie wit da Hoodie feat. Kodak Black "Drowning"
82 Hailee Steinfeld and Grey feat. Zedd "Starving"
83 Gucci Mane feat. Drake "Both"
84 Pink "What About Us"
85 Jason Derulo feat. Nicki Minaj and Ty Dolla Sign "Swalla"
86 Migos feat. Gucci Mane "Slippery"
87 Harry Styles "Sign of the Times"
88 Adele "Water Under the Bridge"
89 Miley Cyrus "Malibu"
90 Marian Hill "Down"
91 Cheat Codes feat. Demi Lovato "No Promises"
92 Shawn Mendes "Treat You Better"
93 Gucci Mane feat. Migos "I Get the Bag"
94 Dustin Lynch "Small Town Boy"
95 YFN Lucci feat. PnB Rock "Everyday We Lit"
96 Camila Cabello feat. Young Thug "Havana"
97 Maroon 5 feat. SZA "What Lovers Do"
98 Blackbear "Do Re Mi"
99 XXXTentacion "Look at Me!"
100 Keith Urban feat. Carrie Underwood "The Fighter"

 

シングルのHot 100以外の順位も確認したい方はこちら。

 

Charts - Year End | Billboard

 

そして、昨年版はこちら


 

トップに上がっているのはこの8つのチャートですが、下にあるOverallをクリックするとジャンル別のチャートも見ることが出来ます。

カントリーは「アーティスト」・ロックは「アルバム」・ヒップホップは「シングル」と見出しにしているものがそれぞれ違いますが、これはジャンル別のリスナーが何を好んでいるか?を反映させたような物な気もしますが。そうだとしたらよく考えられていますね……私の推測に過ぎませんが……

 

① 二年連続で年間1位を創出する

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(↑ Ed Sheeran)

 

Shape of Youは2017年の序盤にリリースされ、初登場1位を記録。同時リリースだったCastle on the Hillも6位で登場し、「複数曲を最初の週からトップ10で登場させる」という史上初の記録を達成(のちにDrakeも達成)。そこからBad and Boujeeと首位争いをしながら、計12週の間1位に滞在。時期も、ピークの高さも抜群で今年前半の時点で「年間1位当確」とも言えました。2017年の後半はDespacitoが史上最長記録に並ぶ16週の1位を記録するなどし猛追してきましたが、Shape of Youはラジオを中心に粘りを見せ、年間1位の座をキープしました。ちなみに直近のHot 100ではDespacitoよりも上の順位にいます。

この年間1位で何が起きるのかというと、2年連続でのシングル年間1位!昨年の年間1位はJustin BeiberのLove Yourselfだったのですが、この曲はEd Sheeranがソングライトしており、2年連続で年間1位シングルを創出しているということになります。ソングライター / シンガーの両役割でアメリカ屈指の人気者にのし上がったと言えそうです。(彼がソングライトしたStrip That Downも年間36位に入っています)

また、2015年にも年間2位のThinking Out Loud、さらには来年の年間チャートには自身のPerfect(年間トップ10に入りそう、しかし時期が早すぎて年間1位は厳しいか?)、または彼が客演を務めるTaylor SwiftのEnd Game(時期だけは完璧、あとは伸び次第)などの有力候補が。彼のメインストリームでの大活躍が止まりません。

 

② 初の年間チャートで一気に大活躍! メンバーが年間チャートに最多 (8曲)

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(↑ Migos)

 

昨年終盤からBad and Boujeeがヒット。今年に入ってからは遂に1位も獲得したMigos。今年最も名前を見たアーティストなのではないでしょうか。昨年まで年間チャートに登場したことはなかった彼らですが、なんとメンバーのQuavoは今年8曲も年間チャートに!彼ら自身のBad and Boujee、T-Shirt、Slipperyほか客演でCalvin HarrisのSlide、Gucci ManeのI Get the Bagが年間チャートに。さらにMigos名義だけでなくソロ名義でも活躍し、Post MaloneのCongratulations、DJ KhaledのI’m the One、Liam PayneのStrip That Downも年間チャートに!(全て客演)今年のMVPの活躍を見せています!

他のメンバーも活躍。Offsetは4曲が年間チャートに。*1、その他2017年後半はソロ客演で多く登場しました。Takeoffは3曲が年間チャートに*2、ほかのメンバーと比べるとまだソロ客演が少ないですがI Get the Bag、T-Shirtなどでは大活躍。来年以降の活躍に期待したいです。

そして、実は今年活躍したのは彼らだけではないです。彼らと関連のアーティストの躍進も目立ちました。まずはBad and Boujeeで客演を務めたLil Uzi Vert。昨年からMoney LongerがHot 100でヒットの基準とされるトップ40手前まで行くなど、期待を受けていた彼ですが、この曲以降さらなる活躍を見せます。まずはXO TOUR Llif3がストリーミングで大ヒット。Hot 100で7位まで到達。その後リリースしたアルバムはアルバムチャート1位を獲得しただけではなく、ストリーミング量の多さからアルバムから一挙に11曲もがHot 100に登場。そんな活躍ぶりから、グラミーの新人王候補に選ばれたほか、Complex・Geniusが「ベストソングリスト」で1位に選出するなどXO TOUR Llif3が各媒体で高く評価されました。

そしてCardi B。MigosのメンバーOffsetと婚約を発表した彼女ですが、今年後半は大活躍でした。Bodak Yellowがストリーミングやヒップホップ系ラジオで大きな話題に。破竹の勢いでHot 100を上昇し、最終的にはTaylor SwiftのLook What You Made Me Doを蹴落としHot 100の1位を獲得しました!女性ラッパーがHot 100で1位を獲得するのは珍しく、客演・ポップスなどを除くとローリン・ヒル以来2人目の、1位を獲得した女性ラッパーという見方も。あのNicki Minajですら未だにHot 100で1位を取れていないと考えると、相当な快挙と言えます。

Taylor Swiftを1位から蹴落としたのは衝撃的だったのか、大手音楽批評メディアPitchforkはBodak Yellowを2017年のベストソングリストで1位とし”Cardi B is not just a rapper; she’s everything we needed, just when we needed it”と評しています。その後はG-Eazy, A$AP RockyとのNo Limit、Migos、Nicki MinajとのMotorSportと2連続でHot 100のトップ10入り勢いは止まりません。

彼ら自身の活躍に加え、関連アーティストの躍進もあり、Migosは今年の音楽界の中心にいたといえます。

最後に誰が年間チャートに多く登場したか?の表です。

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③ 女性メインの曲が24位まで出てこない?

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(↑ Cardi B)

 

 今年の4月「33年ぶりに女性がHot 100のトップ10に不在」 というニュースが報じられました。また、6月にHalseyがアルバム1位を獲得するまで女性シンガーでアルバム1位を獲得したアーティストが出ないなど(年初にアルバム1位を獲得したPentatonixに女性メンバーはいますが)、特に今年の前半は「女性シンガーの不振」のようなテーマが多く報じられました。

 年の後半になるとTaylor Swiftの新曲リリース、Cardi BやCamila Cabelloの躍進でその印象は薄れたものの、年間チャートでは女性が不振でした。年間トップ10に女性はCloserの客演を務めたHalseyのみ。つまり、女性シンガー(orグループ)自身の曲は年間チャートに1曲も入らなかったということです。その次に来るのは17位のZedd & Alessia CaraのStay。名義上は客演では無いですが、DJ/プロデューサー + シンガーという組み合わせはシンガー側が客演に近いものがあり、ある意味で「女性自身の曲の最高位」と言えるのは24位の上記Cardi BのBodak Yellowでしょうか。

 客演の曲を除いた、「女性の曲」の最高位が年間17位というのは歴代で見てもかなり低い水準で、1958年以来59年ぶりの低さです。(その1958年は26位まで女性が登場せず) もちろん大物のリリースが少なかった、Bodak YellowやHavanaのリリース時期が年間チャートの集計上では不利だったなどの理由はありますが、今年は女性シンガーの特大ヒットが少なかったということは言えそうです。

 

④ Hip-Hop / R&B の多さ

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(↑ Kendrick Lamar)

 

以下の表はここ5年の各ジャンル別、年間チャートに入った曲数です。

 

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ジャンル分けはビルボード準拠です。一部複数ジャンルを兼ねている曲や、どのジャンルにも分けられていない曲(=大まかにいえばポップス)もあります。*3

この表から分かるように、ここ数年でR&B / Hip-Hopが大きく伸びています。2013年には25曲・2014年は28曲と推移していますが、ストリーミングの規模の拡大と共に2015年は32曲、37曲と増加。さらに今年は46曲まで増加!勢いが止まりません。

 2012年の途中まではHot 100の集計がラジオ+ダウンロードのみでした。R&B / Hip-Hop系のラジオ局はポップ系のラジオよりも規模が小さいため、R&B / Hip-Hop系の曲がポップス曲に打ち勝つには、ポップ系のラジオでもかかるようになるか、ダウンロードで差をつけるかしか無かったのです。しかし、ストリーミングというジャンル別の格差も無い基準の登場で、Hot 100のジャンル別の格差も解消されていきました。その結果、R&B / Hip-Hopリスナーの熱意が反映されるようになり、年間チャートでの台頭に繋がりました。

 また、このR&B / Hip-Hopの台頭に伴い他ジャンルのアーティストがR&B / Hip-Hopに寄ってきているのもこのジャンル台頭に寄与しています。例えばCalvin HarrisのSlide、FeelsはいずれもR&B / Hip-Hopにジャンル分けされ、年間チャートにも入っています。

 今年は46曲でしたが、この勢いが続けば来年以降にR&B / Hip-Hop曲が過半数を占めるようなこともあるのでしょうか!

 

 

⑤ ロック曲は何曲?

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(↑ Imagine Dragons)

 

 R&B / Hip-Hop系の台頭の一方、今年規模が縮小したのはロック曲。2013年は17曲と多め。その後11曲、8曲、9曲と堅実に推移してきましたが、今年は4曲まで減少(Twenty One PilotsのHeathens、Portugal. The ManのFeel It Still、Imagine DragonsのThunderとBeliever) この4曲は全てHot 100で週間トップ10入りし、さらにBelieverは年間9位まで入るなど、上位はヒットしているのですが、層は薄いです。

 R&B / Hip-Hopと同様、ロック系ラジオもポップ系ラジオと比べると規模が小さいので、ヒットするにはポップ系ラジオに入る、ダウンロードを増やす、また2012年の途中からはストリーミングで補う、のいずれが必要なのですが、ストリーミングとロックの噛み合わせは悪い傾向にあり、ロック曲はストリーミングからのポイントがあまり望めません。

 そこで、今年進んだのはロック曲のポップ化。上記4曲のうちFeel It Still*4、Thunderはポップ系ラジオで1位に到達。Heathensも同2位、Believerも同3位とこの系統の躍進が目立ちます。ポップ系ラジオではR&B / Hip-Hop系よりもロックの方が人気な傾向があります。年間チャートに入れなかったロック曲も、Linkin ParkのHeavy(ロック曲の中で今年5位)はポップ系局での人気 > ロック系局での人気となり、同6位のTwenty One PilotsのRideもポップ系ラジオで1位を獲得しています。

ThunderやFeel It StillはSpotify世界のトップ10入り、またTwenty One PilotsのRideやStressed Out(これは昨年のヒットですが)はSpotifyのランキングに計500日以上入るなど(ロック曲としては珍しい)、ポップに進み、「軽量化」したロック曲は従来のロック曲よりもストリーミングへの苦手意識を克服して来ています。

ロックーポップのバランスを上手く取り、ストリーミングでも人気に火がつく。今ヒット面でロックが成功するにはそれが求められているように思います。

 

⑥ グループ → ソロ

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(↑ Liam Payne & Niall Horan)

 

 MigosのQuavoがグループ・ソロの両方で活躍していると②で述べましたが、今年は元々グループで活躍した(している)、ソロシンガーの活躍が見られました。

 2016年はこの条件に当てはまる、Justin TimberlakeBeyonce・Camila Cabello、Nick Jonas、Zaynの5名が1曲ずつ年間チャートに入りましたが、今年は計12曲に増えました。

Quavo(Migos)が3曲、Camila Cabello(元Fifth Harmony)が2曲、Zayn(元One Direction)が1曲、Harry Styles・Liam Payne・Niall Horan(元?One Direction)が1曲ずつ、Swae Lee(Rae Sremmurd)が1曲、Beyoncé (元Destiny’s Chlid)・Justin Timberlake(元’Nsyncが)1曲です。

One Direction勢がソロになっても軒並み人気になったことが大きいですね。同じく今年年間チャートに入っている、BeyoncéやJustin Timberlakeのような息の長い存在になれると良いですね。また、QuavoやSwae Leeのようなラップグループメンバーの客演での「バラ売り」も今後増加するのでしょうか。来年増えそうなのはMigosのOffsetでしょうか。

またJustin Timberlake、Beyoncéの二人は今年年間チャートに入った中で一番の古株です。(両者とも年間チャートに最初に入ったのが1998年で、それが今年年間チャートに入った人の中で一番早い。当時はいずれもグループ名義。次点は2002年の年間チャートに入ったPharrellP!nkSean Paul

 

⑦ ラップの発展とともにプロデューサーにも注目!

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(↑ Metro Boomin)

 

 多くエントリーしていたラップ曲の中で、一際輝いていたプロデューサーがMetro Boomin。Bad and Boujee、Congratulations、Mask Off、Bounce Back、Bank Account、Tunnel Vision、Both、I Get the Bagと最多8曲を年間チャートに送り込んでいます。個人的にはグラミーの「ベスト・プロデューサー部門」の最有力と思っていたのですが、惜しくもノミネートならず。

 彼に続くのはBenny Blanco(Issuesなど)、Steve Mac(Shape of Youなど)、Mike Will Made-It(HUMBLE.など)の4曲、その次はThe Chainsmokers (セルフ)、Frank Dukes (Congratulationsなど)、Max Martin (Side to Side など)、Teddy Geiger (Shawn Mendes担当)、Southside (Tunnel Visionなど) の3曲です。このうちMike Will Made-It、Frank Dukes、Southsideもラップ系のプロデューサーです。

 ラップ曲のプロデューサーは曲の最初に名乗る (例えばMetro BoominならばIf Young Metro Don’t Trust You…)ので、それを目印に、ラップ曲を聴く時はプロデューサーに注目するとより深く観察できると思います。また、Metro Boominが21 Savage・Offsetと共にアルバムを出したように、プロデューサーの名義でアルバムや曲を出すケースもあるので、そちらの活動も興味深いです。

 

⑧ 安定低空飛行の末、年間チャートで好成績?理由は? (チャートマニア向け)

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(↑ Sam Hunt)

 

年間チャートの8位のBody Like A Back Road、年間チャート10位のCongratulations。これらはいずれ「低空飛行」の曲で、それぞれ週のピークは6位・8位と低め。週のピークは低めながらも上位で粘った期間が長く、年間チャートでは高い順位になりました。今年の年間チャートのトップ10に入った曲の週のピークの平均は2.7位。これは歴代で2番めに低い数字です。(2003年の平均2.8位がトップ、1961年とタイ)

Gucci ManeのBothはHot 100でヒットの基準とされているトップ40に入らずに年間チャート入りしました。

このように低空飛行系の曲が増えている一因は、ストリーミングにあると私は思います。上で書いたように、ロック曲がストリーミングを苦手とし、ラップのヒットはラジオが伸びない傾向にあります。このようにジャンルによって取れるポイントの苦手・得意が分かれてきているのです。このような状況で、ラジオ・ダウンロード・ストリーミングの全部でポイントを満遍なく取れる曲が現れると、無双できるのです。これに当てはまるのはShape of YouとDespacitoです。これらはポップ系の曲で、ラジオでもしっかりと1位を獲得する一方でストリーミングでもばっちりとポイントを稼いだので、それぞれ12週・16週と長く1位に滞在したのです。このように無双している曲が「届かない天井」になるので、週間ピークが伸びづらいヒット曲が出てくるのです。

また、近年ストリーミングの隆盛で、リリース後にアルバムのシングルではない曲がHot 100で高い順位で登場することが増えました。しかし、シングルでは無いのでラジオではほぼかからず、その後Hot 100での順位は急落してしまいます。ラジオという宣伝媒体にかからないと、ダウンロードの増も望めず、ほぼストリーミングのみで順位をキープする必要があるのです。Drake・Travis Scott・QuavoのPortlandがこれに当てはまります。DrakeのプレイリストMore Lifeの2番人気曲として、最初の週はHot 100の9位で登場しました。しかし、1番人気のPassionfruitとかち合う形でラジオではそこまでかからず、ほぼストリーミングのポイントのみでHot 100に残ることに。ヒット曲はHot 100のルール上(21週目以降に51位以下に落ちた曲をチャートから外すというルール)、ヒット曲はだいたい20週はチャートに滞在するのですが、このPortlandは後に順位をズルズル落としてしまい、最終的には16週のチャート滞在に。そして週のピークが9位ながらも年間チャートに入ることが叶いませんでした。このようなポテンシャルのある非シングル曲をどう扱うかは、ちょっとした論点かもしれません。

このような、総合的に見ると年間チャートでポイントが高くないが、瞬間的に週間チャートで順位の高いアルバムの「非シングル」曲が増え、相対的にピークが伸びない曲が増えたともいえます。逆にストリーミングでのロングヒットがHot 100での粘りにつながるケースもあります(Congratulations)。他にもラジオは「順番に」曲がヒットしていきますが、一方ストリーミングはリリース時からゲリラ的順番に曲がヒットするので、リリースのタイミングの運に左右されてしまう、という要素もあります。

 

⑨ 不屈!客演でラッパー13年連続チャートに

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(↑ Lil Wayne)

 

この表は、「?年連続で年間チャートに入り続けている人リスト」です。※客演含む

 

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 トップは13年連続のRihanna とLil Wayne。これは実は歴代最長の記録でもあります。(以前は12年連続のMariah Carey (1990-2001)が最長。ただしRihanna、Lil Wayneは客演で繋いでいる年もあるのに対し、Mariah Careyは全て自身の曲での年間チャート入り)。特に「不屈」という印象があるのはLil Wayne。自身のアルバムは2013年から、自身のシングルは2014年から無いながらも、他人との共作や客演では出番は依然多め。今年はDJ KhaledらとのI’m the Oneで記録をつないでいます。No Problemに続くChance the Rapperとの共演はLil Wayneが「元祖ミックステープ王」として、今の世代にも人気があるのか!とも個人的に感じました。最近もCodeine DreamingでKodak Blackと共演し、ストリーミングで好調です。(年間チャートに届くかは分かりませんが)

 逮捕や危篤状態などの様々な苦境を乗り越えてきたLil Wayne。どこまでこの記録を伸ばすか楽しみです。以下が?年連続で年間チャートに入り続けている人リストです。

 

13年連続 Rihanna、Lil Wayne

11年連続 Taylor Swift

9年連続 Drake

8年連続 Nicki Minaj

7年連続 Calvin Harris

6年連続 Niall Horan、Liam Payne、Harry Styles (グループ時代含む)

5年連続 Ariana Grande

4年連続 DJ Snake、Beyoncé

3年連続 Alessia Cara、Charlie Puth、Selena Gomez、The Weeknd、Shawn Mendes、Justin Bieber、Camila Cabello (グループ時代含む)

 

⑩ 年間チャートにグラミー新人王候補が?

f:id:djk2:20171228011935j:plain(↑ SZA)

 

昨年の年間チャートには、グラミー新人賞候補のうちThe Chainsmokersしか入っていませんでした。賞を受賞したChance the RapperのNo Problemは惜しくもギリギリ年間チャートに入らなかったです。

 しかし、今年のグラミーの新人賞候補は全員が年間チャートに入っています。Lil Uzi Vert、Alessia Cara、SZA(客演で)の3名は週間のトップ10に入り、KhalidとJulia Michaelsの2名は週間でトップ10に入っていないながらも年間の順位は高め(それぞれ21位、29位)と全員Hot 100でも好成績を収めたことがわかります。

 この現象が起きたのは、グラミーの毛色が大きく変わったとも言えますし、批評家を納得させるようなメインストリーム曲が増えたとも言えます。

 

 

*1:Migos 名義の曲は5曲が年間チャートに入っているが、I Get the BagでOffsetのパートが無い

*2:Migos 名義の曲は5曲が年間チャートに入っているが、Bad and Boujee、SlideでOffsetのパートが無い

*3:途中でジャンルが変更になった曲 例:Tove LoのHabitsがロック → ジャンルなし など は最終的なジャンル分けを参照にしています。ちなみにロックでもないHabitsがロックに分類されているかというと、最初はロック系のラジオで人気だったからだと考えられます

*4:従来のロック系統ラジオでも好調で、ロック系統ラジオの中で規模の大きいオルタナティブ系統で歴代最も長い1位(20週)を記録しています