チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

Hot 100 2/24 見どころ 【"6 God" Drake、新人を6位へ導く / "Black Panther" から新人が多く登場】

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 Drake・Kendrick Lamarというトップスターに導かれ、多くの新人が今週Hot 100に新登場しました。特に”6 God"を自称するDrakeが客演に入ったBlocBoy JBの”Look Alive”はなんと6位で登場しています。

 ほかDrakeの「切り捨て」、ストリーミング時代のシングル選択、テイラーの絶望、オルタナティブ系ラジオについてなど。

 

96 Lauv – I Like Me Better [New]

 Lauvの”I Like Me Better”が96位で登場。自身初のHot 100に。

 Spotifyでは昨年の夏頃にピークを迎えていたこの曲ですが、ポップ系ラジオでかかるタイミングが遅かったため、今週ようやくHot 100入りを成し遂げました。今週ポップ系ラジオ21位です。(Spotify発のヒットはラジオでかかるまで時間がかかる傾向にあります。そのズレによってHot 100の順位がそこまで高くならない傾向があります。)

 Hot 100に入っていない曲を25曲扱う、101位~125位相当のチャート、Bubbling Underに25週も先週まで留まっていた、「苦労人」的な一曲です。

 Lauvはイギリス出身ながらも、この曲のチャート成績が良かったのはドイツやフィリピン辺りでした。フィリピンでは次シングル”Paris in the Rain”もチャートに入っています。

 

※フィリピンはSpotifyでの再生数の規模がアジア最大級 (オーストラリアやフランス並 それなりに規模が大きい 1軍=アメリカ 2軍=ブラジル・ドイツ・イギリス・メキシコ、それに次ぐ規模)

 

※彼は昨年のトップ40ヒット”No Promises”に関わるなど、ソングライターとしても活動しています。

 

90 Justin Timberlake – Filthy [↓]

 Justin Timberlakeの”Filthy”が急落。34位 → 90位と大きく順位を落としています。今週ラストでしょうか。シングルが”Say Something”に代わり、その役目を終えラジオで「見切られ」急落中なことが原因でしょう。ほか、先週ダウンロードが増えたことに対する反動が今週に来たという要素もあります。

 そのシングル、”Say Something”はダウンロードを落として今週Hot 100で17 位 → 31位と推移。ラジオで今後どこまで巻き返せるでしょうか。ストリーミング時代ではリスナーが自由に選曲するので、それに合わせた素早いシングル選定が重要になっています。

 

76 Liam Payne & Rita Ora – For You [Re]

 Liam Payne・Rita Oraの”For You”がピークを更新しつつ、76位で再登場。”Fifty Shades Freed”のサントラのリリースと、そのタイミングでのiTunes割引の効果です。

リリース当初はそこそこ勢いがあったのですが、ポップ系ラジオで数字が伸びず、”Love Me Like You Do”や”I Don’t Wanna Live Forever”のようにはならず。

 二人の母国イギリスではしっかりトップ10入りし、Rita Oraはイギリス女性シンガーとしては最多の12曲目のトップ10を獲得しています。(参考)


 2014年までのダウンロード中心時代と、それ以降のストリーミング中心時代でチャートの色がガラッと変わったUk チャートですが、Rita Oraは両方でヒットを出しているのが強いと思います。ふわふわしたRita OraのボーカルがSpotifyと相性が良いのかもしれません。

 今週アルバム5位だったサントラ・”Fifty Shades Freed” からは Hailee SteinfeldとBloodPopの”Capital Letters” (112位相当)とJulia Michaelsの”Heaven” (108位相当)が人気。特に”Capital Letters”の方はSpotifyで数字を伸ばしていて、そのうちHot 100に入るかもしれません。

 

72 Marshmello & Anne-Marie – Friends [New]

 メインストリームで存在感の増すMarshmelloの新曲、”FRIENDS”が72位で登場しました。ダウンロードは35位を記録しています。

 Anne-Marieは”Rockabye”についで2曲目のHot 100をしています。2016年”Alarm”も103位と接近していました。この”Alarm”はMarshmelloのリミックスもあります。

 この曲、Spotifyではかなり好調で現在グローバル 10位にまで到達。Spotifyを中心に世界的ヒットとなった“Silence”と似たような展開が今後期待できそうです。

 “Silence”ではラジオのポイントが足りず、アメリカでのチャート(Hot 100)では順位が伸びませんでしたが、”Friends”は今週既にポップ系ラジオの38位に登場していてるので、Hot 100の順位も期待できるかもしれません。

 

65 Taylor Swift feat. Ed Sheeran & Future – End Game [↓]

 13週目の”End Game”の順位が45位 → 65位と急落下。主なポイント源のポップ系ラジオが急落下(14 → 25位)していることもあって、「ゲームエンド」状態に。この調子で落ちていくと、ヒット曲の最低限のチャート滞在=20週が危ういです。

 ビデオリリースなどの戦略も実らず、トップ10に入らず、”Reputation”からのシングルは尻すぼみ・トップ10を逃すなど不発が多いです

 次のシングルは”Gorgeous”と考えられているようですが、どうでしょうか。

 ”Reputation”の曲はストリーミングで尻すぼみで、「定着」した曲は無いので、どの曲をシングルにすべきか判断しづらいと思います。

 現代にストリーミングで苦戦するのは、単純にチャートポイントがマイナスになるだけでなく、シングル選定が難しい「二重苦」なのかもしれません。

 

62 Rich the Kid – Plug Walk [New]

 Rich the Kidの”Plug Walk”が62位で登場。サウンドクラウド4位 Apple Music 21位などストリーミングで人気があります。Spotifyも100位前後とそこそこの順位にいます。

 ヒップホップメディアのWorldstar Hip Hopは彼を来年のXXL Freshmanの一人と予想する写真をアップロードしています。ただキャリアから「新人ではない」という考え方もあるようです。

 SmokePurp、Lil Pump。Joyner Lucas、Famous Dex、Tekashi 6ix 9ine、Lil Skies、Cardi B、Rich The Kid、Jay Critch、Trippie Reddを候補に挙げています。(この投稿のコメントも見ると面白いです)

 

49 ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi – X [New]

 今週アルバム1位に輝いたKendrick Lamarがプロデュースした”Black Panther”のサントラ。その収録曲のうち、計8曲がHot 100に登場しました。うち5曲が今週に新登場。49位に”X”、63位にKhalidとSwae Leeの”The Ways”、67位にSOB X RBEの”Paramedic!”、71位にKendrick Lamar・Travis Scottの”Big Shot”、91位にKendrick Lamarの”Black Panther”が新たにHot 100に入っています。

 また、Ab-Soul・Anderson. Paak・James Blakeによる”Bloody Waters”が116位(相当)、Jorja Smithの”I Am”が105位(相当)、Vince Staples・Yugen Blakrokの”Opps”が102位(相当)に登場しています。

 これらの面々にはHot 100に今まで縁のなかったようなフレッシュなアーティストもいて、各メディアはこれらのア新ーティストを紹介する記事をいくつかリリースしています。

・Vultureはこの”Black Panther”に登場する南アフリカ出身の4人を紹介。

 

・PitchforkはSOB X RBEの新曲をBest New Trackに認定しています。

 

※KhalidとSwae Leeの”The Ways”はトロントのジャズ系グループ・BadBadNotGoodがプロデュース。彼は”DAMN.”の”Lust”でもプロデューサーを務めていて、今後ヒップホップ作品で名前を見かける機会が増えるかもしれません。

 

※2週目以降、ストリーミングの数字の減少が緩やかなので、来週も比較的多くの曲がHot 100に残るかもしれないです。

 

38 Jay Rock, Future, Kendrick Lamar & James Blake – King’s Dead [↑]

 ”Black Panther”からは既存曲も浮上しています。 “King’s Dead”が69位 → 38位と大きく上昇し、トップ40入り。この曲はストリーミングだけでなく、Hip-Hop / R&B系ラジオで43位と多少ラジオのポイントもあります。

 James Blakeにとっては2曲目のHot 100です。前回のBeyoncéとの”Forward”はアルバム内で一番順位の低い63位でトップ40入りを逃していましたが、今回は自身初のトップ40入りを成し遂げました。

 

9 Kendrick Lamar & SZA – All The Stars [↑]

 ”All The Stars”がアルバムリリースのタイミングで急上昇。9位とトップ10入りしています。Kendrick Lamarは7曲目、SZAは”What Lovers Do”についで2曲目のトップ10です。

 今週ストリーミングが最も伸びた曲で、アルバム効果でSpotifyなどの各ストリーミングが伸びただけでなく、YouTubeのビデオリリースが今週はじめてフルで反映されたということも大きそうです。

 アメリカ以外でもアルバムリリースとともに浮上していて、イギリスとオーストラリアの直近チャートでもトップ10入りしました。

 SZAはR&B系ラジオで伸びている、シングル”Broken Clocks”がHot 100に接近中です。

 

6 BlocBoy JB feat. Drake – Look Alive [New]

 BlocBoy JBとDrakeの”Look Alive”がストリーミングで大きく注目を集めていきなり6位デビューしました。BlocBoy JBは初のHot 100に。

 初のHot 100でいきなりトップ10に登場するのは、2014年のSomoの”We Might Be Dead Tomorrow”以来で珍しい現象です。*1

 6位で登場したこの曲ですが、「6」はDrakeのラッキーナンバーのようです。Drakeの地元トロントの市外局番が416と647のため、彼はトロントに”The 6”とニックネームをつけており、この曲の冒頭でも “6 God BlocBoy 6 God BlocBoy”と述べています。

 基本的にストリーミングで好調(今週2位)な曲ですが、ダウンロードも今週6位とかなりの数字を叩き出しています。

 強力なアーティストにも紐付けられると、新人でもチャート上位に入れるケースが今週は多く見られました。DrakeやKendrick Lamarのカリスマ性の賜物でしょうか。

 

3 Bruno Mars & Cardi B – Finesse [→]

 Bruno Mars・Cardi Bの”Finesse”が今週も3位。ラジオではガンガン数字を伸ばしているものの、なかなか首位争いには食い込めていません。

 現状では2位/1位の壁が高いですが、ラジオの数字を伸ばしているうちは、1位取りのチャンスはあると思います。ただし、”God’s Plan”もビデオをリリース(来週のチャートに反映)し、さらに勢いづいているので”God’s Plan”が逃げ切る可能性もあります。

 その”Finesse”が1位を獲得するためには、”God’s Plan”の勢いが落ちてきたタイミングで値引きを敢行するのが最も効果的な手段かと思います。(”God’s Plan”はそこまでポップ系ラジオで人気ではない=つまり”Finesse”ほどのラジオポイントは望めないので、ストリーミングの差をダウンロードでひっくり返せば逆転は可能)

 

前言っていた「”Finesse”年間1位予想はどうなの?」

 現状では”God’s Plan”はラジオの系統が狭く、ストリーミングの数字が減ってきたタイミングで順位を急落させる可能性もあります。一方ラジオで強く広い系統でかかる”Finesse”はポイントの基盤が強固で、急落はしづらいと考えられます。それ故に、チャートマニアの勘を頼ると、”Finesse"の方が最終的に有利な気もします。

 ただし、週で1位を取れない曲が年間1位になるのは考えづらいので、”Finesse”のピーク後を気にするよりも、まずは週の1位を取る必要があります。

 旧来のロジックを用いるならば、”Finesse”が週の1位を取れば、ラジオで強い”Finesse”が年間1位を取るという私の予想は変わらないですが、ストリーミングの強い時代においてはそのロジックが崩れて”God’s Plan”がストリーミング数で押し切って年間1位を獲得する可能性もあるとは思います。

 まとめると年間1位レースのポイントは”Finesse”が週の1位を取るか、と”God’s Plan”がポップ系ラジオでどこまで頑張れるか、の2つです。まだどの曲が年間1位確定!というのは無い気がします。

 

× Drake – Diplomatic Immunity [↓]

 “God’s Plan”が4週目の1位を今週獲得する一方で、同時にリリースされた”Diplomatic Immunity”は今週圏外へ。7位 → 55位 → 83位 → 圏外と急速にチャートを落ちていきました。ここまで早くチャートを落ちるのは驚きでしたトップ10から48も順位を落とすのは歴代で5番目に大きい落ち幅のようです。(9位から一気に圏外に落ちた”We Might Be Dead Tomorrowも含めると6番目に大きい落ち幅*2

 Apple Musicで40位前後、Spotifyで100位前後とストリーミングではそこまで調子は悪くないですが、ダウンロード・ラジオのポイントの少なさから圏外へ落ちてしまいました。

 歴代で3回「同一アーティストの複数曲がいきなりトップ10に登場」という事例がありました。その過去の事例の「じゃない方」に当たるEd Sheeranの”Castle on the Hill”・Drakeの”Portland”はいずれも20週以上はチャートに残ったため、今回の異常に早い「切り捨て」は驚きでした。

 トップ10に入るレベルのシングルもラジオではかけず、「切り捨てて」しまうのはDrakeだからこそできる業でしょうか。リリースの数を増やして、ストリーミングで成功したシングルをラジオでかける、というのは新時代の戦略なのでしょうか。

 

× Becky G feat. Bad Bunny – Mayores [↓]

 Becky GとBad Bunnyの”Mayores”が今週チャートから外れました。ピーク74位、チャート滞在16週と粘りを見せてチャートを後にしました。

 ほかラテン系の曲と同じくYouTubeで強く、昨年のミュージックビデオの中で9番目に多い約10億3000万再生を記録しています。

 YouTubeで強いラテン系のアーティストは、ビデオの再生数のポイントが活きてHot 100にエントリーするケースが最近は多いですが、ラテン系のラジオは規模が小さいため、YouTubeとラテン系ラジオの人気だけではポイントが足りず、チャートの中位以下に留まるケースが多いです。

 例えば”Despacito”は、Justin Bieberのリミックス以前から2017年リリースのビデオのうちYouTubeで最も多い再生数を獲得していましたが、リミックス以前のHot 100での順位は48位が最高でした。

 ラテン系だけの勢力ではやや規模が足りないので、トップ40に入るには他の層への飛び火が必要といえます。(逆に有名アーティストのリミックス無しでトップ40入りすれば、ラテン系の層にも浸透しているということと思われます。Mi GenteはBeyoncéリミックス以前から20位前後まで順位を伸ばしていたので、浸透度は高かったと言えます。実際、リミックス以前からポップス系ラジオでかかっていました。)

 

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Drake – God’s Plan

今週最もダウンロードが上昇した曲 Bebe Rexha & Florida Georgia Line – Meant To Be

今週最もストリーミングが伸びた曲 Kendricck Lamar & SZA – All The Stars

最も高い順位で新登場した曲          BlocBoy JB feat. Drake – Look Alive

 

 

今週チャートから外れた曲 (11曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

100 Justin Timberlake - Supplies (🗻71位 /⏰2週)

98 Easton Corbin – A Girl Like You (🗻98位 /⏰1週)

97 The Chainsmokers – Sick Boy (🗻65位 /⏰3週)

96 Maluma & Nego do Borel – Corazon (🗻87位 /⏰6週)

91 Becky G feat. Bad Bunny – Mayores (🗻74位 /⏰16週)

89 Migos feat. 21 Savage – BBO (🗻48位 /⏰2週)

83 Drake – Diplomatic Immunity (🗻7位 /⏰3週)

73 Justin Timberlake – Man of the Woods (🗻73位 /⏰1週)

71 Chris Young – Losing Sleep (🗻60位 /20週)

66 Brett Young – Like I Loved You (🗻46位 /20週)

56 Carrie Underwood feat. Ludacris – The Champion (🗻47位 /⏰2週)

 

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲を特集

 

✫今週はロック系ラジオの一種、Alternative系ラジオが面白かったので、そこにスポットを当てます

 

・Alice Merton – No Roots (Alternative ラジオ1位)

ドイツの女性シンガーAlice MertonのNo Rootsが今週オルタナティブ系ラジオの1位に浮上。ほかポップ系ラジオでもかかっています(今週39位)。そのラジオでの好調によって、現在104位とHot 100に急接近中です。

オルタナティブ系ラジオで人気の外国人シンガーという点で、Rag’n’Bone Manと共通点があります。

 

・AJR feat. Rivers Cuomo – Sober Up (Alternative ラジオ3位)

 昨年”Weak”で2回目のHot 100入りを成し遂げたAJR。その”Weak”は主にポップ系ラジオで人気でしたが、今回の”Sober Up”はサウンドが変化し、オルタナティブ系ラジオで人気となっています。客演がWeezerのRivers Cuomoという点が大きいのかもしれません。ロック系の曲はストリーミングを苦手とする傾向がありますが、この曲はSpotifyのランキングに入るなど、それなりにストリーミングを獲得しているようです。”Weak”もストリーミングで人気に火が付いた曲でした。

 

Portugal. The Man – Live in the Moment (Alternative 系ラジオ4位)

 昨年ブレイクを果たしたPortugal. The Manの新シングルが好調。まだ他の系統には流れていないようですが、オルタナティブ系統ではしっかりと人気を得ています。彼らは”Feel It Still”でオルタナティブ系ラジオの最長1位 (20位) 記録を更新しています。

 

・Foster the People – Sit Next To Me (Alternative 系ラジオ5位)

 2011年に”Pumped Up Kicks”で大ブレイクを遂げたFoster the People。彼らの最新アルバムからのシングルがオルタナティブ系ラジオで数字を伸ばしています。この曲は最近ポップ系ラジオでもかかり始めたようで、このままラジオの数字を伸ばせれば6年ぶりのHot 100も見えてくるかもしれません!密かに期待の案件です。

 

・St.Vincent – Los Ageless (Alternative 系ラジオ 32位)

 規模がそこまで大きくないオルタナティブ系ラジオの32位なので、Hot 100からはかなり遠いですが、St.VincentがAlternative系ラジオのチャートに入るのはこの曲が初のようです。昨年のアルバム10位に続き、一部チャートに顔を出すようになってきました。

 

 

その他のブレイク候補

・Khalid & Normani – Love Lies

リリース時からどんどん注目度が上がっているようです。来週のHot 100では比較的上位に登場するかもしれません。現Fifth Harmonyメンバーのソロ名義曲としては最高位の順位を記録するでしょう。(Lauren JaureguiがHalseyとの”Strangers”で記録した100位が現状の最高位)

 

・DJ Kass – Scooby-Doo Pa! Pa!

 新ミーム候補。Big Shaqの”Man’s Not Hot”と同じフレーズが入っています。今週Bubbling Underで10位=110位

 

・Bad Bunny – Amorfoda

 ラテンアーバン界のキーマン・Bad Bunnyの”Amorofoda”がストリーミングで好調。

 

 

 

✫半年前のHot 100

Drakeの431週連続Hot 100エントリーが途切れた週です。

 

✫1年前のHot 100

XXXTENTACIONがはじめてHot 100に入った週です。

 

*1:解釈次第で昨年の元One DirectionのHarry Stylesも「初のHot 100」になります。ビルボードはこっちの解釈をしています

*2:Princeも4位と8位から圏外になった事例がありますが、51位~100位相当のポイントを稼いでいる可能性が高く、実際いくつの順位を落としているかはわからないため、除外。

2/16 リリース新曲/新作の初動を観察 【Frank Oceanのカバーが登場 / Fifth Harmony 全員がソロ名義で?】

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 今週の目玉は、Frank Oceanのカバーか、KhalidとFifth HarmonyのNormaniによる"Love Lies"でしょうか。大きい話題はやや少なめの週です。

 

Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日)

1 Drake  God's Plan
2 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
3 Kendrick Lamar & SZA All The Stars
4 Bazzi Mine
5 Migos Stir Fry
6 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
7 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
8 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
9 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
10 Post Malone  I Fall Apart

 先週と比べるとあまり変化が無いです。変化点は"Look Alive"がさらに勢いづいているくらいでしょうか。"Black Panther"の曲はストリーミングで好調をキープしています。

 

② 新曲/新アルバムからのシングル アメリカSpotifyデイリー順位 (金曜日)

18 Khalid & Normani Love Lies
52 The Chainsmokers You Owe Me
53 Frank Ocean Moon River
79 Lauv Getting Over You
125 Tory Lanez B.I.D
145 Nipsey Hussle feat. Kendrick Lamar Dedication
156 A$AP Rocky, Gucci Mane & 21 Savage feat. London On Da Track Cocky
162 Muse Thought Contagion
185 Chris Jeday, J Balvin & Ozuna feat. Offset, Cardi B, Anuel AA & Arcángel Ahora Dice (Real Hasta La Muerte Remix)

 KhalidとNormaniの"Love Lies"が18位で登場。この曲は映画"Love, Simon"のサントラからの1曲です。ダウンロードの数字も鑑みると、Hot 100に登場しそうです。

 Fifth Harmonyのメンバー、Normaniにとっては初のソロ名義でのシングルリリースです。これでFifth Harmonyの現メンバーは全員ソロ名義で何らかのシングルをリリースしたことになります。今後Fifth Harmonyがどういう活動をするかはわかりませんが、メンバーやレーベルは今から「その後」を見据えているのでしょうか。

 続いてThe Chainsmokersの"You Owe Me"が52位に。"Sick Boy"と同じThe Chainsmokers+Shaun Frank & Emilly Warrenという体制で作られた1曲です。どのような立ち位置の1曲かは分かりませんが、「可もなく不可もなし」な出だしだと思います。Hot 100に入るかは微妙です。

 そしてFrank Oceanによる”Moon River"のカバーが53位で登場しています。この曲は映画「ティファニーで朝食を」の主題歌で、オリジナルバージョンはオードリー・ヘップバーンによって歌われています。Frank Oceanは今年のアルバムリリースの噂もあるようで、動向が気になります。前アルバムはApple Musicで先行配信・かつCDも限定流通だったので、アルバムが出た際には配信方法も注目したいです。

 また"I Like Me Better"がHot 100に入りそうで入らない(今週101位)、Lauvの新曲"Getting Over You"がそれなりに上位で登場しています。

 ほか、豪華客演の”Dedication”、”Ahora Dice"のリミックスMuseの新曲、プロデューサーのLondon On Da Trackが客演に据えられている”Cocky"などが登場しています。Apple MusicではMoneybagg Yoのアルバムが人気のようですが、Spotifyでは200位圏内に1曲も登場せず。

 

③  iTunesアメリカップ10+新曲の順位 (金曜日)

・1-10位 ($は値引き)

1 Drake  God's Plan
2$ Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant to Be
3 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
4 Ed Sheeran Perfect
5 Bruno Mars feat. Cardi B Finesse (Remix)
6 The Weeknd, Kendrick Lamar Pray For Me
7 Jason Aldean You Make It Easy
8 Camila Cabello feat. Young Thug Havana
9 Khalid & Normani Love Lies
10$ NF Let You Down

 "Love Lies"がダウンロードで好調です。その1個上に元同僚による"Havana"が。新曲以外では、ダウンロードの順位はラジオの動向と少しリンクする傾向があるように思います。

 

・新曲群

33 Frank Ocean Moon River
47 The Chainsmokers You Owe Me
52 Muse Thought Contagion
59 Lauv Getting Over You
63 Sean Paul & David Guetta feat. Becky G Mad Love
64 Reik feat. Ozuna & Wisin Me Niego
83 6LACK Cutting Ties
93 Tinashe feat. Future Faded Love
100 Bad Bunny Amorfoda

 Frank Oceanのカバーはダウンロードでも支持が高いです。ほかラテン曲がいくつかランクインしています。ここには表記しませんでしたが、Distubedの"The Sound of Silence"もオリンピック効果によって少しダウンロードが浮上しています。

 

④  iTunes アルバム順位 (アメリカ)

1 Nipsey Hussle Victory Lap
2 Brandi Carlile By The Way, I Forgive You
3 Various Artists Black Panther The Album
4 Various Artists The Greatest Showman
5 Justin Timberlake Man of the Wood
6 Various Artists Fifty Sahdes Freed
7 Slaves Beautiful Death
8 Pop Evil Pop Evil
9 Ludwig Goransson Black Panther (Original Score)
10 Moneybagg Yo 2 Heartless

 ロサンゼルスのラッパー、Nipsey HussleのアルバムがiTunesの首位に立っています。ただ目立ったストリーミング成績を残していないので、この週のアルバム1位は引き続き"Black Panther"かもしれないです。

 

⑤ 現在ラジオで上り調子の10曲

(数字は現在のラジオ推定順位)

16 Drake God's Plan
3 Bruno Mars & Cardi B Finesse
27 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
11 NF  Let You Down
36 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
54 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton Say Something
14 Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant To Be
20 Scotty McCreery Five More Minutes
19 Kelsea Ballerini Legends
8 MAX feat. gnash Lights Down Low

 ”God's Plan"、”Finesse"、”Pray For Me"の3曲が好調という状態が数週間続いています。ほかロングヒットの”Lights Down Low"が粘っているほか、カントリー曲がラジオ上位を伺っています。

 

⑥各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

✫ポップ系

46 Kent Jones Merengue
47 Marshmello & Anne-Marie Friends
48 Why Don't We Trust Fund Baby

 Kent Jonesの"Merengue"が着実にラジオの系統を広げています。また、Marshmelloの新曲が早速ラジオに登場しています。"Silence"ではストリーミングでの大ヒットの割にラジオでかかるのが遅く、伸びが悪かったことでHot 100であまり順位が上がりませんでしたが、新曲はどうなるでしょうか。

 

✫アダルトポップ系

28 James Bay Wild Love
48 Rozzi Never Over You
49 Kelala Settle This Is Me
50 Mat Kearney Kings And Queens

 James Bayの新曲がかなり上昇しています。この系統と相性が良いのでしょうか。ほか”The Greatest Showman"の"This Is Me"がラジオに登場しています。

 

✫リズミック系

42 Jhene Aiko feat. Rae Sremmurd Sativa
48 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
49 Ball Greezy Nice & Slow
50 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive

 ストリーミングでの大ヒットを受け、"Look Alive"がラジオに登場しています。ラジオでどこまで伸びるでしょうか。ほか”The Middle"が系統を広げています。

 

✫アーバン系

44 Chris Brown Tempo
46 Jhene Aiko feat. Rae Sremmurd Sativa
47 Jaden Smith Icon
48 Big K.R.I.T. feat. Lloyd 1999
50 Nav feat. Lil Uzi Vert Wanted You

 父親Will Smithがパロディビデオを投稿したJaden Smithの"Icon"がラジオに登場しています。ほかJhene Aikoの"Sativa"などが登場。もともとSwae Leeのみが客演でしたが、シングル化にあたりSlim Jixmmiも追加し、表記をRae Sremmurdにしています。(この2人はRae Sremmurdのメンバー)

 

⑦ その他のストリーミングのトップ10

Apple Music

1 Drake  God's Plan
2 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
3 Kendrick Lamar & SZA All The Stars
4 Migos  Stir Fry
5 ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi X
6 Migos feat. Drake Walk It Talk It
7 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
8 SOB X RBE Paramedic!
9 Migos, Nicki Minaj & Cardi B MotorSport
10 Khalid & Swae Lee The Ways

 Spotifyの上位と似ています。Migos + Drake + "Black Panther"の構成です。"X"や"Paramedic"が人気です。

 

・パンドラ

1 Drake God's Plan
2 Migos, Cardi B & Nicki Minaj MotorSport
3 NF Let You Down
4 Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line Meant to Be
5 Eminem feat. Ed Sheeran River
6 G-Eazy & Halsey Him & I
7 Bruno Mars feat. Cardi B Finesse
8 Post Malone I Fall Apart
9 Camila Cabello Never Be the Same
10 Dua Lipa New Rules

 アメリカのストリーミングでは他国と比べるとあまり人気のない"River"ですが、パンドラでは好調です。ほかポップス人気が際立ちます。"No Limit"は古い曲としてランキングから外れました。

 

・サウンドクラウド

1 Hamza namira Dari Ya Alby
2 6ix9ine, Fetty Wap & A Boogie wit da Hoodie KEKE
3 Lil Skies feat. Landon Cube Nowadays
4 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
5 XXXTentacion feat. Trippie Redd Fuck Love
6 Lil Skies feat. Landon Cube Red Roses
7 Migos  Stir Fry
8 Bazzi Mine
9 6ix9ine GUMMO
10 Post Malone feat. 21 Savage rockstar

 変化はあまり無いのですが、エジプトのシンガーソングライターの曲が首位につけています。経緯は不明です。この曲の正体とは……(また、このランキングはどこを集計しているか不明なのです。ランキングの並びからアメリカが中心とは思いますが……)

 

・半年前のリリース

Justin Bieberの新曲がHot 100で1位デビューするかも?と思っていました。(結局は20位デビュー)

Hot 100 2/17 見どころ 【Daddy Yankee、2年連続でYouTube王に? / ロングヒットが得意なImagine Dragons】

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 昨年、"Despacito"で大成功を収めたDaddy Yankeeの新曲"Dura"がYouTubeで急速に再生回数を伸ばしています!このまま行けば2年連続でYouTubeで「最も再生された男」になるかもしれません!ほかImagine Dragons、ドイツのチャート、プロデューサーFrank Dukesについてなど。

 

93 Brett Eldredge – The Long Way

 カントリー系ラジオで上昇中、Brett Eldredgeの”The Long Way”が93位で登場。先週はMigosの大量エントリーによってHot 100のボーダーラインが上がっていたと考えられますが、今週はそれが解消され下位に動きがありました。*1

 同じくカントリー系ラジオで好調なEaston Corbinの”A Girl Like You”が98位、Jordan Davisの”Singles You Up”が94位で登場しています。また、Pilesの”Rock”が99位、Natti Natasha とOzuna の “Criminal”が95位に再登場しています。

 

92 Jacquees & Dej Loaf – At The Club

 JacqueesとDej Loafの”At the Club”が92位で登場。B.E.D.に次いで2回目のHot 100エントリーです。ポイント源は主にラジオでHip-Hop / R&B系ラジオで16位、リズミック系ラジオで19位など。

 ラジオで人気の一方、ストリーミングはSpotifyの200位圏内にエントリー歴なしなど、それほど。一応Apple Musicの下位には登場しているみたいですが。

 

90 Derez De’Shon – Hardaway

 アトランタ出身のラッパー、Derez De’Shonの “Hardaway”が90位に登場。初のHot 100入りを達成しています。

 新しいラッパーのHot 100エントリー=ストリーミングという印象が近年はかなり強いですが、この曲はそこまでではなくApple Music・Spotifyの両方で現在200位圏外。

 代わりにラジオが好調で、Hip-Hop / R&B系ラジオ23位、ラジオをベースにストリーミングPandoraで62位など。ほかWSHHにアップロードされたYouTubeのビデオも約1ヶ月で1200万再生とそこそこ数字を稼いでいます。

 

87 Imagine Dragons – Whatever It Takes

 Imagine Dragonsの新シングル、”Whatever It Takes”が87位で再登場しています。Alternativeラジオで7位をはじめとしてロック系では既に大きく上昇中していて、さらにポップ系ラジオにも今週登場 するなど着々とラジオを伸ばしています。

 この曲のビデオリリースは昨年の10月だったのですが、ドイツではこの時点で人気となり 2017の年間チャート95位に滑り込みました。(週のピークは7位)

 ドイツの年間チャートにはBeliever、Thunderと合わせてImagine Dragonsの曲が3曲入っており、かなり人気を博していると思われます (アメリカの年間チャートではBelieverとThunderの2曲)

 ドイツのシングルチャートの特徴としては、ストリーミングの比率がアメリカよりも高いことも働いて、ヒップホップがかなり人気です。昨年の年間チャートではRaf Camora、Bonez MCというドイツ人ラッパーが年間チャートに最多タイの4曲を送り込んでいます(Ed Sheeranと並んで) 

 ほかはポップスが中心ですが、ロックやEDMもそれなりに人気。Axwell ∧ Ingrossoの”More Than You Know”が昨年週の1位まで上り詰め、また2016年にはAlan Walkerの”Faded”が「年間」1位でした。

 また、昨年の年間チャートのうち、約 1/4がドイツ語曲で、そのうちの多くがヒップホップでした(ポップスはほぼ英語曲など輸入が多いです) 

 音楽市場が世界で4番目に大きい *2ドイツのシングルチャートは、なかなか刺激的で面白いので個人的にオススメのチャートです。

 

81 Daddy Yankee – Dura

 Daddy Yankeeの”Dura”が81位で登場。曲の最初に“Me Gusta Mi Reggae”(=レゲエが好き)と言っているように、レゲエポップ調のノリやすい1曲です。

 主なポイント源はYouTubeで、2018年にリリースされたミュージックビデオの中で、2番目に再生数が多い約1億6500万再生を現時点で記録しています。ちなみに1番は”Finesse “(約2億 2600万)、3番目はOzunaとRomeo Santosの”El Farsante” (1億3200万) です。後者は今週Hot 100で急浮上しています。(おそらくYouTube効果)

 “Finesse”よりも”Dura”の方が後にリリースされたのですが、再生数が増えるペースは”Finesse”を大きく上回っており、そのうち”Dura”は2018年リリースされたミュージックビデオの中で最も再生された曲になるかも。Daddy Yankeeは昨年の”Despacito”も年間で最も再生された曲になっており(それどころか歴代トップの再生数を記録)、それに続いて2年連続のYouTube王になるかもしれません。

 昨年リリースされたビデオの、再生数トップ10のうち7曲がスペイン語曲など、YouTubeスペイン語曲の独壇場と言えるかもしれません。(参考↓)

Most Viewed Videos of 2017 - YouTube

 

73 Justin Timberlake – Man of the Woods

 Justin Timberlakeのアルバムが今週アルバムチャート1位を記録。純セールス約24万に加えてストリーミングでもそこそこの数字を稼いで、余裕の一位です。

 ヴァイナルもそれなりの数字 (15000枚)を記録し、現在の集計方法になった1991年以降では、ソロシンガーとしてAdeleとJack Whiteに次いで歴代3番目に多い数字だそうです。

 そのアルバムからは”Man of the Woods”が73位で登場。そして”Supplies”が100位で再登場*3。”Filthy”もスーパーボウルの効果で34位に再浮上しています。先週9位で登場したChris Stapletonとの”Say Something”は順位こそ 17位へ落としていますが*4、ストリーミング・ラジオの数値が上昇しており今後の期待が多少持てそうです。

 また、Alicia Keysとの”Morning Light”はHot 100に入れませんでしたが、114位(相当)にはエントリーしています。

 

56 Carrie Underwood feat. Ludacris – The Champion

 スーパーボウルの恩恵を最も受けた曲?、Carrie UnderwoodLudacrisの”The Champion”が56位で再登場しています。スーパーボウル放映前にビデオがCMで公開され、ダウンロードが4位に再浮上しました。

 ほかスーパーボウル関連でダウンロードが上昇したのは、

・パフォーマンスされた”Can’t Stop the Feeling!” → ダウンロード 14位 (Hot 100圏外 *5 )

・CMでビデオが公開された、Iggy Azalea feat. Quavo – “Savior” → ダウンロード 20位 (Hot 100には入れず、107位相当でした) など

 テレビ局の平昌オリンピックのテーマソングにもなっているので、今後Hot 100に残るかもしれないです。ただしラジオではあまりかかっていないようです。ストリーミングでもあまり人気が無いようです。

 グラミーに引き続き、スーパーボウルでもパフォーマンスされていない「場外」曲が人気を博しました。

 

39 YoungBoy Never Broke Again – Outside Today

 YoungBoy Never Broke Againの”Outside Today”が39位に浮上。彼にとって初のトップ40に。ストリーミングが今週13位と人気の一方で、ラジオではまだかかっていないようです。(現在1つ前のシングルNo Smokeがラジオでかかっているようなので)

 サウンドクラウド 13位、Apple Music 27位、Spotify 161位とサービスごとによって

人気が割れています。先鋭的な音楽が人気を集める傾向にあるサウンドクラウドで人気ということは、まだ「局地的」なのでしょうか。ユーザーが多く、リスナーのジャンルもバラけているSpotifyで上位に入ると「全国区」になるような気がします。

 YoungBoy Never Broke Againは現在”Solar Eclipse”も106位(相当)に。また、現在ラジオでかかっている”No Smoke”は今週76位です。

 

29 Bazzi – Mine

 今年の新スター候補筆頭、Bazziの”Mine”が29位とトップ40に突入しています。この勢いだと、まだまだ上昇しそうです。特にストリーミングが上昇中。ダウンロードはは横ばいです。ラジオは今週リズミック系ラジオで37位など少しずつ登場しています。

 この曲は各所で話題になっており、テイラーの公式「お気に入りリスト」にも名を連ねています(しかもプレイリストの先頭に)


さらに、BTSがこの曲をTwitterで紹介し、約24万リツイートを記録しています。(BTS

のファンはSNSで熱心な活動を行っています)

 

 

9 Bebe Rexha & Florida Georgia Line – Meant To Be

 Bebe RexhaとFlorida Georgia Lineの”Meant To Be”が今週9位に浮上しています。ラジオ で15位、ダウンロード は8位、ストリーミング 17位と3種目バランス良くポイントを稼いでいます。さらに今週の半ばにはiTunesで1位まで到達したので、来週はそのダウンロード増によって順位をさらに上げるかもしれません。

 Bebe Rexhaにとっては”Hey Mama”、”Me, Myself & I”に次いで3曲目のトップ10に。「自分が主役」の曲では初のトップ10 です。(残り2曲は客演のような扱いなので)

 Florida Georgia Lineにとっては2曲目のトップ10で、前回の”Cruise”でNellyと組んでトップ10入りしたことに引き続き、異ジャンルとのコラボでトップ10入りを達成しています。

 カントリーとポップの要素が混ぜ合わさったこの曲は、オーストラリアでもかなり人気になっています(最高2位まで到達)

 

8 Migos – Stir Fry

 Migosの”Stir Fry”が8位へ浮上。Migos名義では3曲目のトップ10、Quavoは7曲目のトップ10に。(他のメンバーはMigos名義以外のトップ10無し) ストリーミングが今週最も上昇した曲に。

 ストリーミングが上昇したのは、ビデオが先々週の日曜日にリリースされたほかSpotifyなどでアルバム後も数字を落としていないことが大きいと思います。

 “Culture Ⅱ”から先週Hot 100に登場した13曲のうち、今週は6曲がチャートに残っています。 (14位 “MotorSport”、48位”Walk It Talk It”、50位”Narcos”、72位”Notice Me”、89位”BBO”) ”Stir Fry”は今週に順位を上げましたが、他の曲は先週とくらべて順位を落としています。アルバムリリース週は、「新アルバム」として大きく注目を集め、アルバムが全体的に再生されますが、2週目以降は他の新アルバムとの競合もあるので、非シングルは「プレイリストに入れるかどうか」が重要といえそうです。

 

7 The Weeknd & Kendrick Lamar – Pray For Me

 The WeekndとKendrick Lamarの”Pray For Me”がいきなり7位で登場。The Weekndは7曲目、Kendrick Lamarは6曲目のトップ10になりました。ダウンロード2位、ストリーミング16位、ラジオ35位と複数の媒体で人気を得ています。2週目のラジオ35位は順調なスタートいえます。

 規模の大きいポップ系ラジオでは20位、ほかリズミック系ラジオ*6では17位と順調に数字を伸ばしていますが、Hip-Hop / R&B系ラジオでは今週37位→41位と少し調子を落としており、この系統とはそこまで相性が良くないのかもしれません。

 また、”Black Panther”収録曲のうち、この”Pray For Me”はSpotifyでは2番人気ですが、Apple Musicでは7番人気に。ヒップホップ系のリスナーにはそこまでハマらない1曲なのかもしれません。

 

※ラジオで今後も伸びていきそうですが、伸びが早すぎてI’m the Oneのようなパターン(一気にヒットするも、20週程度でチャートから外れてしまう)になる可能性も。

※この”Pray For Me”のプロデューサーはFrank Dukesで、彼は今週4位の”Havana”や、今週トップ10入りしたBebe Rexhaの直近のEP、”All Your Fault Pt.2”収録の”Comfortable”のプロデューサーを務めています。ポップス~R&B/ヒップホップなど幅広い系統でプロデュースを担当する彼の名前を今年は多く見る予感がします。

 この”Pray For Me”は彼にとって6曲目のトップ10に。以下がFrank Dukesの過去のトップ10シングルです。

Rihanna – Needed Me (7位)

Drake – Fake Love (8位)

Post Malone feat. Quavo – Congratulations (8位)

Future – Mask Off (5位)

Camila Cabello feat. Young Thug – Havana (1位)

 

× Imagine Dragons – Believer

 Imagine DragonsのBelieverが今週チャートを後に。ピーク4位 / 52週という優秀な成績を記録していました。53週目以降は25位以上に入らないとチャートに残れないので、先週がラストとなりました。昨年の年間チャートでは9位に入るなど大成功でした。セカンドアルバムからのヒットシングルは少なかったですが、サードアルバムで見事に巻き返しました。

 Imagine Dragonsはロングヒットを得意とする傾向にあり、この曲のほか2曲が過去に52週以上チャート滞在した経験を持ち、初めて「1年越え」を3曲で実現したアーティストに。(↓参考) ちなみにそのうちの1曲Radioactiveは歴代最長の87週滞在を記録。


 ロングヒットは各ラジオ系統の「ズレ」によって生じています。例えば”Believer”はオルタナティブ系ラジオで4/1にピークを迎えましたが、ポップ系ラジオでのピークは 8/19と少しブランクが空いているのです。オルタナティブ系ラジオでじわじわ人気を得た後、ポップス系ラジオでも数字を伸ばし、「2段階成長」しているのです。”Radioactive”、”Demons”も似たような理屈でロングヒットになりました。現在Hot 100に残っている”Thunder”も41週目で11位と、「1年越え」の期待大です。

 同じ週にアルバムをリリースしたDJ Khaledに対して曲数で不利を取り、ストリーミングで逆転*7される格好でアルバム1位を取り逃した”Evolve”でしたが、シングルの成功からこのアルバムで彼らはキャリアを再び前進させたと言えます。現代では稀少なメインストリームで人気のロックバンドとして定着したと思います。 

 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          Drake – God’s Plan

今週最もダウンロードが上昇した曲 Justin Timberlake – Filthy

今週最もストリーミングが伸びた曲 Ozuna & Romeo Santos – El Farsante

最も高い順位で新登場した曲          The Weeknd & Kendrick Lamar – Pray For Me

 

 

今週チャートから外れた曲 (13曲)

【左の数字は先週の順位、右(ピーク順位🗻/チャート滞在週数⏰)】

98 BTS feat. Desiigner – MIC Drop (🗻28位 /⏰10週)

97 Sofi Tukker feat. NERVO, The Knocks & Alisa Ueno (🗻81位 /⏰5週)

96 Migos feat. Gucci Mane – CC (🗻96位 /⏰1週)

91 YBN Nahmir – Rubbin Off The Paint (🗻46位 /⏰13週)

89 Eric Church – Round Here Buzz (🗻56位 /⏰19週)

87 Migos – Emoji A Chain (🗻87位 /⏰1週)

85 Migos – Auto Pilot (🗻85位 /⏰1週)

83 Migos – Higher We Go (Intro) (🗻85位 /⏰1週)

73 Migos – Gang Gang (🗻73位 /⏰1週)

64 Migos feat. Travis Scott, Ty Dolla $ign & Big Sean – White Sand (🗻64位 /⏰1週)

53 Migos – Supastars (🗻53位 /⏰1週)

49 Lil Uzi Vert feat. Nicki Minaj – The Way Life Goes (🗻24位 /23週)

29 Imagine Dragons – Believer (🗻4位 /52週)

 

 

 

YBN Nahmir – Bounce Out With That

今週”Rubbin Off the Paint”はチャートから外れてしまいましたが、代わりにこの曲が上昇中。各ストリーミングで数字を伸ばしています。今週既に116位(相当)にランクイン。

 

BlocBoy JB feat. Drake – Look Alive

 ダウンロード / ストリーミングの両方でかなりの数字を叩き出しているので、来週のHot 100で上位デビューしそうです。

 

ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi – X

SOB X RBE – Paramedic!

Khalid & Swae Lee – The Ways

Kendrick Lamar & Travis Scott – Big Shot

 来週アルバム1位見込みの”Black Panther”から数曲がHot 100入りしそうです。特に登場しそうなのはこの上記4曲だと思います。既発の”All the Stars”や”King’s Dead”も上昇すると思います。Saudi、SOB X RBEなどHot 100初登場を果たすアーティストも何人かいそうです。

 

・プレイリスト

 

・半年前の記事

"Feel It Still"が躍進しはじめます。(ちなみにこの曲、直近のイギリスのシングルチャートでトップ10入りを果たしています)

 

・1年前の記事

"Culture"リリースの週

*1:ポイント源がラジオに偏っているカントリーは、突発的な増減が少なく他の曲と比べた相対的な順位になりやすい

*2:1位アメリカ、2位日本、3位イギリス、Spotifyでもなかなか規模が大きい(日本は音楽市場の大きさの割にSpotifyでの影響力がかなり低い) 参考↓

 

 

*3:この2曲はスーパーボウルでパフォーマンスされていない

*4:ダウンロードが初週に偏るので、2週目に順位を落とすのはチャートシステム上仕方がない

*5:Hot 100に再登場するには25位以上に入る必要がある

*6:ヒップホップとポップの中間のような系統

*7:Imagine Dragonsもストリーミングが苦手という訳ではなく、”Evolve”の曲はSpotifyのランキングに全曲が登場。ロックアルバムとしては2017年唯一の偉業

2/9 リリース新曲/新作の初動を観察 【サントラ対決! Black Panther vs. Fifty Shades Freed】

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 今週は"Black Panther"、"Fifty Shades Freed"と豪華メンバーが揃う映画サントラがリリースされました。両方ともアルバム1位の候補ですが、果たしてどちらがこのレースを制するでしょうか。写真は"Black Panther"のサントラに参加するJorja Smith。サマソニに出演予定です。

 

Spotify デイリーのアメリカトップ10 (金曜日)

1 Drake  God's Plan
2 Kendrick Lamar & SZA All The Stars
3 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
4 Migos Stir Fry
5 ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi X
6 Bazzi Mine
7 Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
8 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
9 Khalid & Swae Lee The Ways
10 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive

 

 今週も多くSpotifyトップ10に変化がありました。トップ10に"All The Stars"、"Pray For Me"、"X"、"King's Dead"、"The Ways"と"Black Panther"から5曲がエントリーしています。既発の"All the Stars"と"Pray For Me"が特に人気で、ScoolBoy Q / 2 Chainz / Futureなど人気ラッパーを据えた"X"、"King's Dead"・そして昨年世界的に飛躍を遂げたKhalid & Swae Leeの"The Ways"が続いています。アルバムには様々な面々が参加していますが、ゲストが豪華な曲が順当に上位に入っている印象があります。

 そしてもう一つトップ10に新たに入った曲が。Drakeが客演に入ったBlocBoy JBの"Look Alive"がSpotify10位に登場。この曲リリースまでは知名度が高くなかった彼ですが、Drakeが客演に入ったことにより一躍大注目を受けています。メンフィス出身の彼は"One Dance"の時の客演Kylaと似たようなシンデレラストーリーを歩んでいるように思います。

 ストリーミングで上位に入るだけでも偉業ですが、それに加えてダウンロードでも上位に入っています。客演によってから無名の新人をスターダムに導くことに成功したDrakeのカリスマ性には脱帽です。先週からエントリーをしているBazziも含めて、Saudi、Blacboy JBと新人が多くSpotify上位に入っているなかなか刺激的なランキングです。

※ ↓HypebeastによるBlocboy JBについての解説記事です。


 

② 新曲/新アルバムからのシングル アメリカSpotifyデイリー順位 (金曜日)

 

・Various Artists - Black Panther: The Album 圏内14/14曲

11 Kendrick Lamar Black Panther
17 Kendrick Lamar & Travis Scott Big Shot
20 SOB x RBE Paramedic!
25 Vince Staples & Yungen Blakrok Opps
34 Jorja Smith I Am
40 Ab-Soul, Anderson .Paal & James Blake Bloody Waters
59 Zacari & Babes Wodumo Redemption
61 Zacari Redemption Interlude
70 Mozzy, Sjava & Reason Seasons

 "Black Panther"の収録曲はトップ10の5曲を含む 全14曲がSpotifyデイリーの100位圏内にエントリーしています。Kendrick Lamarプロデュース作とだけあって、ストリーミングでがっちりと人気を獲得しています。このアルバムについて少し掘り下げてみようと思います。

 個人的に比較対象として浮かぶのはDrakeの昨年の「プレイリスト」、"More Life"です。Drakeはプレイリストで多様なゲストを幅広い分野から呼び寄せ、お気に入りの面々を紹介しましたが、この"Black Panther"でKendrick Lamarは同じようなことを行っているように思います。 Saudi、Yugen Blakrok、SOB X RBE、Babes Wodumo、Sjava、"DAMN."でも起用されたZacariなどフレッシュな面々を起用しています。

 "More Life"と比べると、"Black Panther"ではKendrick Lamar名義ではない曲も多く、少し曲ごとに人気 度が分かれています。"More Life"は全曲がHot 100に入りましたが、"Black Panther"はそこまで行かないとは思います。今後のストリーミング数の動き方次第ですが、"Big Shot" "Black Panther"辺りまではHot 100入り有力、"Paramedic!" "Opps" "I Am"辺りが当落線上といったところでしょうか。ただし、Kendrick Lamarはクレジットされていない曲でもパートを担当している場合が多く、*1 サントラながらもアルバムとしてのまとまりはあると思うので、アルバムが長くはないこと (49分)と合わせて、最終的にはアルバム全体的な再生数は高水準になるかもしれません。*2

 またJorja Smith、2 Chainz、Travis Scottの3人は"More Life"と"Black Panther"の両方に登場しており人気度が伺えます。Frank Dukesもプロデューサーとして両作品に参加しています。この中で特にJorja Smithはイギリスのシンガーながらも北米の面々に熱心に誘われる辺り、期待度の大きさが伺えます。(ヘッダーにした理由です)UKだけではなく、USでも今後注目を集めそうです。

 2 Chainz、Travis Scottの2人は「大物ラッパーのコンピレーション」という点で共通点のある2012年のKanye West "Curel Summer"でも起用されていました。

 スティーヴン・ウィットのノンフィクション、『誰が音楽をタダにした?』*3では

大ヒットを出したあかつきには、それを利用して自分自身がスカウトマンとして新人を発掘していった。売れっ子ラッパーを獲得すると、連鎖反応が起きてさらに多くの売れっ子を獲得できた。モリス*4のアーティストの中で今いちばん売れているラッパーたちも、もとをたどれば何年も前に獲得したアーティストがきっかけだった。

 とし、ラッパーが続々と芋づる式に新人を発掘してレーベルに寄与していく様子が描かれていますが、このような"More Life"や"Black Panther"のようなアルバムによってその「発掘」をレーベル単位ではなく、一人のラッパーを追っていれば出来るようになったので、リスナーも素早く「発掘」をできるようになったように思います。今後も「発掘」と相性の良いプレイリスト的、コンピレーションの文化がストリーミングと共に進んでいくのか要注目です。

 

※ ↓この記事を参考にしています。TDEの面々がKendrick Lamarの作品に参加することは案外珍しいこと、南アフリカに注目!などの内容がかかれています。


 

・Fifty Shades Freed 圏内 4/19曲

100 Hailee Steinfeld & BloodPop  Capital Letters
125 Liam Payne & Rita Ora For You
128 Julia Michaels Heaven
186 Whethan & Dua Lipa High

 一方、"Fifty Shades Freed"からは4曲がエントリー。既発の"Capital Letters"、"For You"、"Heaven"に加えて、Dua Lipaが参加する新曲"High"が登場しています。しかしどれもストリーミング下位なので、Hot 100での躍進は望み薄でしょうか。サントラ対決、ストリーミングは"Black Panther"が制しています。

 

・その他シングル

46 Marshmello & Anne-Marie Friends
73 Calvin Harris feat. PARTYNEXTDOOR Nuh Ready Nuh Ready
76 Rae Sremmurd T'd Up
85 2 Chainz fet. YG & Offset Proud
91 Rich the Kid Plug Walk
107 James Bay Wild Love
197 R3hab & Lia Marie Johnson The Wave

 Anne-Marieを迎えたMarshmelloの"Friends"が46位、PARTYNEXTDOORを迎えたCalvin Harrisの"Nuh Ready Nuh Ready"が73位に登場しています。Calvin Harrisを上回るとは、近年のMarshmelloの勢いを実感します。ちなみにCalvin Harrisの本拠イギリスでもSpotifyでは Marshmello > Calvin Harrisでした。 ("Friends"は17位、"Nuh Ready Nuh Ready"は39位) DJでいうと、R3habの新曲も下位に登場しています。

 "Friends" アコースティックサウンドで幕を開けるポップス調の1曲、"Nuh Ready Nuh Ready"はディープハウスとダンスホールをかけ合わせたような1曲です。PARTYNEXTDOORは昨年のCalvin Harrisのアルバム"Funk Wav Bounces Vol.1"にも参加していましたが、今回のシングルはその時と作風が少し変えてきています。昨年は"Slide"を始めとしてCalvin Harrisの Funk Wav路線が注目を集めていましたが、今年はモデルチェンジですかね。本人はこう説明しています ↓

 

 

 ほか週の途中にリリースされた、Metro BoominプロデュースのRae Sremmurdの"T'd Up"が76位で登場・緊急EPをリリースした2 Chainzの"Proud"が85位で登場・Rich the Kidの"Plug Walk"が95位で登場・James Bayの"Wild Love"が107位で登場しています。

 

③  iTunesアメリカップ10+新曲の順位 (金曜日)

・1-10位 ($は値引き)

1 Drake  God's Plan
2$ Bebe Rexha & Florida Georgia Line Meant to Be
3 Jon Langston When It Comes to Loving You
4 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
5 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
6 Ed Sheeran Perfect
7 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton Say Something
8 The Weeknd, Kendrick Lamar Pray For Me
9 Bruno Mars feat. Cardi B Finesse (Remix)
10 Camila Cabello feat. Young Thug Havana

 Drake客演の"Look Alive"がiTunes4位とダウンロードでも好調です。また、カントリー界の新人Jon Langstonの"When It Comes to Loving You"がiTunes上位につけています。日曜日には一時期iTunes1位に浮上しました。カントリーアーティストはダウンロード で強い傾向があるのですが、それは知名度のあるアーティストの場合なので新人がここまでダウンロードで好調とは珍しい現象です。今年のブレイク候補?

 

・新曲群

16$ Kendrick Lamar & SZA All The Stars
19$ Liam Payne & Rita Ora For You
33 Marshmello & Anne-Marie Friends
34 Rich the Kid Plug Walk
37 ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi X
49 Kendrick Lamar & Travis Scott Big Shot
51 Bishop Briggs Never Tear Us Apart
56 James Bay Wild Love
57$ Jay Rock, Kendrick Lamar, Future & James Blake King's Dead
59 Julia Michaels Heaven
75 Eminem feat. Sia Guts Over Fear
76 Khalid & Swae Lee The Ways
78 Hailee Steinfeld & BloodPop Capital Letters
93 Whethan & Dua Lipa High
95 Rae Sremmurd T'd Up
99 King Combs feat. Chris Brown Love You Better
100 Jamie Dornan  Maybe I'm Amazed

 両サントラの各曲がそれなりにダウンロードを記録しています。様々なアーティストが登場しているので、「特定アーティストのファンだけど、アルバムにはそこまで興味のない層」がダウンロードしているのでしょうか。

 また、75位の"Guts Over Fear"は冬季オリンピックに参加している選手が自らを鼓舞するために使用していると明かしたことから、少しダウンロードが伸びたようです。

 

④  iTunes アルバム順位 (アメリカ)

1 Kendrick Lamar, SZA, The Weeknd Black Panther The Album
2 Various Artists Fifty Sahdes Freed
3 Various Artists The Greatest Showman
4 Justin Timberlake Man of the Wood
5 Wade Bowen Solid Ground
6 Brian Fallon Sleepwalkers
7 Elevation Collective Evidence
8 Dashboard Confessional Crooked Shadows
9 MGMT Little Dark Age
10 2 Chainz The Play Don't Care Who Makes It (EP)

 ダウンロードでも"Black Panther"に軍配が上がっています。iTunesとストリーミングを制しているので、アルバムチャート1位が濃厚です。ほかMGMTの?年のアルバムが9位に、2 Chainzの4曲入りEPが10位に入っています。

 

⑤ 現在ラジオで上り調子の10曲

32 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
4 Bruno Mars & Cardi B Finesse
105 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton Say Something
26 Drake God's Plan
67 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
11 G-Eazy & Halsey Him & I
14 Selena Gomez & Marshmello Wolves
17 Old Dominion Written in the Sand
6 Charlie Puth How Long
15 Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line Meant To Be

 複数系統でかかっている"Pray For Me"がかなりのハイペースで上昇中。ただし、"I'm the One"のように落ちるのも早い可能性も。

 

⑥各ラジオ局で今週かかりはじめた曲

✫ポップ系

23 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
35 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton Say Something
48 Hayley Kiyoko Curious

 "Pray For Me"、"Say Something"ともに急上昇中です。ほか日本人の血を引くHayley Kiyokoが登場。

 

✫アダルトポップ系

42 Zedd, Maren Morris & Grey The Middle
45 Kelly Clarkson I Don't Think About You
47 U2 Get Out Of Your Own Way
49 G-Eazy & Halsey Him & I
50 Milck Quiet

 "The Middle"、"Him & I"がポップ系に遅れて登場したほか、U2Kelly Clarksonとアダルトポップ系で優先的に登場する曲も。

 

✫リズミック系

18 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
46 Bazzi Mine
47 Kent Jones Merengue
48 Nav feat. Lil Uzi Vert Wanted You

 広く人気の"Pray For Me"が最も人気な系統。大ブレイクの予感がするBazziも登場。ほか、2016年に"Don't Mind"でブレイクしたKent Jonesの新シングル、リリース時からストリーミングで人気のあったNavとLil Uzi Vertの"Wanted You"など

 

✫アーバン系

35 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me
48 Devvon Terrell Temperature
49 Bobby V feat. Snoop Dogg Lil Bit
50 Tigo B Wherer You Come From

 2005年にHot 100で8位まで到達したBobby VがSnoop Doggと組んでいます。 

 

⑦ その他のストリーミングのトップ10

Apple Music

1 Drake  God's Plan
2 Migos feat. Drake Walk It Talk It
3 Migos feat. 21 Savage BBO
4 Migos  Stir Fry
5 Migos Narcos
6 Bruno Mars feat. Cardi B Finesse
7 Cardi B feat. 21 Savage Bartier Cardi
8 Migos feat. Post Malone Notice Me
9 Bazzi  Mine
10 Offset & Metro Boomin Ric Flair Drip

 数曲"Culture Ⅱ"からのシングルがトップ10に残っています。Apple Musicのトップ10に現時点で残っている曲はシングルでなくとも、ある程度の期間Hot 100に残るかも。※集計が少し遅いため、"Black Panther"の反映はまだです。

 

・パンドラ

1 Drake God's Plan
2 Ed Sheeran & Beyoncé Perfect Duet
3 NF Let You Down
4 Bebe Rexha feat. Florida Georgia Line Meant to Be
5 Migos, Cardi B & Nicki Minaj MotorSport
6 G-Eazy & Halsey Him & I
7 G-Eazy feat. A$AP Rocky & Cardi B No Limit
8 Eminem feat. Ed Sheeran River
9 Bruno Mars feat. Cardi B Finesse
10 Post Malone I Fall Apart

 "God's Plan"がパンドラでも早々に一位を獲得しています。

 

・サウンドクラウド

1 6ix9ine, Fetty Wap & A Boogie wit da Hoodie KEKE
2 Lil Skies feat. Landon Cube Nowadays
3 Lil Skies feat. Landon Cube Red Roses
4 XXXTentacion feat. Trippie Redd Fuck Love
5 6ix9ine GUMMO
6 Post Malone feat. 21 Savage rockstar
7 Bazzi Mine
8 Kodak Black feat. XXXTentacion Roll in Peace
9 Migos  Stir Fry
10 YBN Nahmir Rubbin Off The Paint

 今週は上昇中の新曲が無いです。

 

・Genius

1 Drake God's Plan
2 Kendrick Lamar & Travis Scott Big Shot
3 ScHoolboy Q, 2 Chainz & Saudi X
4 Ex Battalion Hayaan Mo Sila
5 CNCO Quisera
6 Bruno Mars feat. Cardi B Finesse
7 Kendrick Lamar & SZA All The Stars
8 Zac Efron Rewrite the Stars
9 BlocBoy JB feat. Drake Look Alive
10 The Weeknd & Kendrick Lamar Pray For Me

 "Black Panther"の曲がGeniusで注目を集めています。ほか、フィリピンのミーム曲?"Hayaan Mo Sila"が上昇。英訳も付けられています。フィリピンの曲が上位に入るということは、このランキングは全地域対応でしょうか?

 

 

✫半年前の新リリース

Keshaのアルバム、AviciiのEPなど。

*1:Pigeons & Planesはこれを「アルバムの糊」と表現しています

*2:アルバム単位で聞くとなると、極端に再生数が少ない曲が減るのでは?という推測です

*3:2016年・早川書房・訳:関美和

*4:ダグ・モリス キャリアの終盤にはVevoを作り、YouTubeから収益を得るシステムを確立した。

Hot 100 2/10 見どころ 【Migosがビートルズと並ぶ?/グラミーは場外が人気?】

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 Migosがアルバム1位を獲得!そのアルバムから13曲がHot 100にエントリーし、さらに客演の1曲と合わせて計14曲が今週Hot 100に。グループとしてはThe Beatlesと並んで歴代最多のエントリー数に。(ソロならDrakeが”More Life”の時に同時24曲入りを達成) ほかグラミーのチャートへの効果は?など *1

 画像は↓の記事から取ってきました。

 Migos: Wait, Why Do People Think They're The New Beatles

 ちなみに私はMigosの来日公演の抽選に落選してしまいました💦(その発表がこの記事を書いている日にあった) 2度目は果たしてあるのか!?

 

94 Luke Bryan – Most People Are Good [New]

 昨年のアルバム”What Makes You Country”から2曲目のシングル、”Most People Are Good”が94位で登場。カントリー系ラジオで13位と浮上しており、ラジオ総合でも48位にエントリー。また、ラジオで存在感を示した効果か、ダウンロードも45位にランクインしています。

 2010年代の3作目~5作目のアルバムからはいずれもトップ40シングルが4曲出ているのですが、今回のアルバムからのトップ40シングルはまだです。このシングルで結果を残せるか?

 

92 Ozuna – El Farsante [New]

 Ozunaの”El Farsante”が92位で登場。ビルボードは表記していませんが、Romeo Santosのリミックスが1/30にリリースされたことがHot 100エントリーの要因だと思います。

 Romeo Santosと共演したYouTubeのビデオはリリースからちょうど1週間で7300万再生に到達しています。原曲も音源のみながら、6億3700万再生 (昨年の7月公開) ラテン系はスペイン語人口の世界的な多さからか、誰でもアクセスしやすいYouTubeで近年かなり強いですね。(2010年のデータで、中国語 9億5500万人、スペイン語 4億500万人、英語 3億6000万人 らしいです)

 

75 Rich The Kid feat. Kendrick Lamar – New Freezer [New]

 Rich the KidがKendrick Lamarを迎えた”New Freezer”が75位に登場。元からApple Music で25位前後、Spotifyで60位前後などそこそこのストリーミングを記録してHot 100にもう少しでは入れそうでしたが、今週Hip-Hop / R&B ラジオが伸びた(50位→39位)ことによって見事Hot 100入りを成し遂げました。Rich the Kidにとって初のHot 100となりました。

 ちなみにRich the Kidは先週リリースのBhad Bhabieの”Hi Bich”のリミックスにYBN Nhamir、Asian Dollとともに参加しています。多分Hot 100には再登場しませんが。

 

33 Logic feat. Alessia Cara & Khalid – 1-800-273-8255 [↑]

 今週はグラミーの結果やパフォーマンスの効果が反映される週で、一部が恩恵を受けています。

 グラミーのラストにパフォーマンスが披露された”1-800-273-8255”が46位→33位と上昇しています。(ダウンロードは今週27位を記録)。Alessia Caraの新人賞受賞も多少プラスに働いたでしょうか。ほかBruno MarsのFinesse(5位→3位)などが恩恵を受けています。主要部門を3つ受賞したBruno Marsは、アルバムチャートでも上昇しています(24K Magicが10位→4位)

 パフォーマンスはしていませんが、Chris StapletonのBroken Halosも85位→62位 伸びています。(ダウンロードは今週22位を記録しています)Justin TimberlakeとのSay Somethingがヒットしている影響もあるのでしょうか。

 ほかKeshaのほか、Camila Cabello、Cyndi Lauper、Julia Michaels、Andra Day、Bebe RexhaによってパフォーマンスされたPraying(ダウンロード9位)、元からダウンロードで強いDespacito(ダウンロード10位)、などがダウンロードを大きく伸ばしましたが、過去にヒットした曲なので再登場のハードルが高い(「リカレントルール」によってPrayingは50位以上、Despacitoは25位以上に入る必要がある)ので、Hot 100には入らず。今年のグラミーのチャートへの影響はかなり小さかかったと言えるかもしれないです。

 

28 Jason Aldean – You Make It Easy [New]

 Jason Aldeanの”You Make It Easy”が28位で登場。ダウンロードが今週2位を記録しています。2014年のBurnin’ It Downが12位デビューした時のような、順調なスタートを切っています。カントリー系ラジオでも既に27位と数字を伸ばしています。

 

23 Zedd, Maren Morris & Grey – The Middle [New]

 ダウンロード6位を記録したZedd, Maren MorrisとGreyの”The Middle”が23位と快調なスタートを切っています。”Stay”(28位デビュー)以上に好調。リリース時からそれなりの数字を記録していましたが、グラミーの放送中にビデオが公開されて、さらに注目を集めダウンロードが上昇しました。ポップ系ラジオでも38位→25位と好調です。この調子なら”Stay”並のヒットも狙えそうです。*2

 

 実際にパフォーマンスされた曲よりも、”The Middle”のほうが分かりやすくチャートで効果が表れており、今年のグラミーで最もチャートに影響を与えたのは「場外」の曲だったともいえそうです。

 

(参考)↓2012年 - 2017年のグラミー時のチャート成績まとめ記事です


 

18 Migos feat. Drake – Walk It Talk It [New]

 Migosのアルバム”Culture Ⅱ”がストリーミングを中心に人気。セールスは3位ながらも今週のアルバム1位を獲得しています。(セールス1位はThe Greatest Shwoman、2位はAbove & Beyondのアルバム)

 そのアルバムから大量13曲がHot 100にエントリーしています。さらに客演の”I Get the Bag”と合わせると計14曲が今週のHot 100にエントリーしており、Migosは今週ビートルズと並んでグループとしては歴代最多のHot 100エントリーを記録しました。(全体で一番多いのは”More Life”の時のDrakeの24曲)

 既存シングルの”MotorSport”が8位、”Stir Fry”が12位で人気なほか、新エントリーの中ではDrakeとの”Walk It Talk It”(18位)、”Narcos”(36位)、21 Savageとの”BBO” (48位)あたりが人気です。(詳しいエントリーは↓の表にまとめました)

 

 “BBO”では密かに「アンバーローズ同盟」?が。客演の21 Savageは現在Amber Roseと交際しているのですが、この曲にはAmber Roseの元カレKanye Westがソングライトに参加しています!ほか、”Crown the Kings”ではKanye Westの2008年のアルバム”808’s & Heartbreak”収録の”See You in My Nightmares”と同じサンプリング?なのか、似たようなサウンドがあります。 *3

 

前作との比較

 今作ではHot 100に13曲がエントリーしましたが、前作では7曲エントリーでした。

2 Bad and Boujee / 19 T-Shirt / 48 Slippery /58 Kelly Price / 62 Call Casting / 72 Get Right Witcha / 93 Culture

 曲数が多いこともありますが、順位も全体的に今回の方が高く、人気向上が伺えます。

 前作と比べて、ダウンロードが伸びたように思います。どちらもストリーミングで大人気という共通項はあるのですが、それぞれのリリース時ではダウンロードが少し違います。

↓それぞれのリリース時でダウンロードチャート/ストリーミングチャートに入った曲数

2017 : ダウンロード1曲 / ストリーミング6曲

2018: ダウンロード4曲 / ストリーミング7曲

 Drakeとの”Walk It Talk It”、Post Maloneとの”Notice Me”などゲストがいる曲が人気を集めたほか、既存シングルの”MotorSport”と”Stir Fry”もダウンロードチャート圏内に。前作ではあまり無かったダウンロードを浮上させ、Hot 100の好調に繋がったかなと思います。

 

 ちなみに2017年の前アルバムでは全曲がYouTubeに公開されていましたが、今回はシングルのみの公開です。

(参考)

 

 

12 Migos – Stir Fry [↑]

 アルバムでの浮上に加え、ビデオが公開されたことがプラスとなり、”Stir Fry”は52位→12位と一気に浮上。Spotifyで2位など、アルバム後も数字を伸ばし、またHip-Hop & R&B系ラジオで浮上中のため、来週もHot 100で好調をキープしそうです。

 ファレルがプロデュースしたこの曲ですが、ビート自体は2014年から存在していたようです。T.I.の車紹介の動画のBGMとして使用されています。ファレルが以前作ったビートを今回Migosに渡したということでしょうか。


 

SpotifyApple Musicで人気曲が違う

 Spotifyでの人気曲は”Stir Fry”と”Narcos”なのですが、Apple Musicでの人気曲は”Walk It Talk It”と微妙に違います。この違いは自然発生なのか、プレイリストによるものなのかが気になります。それぞれで人気のプレイリストを比較します。

Spotifyで人気のプレイリスト “Rap Caviar”で採用された曲は “Narcos” “Stir Fry” ”Walk It Talk It” “Gang Gang” “Notice Me”

Apple Musicで人気のプレイリスト “The A-List:Hip-Hop*4で採用された曲は”Walk It Talk It” “ Stir Fry” “MotorSport” “BBO”

 そこまで違いはありませんが、実際Gang Gang・Narcos辺りはSpotifyで人気になっているようです。プレイリストは選曲にどのような影響を与えているのか、気になるテーマではあります。 

 Spotifyでは”Stir Fry”と”Narcos”以外の曲は順位を落とし始めていますが、Apple MusicではSpotifyで人気の2曲”Narcos”や”Stir Fry”も上位につけており、今後はSpotifyで人気の2曲がHot 100に長く居座るのではないでしょうか。

 

 最近「夏頃にアメリカでApple Musicの登録者数がSpotifyの登録者数を抜かすのではないか?」という報道がありました。Spotifyには無料ユーザーもいるので、おそらくまだSpotifyのほうがまだ規模は大きいと思われますが、Apple Music vs Spotifyの比較や違い、というテーマは今後も目が離せないテーマだと思います。

 

 

9 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton – Say Something [New]

 Justin TimberlakeとChris Stapletonの”Say Something”が9位で登場。ダウンロード1位に加えストリーミングも40位を記録しています。アルバムリリース後もストリーミングの一番人気で、アルバムの中の人気曲になりそうです。現在もスーパーボウルでパフォーマンスされた”Filthy”よりも多いダウンロードを記録しているようです。("Say Something”はパフォーマンスされていない)

 Justin Timberlakeの地元で人気のカントリーへの回帰を見せた1曲ながらも意外と外国でも人気です。例えばドイツのシングルチャートではSay Something は23位でしたが、 Filthyは42位 でした。

 来週アルバムがチャートに反映されますが、Hot 100には4曲程度が登場するでしょうか。”Say Something” ”Flithy” “Man of the Woods” 辺りに加え、”Supplies”がエントリーするか微妙だと思います。ほか”Midnight Summer Jam”やAlicia Keysとの”Morning Light”が候補でしょうか?アルバムチャートでは余裕の1位見込みです。

 

× Chris Brown feat. Yo Gotti, A Boogie Wit da Hoodie & Kodak Black – Pills & Automobiles [↓]

 Chris BrownのPills & Automobilesが今週チャートから外れています。ここ最近キャリアチェンジをしているChris Brownの象徴的な1曲だったと思います。

 “Back to Sleep” 以降 ポップ系ラジオにエントリーしたのは、客演以外では”Zero “(33位)くらいの一方、Hip-Hop / R&B系ラジオでは”Back To Sleep”が3位、”Party”が4位 “Privacy”が8位など好調。この”Pills & Automobiles”も6位で、ポップスからR&B色を強めたキャリアチェンジを成功させていると思います。(元からR&B界隈でも人気ですが)

 一番規模の大きいポップス系ラジオでは伸びていないため、Hot 100での順位は最近控えめになっていますが、R&Bなどの「アーバン系」では健在ということが、この曲のチャートアクションから分かります。

 

× French Montana feat. Swae Lee – Unforgettable [↓]

 French Montanaの”Unforgettable”が今週チャートから外れています。French Montana初のトップ10ながらも(客演以外)、ピーク3位/40週と大健闘。さらに海外でも飛躍、アメリカでも年間15位と人気だったが、イギリス年間4位・カナダ年間5位・ドイツ年間9位とそれ以上のチャート成績を記録しています。客演のSwae LeeはBlack Beatlesに引き続き、2年連続で世界的ヒットを生み出すことに成功しています。

 この曲はなぜ海外に伝播したのか?ということをチャート成績から分析してみようと思います。

 

  Hot 100 Pop Urban Spotify UK
Bad and Boujee 1 31 1 1 30
XO TOUR Llif3 7 - 7 2 25
Mask Off 5 - 1 2 22
HUMBLE. 1 26 2 1 6
Unforgettable 3 9 4 1 2
1-800-273-825 3 3 49 1 9
Rake It Up 8 39 2 21 -
Bodak Yellow 1 23 1 3 24
rockstar 1 5 1 1 1
Gucci Gang 3 - 13 2 27
Bad Things 4 1 - 7 16

 ↑は2017年のラップのヒット曲を一部抜き出してそれぞれのチャート成績を分析した表です。Hot 100のピークのほか、ポップ系ラジオのピーク、アーバン(Hip-Hop / R&B系ラジオ)でのピーク、Spotifyの週間ピーク、そして海外でヒットしたか?の基準としてUKチャートのピークを載せています。

 

 この表から分かるのは、まずSpotifyでヒットすれば海外まで伝播する可能性が高いという点です。さらに、その中でもポップス系ラジオでもかかり、多様なリスナーに聴かれている曲が上位に入っている傾向があると思います。逆に、アーバン系ラジオでいくら人気でも、Spotifyでそこそこの人気だと海外に伝播しないことも伺えます(”Rake It Up”) これはアーバン系ラジオが地元に密着しているという理由や、アメリカ以外ではアーバン系ラジオの規模が小さい?という分析もできると思います。

 

※ちなみに、この曲をApple Musicで検索すると、「Summer Beats 2017夏に聞きたいビーチ・パーティー・アンセム」というアルバムが表示されます。その一方、なぜかFrench Montanaのアルバム”Junge Rules”はApple Musicに不在です。(最初は聴けたはずです)理由は分かりませんが、今後もこの現象が増えるとすれば、少し気になりますね。日本独自のコンピレーションが日本のストリーミングに影響を及ぼす可能性もあるのでしょうか。

Spotifyでは普通に聴けます。

 

× 21 Savage – Bank Account [↓]

 21 Savageの“Bank Account”が今週チャートから外れています。ラジオは総合49位が最高と控えめですが、ストリーミングでロングヒットになり、ピーク12位・チャート滞在29週と上々の成績を記録し、昨年の年間48位に食い込みました。今週もストリーミングチャートでは36位に残っています。

 ストリーミングに大きく偏ったポイント&ロングヒット、ということから”XO Tour Llif3”と似たチャート動向だったと思います。また、チャートの週のほとんど(先週以外)をトップ40で過ごしています。

 

※この曲と同じサンプリングをしたTravis Scott, Quavoの”Oh My Dis Side”も個人的に好きです。この曲のプロデューサーは最近名前を聞く事も増えたFrank Dukes。(Lordeのアルバムの曲や、”Havana”などをプロデュース)

 

× J Balvin & Willy William feat. Beyoncé – Mi Gente [↓]

 オリジナルもピーク19位と好調でしたが、そこにBeyoncéのリミックスが加わり、一気にダウンロードが浮上。一気にHot 100の3位に浮上し、最終的に2017の年間50位に食い込みました。Beyoncéリミックスを引き受けたのは「娘がこの曲を好きだったから」という理由だったようです。

 ダウンロードやラジオではBeyoncéバージョンの功績が見られますが、ストリーミングのポイントはほぼ原曲が占めていると思われます。YouTubeでは再生回数が原曲:約16億1000万に対して、リミックスが約6900万。Spotifyでも原曲がUSのデイリーランキング200位圏内に入ったのは220日間ですが、リミックスは65日のみです。「知名度向上」という意味では役割を果たしたと思いますが、オリジナルがヒットしている上で、さらにそれ以上のヒットとなったDespacitoほどでは無かったと思います。 

 

チャートで今週伸びを見せた曲たち

今週最もラジオで伸びた曲          The Weeknd & Kendrick Lamar – Pray For Me※

今週最もダウンロードが上昇した曲 Justin Timberlake feat. Chris Stapleton – Say Something

今週最もストリーミングが伸びた曲 Migos – Stir Fry

最も高い順位で新登場した曲          Justin Timberlake feat. Chris Stapleton – Say Something

 

※まだHot 100に登場していないものの、Radioチャートで「最も伸びたと表記されている」 

 

今週Hot 100から外れた曲 (17曲)

100 Keith Urban – Female (🗻69位 /⏰5週)

99 Plies – Rock (🗻99位 /⏰1週)

98 Blake Shelton – I’ll Name the Dogs (🗻56位 /20週)

97 Lil Baby – My Dawg (🗻71位 /⏰7週)

96 Loren Allred – Never Enough (🗻88位 /⏰4週)

95 Hugh Jackman, Keala Settle, Zac Efron, Zendaya & The Greatest Showman Ensenmble – The Greatest Show (🗻88位 /⏰4週)

90 Quavo & Lil Yachty – Ice Tray (🗻74位 /⏰6週)

86 6ix9ine – Kooda (🗻50位 /⏰8週)

82 NF – No Name (🗻82位 /⏰1週)

71 Justin Timberlake – Supplies (🗻71位 /⏰1週)

59 LANCO – Greatest Love Story (🗻45位 /21週)

53 Chris Brown feat. Yo Gotti, A Boogie Wit da Hoodie & Kodak Black – Pills & Automobiles (🗻46位 /20週)

50 French Montana feat. Swae Lee – Unforgettable (🗻3位 /42週)

48 Charlie Puth – Attention (🗻5位 /40週)

47 21 Savage – Bank Account (🗻12位 /29週)

44 J Balvin & Willy William feat. Beyoncé – Mi Gente (🗻3位 /30週)

41 Maroon 5 feat. SZA – What Lovers Do (🗻9位 /22週)

 

 

来週以降にHot 100に入るポテンシャルを持った曲をピックアップしました

 

Carrie Underwood feat. Ludacris – The Champions

・Meek Mill – Dreams & Nightmares

 グラミーでは「場外」が人気だったと説明しましたが、グラミーと並ぶ一大音楽イベントのような扱いを受けるスーパーボウルのハーフタイムショーでもまた「場外」が人気。ダウンロードで一番恩恵を受けたのは、Carrie UnderwoodのThe Champions。冬季オリンピックのテーマ曲でもあるこの曲のビデオが、試合開始前に放映されダウンロードが急浮上しました。来週のHot 100再登場が確実です。

 そしてストリーミングで最も影響を受けたのはMeek Millの”Dreams & Nightmares”。この曲はスーパーボウルで勝利を収めたフィラデルフィア・イーグルスのテーマ曲として試合後人気となり、Spotify 60位、Apple Music 17位とかなり浮上しています。もともとのリリース時期にはHot 100に入っていないのですが、今後の調子次第ではリリースから約5年越しのHot 100入りも、もしかしたらありえるでしょうか!?

 

・The Weeknd & Kendrick Lamar - Pray For Me

 ダウンロード、ストリーミングの両方で上々の数字を叩き出した上に、1週目からラジオがこの上無い好調を見せています。ポップス・リズミック・アーバン系など幅広い系統で大人気のため、ラジオではかなり強いかもしれません。3項目全てで強いので、来週のトップ10デビューの線が強いと思います。

 

 

✫半年前の記事

ほか、Camila Cabelloの初シングルが圏外へ、など。

 

✫1年前の記事

 

*1:なんとなく曲名を””で括り始めました…

*2:ビルボードの「忘却」 ↓の記事でこの”The Middle”を”Stay”の「フォローアップ」と表記しています。Liam Payneとの”Get Low”を忘却しています。

Zedd, Maren Morris & Grey Premiere 'The Middle' Video at 2018 Grammys | Billboard

*3:“Crown the Kings”にサンプリング曲として登録されているのはBob Marleyの“Get Up, Stand Up”みたいですね、でもこれは"See Yoou in My Nightmares"では違うと思います

*4:国別でプレイリストの採用曲が違う