チャート・マニア・ラボ

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Hot 100(USシングル) 2019年間チャートを10のポイントで振り返る

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 こんばんは!この記事では先週発表されたビルボードHot 100の振り返りを行います。主に誰が多く入ったか?どのジャンルが多いか?男女比は?○○年連続は?などの視点から分析していきます。(最後に表もつけています)

 

 

 

 

 

1 最多エントリーは? 客演も活用したCardi B!

 

 まずは誰が多く年間チャートにエントリーしたか?を見ていきましょう。

 

6曲:Cardi B

5曲:Post Malone, Ariana Grande, Khalid

4曲:Drake

3曲:Billie Eilish, Travis Scott, Brendon Urie (Panic! At the Disco), DaBaby, Lil Baby, Offset (Migos), Dan + Shay

※Migosはメンバーごとにカウント。今年はソロ名義がOffsetしかいない

Panic! At the Discoは現在、正式メンバーはBrendon Urie一人の模様

 

 昨年に引き続き、Cardi Bが年間チャートに最多のエントリーを果たしました。(昨年は8曲、Drakeと同数) 自身の曲3つ(”Please Me”, “Money”, “I Like It”)に加えて客演で3つもエントリー(“Girls Like You”, “Taki Taki”, “Clout”)したことが大きいです。

 昨年から継続している曲もいくつかあり、また自身の曲・客演の曲がバランスよくあることから、コンスタントにそして幅広く活躍していたことが伺えます。

 ポップの客演を務めた“Girls Like You”、ラテン要素のある”I Like It”や“Taki Taki”。そしてR&Bを取り入れた”Please Me”、ラップの“Money”や”Clout”とジャンルの幅もかなりあります。

 自身の直近のシングル“Press”は尻すぼみに終わってしまいましたが、来年以降も活躍が見られるでしょうか。

 

2 客演無しで5曲が年間に! 大ヒットも多いPost MaloneとAriana Grande

 

 Cardi B以上に際立っていた印象があるのはPost MaloneとAriana Grandeです。今年の年間チャートの主役はこの2人かもしれません。2人は上位エントリーが多いことに加え、いずれも客演無しで5曲を年間チャートに送り込んでいます。さらにアルバムチャートでも上位です。

 Post Maloneは出すシングルが軒並み上位に。2017年の”rockstar”以降、メインのシングルに据えられている曲は少なくとも3位以上にランクインしています。これを支えているアーティスト・Post Maloneへの圧倒的な支持です。それがどこで分かるかというと過去作品を含めたアルバムの人気です。アルバム年間チャートでは3つのアルバムがそれぞれ5位、9位、24位にランクイン。このように過去作を含めた複数アルバムで人気がある、ということは日常的に彼の楽曲を聴いている人が多くいるということです。そんな普段から「意識されている」ことがリリース後に即注目を集める要因と考えています。

 

 そしてAriana Grande。昨年のアルバムもストリーミングで一定の成功を収めましたが、今年はさらにパワーアップ。シングルの”thank u, next”での首位獲得をきかっけにもう一段上のアーティストへと飛躍を遂げました。その前後のシングルが成功を収め、年間チャートに多数エントリーを果たしました。

 ただし直近のCharlie’s Angelサントラシリーズが振るわなかったのはやや気がかりです。“Boyfriend”も尻すぼみでしたが、こちらはギリギリ年間チャートに滑り込みました。

 

 この2人と同数の5曲を送り込んだKhalid。彼は自身のアルバムからの曲が2つ、コラボレーションが3つとタイプ的にはCardi Bに近いヒットの稼ぎ方です。彼は”Eastside”と”Love Lies”は滞在50週超え、“Talk”と”Better”も40週超えとロングヒットが多いのが特徴的です。

 

 上記の3人に次ぐのは4曲を送り込んだDrakeです。自身の曲1つ、その他は客演。今年は自身の正式な新作が無かったことが影響しているでしょう。(“Care Package”は過去ボツ曲集で、SoundCloud等には既に転がっていたとの話) それでも客演できちんと存在感を発揮するのはさすがDrakeといったところです。”MIA”ではスペイン語ヴァースに挑戦するなど、幅も広げています。

 

 3曲を送り込んだのは7人(組)います。今年大ブレイクのBillie EilishとTravis Scott。昨年から今年にかけて大活躍のPanic! At the Disco、Lil Baby、Dan + Shay。Travis ScottとOffsetは客演の曲が多めです。

 

 

3 Hip-Hop / R&Bの上昇止まる & ポップ再浮上 背景にあるのは?

 

 次に今年の年間チャートをジャンル別に分類していきます。ビルボードのジャンル別チャートを参照して作成しています。どのジャンルにも属していない曲、また複数ジャンルに属している曲はポップ扱いにします。(今年は“Taki Taki”)

 

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 昨年と比較すると、Hip-Hop / R&B(以下アーバン)とポップの差が縮まっています。理由の一つはもちろん、Ariana GrandeやBillie Eilishなどポップスでもストリーミングを多く獲得できるスターが増えたことです。前者は5曲、後者は3曲年間チャートに送り込んでいて、この2人だけでかなりの増加数です。

 

 もう一つ理由として考えられるのは、ラジオの影響力増加です。ビルボードは昨年の7月からストリーミングに関するルール改定を行い、「無料会員」によるストリーミングの再生数は有料会員の2/3の数字でカウントされることになりました。

 関係するのはYouTubeSpotifyの無料会員などです。これは収益や、聞き方(途中に広告が挟まるか、シャッフルであんまりきちんと聞けない)など理由のある変更なのですが、この時に他の指標にはテコ入れをしていないので、ストリーミングだけが若干ポイントを落とし、相対的にラジオやDLの影響力が増すことになりました。

 

 このルールが導入された週、ラジオで強いカントリー曲の順位が伸びるという現象が発生しました。昨年の年間チャートでは途中から(期間は半年以下)の導入だった一方、今年はこのルールが1年間ずっと導入されていたので、その影響力が昨年よりも強まったということです。 (実際にラジオ年間75位以内に入りながらも、Hot 100の年間チャートに入らなかった曲の数は13→8で昨年よりも減少しています。)

 

 そしてラジオの規模は一般的にポップス>アーバン系統です。ラジオの規模はおおよそポップス(Top 40)>カントリー>アダルトポップ=リズミック=アーバン*1 くらいのイメージです。うちポップス曲が主にオンエアされるのはポップスとアダルトポップ、アーバン系統の曲がオンエアされるのはリズミックとアーバンです。

 

 このラジオの変化は、ポップス増加&アーバン減少の両方を説明できます。アーバン系統は今年調子を落ちたというよりは、ポップが良かった、または「ゲームに負けた」ような印象です。ビルボードが今後もラジオ重視の方針を続けるならば、アーバンの過半数超えは少し難しいミッションかもしれません。 

 

 

4 ラジオの恩恵を受けつつ、躍進も果たしたカントリー 

 

 3章のラジオの影響力増加で恩恵を受けたもう一つのジャンルはカントリーです。カントリー系ラジオはポップ系に次ぐ規模を持ち、カントリー曲はこのラジオ再生数のポイントのみ(ほぼ)でHot 100にエントリーすることもあります。そして何故か多くの曲が1位になるように、ほぼ毎週でカントリー系ラジオの1位が入れ替わるため、多くの曲にラジオのポイントが行き渡ります。多くのカントリー曲が似たようなチャートアクションを見せるのはこれが理由です。

 ほぼカントリー系ラジオのみでポイントを稼ぎ、カントリー系ラジオで1位になった後に次第に落ちるという「平均的カントリー曲アクション」だと年間チャートで当落線上です。しかしラジオが強まるとこのようなタイプでもギリギリ年間チャートに届くようになります。ラジオの強みを生かし80位以下カントリー曲が8つエントリーしています。(ただし“Tequila”と”One Thing Right”の2曲は今年カントリー系ラジオでのポイントは多くない)

 

 ただしラジオ以外の面でも、実際にカントリー曲は今年躍進していた印象です。“One Thing Right”や”The Git Up”はあまりカントリー系ラジオでかかっておらず、またDan + Shayの“Tequila”や”Speechless”が今年の年間チャートに入ったのはポップ系ラジオへのクロスオーバーが主要因です。(つまりこれらの曲の年間チャート入りの要因はカントリー系ラジオ以外にある)

 これ以外にも“God’s Country”と”Whiskey Glasses”、そしてLuke Combsのシングルなどストリーミングでも人気を得るカントリー曲も一部ありました。今までカントリー曲はストリーミングの成績がかなり低い傾向にあったので、これらの躍進は少し意外でした。

 

 最後に、忘れてはならないのは“Old Town Road”です。元々カントリー曲と分類されていたこの曲が突如Hot Country Songsから削除。Lil Nas Xはこの状況を逆に利用し、Billy Ray Cyrusを迎えたリミックスが大ヒットし年間1位を獲得したということは今年の一大トピックです。

 この記事ではジャンルの定義をビルボード準拠にしているので、この曲はカントリーのカウントには入れていませんが、その後カントリー曲にも影響を与え(”The Git Up”はモロに影響を受けている)、このジャンルへの注目度を高めたという点で、今年のカントリーを語る上で欠かせない存在だと考えています。

 

5 その他のジャンル、ダンス、ラテン、ロックは?

 いずれも2曲エントリーだったその他のジャンル、ダンス・ラテン・ロックについて見ていきます。ちなみに“Taki Taki”はダンス&ラテンの複数ジャンルに入っているので、ここではポップとして分類しています。

 

 ダンスは“Happier”と”Close To Me”の2曲。この3ジャンルの中で先が見えづらいと考えています。要因として考えているのが、このジャンルのヒットを生み出すDJたちが「シングル主義」であることです。Post Maloneの項で述べたように、アーティスト自体への注目度が高ければシングルは出せば一定のヒットはします。

 一方DJたちはシングルごとにその時の流行を取り入れて、「シングルヒット」を狙います。ただ、これは裏を返せば「アーティスト単位での一貫性の低下」ということにもつながり、○○の曲だから聞こう!という動機付けが薄くなるような印象です。Marshmelloはむしろ意図的にシングルごとにスタイルを変えることでメインストリームをうまく乗りこなしているような気もします。

 この戦略だと、波に乗ればシングルヒットを量産できるのかもしれませんが、一つ一つ「のるかそるか」になってしまい、安定感はどうしても欠いてしまいます。スタイル変幻自在のMarshmelloも、あまり注目を受けずに沈んでいったシングルも多いですし……(ただリリース曲数は多いので、最終的にはヒットを連発しているような印象になる)

 

 ロックはPanic! At the Discoの2曲のみ。これ以外では、ロック系ラジオにかかるアクト(しかしHot Rock Songsには分類されない)の躍進(Billie Eilish・SHAED)というトピックもありました。さらにPost Maloneの曲が一部オルタナティブ系ラジオでオンエアされるなど、メインストリームとの関わりは持っています。

 一定の存在感は今も発揮していますが、エントリーが10曲を超えていた年も以前はあることを考慮するとやはり苦戦しているということは間違いないです。

 昨年の年間記事で、ロックはストリーミングを苦手にしており、過去曲ばかりがRock Streaming Songsでは上位に入ると話題に挙げましたが、今年も同様の傾向が見られました。今年のRock Streaming Songs上位50のうち……

 

2019年は1曲 (Machin Gun Kellyの“I Think I’m OKAY”のみ ロック系アクトのYUNGBLUDとTravis Barkerの存在などによりロック曲扱いに)

2018年も5曲 (Panic! At the Disco×2 Imagine Dragons×2 twenty one pilots)

 

……でした。逆に過去曲も発掘されるというのがロックの良さと捉えるのも良いのかもしれませんが。(ストリーミングのチャートを見る限り、ロックは過去曲のディグという点では他ジャンルに劣らない印象はあります)

 

 ラテンは“MIA”と”Con Calma“の2曲。昨年と比べると減少していますが、ストリーミングで覚醒する以前は0曲エントリーの年も多く、元々の規模が大きくないのを考えると悪くはない成績です。この2曲にはカウントされない、“I Like It”や”Taki Taki”などのラテンアーティストが参加する曲もあり、着実にジャンルは浸透しているといえます。

 ほかDaddy YankeeとJ Balvinは3年連続年間チャート入り、Bad BunnyとOzunaは2年連続 人気を確立しているアーティストも増加しているので、来年以降も活躍が期待できるジャンルです。

 

6 女性アクトの巻き返し それを下支えしたジャンルは?

 

 今年の年間チャートでの男女比を見ていきます。コラボレーションは名前が先頭にあるアーティストの性別を参照しています。男女混合グループの場合はボーカリストの性別を参照します。(今年はSHAED) *2

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 今年は女性が巻き返しました。大きいのはAriana GrandeとBillie Eilish(二人で8曲)というビッグスターの活躍が大きな理由として挙げられるのです。この2人は年間アルバムチャートの1位2位も獲得することに成功しています。(Billieが1位)

 年間アルバムチャートでは3位も4位も女性のアルバムでした。(Lady Gaga、Taylor Swift それぞれ年間シングルにもエントリーしている)

 

 このポップアクトの躍進以外に、もう一つ注目したいのはHip-Hop / R&B領域での女性の躍進です。このジャンルの女性の、それぞれ年間チャートへのエントリー数は以下のように推移しています。

2019:8

2018:6

2017:2

2016:4

2015:5

 と数の上では微増程度ですが、層が厚くなっていることがポイントだと考えています。Cardi BとElla Maiの2人だけだった昨年に対し、今年はこの2人に加えてLizzo、Megan Thee Stallion、Saweetie、City Girlsなど多くのアクトがエントリーを果たしています。彼女らが来年以降も活躍できれば、このジャンルでの女性エントリー増加に期待が持てるかもしれません。

 

 Hip-Hop / R&Bで女性の躍進が見られた一方、カントリーでは全14エントリーが全て男性による曲でした。ラジオの影響力増により、今後も年間チャートへのエントリー数が多くなりそうなジャンルなので、女性のエントリー数を増やすにはこのジャンルでの女性シンガーの活躍も必要になるかもしれません。

 

7 Rihannaがストップ! 現在年間チャートに最も連続してランクインしているのは

 

 何年も連続で年間チャートに入り続けていれば、それだけコンスタントにヒットを生み出しているということを証明します。以下は3年以上連続で年間チャートに入り続けているアーティストです。

 

13年連続:Taylor Swift

11年連続:Drake

10年連続:Nicki Minaj

7年連続:Ariana Grande

5年連続:Shawn Mendes、Justin Bieber、Camila Cabello(グループ時代含む)、Selena Gomez

4年連続:Young Thug、Post Malone、Halsey、Travis Scott、Ty Dolla $ign

3年連続:Swae Lee、Khalid、Ed Sheeran、Maroon 5、Cardi B、Migos、Bruno Mars、21 Savage、Gucci Mane、J Balvin、Sam Smith、Luke Combs、Daddy Yankee、Kane Brown

 

 最大のトピックは昨年まで14年連続で年間チャートに入り続けていたRihannaの記録がついにストップしたことです。前アルバム“ANTI”からおよそ3年リリースがほとんど無い状態が続いており仕方がないです。昨年までは客演やコラボ等で細々とエントリーを続けてきましたが、今年はそれもありませんでした。

 彼女以外にも昨年まで8年連続だったCalvin Harris、5年連続のBeyoncé、そして4年連続だったThe Weeknd、Charlie Puth、Alessia Caraあたりが今年の年間チャートに入っていません。

 

 Rihannaに代わって最長エントリーとなったのはTaylor Swift。アルバムはおよそ2年に1度のペースですが、適宜シングルカットを行っているためここまで連続で入り続けています。ほとんど客演曲が無いという点が特徴的。今までの年間チャートエントリーで客演だったのはTim McGrawの“Highway Don’t Care”、Boys Like Girlsの”Two Is Better Than One”のみ。 またこれで自身の曲での連続年間チャートエントリーは最長になりました。(それまでは1990~2001年まで12年連続のMariah Carey

 ただし来年もこの記録が続くかは微妙です。“Lover”は来年の年間チャートに入るか微妙な成績なので、シングルカットでよほどの成功を収めるか(近年アルバム”後“のシングルカット成功率は低い)、新曲を出すかなど何かしら戦略を練る必要があります。

 

 次いで長いのはDrakeの11年。客演でのエントリーも多いですが、実は彼も同様に毎年少なくとも1曲は自身の曲が年間チャートにエントリーしています。彼がメインストリームから消える展開は現在全く想像できないので、数年後に連続エントリー最長記録を更新するかもしれません。

 

 3番目に長いのはNicki Minaj。今年は自身の”MEGATRON”が大コケするなど *3で、年の前半はヒットが無く記録のストップの可能性がありましたが、後輩ラッパーMegan Thee Stallionの客演を務めた“Hot Girl Summer”が見事にヒットして、ギリギリで滑り込みました。

 ちなみに4年連続のTy Dolla $ignも同様に年間チャートエントリーはこの曲のみです。彼は”Work from Home”、”Sucker for Pain”(自身メイン表記になっているが、映画の曲でかつ大所帯なのでほぼ客演のようなもの)、”Swalla”、”Psycho”と客演での活躍が多いです。

 

 これに続くのはAriana Grande。7年目で自己最高クラスの存在感を発揮しました。アルバム”thank u, next”は前作から間髪入れずにリリースされたことが注目されましたが、以降もこのペースで作品をリリースし、来年も年間チャートに入るでしょうか。 

 そして5年連続エントリーの4人(Shawn Mendes、Camila Cabello、Selena Gomez、Justin Bieber)はいずれも “Señorita”、”Lose You to Love Me”、”10,000 Hours”と来年の年間チャート入りが有力な曲があるので、全員記録を伸ばしそうです。

 

 

8 ラジオもAppleSpotifyも無し? 異例のYouTubeヒット

 

 2017年あたりからラジオでかからずとも、ストリーミングのみでポイントを多く稼いで年間チャートに入る曲が登場し始めました。今年も”Robbery”や”Swervin”がこれに当てはまります。

 従来、ここで言う「ストリーミング」とはAppleSpotifyなどのいわば「On-Demand Streaming」が多かったです。シングルカットされなかったものの、アーティストとしては人気が高いので曲として再生数が伸びた、のようなイメージです。(いわばアルバム曲なので、アルバム曲志向の強いOn-Demandで人気ということです。プレイリストも理由の一つですが、そもそもプレイリストの選曲はもともとアルバムリリース時に人気だった曲がそのまま採用されるケースが多い)

 しかし今年はラジオに加え、さらにOn-Demandでもスコアが高くない“Baby Shark”が年間チャート入りを果たしました。今までに無いパターンです。

 鍵を握ったのはYouTubeでの圧倒的な再生数でした。そのビデオは歴代5位の41億再生までジャンプアップ。アップロードは2016年ですが、子どものキャンプファイヤーのBGMなどとして使用されているうちに次第に浸透していったようです。ちなみに「曲」として見なされなかったのか、YouTube Chartには登場していません。(ビルボード等の再生数の集計には入っている)

 ここまで大規模な再生数を記録したのは、「一般的なリスナー以外」を巻き込んだからだと考えています。例えば、昨年ビルボード記事では「音楽ストリーミング有料会員“全体”の数はNetflix単体(5600万)よりも少ない」ということが指摘されていました。ストリーミングのユーザーが増加傾向とはいえど、全体的に見ると加入していない人のほうが多いのです。つまり、普段音楽を聞かない層まで巻き込むことができれば数で圧倒できるのです。これは、ここ数年ストリーミングでの躍進が目立つクリスマス曲にも似たようなことが言えるかもしれません。

 

 

9 週間トップ40未満でも年間チャート入りする曲の増加

 

 週間チャートでのトップ40はヒットの目安とされています。少なくともこのトップ40に入らないと、年間チャートには手が届かない、というのが定石でした。しかしこれが2015年に破られて以降、「トップ40未満」の曲が毎年いくつか年間チャートに入っています。

2015:El Perdón(56位)

2016:Wicked(41位) Really Really(46位)

2017:Both(41位)

2018:X(41位) Dura(43位) IDGAF(49位)

2019:Close Friends(47位*) Worth It(48位) Talk You Out Of It(57位) Walk Me Home(49位)

*集計期間でのピーク

 

 これら多くに共通するのはピークが分散して、長くチャートに残ったということです。ピークの分散にはラジオ、リミックスの2パターンがあります。

 

 ラジオのにも2つのパターンがあります。元々違う系統でかかっていたものが時間をかけて他系統に移るもの、もともとストリーミングで人気だった曲が遅いタイミングでラジオにかかるものがあります。“El Perdón”は他系統に移るパターンでしたが、最近はもっぱらストリーミング→遅いラジオのパターンですね。(“Close Friends”や”Worth It”など)

 特殊パターンだったのは、今年の“Talk You Out Of It”です。この曲は最初からカントリー系ラジオでかかっているだけでした。しかし、伸びのペースが異常に遅く21週目以降のタイミングでもまだラジオが伸びていたので、Hot 100に残留し続け、その滞在の長さから年間チャート入りを果たしました。クロスオーバーもしないのにここまでラジオの伸びが鈍重なのは異例ですし、さらに新人でもないのにここまで順位が伸びないのも不思議です。(4章で述べた通り、カントリー系ラジオでは多くの曲が1位に到達するので)

 この不思議な現象は再現性があるものなのか、そしてそもそもこれを狙うメリットはあるのか……謎は深まります……

 

 もう一つのリミックスは単純明快、少し調子が落ちてきた曲をリミックスで再び盛り上げようという作戦です。これは客演などが多く大所帯な傾向のラテンで起きやすい現象です。(“X”や”Dura”など) 2017年の”Both”はラジオ現象とリミックス現象のハイブリッドで年間チャート入りを果たしています。

 

 

 

10 集計期間の謎

 

 時期調整で1/3→1/6→1/10という日程がとられたため、昨年の年間チャートは11月ラスト週の一つ前(=11/17)まででした。今年は11月が5週にわたるため、ラスト一つ前の4週目=11/23までを想定していました。

 

 しかし終盤にヒットしていた曲が軒並み予想よりも順位が低いことから、集計期間は11/16=3週目までだったのではないかと考えられています。「ラスト週の一つ前」ではなく「3週目」のほうが採用されたのです。

 来年以降も11月3週目〆というスケジュールで年間チャートは運営されるのでしょうか。「毎年52週」にしてしまうと、少しずつ期間がズレてしまうので……何にせよ、ビルボードは以前から集計時期の明確な説明を行っていないので、推測でしか分かりません。(発表される時期から純粋な1月~12月ではないということは分かりますが)

 ちなみに「チャート日程上」で11月の3週目までだと、実際の集計期間は11月の上旬までになります。

 

 集計期間が明示されておらず謎だった、という説明でしたが、ビルボードは他にも謎が多いです。集計のポイントシステムも具体的には説明されていないし(一部マニアがなんとなくは分析していますが) さらに毎週のチャートなどを見ると何でこれがここに?のような曲も一部存在します。

 この複雑さが、ヒットを総合的に反映させているとの信頼性を上げる要素の一つでもある気はするのですが、ファン向けに分かりやすさを重視するRolling Stoneチャートなどのライバルが登場するなか、ビルボードは今後どうするのか? そんなテーマをこの年間チャート記事を書いていて改めて感じました。

 

 

 

おまけ1 年間チャート表

 

アーティスト 曲名 ピーク 週数 昨年
1 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus Old Town Road 1 36  
2 Post Malone & Swae Lee Sunflower 1 *49  
3 Halsey Without Me 1 *46  
4 Billie Eilish bad guy 1 32  
5 Post Malone Wow 2 44  
6 Marshmello & Bastille Happier 2 *39 80
7 Ariana grande 7 rings 1 33  
8 Khalid Talk 3 39  
9 Travis Scott SICKO MODE 1 *37 42
10 Jonas Brothers Sucker 1 36  
11 Panic! at the Disco High Hopes 4 *37  
12 Ariana grande thank u, next 1 *26  
13 Lizzo Truth Hurts 1 27  
14 Sam Smith & Normani Dancing with a Stranger 7 54  
15 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 1 20  
16 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care 2 26  
17 Benny Blanco, Halsey & Khalid Eastside 9 *34 77
18 Meek Mill feat. Drake Going Bad 6 37  
19 Lady Gaga & Bradley Cooper Shallow 1 *38  
20 Khalid Better 8 *39  
21 Chris Brown feat. Drake No Guidance 5 22  
22 Maroon 5 feat. Cardi B Girls Like You *7 *27 10
23 Ava Max Sweet but Psycho 10 35  
24 DaBaby Suge 7 32  
25 J. Cole Middle Child 4 27  
26 Lil Baby & Gunna Drip Too Hard *8 *26  
27 Lewis Capaldi Someone You Loved 1 26  
28 Lil Tecca Ransom 4 23  
29 Shawn Mendes If I Can't Have You 2 23  
30 Post Malone feat. Young Thug Goodbyes 3 18  
31 Kodak Black feat. Travis Scott & Offset Zeze *7 *20  
32 Post Malone Better Now *10 *23 13
33 5 Seconds of Summer Youngblood *12 *24 36
34 Drake feat. Rick Ross Money in the Grave 7 21  
35 Dan + Shay Speechless 24 *29  
36 Ariana grande break up with your girlfriend, i'm bored 2 20  
37 Cardi B & Bruno Mars Please Me 3 20  
38 Cardi B Money 13 *22  
39 Taylor Swift You Need to Calm Down 2 20  
40 Lil Nas X Panini 5 20  
41 A Boogie wit da Hoodie Look Back at It 27 31  
42 21 Savage a lot 12 23  
43 Taylor Swift feat. Brendon Urie of Panic! at the Disco ME! 2 20  
44 Bad Bunny feat. Drake Mia *18 *22  
45 Polo G feat. Lil Tjay Pop Out 11 27  
46 Luke Combs Beautiful Crazy 21 *27  
47 Blueface Thotiana 8 20  
48 Juice Wrld Lucid Dreams *5 *19 12
49 Sheck Wes Mo Bamba 6 *16  
50 Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People 13 19  
アーティスト 曲名 ピーク 週数 昨年
51 Gucci Mane, Bruno Mars & Kodak Black Wake Up in the Sky 11 *17  
52 Morgan Wallen Whiskey Glasses 17 27  
53 Blake Shelton God's Country 17 23  
54 Dean Lewis Be Alright 23 *26  
55 Mustard & Migos Pure Water 23 25  
56 Blanco Brown The Git Up 14 20  
57 DJ Snake feat. Selena Gomez, Ozuna & Cardi B Taki Taki *18 *19  
58 Ellie Goulding & Diplo feat. Swae Lee Close to Me 24 25  
59 Calboy Envy Me 31 27  
60 Lauren Daigle You Say 29 *25  
61 Panic! at the Disco Hey Look Ma, I Made It 16 22  
62 Post Malone Circles 2 10  
63 Luke Combs Beer Never Broke My Heart 21 21  
64 Young Thug, J. Cole & Travis Scott The London 12 20  
65 Daddy Yankee & Katy Perry feat. Snow Con Calma 22 25  
66 YNW Melly Murder on My Mind 14 20  
67 Billie Eilish when the party's over 29 *28  
68 City Girls Act Up 26 21  
69 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin I Like It *24 *19 7
70 SHAED Trampoline 14 23  
71 Flipp Dinero Leave Me Alone 20 *16  
72 Ariana grande breathin 12 *12  
73 Billie Eilish bury a friend 14 20  
74 Lil Baby Close Friends *47 *27  
75 Pinkfong Baby Shark 32 20  
76 Saweetie My Type 21 19  
77 YK Osiris Worth It 48 25  
78 Jonas Brothers Only Human 18 21  
79 Luke Bryan Knockin' Boots 31 22  
80 Ella Mai Trip *15 *12 92
81 Lee Brice Rumor 25 20  
82 A Boogie wit da Hoodie feat. 6ix9ine Swervin 38 20  
83 Sam Smith How Do You Sleep? 24 16  
84 Lil Baby & DaBaby Baby 21 16  
85 Thomas Rhett Look What God Gave Her 32 20  
86 Kane Brown Good as You 36 20  
87 Offset feat. Cardi B Clout 39 20  
88 Khalid & Normani Love Lies *19 *13 19
89 Marshmello & Kane Brown One Thing Right 36 20  
90 Megan Thee Stallion feat. DaBaby Cash Shit 36 20  
91 Dan + Shay Tequila *29 *14 32
92 NLE Choppa Shotta Flow 36 20  
93 Megan Thee Stallion feat. Nicki Minaj & Ty Dolla Sign Hot Girl Summer 11 12  
94 Florida Georgia Line Talk You Out of It 57 26  
95 Bazzi feat. Camila Cabello Beautiful 26 13  
96 Chase Rice Eyes on You 38 20  
97 Dan + Shay All to Myself 31 20  
98 Ariana grande & Social House boyfriend 8 12  
99 Pink Walk Me Home 49 20  
100 Juice Wrld Robbery 27 18  
アーティスト 曲名 ピーク 週数 昨年

 昨年=昨年の年間チャートでの順位

ピーク・週数は今年の集計期間内の数字です。

 

 

おまけ2 予想の答え合わせ

 だいたい半年程度が終了した時点で、最終的に年間チャートはどうなるか?という予想をしています。今年の予想はこうでした!(記事はこちら

 

  予想 結果
1 Old Town Road                  
Old Town Road
2 Without Me Sunflower
3 Sunflower Without Me
4 Happier bad guy
5 Wow. Wow.
6 High Hopes Happier
7 7 rings 7 rings
8 bad guy Talk
9 thank u, next SICKO MODE
10 Sucker Sucker

 2017年・2018年とトップ10正答率は8、ピタリが2でした。今年もトップ10は同数ですがピタリが4になったので少し精度を上げられたということになります!やったね!

  純粋な順位以外にも、細かく予想がズレているところもあるので(例:“I Don’t Care”はHAC系でかからなさそう等 実際は多くかかった) そこは次回以降の糧にしていきたいですかね。

 

 

関連記事

 

この記事の2018年版:Hot 100(USシングル) 2018年間チャートを10のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

この記事の2017年版:Hot 100(USシングル)・2017年間チャートを10のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

 

*1:ビルボードではMainstream R&B / Hip-Hopと称される

*2:2014年と2017年のClean Banditは男性扱いしています

*3:2週目の Billboard Hot 100:#92 (-72) という落ち幅が話題になり一部でコピペ化していました

Hot 100 12/14 見どころ 【The Weeknd首位 / クリスマス曲14まで増加】

 

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こんばんは。 クリスマス曲 vs. 既存曲のせめぎ合いはなかなか見ものですね。集計はまだ12月序盤ですが、初登場含む計14のクリスマス曲がHot 100に入りました。

 

 

◇今週のHot 100 ハイライト◇

・The Weekndの“Heartless”が1位に浮上!彼にとって4曲目の首位。もう一つの”Bliding Lights”は11位

・クリスマス曲が8つ増加し、計14曲がHot 100入り。“All I Want for Christmas Is You”は3位へ、”Rockin’ Around the Christmas Tree”は8位に

・“Frozen 2”がアルバム1位

TikTok発“No Idea”が68位に登場

 

 

・今週のトップ10

△1◎ The Weeknd – Heartless 🍎✅

▽2  Post Malone – Circles

△3◎ Mariah Carey – All I Want for Christmas Is You

▽4  Lewis Capaldi – Someone You Loved

▽5◎ Maroon 5 – Memories

▽6  Lizzo – Good As Hell

▽7◎ Arizona Zervas – Roxanne

△8  Brenda Lee – Rockin’ Around the Christmas Tree

▽9  Selena Gomez – Lose You to Love Me

▽10◎ Dan + Shay & Justin Bieber – 10,000 Hours

 

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

🚩=“BOP” (12位)

  は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

 

 

1~100位までの順位表は↓

 

曲の個別解説

 

◇93 Lil Tjay – F.N

 上半分では多くのクリスマス曲が再登場を果たしていますが、それ以外の曲も下位で一部再登場しています。今週再登場が合計9曲。

 98位に”RITMO”、95位に”Tusa”、93位”F.N”が再登場。いずれもストリーミング人気を受けてラジオが増加、という流れでポイントが浮上しています。

 

☆83 Roddy Ricch feat. A Boogie Wit da Hoodie – Tip Toe

 Roddy RicchがA Boogie Wit da Hoodieを迎えた“Tip Toe”が83位に登場。1つ前の週の途中にリリースされ、フル集計になった今週週はじめてHot 100にエントリーしました。Apple > Spotify = YouTubeの順で人気。

 Roddy Ricchは新たにリリースされたアルバムが好調。来週アルバムチャート1位の有力候補で、収録曲もいくつかHot 100に登場しそうです。

 

☆72 Jonas Brothers – Like It’s Christmas

 クリスマス曲はルールによって50位以上にしか登場しませんが、リリース1年目に限り普通の曲として扱われるので51位以下にも登場します。

 これに該当するJonas Brothersの“Like It’s Christmas”が72位に登場。今週AC系ラジオで1位になっています。

 今後もストリーミングでのクリスマス人気が続くならば、ヒットを狙ってクリスマス曲をリリースするアーティストが増えるかもしれません。

 

△70 Idina Menzel & Evan Rachel Wood – Show Yourself

 “Frozen 2”のサウンドトラックがアルバム1位に浮上。前作に引き続きアルバム1位に経ちました。(前作は合計13週でアルバム1位に立っていた)

 今週8万ユニットの売上を記録。内訳はストリーミングから3.9万、純セールス3.7万、シングルDL0.4万と、各分野でまんべんなくポイントを獲得しています。

 収録曲も同時に上昇。Idina Menzelバージョンの”Into the Unknown”は55位→46位、”Show Yourself”は99位→70位に浮上。一方Panic! At the Discoバージョンの“Into~”は98位→99位と一つ順位を落としました。

 

☆68 Don Toliver – No Idea

 TikTok発とされる“No Idea”が68位に登場。Appleでは25位程度、SpotifyYouTubeでは50位台にランクイン。ちなみに「TikTok発」と判断したのは、TikTok紹介動画に載っていたこと、曲のYouTubeコメント欄で「TikTokから来た」のコメントが目立っていたからです。 (TikTok発の曲について:TikTok で使われる曲を探る 【スマブラ、Tame Impalaなど】 - チャート・マニア・ラボ

 Don Toliverは昨年Travis Scottの“CAN’T SAY”でHot 100に登場しています。(ただしアルバムで全て客演が表記されていなかったので、正式なHot 100登場ではない)

 

☆47 Andy Williams – Happy Holiday / The Holiday Season

 12月に入り、一気にクリスマスモードに!(今週の集計期間は11/29~12/5) 今週クリスマス曲が8つ増加し、既存の6曲と合わせて合計14のクリスマス曲がHot 100に入りました。

 先に述べたJonas BrothersとAndy Williamsの”Happy Holiday / The Holiday Season”は初のHot 100登場です。

 昨年の同時期と比較した際、先週までは昨年よりも上昇ペースが遅かったですが、今週一気に逆転しました。(昨年のこの週はクリスマス曲以外に、ストリーミングでの人気アルバムが多く競合が激しかったのも一つの理由かも)

 

2018 2019
7 All I Want for Christmas Is You 3 All I Want for Christmas Is You
16 It's the Most Wonderful Time Of The Year 8 Rockin' Around The Christmas Tree
21 Rockin' Around the Christmas Tree 18 A Holly Jolly Christmas
22 A Holly Jolly Christmas 23 Jingle Bell Rock
26 Jingle Bell Rock 24 It's the Most Wonderful Time of the Year
29 The Christmas Song (Merry Christmas To You) 27 Last Christmas
34 Last Christmas 28 Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow
36 Rudolph The Red-Nosed Reindeer 33 The Christmas Song (Merry Christmas To You)
41 Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow 39 Feliz Navidad
  43 Sleigh Ride
  44 Rudolph The Red-Nosed Reindeer
  47 Happy Holiday / The Holiday Season
  48 Here Comes Santa Claus (Right Down Santa Claus Lane)

 

 ここまでクリスマス曲が大量登場するのは昨年からで、まだ傾向が掴みきれませんが、各ストリーミングのランキングを参照すると、もしかしたら来週以降は今週よりは伸びがゆるやかかもしれません。(もちろんクリスマスが含まれる週は再び一気に伸びる可能性がありますが とにかく先例がまだ少ないので読みづらい💦)

 

 

▽31 Lil Nas X feat. Billy Ray Cyrus – Old Town Road

 今後クリスマス曲の伸びを想定すると、その代わりに既存の曲の順位が落ちます。特に滞在が長い曲はリカレントに追い込まれる可能性が上がります。

 昨年のピーク時には50位以上のクリスマス曲が21ありました。仮に今年も同数が登場すると考えると、今後8曲が増えることになり、単純計算で43位以下の曲がリカレントに追い込まれます。

 ただし自身のポイントが今後どう動くか(≒どこまで落ちを抑えられるか)も考慮に入れる必要があります。昨年の同時期に42位で、この考え方では「落下圏内」だった”I Like It”は最後まで残留を果たしています。(去年はこの時期に9曲、最終的に21曲だったのでここも「圏内」になる)

 

 これを踏まえて、来週以降の予測をしていきます。まず来週は49位の”Talk”、50位の”I Don’t Care”、51位の”Baby”、54位”How Do You Sleep”、58位の”Time”と多くの曲が姿を消しそうです。

 ただし来週の5曲以外ではクリスマスの影響で外れる曲はあまり無さそうです。今年のクリスマス曲がどこまで増加するかにもよりますが、危険水域にいる曲が少ないです。

 一応今後のポイント推移次第では”Only Human”、”Beautiful People”、”Ransom”あたりまで「クリスマス曲に飲み込まれる」少し可能性があります。

 “Lover”と”On Chill”はクリスマス終了時までにリカレントの対象にならない(=21週まで到達しない)ため、外れる可能性はほぼ皆無です。

 

 クリスマス大量登場を乗り切り、チャートに残留すれば来年度の年間チャート入りも見えてきます。今年の年間チャートで1位に輝いた“Old Town Road”はこの調子ならば、「越冬」を果たして来年の年間チャートにも入るような気がするのですが、果たして……?

 

 クリスマス曲は12月の間チャートの多くの枠を占めるため、新たな曲の可能性を阻害しする面もありますが、同時にこの影響で古い曲をいくつかチャートから弾くため、新年にクリスマス曲がいなくなった時に多くの枠が開けられる、という側面もあります。

 昨年クリスマス「後」の週に計28曲が入れ替わりました。(新登場、再登場ともに14曲ずつ)

 

―12 DaBaby – BOP

 DaBabyの“BOP”が先週に引き続き12位。YouTubeで3週連続1位などの好調で自身のポイントを伸ばしているものの、クリスマス曲などで上位が渋滞しているためトップ10には入れず。今後もクリスマス曲の勢いは続くと思いますが、それらに打ち克ってトップ10に浮上することはできるでしょうか。

 クリスマスはあと3週で終わるので、この時まで調子をキープしていればクリスマス後にトップ10に浮上する展開もありえます。

 

△3 Mariah Carey – All I Want for Christmas

 今週はクリスマス曲の増加が際立ちましたが、既存曲も同じく大きく浮上しました。12月序盤ながらも、もう2曲がトップ10入りを果たしました。

 “Rockin’ Around the Christmas Tree”は8位へ、“All I Want for Christmas Is You”は3位へ浮上しました。2曲とも昨年もトップ10に入っていました。

 今週1位“Heartless”はデビュー週よりもポイントを落とす見込みで、2位の”Circles”もラジオが落ちていることを考えると、来週“All I Want for Christmas Is You”が首位に立つ可能性もあります。(ちなみにこの調子だと2020年の年間チャートに入る可能性もあります)

 

△1 The Weeknd – Heartless

 The Weekndの“Heartless”が1位に!彼にとって4曲目の首位曲です。(”Can’t Feel My Face”→“The Hills”→”Starboy”) 

 前の週の途中にリリースされ、今週7日分フル集計になったことにより首位浮上。ストリーミング全般で好調。今週AppleSpotifyで首位を獲得。YouTubeでは6位。(ビデオあり) ただし“All I Want for~”に再生数では負けています。(それぞれ3510万、3000万再生)

 他の指標も優秀で、セールスも1位(5.8万)。DL以外にも公式サイトで販売されたCDやヴァイナルの数字も含まれているようです。ラジオもかなりのペースで数字を伸ばしており、今週既にラジオ再生数38位に入っています。リズミック>ポップ>アーバンの順に人気です。

 彼は元々アーバン系の人物ながらも、次第にポップ系にオンエアが寄っていくという点がPost Maloneに似ています。Postと比べるとWeekndのほうが若干アーバン寄りですが。このシングルがアーバン系でどこまでオンエアされるかは注目のポイントだと考えています。

 

 もう一つ同時にリリースされた“Bliding Lights”は11位デビュー。同じくストリーミング&DLの2つで好成績。しかし”Heartless”とは違いラジオのポイントがありません。

 

 

 

×× Megan Thee Stallion, Nicki Minaj & Ty Dolla $ign – Hot Girl Summer

 Megan Thee StallionがNicki Minaj、Ty Dolla $ignと組んだ“Hot Girl Summer”が今週圏外に。ピークは11位、滞在16週でした。いわゆる「完走」を果たせませんでした。*1 

 リリース初日にApple MusicとiTunesで首位に立つなど快調なスタート。一気に注目を集めました。その後リズミック系で1位、アーバンで3位、さらにはポップ系ラジオでオンエアされるなどラジオでは人気を集めたものの、ストリーミング数を維持できず尻すぼみに終わりました。

 リリース時の勢いは凄まじかったですが、結局はMegan Thee Stallionの前シングル“Cash S**t”そこまで変わらない規模のヒットに終わったような印象もあります。(年間チャートでは”Cash”のほうが上)

 ただしポップ系でオンエアされ、あまり馴染みなかったSpotifyでも上位に進出するなど、多くのリスナーにMegan Thee Stallionという存在を知らしめるきっかけにはなったと思います。

 

×× DaBaby – Suge

 今年大ブレイクのDaBaby。その飛躍のきっかけとなった“Suge”が今週チャートから外れました。ピークは7位、滞在35週でした。この曲を皮切りに大きな飛躍を遂げ、アルバム1位獲得&収録曲すべてがHot 100入りするなどの記録を残しました。(彼はHot 100エントリー数が今年最も多い)

 

 この曲のヒットを主に支えていたのはストリーミングでの好調(特にApple Music)ですが、ラジオでも奮闘を果たしました。Hip-Hop / R&B Airplayでは年間1位に輝き、ラジオ全体では年間36位でした。新人であり、ポップよりも規模の小さいラップ系統のラジオでしかかかっていなかったと考えると、かなりの好成績だと思います。

 

×× Post Malone feat. Young Thug – Goodbyes

 先週41位だった“Goodbyes”ですが、クリスマス曲などに押し出されるような形で今週チャートから外れました。ピーク3位、滞在21週でした。ロングヒットの多いPost Maloneにとっては珍しい短期間の滞在です。

 アルバム後にシングルカットが多くされ、ラジオのシングルがそちらに切り替わったことが大きいでしょうか。

 

 

 

今週チャートから外れた曲 (14曲)

【先週の順位、アーティスト名、曲名、🗻ピーク順位、⏰チャート滞在週数】

97 YoungBoy Never Broke Again – Lonely Child (🗻98位 /⏰1週)

96 Megan Thee Stallion, Nicki Minaj & Ty Dolla $ign – Hot Girl Summer (🗻11位 /⏰16週)

92 Chris Janson – Good Vibes (🗻48位 /⏰13週)

89 Jhené Aiko feat. Big Sean – None Of Your Concern (🗻55位 /⏰2週)

86 Kenny Chesney – Tip of My Tongue (🗻73位 /20週)

85 A Boogie Wit da Hoodie feat. Lil Uzi Vert – Reply (🗻49位 /⏰2週)

84 Trippie Redd feat. YoungBoy Never Broke Again – Hate Me (🗻84位 /⏰1週)

83 Y2K & bbno$ - Lalala (🗻55位 /21週)

81 Trippie Redd – Love Me More (🗻79位 /⏰2週)

77 Harry Styles – Watermelon Sugar (🗻60位 /⏰2週)

63 PARTYNEXTDOOR feat. Drake – Loyal (🗻63位 /⏰1週)

52 Marshmello & Kane Brown – One Thing Right (🗻36位 /23週)

44 DaBaby – Suge (🗻7位 /35週)

41 Post Malone feat. Young Thug – Goodbyes (🗻3位 /21週)

 

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

7 Fabolous – Summertime Shootout 3: Coldest Summer Ever

19 The Game – Born 2 Rap

41 Ozuna – Nibiru

81 Pearl JamMTV Unplugged

91 Blac Youngsta – Church On Sunday

116 Cattle Decaptation – Death Atlas

120 Kacey Musgraves – The Kacey Musgraves Christmas Show (Soundtrack)

128 Idina Menzel – Christmas: A Season Of Love

143 Dean Martin – A Winter Romance

160 Boris Karloff / Thurl Ravenscroft – How The Grinch Stole Christmas (Soundtrack)

162 Garth Brooks – Legacy

185 The Beach Boys – Merry Christmas From The Beach Boys

197 Pink Floyd – The Later Years: 1987-2019

198 EXO – OBSESSION: The 6th Album

 

◇アルバムチャート長期滞在

1周年:Carpenters – Christmas Portrait (今週97位)

450週目:NirvanaNevermind (今週166位)

450週目:Bruno Mars – Doo-Wops & Hooligans (今週199位)

 450週滞在は9位タイの成績です!ついでに滞在が400週を超えるアルバムをここで紹介します。

 

◇アルバムチャート滞在が長い作品

945週 Pink Floyd – The Dark Side of the Moon (今週118位)

603週 Bob Marley and the Wailers – Legend (今週74位)

593週 Journey - Journey’s Greatest Hits (今週101位)

551週 MetallicaMetallica (今週174位)

491週 Guns N’ Roses – Greatest Hits (今週圏外)

490週 Johnny Mathis – Johnny’s Greatest Hits (今週圏外)

480週 Original Cast Recording – My Fair Lady (今週圏外)

473週 Eminem – Curtain Call: The Hits (今週117位)

450週 NirvanaNevermind (今週166位)

450週 Bruno Mars – Doo-Wops & Hooligans (今週199位)

448週 Creedence Clearwater Revival – Chronicle: The 20 Greatest Hits (今週66位)

442週 Adele – 21 (今週155位)

 

 現在も圏内に残っているアルバムが多いという点が特徴です。ロングヒットだったアルバムはつまり元々長く聞かれていたということで、ストリーミング時代も人気が根強いということでしょうか。

 

 

・今週ラジオで伸びた曲

☆Arizona Zervas – Roxanne

・Selena Gomez – Lose You to Love Me

Maroon 5 – Memories

・The Weeknd – Heartless

・Billie Eilish – everything i wanted

 

・来週以降Hot 100に入るかもしれない?曲

 

・Juice WRLD – Lucid Dreams

 訃報を受けてストリーミングが上昇。“SAD!”のように1位に到達する可能性は低いですが、上位には入りそうです。(例えばSpotify再生数は当時の”SAD!”の半分程度)

 ほか多くの過去シングルが再登場しそうです。(ただし過去シングルと見なされ、50位以下クラスの曲は再登場できない可能性もあります)

 

・Roddy Ricch – The Box

 アルバムがApple Musicでかなりの人気。アルバム1位有力候補のこの作品から収録曲がいくつかHot 100に登場しそう。

 

 

・Hot 100圏外の曲のうち各サービスで最も人気のあった曲

🍎 Trippie Redd feat. YoungBoy Never Broke Again – Hate Me (今週18位程度)

✅ Harry Styles – Watermelon Sugar (今週28位)

🚩 YoungBoy Never Broke Again – Bring Em’ Out (今週7位) 

Apple Musicは週の最終日の順位を週間の“参考順位”としています(Apple Musicには週間チャートが無い)

 

 

関連 / 参考記事

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

 ◇各指標の順位

Spotifyhttps://spotifycharts.com/regional/us/weekly/2019-11-29--2019-12-06

Apple Music:【魚拓】Top 100: USA on Apple Music

YouTubehttps://charts.youtube.com/charts/TopSongs/us/20191129-20191205

・ラジオなど:https://kworb.net/radio/

 

*1:ヒット曲は多くの場合、少なくとも20週まで到達してそこからリカレントによってチャートから外れるため、20週まで到達することが逆にヒットの目安という考え方がある

Hot 100 12/7 見どころ 【”Roxanne”が5位に / Trippie Redd、初のアルバム1位】

 

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こんばんは!

 

◇今週のHot 100 ハイライト◇

TikTok発のArizona Zervasの”Roxanne”が5位まで浮上

・Bad Bunnyの新曲”Vete”が33位に登場

・クリスマス曲が5つ再登場。”All I Want for~”は18位に浮上

・Trippie Reddが初のアルバム1位。5曲がHot 100入り

・”Frozen 2”がアルバム3位に浮上。3曲がHot 100入り

 

・今週のトップ10

―1◎ Post Malone – Circles

―2  Lewis Capaldi – Someone You Loved

―3◎ Lizzo – Good As Hell

―4◎ Maroon 5 – Memories

△5◎ Arizona Zervas – Roxanne ✅

▽6◎ Selena Gomez – Lose You to Love Me

▽7  Shawn Mendes & Camila Cabello – Señorita

△8◎ Dan + Shay & Justin Bieber – 10,000 Hours

△9  Lizzo – Truth Hurts

▽10  Chris Brown feat. Drake – No Guidance

 

🍎=Apple Musicで1位、✅=Spotifyで1位、🚩=YouTubeで1位

🍎=”Woah”(21位) 🚩=”BOP”(12位) “BOP”は先週比YouTubeの再生数を伸ばしています。

 は先週と比べて曲のポイントが伸びていることを指す

 

1~100位までの順位表は↓

 

 

曲の個別解説

 

☆95 Rod Wave & Kevin Gates – Cuban Links

 アルバム”Ghetto Gospel”以降勢いに乗るRod Waveが2回目のHot 100エントリー。Kevin Gatesとの”Cuban Links”が95位に登場。

 今週YouTubeで6位まで浮上。(ビデオは10月からある = 別にビデオが今週リリースされたわけではない) Apple Musicでもトップ50に入っていますが、Spotifyでは200位圏外。

 

☆87 Doja Cat – Candy

 Doja Catの”Candy”が87位に登場。Spotifyで97位以外は目立った数字を残していないですが、Hot 100に入ったのはこの曲の「ミーム力」の賜物だと考えています。

ビルボードではミーム系の曲が実際にSpotifyApple Music等で観測される数字以上に評価されているケースが時折あります。この曲はTikTokで人気と称されることもあり、その恩恵を受けた可能性もあります)

 

 同じくDoja Catのシングル、“Juicy”もミーム力に優れていますが、こっちはラジオでもオンエアされており、そこからもポイントを得ています。(登場週の記事でラジオへの言及が抜けていました、すいません)

 

☆64 YNW Melly – Suicidal

 現在服役中のラッパー、YNW Mellyの新作がストリーミングで人気。4.3万ユニットを記録し、アルバムチャートで8位に。純セールスは0.1万のみでした。

 2曲がHot 100入り。”Suicidal”が64位に登場し、既存の”223’s”は56位→57位と推移しています(ですがポイントはプラス) このアルバムはAppleSpotifyでまんべんなく人気でした。”Suicidal”はビデオもあり、YouTubeでも16位に入っています。

 

☆63 PARTYNEXTDOOR feat. Drake – Loyal

 PARTYNEXTDOORとDrakeの”Loyal”が63位に登場。リリース日にはApple Musicで首位に立っていましたが、集計最終日の木曜日では23位まで落ちてしまいました。Spotifyでも同様に3位→56位と落下しています。

 

☆58 Trippie Redd – Who Needs Love

 Trippie Reddが初のアルバム1位を記録。ストリーミング中心にポイントを稼ぎ、10.4万ユニットを計上。セールスもチケットやグッズのバンドルを活用し、1.4万と一定の数字を得ています。ちなみにアルバム2位のJason Aldeanは8.3万ユニット(こちらも🎫バンドル活用)なので、Trippie Reddはバンドルを使用していなくてもアルバム1位です。

 バンドルは初週以外のセールスが期待できないため、2週目はガクッと順位を落とす傾向にあります(特にストリーミングが低いアルバムの場合) 先週バンドルを活用してアルバム1位に立ったCeline Dionは今週一気に111位まで落としてしまいました。これは歴代で2番目の落下幅です。

 

・アルバム1位からの落下幅が大きいもの

Bon Jovi – This House Is Not for Sale 1→169 (2018)

Celine DionCourage 1→111 (2019)

Brand New – Science Fiction 1→97 (2017)

BROCKHAMPTON – Iridescence 1→88 (2018)

Madonna – Madame X 1→77 (2019)

 

 落下幅が最も大きいBon Joviのアルバムはこの週にリリースされたものではなかったのですが、ツアーチケットのバンドルを活用して1位に再浮上を果たしました。つまり今週のCeline Dionの落下幅は、登場直後の週では最大の下げ幅、ということになります。

 上記のアルバムはいずれもバンドルを活用して1位を獲得しています。(多くはツアーチケットのバンドル、BROCKHAMPTONはグッズ(マーチ)バンドルを活用*1

 ビルボードは来年からバンドルに関するルール改定を行います。グッズは公式サイトで販売された物のみ、そしてアルバム無し/ありで値段の差をつける など多くのルール改定がされましたが、チケットの方は変更なしのようです。

 これらは「購入の意思の有無」という明確な判断基準があり、筋は通っていますが、現在バンドルで目立つのはグッズではなくチケットの方なので、アルバムチャートでの首位争いはバンドル vs ストリーミングという構図はあまり変わらないと思います。

 

 話をTrippie Reddに戻します。そのストリーミング人気から5曲がHot 100入り。新規登場の”Who Needs Love”が58位で最高位。ほかにも”6 Kiss”、”Hate Me”が新登場。そして先行曲の”Death”と”Love Me More”もHot 100にエントリーしています。

 この作品はAppleSpotifyの両方でまんべんなく人気。また既に公開されているビデオも多く、YouTubeでも人気を得ています。

 

☆55 Idina Menzel & AURORA – Into the Unknown

 “Frozen 2”のサウンドトラックが映画公開の効果で浮上。アルバムチャート3位に。総合7.9万ユニットを記録し、うちセールスが4.3万でした。

 Hits Daily Doubleは来週のアルバム1位浮上を予想しています。(他に目立ったアルバムが無いため、ライバルはPost Malone)

 収録曲は3つHot 100に登場。Idina MenzelとAURORAバージョンの”Into the Unknown”が55位に、そしてPanic! At the Discoバージョンの”Into~”が98位、”Show Yourself”が99位。

 これらの曲はどこかの媒体で飛び抜けた再生数を記録しているわけではないですが、どこでも一定の人気があり、さらにDLでも数字を獲得しているためHot 100にエントリーしました。

 

 

▽52 Marshmello & Kane Brown – One Thing Right

 23週目で52位に落下、さらにポイントも先週比マイナスのためチャートから外されても文句の言えない”One Thing Right”ですが、予想外の残留。決め手となったのはラジオの伸びです。(ビルボードのラジオ重視が垣間見えます)

 現在ポップとアダルトポップの2系統で絶賛オンエア中です。ただしストリーミングのピークが既に過ぎているため総合ポイントはマイナスです。ストリーミングで人気を得てからラジオでオンエアされるまでにタイムラグがあったため、このような現象が発生しています。

 もう一つ、“LaLaLa”も21週目 / 83位と意外な残留をしていますが、こちらは総合ポイントが伸びています。(なんで浮上したかは不明)

 

☆33 Bad Bunny – Vete

 Bad Bunnyの新曲が33位と好調なスタート!AppleSpotifyでともにトップ10スタート。YouTubeでも21位に入っています。(ビデオあり)

 Bad Bunnyは昨年リリースしたアルバム”X 100PRE”がロングヒットに。ピークは11位ですが、その後ストリーミングを中心に人気を保ち、現在74位(49週目)。これは後にリリースしたJ Balvinとのコラボ作”Oasis”=130位・22週目を上回ります。

 彼は他のラテンアーティストと比較するとAppleSpotifyでの数字が際立つのですが、それはアルバム(そしてアーティスト)への支持の高さが理由の一つなのでは、と個人的に推測しています。

 

☆32 The Weeknd – Heartless

 水曜日頃にリリースされたThe Weekndの”Heartless”が今週32位に登場!iTunesAppleSpotifyの全てで1位に立ち、短期間で多くのポイントを稼ぎました。ほかラジオでもかなりの再生数を記録しています。プロデュースにはMetro Boominが参加。

 7日分フルで集計される来週は、新たにリリースされた“Bliding Lights”と共にトップ10に入りそうです。

 

◇29 Brenda Lee – Rockin’ Around The Christmas Tree

 今週クリスマス曲が5つHot 100に再登場。既存の”All I Want for Christmas Is You”と合わせて6曲がHot 100に。

 

◇2018年の同じ時期との比較

2018 2019
14 All I Want for Christmas Is You 18 All I Want for Christmas Is You
21 It's the Most Wonderful Time Of The Year 29 Rockin' Around The Christmas Tree
23 Rockin' Around the Christmas Tree 46 Last Christmas
26 A Holly Jolly Christmas 47 Jingle Bell Rock
33 Jingle Bell Rock 48 A Holly Jolly Christmas
39 The Christmas Song (Merry Christmas To You) 49 It's the Most Wonderful Time of the Year
43 Last Christmas  

 

 昨年より曲数が1つ少なく、全体的に順位が低めです。昨年よりも集計期間は1日早い(=クリスマスから遠い)ですが、それはあまり関係無いと思います。分水嶺は12/1だからです。(今週の集計はまだ11月分)

 ストリーミングでは12/1になると瞬間的にクリスマス曲の再生数がかなり伸びます。(12月になるとクリスマス気分が高まるのでしょうか) その後12/2になると反動で一旦再生数が落ち着き、そこからクリスマスに向けて少しずつ再生数を伸ばす印象です。

 この現象から、12/1が集計期間に入る来週のHot 100ではクリスマス曲が順位を伸ばしそうです。

 ちなみにクリスマス期間は普段Hot 100に影響を及ぼさないAmazon Musicの存在感が強くなります。(アレクサ、クリスマス曲かけてのおかげで再生数が伸びると昨年レポートがあった) 

 普段Amazon MusicがHot 100に影響力を持たないのは、純粋に規模が小さいことに加え、ラジオと似たような選曲をする=目立つ選曲をしないからです。

 

 近年のクリスマス曲の躍進はストリーミングによる部分が大きいですが、ラジオも貴重なポイント源になっています。今週クリスマス曲が4つラジオ再生数トップ50に入りました。(少し不思議なのは、クリスマス曲のラジオ再生がHits Daily DoubleやKworbなどの外部サイトでは表示されていない点)

 

 

△5 Arizona Zervas – Roxanne

 Arizona Zervasの”Roxanne”が5位まで浮上!初のHot 100で大躍進を果たしています。ストリーミングでの元からの好調に加えてラジオも大きく伸ばしています。このペースを維持できれば、数週後には1位に到達するでしょうか。(The Weeknd次第?)

 Spotifyでは今週1位。Apple Musicでもトップ5。ビデオ無しながら、YouTubeでもここ数週で大きく上昇しています。

 この曲は2週連続でStreaming Songs首位。ストリーミングで強いタイプの曲はRolling Stone Chartsで1位になる傾向がありますが、他にストリーミングとDLを両立させた曲があったため、1位に立てず。

 先週はBillie Eilish、今週はPost Malone(”Circles”)によってRS Charts1位の座を阻まれました。これらはストリーミングだけでなくDLも優秀な数字を記録していました。Post Maloneは先週行われたAMAでのパフォーマンスによって今週DLを伸ばしています。(同様にパフォーマンスされた”Take What You Want”もこれを受けて57位→50位と上昇)

 

 同じくTikTok組の”Falling”は75位→43位と大きく上昇。”Yellow Hearts”も98位→90位で粘りを見せています。

 

×× Sam Smith & Normani – Dancing With A Stranger

 ラジオで大成功を収めた“Dancing With A Stranger”がチャートから外れました。ピーク7位、滞在45週とかなりロングヒットでした。両者とも過去にもロングヒット曲(50週以上の滞在)があり、ロングヒットが得意なアーティストと言えそうです。

 この曲はHot 100のピークは7位ながらも、ラジオでは1位に。Sam Smithは2回目、Normaniは初。その後もアダルトポップ系を中心にラジオでの人気をキープし、Hot 100に長く残りました。

 

×× Jonas Brothers - Sucker

 今年華麗なカムバックを果たしたJonas Brothers。その躍進を象徴する“Sucker”が今週チャートから外れました。ピークは1位、滞在は38週でした。

 Jonas Brothers健在をアピール出来た、という意味で初週1位デビューを果たしたことが非常に大きかったです。その後のアルバムの成功(チケットバンドルも使って初週41.4万)や、後シングル(”Cool”や”Only Human”)のラジオヒットもこの”Sucker”があってこそだと思います。

 初週の1位だけでも大成功なのですが、その後の粘りも光りました。Jonas Brothersは過去シングルで2週目以降急落する傾向がよく見られたので、登場時はこの曲も25週程度でチャートを外れてしまうのでは?とも思いましたが、最終的には38週残りました。

 カギとなったのはラジオ、特にアダルトポップ系での人気です。リリース以降ぐんぐんラジオを伸ばし、7週目と早いタイミングでラジオ1位に立ちました。

 その早いラジオの浮上から、数字がマイナスに転じるのも早いかも?と感じましたが、その後も見事に粘りました。特にそれまでは彼らがあまり縁のなかったアダルトポップ系での長い人気がラジオの数字を下支えしました。

 最終的にはアダルトポップ系のほうでより長い1位滞在を記録しました。(アダルトポップ系:9週1位 ポップ系:8週1位)

 クリスマス曲登場の影響なのか、先週の38位から一気に外れてしまいました。(=ポイントが51位以下相当になった) 巡り合わせ次第ではあと何週かチャートに残っていたかもしれません。

 

 今週はクリスマス曲、Trippie Redd、アナ雪など新エントリーが多かったため、その分外れた曲も多かったです。

 

×× Camila Cabello – Liar

 ピーク52位、滞在11週でチャートから外れました。ラジオの再生数が大きく落ちたためです。”Havana”よりも前にリリースされていた“Crying in the Club”(ピーク47位、滞在9週)と似たような成績に終わりました。

 Shawn Mendesとの”Señorita”は非常に大きな成功を収めたものの、それ以外の曲は現在すべてHot 100圏外で、今週末のアルバムリリースに向けて少し不安です。

 

 

×× Drake feat. Rick Ross - Money in the Grave

 Drakeの“Money in the Grave”はピーク7位、滞在23週という成績でチャートを後に。昨年のシングルと比べるとピーク順位は低めですが、Drakeの地元チームのNBA優勝記念シングルというラフな形態でリリースされた曲ということを考慮すると、順当な成績だという印象です。

 

 

今週チャートから外れた曲 (18曲)

【先週の順位、アーティスト名、曲名、🗻ピーク順位、⏰チャート滞在週数】

100 The Black Eyed Peas & J Balvin - RITMO (🗻100位 /⏰1週)

99 Blake Shelton feat. Trace Adkins – Hell Right (🗻99位 /⏰1週)

96 Chance the Rapper feat. MadeinTYO & DaBaby – Hot Shower (🗻58位 /⏰8週)

94 YoungBoy Never Broke Again – Self Control (🗻50位 /⏰11週)

92 Karol G & Nicki Minaj – Tusa (🗻78位 /⏰2週)

90 Diplo feat. Morgan Wallen – Heartless (🗻78位 /⏰3週)

89 Khalid – Up All Night (🗻89位 /⏰1週)

87 Tory Lanez feat. Snoop Dogg – Beauty in the Benz (🗻87位 /⏰1週)

83 Kelsea Ballerini – homecoming queen?  (🗻82位 /⏰3週)

82 Lil Mosey & Gunna – Stuck In A Dream (🗻62位 /⏰4週)

80 Chris Lane – I Don’t Know About You (🗻39位 /20週)

77 Harry Styles – Lights Up (🗻17位 /⏰4週)

73 Russell Dickerson – Every Little Thing (🗻50位 /⏰12週)

72 Camila Cabello – Liar (🗻52位 /⏰11週)

66 Tory Lanez feat. Chris Brown – The Take (🗻66位 /⏰1週)

48 Sam Smith & Normani – Dancing With A Stranger (🗻7位 /45週)

46 Drake feat. Rick Ross – Money in the Grave (🗻7位 /23週)

38 Jonas Brothers - Sucker (🗻1位 /38週)

 

 

・アルバムチャート(Billboard 200)に新登場した作品

1 Trippie Redd – A Love Letter To You 4 🎫👕

2 Jason Aldean – 9 🎫

7 Coldplay – Everyday Life

8 YNW Melly – Melly vs. Melvin

40 Beck – Hyperspace

61 Leonard Cohen – Thanks For The Dance

132 Flipp Dinero – Love For Guala

147 Tinashe – Songs For You

160 Upchurch & Adam Calhoun – Hooligan

172 Grateful Dead – Ready or Not

194 Frank Sinatra – Icon: Frank Sinatra

 

◇アルバムチャート長期滞在

1周年:Meek Mill – Championships (今週77位)

1周年:Carrie Underwood – Cry Pretty (今週137位)

200週目:Rihanna – ANTI (今週177位)

300週目:2Pac – Greatest Hits (今週113位)

 

“ANTI”の滞在200週はファンアカウントが盛大に祝っていました。

 

 

 

・今週ラジオで伸びた曲

Mariah Carey – All I Want For Christmas Is You

・The Weeknd – Heartless

・Selena Gomez – Lose You to Love Me

Maroon 5 – Memories

・Arizona Zervas – Roxanne

 

 

・Hot 100圏外の曲のうち各サービスで最も人気のあった曲

🍎 YoungBoy Never Broke Again – Hot Now (今週25位程度)

✅ Harry Styles – Lights Up (今週27位)

🚩 Future feat. Lil Durk – Last Name (今週13位) 

Apple Musicは週の最終日の順位を週間の“参考順位”としています(Apple Musicには週間チャートが無い)

 

 

関連 / 参考記事

 

ビルボードによる今週のHot 100 / アルバムチャート解説(記事を書くうえで参考にしています)

 

 

・各指標の順位

Spotifyhttps://spotifycharts.com/regional/us/weekly/2019-11-22--2019-11-29

Apple Music:【魚拓】Top 100: USA on Apple Music

YouTubehttps://charts.youtube.com/charts/TopSongs/us/20191122-20191128

・ラジオなど:https://kworb.net/

 

*1:ただBROCKHAMPTONはバンドル首位のタイプとしてはかなりストリーミングが高い

TikTok で使われる曲を探る 【スマブラ、Tame Impalaなど】

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 今年ヒット曲の発信源として大きく注目を集めたTikTok。”Old Town Road”を始めとした多くの曲がTikTok経由で実際にチャートを上昇していきました。USシングルチャートのHot 100ではTikTok発と称される曲がここ3週連続で登場する(”Roxanne” → “Yellow Hearts” → “Falling”)など、ここ最近その影響力を強く感じます。今回はそのTikTokで使われる曲を探ります。

 

はじめに

 TikTokで何が人気か?ということは判別しづらいです。曲の使用率ランキングのようなものは無いみたいですし、あったとしても果たして正しくカウントされるのか?という疑問も残ります。明らかに○○の曲なのに、「User’s Original Track」と名付けられていることも多いからです。

 他にもマッシュアップサウンドクラウドにあるリミックスなど形態も様々で、これらをうまくカウントするのは難しそうです。ほかアプリ自体の複雑な構造(ただこの分かりづらさが多様なバズに貢献しているようにも感じる)、検索でうまく引っかからない曲が多数など、不思議な点が多いです。

 

 そこで私が考えたのは、「TikTokウォッチャー」を活用することです。現在TikTokの勢いはかなりのもので、TikTokの流行を知りたい!と考える人は多いです。そこで出現したのはTikTokの流行をまとめた動画集です。今回は、そのウォッチャーの動画集を活用してTikTokで人気の曲を探ってみようと考えました。

 

 今回調査に使う動画は、Visicks氏のTikTok Songs Probably You Don’t Knowシリーズです。似たようなTikTok探索シリーズはYouTubeに多くありますが、このシリーズがチャンネル登録者数、再生数ともに大きかったのでこれを採用しました。また”Probably You Don’t Know”とありますが、Hot 100で首位を獲得するような超有名曲もリストに含まれているので、別にマイナーな曲のみを集めているわけではないようです。

 

 ちなみに同様にプレイリストで情報を収集する方法もあります。Apple Musicでは以下のリストが詳しいと思います。Visicks氏のシリーズと採用曲が一致することが多く、つまりそれぞれで「流行っているな~」と感じる曲にそこまで違いが無い = どちらもある程度正確ということも伺えます。

https://music.apple.com/jp/playlist/tik-tok/pl.u-38oWX48IPED6GRV

 

 これは1~10までのシリーズがあるので、まずはそれぞれで扱われた曲を表に示します。最初は全ての曲を表にしよう!……と考えたのですが、それだと引用の範囲を超えてしまうと考えたため、動画の最初の15曲のみを表にしました(動画ではだいたい60曲程度紹介されています)

 そしてリストを踏まえて、2つのテーマについてまとめました。 (①日本関連の曲②今後のヒットについて)

※曲名については、基本的に元々の表記を引き継いでいますが、一部見やすいように表記を改めたものもあります。(カバーやマッシュアップなどの特殊な形態が多いため)

 

 ちなみにまとめてチェックができる1時間総集編という動画もあります。

 

 

曲のリスト

 

シーズン1:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of 

アップロード日:3/4

アーティスト 曲名
Nightcore Rockefeller Street
iLOVEFRiDAY Mia Khalifa
Brooke Valentine Girlfight (Remix)
Soulja Boy Tell'em Pretty Boy Swag
Lil Yachty feat. Offset & Lil Baby                  MICKEY
PRD Music Everybody Home
POGO Living Island
Valentino Khan Pump
花澤香菜 恋愛サーキュレーション
Canned Heat Going Up The Country
AURORA Runaway
Travis Scott SICKO MODE
Cartoons Witch Doctor
zaeHD & CEO ALL IN
XS Project  Bochka, Bass, Kolbaser

など

  シーズン1ということで、これまでのTikTokの流行曲を総括したような回です。”Mia Khalifa”はTikTok界のレジェンド的存在です。

 

 

シーズン2:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V2 

アップロード日:3/10

アーティスト 曲名
McCafferty Beachboy
Riton & Kah-Lo Fake ID
Iggy Azalea feat. Tyga Kream
Portugal. The Man Feel It Still
Estelle feat. Kanye West American Boy
KALEO Way Down We Go
Tiësto & Sevenn Boom
One Direction Kiss You
Drake Nonstop
Absofacto Dissolve
benny blanco & Juice WRLD feat. Brendon Urie Roses
Mickey & Sylvia Love Is Strange
JT Music To The Bone (Sans and Papyrus Song)
Santo & Johnny Sleep Walk
Huncho Da Huncho Show

など

  シーズン2からあまり間を空けずにリリースされました。おそらく、これまでの膨大なヒットをまとめると量が多かったからでしょうか。

 

 

シーズン3:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V3

アップロード日:4/4

アーティスト 曲名
Billie Eilish COPYCAT
Boxing Results Wii Sports Music
Camellia (かめりあ) Can I Friend You On Bassbook? Lol
Ying Yang Twins Wait (The Whisper Song)
En Vogue My Lovin' You're Never Gonna Get It           
Nicki Minaj Chun-Li
DJ Lilman Tema Lilman Anthem
TWICE Dance The Night Away
6ix9ine feat. DJ Spinking Tati
Bhinda Aujla & Bobby Layal Sajjna
Sharpay Evans Fabulous
Wii Sports Theme Title Screen
XXXTENTACION Look At Me (Instrumental)
Lil Nas X Old Town Road
Habits by Tove Lo Memphos (Crose & RMK Remix)

など

  以降1ヶ月に1回のリリースになります。ここからは今月に流行した最新ヒットを扱っている、と考えて良いでしょう。

 

 

シーズン4:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V4 

アップロード日:5/3

アーティスト 曲名
glue 70 Casin                                                        
Handsome Dancer Coincidance
Sub Urban Cradles
Marcos Valle Estrelar (Baht Remix)
Valee feat. Jeremih Womp Womp
Engelwood Crystal Dolphin
REOL コノヨ Loading…
Tay-K "The Race Remix" Tay K Returns to Dreamland
ABSRDST & Diveo We're Beautiful
Billie Eilish bad guy
Flo Milli Beef FloMix
Lil Ricefield X Seiji Oda Trapanese
Noir Brent Depression (Awesome! Remix)
Verbalase Low Tetris beatbox
Spongebob Squarepants Electric Zoo

など

 

シーズン5:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V5 

アップロード日:6/14

アーティスト 曲名
Redbone Come And Get Your Love                           
Ships / Grayson Voltaire Touch of the Beast
Beastie Boys Girls
Lizzo Boys
Haroinfather & Savage Ga$p Tunnel of Love
Willow Smith Wait a Minute!
Bebe Rexha I'm Gonna Show You Crazy
Shirley Temple Oh! My Goodness
The Chords Sh-Boom
Tyrone Laurent Thirteen
Phil Collins Strangers Like Me
VIDEOCLUB Amour Plastique
Surfaces Sunday Best
Zach farache the loser (bimyo remix)
Wallows feat. Clairo Are You Bored Yet?

など

  

シーズン6:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V6 

アップロード日:7/13

アーティスト 曲名
KAYPTO9095 feat. D3MSTREET WOAH
Behemoth Pokemon X Svdden Death
Odyssey Soundtrack Nightcore Jump Up, Super Star, Super Mario
  The Office Opening Theme
Iggy Azalea Work
Melanie Martinez Teddy Bear
Sporty-O Let Me Hit It (Audiostalkers Original Mix)    
Jack Stauber feat. Anna Bubmblebees are out
B-Rock, The Bizz My Baby Daddy
Two Door Cinema Club Undercover Martyn
NF The Search
Jay Sean RIDE IT (Remix)
Y2K, bbno$ Lalala
Insane Clown Posse Hokus Pokus
Ross Lynch, Maia Mitchell Can't Stop Singing

など

 

 

シーズン7:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V7 (現在視聴できない) → そのため、この回のみ全部の曲を表にしています

アップロード日:8/15

アーティスト 曲名
Avril Lavigne Hello Kitty
88rising feat. Joji, Rich Brian & Higher Brothers Midsummer Madness
AnythingTypeBeats another gunna ginga type beat
Lakim A Pimp Named Slickback
Blueface feat. Rich The Kid Daddy
Insane Clown Posse Hokus Pokus
Fergie Fergalicious
Mother Mother Verbatim
Bach St. John Passion, BWV 245
Bishop Briggs River
Little Mix Wasabi
Lizzo Truth Hurts
Carmen Twillie, Lebo M. Circle Of Life
Rae Sremmurd Come Get Her
Stunna Girl Runway
SIX Haus of Holbein
Ali Gatie It's You
Gunna Baby Birkin
The Jungle Book I Wanna Be Like You (Sim Gretina Remix)
Lil Tecca Ransom
AJR Weak
Mariah Carey Obsessed
Savage Ga$p pumpkins scream in the dead of night
Mashup Needs - Verzache & Little Mix - Wasabi
Modjo Lady
NLE Choppa feat. Blueface Shotta Flow (Remix)
BLACKPINK DDU-DU DDU-DU
Lil Nas X Panini
Khia Lick my Neck, My Back
Lil Boom Already [omae wa mou] Instrumental
Justin Bieber feat. Nicki Minaj Beauty and Beat
Tamia Tell Me Who
Biz Markie Just A Friend
Colin Stetson Reborn
Mandy Moore Healing Incantation
Giorno's Theme Il Vento d'oro (Golden Wind) Jojo's Bizarre Adventure
Mr Green feat. Jus Allah & Janice If I Don't Go To Hell
Rihanna Pon De Replay (Ed Marquis Remix)
sKitz Kraven That's All
J. Cole Work Out
Lil taco feat. Stupidfuckingidiot Sand Baebees 2
girl in red we fell in love in october
Bobby McFerrin Don't Worry Be Happy
Kikuo Kara Kara Kara no Kara
Porter Robinson Goodbye To A World
Mac Miller feat. Anderson .Paak Dang!
Bhad Bhabie feat. Tory Lanez Babyface Savage
Charlie Heat & Ant Beale Sunshine
贝 斯 哒 哒 哒 Bass Da Da Da (新旭 Remix)
Wafia Heartburn (Felix Cartal Remix)
Undertale OST Spider Dance
AJR I'm Ready
MaxoTrill Woah
Lil Keed It's Up Freestyle
NIVIRO The Ghost
Bobby Caldwell What You Won't Do for Love
Cavetown Boys will be bugs
Crazy Ex-Girlfriend feat. Rachel Bloom Makey Makeover
Ellie Goulding Burn
n u a g e s closer
Kina feat. Snow get you the moon
Tate McRae Teenage Mind
Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita
Camp Rock She's Really Good
21 Savage Bank Account (Why Remix)
AronChupa & Little sis Nora Llama In My Living Room
Tove Lo Habits (Stay High)
Cavetown This Is home

 

 

シーズン8:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V8

アップロード日:9/13

アーティスト 曲名
yungtubesock oh no! (I got a disease)
Lil Keed HBS
Sage The Gemini Red Nose
DJ Smallz 732 & Kyle Edwards Weak (Bend Over)
MattyBRaps feat. Haschack Sisters Little Bit
Charlie Puth I Warned Myself
Rex Orange County Best Friend
3ohBlack All Talk
Tiny Tim Livin' in the Sunlight, Lovin' in the Moon Light
M83 Midnight City
DJ Gaurav GRS Chandi Ki Daal Par Remix
Heathers: The Musical Big Fun
will.i.am feat. Pia Mia Boys & Girls
Barbie I'm a girl like you
FNAF SISTER LOVATION JT Music Join Us for a Bite

など

 

シーズン9:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V9

アップロード日:10/12

アーティスト 曲名
Tame Impala vs .Justin Timberlake The Less I Know The Better & Sexyback (Mashup)
Tchaikovsky Waltz of the Flowers The Manhattan Pops
Tyroné Laurent Lonely
Gordon Ramsay feat. Jhonny Flames HL Wave
Karen O and the Kids Igloo
Goldlink feat. Brent Faiyaz, Shy Glizzy Crew
Lil Baby & Drake Yes Indeed (Gypsy Woman Remix)
June Marieezy Fly (FKJ Remix)
Wintertime All The Time 2
Bobby Driscoll, Paul Collins Following the Leader
Lil Keed It's Up Freestyle
平野佳寿 Secret (Death Note OST 2)
Ugly God One Two
Legally Blonde The Musical Bend and Snap
Elvis Presley Devil in Disguise

など

 

 

シーズン10:TIK TOK SONGS You Probably Don't Know The Name Of V10

アップロード日:11/15

アーティスト 曲名
Lil Wil Bust It Open
Killumantii Rules
peter kuli & jedwill ok boomer
Madcon Beggin'
iLL Wayno feat. Holla FyeSix Wun Eyes. Lips. Face.
Sir Chloe Animal
Lil Tjay Leaked
Juice WRLD Let Me Know (I Wonder Why Freestyle)       
iLoveMemphis Hit the Quan
Molina Hey Kids
Tones and I Dance Monkey
Ant Saunders Yellow Hearts
Lil Toe Wake Up
Gary Glitter Rock & Roll, Part 2
The Rolling Stones Paint It, Black

など

 

☆日本に関連するもの

 日本に関連する曲の登場回数が多いと感じ、テーマ別に分けてまとめました。ちなみに日本コンテンツ以外にも、いくつか英語ではない曲がリストに登場しています。

 

① ゲーム関連(スマブラ関連、Wiiポケモンなど)

 ゲーム関連は多種多様で、これをさらに複数の分類に分けることができそうです。

 

Wii関連

Wii Sports Theme – Title Screen

Chris Brown - Look At Me Now Bust Rhymes Goes To The Wii Shop Channel

Nintendo Mii Theme (Trap Remix)

Boxing Results – Wii Sports Music

420 Unlovable – Wii Tennis

Mr. Rock - Wii Theme but its September

 

 世界的に売れたハードのWii関連の曲。これはTikTok以前の時代から流通していたミームとして、動画などで紹介されている印象があります。 “Wii Tennis”はゲームのBGMをバックにラップする1曲です。

 

スマブラ関連

Yoshi’s Island – Flower Garden

Tay-K – Tay K Returns to Dreamland

Kirby’s Dream Land – Green Greens

Super Smash Bros 64 - Dreamland (kirby Dream Land Theme Song)

Soulja Boy - Dr. Soulja Dr. Mario (Mashup)

Kendrick Lamar - M.A.A.D. City (Super Smash Bros Brawl Remix)

 

 初出はスマブラでない曲も多いですが、「スマブラで使われている曲」という広いくくりにしました。カービィ関連が3曲も。(64のDreamlandはいわゆる「グルメレース」) Tay-Kの”The Race”とのマッシュアップとの”Tay K Returns~”はなかなか中毒性のある曲。

 ”M.A.A.D. City”も同じくマッシュアップ。ゲームBGMの荘厳な雰囲気、ラップの熱狂がうまく重なり、かなりムードのある1曲になっています。

 あとは製作国アメリカなのでここに載せませんでしたが、Undertaleの”Megalovania”もスマブラのBGMとして登場します。 (UndertaleシリーズではShopのBGMも人気)

 

・その他

Behemoth – Pokemon X Svdden Death

増田順一 - Lavender Town & Uh Oh Stinky

Odyssey Soundtrack Nightcore - Jump Up, Super Star, Super Mario

 

 ポケモン×2、そしてマリオ。ポケモンシリーズは道案内(次に行こうとしたら誘導されて戻されるやつ)と、シオンタウンBGMでいずれも初代のもの。TikTokのメインユーザーであろうZ世代は初代をリアルタイムでプレイしていないと思われるので、初代のBGMが人気を集めているのは意外ですね。

 今後他の世代のBGMへの関心も出るでしょうか。(考えられるのは、Z世代が幼少期にプレイしていたであろう4世代(ダイパ)や最新の8世代……? 個人的にはダイパだとゲームコーナーや地下通路のBGMあたりを推しています)

 

② アニソン

 この分野はアニ「ソン」、そしてアニメに関連するけど「ソン」じゃない2つに分類されます。

 

・アニソン

花澤香菜恋愛サーキュレーション

高梨康治Fairy Tail Main Theme

Noah Cyrus - Ponyo On the Cliff By the Sea

小原好美 – チカっとチカ千花っ

Moe Shop – The New Non Non Biyori Disco Groove

 

 「恋愛サーキュレーション」はTikTok以前のインターネットミームを解説する動画にもよく登場する印象です。個人的には純粋に曲としても完成度が高いと思っています。

 目を引いたのはチカっと。このアニメの放映は今年の1月~3月。そしてこれが登場するのはV4(5月初旬アップロード)なので、あまりタイムラグ無く海外まで伝搬された、ということになります。このことから、TikTok以前からミームとして成立していた「恋愛サーキュレーション」とは違い、TikTok内で成立したアニメミームで、かつ素早く言語の壁を超えてブームになったということでしょう。

 TikTokの持つ複雑なバズパワーによって、複数の文脈がつながるスピードが早まったということでしょうか?ほぼタイムラグなく日本のアニメ文化がTikTok経由で海外まで伝搬されるケースは今後も見られるでしょうか。

 

 最後のフランス出身Moe Shopはアニソンのディスコアレンジ。Moe Shopは後述の「日本の影響下にあるサウンドクラウド系」の要素も持ち合わせています。 (Moe Shop*1Twitterの居住地が東京に設定されている) 個人的にこの動画の中で一番ハマった曲かもしれないです。(使われている15秒の部分のメロディーラインがすごい)

 

・アニメに関連する物

Giorno’s Theme - Il Vento d'oro (Golden Wind) Jojo's Bizarre Adventure

平野佳寿 - Secret (Death Note OST 2)

The S.O.S. Band - にこにこにー Vs. Take Your Time (Do It Right)

※iLOVEFRiDAY – Mia Khalifa

 

 ソングじゃないアニメ関連。ジョジョデスノートラブライブから。ラブライブはフレーズをマッシュアップしたものです。

 あとは一応”Mia Khalifa”もラブライブ関連ではあります。この曲を一躍有名にしたHit or Miss GirlことNyanNyanCosplay氏はその有名な動画で矢澤にこのコスプレをして、「にこにこにー」のポーズもしています。

 NyanNaynCosplay氏は他のアニメへの関心があるようで、日本に関連する投稿もかなり多く見られます。また同時にBTSのアーミーであり、ほかのK-Popアクトへの関心も示しているので、「アジア文化」に関心がある人なのかもしれません。 (日本目線だとやや珍しい趣味の組み合わせな気がします)

 今年リリースされた”Hit or Miss”の1周年を記念した動画では、初音ミクのコスプレをしていました。

 

③ ボーカロイド

・Kikuo feat. 初音ミク – Love me Love me Love me

・Kikuo – Kara Kara Kara no Kara

 

 そこまで多くなかったです。Kikuoという日本のプロデューサーが主に注目されているようです。昨年はBig Boiが初音ミクを大胆サンプリングし話題を呼び、今年も初音ミクの”Ievan Polkka”*2をサンプリングした”Bellacoso”がヒット(YouTubeグローバルで最高17位) など海外圏からも関心の高いカルチャーなので、今後発掘が進むことに期待している分野です。

 

 

④ J-Popなど (日本語歌詞のある曲、日本人シンガー)

 大きな枠で言えば「日本のポップソング」のような曲です。これを言語、拠点などから以下の3種類に分類しました。

 

・J-Pop(日本で活動、歌詞が日本語)

水曜日のカンパネラ – Momotaro

Babymetal – Gimme Chocolate!!

きゃりーぱみゅぱみゅ - PONPONPON

かめりあ – Can I Friend You On Bassbook (ベースラインやってる?笑)

REOL – コノヨ Loading …

Teddyloyd feat. Daoko - ME!ME!ME! V A P O R W A V E Remix

ダメソング – 3, 2, 1, Go!

 

 前半3つの曲はJ-Popのイメージによく合う日本でも幅広く知られているもの。これらは日本でも「海外でも人気」とのパブリックイメージを得ているような気がします。その人気ぶりがTikTokでも表れているようです。 (TikTokなどのアンダーグラウンドではたしかに人気を得ているが、メインストリームでの人気とはニュアンスが違う点は注意) 

 後半の4曲はアニメ等の影響も見られる「インターネット産」のコンテンツです。上のJ-Popとは違い、あまり日本での世間的な知名度はありません。(REOLは違う曲が2020年初頭にAppleの日本向けCMに採用されていましたが!)

 3, 2, 1 Go!は「いかにもTikTok」な曲。日本語では全力○○と称されるやつです。これをフレーズ日本語のまま海外でも流行していたようです。チカっとと同じ、あまりタイムラグなく海を渡ったパターンですかね。

 

・日本語を含む海外拠点アーティストの曲

Kero Kero Bonito – Flamingo

Avril Lavigne – Hello Kitty

 

 Kero Kero Bonitoのボーカリストは日本にルーツを持ち、小学校時代は日本で過ごしていたようです。この曲も半分くらいが日本語です。

 一方“Hello Kitty”の歌詞は多くが英語ですが、TikTokでは日本語歌詞の部分が主に使われています。 (みな最高ありがとう カカカカワイイ)

 

・英語歌詞の海外拠点の日系アーティストの曲

Joji – SLOW DANCING IN THE DARK

Joji – No Fun

88rising feat. Joji, Rich Brian & Higher Brothers – Midsummer Madness

Pink Guy – Meme Machine

Lil Ricefield & Seiji Oda – Trapanese

 

 怒涛のJoji4曲。(Pink GuyはYouTuberの時の名前) 人気ぶりが伺えます。元々YouTuberだったこともあって、このようなネットのアンダーグラウンドなシーンとも親和性があるのですかね。YouTube時代 = Pink Guy名義の”Meme Machine”は確かにTikTokっぽさのステータスがかなり高いですね。

 

 

⑤ その他日本からの影響を感じる曲

 その他もろもろの「日本」を感じる曲です。

 

・日本の影響下にあるサウンドクラウド系の楽曲

orfeo. – used to know

TOFUKU – 2D Dreaming

yakiisenpaii – Super Hit Broz (Sped Up)

KAIBA feat. Kamara – Overdose 

Lil Boom - Already [omae wa mou] Instrumental

Tsundere Twintails – Lalalatte

Senzawa – i turned a bad copypasta into a bad rap

Shawn Wasabi - Marble Soda

 

 直接日本!という訳ではなくとも、名前やそのアイコン、アートワークに日本からの影響が垣間見えるアーティストたちの曲です。彼らはサウンドクラウドなどで、ローファイやレトロなどのリミックスを行っていることが多い印象です。

 ”Somebody Used to Know”のアレンジをヒットさせたorfeo.は、この曲のビデオの背景をエヴァンゲリオン碇シンジ(多分)にしています。ほかのアクトも名前に日本からの影響が見られます。

 

 

・その他

Carmell – Caemelldansen (ウマウマ)

Mac Demarco - Chamber of Reflection with ザ・ワード 2 / セキトウ・シゲオ

Tyler, the Creator – GONE, GONE / THANK YOU

 

 Carmelldansenは日本でかつてウマウマとして知られていた曲です。Wikipediaにも日本経由でヒットしたことに関する記述が見られます。

 残り2つは日本関連の曲をサンプリングしています。ザ・ワード2はサンプリングの定番です。日本のエレクトーンプレイヤーによるこの曲は、Mac Demarco以外にもTravis ScottとQuavo(Huncho Jack)やWiz Khalifaなどにもサンプリングされています。

 “GONE, GONE / THANK YOU”は話題になった山下達郎引用の曲です。

 

☆後日追記 V 11以降で登場した日本関連の曲!

 

・V 11 アップロード:12/2

なし

 

・V12 アップロード:12/29

・Tokoy's Revenge - GOODMORNINGTOKYO! 

 アーティスト名と曲名が日本の地名を採用しているだけ。Hot 100入り間近まで迫りましたが、惜しくもエントリーならず

 

・Rich Boy & Animal Crossing (Mashup)

 Throw Some D'sの"Rich Boy"と、どうぶつの森の「リセットさんのテーマ」のマッシュアップ。2012年の3DS向けソフトの「とびだせ」で登場するBGMです

 

・Chunnyt,Dodogo - Chu Desu!

 いわゆる日本の影響下にあるサウンドクラウド系の楽曲

 

・V13 アップロード:1/24

Apollo Fresh - Jojo Pose

 ジョジョのBGMをサンプリングし、曲もジョジョについてラップされた1曲です。サビのJojo Pose! Pose! Pose!という部分がTikTok映えしますね

 

・V14 アップロード:3/3

・Antojoe - 3 Koopa Kingz Castle Theme

  1990年発売Super Mario WorldのBGMにラップを乗せた曲

 

・Cookiee Kawaii - Vibe

 名前にのみ影響が見られます。

 

・V15 アップロード:3/14

The Legend of Zelda: Ocarina Of Time - Kokiri Forest

  1998年の「時のオカリナ」のBGM

 

・V16 アップロード:4/19

・Rhythm Thief OST - Louvre Museum Invasion (幡谷尚史 - ルーヴル美術館侵入)

 2012年発売のリズム怪盗RのBGMより

 

・Oi Oi Oi (爆豪 Remix)

 僕のヒーローアカデミアの登場人物、爆豪勝己のフレーズをリミックスしたもの

 

・Ali - Wild Side (Anime Version)

 アニメ『BEASTARS』の主題歌。日本のバンドによる楽曲で、歌詞も日本語が多めですが、主に使われているのは英語パートの部分のようです。

 

・V17 アップロード:5/10

・山口夕依 - She Share Story

 日本のシンガーによる1曲。作風的には日本の影響下にあるサウンドクラウド系楽曲に近いと思います。

 

・Rhythm Thief OST - Louvre Museum Invasion (Cursed)

 V 16で登場したBGMのアレンジ版

 

 

 

◇今後のヒット?

 最後に今後のヒットについて考察を述べて記事を締めたいと思います。

 私が実際に「TikTok発のヒット」という言葉をはじめて聞いたのは“Old Town Road”でした。それまでは「ミーム発のヒット」などと表記され、流行元があまり明記されていない印象ですが、この曲のヒットあたりから「TikTok発」という言葉が聞かれるようになった気がします。

 この曲は1位滞在記録を更新するなど、歴代屈指の大ヒットに。それ以降、TikTok発と称される曲が多くチャートに食い込むようになっていきます。

 

 「TikTok発」の曲の主流は「踊るための曲」、または「オチを作るための曲」という印象がありました。そこで踊りに特化した曲、また動画のオチを誘発しやすいTikTokを全面に意識した曲もいくつか出現しました。仮に原曲にオチが無くても、音を割るかリミックスで無理やり「編集点」を作り出すパターンも多く存在します。

 TikTokに「寄せれば」、TikTokでの使用率向上には寄与すると思いますが、その分「曲として」他の媒体で人気を得るのは難しくなります。そのような曲はTikTokから離れてしまうと威力を失ってしまうのです。

 仮にアーティストや曲としての成功を狙うならばTikTok以外の媒体での成功が必要になります。現状TikTokの再生数がチャートにカウントされている、という話は聞いたことがないですし、支払われる金額もあまり期待できなさそうです。(参考:How TikTok Gets Rich While Paying Artists Pennies | Pitchfork

 TikTok経由で他の媒体でもヒットすればアーティストとしての成功の階段を登りますが、TikTokと他の媒体でヒット度にギャップがあるケース、つまりTikTok「のみ」で留まってしまうケースも存在します。

 

 

 ただここ最近はTikTokヒットが意外な方向性を見せています。それはTame ImpalaとFrank Oceanのヒットです。それぞれTikTokでヒットしたのは”The Less I Know The Better”(V5とV9に登場)、”Chanel”(V10に登場)で今年の曲ではありません。ラジオやビデオなどのプロモーションも行われていません。それにも関わらず、Spotifyではっきりとした浮上を見せたのです。

 前者はUSのランキング下位にランクインした後、グローバルトップ200にも登場。この曲はこれまでトップ200に入っていなかったので、シングルとして運用されていた時よりも大規模なヒットになったということです。 また後者もUSのランキングでトップ100程度まで浮上しています。 ちなみに2曲ともApple Musicでも同じく一定の浮上を果たしています。

 ストリーミングでは過去曲がランキング下位に再登場する事例はよくあるのですが、それは最新シングルに誘発されてそのアーティストの曲が発掘される or 超有名曲が再び聞かれる、の2つが多いです。

 これらの曲はもともと大ヒット曲だったというわけでもなかったので、自然と発掘されるのは考えづらいです。この2曲の浮上にTikTokがある程度は関係していると考えるのが自然でしょう。

 

 この2曲の共通点は「TikTok発っぽくない」ということです。前説明したように、踊るかボケるかがTikTokのポイントで、TikTok発の曲はそれらと親和性のある曲が多く見られます。一方この2曲はこれまで主に「聞かれる」面で評価されてきた曲です。若い世代が集うキャッチーさ主義のSNSとは遠い文脈にありそうな批評界隈で高く評価されてきた曲がTikTokで注目を集めているのです。

 この2曲以外にも「ぽくない」曲が上記のリストにいくつか動画に登場します。(同じ批評コミュニティで支持されている曲や、落ち着いた雰囲気の曲など)

 

 今までTikTokはそれに適した音楽が覇権を取っているとばかり考えてきましたが、ラジオのように「純粋に曲を伝達する」ポテンシャルがあるのかもしれません。

 一定数踊る・ボケるではない動画、例えば絵を書く動画、はたまた音楽完全無視(しゃべりだけで完結するなど)の動画も存在しているので、TikTokが「口パクアプリ」を超えた若者のコミュニティ的存在であることも関係しているのかもしれません。

 

 このようなタイプのヒット曲が今後も表れ、「TikTok発」のヒット曲のテイストが変化していくことはあるのか。はたまた、TikTokがヒットを生み出す流れ自体が続き発展していくのか? ここら辺のポイントを今後注目していきたいです。

 

 

 

関連記事

 

TikTokのヒットを探る、続編的な記事です

 

 

The Anatomy of a TikTok Hit | Pitchfork

 PitchforkによるTikTokヒット分析記事。(11月中旬頃)「ヒットの仕組み」という大々的なシステムよりは、個別のヒット曲の解説に分量が割かれている印象です。途中に登場するアルファTikTokerの「Z世代は毎日耳に入るポップスに飽き飽きしている」という引用が気になります。(本当?) 

 個人的にはPitchforkが評価するタイプの音楽、それこそ今回挙げたTame ImpalaやFrank Oceanなどにも触れてほしかったですね。

 

 

【ネクストOld Town Road?の”The Git Up”について / バズ曲の3段階進化】 - チャート・マニア・ラボ

 私が書いたTikTok発のヒット“The Git Up”の考察

 

 

 

・2020/5/15 に一部を加筆/訂正しました

 

 

*1:余談なのですが、彼のTwitterのプロフィールに[them/they]と書いてあります。これはそう呼んでくれ、という意味なのですが、これ日本語だとどう訳せば良いのですかね……適当な代名詞が浮かばないのでずっとフルネームを連呼しています

*2:元々は初音ミクフィンランド歌謡をカバーしたもの

批評コミュニティサイト AOTY毎週の注目作品のリスト 2019

 

 

 ここで紹介するAOTYはいわゆる「批評コミュニティサイト」です。このサイトは批評サイトでの採点を集計すると同時に、ユーザーからの採点やコメントを投稿する場所にもなっています。つまり批評サイトの評価軸の影響下にあるリスナーのコミュニティ、のような場所なのです。

 このようなコミュニティの評価は時間をかけて最終的にチャート的人気にもつながることも意外とあるので、注目している評価軸の1つです。

 このようなサイトは他にもあるのですが、このサイトでの"Popular Now"、つまり注目を集めている作品のリストが面白いと考え、それを毎週集計していました。ちなみに注目されているといっても必ずしも評価が高いわけでもありません。

 

 今回の記事では、このAOTYで注目されていた作品を表にして振り返りたいと思います。毎週リリースが反映される頃合(日本時間の土曜日頃)にPopular Nowをチェックし、そのトップ10を毎週集計していました。それを表にしています。

 

 

・毎週の1位

1月4日 Lizzo Juice (シングル)
1月11日 Comerthazine Bawskee 2
1月18日 James Blake Assume From
1月25日 Weezer Weezer (Teal Album)
2月1日 Beirut Gallipoli
2月8日 Ariana Grande thank u, next
2月15日
2月22日 Lil Pump Harverd Dropout
3月1日 Solange When I Get Home
3月8日 Foals Everything Not Saved Will Be
3月15日 Little Simz GREY Area ※
3月22日 American Football American Football
3月29日 Billie Eilish When We All Fall Asleep, Where Do We Go
4月5日 MARINA LOVE
4月12日 Kevin Abstract ARIZONA Baby
4月19日 Lizzo Cuz I Love You
4月26日 Kevin Abstract ARIZONA Baby
5月3日 Vampire Weekend Father of the Bride
5月10日 Logic Confessions of a Dangerous Mind
5月17日 Tyler, the Creator IGOR
5月24日
5月31日 Denzel Curry ZUU
6月7日 Future Save Me
6月14日 Madonna Madame X
6月21日 Lil Nas X 7 (EP)
6月28日 Freddie Gibbs & Madlib Bandana
7月5日
7月12日 Ed Sheeran No. 6 Collaborations Project
7月19日 Peppa Pig My First Album
7月26日 Rich Brian The Sailor
8月2日 Chance The Rapper The Big Day ※
8月9日 Bon Iver i,i
8月16日 King Gizzard and the Lizard Wizardd Infest the Rat's Nest
8月23日 BROCKHAMPTON Ginger
8月30日 Lana Del Rey Norman f*****g Rockwell!
9月6日 Post Malone Hollywood's Bleeding
9月13日 JPEGMAFIA All My Heroes Are Cornballs
9月20日 Ameer Vann Emmanuel
9月27日 DaBaby Kirk
10月4日 Danny Brown uknowhatimsayin?
10月11日
10月18日 clipping. There Exsited an
10月25日 Kanye West Jesus Is King
11月1日 Earl Sweatshirt FEET OF CLAY
11月8日 FKA twigs MAGDALENE
11月15日
11月22日 Coldplay Everyday Life
11月29日 The Weeknd Heartless (シングル)
12月6日 Camila Cabello Romance
12月13日 Harry Styles Fine Line
12月20日
12月27日 Travis Scott JACKBOYS

※リリースは1つ前の週だった

 

 

・トップ10に長く滞在した作品

    Weeks
Tyler, the Creator IGOR 23
Weyes Blood Titanic Rising 9
JPEGMAFIA All My Heroes Are Cornballs 9
James Blake Assume From 8
Sharon Van Etten Remind Me Tomorrow 6
Kevin Abstract ARIZONA Baby 6
Freddie Gibbs & Madlib Bandana 6
Kanye West Jesus Is King 6
Little Simz GREY Area 5
Billie Eilish When We All FallAsleep, Where Do We Go 5
Lana Del Rey Norman f*****g Rockwell! 5
Ariana Grande thank u, next 4
Injury Reserve Injury Reserve 4
BROCKHAMPTON Ginger 4
Angel Olsen All Mirrors 4
FKA twigs MAGDALENE 4

 (こちらは11月までのデータ)

 

 

・毎週のトップ10の詳細

(Hot 100のトップ10のWikipediaページの形式を参考にしています)

In     Peak Weeks
1月4日 Lizzo Juice (シングル) 1 1
1月4日 Kids See Ghosts Kids See Ghosts 2 2
1月4日 Kendrick Lamar DAMN. 3 2
1月4日 Denzel Curry TA13OO 4 3
1月4日 System of a Down Toxicity 5 1
1月4日 Axl Rose Rock the Rock 6 1
1月4日 Pusha T Daytona 7 1
1月4日 Chrome Sparks Be On Fire 8 1
1月4日 Vince Staples FM! 9 1
1月4日 Earl Sweatshirt Some Rap Songs 6 2
1月11日 Comerthazine Bawskee 2 1 1
1月11日 Lana Del Rey hope is a dangerous …(シングル) 2 1
1月11日 You Tell Me You Tell Me 3 1
1月11日 Lorelle Meets The Obsolete De Facto 4 1
1月11日 Gesaffelstein Lost in the Fire (シングル) 9 1
1月11日 The Imperial The Delines 10 1
1月18日 James Blake Assume From 1 8
1月18日 Deerhunter Why Hasn't Everything Already Disappeared 2 2
1月18日 Sharon Van Etten Remind Me Tomorrow 3 6
1月18日 Maggie Rogers Heard It In A Past Life 4 2
1月18日 The Twilight Sad It Won/T Be Like This All the Tie 5 1
1月18日 Future Future Hndrxx Presents: The WIZRD 6 1
1月18日 Toro y Moi Outer Peace 7 2
1月18日 Malibu Ken Malibu Ken 8 2
1月18日 Ariana Grande 7 rings (シングル) 9 1
1月18日 Lorelle Meets The Obsolete De Facto 10 1
1月25日 Weezer Weezer (Teal Album) 1 1
1月25日 Bring Me The Horizon amo 4 2
1月25日 Boogie Everythings For Sale 5 2
1月25日 Better Oblivion Community Better Oblivion Community Center 6 2
1月25日 Vampire Weekend Harmony Hall (シングル) 10 1
2月1日 Beirut Gallipoli 1 1
2月1日 Girlpool What Chaous Is Imaginary 2 1
2月1日 Broods Don't Feed the Pop Monster 3 1
2月1日 Billie Eilish bury a friend (シングル) 5 1
2月1日 Cherry Glazerr Stuffed & Ready 9 1
2月8日 Ariana Grande thank u, next 1*2 4
2月8日 Various Artists NOW That's What I Call Music! 69 2 1
2月8日 Jessica Pratt Quiet Signs 3 2
2月8日 Panda Bear Buoys 4 1
2月8日 Xiu Xiu Girl with Basket of Fruit 3 2
2月8日 Ariana Grande Sweetener 7 1
2月8日 HEALTH VOL. 4::SLEAVES OF FEAR 9 1
2月15日 Avril Lavigne Head Above Water 2 1
2月15日 Czarface & Ghostface Killah Czarface Meets Ghostface 4 2
2月15日 Various Artists Pornhub Valentine's Day Album 5 1
2月15日 Ladytron Ladytron 6 1
2月15日 HOMESHAKE Helium 8 1
2月22日 Lil Pump Harverd Dropout 1 1
2月22日 Julia Jacklin Crushing 2 2
2月22日 Offset Father Of 4 3 1
2月22日 Spellling Mazy Fly 6 1
2月22日 Kehlani While We Wait 7 1
2月22日 Gunna Drip or Drown 2 9 1
3月1日 Solange When I Get Home 1 3
3月1日 Weezer Weezer (Black Album) 2 1
3月1日 Little Simz GREY Area 1 5
3月1日 2 Chainz Rap or Go to the League 4 2
3月1日 The Japanese House Good At Falling 5 1
3月1日 Pond Tasmania 7 1
3月1日 Hozier Wasterland, Baby! 8 2
3月8日 Foals Everything Not Saved Will Be 1 2
3月8日 Sigrid Sucker Punch 2 2
3月8日 Stella Donnelly Beware of the Dogs 3 2
3月8日 Juice WRLD DEATH RACE FOR LOVE 6 2
3月8日 Dave Psychodrama 2 3
3月8日 Gesaffelstein Hyperion 10 1
3月15日 CHAI PUNK 4 1
3月15日 Karen O & Danger Mouse Lux Prima 6 1
3月15日 Matmos Plastic Anniversary 7 1
3月22日 American Football American Football 1 2
3月22日 Flume Hi This Is Flume 2 2
3月22日 Nilüfer Yanya Miss Universe 3 2
3月22日 Avey Tare Cows on Hourglass Pond 4 1
3月22日 Tame Impala Patience (シングル) 5 1
3月22日 Wallows Nothing Happens 6 1
3月22日 La Dispute Panorama 8 1
3月22日 Jenny Lewis On the Line 10 1
3月29日 Billie Eilish When We All FallAsleep, Where Do We Go 1 5
3月29日 Logic Supermarket 2 1
3月29日 Weyes Blood Titanic Rising 2 9
3月29日 Quelle Chris Guns 7 3
3月29日 Show Me The Body Dog Whistle 9 1
4月5日 MARINA LOVE 1 1
4月5日 Anitta Kisses 3 1
4月5日 Pabllo Vittar Não Para Não 5 1
4月5日 PUP Morbid Stuff 6 1
4月5日 Khalid Free Spirit 7 1
4月5日 The Drums Brutalism 8 1
4月5日 BLACKPINK Kill This Love 10 1
4月12日 Kevin Abstract ARIZONA Baby 1*2 6
4月12日 Anderson .Paak Ventura 2 2
4月12日 BTS MAP OF THE SOUL: PERSONA 3 1
4月12日 Fontaines D.C. Dogrel 5 1
4月12日 LSD LSD 6 1
4月12日 The Chemical Brothers No Geography 7 1
4月12日 Tame Impala Borderline (シングル) 9 1
4月19日 Lizzo Cuz I Love You 1 2
4月19日 Lil Dicky Earth (シングル) 2 1
4月19日 Cage the Elephant Social Cues 3 1
4月19日 Beyoncé Homecoming 4 1
4月19日 Keisy Lu BLOOD 7 1
4月19日 TR/ST The Destroyer - 1 9 1
4月19日 Loyle Carner Not Waving, But Drowning 10 1
4月26日 MARINA Love + Fear 2 1
4月26日 ScHoolboy Q CrasH Talk 3 2
4月26日 Rico Nasty & Kenny Beats Anger Management 4 1
4月26日 King Gizzard and the Lizard Fishing for Fishies 5 2
4月26日 Taylor Swift ME! (シングル) 6 1
4月26日 Aldous Harding Designer 7 2
4月26日 FKA twigs Cellphane (シングル) 8 1
4月26日 Slauson Malone A Quiet Farewell, Twenty Sixteen 10 1
5月3日 Vampire Weekend Father of the Bride 1 2
5月3日 Big Thief U.F.O.F. 2 2
5月3日 Logic Homicide (シングル) 3 1
5月3日 Kedr Livanskiy Your Need 8 1
5月3日 Ashley Tisdale Symptoms 10 1
5月10日 Logic Confessions of a Dangerous Mind 1 2
5月10日 Mac DeMarco Here Comes the Cowboy 2 1
5月10日 Holly Herndon PROTO 4 1
5月10日 Jamila Woods LEGACY! LEGACY! 5 2
5月10日 Tim Hecker Anoyo 7 1
5月10日 Denzel Curry RICKY (シングル) 8 1
5月10日 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care (シングル) 10 1
5月17日 Tyler, the Creator IGOR 1*2 23
5月17日 Injury Reserve Injury Reserve 2 4
5月17日 Carly Rae Jepsen Dedicated 3 2
5月17日 The National I Am Easy to Find 4 1
5月17日 Tyler, the Creator Flower Boy 5 1
5月17日 slowthai Nothing Great About Britain 7 3
5月17日 DJ Khaled Father of Asahd 10 1
5月24日 Flying Lotus Flamagra 2 2
5月24日 Steve Lacy Apollo XXI 5 1
5月24日 Beast Coast Escape From New York 6 1
5月24日 Morrissey California Son 7 1
5月24日 Faye Webster Atlanta Millionaires Club 9 1
5月24日 YG 4REAL 4REAL 10 1
5月31日 Denzel Curry ZUU 1 3
5月31日 Miley Cyrus SHE IS COMING 2 2
5月31日 Skepta Ignorance is Bliss 5 1
5月31日 Katy Perry Never Really Over (シングル) 6 1
5月31日 Kishi Bashi Omoiyari 8 1
6月7日 Future Save Me 1 1
6月7日 Jai Paul Leak 04-13 2 1
6月7日 Jonas Brothers Happiness Begins 5 1
6月7日 AURORA A Different Kind OF Human 6 1
6月7日 Avicii TIM 7 1
6月7日 Tyga Legendary 9 1
6月14日 Madonna Madame X 1 1
6月14日 Taylor Swift You Need To Calm Down (シングル) 2 1
6月14日 Baroness Gold & Grey 3 2
6月14日 Goldlink Diaspora 5 1
6月14日 Bastille Doom Days 6 1
6月14日 Bill Callahan Shepherd in a Sheepskin Vest 7 1
6月14日 Bruce Springsteen Western Stars 8 1
6月14日 Joji Sanctuary (シングル) 10 1
6月21日 Lil Nas X 7 (EP) 1 2
6月21日 black midi schlagenheim 2 3
6月21日 Mark Ronson Late Night Feelings 3 1
6月21日 Hatchie Keepsake 4 2
6月21日 Death Grips Gmails…… 5 1
6月21日 Lil Nas X Panini (シングル) 6 1
6月21日 The Raconteurs Help Us Stranger 7 1
6月21日 Two Door Cinema Club False Alarm 9 1
6月28日 Freddie Gibbs & Madlib Bandana 1*2 6
6月28日 Thom Yorke ANIMA 2 3
6月28日 Kim Petras Clarity 6 1
6月28日 Rich Brian Yellow (シングル) 7 1
6月28日 The Black Keys Let's Rock 8 2
6月28日 Chris Brown Indigo 9 1
7月5日 Jaden Smith ERYS 2 2
7月5日 Dreamville Revenge of the Dreamers III 3 2
7月5日 ROSALÍA Fucking Money Man (シングル) 5 1
7月5日 Daniel Caesar CASE STUDY 01 9 1
7月12日 Ed Sheeran No. 6 Collaborations Project 1 2
7月12日 Blood Orange Angel's Pulse 2 2
7月12日 Banks III 3 1
7月12日 Big K.R.I.T. K.R.I.T. Iz Here 5 1
7月12日 Purple Mountains Purple Mountains 8 3
7月12日 Billie Eilish & Justin Bieber bad guy (シングル) 9 1
7月19日 Peppa Pig My First Album 1 1
7月19日 Iggy Azalea In My Defense 2 2
7月19日 Beyonce The Lion King: The Gift 4 1
7月19日 Lingua Ignota Caligula 4 2
7月19日 Willow WILLOW 6 1
7月19日 Maxo Kream Brandon Banks 7 2
7月26日 Rich Brian The Sailor 1 2
7月26日 Chance The Rapper The Big Day 1 3
7月26日 YBN Cordae The Lost Boy 3 2
7月26日 Taylor Swift The Archer (シングル) 5 1
7月26日 Lil Nas X & RM Seoul Town Road (シングル) 10 1
8月2日 Clairo Immunity 2 2
8月2日 Brockhampton I Been Born Again (シングル) 3 1
8月2日 Drake Care Package 6 1
8月2日 Angel Olsen All Mirrors (シングル) 10 1
8月9日 Bon Iver i,i 1 2
8月9日 Slipknot We Are Not Your Kind 2 2
8月9日 Brockhampton If You Pray Right (シングル) 3 1
8月9日 Trippie Redd ! 4 2
8月9日 Tool Fear Inoculum 5 1
8月9日 Marika Hackman Any Human Friend 7 1
8月16日 King Gizzard and the Lizard Wizardd Infest the Rat's Nest 1 2
8月16日 Young Thug So Much Fun 2 2
8月16日 Brockhampton Boy Bye (シングル) 3 1
8月16日 Sleater-Kinney The Center Won't Hold 5 1
8月16日 Taylor Swift Lover (シングル) 6 1
8月16日 Shura forevher 7 1
8月16日 JPEGMAFIA Jesus Forgive Me, I AM A Thot (シングル) 9 1
8月23日 BROCKHAMPTON Ginger 1 4
8月23日 Taylor Swift Lover 2 2
8月23日 BROCKHAMPTON No Halo (シングル) 4 1
8月23日 BROCKHAMPTON Iridescence 5 1
8月23日 Jay Som Anak Ko 6 2
8月23日 The 1975 People (シングル) 7 1
8月23日 Missy Elliott Iconology 10 1
8月30日 Lana Del Rey Norman f*****g Rockwell! 1 5
8月30日 Tool Fear Inoculum 2 2
8月30日 A$AP Rocky babushka Boi (シングル) 5 1
8月30日 Rapsody Eve 7 1
8月30日 Whitney Forever Turned Around 9 1
9月6日 Post Malone Hollywood's Bleeding 1 2
9月6日 Melanie Martinez K-12 3 1
9月6日 IDK IS HE REAL? 4 1
9月6日 Danny Brown Dirty Laundry (シングル) 6 1
9月6日 Bat For Lashes Lost Girls 7 1
9月6日 EARTHGANG Mirrorland 8 1
9月13日 JPEGMAFIA All My Heroes Are Cornballs 1 9
9月13日 Charli XCX Charli 2 3
9月13日 Alex G House of Sugar 3 2
9月13日 Chelsea Wolfe Birth of Violence 7 1
9月13日 JPEGMAFIA Veteran 9 1
9月13日 Jenny Hval The Practice Of Love 10 1
9月20日 Ameer Vann Emmanuel 1 1
9月20日 Tove Lo Sunshine Kitty 4 2
9月20日 Slayyyter Slayyyter 6 1
9月20日 BABii, Kai Whiston, XYZ 8 1
9月20日 Blink-182 Nine 9 1
9月27日 DaBaby Kirk 1 2
9月27日 Girlband The Talkies 2 1
9月27日 Nostalgia Critic Nostalgia Critic's the Wall 5 1
9月27日 TWICE Feel Special (EP) 7 1
9月27日 Brittaney Howard Jamie 8 1
9月27日 Kanye West Jesus Is King (未リリース) 9 1
10月4日 Danny Brown uknowhatimsayin? 1 3
10月4日 Angel Olsen All Mirrors 2 4
10月4日 Nic Cave & The Bad Seeds Ghosteen 3 3
10月4日 Chromatics Closer To Grey 4 1
10月4日 Kim Petras Turn Off the Light 5 1
10月4日 DIIV Deceiver 7 1
10月4日 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM (シングル) 9 1
10月4日 Hobo Johnson The Fall of Hobo Johnson 10 1
10月11日 Big Thief Two Hands 2 2
10月11日 Mavi Let The Sun Talk 5 1
10月11日 DIIV Deceiver 7 1
10月11日 Wilco Ode to Joy 9 1
10月11日 Frank Ocean Blonde 10 1
10月18日 clipping. There Exsited an 1 3
10月18日 Caroline Polachek Pang 2 2
10月18日 Foals Everything Not Saved Will 4 1
10月18日 Kim Gordon No Home Record 10 1
10月25日 Kanye West Jesus Is King 1 6
10月25日 Rex Orange Country Pony 2 2
10月25日 Swans Leaving Meaning 3 2
10月25日 Selena Gomez Lose You to Love Me (シングル) 6 1
10月25日 King Princess Cheap Queen 8 1
10月25日 Cigarettes After Sex Cry 9 1
11月1日 Earl Sweatshirt FEET OF CLAY 1 3
11月1日 Michael Kiwanuka Kiwanuka 3 2
11月1日 FKA twigs MAGDALENE (未リリース) 4 1
11月1日 Rex Orange Country Pony 5 1
11月1日 Kanye West ye 10 1
11月8日 FKA twigs MAGDALENE 1 4
11月8日 Have a Nice Life Sea of Worry 2 2
11月8日 Doja Cat Hot Pink 3 1
11月8日 Mount Eerie Lost Wisdom Pt.2 9 1
11月15日 Billie Eilish everything i wanted (シングル) 2 1
11月15日 Lil Peep Everybody's Everything 5 1
11月15日 Avenade It's A Whimsical Afterlife 7 1
11月22日 Coldplay Everyday Life 1 2
11月22日 Tinashe Song for You 2 1
11月22日 Beck Hyperspace 4 1
11月22日 Hannah Diamond Reflections 5 2
11月22日 Trippie Redd A Love Letter to You 4 6 1
11月22日 Liturgy H.A.Q.Q. 7 1
11月29日 The Weeknd Heartless (シングル) 1 1
11月29日 ECCO2K E 2 1
11月29日 The Weeknd Blinding Lights (シングル) 4 1
11月29日 Blood Incantation Hidden History of the Human Race 5 1
11月29日 EXO Obsession 8 1