チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Hot 100 3/31 見どころ 【Foster the People、6年ぶりのHot 100入り! / Freaky Fridayが9位スタート】

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 今週個人的に目をつけたのはFoster the Peopleの久々のHot 100エントリー!ほかFreaky Fridayのロケットスタート、XXXTENTACIONのアルバムなど

 

今週のハイライト

 

今週のHot 100まとめ

・アルバム1位のXXXTENTACION、7曲がHot 100に。”Sad!”は7位にまで浮上、彼にとって初のトップ10に。

・”Freaky Friday”が9位で登場。Lil Dickyは初のトップ10

・1日の集計ながらもShawn Mendes新曲が登場

・Foster the People、6年ぶりのHot 100エントリー

Eminem & Ed Sheeranの”River”、アメリカにそこまでハマらずチャートから11週で外れる。

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Zedd, Maren Morris & Grey – The Middle

今週最もダウンロードが上昇した曲 N*E*R*D & Rihanna - Lemon

今週最もストリーミングが伸びた曲 Migos feat. Drake – Walk It Talk It

最も高い順位で新登場した曲          Lil Dicky feat. Chris Brown – Freaky Friday

 

 

曲の個別解説

 

[New] 100 The Chainsmokers – Everybody Hates Me

 The Chainsmokersの”Everybody Hates Me”が100位で登場。前曲”You Owe Me”は104位相当でHot 100入りを逃していて、その時よりは良い成績を記録したということに。“Sick Boy”、”You Owe Me”とリリースを連発していますが、現在ラジオでかかっている(シングル)のは”Everybody Hates Me”のようです。

 ラジオではそれなりに調子が良いようですが、ストリーミングでは奮わないので今回もまたすぐにチャートから消えてしまうかも。”Roses”~ “Something Just Like This”あたりまではストリーミングで強かったThe Chainsmokersでしたが、アルバム以降くらいのタイミングから奮わないですね。

 

[New] 86 Foster The People – Sit Next To Me

 Foster the Peopleの”Sit Next To Me”が86位で登場!2012年以来、6年ぶりのHot 100に。通算3曲目のHot 100です。(大ヒット“Pumped Up Kicks”、2012年の”Don’t Stop”に次ぐ)

 久々のHot 100エントリーの主な要因はラジオ。今週、オルタナティブ系ラジオ(ロック系ラジオの最大系統)で3位のほか、ポップ系ラジオ33位、アダルトポップ系ラジオ19位を記録。オルタナティブ系ラジオでは人気をキープしていた彼ら*1ですが、今回はポップ系にまで人気が飛び火したことが大きかったです。

 少し前にHot 100にエントリーしていたWalk the Moonの”One Foot”と少し似ているチャートアクションを取っています。

 この曲にはBruno Marsのアルバムプロデュースで名を馳せたThe Stereotypes*2によるリミックスもあり、ストリーミングではそのバージョンが人気のようですね。

 

[New] 84 Luke Combs – One Number Away

 Luke Combsの”One Number Away”が84位で登場。カントリー系ラジオでの好調(この系統で15位)が効いてのエントリーです。昨年のアルバム“This One’s for You”から3曲目のシングル。

 ほかカントリー界からはDan + Shayの“Tequilla”が87位で再登場。この曲はカントリー系ラジオだけではなく、ストリーミングでもそこそこポイントを稼いでいるのが特徴。SpotifyでもApple Musicでも100位前後にエントリーしています。カントリーの曲としてはかなりの数字です。

 

[New] 72 Shawn Mendes – In My Blood

 Shawn Mendesの”In My Blood”が72位で登場。木曜日リリース、DLとストリーミングの集計は1日ながらも今週Hot 100に登場しました。

 ラジオでかなり数字を伸ばしていること、またダウンロードやストリーミングで数字をそこまで落とさずキープしていることから、来週はトップ10まで順位を上げそうです。

 彼の曲はロングヒットになる傾向がありますが、それは彼のサウンドがアダルト系ラジオと相性が良いからだと思います。アダルト系ラジオはアダルトポップ系(HAC)、アダルトコンテンポラリー系(AC)を指し、この系統は一度ヒットすると上位が変わりにくいという傾向があります。またロック~ギターサウンドとの親和性が高いです。

 

[New] 49 Lin-Manuel Miranda & Ben Platt – Found / Tonight

 銃規制を掲げるデモ、“March for Our Lives”のテーマ曲になった”Found / Tonight”が49位で登場。週の途中にリリースされ、今週1番多いダウンロードを記録しました。ただし、ポイントがダウンロードに傾きすぎているため、来週もチャートに残っているかは微妙。デモの当日3/24が集計に入るのは来週のチャートですが。(当日少しダウンロードが上昇していた)

 

[New] 35 XXXTENTACION – Moonlight

 XXXTENTACIONの”?”が今週アルバム1位に!その中から7曲がHot 100に。前回のアルバム”17”もHot 100への登場曲数は7曲でしたが、”?”はアルバムの曲数が多いことから、アルバム全体のストリーミング数は大きくアップしています。ほか純セールスなども伸ばし、見事初のアルバム1位を獲得しました。

 後述の”Sad”が7位で一番人気。次いで35位の“Moonlight”。ほか37位に”Changes”、67位に“The Remedy for A Broken Heart”、82位に”Numb”、83位に”Infinity”、95位の“Going Down”がHot 100に入りました。ほか101位以下相当の曲を扱うBubbling Under Chartでは、”Hope”(101位相当)、”$$$”(102位相当)、”Alone, Part 3” (106位相当)、”I Don’t Even Speak Spanish LOL “(113位相当)、”Smash!” (124位相当) が登場しました

 ”Infinity”で客演をつとめたJoey Badassは初のHot 100エントリーを達成。実はJoey Badass、アメリカよりも先にイギリスのシングルチャートに入った経験がありました。昨年にSnakehipsとの”Either Way”がイギリス47位を記録しています。

 また今週のアルバム「セールス」1位はメタリカです。最近定番の「チケット付きCD」戦略による浮上です。過去にも何回か「チケット付き」で浮上していたようです。

 

[↑] 28 Marshmello & Anne-Marie – FRIENDS

 MarshmelloとAnne-Marieの”FRIENDS”が28位に浮上。Marshmelloにとっては4曲目、Anne-Marieにとっては2曲目のトップ40に。

 ストリーミング&ラジオの両方で調子が良く、このペースならトップ10にも手が届くかもしれないです。ストリーミングの好調の割にHot 100で順位が伸びなかったMarshmelloの“Silence”と比べると、ストリーミングとラジオが同じタイミングで調子を上げている点が大きいです。

 Anne-Marieは上で説明したSnakehipsの”Either Way”に参加していました。*3

 

[↑] 20 Migos feat. Drake – Walk It Talk It

 Migosの”Walk It Talk It”が69位→20位と大きく上昇。ビデオ公開で大きくストリーミングがアップしました。

 ビデオ自体に注目が集まっただけでなく、その影響で他のストリーミングにも伸びが見られます。(例:Apple Musicでトップ10入り)

 このタイミングでシングル化してヒップホップ系ラジオでかかり始めているようです。近いうちにトップ10にも手が届きそうか?

 前シングル、”Stir Fry”は最近ポップ系ラジオにも飛び火していて、今後調子が上がればMigosにとっては珍しいポップ系ラジオのヒットになるかも?(Migosはポップ系ラジオと相性が悪く、”Bad and Boujee”でもこの系統では31位までしか到達しない)

 また”Narcos”はシングルではないですが、ストリーミングの成績などで今週もHot 100に残っています。(88位)

 

 ※ほかDrakeが客演の曲がもう一つジャンプアップ。新たにDrakeリミックスがリリースされたN*E*R*DとRihannaの”Lemon”が61位 → 40位。

 

[New] 9 Lil Dicky feat. Chris Brown – Freaky Friday

 ”Freaky Friday”が9位で登場。Lil Dickyは初の、Chris Brownは”Loyal”以来3年ぶりのトップ10に!

 今週ダウンロード3位+ストリーミング4位と各項目で高ポイント。DLとストリーミングを両立すると強いですね。ビデオも今のところ好調で、1日あたりの再生数が2018年のビデオのうち7番目に高いようです(英語曲だと2番目に高い)

 ほかSpotifyApple Musicなどでも数字が伸びてきていて今後もチャートでの上昇が期待できそうです。Chris Brownが久々にヒットに恵まれそうですかね!一つ気がかりなのはラジオの数字がイマイチまだ伸びていない所ですかね。

 

[↑] 7 XXXTENTACION – Sad!

 XXXTENTACIONの”Sad!”が7位にまで浮上!自身初のトップ10に。アルバムリリースによってストリーミング、ダウンロードが上向きました。特にストリーミングでは好調で、Apple Musicで一瞬だけDrakeの“God’s Plan”を抜いていました。

 自身の曲ではHip-Hop/R&B系ラジオへの登場歴が無い*4など、彼のシングルはほとんどラジオでかからない傾向が今までありましたが、トップ10に入るような大ヒットともなれば、ラジオ局もこの曲をかけ始めるでしょうか?チャートで上位を今後キープするにはある程度のラジオのポイントがほしいですかね。

 Apple Musicではこのアルバムを「ポップ」と分類していているなど、この”Sad!”はポップ系リスナーともそこそこ相性が良さそうに思うのですが、果たして……??

 

[↓] × Eminem feat. Ed Sheeran – River

 Eminem、Ed Sheeranの”River”がアメリカでそこまでハマらずピーク11位 / 滞在13週という成績でチャートを後に。年間チャートに入らなさそうです。

 リリース初週DLとストリーミングで大きな注目を集め、Hot 100で11位デビューを果たしたこの曲ですが、その後失速。ストリーミングの数字が早めに落ちてしまった上に、ラジオでそこまで人気にならなかった点が痛かったですね。Eminemは昨年のアルバムで大物ゲストを迎え、リリース時こそは注目を集めましたが、最終的にはそこまでヒットとなりませんでした。

 ただしアメリカ以外ではヒットしていて、Ed Sheeranの母国イギリスではシングルチャート1位で、トップ10滞在も長めでした。ほかオーストラリア2位、ドイツ2位などを記録しています。アメリカではヒップホップの層が厚すぎて、大物でも苦戦するケースがある、ということでしょうか?(そもそもUSヒップホップのリスナーになじまないタイプの曲だったという気もします)

 

[↓] × Demi Lovato – Sorry Not Sorry

 Demi Lovatoの自身最高のヒット、”Sorry Not Sorry”が今週チャートを後に。ピーク6位・チャート滞在36週とかなりの好成績を残しました。2017の年間チャートで47位に入ったこの曲ですが、ロングヒットということもあって2018の年間チャートにも入りそうです。

 ストリーミング+ラジオの両方でポイントをうまく稼いだ昨年のポップスの成功例の一つだと思います。アルバムも比較的評判が良かったということもあり、Demi Lovatoのステータスが上昇したような感覚もあります。

 個人的に、このパワフルな歌声はヒップホップリスナーにも響く気がします。今後のキャリアに密かに期待しています。*5

 

[↓] × A$AP Ferg – Plain Jane

 A$AP Fergの”Plain Jane”がチャートから今週外れました。ピーク26位、25週滞在とそれなりの成績を記録。Nicki Minajのリミックス効果による「延命」も効いて、2018の年間チャートに入れそうです。

 “No Limit”、”King’s Dead”と並んで“Slob On My Knob”ブームの火付け役の1曲です。

 自身初のトップ40ヒットに恵まれたA$AP Fergは今後どのようなキャリアを歩むでしょうか!

 

 

今週チャートから外れた曲 (17曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

98 Logic feat. Young Sinatra – Warm It Up (🗻98位 /⏰1週)

97 Logic – BoomTrap Protocol (🗻97位 /⏰1週)

93 ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi – X (🗻49位 /⏰5週)

91 Keala Settle – This Is Me (🗻58位 /⏰11週)

88 Lil Yachty feat. Ugly God – Boom! (🗻88位 /⏰1週)

87 Logic – Yuck (🗻87位 /⏰1週)

85 Eminem feat. Ed Sheeran – River (🗻11位 /⏰13週)

83 Logic feat. Big Sean – Wassup (🗻83位 /⏰1週)

74 Logic – Midnight (🗻74位 /⏰1週)

73 Lil Yachty feat. Trippie Redd – 66 (🗻73位 /⏰1週)

68 Logic – Overnight (🗻68位 /⏰1週)

60 Logic - Contra (🗻60位 /⏰1週)

56 Logic feat. Wiz Khalifa – Indica Badu (🗻56位 /⏰1週)

48 Demi Lovato – Sorry Not Sorry (🗻6位 /36週)

47 A$AP Ferg – Plain Jane (🗻26位 /25週)

 

 

来週以降の動向 / 過去チャートの振り返り・プレイリスト

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集

 

Keith Urban feat. Julia Michaels – Coming Home

 先週の記事で触れた「ポップとカントリーの融合」に当たる曲。この融合はラジオの2大系統を抑えられる点で強いのですが、この曲はリリースから1週間でカントリー系ラジオ23位と、早々に人気を得ているようです。ポップ系リスナーにも飛び火、”Meant to Be”のようなヒットになり得るか?

 

David Guetta, Martin Garrix & Brooks – Like I Do

David Guetta & Sean Paul feat. Becky G – Mad Love

 Spotifyで調子を上げている2曲。”Mad Love”のほうがポップ系・リズミック系などラジオでもかかり始めているようです。David Guettaは他国でヒットに恵まれていますが、アメリカでは最近ヒットに恵まれていませんね。

 

Echosmith – Over My Head

 アダルトポップ系統で少しずつ浮上中。Hot 100にはまだ遠そうですが、ラジオがじわじわ伸びてしばらく後のHot 100入りの可能性があるかも。

 

 

・その他の新曲情報はこちらを参照してください!

 

 

✫半年前のHot 100

後に伸びる”No Limit"、”Gucci Gang"が登場

 

✫1年前のHot 100

 

Frank OceanとLordeの曲がHot 100に登場

 

・プレイリスト

 

「Hot 100 見どころ 3/31」をApple Musicで

*1:2014年の“Coming of Age”はオルタナティブ系ラジオで4位まで到達

*2:彼らは日本のアクトとも関連があり、三浦大知やジェロのプロデュースを最近行ったようです。ほかRed Velvet、EXOなどK-Popアクトのプロデュースも行っています。

*3:Joey Badass と Anne-Marieを今週のサムネ画像にしてみようかなとも思ったのですが、二人が一緒にいる写真は見当たりませんでした💦

*4:客演の“Roll in Peace”はHip-Hop/R&B系ラジオやリズミック系ラジオチャートの下位に登場したことがある

*5:高山マミ著、『ブラック・カルチャー観察日記』によると、黒人の間では“Sang”という概念があり、これは単に「歌が上手い」というだけでなく、もっと「魂の入った」「コブシを効かした」みたいな意味だそう。黒人はこの”Sanger”の曲を聞くと顔をゆがめて喜ぶそうですが、Demi Lovatoのパワフルボイスはこの概念に該当するのではないか?と個人的に考えたのです。最近Demi LovatoはDJ KhaledやQ-Tipと組んでいるので、この路線を取る可能性があるかも? あと他に個人的に“Sanger”っぽいと思っているのはSam Smithです。

3/23 リリース新曲/新作の初動を観察 【Shawn Mendes好発進!日本人が恋人? / Panic! at the Discoも好調】

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 今週注目を集めているのはShawn Mendesの新曲!”In My Blood"は各種ランキングで絶好調!そしてもう一つの”Lost in Japan”では日本人の恋人?を予感させる歌詞が!?

 

Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日)

1 Drake  God's Plan 2,476,351
2 XXXTENTACION SAD! 1,967,751
3 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho 1,859,868
4 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive 1,688,253
5 Shawn Mendes In My Blood 1,242,334
6 XXXTENTACION Moonlight 1,223,696
7 Lil Dicky feat. Chris Brown Freaky Friday 1,115,990
8 Rich The Kid Plug Walk 1,077,174
9 Kendrick Lamar & SZA All The Stars 1,067,792
10 Migos Stir Fry 1,041,805

※赤字は新曲、数字は一日の再生数

 

 Shawn Mendesの新曲”Lost in Japan”がSpotifyで上位へ。近年ポップスはSpotifyで苦戦の傾向があり、昨年Hot 100ではトップ10入りした彼の“There’s Nothing Holdin’ Me Back”でもSpotifyのピーク(デイリー)は26位でした。そのような近年の傾向を考えるとなかなかの好成績であると分析できます。この勢いをキープし、今後もSpotify上位をキープできるか。

 ダウンロード・ラジオで好調なのでこのままストリーミングでの調子をキープできれば、いきなりHot 100でのトップ10デビューも考えられそうです!

 先週に引き続きXXXTENTACIONの曲が2つSpotifyトップ10に残っています。前のアルバムでもそうでしたが、彼のアルバムはリリースから時間が経ってもストリーミングの数字をよくキープしていますね。現時点でもアルバムの18曲中17曲がSpotifyのランキング200位圏内に入っています。

 ほか”Plug Walk”、”Freaky Friday”がストリーミングで調子を上げてSpotifyのトップ10に突入しています。

 今週は全体的にストリーミング数が高くSpotifyトップ10は全曲 100万/日再生を達成。上位の顔ぶれはそこまで変わりませんが、“God’s Plan”が落ちてきているためどこかのタイミングで”Sad!”と入れ替わるかもしれません。

 

② 新曲/新アルバム アメリカSpotifyデイリー順位

16 Shawn Mendes Lost In Japan
27 Panic! at the Disco Say Amen
35 N.E.R.D & Rihanna feat. Drake Lemon (Drake Remix)
58 Diplo feat. Lil Xan Color Blind
84 BlocBoy JB feat. 21 Savage Rover 2.0
98 Panic! at the Disco (F**k a) Silver Living
127 David Guetta feat. Sia Flames
139 Diplo feat. Trippie Redd Wish
143 Diplo feat. Lil Yachty & Santigold Worry No More
162 Bazzi Honest
181 Belly feat. YG 4 Days
193 KYLE feat. Kehlani Playinwitme

 

 Shawn Mendesは”Lost in Japan”も好調。この曲は” I'm a couple hundred miles from Japan” *1という「日本の恋人」を示唆するような歌詞も注目されているようです。アートワークも日本を連想とさせる桜が採用されていますね。

 この曲とは直接関係ありませんが、リリックビデオが日本スタイルの先週リリースされたFamous Dexの”Japan”もストリーミングで調子を上げています。

 

 Diploは今週リリースのEPのうち3曲が登場。このEPでは客演がほとんどラッパーで、最近のトレンドである「ヒップホップの要素を吸い上げたポップス」のようなサウンドが特徴です。

 その中でもLil Xan、Trippie Redd、Lil Yachtyが客演の曲がそこそこ人気です.

Lil Xanは最近良くも悪くも注目を集めているラッパーです。Rich Homie Quanは彼を「最もワック(贋物)のラッパーだ」と宣言しています。その背景にあるのは彼の「2パックはつまらない」という発言のようです。


 本人はそれを反省したのか、最近のライブで2 Pacの“California Love”をかけながらパフォーマンスを行ったようです。彼の行く末はどうなる???ちなみに4/6にアルバムをリリース予定です。そしてけっこうイケメンです。

 

 Trippie Reddは今週オーストラリアの女性DJ、Alison Wonderlandとの”High”もリリースしています。

 

 もう一つの注目はPanic! At the Disco。今まで5枚のアルバムをリリースし、2016年の前作“Death of a Bachelor”はアメリカでアルバム1位を獲得するなど今までも充実したキャリアを送っているエモバンドの新曲が好調です。最近はロックバンドのヒットが少なく、それはストリーミングとの相性の悪さに依る部分が大きいと分析されていますが、それを打ち破るような活躍を今後見せられますかね?順調なスタートを切った、名エモバンドの新曲のストリーミング動向に注目です。

 

 ほかBlocBoy JB、Bazziなど新進アクトの新曲、KYLEとKehlaniのコラボ曲などが登場。David Guetta + Siaの名コンビの新曲も。

 

③  iTunesアメリカ 新曲の順位など

1 Shawn Mendes In My Blood
2 Shawn Mendes Lost in Japan
3 Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant to Be
4 Panic! At the Disco Say Amen (Saturday Night)
5 Drake  God's Plan
6$ Camila Cabello Never Be the Same
7 Imagine Dragons Whatever It Takes
8 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
9 Ben Platt & Lin-Manuel Miranda Found / Tonight
10 Bad Wolves Zombie

$は割引

 

 Shawn Mendesが3位以下にそれなりの差をつけてiTunes1位・2位を支配。“In My Blood”はこのまま週末までiTunes1位をキープして今週のダウンロード1位になりそうです。ほか新曲ではPanic! At the Discoの”Say Amen”も好調です。 

 Camila Cabelloの”Never Be the Same”がビデオ公開+割引などでダウンロード浮上、先週の途中に登場したLin-Manuel Mirandaの”Found / Tonight”は今週もiTunesトップ10に残っています。

 

・新曲群

21 Jason Aldean Gettin' Warmed Up
25 NEEDTOBREATHE Bridges Burn
28 David Guetta & Sia Flames
31 Keith Urban feat. Julia Michaels Coming Home
32 N.E.R.D & Rihanna feat. Drake Lemon (Drake Remix)
34 Panic! At the Disco (F**k a) Silver Living
41 The Belonging Co feat. Natalie Grace Isn't He
52 Ryan Hurd Diamonds or Twine
65 Josh Groban Symphony
70 Kacey Musgraves High Horse
72 KYLE feat. Kehlani Playinwitme
73 Todrick Hall feat. Rupaul Dem Beats
81 Breaking Benjamin Psycho
82 Toni Braxton Long As I Live
86 Jesse McCartney Better with You
92 Jack & Jack  I Don't Know
100 Revol, J Balvin & Bad Bunny feat. Arcángel & De La Ghetto Dime

 

 2008~2009年あたりに”Leavin’”などヒットを飛ばしたJesse McCartneyがiTunes下位に登場しています。先週半ばに登場した“Lemon”のDrakeリミックスはiTunes中位。

 ”Lemon”のHot 100での順位上昇にある程度寄与しそうです。

 

④  iTunes アルバム順位 (アメリカ)

1 サントラ The Greatest Showman
2 Jack White Boarding House Reach
3 Toni Braxton Sex & Cigarettes
4 Jordan Davis Home State
5 XXXTENTACION ?
6 George Ezra Staying at Tamara's
7 blessthefall Hard Feelings
8 Jordan Feliz Future
9 サントラ Hamilton
10 Imagine Dragons Evolve

 

 iTunesアルバム1位は”The Greatest Showman”のサントラ。ストリーミングやフィジカルの指数が安定していることから、この週1位を獲得できるかも?ライバルは2つあると思います。まずはJack White。リリース直後はiTunesアルバム1位だったのですが、早いタイミングで1位陥落。それでもこのアルバムが1位を取れるかも?と思ったのは最近定番の「チケット付きCD」の予感がするからです。

 昨年一部のロック系アクト(LCD SoundsystemやBrand Newあたり)がチケット付きCDでセールスを伸ばしてアルバム1位を獲得、ということがあったので立場が似ているJack Whiteもチケット付きCDをしそう、と直感しました。Twitterでそのような内容を検索してみると、それらしき発言が何件か見られたため、本当に「チケット付きCD」がありそうな気がします。


 正式なソースではないので、何とも言えない部分もありますが、Jack Whiteチケット付きCDでのセールス増をしている可能性が高そうです。(誰かチケット付きCDを売っているか / 売っていないかを調べるサイトがある方は教えてください)

 

 もう一つのアルバム1位候補は先週からの高いストリーミング指数をキープしているXXXTENTACIONですかね。

 

⑤ ラジオの近況

※数字は現在推定ラジオ順位

 

・上り調子

5 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
3 Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line Meant to Be
22 Devin Dawson All On Me
13 Camila Cabello Never Be The Same
46 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
1 Bruno Mars & Cardi B Finesse
45 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
4 Drake God's Plan
54 Bazzi Mine
34 Jason Aldean You Make It Easy

 Hot 100でも好調の”The Middle”や”Meant to Be”がどんどんラジオを伸ばしています。2曲とも運が良ければHot 100で1位を獲得できるかも?

ストリーミング発の”Look Alive”や”Mine”がラジオでも存在感を示し始めています。また、ビデオを公開した”Never Be the Same”が調子を上げています。

 

・下り調子

16 Selena Gomez & Marshmello Wolves
24 Chris Stapleton Broken Halos
11 NF Let You Down
2 Ed Sheeran Perfect
14 Charlie Puth How Long
23 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
38 Macklemore feat. Kesha Good Old Days
25 Shawn Mendes There's Nothing Holdin' Me Back
10 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
36 Scotty McCreery Five More Minutes

 他のMarshmelloの曲が好調なことから、それと入れ替わる形で”Wolves”がシングルとしての役目を終えつつあります。このシングルも「中ヒット」に終わりそうなSelena Gomezが次にどんな手を打つのか密かに注目です。

 

・今週ラジオでかかり始めた曲

✫ポップ系

35 Shawn Mendes In My Blood
46 Halsey feat. Big Sean & Stefflon Don Alone
48 The Chainsmokers Everybody Hates Me
49 Khalid & Normani

Love Lies

 Shawn Mendesの新曲がリリース直後から快調。かなりラジオの指数が期待できそうです。ここ最近のシングルがアメリカでは奮わないThe Chainsmokersはラジオでうまくポイントを稼げるでしょうか。

 ほかイギリス人女性ラッパーStefflon DonとBig Seanを迎えたHalseyのシングル、Khalid + Normaniの”Love Lies”が登場。Normaniはこの曲をヒットさせてFifth Harmonyの他メンバーを勇気づけたいところですね……

 

✫アダルトポップ系

42 Shawn Mendes In My Blood
44 AJR feat. Rivers Cuomo Sober Up

 こちらでもShawn Mendesの新曲が好調。アダルトポップ系ではロック~ギター系サウンドをベースにした曲が伝統的に人気なのでShawn Mendesはこの系統と相性が良いと思います。

 ほかAJRの”Sober Up”が登場。この曲もロック系サウンドがベースとなっています。オルタナティブ系ラジオでの人気がアダルトポップ系ラジオに飛び火しました。客演がWeezerのRivers Cuomoという点が目を引きます。

 

✫リズミック系

32 G-Eazy feat. Charlie Puth Sober
42 Marshmello & Anne-Marie FRIENDS
43 Lil Dicky feat. Chris Brown Freaky Friday
44 Janelle Monae Make Me Feel
48 MAX feat. gnash Lights Down Low
50 H.E.R. Focus

 G-EazyとCharlie Puthの“Sober”が数字を伸ばしています。ビデオも公開されたG-Eazyの新シングルです。強力なタッグということもあり、今後広い系統のラジオでかかりそうです。”Freaky Friday”はリズミック系統とかなり相性が良さそう。

 ほか”FRIEDNS”、”Make Me Feel”、”Lights Down Low”などポップ系ラジオで人気の曲がリズミック系に飛び火など。

 

✫アーバン系

47 Keke Palmer Bossy
48 Lil Dicky feat. Chris Brown Freaky Friday
49 Eric Bellinger feat. Wale G.O.A.T.

 女優兼歌手のKeke Palmerが登場。

 

⑥ 各種トップ10

Apple Music (更新が遅いため、新リリース反映「前」)

1 Drake  God's Plan
2 XXXTENTACION Sad!
3 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
4 XXXTENTACION Moonlight
5 Migos feat. Drake Walk It Talk It
6 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
7 Lil Dicky feat. Chris Brown Freaky Friday
8 Migos Stir Fry
9 Offset & Metro Boomin Ric Flair Drip
10 Kendrick Lamar & SZA All the Stars

 Spotify同様、XXXTENTACIONのアルバムは先週に引き続き高いストリーミング数をキープ。Hot 100でも大量登場の予感。ヒップホップ系リスナーにも刺さりそうなポップトラック、”Freaky Friday”はApple Musicでも人気を獲得。

 

・パンドラ

1 Drake God's Plan
2 Bazzi Mine
3 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
4 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
5 Jason Aldean You Make It Easy
6 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
7 Bruno Mars & Cardi B Finesse
8 🔥 Post Malone I Fall Apart
9 Kendrick Lamar & SZA All The Stars
10 Kendrick Lamar & The Weeknd Pray For Me

🔥はHot Streak (本来は古い曲として除外される曲だが、上昇の見込みがあるのでチャートに残っている曲)

 

 ”Psycho”が上位進出。ラジオのリスナーにも強いストリーミング発ヒット曲。Pandoraはラジオ形式のストリーミング。

 

YouTube (集計期間 3/9~3/15)

1 Drake God's Plan
2 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
3 Offset, Metro Boomin Ric Flair Drip
4 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
5 Rich the Kid Plug Walk
6 Migos  Stir Fry
7 Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line Meant to Be
8 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
9 Bruno Mars & Cardi B Finesse
10 Kendrick Lamar & The Weeknd Pray for Me

 集計期間の都合上、先々週分のデータ、つまり先週のチャートに対応する集計期間なのでデータが古めです。

 YouTubeの情報の規約を見たところ、一部ユーザーのビデオまでカウントしているようです。つまり、YouTubeのランキングには一部違法音源?もカウントされている可能性があるとも言えます。YouTubeビルボードのチャートにもカウントされているので、比率はとても低いとはいえ一部違法音源?もカウントされている?のかもしれません。不思議なものですね。

 

・Album Of The Year / Most Popular

1 Jack White  Boarding House Reach
2 Preoccupations New Material
3 Young Fathers Cocoa Sugar ✫
4 Sunflower Bean Twentytwo in Blue ✫
5 Hot Snakes Jericho Sirens ✫
6 Mount Eerie Now Only ✫
7 Prhyme Prhyme 2
8 U.S. Girls In a Poem Unlimited ✫
9 Hookworms Microshift ✫
10 Rae Morris Someone Out There ✫

✫つきは高評価 (平均75点以上)を得たアルバム

 

 Jack Whiteの新譜が注目を集めています。NMEが満点の一方、Pitchforkは4.7/10点と賛否が分かれています。ユーザーからの評価はかなり低いようです(現在 55/100点)今週の新譜からはPreoccupations、Sunflower Beanなどが登場。

 AOTYでは少し前の評価の高いアルバムが再浮上するケースもあるようです。シングル”Someone Out There”のビデオが公開された影響か、Rae Morrisのアルバムが少し注目を集めているようです。私もこのアルバム好きです。エレポップ系統のアルバムです。

 

⑦ 個人的・今週のお気に入り7曲

 「今週」と題していますが、新曲でない曲が混ざるケースもあると思います。

 

・Shawn Mendes – Lost in Japan

・Diplo feat. Desiigner – Suicidal

・Kyle feat. Kehlani - Playinwitme

加藤ミリヤ – 二人の関係 (Prod. Seiho)

・Yxng Bane – Vroom (イギリス / ヒップホップ)

・kiki vivi lily & SUKISHA – Rainbow Town (日本 / R&B~ポップ)

・Sam Padrul feat. Jason Gaffner (Funk LeBlanc Remix) (アメリカ / ディスコ)

*1:ただし実際には、北米と日本は100万マイルどころか、2000万マイル離れているらしいです

Hot 100 3/24 見どころ 【Logic、アルバム&シングルで好成績! / 2大ラジオ系統を抑えたヒット】

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今週のハイライト

 今週際立ったのはLogic。アルバム&シングルで好成績を収めました。写真は渋谷で撮影された”Overnight"のビデオの一部です。ほか、ポップ&カントリーの2大ラジオ系統で浮上するヒット、人気のファンビデオ・ソングライトの分業制など。

 

・忙しい人向けのHot 100まとめ

・アルバム1位のLogic、Hot 100には10曲がエントリー。一つのアルバムから10曲以上がHot 100にエントリーするのは歴代17回目の事例

・アルバム2位のLil Yachtyは3曲がHot 100に

・テイラーの新シングル "Delicate"が84位で新登場

・ストリーミング好調の”Plug Walk"がトップ40

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Zedd, Maren Morris & Grey – The Middle

今週最もダウンロードが上昇した曲 Maroon 5 - Wait

今週最もストリーミングが伸びた曲 Logic & Marshmello – Everyday

最も高い順位で新登場した曲          Bad Wolves - Zombie

 

曲の個別解説

 

84 [New] Taylor Swift – Delicate

 テイラーの新シングル “Delicate”が84位で登場。3/11にリリースされたビデオと、ラジオでの浮上の効果によるHot 100エントリーと思います。今週ポップ系ラジオ32位など、少しずつラジオで支持を得ています。

 今までのシングルは不調に終わっていますが、この“Delicate”は現在Spotify44位など浮上の兆しが出てきました。ここに来てようやくシングルヒットに恵まれるでしょうか……いずれのシングルもピークはそこそこだった一方、すぐに落ちたことで「不調感」が出たので、できるだけ長く上位にとどまり、その印象を払拭したいところですね。

 

63 [New] Lil Yachty feat. NBA Youngboy – NBA Youngboat

 アルバム2位のLil Yachtyの”Lil Boat 2”からは3曲がHot 100に。Ugly Godと  の”Boom” が88位、Trippie Reddとの“66”が73位、NBA Youngboyとの”NBA Youngboat” が63位にエントリー。NBA Youngboyは今週”No Smoke”と“Outside Today”でHot 100にエントリーしているYoungBoy Never Broke Againと同一人物。なぜかそれぞれで別名義になっています。

 ほか101位以下相当の曲を扱うBubbling Underには5曲が登場。Lil Baby, Offsetとの"Micky"が125位、2 Chainz, K$puremeとの"Oops"が120位、Lil Pump, Offsetとの"Baby Daddy"が119位、Quavoとの"Talk To Me Nice"が115位、PnB Rockとの"She Ready"が112位でした。(正式な順位ではなく、相当する順位)

 “Lil Boat 2”の純セールスはわずか7000でしたが、ストリーミングで大きく数字を稼ぎアルバム2位に。セールスやストリーミングを合算した指数もアルバムチャートの順位も前作を上回っています。(前作”Teenage Emotions”はアルバム5位でした)

 

 ほかアルバムチャートでは元Talking HeadsDavid Byrneが注目を集めているのはチケット付きCDなどでセールスを伸ばし、自身最高のアルバムチャート3位に食い込みました。ちなみにTalking Heads名義でも、アルバムチャートでの最高位は15位だったので、それも上回ったことになります。

 

58 [ ↑ ] Khalid & Normani – Love Lies

 「それぞれのソロ活動に専念」として活動休止を発表したFifth Harmony。その「ソロ活動」に該当するNormaniの”Love Lies”が順位を上げて今週58位。

 時折Spotifyのトップ10に食い込むなど、ストリーミングでは好調ですが。ラジオでまだ伸びていないため、中位に留まっています。ラジオのサポートがあれば上位に食い込める予感がします。

 ストリーミングで好調ながらも、ラジオに恵まれずそこまでHot 100で順位を上げられなかったKhalidとMarshmelloの”Silence”パターンになるのか、または非シングルから出発しながらもストリーミングで人気を得て、最終的にはラジオでも人気を得てHot 100の首位まで獲得した”Havana”パターンになるのか?注目のシングルです。この曲が成功を収めれば、他のFifth Harmonyメンバーの活力にもなりそうです。

 他のメンバーがHot 100に入ったのは、Lauren Jaureguiのみ。Halseyの客演を務めた”Strangers"が100位に1週間だけエントリーしていました。  

 

56 [New] Logic feat. Wiz Khalifa – Indica Badu

 Logicのミックステープ”Bobby Tarantino Ⅱ”からは8曲が新登場!“Indica Badu”の56位が最高位です。これに既存の”44 More” (46位)、”Everyday” (29位)を合わせて 10曲がHot 100に!

 一つのアルバムから10曲がHot 100に入る記録を達成 (歴代17回目) ↓参考

 

 今週のアルバムチャート1位。今回はミックステープという立ち位置のためか、純セールスは前作”Everyday”の 六分の一程度ですが、ストリーミングでは前作を上回っています。(両方とも初週の数字)*1

 

(参考) このミックステープのサンプリング集です。

 

 “Wassup”は”Mercy”のサンプリングかと思っていたのですが、正確には“Mercy”と同じサンプリングを使用している、なんですね。

 

54 [New] Bad Wolves – Zombie

 ハードロックバンド、Bad WolvesによるThe Cranberriesの”Zombie”カバーが54位で登場。バンド初のHot 100エントリー。今週ダウンロード2位で、ポイントのほとんどをダウンロードから得ています。ハードロック系ラジオでは11位に入っています。

 ハードロックバンドによるカバー曲で、かつポイントの多くをダウンロードから得ているという点で、Disturbedの”Sound of the Silence”を彷彿とさせます。

 

36 [ ↑ ] Kane Brown – Heaven

 カントリー歌手Kane Brownの”Heaven”が36位に浮上。これで2シングル連続トップ40を達成しています。カントリー界期待の若手です。

 カントリー系ラジオ12位のほか、カントリーシンガーとしてはストリーミングでそこそこ強いのが武器です。(Spotify 100位くらい、Apple Music 80位くらい)

 この曲では、本人がソングライトクレジットに載っておらず、ソングライトを他人に任せた「分業制」の1曲。現在このような曲は減少傾向ですが、(昨年のUSシングル年間チャートにはこのような曲が2つ*2しかなかった)、カントリーでは現在でもよく行われているようです。

 

29 [ ↑ ] Marshmello & Logic – Everyday

 Logicのミックステープ、”Bobby Tarantino 2”収録曲のうち一番人気があったのはMarshmelloとの”Everyday”。29位とトップ40に浮上しています。Logicにとっては4曲目、Marshmelloにとっては3曲目のトップ40です。両者とも、ここ1年ぐらいで急上昇しています。

 MarshmelloはAnne-Marieとの”FRIENDS”が今週41位で、トップ40間近になっています。この“FRIENDS”はイギリス4位、ドイツ1位、さらにアメリカとチャートの動きが似ているカナダでも8位と、絶好調。アメリカでもいずれはトップ10まで到達できるか?

 

25 [ ↑ ] Rich the Kid – Plug Walk

 Rich the Kidの”Plug Walk”が25位に浮上。キャリア初のトップ40を達成。Spotify7位 / Apple Music 13位と絶好調のストリーミングが浮上の要因です。現在ラジオで人気を得ているKendrick Lamarとの”New Freezer”も今週43位とトップ40に接近中です。

 2013年ごろからミックステープのリリースを続け、そこそこキャリアのある彼ですが、今年その才能が注目を集めそうです。*3

 

16 [ ↑ ] Camila Cabello – Never Be the Same

 Camila Cabelloの”Never Be the Same”が16位と少し順位を上げました。3/8に公開された「公式ビデオ」の効果が反映された週なのですが、そこまで大きな効果はありませんでした。ただしラジオを筆頭に好調をキープしているのでトップ10はまだ狙えそうです。

 ほかトップ10に今後入りそうなのはBazzi”Mine” (17位)でしょうか。NFの”Let You Down”(今週13位)はラジオの伸びが止まってきたので少し厳しいかもしれません。

 また、XXXTENTACIONの”Sad!”も来週アルバムリリースがチャートに反映されるので、トップ10に手が届くかもしれないです。

 

 少し前に公開されていたファンビデオ?も実は好調。正式ビデオがちょっと前衛的だったので、こちらのほうが人気は出ていたかも?(個人的にはファンビデオのほうが好きですかね、ちょっとベタではあるのですが)

 


(正式ビデオは これ ) 

 

4 [ ↑ ] Bebe Rexha & Florida Georgia Line – Meant to Be

 Bebe RexhaとFlorida Georgia Lineの”Meant to Be”がさらに順位を伸ばして4位に到達。Florida Georgia Lineのキャリアピークの”Cruise”と同じ順位にまで到達しました。Bebe Rexhaはキャリアピークを更新中です。

 ポップス+カントリーという2大ラジオ系統で人気を得ているのでラジオではかなり強いです。さらにダウンロードも高い水準をキープ、ポップとカントリーの両方が苦手としがちなストリーミングもそこそこの成績を記録していて(特にYouTubeで人気)、隙がありません。

 現在ラジオでの上昇が加速しているということもあって、まだまだHot 100の順位が伸びるかも?今週1位の”God’s Plan”はストリーミング低下中、今週2位の”Perfect”もラジオが息切れしてきるということもあり、1位取りのチャンスもあるかも?

 

 昨年ポップス+カントリーの2大ラジオ系統で人気だった”Body Like A Back Road”も年間8位と大成功を収めたので、ポップスとカントリーの融合はアメリカで密かなトレンドになるかもしれないですね?(今年のJustin TimberlakeとChris Stapletonの”Say Something”もそうですね) このポップスとカントリーの融合はラジオの2大系統を抑えられるメリットが大きいです。仮にストリーミングで人気が出ずとも、この2系統のラジオポイントだけでもかなり数字を稼げます。

 

× [ ↓ ] Post Malone – Candy Paint

 Post Maloneの”Candy Paint”がチャートから姿を消しました。ピークは50位、チャート滞在は20週で「完走」を果たしました*4

 ”rockstar”のヒットに引っ張られる形で、”Go Flex”、”I Fall Apart”などと共にストリーミングで人気を得てHot 100に登場。

 

× [ ↓ ] Carrie Underwood feat. Ludacris – The Champion

 ビデオのリリース、割引などで何回かチャートに再登場したアメリカでのオリンピックのテーマ曲”The Champion”ですが、パラリンピックも終わり追加プロモーションが無さそうなことから、これでラストかもしれないです。一応アダルトポップ系ラジオで少しかかっていたみたいですが、そこまでインパクトは無し。ごく一部の期間に「お祭り」的にHot 100にエントリーする様は、少しだけクリスマス曲と似ています。

 

 次の世界的なスポーツイベントといえば、FIFAワールドカップですが、その主題歌は……Jason Deruloが担当。“Colors”という曲なのですが、開催が先ということもあるのか、まだヒットとはなっていません。

 この曲はアメリカで「三重苦」を受ける気がします。世界的にサッカーは大人気スポーツと言われますが、アメリカでは他のスポーツが盛んなことから、相対的サッカーの人気が無いです。このことから、そもそもワールドカップに興味のないアメリカ国民が多いと推測されるのですが、今回のロシア大会にはアメリカが出れなかった!ので、さらにその興味が低下すると思われます。

 さらにJason Deruloはアメリカ人歌手ながらも、直近の”Tip Toe”がHot 100に入らないながらもアメリカで意外と最近奮わないのです。(イギリスではトップ10入り)

 「そもそもサッカーに興味ない」「アメリカが出ない」「Jason Derulo奮わない」の3点でアメリカでのヒットがあまり期待できなさそうです。

 

× [ ↓ ] Macklemore feat. Kesha – Good Old Days

 ”Good Old Days”がチャートから姿を消しました。ピークは48位、チャート滞在20週と「安定飛行」でした。中位にいた期間が長かったです。MacklemoreはRyan Lewisと組んでいた以前からヒップホップ系ラジオよりもポップ系ラジオでの人気が高く、この曲もその系統を受け継いでいます。この曲もポップ系ラジオでは11位まで到達する一方。Hip-Hop/R&B系ラジオでは圏外でした。

 前シングルの”Glorious"のピークを一つだけ上回りました。

 

 

 

今週チャートから外れた曲 (13曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 SZA – Broken Clocks (🗻100位 /⏰1週)

98 Jhené Aiko feat. Rae Sremmurd – Sativa (🗻98位 /⏰1週)

97 Maluma & Nego do Borel - Corazon (🗻87位 /⏰9週)

96 Chris Brown – Tempo (🗻96位 /⏰1週)

95 Daniel Caesar feat. Kali Uchis – Get You (🗻93位 /⏰3週)

92 SOB X RBE – Paramedic! (🗻65位 /⏰4週)

91 Joyner Lucas & Chris Brown – Stranger Things (🗻91位 /⏰1週)

90 6ix9ine, Fetty Wap & A Boogie Wit da Hoodie – Keke (🗻43位 /⏰8週)

87 YBN Nahmir – Rubbin Off The Paint  (🗻46位 /⏰16週)

83 Ozuna & Cardi B – La Modelo (🗻52位 /⏰11週)

82 Post Malone – Candy Paint (🗻50位 /20週)

70 Carrie Underwood feat. Ludacris – The Champion (🗻47位 /⏰3週)

50 Macklemore feat. Kesha – Good Old Days (🗻48位 /20週)

 

 

来週以降の動向 / 過去チャートの振り返り・プレイリスト

 

Shawn Mendes – In My Blood

Ben Platt & Lin-Manuel Miranda – Found / Tonight

 

 週の途中にリリースされた2曲がiTunesの1位&2位を支配。来週のHot 100に滑り込みそうです。ちなみに現在のiTunes3位は“Meant To Be”

 

XXXTENTACION – Moonlight

XXXTENTACION – the remedy for a broken heart

 

 来週アルバム1位見込みのXXXTENTACIONのアルバムから数曲がHot 100に登場しそうです。リリース日以降ストリーミングで調子をキープしていることから、わりと多めの曲数が登場するかも?また、既にHot 100に入っている“Sad!”はApple Musicで首位に立っていて、今後伸びてきそうです。

 

その他の新規リリースは以下の記事を参考にしてください!


 

✫半年前のHot 100

 個人的にXXL Freshmanに入れたら面白いと思うBhad Bhabieが登場

 

✫1年前のHot 100

 Lordeの"Green Light"が19位まで浮上した週

 

 

 

 

*1:そもそもミックステープとはなんぞや?という方にはこの記事がオススメです 

ミックステープとアルバムの違い?Nipsey Hussleが今までアルバムではなくミックステープをリリースし続けた理由を語る。 | Playatuner

*2:Zayn & Taylor Swiftの”I Don’t Wanna Live Forever”と、Dustin Lynchの”Small Town Boy”の2曲。前者でソングライトに書いていないのはZaynのみで、テイラーはソングライトクレジットに載っっている

*3:今年のXXL Freshmanの候補に挙がっているらしいですが、「新人」ではないという意見もあるらしいです

*4:21週目以降の曲が51位以下に落ちる、過去のヒット曲を制限するルールがあり、20週チャートに残った曲はそのルールによってチャートから姿を消した曲に該当することから「完走」と呼ばれることがある

3/16 リリース新曲/新作の初動を観察 【ビデオが豪華な"Freaky Friday" / XXXTENTACIONのアルバム】

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 今週目立ったのはLil Dickyのシングル”Freaky Friday"。ビデオでは客演のChris Borwnほか、Ed Sheeran・DJ Khaled・Kendall Jennner(↑写真) と、豪華メンバーが参加しています!客演のChris Brownはもちろんですが、ほかの3名も曲中で歌っています!

 ほかXXXTENTACIONのアルバムなど!

 

Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日)

※右の数字は一日の再生数

1 Drake  God's Plan 2,601,381
2 XXXTENTACION Sad! 2,181,666
3 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho 1,949,406
4 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive 1,802,950
5 Kendrick Lamar & SZA All The Stars 1,213,225
6 XXXTENTACION Moonlight 1,203,805
7 Migos Stir Fry 1,103,500
8 Bazzi Mine 1,054,452
9 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle 999,205
10 Logic & Marshmello Everyday 987,592

※赤字は新曲 / 新アルバム収録曲

 XXXTENTACIONのアルバムからは2曲がSpotifyトップ10に。既にリリースされていた”Sad!"が2位へ浮上し、再生回数が200万越え。そしてトラックの浮遊感が特徴的な1曲、”Moonlight"が6位にランクインしました。"Sad!"はこの週にHot 100でトップ10入りする可能性もあるかも。

 ほか、”God's Plan"が1位をキープ、また先週に引き続きLogicの”Everyday"がトップ10に残っています。ほか、”Stir Fry"、”Mine"、”The Middle"あたりが上位に戻ってきました。

 また、今週も200万越えが2曲など全体的な再生数は高めですが、Spotify20位まで全て100万再生を越えていた先週ほどではないです。 

② 新曲/新アルバム アメリカSpotifyデイリー順位 (金曜日)

 

XXXTENTACION - ? 圏内 18/18曲

14 XXXTENTACION Changes
15 XXXTENTACION NUMB
17 XXXTENTACION the remedy for a broken heart (why am I so in love)
20 XXXTENTACION goind down!
24 XXXTENTACION feat. Joey Bada$$ infinity (888)
25 XXXTENTACION ALONE, PART 3
26 XXXTENTACION feat. Rio Santana I don't even speak spanish lol
28 XXXTENTACION & MATT OX $$$
29 XXXTENTACION Floor 555
30 XXXTENTACION Hope
34 XXXTENTACION SMASH!
35 XXXTENTACION feat. Travis Barker Pain=BESTFRIEND
40 XXXTENTACION before I close my eyes
46 XXXTENTACION love yourself
53 XXXTENTACION schizophrenia
59 XXXTENTACION Introduction (instructions)

 トップ10に入った2曲と合わせて、アルバム全曲がランキング圏内に。2アルバム連続での「全曲エントリーに」

 全体的に前アルバムよりも順位や再生数が高めです。客演にはJoey Bada$$、PnB Rock、MATT OX、Rio Santana、Blink-182のドラマーTravis Barker。その中でも少し変わっているのはRio Santana。

 Rio Santanaは "I don't even speak spanish lol"*1 でタイトル通り?スペイン語バースを担当していますが、彼はスペイン語母語として扱わないブラジル人。たしかスペイン語ポルトガル語(ブラジルの言語)は似ていると言われますが、あえてブラジル人を起用したことに理由はあるのでしょうか?また、アルバムの雰囲気とそこまで合わないこの曲を突っ込んだのもちょっと不思議ですね。

 ストリーミングで好調なスタートを切った、新アルバム”?”ですが、Hot 100に何曲エントリーするかはまだ読みづらいです。前作 "17"ではリリース以降再生数があまり落ちなくて、高い水準を長くキープしました。その結果、Hot 100に7曲もアルバムからエントリーしました。

 初日のストリーミング数は前作を上回っているので、前作のようにストリーミング数が高い水準でキープできれば、前作を上回るレベルのHot 100に大量エントリー (10曲以上?) もできるかもしれません。仮に調子を落としたとしても、何曲かはHot 100に新たに入るでしょうね。

 

(関連 XXXTENTACIONの熱心なリスナーとSpotify制裁について)

  

その他のシングル

13 Lil Dicky feat. Chris Brown Freaky Friday
64 Kygo & Miguel Remind Me to Forget
69 The Chainsmokers Everybody Hates Me
110 Charlie Puth feat. Kehlani Done For Me
150 NAV Freshman List
154 Rich The Kid feat. Trippie Redd Early Morning Trappin
170 Famous Dex Japan
188 Taylor Swift Delicate
191 Sabrina Carpenter & Jonas Blue Alien
192 Halsey feat. Big Sean & Stefflon Don Alone

 Lil Dickyの”Freaky Friday"が急上昇。この曲はビデオがなかなか凝っています。

 Lil Dickyが中華料理店で「ヒップホップスターはみんなカッコええなぁ……」と嘆いていると、それを聞いた中華料理店の店長?の魔術(?)によってChris Brownに変身。その身分を活かしてKanye WestFacetimeを楽しむなどします。

 翌日にはLil Dickyに戻ってしまいますが、その後Chris Brownのパーティに出向き昨日の出来事を振り返ろうとします。そこには例の中華料理店の店長がいて、そこからまた魔術でEd Sheeran、DJ Khaled、Kendall Jennnerに変身します。

 歌の内容もだいたいそんな感じで、Ed Sheeran、DJ Khaled、Kendall Jennerも一部歌を担当しています。

 肩の力が抜けたラップ系ポップスで豪華メンツという点から、個人的には”I'm the One"を連想したのですが、この曲はどこまでヒットするでしょうか?現在iTunesでも1位です。ビデオが凝っているのでYouTubeの再生数も伸びそうです。

 個人的な注目はFamous Dexの”Japan"。リリックビデオは彼の日本のイメージを具現化したもの?が多数現れるのですが、なんとも不思議な世界感が繰り広がっています。最近話題の路上マリオカートピカチュウ、桜などが採用。「ダンスダンスレボリューション」もよく登場します。ラップと日本の不思議な融合?をお楽しみ下さい


合わせて見たいビデオは Lil Uzi Vert の”P's & Q's"

 日本の学園ドラマ風?に仕立てられたビデオで、日本のアニメをリスペクトしているのか、Lil Uzi Vertの目がデカくなるシーンもあります。

 

 ほかの注目ポイントは「イギリスとの融合」 Sabrina CarpenterはJonas Blueと組んだ新曲をリリース。Jonas Blueはヨーロッパを中心に近年大人気のアーティストですが、アメリカでは”Fast Car"が98位に入った程度で不遇。

 アメリカ人のSabrina Carpenterと組むことでブレイクのきっかけを掴むことはできるでしょうか?Cheat CodesがDemi Lovatoと組んでHot 100のトップ40に入ったケースがロールモデルなのですかね。

 また、Halseyは新シングルでBig Seanとイギリスの女性ラッパーStefflon Donを迎えています。Stefflon DonはMigos 、Lil Yachtyなどが所属するレーベル Quality Controlともサインしていることから、アメリカでもある程度存在感を示しています。

 昨年イギリスで最高7位とブレイクした”Hurtin' Me"はアメリカのラジオでもかかっていました(リズミック系最高17位など)その時はHot 100に入れませんでしたが、今度はHalseyとのタッグでHot 100入りなるか?各国でヒップホップが台頭していますが、異国間のタッグはまだ少ないと思うので、これは興味深い動きですね。(実はStormzy、J Hus辺りでもアメリカのSpotify 200位圏内にほぼ縁がなく、*2ヒップホップは地産地消の動きが強い)

 ほかKygo、The Chainsmokersの新曲など。Kehlaniは客演で引っ張りだこですね。テイラーの新シングル "Delicate"はビデオ公開もあり、Spotify圏外から188位に。

 

③  iTunesアメリカ 新曲の順位など (金曜日)

1 Lil Dicky feat. Chris Brown Freaky Friday
2 Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant to Be
3 Drake  God's Plan
4 Bad Wolves Zombie
5 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
6 Imagine Dragons Whatever It Takes
7 Jason Aldean Rearview Town
8 Jason Aldean You Make It Easy
9 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton Say Something
10 Ed Sheeran  Perfect

 大きな注目を集める”Freaky Friday"がiTunes1位に。ほかカントリー歌手のJason Aldeanの新曲がiTunes7位。既存の”You Make It Easy"と合わせて複数曲がiTunesトップ10に。

 

・新曲群

14 Charlie Puth feat. Kehlani Done For Me
21 The Chainsmokers Everybody Hates Me
23 Sabrina Carpenter & Jonas Blue Alien
33 RaeLynn Queens Don't
37 Kygo & Miguel Remind Me to Forget
43 XXXTENTACION Sad!
51 Halsey feat. Big Sean & Stefflon Don Alone
63 Sawyer Garrity & Andrea Peña feat. Stoneman Douglas Drama Shine
65 XXXTENTACION Moonlight
74 The Driver Era Preacher Man
76 RaPaul  Kitty Girl
80 XXXTENTACION changes
90 XXXTENTACION Sad! (Album)
95 RL Grime feat. Daya I Wanna Know
97 NAV Freshman List

 XXXTENTACIONのアルバム曲は少しダウンロードを記録。The Chainsmokersの新曲がそこそこ上位へ。Hot 100にエントリーするかは怪しいです。

 

④  iTunes アルバム順位 (アメリカ)

1 XXXTENTACION ?
2 Scotty McCreery Seasons Change
3 Stone Temple Pilots Stone Temple Pilots (2018)
4 サントラ The Greatest Showman
5 Prhyme Prhyme 2
6 The Decemberists I'll Be Your Girl
7 Trixie Mattel One Stone
8 Logic Bobby Tarantion Ⅱ
9 Rich Homie Quan Rich As in Spirit
10 Dorothy 28 Day In the Valley

 XXXTENTACIONのiTunesアルバムが1位。ストリーミングも良い数字を記録していて、ライバルも見当たらないので、この週のアルバム1位でしょうか。

 稀に表にないアーティストが「チケット付きCD」で一気に数字を稼いでどんでん返しも起こりますが。

 

⑤ ラジオの近況

※数字は現在推定ラジオ順位

 

・上り調子

10 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
3 Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line Meant to Be
4 Drake God's Plan
195 Taylor Swift Delicate
7 MAX feat. gnash Lights Down Low
64 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
16 Imagine Dragons Whatever It Takes
11 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
78 Meghan Trainor No Excuses
1 Bruno Mars & Cardi B Finesse

 キャリア初期からラジオを得意とするZedd、新曲もラジオで絶好調です。”Finesse"はラジオ1位になった今もポイントを伸ばしています。

 現状ではストリーミング不調な”Delicate"と”No Excuses"はラジオでどこまで奮闘できるか?

 

・下り調子

24 Macklemore feat. Kesha Good Old Days
12 Selena Gomez & Marshmello Wolves
5 G-Eazy & Halsey Him & I
8 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
23 Kendrick Lamar feat. Zacari LOVE.
14 Halsey Bad At Love
47 Old Dominion Written in the Sand
13 Charlie Puth How Long
2 Ed Sheeran Perfect
43 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit

 Selena Gomezの”Wolves"が下降中。今後Hot 100のピークを更新するのは厳しそうです。ちなみにピークは”Bad Liar"と同じ20位。ただし、”Wolves"のほうがチャート滞在が長かったので、総合的なヒット度では”Wolves"のほうが上です。

 

・今週ラジオでかかり始めた曲

✫ポップ系

37 Taylor Swift Delicate
44 In Real Life Tattoo 
49 Arlissa & Jonas Blue Hearts Ain't Gonna Lie
50 Bulow Not A Love Song

 テイラーの新シングルがそこそこの調子です。

 

✫アダルトポップ系

47 Niall Horan On The Loose
48 Marshmello & Anne-Marie Friends
50 Drake God's Plan

 ポップ系ラジオで人気の曲が後追いでアダルトポップ系にも登場。ラップがこの系統に登場するのは珍しいですね。ポップ系ラジオではたまにラップが1位になりますが、アダルトポップ系ラジオではラップが1位になったことは今まで無いみたいですね。

 

✫リズミック系

35 Rae Sremmurd & Juicy J Powerglide
45 Saweetie Icy Grl
49 A$AP Rocky, Gucci Mane & 21 Savage feat London On Da Track Cocky

 Rae Sremmurdの新曲が好調。

 

✫アーバン系

39 Rae Sremmurd & Juicy J Powerglide
49 Tinashe feat. Offset No Drama
50 Tyga Temperature

 来月のアルバムリリースを発表したTinasheが登場。

 

⑥ 各種トップ10

 

Apple Music (更新が遅いため、新リリース反映「前」)

1 Drake  God's Plan
2 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
3 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
4 XXXTENTACION Sad!
5 Migos Stir Fry
6 Kendrick Lamar & SZA All the Stars
7 Offset & Metro Boomin Ric Flair Drip
8 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
9 Migos feat. Drake Walk It Talk It
10 Rich the Kid Plug Walk

 先週トップ10にエントリーしていたLil Yachty、Logicの曲が全てトップ10圏外へ。”Plug Walk"が好調。

 

・パンドラ

1 Drake God's Plan
2 Bazzi Mine
3 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
4 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
5 🔥 Post Malone I Fall Apart
6 DJ Khaled feat. Jay Z, Future & B Top Off
7 Jason Aldean You Make It Easy
8 Kendrick Lamar & SZA All The Stars
9 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
10 G-Eazy & Halsey Him & I

🔥はHot Streak (本来は古い曲として除外される曲だが、上昇の見込みがあるのでチャートに残っている曲)

 ”Look Alive"、”Psycho"など他のストリーミングでも人気の曲が上昇しています。

 

YouTube

1 Drake God's Plan
2 Offset, Metro Boomin Ric Flair Drip
3 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
4 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
5 Post Malone feat. Ty Dolla $ign Psycho
6 Rich the Kid Plug Walk
7 Bruno Mars & Cardi B Finesse
8 Ed Sheeran & Beyoncé Perfect Duet
9 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
10 Post Malone I Fall Apart

 今週から取り扱います。ソースは↓

https://artists.youtube.com/charts/tracks?chart_params_id=weekly%3A20180302%3A20180308%3Aus&hl=ja

 

 少し意外な曲もありますね。”Perfect Duet"が特に意外ですかね。ビデオが無くても再生数が伸びるケースもあるんですね。

 

・Album Of The Year / Most Popular

1 XXXTentacion ?
2 Mount Eerie Now Only ✫
3 Young Fathers Cocoa Sugar ✫
4 Yo La Tengo There's a Riot Going On ✫
5 Hot Snakes Jericho Sirens ✫
6 The Decemberists I'll Be Your Girl
7 A.A.L. (Against All Logic) 2012-2017 ✫
8 Albert Hammond Jr. Francis Trouble ✫
9 MGMT Little Dark Age ✫
10 Lil Yachty  Lil Boat 2

✫つきは高評価 (平均75点以上)を得たアルバム

 

 Album of the Yearというサイトで注目を集めているアルバムトップ10を集めました。このサイトは「評論メディアまとめ」のような性質を持ち、インディー系のアルバムが人気を集める傾向にありますね。

 「注目度」では新アルバムが上位に入る傾向がありますが、A.A.L.やMGMTなど、サイト住民が好むジャンルのアルバムは長く注目を集めているようですね。

 

⑦ 個人的・今週のお気に入り7曲

 「今週」と題していますが、新曲でない曲が混ざるケースもあると思います。

 

・Rich The Kid feat. Trippie Redd - Early Morning Trappin
・Famous Dex - Japan
・Sigrid - Raw
・Betty Who - Look Back
・Blondage - Stoned (デンマーク / ポップ)
・さとうもか - Wonderful Voyage (日本 / ポップ)
・Fickle Friends - Lovesick (イギリス / インディーポップ)

 

*1:最近Twitterで「(笑)」のついた水飲み放題の張り紙に対して「なにわろてんねん」というツイートがバズっているみたいですが、それ以上にこの曲は「なにわろてんねん」という感じがします、

*2:正確にはStormzyはLinkin Parkの客演で入ったことがある

「Spotifyの上場文書から分かったこと7つ」をチャートマニア目線で分析

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 Spotifyが今年、ニューヨーク証券取引所への上場を果たしました。これに伴い、事業の拡大などが予測されますかね。

 上場した際にSpotifyから 約250ページにわたる文書が提出されました。Pitchforkはそこの文章中の新発見を7つにまとめて記事にしたのです! 


全文書はこちらのリンクから

 

 この「7つの発見」の記事がチャートマニア的に気になる箇所が多かったので個別に分析してみようと思いました。

※3/27 追記 ②の英語和訳にミスがあったので訂正しました。(内容に大きな変化は無いですが、記事にて事実誤認していたので重大なミスだと考えています。多くの人に読んでもらった記事なのに申し訳ありませんでした)

 

7つのポイントを分析

 

① Spotify is still much bigger than Apple Music

“With a presence in 61 countries and territories and growing, our platform includes 159 million [Monthly Average Users] and 71 million Premium Subscribers as of December 31, 2017, which we believe is nearly double the scale of our closest competitor, Apple Music.” 

「まだApple Musicよりも規模が大きい」

  まだApple Musicの2倍程度の有料会員がいると思う。とのことです。アメリカ限定では今年の夏にApple MusicがSpotifyを追い抜くとの予想がありますが、世界的にはどうなるでしょうか?

 

 個人的にアルバム単位・アーティスト単位で聴くリスナーと相性が良いのはApple Musicで、シングル単位で聴くリスナーと相性が良いのはSpotifyだと考えています。

 それぞれのホーム画面(アプリを立ち上げると最初に出ることが多いタブ)*1を見比べると、Apple Musicでは自分が過去にブックマークした音源が出てくるのに対し、Spotifyでは新規プレイリストの「おすすめ」が大量に出てきます。

 「ストリーミング登録を機に新しく曲を知りたい!」という人はSpotify、「もう聴く曲は決まっている!」という人デザイン / 機能上の理由でApple Musicが向いているのでしょうか。

 アメリカでApple Musicが有利?な理由は②でも説明します。

 

② Spotify’s playlists account for almost one-third of streams on the platform

“We now program approximately 31% of all listening on Spotify across these and other playlists, compared to less than 20% two years ago.” 

「プレイリストの利用率は全体の31%」 

 

 これはなかなか興味深いです。プレイリストの利用率が2年前と比べて、20%未満 → 31%と少し上昇しているようです。ただし、思ったよりも少ないということも事実です。もしかしたらApple Musicの登場によって、「それぞれのサービスの違い」にフォーカスが当たったことの結果かもしれません。(Spotify = プレイリストに強みがあるという印象)

 昨年アメリカではDrakeのプレイリスト"More Life"が全曲Hot 100(シングルチャート)に登場して、同一アーティストによる1週間の最多エントリー記録を更新し*2、またイギリスでもEd Sheeranのアルバム"÷"の曲が全部トップ20に入る(そのうち9曲がトップ10に)など、超ビッグアーティストのシングルチャート上位寡占が際立ちました。

 これはストリーミングの効果で、シングル以外の曲も力を持つことによって発生しました。

 リリース直後に多くのリスナーが超ビッグアーティストの音源にアクセスし、再生数が一気に増えることによって発生します。この行動はプレイリストを経由せず、「超ビッグアーティストが曲 / アルバムをリリースした」という「外部情報」を元に成り立っています。

  Spotifyとしては、「アルバム」を聴く手段としてストリーミングを利用することを推奨していない気がします。

 Spotifyが毎週リリースしている"New Music Friday"というプレイリストがあるのですが、そのプレイリストには一つのアルバム or アーティストからは基本的に1曲、多くても2曲程度しか入れておらず、「プレイリストの特性を活かして、いろいろ聴いてみてね」というメッセージ性を少し感じます。

 

 しかし、この各国で発生している一人のアーティストによるシングルチャート上位寡占は多くプレイリストを経由せずに発生している現象なのです。

 

 アメリカではプレイリストの利用率が低い可能性があるかもしれません。

 2017年にアメリカでSpotifyのトップ10を達成した(週間)80曲のうち、なんと53曲が最初からトップ10だったのです!つまり、「だんだん知名度が上がった」ようなヒットが少なめで、ヒットの過半数がリリース時から注目度が高い曲だった、ということです。

 それに対してプレイリスト等などでじわじわ人気を得て上昇したと見られる曲は20曲でした。(残りはアルバムのリリースで上昇した曲 (5)、クリスマス曲 (2)です。) *3

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 これは他国と比べると、「上昇トップ10」の比率が低いです。昨年のイギリスやオーストラリアでは「最初からトップ10」の曲よりも「上昇トップ10」のほうが多かったです。

 アメリカでの「最初からトップ10」の多さは、リスナーがSpotifyにプレイリストを聴きに来ているのではなく、「特定の誰かの曲」や「アルバム」を聴きに来ていることの現れのように思います。このような行動はApple Musicのほうが相性が良く、このような点がアメリカでApple Musicが強い理由なのかな、と感じました。(要研究のジャンルだと思っています)

 この「最初からトップ10」の多さを、最近ストリーミングサービスが「最新曲を聴けるインフラ」と化していると分析できるように思います。

 アメリカでは「アルバム重視」の流れからApple Musicが強くなってきていると推測が出来ます。これが世界的なものになるか、アメリカ局地的なものになるかは分かりませんが、Spotifyが自信のシェアを高めるためには、自身の強みであるプレイリスト機能をいかに魅力的に見せるかでしょう。最近、Spotifyがホーム画面の配置を変えたのはそのような背景があるからでしょうか。

 

※プレイリスト文化を強くするには、「外部の力」もある程度必要だと考えています。例えば、現在音楽メディアで評論をする際は「アルバム」という単位で話が進むことが多いですが、このことによって現在も人々は曲を「アルバム」という単位で聴くことにつながっているように思います。

 例えばPitchforkが、「今週のRapCaviarはこの選曲がナイス!でもこの曲の次にあの曲が来るのは流れ的におかしすぎる。 今週のRapCaviar:5.4点」 みたいなことを言い出せば、プレイリストがアルバムと台頭に渡り合える「媒体」となるような気がします。

 

③ Spotify is earning less money per Spotify Premium subscriber due to student and family discounts

Average revenue per Premium subscriber “declined by 9% from 2015 to 2016 and 14% from 2016 to 2017, in part due to the launch of the Family Plan in 2016.” The launch of its Student Plan also dropped average revenue per subscriber. (The percentage of cancelled Premium subscriptions also fell during those periods.) 

 「ファミリープラン / 学生プランの開始で収益が減った」

 

 その収益減をカバーするためにも上場したのでしょうか? Spotifyはよく以前から「赤字が続いている」と言われているようです。*4

 いかに「収益を増やすか?」「アーティストへの配分を上げるか?」 この2つのテーマは今後もSpotifyについて回りそうです。

 

④ Spotify intends to keep expanding beyond music

“We are an audio first platform and have begun expanding into non-music content like podcasts. We hope to expand this offering over time to include other non-music content, such as spoken word and short form interstitial video.” 

Spotifyは音楽事業以外にも興味がある」

 仮に音楽事業が成功を収めれば、音楽事業のロイヤルティ(分配)向上につながる可能性もありそうです。音楽をメインに扱う企業が他の事業に進出することは、音楽業界自体の拡大にも繋がるかもしれないです。

 近年ミュージシャンがファッションブランドとコラボする事例もありますが、それと少し似ている部分もありますかね。

 

⑤ Spotify plans to take on traditional radio

“We believe there is a large opportunity to grow Users and gain market share from traditional terrestrial radio. ... A migration away from radio broadcasting is likely and it will benefit both consumers and artists alike.” 

Spotifyはラジオに進出するかも?」

 これもかなり興味深いです。アメリカでのラジオ浸透率を鑑みて、Hot 100(アメリカのシングルチャート)では世界的にも珍しく、ラジオをチャートに導入しているのですが、Hot 100では昨年Spotifyとラジオの「ズレ」が一部見られました。

 アメリカのSpotifyランキングでは、ラップ人気の影に隠れる形で、ポップスが上位へ進出することはやや少ないです。ラジオで人気によってHot 100でトップ10に入ったものの、Spotifyでは上位に入らないポップス曲もあります。(例:Scars to Your Beautiful など)

 しかし、その中でも他国のプレイリストなどで人気の新鋭ポップスが存在感を示すケースもあります。Starleyの”Call On Me"、Frenship & Emily Warrenの"Capsize" Jonas Blueの"Mama"あたりでしょうか。ちなみにJonas Blueは近年アメリカで不遇のポップアクトの一人だと思います。 *5

 しかし、これらの曲はHot 100であまり良い成績を残せておらず、Spotifyのピーク順位 > Hot 100のピーク順位となっています。ポップスが苦戦気味のストリーミングを克服した、そのポテンシャルをHot 100では生かせなかったということです。

 これはストリーミングとラジオの温度差が原因かと思います。新人アーティストだからなのか、ストリーミングで人気を得てもラジオにかかるまで少し時間がかかってしまい、ようやくラジオでかかり始めた頃には、ストリーミングでのピークが終盤となり、ラジオでもあまり盛り上がらず終わってしまう……。このようなケースが近年見られるようになっています。 

 最近Hot 100にエントリーしたLauvの”I Like Me Better"は現在、ラジオでピークを迎えたことによってHot 100でも上昇中なのですが、Spotifyでのピークは去年の7月でした。Spotifyでこの曲を早く見つけた人は「え、何でいまさら?」と考えているかもしれません。

 

 Spotifyがどのような形でラジオと関わりを持とうとしているかは分かりませんが、仮にSpotifyがラジオと関わった際には、この「ストリーミングとラジオの熱意の差」を埋めて、ストリーミングで人気を得るポテンシャルのある曲を有効利用して欲しいです。

 時間の差を埋めて、ストリーミングと同時にラジオが伸びれば、世間的なポップス熱を高められるかもしれません。

 

⑥ Spotify has found shortcomings in its accounting and has some work to do in guaranteeing its books are in order

“We identified material weaknesses in our internal control over financial reporting at December 31, 2015, 2016, and 2017… We are in the very early stages of the costly and challenging process of compiling the system and processing documentation necessary to perform the evaluation needed to comply with [the U.S. law on how public companies make sure financial statements are reliable].” 

Spotifyは会計上の欠点を見つけ、現在改善に努めている」

  頑張れ!!💴

 

⑦ Spotify has “even bigger aspirations”

Co-founder and CEO Daniel Ek says in the filing: “We envision a cultural platform where professional creators can break free of their medium’s constraints and where everyone can enjoy an immersive artistic experience that enables us to empathize with each other and to feel part of a greater whole. But to realize this vision, professional creators must be able to earn a fair living doing what they love, where monetization is at the core of a creative proposition and not an afterthought. We care deeply about our creators and our users and we believe Spotify is a win-win for both.” 

 「Spotifyの野望はデカい」

 アーティストとWin-Winな関係になれるように、正当な分配をしたいと考えているようです。ストリーミングの成長と共に、現在世界的に音楽業界の規模拡大が続いているようですが、今後もSpotifyはその成長に寄与できるでしょうか。

 また、人口にはある程度限界があるため、ストリーミングの伸びもいつか限界があるかもしれません。そうなった際、どう切り返すのか?というポイントにも注目したいです。これはSpotifyに限った話ではないですが。

 

 

参考記事





*1:ただし、iOSでの動作確認で、Androidでは動作が違うのかもしれないです。ただし、全体でSpotifyの方がおすすめ量が多いという傾向は確かだと思います

*2:その後自身のアルバム”Scorpion"でさらに更新した

*3:これも記事にしたいテーマでもあります

*4:PANNDORAにしてもspotifyにしても、まだ収益的には赤字の会社なのに、数千億円という価値を見出して、投資家が巨額の投資をしています。結果、そのお金がレコード会社、アーティストへの支払いにも回されている。 山口哲一(2015)『新時代ミュージックビジネス最終講義』 リットミュージック

*5:最近、他国と比べてアメリカで不遇のポップアクトの代表例はRita Oraだと思います。