チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

10/6 リリース新曲/新作の初動を観察 【二つのチャリティーソング / ウィキペディアすら無い?ラッパーの躍進】

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今週はカントリー系フェスでの銃撃事件、プエルトリコのハリケーン被害それぞれに対するチャリティーソングが登場。また、新人ラッパーの躍進も!

写真はVince Gillと組んでチャリティーソングをリリースしたMaren Morris。

 

Spotify デイリーのトップ10 (金曜日=10/6)

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
3 Cardi B Bodak Yellow
4 21 Savage  Bank Account
5 Post Malone I Fall Apart
6 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
7 Lil Pump Gucci Gang
8 Khalid Young Dumb & Broke
9 Lil Uzi Vert The Way Life Goes
10 Post Malone feat. Quavo Congratulations

rockstarが首位を独走。先週から引き続き、2位にダブルスコアをつけています。そんなヒットを受け、Post MaloneのアルバムStoneyに対する注目度がさらに上昇。

I Fall Apartは5位に到達、Congratulationsも10位まで再浮上しています。

そして今週アルバムをリリースしたLil PumpのGucci Gangが7位まで浮上しています。

 

② 新曲/新アルバムからのシングル Spotifyデイリー順位 (金曜日)

31 Sam Smith Pray
50 Charlie Puth How Long
✫54 Lil Pump Boss
✫61 NF Let You Down
✫67 Lil Pump D Rose
70 Maroon 5 & Julia Michaels Help Me Out
72 Lil Pump feat. Lil Yachty Back
79 Lil Pump feat. Smokepurpp What U Sayin'
✫81 Lil Pump Flex Like Ouu
82 Lil Pump Crazy
89 Lil Pump Molly
94 Lauv Easy Love
97 Lil Pump feat. Gucci Mane Youngest Flexer
105 Lil Manuel Miranda feat. Artists for Puerto Rico Almost Like Praying
109 Lil Pump feat. Smokepurpp Smoke My Dope
107 Lil Pump feat. 2 Chainz Iced Out
119 Trippie Redd Bust Down
126 Lil Pump feat. Chief Keef Whitney
143 Ty Dolla $ign feat. YG Ex
146 Lil Pump At the Door
147 Maren Morris feat. Vince Gill Dear Hate
171 Lil Pump Foreign
180 NF 10 Feet Down
183 Metro Boomin feat. Travis Scott Blue Pill

✫は新曲ではないが、新アルバムに入っている曲

 

Lil Pumpのアルバムが注目を集めています。7位に入ったGucci Gangほか、重厚なビートが特徴のBoss、Lil Yachtyを迎えたBackなど計13曲がSpotify200位圏内に登場。アルバムは全14曲なので、ほとんどの曲が圏内に入っていることが分かります。

最近Gucci Gangで初のHot 100入りを果たした17歳のラッパー、Lil Pumpですが実はまだ*1英語版ウィキペディアがありません!(イタリア語ならなぜかある

まだWikipedia も無いようなアーティストがアルバムを出して、それがヒットする。この情報、トレンドの流動の速さはストリーミング時代の特徴なのでしょうか。

 

シングルでは、3人(組)のポップ系アクトの曲が注目を集めています。

まずはSam SmithのPray。アルバムの詳細とともに発表されたこの曲は、なんとTimbalandプロデュース。Timbalandの独自のサウンド色はこの曲では抑えめですが、One RepublicとのApologizeのようなものを目指したのでしょうか。アルバムリリースは11/3。

次にCharlie PuthのHow Long。サウンドの毛色がAttentionと近く、アルバムはこの路線

の曲で固めるのかな?と思いました。アルバムリリースは2018年のようです。タイトルはVoicenotes。

最後にMaroon 5のHelp Me Out。Adam LevineとJulia Michaelsのボーカルを活かした軽やかなエレポップ。制作には当人たち、Julia Michaelsのソングライトの相方的存在Justin Tranter、そしてDiploが加わるなど万全な体制。

そういえば(Maroon 5の)Adam Levineですが、Julia MichaelsのVMAでのパフォーマンス中にCMで途切れたことを指摘していましたね。彼はVMA (MTV Video Music Award)の批判?をするのが定番になっているらしいです。

 

アルバムではWhat Lovers DoのSZAのほか、A$AP Rockyが参加。Kendrick LamarとのDon't Wanna Know、FutureとのColdはデラックス版「のみ」トラックに回り、本編からは外すようです。アルバムリリースは11/3。上記のSam Smithとリリース日が重なっており(どちらかがリリース日を変更しなければ)、ハイレベルで熾烈なアルバム1位争いが繰り広げられそうです。

 

ほかCharli XCXのBoys、Cheat CodesのNo Promisesでソングライティング、DJ SnakeのA Different WayではボーカルをつとめたLauvのマルチな才能を感じる新曲Easy Love、アルバムをリリースしたクリスチャン系ラッパーNFの曲、二つのチャリティーシングルなどが登場しています。

KehlaniのHoneyは登場せず。

 

iTunesップ10+新曲の順位 (金曜日)

1 Lil Manuel Miranda feat. Artists for Puerto Rico Almost Like Praying
2 Maren Morris feat. Vince Gill Dear Hate
3 Imagine Dragons Thunder
4 Kane Brown Heaven
5 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
6 Portugal. The Man Feel It Still
7 Ed Sheeran Perfect
8 Taylor Swift Look What You Made Me Do
9$ Cardi B Bodak Yellow
10 Camila Cabello feat. Young Thug Havana

 

11 Charlie Puth How Long
13 Sam Smith Pray
24 Luke Bryan What Makes You Country
26 TimMcGraw & Faith Hill The Rest of Our Life
30 Kane Brown & Chris Young Setting the Night On Fire
49 P!nk Whatever You Want
85 Jon Langston Prob'ly at a Bar

 

二つのチャリティーシングルが多くのダウンロードを記録。

プエルトリコのハリケーンチャリティーシングルでは、指揮者のLin-Manuel Mirandaのもと総勢20名のラテン系アーティストが参加。Despacitoでお馴染みLuis Fonsi、Camila Cabello、Jennifer LopezFat Joe、Marc Anthonyなど。他よりも圧倒的に多いダウンロードを記録しています。

カントリー系フェスでの銃撃事件を受けて発表されたのはMaren MorrisのDear Hate。今年のグラミーで新人賞候補に挙がった彼女が組んだのはカントリー界の大ベテランVince Gill。こちらも多くのダウンロードを記録しています。また、リリースが週の途中だったため、想定よりも1週はやくチャートに登場するかもしれません(想定:2週間後)

Imagine DragonsのThunderが引き続き好調。

ほかKane Brownのアルバムのデラックス版の新曲として追加された2曲が多めのダウンロードを記録。

 

iTunes アルバム順位

1 NF Perception
2 Tom Petty & Heartbreakers Greatest Hits
3 Marilyn Manson Heaven Upside Down
4 Kane Brown Kane Brown (Deluxe)
5 Lil Pump Lil Pump
6 August Burns Red Phantom Anthem
7 Imagine Dragons Evolve
8 Jeremy Camp The Answer
9 Gwen Stefani You Make It Feel Like Chirstmas
10 Liam Gallagher As You Were

 

クリスチャン系ラッパーNF、先週に訃報があったTom PettyMarilyn Mansonのアルバムなどが上位に。
ただ1位~4位のアルバムはストリーミングでの数字をほとんど期待できないので、アルバム1位の本命らしい本命はいないといえるかもしれません。

ストリーミングで大きく数字を稼ぎそうなLil Pump、また先週以前の1位アルバムがアルバムチャートの上位に入ってきそうです。

また評論家から高い評価を得ているKelelaはiTunesアルバム18位、XXXTENTACIONのアルバムに参加したTrippie ReddはiTunesアルバム23位につけています。

 

⑤ 各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

✫ポップ系

45 Zayn feat. Sia Dusk Till Dawn
48 Axwell & Ingrosso More Than You Know
50 Yo Gotti feat. Nicki Minaj Rake It Up

少し前にSpotifyで人気だったAxwell & IngrossoのMore Than You Knowが登場。ストリーミングで人気の時期とラジオで人気の時期がズレていると、ピークが分散し、Hot 100での順位が上がりにくいという欠点があります。
アーバン系、リズミック系で人気のRake It Upがポップ系に「飛び火」

 

✫アダルトポップ系

43 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
46 Julia Michaels Worst In Me
49 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & Watt Let Me Go
50 Linkin Park One More Lifht

Julia MichaelsのWorst In Meが、アダルトコンテンポラリー → アダルトポップ と珍しい順番で人気に。多くの曲はポップ系 → アダルトポップ → アダルトコンテンポラリーの人気で順番になっていく(アダルト○○のほうがヒットのサイクルが遅いゆえ、ポップ系ラジオの後を追うようなラインナップが多い)
またLinkin ParkのバラードOne More Lightが登場。

 

✫リズミック系

45 Baka Not Nice Live Up To My Name
46 Sam Smith Too Good At Goodbyes
50 Camila Cabello feat. Young Thug Havana

ラジオで強さを見せるSam SmithのToo Good at Goodbyesがリズミックにも到達。ポップ系、アダルトポップ系、アダルトコンテンポラリー系、アダルトR&B系、アダルトオルタナティブ系に次ぐ6種目の系統。

 

✫アーバン系

47 Jay-Z feat. Damian Marley Bam
48 Yung Bleu Miss It
49 Nexxthursday feat. Quavo & Lil Yachty Sway

Jay-Zのシングルが登場。

 

✫カントリー系

49 Maren Morris feat. Vince Gill Dear Hate
50 Dylan Scott Hooked

リリースから間もないDear Hateが早速登場。

 

 

*1:2017/10/7時点

Hot 100 10/14 見どころ 【Post Malone、rockstarを媒介してさらなるヒット!】

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rockstarの影響を受け、Post Maloneの二曲がかなり面白い形でHot 100 に登場しました! 

その現象にフォーカス記事はこちらです。↓

 

 

 

 

100 Post Malone – Go Flex (re)

Post MaloneのGo Flexが100位に再登場。リリース時の昨年4月*1以来の再登場に。現在シングルでもないこのGo Flexがいま再登場したのかというと、rockstarのヒットによって彼のアルバムStoneyが再び大きく注目されたからです。Stoneyは今週売上が伸びて、アルバムチャートでリリース時のピークと並ぶ6位まで浮上。そのStoneyは全体的にストリーミングも上昇しCongratulationsに次いで2番人気だった*2Go FlexがHot 100 圏内相当まで浮上したというわけです。

このHot 100 再登場は「音楽を媒介して他の音楽のヒットを呼び込む」という珍しいヒットの形を取っていること、また時間を置いてからストリーミングでの熱が再燃しているという点でかなり珍しいチャートアクションだと思います。興味深いです。

 

98 A$AP Ferg – Plain Jane (New)

SpotifyApple Musicの両ストリーミングでの好調によって浮上。A$AP FergのPlain Janeが98位で登場。FergにとってWork、New Levelに次ぐ3曲めのHot 100。このPlaine Janeは彼の今年のミックステープのシングル。

豪華さで言えばBusta RhymesA$AP Rocky、Dave East、French Montana、Rick Ross、Snoop Doggを揃えたEast Coast (Remix)がミックステープ内で一番。ほかゲストにはMeek Mill、Lil Yachty、Playboi Carti、Migosなど多種多様。

 

97 Eric Church – Round Here Buzz (New)

カントリーラジオで上昇中の曲のうち3曲がHot 100に。Eric Churchの2015年のアルバムからのシングルRound Here Buzz(97位)と、Brett YoungのLike I Loved You(95位)、Chris YoungのLoosing Sleep(94位)。次のHot 100入り候補はGarth BrooksのAsk Me How I Know、Florida Georgia LineのSmooth*3あたり。

 

70 Macklemore feat. Kesha – Good Old Days (New)

アルバムチャートで2位だったMacklemoreの新アルバムGemini。アルバムからは先行シングルのGlorious(今週49位と上昇!)と、Keshaを迎えたGood Old Daysがおおくのダウンロードを集めて70位で登場しました。KeshaをMacklemoreに紹介したのは今までの盟友Ryan Lewis。Ryan LewisはKeshaの今年のシングル、Prayingのプロデューサーでした。 (この記事でもその件について触れています)

Gloriousと共に先行リリースされていたLil YachtyとのMarmaladeは今週もHot 100に入らず。同じfeat. Lil YachtyのDRAMのBroccoliとの類似性を指摘する声もありましたが、DRAM本人は「別に構わんぞ」との反応

 

※ちなみにアルバムチャート1位はThe KillersのWonderful Wonderful。UKでは5作連続1位も、母国アメリカでは初の1位アルバム。このアルバムからはHot 100入りナシですが、先行シングルのThe Manは現在オルタナティブ系ラジオで2位と好調。

The Killersのイギリスでの人気ぶりは この記事 や この記事でも語っています)

 

67 BTS – DNA (↑)

先週の約4日集計から今週は7日集計になったBTSのDNA。その影響でHot 100の順位を85位 → 67位と上げました。リリース当初に集中したダウンロードのポイントは先週と比べて大きく落ちましたが、代わりに7日集計になったぶんストリーミングが上昇。今週もっともストリーミングの伸び幅が大きい曲となっています。従来から得意としていたYouTube以外にもSpotifyApple Musicでもそこそこの再生数を稼いだことが、今週の順位上昇のカギだったと思います。

今まで、韓国のアーティストのシングルというと1週間でHot 100から外れてしまう「出落ち」が多かった(トップ10まで到達したPSYのGangnam StyleとGentlemen以外全部)のですが、このDNAは2週目も健在で以前のK-Popシングルよりも定着度が高いといえそうです。今後も定着度が高いヒットをK-Popアーティストは飛ばせるのか?に注目です。

 

65 Post Malone – I Fall Apart (New)

Post MaloneのI Fall Apartが65位で登場。rockstar以降に突如現れたヒットシングル。ライブでのパフォーマンスが話題を呼び注目を集め、さらにはアルバムStoneyが全体的に浮上していることもあってこのI Fall Apartは急上昇。ダウンロード、ストリーミング共に数字を伸ばしてHot 100に入りました。特にストリーミングは出色の出来で、ここ2週間程度でApple Music、Spotifyの両方、圏外からトップ10に入っています。

レーベル側が目をつけていなかった曲がストリーミングで人気に火がつきシングルヒットになる。今年のMask Offはまさにそんな感じでした。そのMask Offはリリースからすぐに人気が出ましたが、今回のI Fall Apartは他の曲を媒介して再浮上する形で人気に。

音楽が音楽を呼び、その熱狂が可視化されている…………前述のGo Flexと合わせてかなり注目の出来事だと思っています。

↓GeniusによるI Fall Apartのヒットの理由

 

 

53 Calvin Harris feat. Pharrell Williams, Katy Perry & Big Sean – Feels (↓)

ポップ系をはじめとしたラジオでの再生数減により調子を落としているFeels。Hot 100では23位 → 37位 → 43位 → 53位と急激に順位を落としています。

自身のアルバムからの曲は14曲もトップ10に入っているKaty Perryですが、客演では今まで一回もトップ10に入れず。(そもそも客演する回数が少ないですが)今回もトップ10に入れなさそうですが、3Oh!3とのStarstrukk、John MayerとのWho You Love、*4を越して客演のなかでは一番のヒットとなっています。

ちなみにCalvin HarrisのアルバムFunk Wav Bounces Vol.1の中で一番高い順位を記録したシングルでもあります。(Feels 20位、Slide25位)

 

44 Camila Cabello feat. Young Thug – Havana (↑)

ジミーファロンのThe Tonight Showでのパフォーマンスの効果で注目を集め、ダウンロードが少し上昇。Hot 100で64位 → 44位とジャンプアップ。今週と比べるとダウンロードが減る分、来週はHot 100で順位を落とすかもしれませんがラジオもストリーミングでも順調なので、いずれトップ40に届きそうです。

元はアルバム宣伝用のシングルでしたが、ストリーミングで人気になりシングル化しました。Hot 100よりもストリーミングの占める割合の大きいイギリスのシングルチャートでは、今週4位まで到達しています。

 

40 Luke Combs – When It Rains It Pours (↑)

今年Hurricaneで初のトップ40入りを果たしたLuke Combsが、それに続くシングルWhen It Rains It Poursでもトップ40入りを達成。今週40位。いずれもデビューアルバムからのシングル。カントリー界の期待株ですかね。

 

36 Justin Bieber & BloodPop – Friends (↓)

Justin BieberのFriendsの調子が上がらず。今週35位 → 36位とジリ貧です。有力なポイント源のひとつ、ポップ系ラジオも先週までの上昇から一転、今週はポイントが落ちてしまいました。不調シングルの巻き返しの常套手段としてiTunes値下げがありますが、実は密かに実行済み。値下げ後のダウンロード最高順位は28位でリリース時の5位には遠く及ばず、値下げ作戦も空振りに終わっています。

こうなると打開策はビデオかパフォーマンスが話題になり、「第二の波」を呼び込むくらいしかなくて、ここからの大きな上昇はかなり苦しいと言わざるをえません。このままだと不完全燃焼だったDavid Guettaとの2Uを下回る成績になりそうで……

※Justin Bieber、今年働きすぎだったのでは……

 

10 Demi Lovato – Sorry Not Sorry (↑)

値下げによるここ数週のダウンロードでの好調に加え、ラジオが急上昇したことでDemi LovatoのSorry Not Sorryがついにトップ10入り。Joe JonasとのThis Is Meに次ぐキャリア2番めのチャート順位となる10位を記録しています。

そのThis Is Me、また今年のMiley CyrusのMalibu、Selena GomezのBad LiarやFetishのように序盤元気型ではなく、じわじわとポイントを上げているのがこの曲の特徴。ラジオでのポイント。Demi LovatoはかつてGive You Heart a Breakで当時最長タイとなる25週をかけてのポップ系ラジオチャート一位獲得という実績があり、以前にもロングヒットの経験があります。*5

来週にはアルバムのリリースも反映されるので、その効果でまた順位が上がるかもしれません。

 

3 Taylor Swift – Look What You Made Me Do (→)

Cardi Bから1位の座を奪還すべく、値下げ作戦を断行したテイラー。値下げした当初は狙い通りiTunesで1位に到達しましたが、徐々に失速。週の途中にCM効果で注目のImagine DragonsのThunderに抜かれ、結局週の合計でもThunderを下回り結局今週のダウンロード2位に。そしてストリーミングが下がったこともあり、ビルボードはこの”Look”を総合的なポイントで下がっていると判定しています。*6その結果、rockstarも抜けずに結局3位に留まり値下げ作戦は空振りに終わりました。ラジオはまだ今週上昇中(10位 → 7位)のため、上昇の見込みが無いわけではないですが、ストリーミングが落ちていること、ラジオの伸びスピードが落ちてきたこと、そして値下げという必殺技をもう使ってしまったことから今後の1位再浮上の可能性は低くなったといえそうです。アルバムリリースのタイミングまでラジオを維持していれば一応可能性はありますが

 

× Future – Mask Off (↓)

ストリーミングでの熱狂的な支持を受けて一時期5位まで浮上。客演以外では自身初のトップ10となり、「2週連続で異なるアルバムでの1位」という記録も残した今年のFutureの充実ぶりを物語る一曲だと思います。チャート滞在も31週と長めで*7、大成功のシングルだったと思います。唯一の公開はKendrick Lamar入りリミックスがそこまでヒットしなかったことか。

※今年増えてきた、ストリーミングの熱狂によってシングル化した曲の一例です。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Post Malone feat. 21 Savage - rockstar

今週最もダウンロードが上昇した曲 Imagine Dragons – Thunder

今週最もストリーミングが伸びた曲 BTS - DNA

最も高い順位で新登場した曲          Post Malone – I Fall Apart

 

 

 

今週チャートから外れた曲 (7曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Metro Boomin feat. Offset & Drake - No Complaints (🗻71位 /⏰5週)

98 Bhad Bhabie – These Heaux (🗻77位 /⏰3週)

96 XXXTENTACION – Everybody Dies In Their Nightmares (🗻54位 /⏰4週)

93 Midland – Drinkin’ Problem (🗻45位 /20週)

92 Lorde feat. Khalid, Post Malone & SZA – Homemade Dynamite (🗻92位 /⏰1週)

67 Niall Horan – Too Much To Ask (🗻67位 /⏰1週)

48 Future – Mask Off (🗻5位 /31週)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

Tom Petty – Free Fallin’

Tom Petty – I Won’t Back Down

Tom Petty & The Heartbreakers – Mary Jane’s Last Dance

Tom Petty – You Don’t Know How It Feels

Tom Petty & The Heartbreakers – American Girl

 

訃報を受けてダウンロードが上昇。特に上昇が見られたのは上記の曲。これらのうち、Free Fallin’はHot 100にも入りそうです。Spotifyでも一時的に浮上

 

A Boogie wit da Hoodie – Say A’ (Apple Music 3位)

A Boogie wit da Hoodie – No Promises (Apple Music 4位)

A Boogie wit da Hoodie feat. 21 Savage – Undefeated (Apple Music 7位)

A Boogie wit da Hoodie – No Comparison (Apple Music 10位)

 

この週リリースのアルバムの中でストリーミング一番人気だったA Boogie wit da Hoodie。現在Apple Musicでは4曲がトップ10に。Spotifyでもそこそこの順位のSay’ AはHot 100に入りそうですね。他はどうか

 

 


 

*1:チャート上の日付は5月

*2:最近急浮上した後述のI Fall Apartに抜かれる

*3:現在101位相当

*4:TimbalandとのIf We Ever Meet Againを考慮しても

*5:現在は26週かけて一位になったAlessia CaraのHereが最長。もう一つの25週はCee Lo GreenのForget You

*6:上昇中の曲には順位の左に◎マークがつくが、“Look”にはついていない

*7:同じくストリーミングで飛躍し、Hot 100で一時期6位まで到達したKodak BlackのTunnel Visionは20週きっかりでチャートを後に

9/29 リリース新曲/新作のチャート初動を観察 【Demi Lovato 、アルバム争いで一歩リードと思いきや???】

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こんばんは。毎週の新曲観察です。今週はSpotify のデータの発表が遅い運の悪い週だったので、更新も一日遅れです、笑
今週の注目はアルバム首位争い+Mi Genteのリミックス。首位争いはマイリー vs デミかと思っていたのですが、そうではない模様で……

 

Spotify デイリーのトップ10 (金曜日=9/29)

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Cardi B Bodak Yellow
3 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
4 21 Savage  Bank Account
5 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
6 Khalid Young Dumb & Broke
7 Demi Lovato Sorry Not Sorry
8 J Balvin & Willy Willam feat. Beyoncé Mi Gente
9 Marshmello feat. Khalid Silence
10 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable

 

先週に引き続きrockstarが1位を独走。今週に入ってラジオでもかかりはじめたようで、数週のうちに1位奪取もありえるか。

2位はBodak Yellow。Hot 100で歴史的な1位を機に再注目を浴び、少しSpotifyでも順位を上げています。PitchforkはCardi Bは従来の「レーベルの看板娘」的なキャラじゃないし、「黒人女性ラッパー」といっても多種多様に色んな人がいるんだぜ、ということを証明した点などから、このBodak YellowのHot 100一位を重要としています。

 

7位にはSorry Not Sorry。アルバムリリースの影響でSpotify内ピークを更新しています。ラジオで伸びていることに加え、アルバム特需でストリーミング等が少し伸びたので、この週にHot 100でトップ10に到達するかもしれません。(アルバムについては後述)

 

そして8位はMi GenteのBeyoncéリミックス!このプエルトリコ、メキシコなどカリブ諸国の災害チャリティのシングルはiTunesで1位を独走しています。

ラテン系のヒットシングルに英語圏大物歌手リミックスを加えるとなると、Despacitoを彷彿とさせますが、個人的には性質が少し違うように思いました。

Despacito ではJustin Bieberがリミックスに加わり甘いボーカルを乗せることで、ノリノリのラテン系から甘いポップスへと、ジャンルを変えてしまうほどの大胆変更だった気がしますが、Mi Genteは原曲重視のアレンジでDespacitoのように「原曲とリミックスが違う曲」という感覚は無いです。*1

現在Hot 100で19位、最近順位が横ばいだったMi Genteにとって強力な追い風になるのは間違えなく、とりあえずトップ10には届きそう。現在調子を落としてきているストリーミング、ラジオもこれを期に息を吹き返すか?

ちなみに曲中のBeyoncéのキラーフレーズ "Azul, Are You With Me?" とは自身の娘に向けた言葉のようで、Azulとはスペイン語で「青」。これは娘の名前Blue Ivyのことでしょう。

また、個人的に気になったのは、”Francia ,Colombia, Houston" という箇所。FrancisはフランスでWilly Williamの出身、ColumbiaはコロンビアでJ Balvinの出身で、いずれも「国」なのですが、それに対してBeyoncé は国ではなく都市でアンサー。リズム的な整合で別に特に意味は無いのかもしれませんが!

 

② 新曲/新アルバムからのシングル Spotifyデイリー順位 (金曜日)

✫23 A Boogie wit da Hoodie feat. Kodak Black Drowning
✫51 A Boogie wit da Hoodie Say A'
✫84 Miley Cyrus Malibu
87 A Boogie wit da Hoodie feat. 21 Savage Undefeated
94 Rich the Kid feat. Kendrick Lamar New Freezer
101 A Boogie wit da Hoodei feat. PnB Rock & YoungBoy Never Broke Again Beast Mode
102 Miley Cyrus I Would Die For You
105 Demi Lovato Ruin The Friendship
✫124 Miley Cyrus Younger Now
147 PARTYNEXTDOOR Damage
148 DRAM feat. Trippie Redd ILL NANA
159 A Boogie wit da Hoodie No Comparison
171 Miley Cyrus Week Without You
180 P!nk  Beautiful Trauma
187 Tory lanez Skrt Skrt
193 A Boogie wit da Hoodie Unhappy
196 Miley Cyrus Rainbowland
199 Miley Cyrus Bad Mood

✫は新曲ではないが、新アルバムに入っている曲

 

アルバムリリース勢は2アルバムが目立っています。曲数が多いのはA Boogie wit da Hoodie。Hot 100でトップ40に到達したDrowningをはじめとして7曲がSpotify200位圏内に。21 Savage、PnB Rock、Kodak Blackなどの若手に加え、Chris BrownTrey Songz、そしてRobin ThickeなどR&B系のベテランもアルバムに参加しています。

次に目立つのはMiley Cyrus。MalibuがHot 100で尻すぼみに終わり、その後のシングルもそこまでヒットとならなかったことを考えると、「意外と好調」な印象もあります。その先行シングルMalibuをはじめとして、6曲がSpotifyの200位圏内に。アルバムの半分がSpotifyの圏内に入りました。*2流行りのプロデューサーを使わず、ソングライティングは当人など限られた人数で。そしてアルバムのサウンドには一貫性を持たせるという姿勢がリスナーに好評だったのでしょうか。

一方、Demi LovatoはSorry Not Sorry以外でSpotify の圏内に入ったのは一曲のみ。Sorry Not Sorry はストリーミングとの相性が良かっただけに、ここまで少ないとは意外ですかね。

ほかPARTYNEXTDOOR、DRAMの新曲など。

 

iTunesップ10+新曲の順位 (金曜日)

1 J Balvin & Willy William feat. Beyoncé Mi Gente
2 Imagine Dragons Thunder
3$ Taylor Swift Look What You Made Me Do
4$ Cardi B Bodak Yellow
5 Portugal. The Man Feel It Still
6 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
7 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
8$ Maroon 5 feat. SZA What Lovers Do
9 Sam Smith Too Good at Goodbyes
10 Ed Sheeran Perfect

 

✫11位以下の新曲

✫12 Demi Lovato Sorry Not Sorry
18 P!nk Beautiful Trauma
32 Chris Lane feat. Tori Kelly Take Back Home Girl
46 Chris Young Hangin' On
72 Banks Underdog
87 Rich The Kid feat. Kendrick Lamar New Freezer
88 Demi Lovato Ruin The Friendship
89 Skrillex & Kendrick Lamar HUMBLE. (Skrillex Remix)
95 Demi Lovato feat. Lil Wayne Lonely
✫96 Shania Twain Life's About To Get Good
✫100 Miley Cyrus Malibu

$は割引、✫は新曲ではないものの、新アルバム収録曲

 

 

Mi GenteのリミックスがiTunes 首位に。CM放映中、ラジオでも上り調子のThunderが人口に膾炙してきたのか、ここの所iTunesで上位に入り続けています。

同じくラジオで好調のHavana、What Lovers Do、PerfectもiTunes上位に。What Lovers Doの値引きが早い気はしますが。

アルバム争いの一つの要因になる、シングルのダウンロード争いではDemi Lovatoが有利。Sorry Not Sorryが高い順位にいるだけでなく、ほか2曲がiTunes 100位圏内に。一方Miley CyrusはMalibu の100位のみと、ダウンロードでは数字を稼げず。

 

iTunes アルバム順位

1 Demi Lovato Tell Me You Love Me 
2 Miley Cyrus Younger Now
3 Shania Twain Now
4 A Boogie wit da Hoodie The Bigger Artist
5 Tamar Braxton Bluebird of Happiness
6 Tank Savage
7 Imagine Dragons Evolve
8 Hoodie Allen The Hype
9 Rittz Last Call
10 Primus The Deesaturating Seven

 

iTunes アルバムではDemi Lovatoが勝利。ストリーミングでは少しMiley有利、シングルのダウンロードではDemiがわりかし有利。そうなると2勝1敗でDemi Lovatoがアルバム1位レースを制する?そういう考えも私の頭をよぎりました。しかしこの上記の指標で測れない、アルバム1位レースを左右する要素があるのです。それは店頭の販売です。MileyもDemiも店頭販売には大差が無い、と思っていたのですが争点はそこではなかったのです。

ダウンロードではなく、店頭販売のフィジカルを選ぶ層に人気のShania Twainがこの週のアルバム1位最有力と見られているようです。シングルダウンロード、ストリーミングでのポイントはほぼ皆無なようですが、店頭販売 でそれらをひっくり返すようです。

ファン層が安定しているカントリーの人気歌手でかつ、15年ぶりのアルバムともなれば自然と昔のファンもCDを買いにCDショップなり、ウォルマート(?)なりへ足を運ぶのでしょうか。

 

⑤ 各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

✫ポップ系

40 Nick Jonas Find You
45 Khalid Young Dumb & Broke
46 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
50 Lauv I Like Me Better

Young Dumb & Brokeがリズミックに続いてポップ系にも上陸。Nick JonasのFind Youが好調。Post MaloneはCongratulationsでポップ系ラジオ23位まで到達していました。今回は?

しかし複数ジャンルのラジオで登場しているあたり、ストリーミング強者なだけではなく、ラジオ強者にもなりそうです

 

✫アダルトポップ系

35 Zayn feat. Sia Dusk Till Dawn
46 Max feat. gnash Lights Down Low
47 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
50 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable

1-800-273-8255、Unforgettableが他の局より一周遅めに登場。アダルト○○系ラジオでの曲の遅いサイクルは、Hot 100で上位に来た曲がゆるやかに順位を落とす理由の一つです。

 

✫リズミック系

24 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
35 The Weeknd Die For You
49 Fergie feat. Nicki Minaj You Already Know
50 Niall Horan Slow Hands

rockstarがロケットスタート。The WeekndのDie For Youも同じくかなり好調。Niall HoranのSlow Handsはそれほど「リズミック」な曲ではないですが、ポップ系ラジオで1位争いをするような曲だと、こうやって違うジャンルの局にも顔を出します。

 

✫アーバン系

41 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit
43 2 Chainz feat. Travis Scott 4AM
47 The Weeknd Die For You
48 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
50 A$AP Ferg Plain Jane

4 AMはHot 100で消えてからのシングル化。これを期にストリーミングでも巻き返せるか?

 

✫カントリー系

43 Old Dominion Written In The Sand
46 Midland Make A Little
49 Chase Rice Three Chords & The Truth
50 Cole Swindell Stay Downtown

Drinkin' ProblemでHot 100に登場したグループ、Midlandの新シングルMake A Littleが登場。

 

 

*1:チャート的な話をすると、もとはLuis Fonsi ft. Daddy Yankee の表記を、Luis Fonsi "&" Daddy Yankee ft. Justin Bieber に変更したDespacito に対して、Mi Genteは一貫して、J Balvin & Willy William の表記。そんな細かいことどうでも良いじゃねーか!と思われるかもしれませんが、ビルボードは過去にリミックスを別の曲か・同じ曲かの判断を名義で行っていて、例えばDJ Snake "&" Alunageorge の You Know You Like It と Alunageorge 単のYou Know You Like Itのを別カウントしています。なのでメインのほうの名義を変えているDespacitoは別カウントすべきだったかも……と私は考えているのです。今更こんなこと言っても仕方がないですが……

*2:女性歌手のアルバムで、半数以上がSpotifyの圏内に入ったのは、Halsey・Lorde・Lana Del Rey・Keshaに次いで今年5人目。あとは一応女性メンバーRomyのいるThe xxもこれに当てはまります

Hot 100 10/7 見どころ 【Bodak Yellow1位奪取!勝因、影なる立役者とは?】

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今週の最大のトピックはBodak Yellowの1位奪取!Cardi Bは女性ラッパーソロ曲としては珍しい1位に(Nicki Minajはまだ1位を取っていない)!

そのBodak Yellowが1位になれた理由と、今週2位で登場したPost Maloneについてなどを説明していきます。

 

92 Lorde feat. Khalid, Post Malone & SZA – Homemade Dynamite (New)

Lordeの新シングル、Homemade Dynamiteが92位で登場。アルバムリリース時にはHot 100に登場しませんでしたが、Khalid・Post Malone・SZAのリミックスを新たにリリースしたことによって今週Hot 100に登場。R&B系 ~ オルタナティブ系、ポップ系など複数の系統のラジオ局との相性が良さそうなので、ラジオからヒットする可能性に期待したいです。

※今週”Melodrama World Tour”をマンチェスターでスタートしたLordeですが、今年マンチェスターで起きた爆撃事件を考慮して、”Dynamite”が題名に入るこの曲をセットリストから除いたとの情報が

 

89 Ed Sheeran – Perfect (Re)

Ed SheeranのPerfectがシングル化に伴い、久々にHot 100に再登場。89位。ポップ系統の局、特にアダルトポップ系*1 で好調。これに伴いiTunes*2Spotifyでも順位をぐんぐん上げていて来週以降Hot 100での上昇が期待できそうです。

Ed Sheeranのアルバム÷はリリース時にHot 100で同時に 13曲 *3が登場するなど、出だしがかなり好調でした。ただ、このようなアルバムでは注目度・熱量がリリース前後に集中してしまうためか、アルバムのリリースから少し経過してからのシングルは、それまでのシングルと比べてあまりヒットしない傾向にあります。(例:Justin BieberのPurposeにおけるCompany、The WeekndのStarboyにおけるReminderなど) 

このPerfectもアルバムリリースから少し時間が経過してのシングルリリースですが、現在順調なようで、このような事例をひっくり返すことが出来るか注目です。

 

85 BTS – DNA (New)

BTSのDNAが85位で初のHot 100登場! ファンは #BTSHOT100 というタグを使用しており、Hot 100入りは悲願だったことが伺えます。月曜日リリースで、集計が短いながらもダウンロード、ストリーミングでしっかりと数字を稼いでHot 100に辿り着きました。

これはWonder GirlのNobody、PSYのGangnam Style・Gentleman・Hangover・Daddy、CLのLiftedに次ぐ史上7人目の韓国人によるHot 100!今年は今回以外にもHot 100手前のチャートBubbling Under *4に入った2回入るなど(BTSのSpring Day、BlackpinkのAs If It’s Your Last)、K-Pop勢が増してきており8曲目…9曲目…もそのうち出て来るかもしれませんね!

ちなみにビルボードはこのBTSのHot 100エントリーを単独で記事にしています↓

BTS's 'DNA': First Billboard Hot 100 Hit for K-Pop Group | Billboard

 

また、私も今週のチャート発表前にBTSがHot 100に入るか?との予想をしていました↓

 

今週アルバムチャートでも好調だったBTS。EPもシングルと同じく月曜日リリースで集計が短かったですが、しっかりと数字を稼いでアルバムチャート7位で登場!これはK-Pop史上最高位の数字で、かつK-Pop史上初のアルバムチャートトップ10*5のようです。ちなみに以前のK-Popのアルバムチャート史上最高位もBTSでした

 

※ちなみに今週のアルバムチャート1位はFoo Fightersに。セールスも1位。Hot 100には1曲も入らず。彼らはイギリスでもアルバム1位を獲得し、かつイギリスではシングルチャートにも3曲入っています (63位The Sky Is A Neighborhood、76位Run、94位T-Shirt)

 

78 Louis Tomlinson feat. Bebe Rexha & Digital Farm Animals – Back to You (↓)

じわじわとラジオでの再生が伸びて、Hot 100に到達&接近しているLiam、Niallに対してLouisは苦戦中。Liam、Niallはポップ系ラジオで現在首位争い中ですが、LouisのBack to Youは今週ポップ系ラジオで40位圏外へ……トップ10へのチャレンジは次のシングルへ持ち越しでしょう……

 

67 Gucci Mane feat. The Weeknd – Curve (New)

本来はこの週にアルバムをリリース予定だったGucci Maneですが、10/13に延期。そのアルバムからThe WeekndとのCurveが先行リリースされました。67位での登場。アルバムリリース時はストリーミングで莫大な再生数が予測されますが 、どこまで伸びるか見ものです。

 

66 Niall Horan – Too Much To Ask (New)

Niall HoranがToo Much To Askをリリース。ダウンロードの好調などでHot 100の67位に登場。

アルバムの情報も同時にリリース。タイトルは”Flicker”で、リリース日は10/20。昨年グラミーの新人賞の候補だったMaren Morrisが客演として登場。

 

37 James Arthur – Say You Won’t Let Go (↑)

自身も少しポイントを落としたものの、他の曲よりも抑えめだったことから、順位が上がったSay You Won’t Let Go。今週43位 → 37位に。今週でチャート滞在48週目のこの曲、もう少し粘ってチャート滞在を1年(=52週)まで伸ばせるか*6

ちなみにイギリス人でチャート滞在1年に近年なったのはAdele、Ed Sheeran、Sam Smith、Bastille、Mark Ronson、Ellie Gouldingなど。James Arthurは彼らに続けるか?

参考↓

【祝Thinking Out Loud】 Most total weeks on the Hot 100 【一年突破】 - チャート・マニア・ラボ (CML)

 

10 Portugal. The Man – Feel It Still (↑)

Portugal. The Man のFeel It Stillがついにトップ10入り!最大の強みはラジオで、ポップ リズミック(ポップ~アーバンの中間)など幅広い系統の局でかかっています。元のロック系ラジオでも好調で、今週オルタナティブ系ラジオチャートでも14週めの1位*7 記録。また、ダウンロード そしてロック系統の曲が比較的苦手なストリーミングでもそれなりに数字を稼いでおり、総合力の高さによりHot 100でもトップ10入りしました。

ロック曲としてはImagine DragonsのBelieverに次いで2曲めのトップ10 *8 です。次のシングルはLive In The Momentのようで、アダルト・オルタナティブ系ラジオ*9でかかり始めたようです。

 

7 Imagine Dragons – Believer (↑)

Imagine DragonsのBelieverが今週7位。自身のポイントは伸びていませんが、他の曲がポイントを落としたために、相対的に順位を上げました。33週めにして7位、そしてトップ10滞在13週とロングヒットになっているBeliever、ピークは4位とそこまで高くないものの年間トップ10入りの可能性も少しありそうです。同じく年間トップ10に入るか入らないかの分かれ目にいるのは、Something Just Like This、Congratulations、I’m the Oneあたりか。テイラーの“Look”、Bodak Yellowは時期が遅めで年間トップ10は厳しいか。逆に時期が早い 24K Magicも一応候補には上がります。

ただこのBeliever、自身のThunderの勢い*10に押される形でラジオの再生が減少中。どこまで粘れるか?

 

年間トップ10について 

Despacito、Shape of You、That’s What I Like、Bad and Boujee、HUMBLE.、Closer、Body Like A Back Roadまでは上記の曲と比べると年間トップ10入りの線が強いです。残りの3枠をBelieverなどが争う、といった感じですかね……?

あとは、自分が5月にした年間トップ10予想がどこまで当たるかが楽しみです……!(この時点でBody Like A Back Roadは読めていなかった……)

 

 

2 Post Malone feat. 21 Savage – rockstar (↑)

ダウンロード・ストリーミングがいきなり1位で、ラジオのポイントがほとんど皆無ながらもいきなり2位で登場したPost Maloneのrockstar!Post MaloneにとってはCongratulations (8位)に次いで2曲め、21Savage*11にとっては初のトップ10に。

Post Maloneが昨年末にリリースしたアルバム、Stoneyはリリース以降常に少なくとも25位以上に入るなどリスナーの中でかなりのロングヒットになっていて、そのアルバムで高まった熱がこのrockstarのリリースで一気に爆発した、ということですかね!

ちなみにセールスは100位圏外ながらもストリーミングでの熱に支えられ今週アルバムチャートのトップ10に再登場。現在もStoneyの曲が多く各ストリーミングで順位を上げていて、リリースから42週目にしてアルバムチャートのピークを更新する可能性も!?ちなみにピークはリリース時の6位です。

歌詞分析サイト、Geniusでこのrockstarとは誰を指すのか分析されています。AC/DCのBon Scott、The DoorsのJim Morrisonなどの名前が挙がっています。

 

1 Cardi B – Bodak Yellow (↑)

ついにテイラーを打ち破って1位に浮上したBodak Yellow!本人もこの喜びようです!

https://twitter.com/PopPoIls/status/912549468943392768

 *12

https://twitter.com/PopPoIls/status/912549468943392768

珍しい女性ラッパーとしての1位で、女性ラッパーがメインの曲では史上4人目の快挙。(Lauryn Hill、Lil Kim、Iggy Azaleaに次ぐ)*13 「ソロとして」またベースが「ファン層がポップではなくヒップホップリスナー」のという基準だとLauryn Hillに次いで2人目の快挙です。

 

もともとストリーミングで大人気だった曲が、iTunesの割引によってダウンロードが伸びてHot 100の1位になったというのが概要ですが、個人的に影なる立役者として注目したいのはラジオの粘りです。いわゆる「ストリーミングで人気を得て1位まで登りつめたラップ」は、軒並みラジオを苦手とする傾向があって、その系統のPanda、Black Beatles、Bad and Boujee、HUMBLE.がそれぞれ1位を取った時の数字は以下のような感じです。

    Radio Digital Streaming Weeks
2017/10/7 Bodak Yellow 13 3 2 13
2017/5/6 HUMBLE. 47 10 1 3
2017/1/21 Bad and Boujee - 2 1  
2016/11/26 Black Beatles 44 1 1 9
2016/5/7 Panda 27 2 1 9

 

Pandaの27位、Black Beatlesの44位、HUMBLE.の47位、Bad and Boujeeの圏外!など、ラジオの順位が低めなことが分かります。他の曲は突発的に1位になる曲以外はだいたいラジオ5位圏内に入っています。詳しいことは↓の記事に書きました。

 

ストリーミングで大人気ラップがラジオで数字が増えない理由は二つあって、まずは時間差。ストリーミングでの人気を認知して、ラジオでかかり始めた頃合いにはストリーミングでの人気は天井知らずで、ラジオのペースが追いつかないという点。

もう一つはジャンル別のラジオの規模にあります。現在アメリカでのラジオ局の規模は、ざっくりポップ*14系45%、R&B・ヒップホップ系*1520%、カントリー20%、ロック系*165%、ラテン系*175%、その他*185%といった比率になっています。つまりR&B・ヒップホップ系の局で無双したとしても、ポップ系のヒット曲にはラジオの数字は見劣りするのです。ヒップホップ曲がラジオでポイントを稼ぐには、R&B・ヒップホップ系の局で無双したうえに、ポップ系ラジオなど他の系統でもそれなりに数字を伸ばす必要があるのです。

 

今回のCardi Bは、アーバン・リズミックで1位になっただけでなく、ポップ系の局でも今週37位にランクイン!と幅広い支持を得た結果、ラジオで総合13位とストリーミングで人気になった系統のラップとしては上々のラジオ成績を叩き出したのです!

長々とラジオについて話してきましたが、今週Bodak Yellowが1位に登りつめた「主要な」理由は割引によるダウンロード増と、従来からのストリーミングでの好調です。

ただしジャンルの壁を乗り越え、ラジオでテイラーとの差がそこまで広がらなかったことも1位を獲得出来た影なる要因だと、私は思っています。

 

一方、テイラーは今週ラジオ10位と、初週いきなりラジオのみでHot 100入りしたときの勢いの良さを考慮するとかなり伸び悩んでいます。前のアルバムのリードシングル、Shake It Offは2週目*19にすでにラジオ9位まで伸びており、今回の5週目で10位という数字の伸び悩みが分かると思います。

このラジオでの不調を察知したからなのか、”Look”をiTunesで割引し、1位の奪還を目指しています。週の当初は割引の効果が現れiTunesダウンロード1位を独走しましたが、週の中盤に失速。前述したようにマイクロソフトのCMで絶賛放映中のImagine Dragons、Thunder*20iTunesの1位を明け渡しています。

一時はダウンロード増でテイラーの1位奪還の可能性が高まったと思われましたが、先週までと同様ラジオは相変わらず伸び悩んでいること、またBodak Yellowがダウンロードでも食い下がって差がそこまで広がっていないので、来週もBodak Yellowが1位の可能性も十分にありそうです。

ちなみにrockstarはダウンロードが少し減って、ラジオもまだあまりかかっていないので、来週1位の可能性はほとんど無いと思います。

 

× Bruno Mars – Versace On The Floor (↓)

ロングヒットの24K Magic、そして1位を奪取したThat’s What I Likeに続くシングルとして期待されたVersace On The Floorでしたが、ピーク33位、チャート滞在14週と物足りない成績でチャートを後に。24K Magic、That’s What I Likeはラジオで幅広い支持を得てヒットとなりましたが、この2曲と比べるとVersace On The Floorはラジオでのポイントが少し低かったですね……David Guettaと組んだディスコ風のリミックスもそこまで話題にはなりませんでした。

次のシングルとしてアダルトR&B局でかかり始めているChunkyに期待です。

 

× Playboi Carti – Magnolia (↓)

ミックステープから話題となり、知名度を上げたPlayboi Carti。今年はLana Del Reyのアルバムに客演するなど精力的に活動。

そんな彼のヒットシングル、Magnoliaが今週チャート圏外へ。ピーク29位、チャート滞在20週と新人としては上々の成績を記録。年間チャートにも入りそうです。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Sam Smith – Too Good At Goodbyes

今週最もダウンロードが上昇した曲 Cardi B – Bodak Yellow

今週最もストリーミングが伸びた曲 Yo Gotti feat. Nicki Minaj – Rake It Up

最も高い順位で新登場した曲          Post Malone feat. 21 Savage - rockstar

 

 

今週チャートから外れた曲 (6曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Lil Uzi Vert – 444+222 (🗻60位 /⏰3週)

99 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & Watt – Let Me Go (🗻99位 /⏰1週)

92 Katy PerrySwish Swish (🗻46位 /⏰10週)

83 Bruno Mars – Versace On The Floor (🗻33位 /⏰14週)

80 Kane Brown – Found You (🗻80位 /⏰1週)

63 Playboi Carti – Magnolia  (🗻29 /20)

 

 

Hot 100以外の場所で好調なものの、Hot 100にエントリーしていない曲をピックアップしました。

(調査対象:Spotifyデイリー、Shazam、Pandora、Apple Music、各種ラジオなど)

 

✫Post Malone feat. Quavo – Congratulations (Spotify 13位、Apple Music 22位)

Post Malone – I Fall Apart (Spotify 29位、Apple Music 24位)

Post Malone – Go Flex (Spotify 53位、Apple Music 78位)

Post Malone – White Iverson (Spotify 73位、Apple Music 99位)

Post Malone – No Option (Spotify 118位、Apple Music 194位)

Post Malone feat. Justin Bieber – Deja Vu (Spotify 200位、Apple Music 170位)

 

rockstarのヒットにより元から人気の高かったPost MaloneのStoneyのストリーミングがさらに増加。rockstar以前はCongratulations、Go Flex、White IversonがSpotifyApple Music両方の200位圏内に入り続けていましたが、最近になってI Fall Apart、No Option、Deja Vuあたりも200位圏内に入るように。

特にI Fall Apartは人気が急上昇中で、iTunesでも上位に。来週のHot 100入りするかも。リリースから約10ヶ月。シングル以外の思わぬヒットが生まれ、アルバムチャートのピークの更新の可能性が浮上するなど、驚異的なロングヒットとなっています。

GeniusはI Fall Apartのヒットの理由をライブが発祥と分析しています。

ロングヒットとなったアルバムの熱量がシングルチャートにも反映されるのはストリーミング時代のチャートの面白いところですね。

 

A$AP Ferg – Plain Jane (Spotify58位、Apple Music 37位)

両ストリーミングで数字を伸ばしているトラック。ラジオではあまりかかっていないようです。

 

Lauv – I Like Me Better (Spotify、Pop系ラジオ)

Spotifyで人気の1曲がポップ系ラジオに登場。Spotifyで人気がある程度あるうちに、ラジオが伸びればHot 100に入れそうですね。

 

*1:一番流行にノるのはポップ系ラジオ、あまり流行についていかず、独自の大人向けの曲を流すのがアダルト・コンテンポラリー系ラジオ。その中間がアダルトポップ系ラジオ。 規模はポップ > アダルトポップ > アダルトコンテンポラリー

*2:現在9位!

*3:アルバムはデラックス版も入れて全部で16曲

*4:これを見れば101位 ~ 125位相当の曲が分かります。あくまで「相当」ですが

*5:日本人によるアルバムチャート最高位は坂本九の14位なため、(参考リンク)もしかしたらアジアのアーティスト初のアルバムチャートトップ10入り?と直感的に思ったのですが、2010年にChariceというフィリピン人歌手がアルバムチャートの8位に入ったようですね。コメントでの情報提供、ありがとうございます

*6:年に5曲程度出る

*7:歴代9位の長さ。1位はMuseのMadnessの19週

*8:Maroon 5もDon’t Wanna Knowでトップ10入りしていますが、ビルボードはかかるラジオの系統からか、Maroon 5をロックに分類していない

*9:ロック系ラジオの1種。規模はポップ系の約1/50で小さいです

*10:CM効果で現在iTunes1位!!!ラジオも急上昇中です

*11:Bank Accountは15位 → 17位と順位を落として、トップ10入りに黄信号

*12:1位取ったぜ!と指をさしているのが本家のページではなく、市民Twitterの @chartdataな所が個人的な見どころです

*13:客演などではLudachrisの客演で1位になったShawnna、Terror Squadの一員として1位になったRemy Maも1位歴あり、また考え方によっては、シンガー色が強いものの、The Black Eyed Peasの一員として1位になったFergie、初期はラップ寄りのスタイルだったKeshaあたりもカウント可能???

*14:ポップ(別名メインストリーム40)、アダルトポップ、アダルトコンテンポラリー

*15:リズミック、アーバン(R&B、ヒップホップの総合局)、アダルトR&B

*16:オルタナティブ、ハードロック(ビルボードでは「メインストリーム・ロック」表記)、アダルトオルタナティブ

*17:ラテン、トロピカル、ラテンアーバン。スペイン語メインなものの、英語曲もそれなりにかかる

*18:カトリックなど

*19:ラジオチャートでの2週目、Hot 100では1週目に相当

*20:こちらは割引ナシ、通常価格

9/22 リリース新曲/新作のチャート初動を観察 【かつての盟友がつなげたコラボ?】

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今週もっとも注目を集めているリリースはMacklemoreとKeshaのGood Old Daysの模様です。この二人を繋げたのはあの人でした……!

 

Spotify デイリーのトップ10 (金曜日=9/22)

1 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
2 Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
3 Cardi B Bodak Yellow
4 21 Savage  Bank Account
5 Lil Uzi Vert XO TOUR Llif3
6 Khalid Young Dumb & Broke
7 Sam Smith Too Good At Goodbyes
8 French Montana feat. Swae Lee Unforgettable
9 Demi Lovato Sorry Not Sorry
10 Marshmello feat. Khalid Silence

 

先週リリースされたPost Malone + 21 Savageのrockstarが首位を独走。およそ270万/日程度という2位以下に大差をつけています。 2位の1-800-273-8255もrockstarには及ばないものの、健闘中。3位には来週Hot 100で1位を目指すBodak Yellow。

また6位にYoung Dumb & Broke、10位にSilenceとKhalidがじわじわ勢力を伸ばしています。

一方、テイラーは早くもSpotifyのトップ10から陥落。ダウンロード・ラジオでは好調ですが、このストリーミングでの成績が今後チャートで足を引っ張る可能性も?

 

② 新曲/新アルバムからのシングル Spotifyデイリー順位 (金曜日)

※22 Macklemore feat. Skylar Grey Glorious
34 BTS DNA
60 Macklemore feat. Kesha Good Old Days
69 DJ Snake feat. Lauv A Different Way
122 Tory Lanez Shooters
※126 Macklemore feat. Lil Yachty Marmalade
130 A Boogie Wit da Hoodie Say A'
148 Kygo feat. Sasha Sloan This Town
155 Noah Cyrus feat. XXXTENTACION Again
160 Kygo feat. Justin Jesso Stargazing
161 BTS Best Of Me
162 WALK THE MOON One Foot
170 Young Thug & Carnage Liger
187 BTS Go Go
196 Bhad Bhabie Hi Bich

 

今週リリースされた、Macklemoreのアルバムからの曲が多くエントリー。

先行シングルのGlorious、KeshaとのGood Old Days、Lil YachtyとのMarmaladeが200位圏内で登場。OffsetとのWilly Wonkaは入らず。

iTunesでは6位(後述)と、注目を集めているKeshaとのGood Old Daysですが、この2人をつなげたのはMacklemoreのかつての盟友、Ryan Lewisでした。

Ryan Lewisは今年、KeshaのシングルPrayingをプロデュースしましたが、そこで得た人脈をかつての盟友にもつなげたようです。

Macklemoreはインタビューで、Ryan Lewisを通してKeshaと連絡をとったと語っています。それぞれソロにはなったものの、友好的な交流が続いているようですね。

そのインタビューはこれです↓


次に注目するのは月曜日にEPをリリースしたBTS。リリース時点ではEPの9曲中8曲がSpotify 200位圏内に入るという快挙を達成!

ポップス作がここまでストリーミングでランクインするのは珍しく、2017年にここまでの割合でSpotify 200位圏内に入るのはEd Sheeran、Harry Styles、Lordeに次いで4番目の多さです。

(参考↓)

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他の作品が多くリリースされる金曜ではなく、このBTSのEPは月曜リリースだったことから「ライバルが少なかった」という要因もあるのですが、それを考慮してもこの躍進は大きなインパクトがあったといえると思います。とくにDNAは現在Spotify34位まで来て、Hot 100入り・今後のさらなる飛躍に期待が持てそうです。

2番人気はThe Chainsmokersが制作に携わったBest of Me。

BTSのチャート動向について詳しくは↓の記事に書きました。


他に注目したい曲がもう二つあります。まずはDJ Snake とLauvのA Different Way。

DJ Snakeが今年I Like Me Betterで躍進したシンガーLauvをボーカルとして迎えた1曲。曲のスタイルはMiddle ~ Let Me Love You系路線のサウンド。Turn Down For What時代の影が薄くなってきているのは少し物寂しくもありますが、代わりにメロディセンスが開花しているように思います。

 しかし、この曲最大のポイントは他のソングライター陣にあります。今年多くの曲で登場するEd Sheeran + Steve Macがこの曲に!自身のShape of Youだけでなく、Liam PayneのStrip That Down・Rita OraのYour Songなど今年数々のヒットでソングライトに携わっていて、その多くがヒット*1に。まさに「今年の顔」ともいえる二人を起用し、大ヒットを狙っていこうということなのでしょうか?

 

次はNoah CyrusとXXXTENTACIONのAgain。

以前も組んだLabrinthと制作のドリーミー風ポップの1曲で、サウンド的は彼女の今までのスタイルとはそう変化はありませんが、指摘されるのは客演のXXXTENTACION。

最近暴行疑惑が明るみになるなど、素行の悪さによって一部で嫌悪されているXXXTENTACION。そんな彼とのコラボとあってNoah Cyrusのファンからは「良い曲だけど、なぜXXXTENTACION?」のような意見が出ているようです。

若手ポップシンガー + 若手ラッパー + イギリス人プロデューサーと異質の組み合わせで音楽的にも注目を集める1曲ですが、この曲とXXXTENTACIONの今後はどうなるか…

参考記事 ↓

How Did This Noah Cyrus/XXXTentacion Song Happen? | Complex

 

ほかKygoの新EPからの新曲×2、Tory Lanez、A Boogie Wit da Hoodieの新曲などが登場。

 

iTunesップ10+新曲の順位 (金曜日)

1$ Taylor Swift Look What You Made Me Do
2 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
3 Imagine Dragons Thunder
4$ Cardi B Bodak Yellow
5 Portugal. The Man Feel It Still
6 Macklemore feat. Kesha Good Old Days
7 Sam Smith Too Good at Goodbyes
8 Imagine Dragons Believer
9$ Logic feat. Alessia Cara & Khalid 1-800-273-8255
10$ Demi Lovato  Sorry Not Sorry

 

18 Kelsea Ballerini High School
25 WALK THE MOON One Foot
35 Kygo feat. Justin Jesso Stargazing
39 DJ Snake feat. Lauv A Different Way
41 Demi Lovato Sexy Dirty Love
※47$ Fergie feat. Nicki Minaj You Already Know [Interlude]
※48 Macklemore feat. Skylar Grey Glorious
49 Asking Alexandria Into the Fire
※66 The Killers The Man
88 Tory Lanez Shooters

 

再来週の1位奪取 or キープに向けてテイラーが早めの割引を敢行。おそらくその週 (再来週発表のHot 100、10/14付け)の1位は割引が効いて”Look"になりそうです。1位を目指すライバルたち、特にCardi Bは来週に1位を取っておきたいところですね……!

先も述べたように、MacklemoreとKeshaのGood Old Daysがダウンロードで上位に。

WALK THE MOONは2015年間6位に入ったShut Up And Dance以来のHot 100入りを成し遂げるか?

 

iTunes アルバム順位

1 The Killers Wonderful Wonderful (Deluxe)
2 Macklemore GEMINI
3 Kevin Gates By Any Means 2
4 Lecrae All Things Work Together
5 G Herbo Humble Beast
6 Jhené Aiko Trip
7 Midland On the Rocks
8 Fergie Double Dutchess (Deluxe Visual Experience)
9 Mastodon Cold Dark Place (EP)
10 Matthew West All In

 

The KillersとMacklemoreの1位争いでしょうか。ストリーミングではMacklemoreに分がありますが、The KillersはDeluxeでないバージョンがiTunes アルバム15位にランクイン。果たして……

Fergie のDouble DutchessはビヨンセのLemonadeと同様、音源+ビデオの2枚組セットのようです。ストリーミングでは存在感が無かったですが、セールスはそれなりにあるようですね。

 

⑤ 各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

Pop #39 Hailee Steinfeld & Alesso feat. Florida Georgia Line & Watt Let Me Go
Pop #46 Fifth Harmony He Like That
Pop #49 Fergie feat. Nicki Minaj You Already Know
Pop #50 Ed Sheeran Perfect
     
AP #48 The Killers The Man
AP #49 Katrina Woolverton Hold Me Down
AP #50 One Republic & Seeb Rich Love
     
Rhyth #37 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit
Rhyth #44 Young Thug feat. Future Relationship
Rhyth #45 Kendrick Lamar feat. Zacari LOVE.
Rhyth #48 Gucci Mane feat. Migos I Get The Bag
Rhyth #49 Portugal. The Man  Feel It Still
     
Urban #36 Quality Control feat. Quavo, Takeoff & Offset Too Hotty
Urban #42 Miguel feat. Travis Scott Sky Walker
Urban #45 SZA The Weekend
Urban #47 Moneybagg Yo Doin' It
Urban #49 Kendrick Lamar feat. Zacari LOVE.
Urban #50 Playboi Carti feat. Lil Uzi Vert wokeuplikethis*
     
Coun #49 Darius Rucker For The First Time
Coun #50 Josh Turner All About You

 

Hailee Steinfeldの新曲が順調な滑り出し。

Rhythmic、Urabanでかかり始めたKendrick LamarのLOVE. この勢いでHot 100でも再登場するのでしょうか?

Ed Sheeranは次のシングルをPerfectに。ラジオ、ダウンロードはこれで少しずつ伸びていくと思いますが、ストリーミングはどうなのでしょうか。

ストリーミングで最も注目を集めたのはアルバムリリース時だったので、このシングル化とともにストリーミングでも再浮上することは可能なのか?ということに注目です。ストリーミングはアルバムを長持ちにしているのか、短命にしているのか…………??

*1:後者はアメリカのHot 100には入っていませんがヨーロッパ等ではヒット