チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

各国のSpotify週間1位の推移 / 比較 2018

 

 2018年の各国のSpotify(再生数)首位の推移を表にしてまとめました。Spotifyには週間のチャートがあるので、それの1位を参考にしています。その1位を3つのテーマで国を分類して、それらを表にしています。

(週間1位は↓のリンクから確認できます)

 

 

 その曲をイメージした色をそれぞれの曲につけています。同じ色の場所は、同じ曲が他の国でも1位になっているということです。色を付けていない曲は、「その同じ語圏特有のヒット」=ローカルヒットです。

 横幅の都合上、表を画像にして貼り付けたのですが、小さくて見づらいかもしれないので、スワイプ等して閲覧お願いします💦

 

※表のスペースの都合上、客演等の表記は簡素化しました

 

 

・テーマ1:主要国

 音楽市場の規模が大きく、Spotifyでも再生数が多いアメリカ・イギリス・ドイツに加え「第3の英語圏」であるオーストラリアを比較しました。日本も音楽市場の規模が大きいですが、Spotifyの再生規模は大きくないので、テーマ2,3に回しました。

 

※グローバルは全世界のSpotifyユーザーの再生数を合計したものです。(どのテーマでも参考として表の一番左に置いておきます)

 

・1-6月

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・7月ー12月

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  ここで表記したすべての国で、半分以上の週でラップが1位に。特にアメリカではラップ人気が際立ち、”Call Out My Name"(1週)と”thank u, next"(6週)以外はすべてラップで、強さが際立っています。

 アメリカ、イギリス、オーストラリアは同じ英語圏ということがあって、それなりに似たような曲がヒットしていますが、ドイツはかなり地元ヒットが多いです。表のうち、色のついていない曲は全てドイツ語ラップで、アメリカと同じく「地元のラップ」がヒットしているということが分かります。

 ドイツで首位を獲得している”In My Mind"はリトアニア人プロデューサーDynoroの楽曲、Ramzはイギリス人ラッパーです。ドイツもアメリカ並にラップの首位滞在が長いです。

 

 ・テーマ2:アジア

 次のテーマはアジアです。日本は英米よりもご近所のアジアのほうが音楽の嗜好傾向が近いのでは?と考えてアジアの各国と並べて表にしてみました。取り上げたフィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールは日本と同等以上のSpotify再生数がある国々です (参考:Spotifyのランキング滞在「日数」から各国のアンセムを調査! (2018続編 / アジアも調査) - チャート・マニア・ラボ (CML)

 

・1月ー6月

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 ・7月ー12月

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 テーマ1とは打って変わって、ラップが減少。アジアでの1位のうち、ラップ曲は”All the Stars”、”Freaky Friday"、”In My Feelings"くらいです。

 どこの国も英語圏のポップスに加え、そしてK-Popや地元アクトがヒットしている、という点は共通しています。比率は国によって少し違いますが。ただし日本とその他の国で明確に違う点があります。それは曲のリリース年です。

 他の国では2018年にリリースされた曲が多くの週で1位を獲得しているのですが、日本では2017年以前の曲が半分の週で1位になっています。

 

Shape of You(13週)、Havana(1週)、打上花火(7週)=2017年、Wake Me Up(1週)=2013年、HANABI(3週)=2008年、All I Want for Christmas Is You(1週)=1994年  =合わせて26週

 

 クリスマス期における”All I Want for Christmas Is You"再浮上は他の国でも見られた現象ですが、それ以外でもここまで過去曲が1位を獲得し続けるのは珍しいと感じました。”Shape of You"はたしかに世界的に人気でロングヒットにもなりましたが、Spotifyでここまで1位に滞在し続けているのは日本ぐらいのようです。

 ”Shape of You"がSpotifyのランキング首位に立っていた期間は、他の国では長くても4ヶ月程度なのですが、日本では合計1年以上(427日)も首位に立っていました。

 年の後半ではあいみょんなどが台頭し、やや傾向は変わってきましたが、「過去曲が根強くヒットする」ということは、日本の特徴ではないか?と感じました。

 

・テーマ3:独自のヒットが見られる?国

 次に英語曲の流入が少ない国を観察しようと考えました。ここでは再生数がイギリス並(かそれ以上)にあって、母語の曲が中心に流行するブラジル、メキシコを扱います。日本も過半数がローカルヒットだったので、この項目に入れました。

 

・1-6月

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 ・7月ー12月

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 ※ラテン曲はアメリカなどでもヒットするので色をつけています

 

 ブラジル、メキシコいずれもそれぞれの母語の曲が全ての週で1位を獲得しています。(メキシコ1位の”Taki Taki"は英語ヴァースも多いですが) 英語のヒットがあまり流入しない国も多い、ということを表しています。 

 なかでもブラジルは英語曲の流入がかなり少なく、”In My Feelings"の5位が英語圏ヒットの中で最高位だったようです。(※この曲は日本では3位、メキシコでは2位まで到達しています)

 

 

・関連記事

 データなどの参考:Kwrob

 

 

各国のApple Music 1位の推移 2018【9月~12月】

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 ↓の記事で紹介したように、Apple Musicは9月頃からアプリ内で海外のランキングを見ることができるようになりました。それ以降、毎日グローバル、アメリカ、イギリス、日本の1位を記録しておいたので、それをここにメモしておこうと思います。表だけのシンプルな記事でございます💦

 途中から韓国もメモしました。

 

 

 

・9月

  グローバル US UK
9/7 SICKO MODE / Travis Scott SICKO MODE Eastside / benny blanco, Khalid & Halsey
9/8
9/9
9/10

I Love It / Kanye West & Lil Pump

9/11
9/12
9/13
9/14
9/15
9/16
9/17
9/18
9/19
9/20 Falling Down / ※1 Falling Down
9/21 New Patek / Lil Uzi Vert New Patek
9/22
9/23
9/24 I Love It
9/25
9/26 SICKO MODE
9/27 Drip Too Hard / ※2
9/28 Mona Lisa / Lil Wayne feat. Kendrick Lamar Mona Lisa
9/29
9/30
  グローバル US UK

※1 Lil Peep & XXXTENTACION

※2 Lil Baby & Gunna

 

 まずは、グローバル+アメリカ+イギリスの3カ国推移から見ます。Apple Musicでは、アメリカのユーザー比率がとても高いため、グローバルのランキングはアメリカでの人気が強く反映されたものになります。これがApple Musicのランキングを見る上でのポイントです。イギリスはずっと”Eastside"

 

・10月

  グローバル US UK
10/1 Mona Lisa Mona Lisa Eastside
10/2
10/3
10/4
10/5

Never Recover / Lil Baby, Gunna & Drake

Never Recover
10/6
10/7 Drip Too Hard Drip Too Hard
10/8
10/9
10/10 Funky Friday / Dave & Fredo
10/11
10/12 ZEZE / Kodak Black feat. Travis Scott & Offset ZEZE
10/13
10/14
10/15
10/16
10/17
10/18
10/19
10/20
10/21 Drip Too Hard
10/22
10/23
10/24
10/25
10/26
10/27
10/28 Drip Too Hard
10/29
10/30
10/31
  グローバル US UK

 10月はLil Baby、Gunnaの強さが際立ちました。

 

 

・11月

  グローバル US UK
11/1 Drip Too Hard Drip Too Hard Funky Friday
11/2
11/3
11/4 thank u, next / Ariana Grande thank u, next thank u, next
11/5
11/6
11/7
11/8
11/9
11/10
11/11
11/12
11/13
11/14
11/15
11/16
11/17
11/18
11/19
11/20
11/21
11/22
11/23
11/24
11/25
11/26
11/27
11/28 MAMA ※1 MAMA
11/29 KIKA ※2 KIKA
11/30 Going Bad ※3 Going Bad
  グローバル US

UK

※1 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Kanye West

※2 6ix9ine feat. Tory Lanez

※3 Meek Mill feat. Drake

 

 アメリカのApple Musicでは他のストリーミング以上にラップが強く、ランキングの上位はほとんどラップで埋まっているのですが、そんな環境のなかでの"thank u, next"の1位はかなり革新的でした。(参考: ”thank u, next”関連記録まとめ 【祝・Hot 100首位】 - チャート・マニア・ラボ

 

・12月

  グローバル US UK
12/1 Going Bad Going Bad thank u, next
12/2
12/3
12/4
12/5
12/6 thank u, next
12/7 Going Bad
12/8 thank u, next
12/9
12/10
12/11
12/12
12/13
12/14
12/15
12/16
12/17
12/18
12/19
12/20
12/21 a lot / 21 Savage (feat. J. Cole) a lot All I Want for Christmas Is You / Mariah Carey
12/22
12/23
12/24 All I Want for Christmas Is You
12/25
12/26 a lot
12/27 thank u, next
12/28 Wow. / Post Malone Sweet but Psycho / Ava Max
12/29
12/30 Wow.
12/31 thank u, next
  グローバル US UK

  注目はクリスマス。他の国が多くクリスマスムードになるなか、アメリカだけは我関せず?とばかりにラップが1位を取り続けています。(ちなみにSpotifyでは12/25のみ、アメリカでもクリスマス曲が1位になっています)

 

 

続けて日本の1位を紹介します

 

・9月

  日本
9月7日 U.S.A. / DA PUMP
9月8日
9月9日
9月10日
9月11日
9月12日
9月13日
9月14日
9月15日
9月16日
9月17日
9月18日
9月19日 マリーゴールド / あいみょん
9月20日
9月21日 U.S.A.
9月22日
9月23日
9月24日
9月25日 マリーゴールド
9月26日
9月27日
9月28日 U.S.A.
9月29日
9月30日 マリーゴールド

  DA PUMPあいみょんが首位の座を巡って激しいデットヒートを繰り広げています

 

・10月

  日本
10月1日 マリーゴールド
10月2日
10月3日
10月4日
10月5日 U.S.A.
10月6日
10月7日
10月8日
10月9日
10月10日
10月11日 マリーゴールド
10月12日 U.S.A.
10月13日
10月14日
10月15日 マリーゴールド
10月16日
10月17日
10月18日
10月19日
10月20日 U.S.A.
10月21日 マリーゴールド
10月22日
10月23日
10月24日
10月25日 今夜このまま / あいみょん
10月26日
10月27日
10月28日
10月29日
10月30日
10月31日

  あいみょんは新曲でも1位を獲得。日本におけるストリーミング発のアーティストの先駆け的な存在、と今後認識されるかも

(※ちなみに米津玄師も同じくストリーミング発のアーティストと言えますが、多くの曲がApple MusicやSpotifyに対応していない)

 

・11月

  日本 韓国
11月1日 今夜このまま Waste It On Me / Steve Aoki feat. BTS
11月2日
11月3日 Tempo / EXO
11月4日
11月5日
11月6日 Yes or Yes / TWICE Yes or Yes
11月7日
11月8日
11月9日 今夜このまま
11月10日
11月11日 Bohemian Rhapsody / Queen
11月12日
11月13日
11月14日 SOLO / JENNIE from BLACKPINK
11月15日
11月16日
11月17日
11月18日
11月19日
11月20日
11月21日 Bohemian Rhapsody
11月22日
11月23日
11月24日
11月25日
11月26日
11月27日
11月28日
11月29日
11月30日

 11月からは韓国の1位も調査するようになりました。韓国はなぜかSpotifyに対応していないので、Apple Musicの1位を調査する意義があると感じました。

 時折日本と似たような曲がヒットするケースがあります。TWICEの新曲が同時期に両方で1位になっています。また韓国で複数日1位を獲得した”Bohemian Rhapsody"は日本でも2位までは浮上していました。

 

・12月

  日本 韓国
12月1日 今夜このまま Bohemian Rhapsody
12月2日
12月3日
12月4日
12月5日
12月6日
12月7日
12月8日
12月9日
12月10日
12月11日
12月12日
12月13日
12月14日
12月15日
12月16日
12月17日
12月18日
12月19日
12月20日
12月21日
12月22日
12月23日
12月24日 All I Want for Christmas Is You All I Want for Christmas Is You
12月25日 今夜このまま
12月26日 Bohemian Rhapsody
12月27日 thank u, next
12月28日 Bohemian Rhapsody
12月29日
12月30日
12月31日 マリーゴールド

 

  どちらも変化が少ないですが、クリスマスには”All I Want for Christmas Is You"が首位になっていますね。12/31のみ「マリーゴールド」が1位になったのは、紅白の効果だと思われます。

 

 

 

 

 

Hot 100 1/5 見どころ 【クリスマス曲、23まで増加!+チャートも2019年に突入】

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 皆様、あけましておめでとうございます!と同時にチャートも2019年に突入しました! ビルボードは元日でもしっかりとチャートを更新していて素晴らしいなー、と感じました。

 とはいってもチャートの集計期間は12/21-27なので、時空はまだ昨年のクリスマス。そんなクリスマス曲たちの躍進を中心にこの週のチャートを見ていきます。

 

 

☆今週のHot 100 ショートハイライト

・クリスマス曲がさらに増加。計23曲がランクイン、“All I Want for Christmas Is You”は3位へ

・21 Savageがアルバム1位。ストリーミング(特にApple Music)での人気により9曲がHot 100入り

・アルバム2位のA Boogie wit da Hoodieも4曲がHot 100入り

 

・今週のトップ10

―1 Ariana Grande – thank u, next

―2 Halsey – Without Me 

△3 Mariah Carey – All I Want for Christmas Is You 

▽4 Travis Scott – SICKO MODE

▽5 Post Malone & Swae Lee – Sunflower 

―6 Panic! At the Disco – High Hopes 

▽7 Marshmello & Bastille – Happier

△8 Bobby Helms – Jingle Bell Rock 

△9 Brenda Lee – Rockin’ Around the Christmas Tree 

△10 Burl Ives – A Holy Jolly Christmas 

 

☆=新登場 ◇=再登場 △=上昇 ▽=下降 

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

 

1~100位までの順位表は↓

 

 

曲の個別解説

 

▽60 Ellie Goulding & Diplo feat. Swae Lee – Close To Me

 今週まで大量のクリスマス曲がチャートに大量登場していますが、来週はもう集計期間が完全にクリスマス「後」になるので、それらの曲はほとんど外れる見込みです。

 今週50位以上にはクリスマス曲が21もエントリーしており、来週はそれがほとんど外れる、つまり21もの「枠」が来週空くということになります。単純計算で51位以下の曲は来週、21程度順位を上げる見込みです。

 例えば、今週60位“Close To Me”は来週一気にトップ40圏内までジャンプアップする可能性が大いにある、ということです。

 

☆57 A Boogie wit da Hoodie feat. 6ix9ine – Swervin

 今週アルバム2位に食い込んだA Boogie wit da Hoodieの新作。セールスは6000のみながら、ストリーミングで大量にポイントを稼ぎ、「総合」売上は9万まで到達しました。

 Apple Musicで人気だったこのアルバムからは4曲がHot 100に登場。6ix9ineを迎えた“Swervin”が57位で一番人気。次いでOffset、Tygaを迎えた”Startender”が65位。

 

▽50 Bazzi feat. Camila Cabello – Beautiful

 クリスマス曲に21個もHot 100に「枠」を割く、ということは同時にその他の曲はクリスマス曲に押されて順位を落とすということになります。そして仮にそれによって、ヒット曲が51位以下に落ちると「21週目以降の曲は51位以下になると落ちる」というルール(リカレント)によってチャートから外れてしまいます。

 年末にヒットするクリスマス曲は、これによって古めの曲をチャートから押し出し、そしてクリスマス曲が外れた時=年明けに新しい曲の枠を空けるという、在る種「年末の大掃除」*1のような役割を一部果たしていますが、今年はクリスマス曲がかなり多いので、まだヒットする見込みのある曲までも押し出してしまう可能性があります。

 先週はこの効果で5曲が「リカレント」に押し出されましたが、今週はなし。この21週目の“Beautiful”は50位とギリギリの所で耐えました。来週以降は安全圏まで順位を戻し、もう少し長くチャートに残る見込みです。

 

☆47 Post Malone – Wow.

 クリスマスイブ頃にリリースされたPost Maloneの新曲“Wow.” 集計が短いこと、そしてストリーミングでクリスマス曲に人気が集中していたことなどで今週は47位デビュー。

 来週は集計が7日間フルで行われること、またApple MusicとSpotifyの両方で1位になるなどストリーミングで調子を上げたことから、順位が上昇する見込み。おそらくトップ10まで到達するのではないでしょうか。

 

☆40 Elvis Presley – Blue Christmas

 今週もさらに4曲のクリスマス曲がチャートに(再)登場。合わせて23曲がHot 100にエントリーしている、ということに。

 このうちFrank Sinatraの“Jingle Bells”(49位)とElvis Presleyの”Blue Christmas”(40位)はHot 100初登場。

 Elvis Presleyはこれが109回目のHot 100エントリーです。Hot 100のエントリーが100回を超えているアーティストは5人います。

 

1 Glee Cast (207回)

2 Drake (192回)

3 Lil Wayne (161回)

4 Elvis Presley (109回)

5 Nicki Minaj (102回)

 

クリスマス曲関連の情報はビルボードが以下の記事でまとめています。

 

 

☆37 21 Savage – a lot

 21 Savageがキャリア初のアルバム1位を獲得。総合売上13.1万のうち、DLなどの純粋な売上は1.8枚のみで、ポイントの多くをストリーミングで稼ぎました。

 そのストリーミング人気を受けて、9曲がHot 100に登場。feat.などの表記はありませんが、J. Coleを迎えた”a lot”が37位で一番人気。次いでLil Baby, Gunnaを迎えた“can’t leave without it”(58位)、Post Maloneと組んだ”all my friends”(67位)が人気です。

 このアルバムはApple Musicで主に人気でした。この週はストリーミングでクリスマス曲に人気が集中しましたが、Apple Musicのリスナーは他と比べてあまりクリスマス曲を聞いていませんでした。

 アメリカでは12/25当日にクリスマス曲の人気が最も高まったのですが、その日Apple Musicでトップ100位内に入ったクリスマス曲は16。Spotifyでは同じトップ100位以内に73曲ものクリスマス曲が入っていたので、その差は歴然です。

 他のサービスではクリスマス期はクリスマス曲一辺倒になってしまいますが、Apple Musicならばその影響が少ないので、Apple Musicで人気のタイプのアーティスト(=ラッパー)ならばあまり問題なくアルバムをリリースできます。

 

※このサービスや国によるクリスマス曲の人気の違いなどを細かく分析した記事を近くに書こうと考えています

 

▽31 Bad Bunny feat. Drake – MIA

 クリスマスイブ頃にアルバムをリリースしたBad Bunny。ストリーミングで人気を得ると同時に、iTunesでも1位に立ち、週の途中リリースながらもアルバムチャート29位に食い込みました。

 しかし先行シングル“MIA”はこの恩恵を受けず、Hot 100でクリスマス曲たちに押されて順位を26→31位と落としました。

 

△14 Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

 ここに来て「ラジオの伸び幅」が今週最大となった“Girls Like You”。その効果でHot 100ではクリスマス曲にも負けず15→14位と順位を上げました。

 毎週年末の数週、振り返りのプログラムなのか、「今年ポップラジオで人気だった曲」が再浮上する傾向にあります。“Girls Like You”が今週ラジオを伸ばしたのはそのような理由に基づきます。

 他にも”The Middle”、“Lights Down Low”、”Delicate”、“Perfect”、”Meant To Be”などもラジオの再生を大きく伸ばしましたが、これらの曲は既にHot 100を外れているため、チャート上では恩恵を受けることができませんでした。

 昨年、このポップ系ラジオによる振り返りの恩恵を受けた“Shape of You”、”Believer”、“That’s What I Like”はチャート滞在が1年(52週)まで到達しました。”Girls Like You”もこの調子で滞在52週まで到達するような予感がします。

(昨年の今頃のHot 100:Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | Billboard

 

△10 Burl Ives – A Holly Jolly Christmas

 今週のHot 100集計期間は12/21-12/27(ラジオは24-30)。クリスマス「後」の期間が集計期間に入ることから、今週のチャートでは先週と比べてクリスマス曲が伸びるかどうか微妙でしたが、やはりイブや当日の影響力は絶大で、多くのクリスマス曲が順位を伸ばしました。

 中でもBobby Helmsの“Jingle Bell Rock”は8位、Brenda Leeの”Rockin’ Around the Christmas Tree”は9位、Burl Ivesの“A Holly Jolly Christmas”は10位とトップ10入りを果たしています。

 Bobby Helmsの”Jingle Bell Rock"は初のトップ10入りで、チャートに入ってから60年をかけてトップ10に到達する、という最長記録を更新しました。

 Burl Ivesは57年ぶりのトップ10入りで、Andy Williamsが“It’s the Most Wonderful Time of the Year”で先週成し遂げたばかりの「歴代で最も長いスパンを経たトップ10返り咲き」という記録を塗り替えました。

 

☆ここからチャートマニアックな内容☆

 今年のクリスマス曲大躍進は、現在のストリーミングの影響力の大きさを実感するとともに、Amazon Musicという今まで(チャート上では)あまり注目されていなかった指標が躍進を牽引するという「新たな現象」も起こりました。

 

 しかし、Amazon Musicはあまりランキングが表向きになっておらず、そしてその規模も少なくとも昨年1月の時点ではSpotifyの1/25程度、Apple MusicやYouTubeの1/5程度と小さく、あまり影響力があるとも思えません。そのAmazon Musicが理由で大きくチャートが動いたので、Hot 100を毎週かなり正確に予想するSimon Falkさんは、今年のクリスマス曲に関して「理解するのが難しい」としています。

 

 普段影響力があまり見られないAmazon Musicがチャートに影響を及ぼした、ということはクリスマス期間限定で何らかの、いつも無い影響が起きたということが推測できます。そしてその「影響」として最も考えられるのは先の記事でも登場するアレクサです。

 このアレクサによって、クリスマス曲が普段音楽を聴かないような層にもリーチし、一気に再生数が増加したのではないか?と考えたのです。

 そして「アレクサによる再生」の評価方法も少し考える必要があるかもしれません。現在ビルボードは、ストリーミングを有料会員による再生を1、無料会員(広告付き再生)を2/3、そしてプログラムされたラジオによる再生を1/2としてカウントしています。

 Amazon Musicは有料会員による再生に当てはまるので、アレクサによる再生は1としてカウントされるのですが、私は「アレクサによる再生」は性質が「プログラムされたラジオ」に近いのでは?と考えたのです。

 人々がどのようにAmazon Echoに向かって曲をオーダーしているのかは正確には分かりませんが、スマートスピーカーの性質を活かすならば、「アレクサ、クリスマス曲をかけて」のように抽象的なオーダーをかけるのではないでしょうか。

 この抽象的なオーダーはジャンルを選んでから曲がラジオ形式で再生されるPandora(このサービスは1/2でカウントされている)と構造が同じです。どちらも、曲の「特徴」だけを指定し、選曲はAIにゆだねています。

 このことから、「アレクサによる再生」のカウントは1/2が妥当と考えたのです。

 しかし、実際にはAmazon Music内で普通の再生と「アレクサによる再生」を判別することが難しいこと、クリスマス以外はあまり影響を及ぼさないこと、またクリスマス期間は約1ヶ月と短く、期間の上でも影響力が小さいことから、あまり重要な項目では無いので、この「アレクサによる再生」が議論される可能性は低いと思います。

(参考:Billboard Charts to Adjust Streaming Weighting in 2018 | Billboard とBillboard Finalizes Changes to How Streams Are Weighted for Billboard Hot 100 & Billboard 200 | Billboard

 

 

△3 Mariah Carey – All I Want for Christmas Is You

 クリスマス曲の最強格、“All I Want for Christmas Is You”が大躍進。今までのピーク9位を更新し、今週3位まで到達しました。

 これはMariah Careyにとっても久々の上位入りで、ここまで彼女が高順位を記録したのは2008年の“Touch My Body”=1位以来です。この曲以外での直近のトップ10は2009年の”Obsessed”です。

 元々はルールによってHot 100に入れない「不運なヒット曲」でしたが、リリースから24年が経過したいま、眩いばかりの光を放っています。

 

―2 Halsey – Without Me

 ラジオ、ダウンロード、ストリーミングと全ての指標でバランスよく高ポイントを叩き出す2位の“Without Me”。ラジオなどで少しずつポイントを伸ばしており、ややストリーミングが落ちてきた”thank u, next”から首位の座を奪う可能性もあります。

 

▽× Lil Baby – Pure Cocaine

 「リカレントルール」によってチャートから外れた曲は、しばらく期間を置いて再ヒットする場合、もしくは外れた後に急激に数字を伸ばす以外でチャートに戻ることはないので、リカレントルールで外れた場合は、その曲のチャート「人生」を終えたことを意味します。

 しかしそうでなければ再登場は容易です。来週はクリスマス曲の枠23が多く空くので、今週チャートから外れた曲が多く再登場するでしょう。(今週はリカレントした曲が0)

 Apple Musicでアンセムの地位を確立した先週70位だったLil Babyの“Pure Cocaine”は再びチャートに戻ってくるでしょう。

 

▽× Paul McCartney (&Wings) – Wonderful Christmas Time

 先週チャートに入っていたクリスマス曲は20。そして今週4曲が登場。それなのに合わせて23曲なのはなぜ?かというと1つクリスマス曲が外れたからです。

 そんな不運な1曲はPaul McCartneyによるクリスマス曲でした。先週47位だったので、他のクリスマス曲に押し出されてしまったのかもしれません。クリスマス曲同士による「共食い」のようなものです。

 

 

今週チャートから外れた曲 (17曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 6ix9ine feat. Nicki Minaj & Kanye West – MAMA (🗻43位 /⏰4週)

99 Ski Mask the Slump God feat. Juice WRLD – Nuketown (🗻63位 /⏰3週)

98 Meek Mill feat. Fabolous & Anuel AA – Uptown Bives (🗻39位 /⏰3週)

97 Meek Mill feat. Ella Mai - 24/7 (🗻54位 /⏰3週)

95 Chris Stapleton - Millionaire (🗻95位 /⏰3週)

94 Nicki Minaj feat. Lil Wayne - Good Form (🗻60位 /⏰3週)

93 Silk City & Dua Lipa – Electricity (🗻93位 /⏰6週)

92 Travis Scott – YOSEMITE (🗻25位 /⏰10週)

88 Kodak Black feat. Lil Pump – Gnarly (🗻88位 /⏰1週)

86 Lil Baby – Close Friends (🗻28位 /⏰11週)

85 Lil’ Duval feat. Snoop Dogg & Ball Greezy - Smile (🗻56位 /⏰17週)

79 XXXTENTACION – whoa (mind in awe)  (🗻37位 /⏰2週)

76 6ix9ine feat. Tory Lanez – KIKA (🗻44位 /⏰4週)

74 Kodak Black – Testimony (🗻74位 /⏰1週)

70 Lil Baby – Pure Cocaine (🗻46位 /⏰3週)

58 Kodak Black feat. Juice WRLD – MoshPit (🗻58位 /⏰1週)

47 Paul McCartney & Wings – Wonderful Christmas Time (🗻47位 /⏰1週)

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

1 21 Savage – i am > i was

2 A Boogie wit da Hoodie – Hoodie SZN

15 YoungBoy Never Broke Again - Realer

29 Bad Bunny – X 100PRE

107 The Beach BoysThe Beach Boys’ Christmas

158 Ray Conniff And The Ray Conniff Singers – We Wish You A Merry Christmas

167 Andy Williams – 40 Christmas Classics

174 Ella Fitzgerald & Louis Armstrong

179 Berlin Philharmonic / Mstislav RostropovichTchaikovsky: Nutcracker Suite: The Works

191 Upchurch – River Rat

194 Otis Redding – Pure Southern Soul: Otis Redding

195 Stevie Wonder – The Best Of Stevie Wonder: 20th Century Masters The Christmas Collection

 

 

その他

 

・今週ラジオ再生が伸びた曲

・Zedd, Maren Morris & Grey – The Middle

・Max feat. Gnash – Lights Down Low

・Taylor Swift – Delicate

Maroon 5 feat. Cardi B – Girls Like You

・Ed Sheeran – Perfect

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・YNM Melly – Murder On My Mind

・Billie Eilish – idontwannabeyouanymore

・Lukas Graham – Love Someone

Zara Larsson – Ruin My Life

 

 来週クリスマス曲が空けた「枠」に入ってきそうなBubbling Under(101位~125位)での上位曲たちです。

 

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

*1:“Girls Like You”の項目で言及するポップ系ラジオの今年の振り返りによって、多くの古いラジオ人気がこの時期再浮上し、それらが年明けもチャートで上位を占める可能性があるので、それを防ぐ意義は深いと考えています

2018年の振り返り系記事まとめ

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 年末に2018年をまとめるような記事をいくつか作成したので、そのリンク集を作りました!

 2019年に入っても長いこと2018年まとめ系記事をマイペースに作成していましたが、ようやく完結しました!ありがとうございます!そんな16個のまとめ系記事を紹介したいと思います

 

 

・ Hot 100(USシングル) 2018年間チャートを10のポイントで振り返る

Hot 100の年間チャートを見ながら、そのポイントを説明し、2018年を振り返ります

 

 

・BuzzAngleがまとめた、US音楽消費動向に関するレポートから分かる10のポイント

 アメリカではどのように音楽が消費されているのか、例えばアルバム消費の何%がストリーミングから来るものか?などについて書かれたレポートを紐解きます。

 

 

・数字で振り返る今年のチャート 【ビルボードの記事をアレンジ】

ビルボードが「数字と記録で振りかえる今年のチャート」という記事を作成したのですが、その記録のチョイスが微妙だったので、私が記録を選び直しアレンジした、という記事です。

 

 

・今年Hot 100に登場した、日本に関連する曲 まとめ

日本に関連する曲を歌詞、ビデオなど6ジャンルでピックアップしました。

 

 

・ イギリス 2018年間シングルチャートを10のポイントで振り返る

年間チャートを振り返るシリーズ、イギリスバージョンです

 

 

・2018 ドイツの年間チャートを5つのポイントで見る

ドイツ編

 

 

 

☆データベース系

 以下の記事はあまり分析などは深く行えなかったものの、データとして有用と考えてアップした記事です

 

・ヒット曲の最終的なHot 100成績 【リカレント2018】 

 どの曲がロングヒットか、または短命だったか……が分かります

 

 

SpotifyとNew Music Fridayの分析 2018 【表紙やシングル or アルバムなど】

 Spotify上でのNew Music Fridayという習慣についてまとめました。

 

 

・各国のSpotify週間1位の推移 / 比較 2018

 各国の1位の推移を表にしました

 

 

・各国のApple Music 1位の推移 2018【9月~12月】

  1位の推移Apple Music編です。9月~なのはApple Musicが海外のランキングを公表しはじめたのがその時期からだからです。

 

 

・各国のYouTube週間1位の推移 / 比較 2018

 SpotifyApple Musicとは違う特徴を持つYouTubeのランキングについてです。

 

 

 

☆個人が選ぶ系統

 私のお気に入りなどを紹介します。

 

 ・個人的ベストアルバム・2018

 

・個人的ベストトラック・2018

 

 

・1周年記念!Charli XCX "Pop 2"参加アーティストの今年の動向を振り返る 

ゲストなどを振り返ります!

 

 

・アーティストのお気に入りツイート集 2018 

アーティストのツイートを眺めるだけの記事です

 

 

 ・2018年 マイ・ベスト読書

実は本も紹介しました

 

 

 

 

アーティストのお気に入りツイート集 2018

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  こんにちは。今回の記事は、私が1年間でリツイートしてきたアーティストのツイートを振り返り、それを「お気に入りのツイート」として集めるだけ、というただただ単純な記事でございます。

 ちなみに↑のツイートは今年のベストツイートです。

 

 

 Louis Tomlinson「コーチェラのリストに全然バンドがいないよ😅」

Vince Staples 「Migosっていうバンドが最高にイカしてるよ」

 

 アーティスト内での評価も高かったこのアルバム

 

おそ松のデカパンみたいなキャラクター

 

 笑顔の村上隆さん

 

メイクによってガラッとイメチェンできる印象があるCharli XCX。中国の雑誌のカバーを務めます

 

アーティストも愛用するチャートマニアサイト、Kworb (アーティストはチャートの情報をツイートする時利便性からなのか、ChartdataやKworbといった、「民間」のサイトを利用することが多い)

 

Kelelaのツアーサポートをします

 

様々なことに挑戦するRina Sawayama氏。 🐼

 

Lil Yachtyの新アルバム。Apple Musicで大人気でした

 

Swae Leeって””ショタ””だよね → そうね😌

 

🌈 私のプレイリストに長く入っていた1曲 🌈

 

 セクシーさが格段に増していますね……

 

以前アートワーク関連で揉めたこともあった2人ですが、その1件は無事に解決していたようです。

 

 はじめて写真がアップロードされた時はビックリしましたが、すぐに虜になりました

 

 謎の日本語ツイート……!

 

Kyleの”Ikuyo"での日本語ヴァースで強烈なインパクトを残したSophia Blackですが、自身のシングルでは別の姿を見せています。

 

アーティスト同士の対談です。

 

 実はこの時、けっこう自分の中で不安を抱えていた気がします。その時にこういうツイートを見ると本当に助けられますね……

 

 シンガーが多数集ったリミックス。同じ高校出身のIcona Popとも再会

 

 Mura Masa氏とともに元Bonzai、Coshaをプロデュース🍯

 

 🍍🦊

 

新曲とともに広告掲載!躍進を目指します!

 

 シングルのリリースと共に、それにまつわるプレイリストを作成。(新しいシングルリリースの形として面白いかもしれないです)

 

2015年にされたツイート……

 

 Charli XCXのショーに同行したRina Sawayamaさん

 

ポップスのレジェンドBritney Spears🔥 ポップスシンガーの間では憧れの存在ですね🔥

 

存在感を強める88rising、今年活躍のBlocBoy JBとコラボ✨

 

ディーヴァを輝かせるプロデューサーの新リミックス🙏

 

 実は日本に来ていたらしいVince Staples

 

 88risingの名義でアルバムを出します✨

 

実は私、今年「アイデア」について悩んでいました。でもこう言ってもらえると嬉しいです

 

 新型ボーカロイド ぽすとマロ

 

 ✨✨✨

 

 安藤忠雄さん

 

 なんだそれ!?

 

 人がぬいぐるみと戯れているのを見るの、好きなんですよね……

 

 めちゃくちゃカッコいいし、美しい……!

 

新シングルです

 

 Rihannaの願い

 

 新アルバムです⚰️

 

10/1にKim PetrasとKero Kero Bonitoがアルバムリリース!!!

 

 OUT NOW ⚰️

 

 小学校時代は小樽にいたそうです

 

 トランプ政権による「トランスジェンダー排除を検討」のニュースを受けてのツイート。Kim Petrasは学校時代の経験を振り返り、少なくともトランスジェンダーの子供だけは守ってあげたい、としています。

 

 三重は関西じゃないのか!東海?

 

 I Love Itコスプレ

 

 引くくらいにイケメンなツイート

 

 コメントにはYAOIの文字

 

 👏👏👏

 

 テレビに出るよ!

 

私を最大限勇気づけた、最高のツイートです。

 

 原宿のカフェです

 

 🍜 ←うどんの絵文字はない

 

自身に代わりHot 100首位を取ったTravis Scottを祝うAriana Grande

 

 ✨💙

 

 スマブラ👾

 

 ラッパーたちが精神疾患に偏見を持たなくなったのは嬉しい

 

 

 Kim PetrasがAriana Grandeのシングル"sweetener"について!

 

 

2017年版