チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

2020 Year-End / 年間系記事 リンク集+データ表

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 2020年をまとめるような「年間記事」をいくつか作成したので、それのリンク集。そして各種データを表にしたものをいくつか掲載しました。お正月の暇つぶしなどに役立ててください!(年明けにも、もう少し追加する予定です)

 

 

Billboard Hot 100 Year-End / 年間チャート・2020を10のポイントで見る

 音楽チャートの総決算的イベント、年間チャートをもとに今年を振り返る記事です。

 

 

・2020年 ビルボード毎月の記事 テーマ+リンクまとめ

  私が今年作成してきた、ビルボードの動向を月間単位でまとめた記事の、テーマ+リンクを羅列していきます。今年の復習にお役立てください。

 実際にそれぞれの月の記事を読まなくても、テーマだけ眺めとけば、なんとなく今年起こった事を思い出せる、かもしれません!

 

 

・イギリス 年間チャート / Year-End を6のポイントで見る

 ジャンル等の人気の傾向、そしてシステム的な面からUSとの違い等を分析しています。

 

 

・プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2020

 曲のヒットを左右することもある、Spotifyの最大手プレイリストについてです。

 

 

・Hot 100に登場した日本関連の曲 2020

 歌詞などから、Hot 100に登場した日本関連の要素を探します。

 

 

・ヒット曲の最終的なHot 100成績 + おまけ 【2020】

 データベースです

 

 

・My Best Tracks 2020

私選出の、ベストトラック

 

 

・My Best Albums 2020

私選出の、ベストアルバムです。

 

 

 

~各データ~

 

 

・表:各月のHot 100トップ10推移

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・表:Billboard 200(アルバムチャート)のトップ5+売上数

(緑背景はその週新登場)

(🎫はツアーチケットを販売とからめた戦略、👕はグッズを販売とからめた戦略を採用した作品。年の途中から規制されました)

 

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・表:各指標の1位推移

(Hot 100、Rolling Stone Charts、Apple Music、SpotifyYouTube、Pandora、Radio、Digital Sales)

Apple Musicには週間チャートが無いため、その週に最も長く1位に滞在した曲を1位にしています

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・表:各ラジオ系統の1位推移

※Radio Songsはラジオ全体の再生数の合算

※左に行くほど、だいたい規模が大きくなります。ただしAlternative Airplayはここで掲載した他の系統と比べると規模が小さいので、おまけ程度に考えておいてください。

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・5曲以上が(同時に)Hot 100入りしたアルバム

1月11日 JACKBOYS JACKBOYS 6
2月1日 Eminem Music To Be Murderd By 12
2月1日 Mac Miller Circles 10
2月29日 Justin Bieber Changes 6
2月29日 A Boogie Wit da Hoodie Artist 2.0 7
3月7日 YoungBoy Never Broke Again Still Steppin, Still Flexin 8
3月14日 Lil Baby My Turn 14
3月14日 Bad Bunny YHLQMDLG 11
3月21日 Lil Uzi Vert Eteral Atake 18
3月21日 Jhené Aiko Chilombo 5
3月28日 Lil Uzi Vert Luv vs. The World 2 14
4月4日 The Weeknd After Hours 14
4月18日 Rod Wave Pray 4 Love 8
5月2日 DaBaby Blame It On Baby 12
5月9日 YoungBoy Never Broke Again 38 Baby 2 5
5月16日 Drake Dark Lane Demo Tapes 14
5月16日 Lil Baby My Turn (Deluxe) 5
5月30日 Future High Off Life 13
5月30日 Polo G The GOAT 9
6月6日 Gunna WUNNA 12
7月18日 Pop Smoke Shoot for the Stars Aim for the Moon 19
7月25日 Juice WRLD Legends Never Die 17
8月8日 Taylor Swift folklore 16
9月26日 YoungBoy Never Broke Again Top 9
10月17日 21 Savage & Metro Boomin Savage Mode 2 13
11月14日 Ariana Grande positions 14
11月28日 Future & Lil Uzi Vert Pluto x Baby Pluto 10
12月5日 Megan Thee Stallion Good News 7
12月5日 BTS BE 7
12月12日 Bad Bunny EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO 11
12月26日 Taylor Swift evermore 15
12月26日 Kid Cudi Man on the Moon III: The Chosen 10

黃背景:全曲がHot 100入り(制度によって除外されると考えられる曲は除く)

グレー背景:アルバムチャートでは個別の作品とみなされないもの(デラックス版等)

 

このような、5曲以上がHot 100入りアルバムの数は……

2016:8

2017:14

2018:29

2019:22

2020:32

ビルボードはストリーミングのルールを細かく変え続けているため、年によってアルバム曲Hot 100エントリーの難易度が少し異なります。今年は若干難度が落ちたような印象があります。

 

 

リンク

昨年版:2019年・年間まとめ系記事リンク集 - チャート・マニア・ラボ

 

2020年 ビルボード毎月の記事 テーマ+リンクまとめ

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 私が今年作成してきた、ビルボードの動向を月間単位でまとめた記事の、テーマを羅列していきます。私は今年から記事を月単位に切り替えたのは、どこに何を書いてあるか?を確認しやすくする、というのが理由の一つだったので、その意図がこの記事で達成された気がします。

 実際に記事を読まなくても、テーマだけ眺めとけば、なんとなく今年起こった事を思い出せる、かもしれません!

 

※「短評」はどの月にもあるので、省略します

 

 

1月 【激動の1ヶ月、Roddy Ricch大活躍など】

1 Roddy Ricchの”The Box"が大躍進

2 クリスマス後の特別措置。ただし……

3 ルール変更によって弾かれた“Old Town Road” グラミーに向けて残念?

 

 

2月 【アルバム激戦区・不動のシングル上位など】

1 2/1のアルバム激戦区週

2 激戦区再び?2/29のアルバムチャートも……

3 全員バンドル? 特徴的だった2/15のアルバムチャート

4 動きが鈍い上位

5 グラミーの週

6 表記の揺れ?

 

 

3月 【Lil Uzi Vert・Bad Buny・Lil Baby・BTSなど…アルバム大盛況】

1 続くアルバム激戦区、Hot 100に「アルバム曲」が大量登場

2 Lil Uzi Vert

3 Jhené Aiko

4 Lil Baby

5 Bad Bunny

6 BTS

7 上位の動向:次の1位は”Blinding Lights”? “Don’t Start Now”は?

8 絶好調:”Adore You”と”Say So”

9 DrakeがGlee Castを上回りHot 100エントリー数が単独最多に(208曲)

10 TikTok発とみられる曲

 

 

4月 【The Weekndがアルバム4タテなど無双】

1 The Weekndがシングル・アルバム両チャートを制圧

2 セールス戦略の大戦争

3 Dua Lipa

4 Drakeも1位を獲得

5 ”Say So”と”Adore You”がラジオ増加に伴いHot 100でも浮上

6 ”Circles”のトップ10滞在が33週まで到達。次週にも記録更新?

7 ”Savage”が大きくジャンプアップ。今月のTikTok曲は?

8 大躍進のカントリー曲。Gabby BarrettとMaren Morrisが特に期待の星?

9 アルバム後に生き残る曲? Lil Uzi Vert、Bad Bunny、Lil Babyなど

 

 

5月 【首位が全て異なる月 / 販売戦略が躍動】

1 全ての週で異なる曲が1位に! 多くの販売戦略が1位獲得をサポート

2 アルバムチャートも全て異なる作品が1位に。今月もバンドルが躍動?

3 Drakeのトップ10曲数が38まで到達

4 Chris BrownとFutureが100曲超え / アルバム曲の時代?

5 フォートナイト、再び

6 今後どうなる?最終週でラジオに大きな変化が

7 名義を載せる / 載せない問題

8 ビルボードによる声明?

9 今月のTikTok

 

 

6月 【コラボ曲の首位が相次ぐ / アルバムチャートはリリース減少?】

1 続くコラボ曲の首位 販売戦略と関係

2 DaBabyと6ix9ineに加え、初の栄冠はプロデューサーにも!

3 続くFemaleコラボ

4 ネクストトップ10候補

5 新作が減少するアルバムチャート その中で活躍するLil Baby

6 Hot Rock & Alternative Songsが誕生

7 「アーバン」という言葉、そのラジオでの格差?について

8 当人たちも活躍し始めたTikTok

9 Hot 100初登場アーティストたち

 

 

7月 【Pop SmokeとJuice WRLDの活躍 販売戦略のその後……】

1:Pop SmokeとJuice WRLDがアルバムチャートを盛り上げる

2:アルバムラッシュ時のシングル関連記録

3:今月は販売戦略が無かったシングル、来月以降は制限も

4:販売戦略で1位を獲得した曲のその後……

5:来月のトップ10候補

6:今月のラジオ(The Weeknd・Post Malone)

7:5月に予想した年間トップ10の曲たち

8:今月のTikTok

9:Kanyeシリーズ?

 

 

8月 【圧巻の"WAP"、アルバムはTaylor Swift】

1 販売戦略は健在?セールス急増で複数曲が1位の栄冠

2 圧倒的な”WAP”、しばらくチャートの主役に?

3 カントリーがダブルでトップ10? 今月の新規トップ10

4 今後のトップ10候補

5 “Blinding Lights”がラジオの記録を更新

6 Taylor Swiftのサプライズリリースが4週連続1位

7 アルバム曲の管理

8 今月のTikTok

9 Hot 100デビューを飾ったアーティストたち

 

 

9月 【BTS / ロングヒット記録 / ヒットの4メトリクスなど】

1 セールスの制圧力 BTS初のHot 100首位

2 歴史的ロングヒット”Blinding Lights”

3 アダルトポップの申し子Lewis Capaldi + その他のトップ10

4 来月以降のヒット候補

5 比較的静かだったアルバムチャート

6 TikTok流シングルカット

7 TikTok発の最終的な成績

8 Global 200

9 ヒット曲の4メトリクス”my future“ / “Stuck with U”など

 

 

10月 【販売戦略の行く末 + オルタナティブ系 など】

1 勢いが止まらない販売戦略

2 その販売戦略の今後?

3 ネクストPost Malone?24kGoldnとiann diorの可能性?

4 その他のトップ 10 + 今後のトップ10候補

5 今月のアルバムチャート

6 Fleetwood現象

7 Alt TikTok

8 BLACKPINK

9 滞在が短い曲たち

 

11月 【Ariana Grandeの新作 / 新タイプの販売戦略?】

1 Ariana Grandeの成績をどう捉える?

2 アーティスト力を示す?初動で見るトップ10

3 曲の力を示す?ラジオヒットとトップ10 + 今後のトップ10

4 そこそこ盛り上がる?アルバムチャート

5 クリスマス?

6 投げ銭式によるインディー系アクトのHot 100入り

 

 

12月 【Taylor Swiftの"evermore"、BTSとBad Bunnyなど】

1 動きが激しいトップ10

2 Taylor Swift

3 BTS → Bad Bunny

4 Megan Thee Stallion、Kid Cudi等アルバムチャート

 

 

Billboard 動向・12月号 【Taylor Swiftの"evermore"、BTSとBad Bunnyなど】

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 こんばんは!2020最後のビルボード月末まとめとなります!(いつもより短めですが、よろしくお願いします!)

 

 

目次:

 

 

 

1 動きが激しいトップ10

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 全ての週で首位が入れ替わっています。初週は販売戦略によるBTSの“Life Goes On”が、2週目は一般的なラジオヒットの”Mood”、3週目はクリスマス曲、4週目は再び販売戦略の“willow”が首位に立っています。

 月を通してトップ10に入り続けた曲がわずか2つ(”Mood”と”positions”)と、首位以外の枠もかなり入れ替わりが激しい月となりました。(先月このような曲は6つ)

 要因となったのは今年のチャートを左右し続けた販売戦略に加え、クリスマス曲が上位に多く入ってきたからです。以下のように、クリスマス曲の勢いはさらに強まっています。*1

 この2つの要因によって既存のヒット(主にラジオヒット)がトップ10から押し出され、週ごとの変動は大きくなりました。

 

クリスマス曲のトップ10入り数(12月)

2019:0→3→5→6

2020:0→2→3→4

 

 

2 Taylor Swift

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 今月クリスマス曲以外で最も際立つ成績を残したTaylor Swiftについて見ていきます。”folklore”の姉妹作にあたる”evermore”を急遽リリース。さすがのスターパワーを発揮し、大きな注目を集めて余裕のアルバム1位を獲得。(32.9万の売上)

 そして複数リミックスなどの戦略を駆使し、シングルでも”willow”が首位を獲得。勢い増す“All I Want for Christmas Is You”が強力なライバルとして存在していたので、このような戦略無しでは1位に立たなかった可能性があります。ただしこの曲には、次週悲劇が……(来月号で説明します)

 このアルバムで際立つ数字は2.2億という再生数です。これで彼女にとって2億再生超えの作品は3枚目。2億超えを複数枚で記録している女性アーティストは彼女が唯一でしたが、その記録をさらに伸ばすことに。

 

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  ファンベースの強さを表しているセールスに対し、ストリーミングはファンの広さを主に表していると思います。この2つを両立しているTaylor Swiftからは唯一無二のスターパワーを感じます。

 この作品はTaylor Swiftにとって初めてストリーミングの数字が全体の過半数を上回った作品に(総合売上32.9万のうち、ストリーミングは16.7万) 初週の時点ではまだCD等がリリースされておらず、DLに限定されていたことがセールスの数字が控えめだった理由です。そのストリーミングの強さによって全曲がHot 100入りを果たしています。

 彼女はこれでHot 100総エントリー数を128まで伸ばし、Nicki Minajを抜き返して女性で最多になりました。

 

 

3 BTS → Bad Bunny

 初週にBTS、そして2週目にBad Bunnyがアルバム1位を獲得。これにより(主に)非英語のアルバムが続けて1位を獲得することとなり、史上初の出来事となりました。2018年にBTSがUSでアルバム1位を獲得以降強まる、非英語圏の躍進を象徴する出来事です。

 BTSは5枚目のアルバム1位。総合売上は24.2万で、うち純セールスは17.7万。先行シングルの“Dynamite”こそ英語シングルですが、それ以外はほぼ韓国語で歌われています。

 その韓国語シングルの一つ、”Life Goes On”が1位を獲得。セールスの高さが飛び抜けていました。しかし他の数値に優れず、わずか3週でHot 100から外れることに。“TROLLZ”の記録を上回り、最短記録を更新してしまいました。クリスマス曲大量登場によってHot 100のボーダーラインが急浮上したことも多少は影響しているでしょうが、そうでなくても短いことには変わりないでしょう。

 ただしビデオを除くと、まだシングル単位でのプロモーションはそれほど行われていないため、今後リミックスやラジオでのシングルカットが行われ、滞在を伸ばすかもしれません。もしかすると、チャートにも熱心なファンたちが自発的に動いてセールスを特定の週に集めてHot 100入りを狙う、なんてことも考えられるかもしれません。

 

 Bad Bunnyは初のアルバム1位。前作もかなり優秀な数字(売上17.9万、11曲がHot 100入り)でしたが、Lil Babyという強力なライバルがいたため1位になれず。今作では前作よりもやや数字を落としたものの、強力なライバル不在によって見事アルバム1位に輝きました。彼は主にストリーミングで人気。アルバムから11曲がHot 100に入っています。

 

 

4 Megan Thee Stallion、Kid Cudi等アルバムチャート

 今月は興味深いアルバムリリースが多く見られました。まずはMegan Thee Stallion。昨年から徐々に頭角を現し、今年に入ってからは勢いが加速。“Savage”で初のHot 100首位(かつ初のトップ10)を獲得すると、続いてCardi Bとの”WAP”で2回目の1位も獲得!“Savage”以上の大ヒットになりました。

 そんな彼女の念願のデビュー作はBTSと被ったこともあり、アルバム2位に。ただ売上は10.5万とアルバム1位も射程範囲内の成績を記録。ストリーミング数1.16億と優秀で、Hot 100には7曲が登場しました。さらにその後は複数曲がTikTokで人気を得たこともあり、複数曲がHot 100に残留。来年以降も活躍に期待が持てそうです。

 もう一人似たような成績を残したのはKid Cudi。Taylor Swiftと同じ週のリリースだったため、アルバムチャートでは2位でしたが、14.4万と好成績を記録。10曲がHot 100入りを果たしました。クリスマス曲+Taylor Swiftと他にイレギュラーな曲がかなり多く存在した週のリリースでなければ、もっと多くの曲がHot 100入りしていたでしょう。

 彼は2009年のデビュー作が、今年のアルバム年間チャートに入った(186位、2010年以来の年間入り)ように、彼への支持は厚く、それが新作の数字にも表れたということでしょう。

 

 次に紹介するのはShawn Mendes。デビューから4作連続のアルバム1位を獲得したものの、売上は8.9万で上記のMegan Thee StallionやKid Cudiを下回っています。また、彼にとっても10万未満の売上は今回が初です。昨年は“Señorita”で初のHot 100首位を獲得し、さらなる飛躍への期待感がありましたが、あまり満足の行く成績は得られませんでした。

 

 そしてMiley Cyrus。6.0万の売上で2位。前作の4.5万/アルバム5位よりは成績を盛り返しています。比較的評判が良く、TikTokで密かに人気を得ている曲がちらほら見られるため、来年に収録曲等が注目を集める可能性もある程度考えられます。

 

 

5 短評

 

 今月は外れた曲が多いですが、クリスマス後に特例でHot 100に復活する可能性があります。(昨年からその特例がHot 100に為されました)

 

Harry Styles – Adore You

 12月の初週に外れる。滞在は50週と超ロングヒットでした。この効果で週間ピークは6位ながらも、年間チャートではなんと6位に。

 外れた時期が早く、あまりクリスマス曲とは関係なく外れているため、クリスマス後の復活とは関係無さそうにも思えますが、ポップ系ラジオは年末にその年のヒットのオンエアを再浮上させるため、この恩恵を受ける形でクリスマス後の復活も少し可能性があります。

 

・Pop Smoke – The Woo / Mood Swings

 Pop Smokeのアルバムの収録曲が、リリース後1度も外れることなく20週を迎え、リカレントに。“The Woo”は通常のラジオシングルでしたが、”Mood Swings”は非ラジオシングル。しかしTikTok等で人気を得たこともあり、ストリーミングのプレイリストでは常にシングルのような立ち位置に。結局チャート滞在を全て非シングルのまま過ごし、20週を迎えました。ラジオ抜きながら、年間チャートにも入っています。

 

・Juice WRLD – Come & GO / Wishing Well

 こちらもアルバムリリースから1回も外れず、20週を迎えてチャートから外れました。“Come & Go”は主にポップ系、”Wishing Well”は主にリズミック系と、系統を分けてシングルの同時カットという戦略を取っていました。ただいずれもストリーミングほどの人気は得られず、ちょうど20週でチャートを後にしました。

 

Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. – Franchise

 1位デビューを果たすも、結局は9週の滞在でチャートから外れてしまいました。ストリーミングはそれなりの数字を記録しましたが、彼の今年の他シングルほどでは無かったです。ラジオの数字は他シングルより良い滑り出しでしたが、長くは続かず。

 再び販売戦略による1位が尻すぼみに終了し、この制度で1位を取ることは「1位」のブランド性に値するのか?という疑問が再び突きつけられました。

 

・DJ Khaled feat. Drake – POPSTAR

 8/1に3位でデビューし、その後ラジオ&ビデオなどで再加勢し9/19にトップ10復帰。しかしそこからは勢いを落とし、最終的に滞在が19週と、リカレントまで届きませんでした。リリース後に強く、さらにラジオもガンガンかかるが最終的には尻すぼみ気味、というのはDJ Khaledの曲に見られがちな傾向。

 

・Saweetie – Tap In

 TikTok起点に注目され、ラジオヒットに。ピークが20位と、昨年の“My Type”の21位を1だけ上回りました。しかし滞在は19週とリカレントまで足りず。

 

・Morgan Wallen – Somebody’s Problem

 6位デビューとロケットスタートを切った”7 Summers”のように、彼の新シングルも好スタートを切っています。同時に3曲をリリースし、全てがHot 100入り。メインの“Somebody’s Problem”は25位スタート。前シングル同様、カントリー曲としては珍しくリリース直後からストリーミングで高い人気を誇ります。

 来月にリリースされるアルバムもかなり期待が持てます。リリース時期も良いことから、来年の年間アルバムチャートでかなり上位も見えそうです。

 

・Morgan Wallen – Cover Me Up

 彼はもう一つ驚きの動きが。この3曲のリリースに引っ張られる形で、元からストリーミングで人気を得ていた過去曲もHot 100入りを果たしました。Jason Isbellのカバー曲。久々に見られたストリーミングらしい動き、という印象を抱きました。

 

・The Kid LAROI – WITHOUT YOU

 先月のアルバムデラックス版リリース以降、調子を上げるオーストラリア出身のラッパー、The Kid LAROI。TikTok等の影響を受け、ストリーミングでは自発的なシングルカットが相次ぎ、複数曲が人気に。今月新しく“WITHOUT YOU”がHot 100入りを果たしています。

 彼は自身のアルバムからの曲以外にも、Juice WRLDとのコラボ“Reminds Me of You”もHot 100入り。この2人が共にHot 100入りするのはこれで3曲目。

 

 

今月のデータ

 

主に外れた曲(🗻トップ40以上 / ⏰10週以上)

 

12/5

41 Jason Aldean – Got What I Got (🗻16位 /⏰25週)

49 Harry Styles – Adore You (🗻6位 /⏰50週)

53 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch – The Woo (🗻11位 /⏰20週)

61 Pop Smoke feat. Lil Tjay – Mood Swings (🗻17位 /⏰20週)

82 Matt Stell – Everywhere But On (🗻48位 /⏰11週)

88 Conan Gray - Heather (🗻46位 /⏰14週)

89 Money Man feat. Lil Baby - 24 (🗻49位 /⏰14週)

91 21 Savage & Metro Boomin - Runnin (🗻9位 /⏰7週)

92 Sech, Daddy Yankee & J Balvin feat. ROSALÍA & Farruko - Relación (🗻64位 /⏰11週)

96 Saweetie – Tap In (🗻20位 /⏰19週)

98 YoungBoy Never Broke Again – Kacey Talk (🗻50位 /⏰14週)

 

12/12

38 HARDY feat. Lauren Alaina & Devin Dawson – One Beer (🗻33位 /⏰25週)

40 Lee Brice – One Of Them Girls (🗻17位 /⏰26週)

43 Parker McCollum – Pretty Heart (🗻36位 /⏰20週)

60 Juice WRLD & Marshmello – Come & Go (🗻2位 /⏰20週)

78 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. - Franchise (🗻1 /⏰9週)

80 Megan Thee Stallion – Girls In The Hood (🗻28位 /⏰18週)

91 Juice WRLD – Wishing Well (🗻5位 /⏰20週)

93 Jameson Rodgers – Some Girls (🗻29位 /⏰16週)

96 DJ Khaled feat. Drake – POPSTAR (🗻3位 /⏰19週)

 

12/19

31 Kane Brown, Swae Lee & Khalid – Like That (🗻19位 /⏰21週)

42 Lewis Capaldi – Before You Go (🗻9位 /⏰44)

43 Surf Mesa - ily (🗻23位 /⏰28週)

44 Moneybagg Yo – Said Sum (🗻17位 /⏰22週)

50 Harry Styles – Watermelon Sugar (🗻1 /⏰37週)

 

12/26

44 Jawsh 685 & Jason Derulo – Savage Love (🗻1 /⏰26週)

49 Morgan Wallen – More Than My Hometown (🗻15位 /⏰26週)

57 Blake Shelton feat. Gwen Stefani – Happy Anywhere (🗻36位 /⏰20週)

69 Morgan Wallen – 7 Summers (🗻6位 /⏰17週)

70 Shawn Mendes - Wonder (🗻18位 /⏰10週)

73 Miley Cyrus – Midnight Sky (🗻14位 /⏰17週)

82 SZA feat. Ty Dolla $ign – Hit Different (🗻29位 /⏰14週)

85 Ariana Grande - pov (🗻40位 /⏰6週)

86 Megan Thee Stallion feat. Young Thug – Don’t Stop (🗻30位 /⏰10週)

92 Morgan Wallen – Somebody’s Problem (🗻25位 /⏰3週)

93 BTS – Life Goes On (🗻1 /⏰3週)

94 Polo G – Martin & Gina (🗻61位 /⏰19週)

95 Conan Gray - Heather (🗻46位 /⏰15週)

 

 

アルバムチャートキリ番

 

12/5

1周年:Nat King Cole – The Christmas Song (30位)

150週目:Kid Cudi – Man On The Moon: The End Of Day (154位)

250週目:The Notorious B.I.G. – Greatest Hits (147位)

350週目:2Pac – Greatest Hits (127位)

400週目:Fleetwood Mac – Rumours (36位)

500週目:NirvanaNevermind (137位)

 

12/12

1周年:Roddy Ricch – Please Excuse Me For Being Antisocial (70位)

500週目:Creedence Clearwater Revival – Chronicle The 20 Greatest Hits (85位)

 

12/19

1周年:Justin Bieber – Under The Mistletoe

1周年:Harry Styles – Fine Line

450週目:The Beatles - 1

 

12/26

100週目:My Chemical Romance – The Black Parade (172位)

 

 

・各指標の1位推移

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・Rolling Stone Chartsのトップ10

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・各週の動向メモ

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2020年の毎月号のまとめ

 

 

*1:クリスマス曲のもっと深い考察は来月号でやると思います、多分

My Best Albums 2020

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 こんばんは!毎年恒例、ベストアルバムの記事です。まずは選考基準を紹介します。(Tracksの基準と似ていますが、新たに説明を追加した部分もあります)

 

・対象期間はおおまかに2020年。ただし12/25以降のアルバムは来年の選考に回します。

 

・同一アーティストがアルバムを年に複数した場合は、どれか1つに絞って選出しますが、その複数アルバムも評価の参考材料にはしています。

 

・主に「自分の好み」「その曲の影響力/意義」の2大要素で構成されています。比率はやや「自分の好み」に寄っています。「影響力/意義」の部分にはチャート観察で得た見識も存分に含まれています

 

サウンド重視で聞く習慣が強いため、歌詞よりもサウンドにかなり重点を置いています

 

・もちろん作品の質的な高さ、が選考の基準ですが、それだけで絞り切るのは難しいため、「仮に自分がメディアだとしたら、どのような“路線”を推すのか?」という視点を導入しています。わかりやすい話をすると、音楽の質的な高さでは30位前後だと感じたとしても、全体のバランスを考えて外されるような場合もあります。

 例えばNMEは、ジェネラルな視点を導入しつつも、結局ランキングからはNMEイズムのようなものを強く感じるので、イメージ的にはそのような感じです。余談ですが今年のロキノンの年間ベストはそのジェネラル/独自色の使い分けが巧みでした。

 ここで言う「私の路線」を言葉に変えると「アウトサイド/ネクスト・ポップ」みたいなイメージです。あとはもちろん、音楽チャートブログなのでそれも重要な要素の一つではあります。

 

・昨年は各種「グローバルランキング」で、上位ならばどの作品もなるべく平等に扱うべき、という考えが私の中であり、それがある程度ベスト選考にも反映されていました。

 しかしそれは「界」が異なり、全く交わりが無く、同じ音楽というフォーマットを取っていても相互の影響が全く皆無なケースもあるように最近では考えるようになりました。そのため、場合によってはいくらグローバルランキングでは上位と言っても、局地的な受容では、突然違う「界」の話をしだす、考えようによっては突然「議題を変えた」ようなことになってしまうため、昨年ほどディグをグローバルまでは広げず、ランキングの統一感を重視しました。(昨年と今年の考え方、どちらが正しいかの結論は出ないと思いますが、メディアやリスナーの考え方を観察し、今後も柔軟に考えていきたいです)

 

(ここら辺はソングにも当てはまることなのですが、選考している段階で書きたいと感じたので追加しました)

 

・既に完成した物を言葉に直すのは難しく、説明の長さはまちまちです。(上記の通り、サウンド重視で聞いているため、なんとなく「フィーリングが良い」みたいな場合もある)

 

以下ランキングです!Go!

 

40 Polo G – THE GOAT

 昨年のデビュー作で見せたクールなラップスタイルはそのままに、スケール感を拡大することに成功。豪華プロデューサー(Mike-WiLL Made ItとTay Keith)の激しいビートを気鋭のラッパーと共にラップする“Go Stupid”や、アルバムを締めくくる”Wishing For A Hero”などが印象的。複数曲がストリーミングで人気を得たこともあり、長い期間存在感を放っていました。

 

 

39 Ariana Grande – positions

 前作で商業的にも批評的にも頂点を迎えたため、その反動により今作への反応は微妙でした。たしかに商業的にも前作よりは数字を落とし、特別な意義も見出しづらいのは事実ですが、それでも彼女が従来から得意とする、R&B的なセンスを持つ美しいメロディーのポップスという魅力は健在。また前作よりも数字を落としたとはいえ、複数シングルがしっかりヒットしており、次第にこのアルバムの魅力も多く見いだされそうです。

 

 

38 Flo Milli – Ho, why is you here?

 Nicki Minaj、Megan Thee Stallionの初のHot 100首位に湧いた今年。女性ラッパーのスターが格段に増加していますが、その中でもフレッシュで印象的なデビューを飾ったのが彼女。プロダクションに面白さのある1枚です。また“In the Party”や”May I“と複数曲がTikTokでも人気を得ました。来年以降の飛躍に期待。

 

 

37 Rico Nasty – Nightmare Vacation

 Pitchforkによると、「今までの成功を全て突っ込んだような作品でゴチャゴチャしている:74点」だそう。たしかに、「通してのカラー」がややボヤケているような印象もありますが、それでも彼女の鋭いラップやバラエティ豊かなラインナップの魅力が上回るように思います。新境地の“iPhone”が主に注目されました。”Smack A Bitch”のリミックスでは次代の女性ラッパーを複数起用。(ppcocaine, Sukihana & Rubi Rose)

 

 

36 Arca – KiCk i

 「脱構築されたポップスとレゲトンが交差する」というコンセプトの作品。Björk、ROSALÍA、Sophieと豪華かつそれぞれカラーの強い客演を迎え、それらをまとめ上げた作品。ロボットと肉体が融合したようなアートワークも目を引きます。

 

 

35 Yaeji - What We Drew 우리가 그려왔던

 ハウス~ヒップホップのプロデューサー初のミックステープ。韓国系という出自もあり、韓国語/英語を織り交ぜて歌います。アルバムの途中には客演のYonYonによる日本語ヴァースも。多彩なサウンドプロダクションで、彼女の才能を感じる一枚です。登場以来、複数EP→今回のミックステープと来ましたが、今後来るであろうアルバムではどのような姿を見せてくれるでしょうか。

 

 

34 Joji – Nectar

 幅広いフィールドからゲストを迎えつつ、彼のスタイルであるオルタナティブR&Bの幅を広げたセカンドアルバム。“Gimme Love”、”Run”、”Sanctuary”とシングルが連続する中盤は聞き応えあり。Spotify等で高い人気を得る一方、伝統的なR&Bが人気なフィールド、例えばApple MusicやMainstream R&B/Hip-Hopラジオ(かつてアーバン系と呼ばれた)等での反応は極めて薄いですが、それだけ彼のやろうとしていることが挑戦的ということでしょうか。

 

 

33 Run the Jewels – RTJ4

 変わらずの質の高いハードなアルバムを完成させたRun the Jewels。今年はその怒りのようなエネルギーが時勢とマッチしていたこともあり、高く評価されました。Pitchfork曰く、「支配階級や警察を正すためのカムバック」

 

 

32 A.G. Cook – Apple

 少し前に出した約2時間半の”7G”と合わせて、ある意味「2連」のデビューアルバム。温かくアコースティックな“Oh Yeah”など新たな可能性も見せつつ、PC Musicの長が才能を証明する一歩目を踏み出します。

 

 

31 Yukika – Soul Lady

 日本出身のK-Popシンガー(歌唱は韓国語でされている)。元は「けいおん!」等にも出演歴のある声優だったらしいです。そんな複雑な経歴を持つ彼女のデビュー作はシティポップからの影響を感じる1枚で、夜のネオンを連想とさせる綺羅びやかな曲が並びます。海外の批評空間でもそれなりの注目を集めました(AOTYやRate Your Music等の)

 

 

30 Pop Smoke - Shoot for the Stars, Aim for the Moon

 アルバム自体もヒットした上、収録曲もそれぞれシングルとして大ヒットしたPop Smoke。TikTokでの人気が高かったこともあり、ストリーミング上ではかなりの曲が「疑似シングルカット」をされ、非常に愛されている作品だと感じました。SpotifyのRapCaviarでは、アルバムから計8曲がリスト入りを果たしました。*1

 客演の数が多いですが、その豪華なゲストにも押されず、声の魅力によりPop Smokeがアルバムの主役を張り続ける様もこのアルバムの魅力です。

 

 

29 BENEE – Hey u x

 彼女はシンガーと分類されますが、個人的にはラッパーのようなアプローチを感じる1枚。粘るようなボーカルを使いこなし、リズミカルにライム。幅広いフィールドからの客演、そして多様なプロダクションから遊び心を感じる作品です。オルタナティブなフィールドから、ラップの可能性を試しているような作品だと感じました。彼女は今年Jojiのアルバムにも参加しましたが、今後もこのようなクロスオーバーの客演にも期待。

 

 

28 The Avalanches – We Will Always Love You

 年末にリリースされた都合で、あまりメディアのリストには載りませんが、見逃せない作品と感じました。豪華客演と共に、彼らの温かみのある世界観を作り上げます。

 私は2017年のフジロックで彼らを見たのですが、その時に「ボーカルをどうするんだろう?」と思っていたら、ライブ用のシンガー(Eliza Wolfgrammという人)が登場し、力強い歌唱でライブを盛り上げました。その様子がこのアルバムでも再現されているような気がして、なんだか感慨深いです。

 

 

27 Phoebe Bridgers - Punisher

 メディアから高い評価を得たインディー/フォークシンガー。私はこのジャンルにそこまで明るいわけではないですが、そんな私でも楽しむことのできる作品でした。“I Know the End”と”Kyoto”と、複数曲がAOTYの「ベストソング集計リスト」のトップ10に入ったことから分かるように、今後インディーアンセムになりそうな曲も多いです。

 

 

26 The Weeknd – After Hours

 シングルヒットを飛ばし続けたブレイク以降期、そして不気味な雰囲気が強かった初期の合致点をうまく見つけたと好評な作品。ヒット&評価を両立し、今後の彼のキャリアに大きくプラスに働きそうな1枚に。特大ヒットとなった“Blinding Lights”はもちろんのこと、先行シングルで、アルバムの方向性を印象づけた長尺の“After Hours”もインパクトがありました。

 

 

25 Phoebe Ryan – How It Used To Feel

 キュートなボーカルを持つシンガーのデビュー作。台頭からデビュー作まで時間がかかっていたので、何よりもアルバムをリリースできたことが良かったです。個別記事に詳しく書きました:連載⑪ Phoebe Ryanとは? 【デビュー作の役割】|トコトコ (チャート)|note

 

 

24 Kali Uchis - Sin Miedo (del Amor y Otros Demonios) ∞

 今作ではスペイン語で歌唱。やはり言語が変わると響きも変わり、これまでとは違った味を出すことができます。ほかレゲトン的な要素も導入。従来からの魅力と新しい要素が混じり合う作品です。

 

※どの曲をソングの方に選ぼうかなと迷っていたら、ベストアルバムに選んだのに収録曲をベストトラックの方に曲を入れ忘れてしまいました……確認ミス失礼いたしました!“//aguardiente y limón %ᵕ‿‿ᵕ%” を51位相当という扱いにします(ベストトラックの記事にも記載しました)

 

 

23 Don Toliver – Heaven or Hell

 どうしても自身の師でもあるTravis Scottと比較されがちですが、彼のボーカルには独特の魅力があり、その味をうまく活かした曲が並びます。ヒットした“No Idea”や“After Party”のパーティーソングから、ゆったりとした”Cardigan”や”Euphoria”まで、一人のアーティストとしての高い可能性を示した1枚。年の後半には、客演ながらも彼が主役と言っても良い“Lemonade”がヒットを飛ばし、飛躍の時を迎えています。

 

 

22 Lady Gaga – Chromatica

 アコースティックな“Shallow”のヒットからは一転、ダンスポップへの回帰は私含め多くの人を喜ばせました。最大のヒットの”Rain On Me”はもちろんのこと、先行シングルの”Stupid Love”もなかなか好み。あまりヒットしなかったのは残念でしたけど。ほかElton Johnを迎えたSebastian Ingrossoプロデュースの“Shine From Above”も○。

 もう一つ面白いと感じたのは、アルバムでインタールード的な役目を果たす“Chromatica II”がTikTokで人気を得ていたこと。単体での運用が従来は考えづらいインタールードがこのような使用法をされたのはとても興味深いです。アルバムの細部へのこだわりが光り輝いた、ということでもあると思います。

 

 

21 Yves Tumor – Heaven To A Tortured Mind

 ネオサイケデリック・ミュージシャンの新作。ジリジリしたサウンドにどっぷりと浸ることができます。私のお気に入り曲、“Kerosene!”でボーカルを担当している女性シンガーは、Diana Gordon(別名義:Wynter Gordon)という方で、Beyoncéの”Lemonade”にプロデューサーとして参加した経歴の持ち主

 

 

20 Kylie Minogue - DISCO

 キャリアは約40年、そしてこのアルバムは15枚目と大ベテランと呼べる域に入るシンガーですが、今回も非常に高いダンスポップを提示し、我々を非常に楽しませてくれました。

 アルバムの名前の通り、ディスコ系のポップスが並ぶ作品。特別メディアに取り上げられそうな新奇性があるわけではないですが、とても楽しめるアルバムでした。彼女はUKでの人気が高く、2作連続8枚目のアルバム1位獲得。

 

 

19 070 Shake – Modus Vivendi

 2018年に続けてリリースされたKanye West関連作品で大きな存在感を放ったG.O.O.D Music所属のシンガー/ラッパー。そこで披露したボーカルやラップ、そして骨のあるサウンドプロダクションと融合。その中で“Guilty Conscience”が特に際立つ曲で、Dummyというサイトの「将来のカラオケクラシック」という評が好きです。

 

 

18 Mac Miller - Circles

 訃報後初のアルバム。ふやけるような彼のボーカル、そして淋しげなプロダクションが合わさって、味があり染み渡る世界観が広がる1枚。Eminem、Halseyと競合が激しい週のリリースながらも高いストリーミング人気を得て、10曲がHot 100入り。USアルバムチャートでは3位だったものの自己最高売上を記録しました。

 

 

17 Hayley Williams – Petals for Armor

 Paramoreのボーカリストによるソロデビュー作。バンドメンバーのTaylor Yorkプロデュースの元、広い方向性を試みつつも、彼女のボーカルの魅力は健在。“Sudden Desire”ではジリジリとしたプロダクションに、彼女の叫び声が響き渡ります。

 

 

16 Chloe x Halle – Unghodly Hour

 R&Bデュオ。プロダクションの幅を大きく広げ、スケールがグンとアップ。R&Bアンセム“Do It”はTikTokの恩恵も受け、ヒットに。リミックスでの女性ラッパー大集合(Doja Cat、City Girls、Mulatto)も素晴らしかったです。ほか、その”Do It”から続く4~6曲目(“Tipsy”と”Unghodly Hour”)、そして最終曲の“ROYL”あたりが印象的でした。

 

 

15 Ava Max – Heaven & Hell

 ダンスポップの新星として2018年末から登場。以降一貫してダンスポップへの挑戦を続け、2020年ついにアルバムリリース。瑞々しいダンスポップ曲が多く並び、私のようなダンスポップ愛好家にとってはまさに「夢の国」。あまりアーティストとしての注目度は高くないですが、彼女の行っていること、そしてそれを確実にヒットに結びつけていることはもう少し評価されても良いと考えています。

 

 

14 Dorian Electra – My Agenda

 メディアやAOTYのレビューを見ると、「掴みどころが無く混乱させる点が長所」のような記述が多く見られました。Hyperpopを超えた「カオス系ポップ」の領域。ですがうまくまとめられており、作品全体も不思議と高いです。

 Pussy Riot、Village Peopleと独自の客演で私が一際目を引いたのはRebecca Black。2011年にリリースした“Friday”がかつてJustin Bieberの”Baby”とYouTubeの最多低評価数争いをしていた彼女。彼女はJustin Bieberほどは有名ではないので、人に対するヘイトではなく、本当に曲が質的に批判されているのだと思います。

 逆にそういう評価から私は興味を持ち、以前からちょくちょく聞く曲だったのですが、感想は一貫して「今でも未来の曲に聞こえる」というものでした。「いつか評価されたら面白いなぁ」と思っていたところ、それが思ったよりも早く来てびっくりした、というわけです。

 Dorian Electraのレビューなのに、Rebecca Blackの話ばっかりしてすいません!

 

 

13 Megan Thee Stallion – Good News

 昨年以上にヒットを飛ばし、今年の顔となったMegan Thee Stallion念願のデビュー作。遊び心あるビートが並び、“Body”、”Cry Baby”とラジオシングルでは無いながらも、TikTokで人気を得てストリーミングでシングルのような地位を確保する曲も。それだけ魅力的な曲が多いということでしょう。

 競合が強く(BTS)、アルバム1位は獲得出来ませんでしたが7曲がHot 100入りなどストリーミングで人気。ヒットの面でも結果を残し、スターであることを受容/質の両面から証明した1枚であると言えます。

 初の首位となった“Savage”はもちろんのこと、個人的には”Don’t Stop”がお気に入り。バキバキしたプロダクションが際立つシングルです。(アルバムの配置的に、ボートラ的な扱いかもしれませんが)

 

 

12 Fiona Apple - Fetch the Bolt Cutters

 久々のアルバムリリースで健在ぶりを示し、今年最も高い評価を得た作品。自らの飼い犬がクレジットされるなど、プロダクションの多芸さという「アートポップ的要素」以外にも、迫力のようなものもこのアルバムの魅力の一つだと思います。

 

 

11 Perfume Genius – Set My Heart on Fire immediately

 終始美しい作品。アルバムを通した時の「読後感」ならぬ「聴後感」という観点では今年屈指の存在です。正直申すと、私はこのアルバムをうまく説明する語彙を持ち合わせていないのですが、そのような人間でも上位に入れたくなるような魅力がある作品ということです!

 

 

10 HAIM - Women in Music Pt. III

 とにかくアベレージが高いと感じた作品。Best Tracksのほうで書いたように、いくつものベスト収録曲候補がありました。そこで選んだ“Up From A Dream”のほか、“3AM”や”Another Try”あたりも良かったです。統一感/完成度が高い中にも、幅広さのようなものも見られた作品だったと思います。

 

 

9 Taylor Swift – folklore / evermore

 The NationalのAaron DessnerやBon Iverを制作に迎え、インディー調でアルバム志向路線に振り切ったことが大きな話題を読んだTaylor Swift。そんな新境地でも彼女のソングライトの才能は輝き、質の高い作品に。売上でも優秀な数字を残し、再生数(週間)はUS2億超え。複数アルバムで2億を超えた唯一の女性アーティストです。

 年末には姉妹アルバムの”evermore”もリリース。このアルバムも負けず劣らず良い作品でした。むしろ私含めてこちらの方が好きな人も多いかも。この作品の存在により、私のベストアルバム企画では順位を上げました (ちなみにこちらも2億再生超えを果たしています)

 

 

8 21 Savage & Metro Boomin - Savage Mode 2

 4年ぶりのシリーズ2作目。2人の相性の良さは健在で、従来からのダークなプロダクションを存分に味わえます。さらにそれだけではなく、シングルとして存在感を放つ“Mr. Right Now”、スクラッチする”Steppin on Ni**as”、そして最後の甘美な”Said N Done”など、異なるムードの曲を差し込むことで、緩急をつけて、全体の完成度を大きく高めている点が素晴らしいです。

 

 

7 Tame Impala – The Slow Rush

 前作と比べるとギターの割合が減り、サイケ度が増したとの評。悪くはない評価を得ていますが、前作ほどの評判は得られず。私はその路線の象徴である“Posthumous Forgiveness”がたいへんお気に入り(昨年のベストトラックで7位に選出)だったため、この作品も非常に好みでした。

 もちろん前作“Currents”の壁は高いですが、この作品の魅力も多いように思います。際立つ”Posthumous~“のほか、アルバム先頭トラックの役目を高水準で果たす”One More Year”がお気に入り。

 

 

6 Lil Uzi Vert – Eternal Atake

 前作から3年ぶり。ファンが渇望した作品がついにリリース。1週目にリリースされた“Eternal Atake”は、ゲストは最小限に抑えられ、彼のボーカルや世界観の魅力を全面的に押し出された作品になっています。そんな彼の世界観にリスナーは熱狂し、歴代で5番目に高い、4億再生をリリース週に記録しました。

 個人的にこの作品をインディー系シンガーのようなものと捉えています。まず、最小限のゲストとボーカルや世界観を重視した作風という質的な要素。そしてシングルヒット(主にラジオでの)が少なく、彼が「アーティスト」という単位で突出した存在であるということ。Hot 100エントリーも大量にあるので、意外と感じるかもしれませんが、彼はシングルヒットが近年はとても少ないです。その理由はラジオでほとんどかからない点にあるのです。

 このようにラッパーで、シングルヒット無くともアーティストでの存在感は突出するインディーアーティストのような売れ方をするのは非常に面白いと感じました。

 あと触れられない気がしますが、ラッププロジェクトと思わしき2枚目もなかなかお気に入りです。

 

 

5 Bad Bunny – YHLQMDLG

 スペイン語作品ながらも、Spotifyで今年最も再生されたアルバムに輝きました……この事実がこの作品の際立つ功績であるように思います。おそらく今後も続くであろう英語曲/非英語曲の枠組み破壊という歴史を語る上でベンチマークとなりそうな作品です。USでも2億再生超え/11曲がHot 100入りするなど大きくヒット。USでも大きな存在感を示していることは、メディアにも高く評価される要因の一つだと推測しています。(「グローバル」のランキングでヒットしていても、人気が特定のエリアに集中しているとメディアにそんな取り上げられないので、「真にグローバル」になるにはUS人気が必要という仮説)

 ゲスト少なめで統一感が重視された前作からは一転、今作は各シングルが際立つパーティー作品に。“Safaera”を筆頭に、彼がミニスカートやブーツを履くビデオが印象的だった”Yo Perreo Sola”、このジャンルを常に牽引してきたDaddy Yankeeとのコラボとなった“La Santa”など、単体でのパワーは前作より力強いです。このシングルのパワーがヒットを大きく牽引したのは確かでしょう。

 分量的にやや長い気もしますが、終盤の“Hablamos Mañana”~”<3”の締めくくり方は見事で、「聴後感」をとても良くします。

 彼はこの作品以外にも、アルバムから漏れた曲を集めた“LAS QUE NO IBAN A SALIR”、そして年末に“EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO”と別のアルバムもリリース。こちらも人気を集めました。“EL ÚLTIMO~”は”X 100PRE”期イズムも感じられる作品。

 

 

4 Rina Sawayama - SAWAYAMA

 新潟出身、イギリス育ちのシンガー。2017年にリリースしたEP、“RINA”で高い評価を得ると徐々に注目度が向上。念願のデビュー作となった今作では、その高い期待度を上回る出来を披露し、各メディアで絶賛。スターとなりました。

 ニューメタルやR&B的な要素を取り入れた、ハイブリッドなポップス作品。怒りを表現した先行シングルの“STFU!”や”XS”がニューメタル的、“Bad Friend”や”Akasaka Sad”がR&B的。Pitchfork曰く、ここでのニューメタルに当たる部分はEvanescence等で、R&B的なポップがBritney Spears等のため、Y2Kフラッシュバックだそう。

 このようなユニークな所からインスピレーションを得て完成したアルバムは、自身の素質を伝えるというデビュー作の役割を高次元で果たしています。

 

 

3 Dua Lipa – Future Nostalgia

 ディスコ的なテーマを元に、色鮮やかで個性あふれ曲が並び、それでいて統一感もバッチリ。売上と質の高さを高次元で両立したこともあり、早くも2020年代を代表するアルバムになった気がします。

 シングルがカットされれば、どれも逃さず人気に。正直シングルだった“Braky My Heart”が弱く感じるくらい(?)には、シングル候補の層がとても厚いアルバムです。(”I Wanna Stay At Home”の部分が時勢にめちゃくちゃ合っていたので、シングル選定自体は必然な気がしますが)

 このアルバムはフォローアップも面白かったです。Missy ElliottMadonna等のシンガー、ハウス系プロデューサーを多く呼び寄せたClub Future Nostalgiaでは曲間をつなぐミックス仕様で、クラブの空気感を再現。

 ほかフランスのシンガーAngèleとコラボした“Fever”もリリース。自らの境界を広げる意欲的なコラボレーションを多く実行しました。

 

 

2 Charli XCX – how i’m feeling now

 私は密かに、アルバムには点数を付けていて、今年の1位とも前作(昨年1位)とも同じ点数です。ほぼ同率1位みたいなものです。

 感染症に苛まれる状況を鑑みて急遽リリースが決まった今作は、ファンとのミーティング(私が普段見ているStan Twitterみたいな人が会議に参加していた)も経由して完成。「この状況下にアーティストが出来ること」への一つのアイデアとして、素晴らしいものを提示したと思います

 このように短期間で作られたものの、アルバム自体は安心と信頼の高品質。昨年のスタジオアルバムよりも「鋭さ」や「パワー」のような物は増していています。最初の曲からいきなり飛ばし、そして後ろ2曲で激しく終わるという配置もナイスです。

 最近のアルバムは、デラックス版等その後にフォローアップをリリースすることが多いですが、この作品では自身のDJイベントを音源化した物をリリース。これが素晴らしかったです。(Apple Music限定みたいですが)

 

 

1 Poppy – I Disagree

 前作で垣間見せたメタルポップを、メインテーマに据えたのが今回の作品。統一感/聴後感のようなものが特に優れており、アルバム全体のパワーは個人的には今年屈指、いや歴代有数でした。メタルというパワーのある音楽を軸に、曲単位でも強/弱を使い分けることで、通しで聞いた時の強度と聞きやすさを両立。そして終盤にかけて次第にムードある曲へとシフトしていくことで、理想的なアルバムの締め方をしています。前半では“Concrete”と“BLOODMONEY”、後半では”Sick of the Sun”が印象的。

 また、このアルバムを通しての完成度こそが、おそらく誰もが比較対象として持ち出すBabymetalとの大きな違いだと考えています。彼女らはライブアクト(?)ということが関係しているのか、アルバムではシンガロングを目指すような曲が多く並んでいます。(「META!メタ太郎」が個人的に好みでした)ただ、そのような結果なのか曲ごとにプツプツ切れるような印象があり、アルバムを通すには向いていないと感じるのです。

 メタル+ポップという組み合わせ自体はBabymetalが確立したものかもしれませんが、メタル+ポップを「アルバム」に落とし込んだという点でPoppy、そしてこの作品から特筆すべき点を感じたのです。

 

 Poppyは今年アルバム外でも精力的に活動。自身のメタルポップスタイルを用い、“All the Things She Said”や”Pokemon Theme”をカバー。そのチョイスに私は大喜び。さらに、このアルバムとは違うスタイルのノイズアルバムもリリース。アーティストとして様々なことに挑戦しています。この革命的なポップシンガーに、もう少しスポットライトが当たればなぁ、と私は考えました。

 

 

今年の選出アルバムをまとめた画像

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ベストトラック編!

 

 

*1:Make It Rain, The Woo, For The Night, Creature, Aim For The Moon, Got It On Me, Mood Swings, Hello。これ以外にも“What You Know Bout Love”がポップ系のToday’s Top Hitsに入っています

My Best Tracks 2020

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 こんばんは。毎年恒例、私のベストトラックを発表します。ランキングの前に、選考基準を紹介します。

 

・なるべく2020年の曲を選びますが、厳密には定めず、昨年の曲を選んでいる場合もあります。12/25以降のリリースは対象外です

 

・主に「自分の好み」「その曲の影響力/意義」の2大要素で構成されています。比率はやや「自分の好み」に寄っています。「影響力/意義」の部分にはチャート観察で得た見識も存分に含まれています。

 

サウンド重視で聞く習慣が強いため、歌詞よりもサウンドにかなり重点を置いています

 

・おそらくこのような企画の中で、最もTikTokヒットに肯定的/寛容(?)な気がします

 

・あまり上手く説明できないけれど、リストには入れたいみたいな場合も多いので、コメントは基本的に手短です。なんというか、既に完成しているものを敢えて言葉に直すって難しい作業ですね。ただし長く説明したい曲もあるので、その場合は表外に補足を付けています。(黄色背景の曲)

 

・説明等に参照した、メディアのベストソングリストのまとめ:https://www.albumoftheyear.org/songs/best/2020/

 

・プレイリストは最後に載せています

 

 

・100位~51位

アーティスト ひとことコメント
100 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love 鮮やかなプロモーション (補足)
99 Jack Gilinsky feat. Don Toliver My Love Justin Bieberがやりたかった?ことを本家よりも巧みに体現したと個人的に感じた曲
98 The Neighbourhood Lost in Translation 今年過去シングルが再注目*1。そんな彼らの最新作より
97 LiSA cancellation グローバル8位!? (補足)
96 AJ Tracey Hikikomori 興味深いテーマ。彼のEPには”Yumeko"という曲も
95 The Killers feat. k.d. lang Lightning Fields 魅力的なボーカルが響く
94 Unghetto Mathieu Plastic いわば"Barbie Girl"版の”That Way"
93 Kero Kero Bonito It's Bugsnax! Kero Kero Bonitoのサウンドが存分に味わえる、ゲーム向けの曲
92 Grimes My Name is Dark 今作はダークなムードが漂うカナダの鬼才
91 MORGENSHTERN ICE TikTokを通してロシアの覇権ラッパーがUSに。独自のマンブル&ハードなサウンドが特徴
90 Romy Lifetime The xxメンバーの、ソロデビュー曲
89 Octavian & Skepta Papi Chulo ”Old Town Road"のプロデューサー、Young Kioを迎えた耳馴染みの良い曲
88 Awich feat. NENE Poison Consequence of Soundが"Shook Shook"をBest Songリストに選んだ沖縄のラッパーAwich。個人的にはこっちの曲の方が印象的でした
87 Gorillaz feat. Beck The Valley of The Pagns 信頼のGorillazBeck
86 TWICE UP NO MORE 新機軸のダンスポップを提示したTWICEの新作で光る1曲
85 Juice WRLD Righteous 最初は地味だと考えていましたが、次第に染み渡った訃報後初のシングル
84 Lil Baby & 42 Dugg We Paid 新星42 Duggと共に、個性を出し合うヒット
83 Taylor Swift gold rush "folklore"の姉妹アルバム、"evermore"より
82 SZA feat. Ty Dolla $ign Hit Different R&B界を牽引する2人のタッグ
81 JUJU & Loredana feat. Miksu / Macloud Kein Wort 今年の前半に、女性ラッパー同士のタッグでドイツ1位を獲得
80 Calry Rae Jepsen Now I Don't Hate California After All 彼女の作る曲の層の厚さを感じる、”Side B"より
79 XIX Kismet メインストリームとは一味違う、Alt TikTokという界隈が発掘した曲
78 Bad Bunny HOY COBRÉ X100 PRE期っぽさも感じる今年2枚目のアルバムより
77 Chris Stapleton Cold 他のカントリー歌手とは大きく異る空気を放つ彼
76 Jessie Ware Soul Control これも今年高く評価されたディスコアルバムの一つ
75 Kehlani feat. James Blake Grieving R&B色が強い今作において、独自の声を他のフィールドから導入
74 Oneohtrix Point Never Long Road Home 荘厳なエレクトロニックとして高い評価を得る
73 The Used To Feel Something ポップパンクバンドの最新作より。絶叫のボーカルが輝くアルバムラスト曲
72 jxdn Angels & Demons TikTokerの曲…… (補足)
71 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 批評メディアで圧倒的な支持…… (補足)
70 Allie X June Gloom インディーポップシンガーの2枚目より
69 青葉市子 Porcelain 年末リリースでリストにはあまり入りませんでしたが、海外からの評価がかなり高いフォークシンガー
68 Rina Sawayama Who's Gonna Save U Now? 氏のアルバムからのお気に入り③
67 K/DA & Maddison Beer feat. Kim Petras VILLAIN 今年の曲の中でKim Petrasのボーカルが最も光る曲。このEPのコンセプトも面白いですね
66 Charli XCX party 4 u 私も行った2017年の日本のイベントで初公開された曲らしい。長い時間をかけて正式リリース
65 Troye Sivan Take Yourself Home 物憂げな雰囲気からの後半の歪な展開へのチェンジアップが印象に残る曲
64 Tkay Maidza You Sad ミックステープでは様々な色を見せた、4ADのラッパー
63 ppcocaine Ddlg TikTokで台頭。クィアラップの新星とも称されるタレント
62 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. FRANCHISE 1位曲の割に影が薄いですが、私はM.I.A.が再び活躍をする所を見られて嬉しいです
61 Dua Lipa Love Again 氏のアルバムからのお気に入り③ もう一つは昨年選んだ”Don't Start Now"
60 Run the Jewels feat. Greg Nice & DJ Premier ooh la la 鋭さに磨きがかかる、ラップデュオ
59 Bad Bunny, Duki & Pablo Chill-E Hablamos Mañana アルバム全体の印象を大きく変える、終盤のパンキッシュな1曲
58 Megan Thee Stallion feat. Young Thug Don't Stop アルバム内の配置からしてボートラ的存在かもしれませんが、Hyperpopとも言えるプロダクションが印象的な曲
57 Lil Uzi Vert & 21 Savage Yessirskiii 2枚組の、ラッププロジェクトと思しき方の作品より
56 Flo Milli Pussycat Doll 気鋭の女性ラッパーの作品より
55 Rico Nasty IPHONE ラップとプロダクション、2つの鋭さの融合
54 Arca feat. ROSALÍA KLK レゲトンの新しい姿を目指す
53 Powfu feat. beabadoobee death bed Pitchforkの予言… (補足)
52 A.G. Cook Oh Yeah PC Musicの長の(2連の)デビュー作より。温かいサウンド
51 CJ Whoopty ボリウッドをサンプリングのドリル曲。現在チャートで躍進中、来年さらにヒットにも期待

 

追記:私の確認ミスにより、Kali Uchisの楽曲を入れようとしていたものの、入れ忘れてしまいました。“//aguardiente y limón %ᵕ‿‿ᵕ%”を51位相当だと思っておいてください……!(プレイリストには入れました)

 

 

~補足~

 

100 Jawsh 685 & Jason Derulo – Savage Love

 曲の質的には正直物足りなさも感じるのですが、そのプロモーションの見事さから、紹介すべき曲と考えました。Jason Derulo有名アーティストの中でも熱心にTikTokに取り組み、そこで人気を獲得。そしてTikTokでヒットしていたインスト曲にボーカルを乗せた曲をリリースすると大ヒットに。US、UK、ドイツと主要国で1位を獲得。

 キャリアのあるシンガーが若者の新しい文化に熱心に取り組み、それが最終的に自身の本職にもプラスをもたらすという素晴らしい結末に。

 後にBTSとのリミックスでHot 100首位も獲得。最初から最後までプロモーション戦略の巧みさが際立ちました。

 

97 LiSA – cancellation

 新設されたBillboard Global 200では8位を獲得したLiSA。ヒットの分布を見ると、東アジアに偏っており、「グローバル8位」の字面のイメージとは少し異なるとは思うのですが、それでも彼女には海外ヒットを期待させるような可能性はあると考えています。

 アニメという世界中で愛されるフォーマットに加え、力強いポップパンク系の音楽スタイルという2つの個性は海外圏にも馴染みやすいと考えています。個人的に「ポップパンク」という部分に評価の重点を置いているため、ポップパンク成分が薄いと感じたグローバル8位の「炎」より、彼女のアルバムに収録されていたこの曲を選びました。

 

72 jxdn – Angels & Demons

 有名TikTokerのロックエナジー溢れるデビュー曲。彼はBlink-182のTravis Barkerのレーベルに所属し、この楽曲にも彼がクレジットされています。

 VineのShawn Mendesなど、ネットのプラットフォームの有名人が歌手デビューするのは別に珍しいことでは無いのですが、TikTokではそのサイクルの1周目から彼のようなタイプが存在するのは大変興味深いです。

 

71 Cardi B feat. Megan Thee Stallion – WAP

 その「女性による下ネタエンパワメント」には意義があり、大きくヒットしていたことから、今年を象徴する曲の一つという点に関しては疑問の余地が無いです。ただし、ここまで批評メディアの評価が高いのはかなり不思議でした。PitchforkRolling StoneNMEと大手メディアが軒並み今年のベストソング1位に認定しています。

 上記のような点では意義はありますが、両者にとっても初のHot 100首位ではないし、「女性ラッパー同士の首位曲」もビルボード曰く、“Say So”の方らしいです。また初期からストリップ出身という出自を誇っていたCardi Bがこのような系統の曲をリリースするのは驚きではないお感じるので、各メディアで「軒並み」「独走」になるのはやはり不思議です。

 そして曲の内容的にもMegan Thee Stallionのラップの上手さ以外は、さほど特筆すべき物を個人的に感じなかったので、このくらいの順位にしました。

 あとすごく個人的な感想になるのですが、このタイプのヒットはすぐにメディア等に承認されるよりも、民衆の間で長く支持をされ続け、数年後にようやく認められるみたいな流れの方が似合う気はします。

 

53 Powfu feat. beabadoobee – death bed

 Pitchforkは「2020年代に起こること」という記事において、Lo-Fi Hip-HopがUSでナンバーワンのジャンルになると予言。仮にそれが実現するとなれば、間違いなくジャンルのベンチマークとして語られ続けるであろう1曲。(実現するかは分かりませんが)

 

 

50位~1位

アーティスト ひとことコメント
50 BTS UGH! Hot 100初の首位など今年も大活躍した彼らのリリースの中で、格が違うと感じた曲
49 Phoebe Ryan A Thousand Ways キュートな歌声を持つシンガーのデビュー作より
48 Yaeji feat. Nappy Nina MONEY CAN'T BUY ハウス~ヒップホップのプロデューサー、初のミックステープから
47 Ariana Grande 34+35 彼女のボーカルが映える、R&B的センスもある美メロディーなポップス
46 YUKIKA Soul Lady シティポップを導入した、日本出身K-Popシンガーの光り輝く1曲
45 Don Toliver feat. Travis Scott & Kaash Paige Euphoria 彼のボーカルの「味」を活用し、引き込まれる雰囲気を持つ曲
44 Ashnikko Daisy 力強さを見せる1曲。ロック的要素も感じるラップ曲
43 BENEE feat. Grimes Sheesh アルバムでは様々な方向性を試みたBENEE
42 春ねむり Pink Unicorn ポエトリー&パンクなサウンドで、エネルギーの強さを感じる彼女
41 100 gecs feat. Fall Out Boy, Craig Owens & Nicole Dollanganger hand crushed by mallet (Remix) 激しさという観点では今年屈指の存在。Fall Out Boyを迎え、パンクに曲を進化させる
40 Rina Sawayama Bad Friend R&B的エッセンスも見せたデビュー作
39 Charli XCX visions アウトロで魅せる1曲
38 Miley Cyrus feat. Stevie Nicks Midnight Sky (Edge of Midnight) Andrew WattとFleetwood… (補足)
37 LIL NAS X HOLIDAY キャッチーな曲。曲単位というよりは、LIL NAS Xという存在への期待感からチョイス
36 Phoebe Bridgers I Know the End 今年屈指のインディーアンセム
35 The Chicks Gaslighter 10年以上のブランクを経ての復活を力強く印象づける1曲
34 The Avalanches feat. MGMT & Johnny Marr The Divine Chord The Avlanchesの温かみあるサウンドを、豪華客演と共に
33 Hayley Williams Sudden Desire アルバムでは様々な取り組みを見せる中で、光り輝く彼女のボーカル
32 Kylie Minogue Say Something 変わらず素晴らしいダンスポップを生み出す、名シンガー
31 Shygirl FREAK 破壊力のあるサウンドを見せつけたUKのプロデューサー
30 Yves Tumor Kerosene! サイケデリック・ロックバンドの新作より
29 Bad Bunny Yo Perreo Sola この曲のビデオの彼の姿を見て、彼に魅了された人も多いと思います
28 HAIM Up From A Dream HAIMの新作より。どの収録曲も粒ぞろいで、曲を一つに選ぶ作業で迷いました
27 Christine and the Queens People, I've been sad 今年の時勢/感情がうまく表現されているとの評
26 Joji Gimme Love ポップ→甘美なバラードへのスイッチが魅力的
25 The Weeknd After Hours アルバムの方向性を知らしめた長尺の先行曲
24 Tame Impala One More Year アルバムの世界観へと誘う、完璧な1曲目
23 Lil Uzi Vert That Way 名曲を現代に蘇らせる
22 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch The Woo 今年大活躍のPop Smoke… (補足)
21 21 Savage & Metro Boomin Runnin 4年ぶりのシリーズ2作目より。2人の相性の良さは色褪せず
20 070 Shake Guilty Conscience シンガーのデビュー作で、ひときわ大きな輝きを放つ1曲
19 Mac Miller Blue World アルバムの深淵へと誘う少し不思議な世界観。Disclosureがプロデュース
18 Chloe x Halle Do It 今年屈指のR&Bアンセム。女性ラッパー大集合のリミックスもナイス
17 Fiona Apple Newspaper アルバムで一番迫力を感じた曲
16 Dorian Electra feat. Rebecca Black Edgelord Rebecca Blackという意義深いゲストを担ぎ出す
15 Polo G, Stunna 4 Vegas & NLE Choppa feat. Mike-WiLL Made It Go Stupid 2人の豪華プロデューサー(Mike-WiLLとTay Keith)の元、3人の気鋭ラッパーが大きく躍動
14 Lady Gaga & Ariana Grande Rain On Me 今年の暗い状況を打破するために、光り輝く「明るいヒット曲」
13 Doja Cat feat. Nicki Minaj Say So "Savage"と共にHot 100首位を争い、今年の女性ラッパー大活躍を印象づける
12 Perfume Genius Jason 美しさという点で傑出した存在
11 Taylor Swift feat. Bon Iver exile 彼女の今年の方向性を象徴する曲
10 Ava Max Kings & Queens ここ3年のダンスポップの星 (補足)
9 Lil Uzi Vert You Better Move 昔のウィンドウズのピンボール… (補足)
8 Rina Sawayama Akasaka Sad アルバムの中で最も印象的な曲。日本語の組み込み方が非常に巧み*2
7 Dua Lipa Physical USでは非シングル設定も、その存在感・影響力は格別
6 Poppy BLOODMONEY 破壊力は随一。*3
5 Charli XCX claws 先鋭さ、ポップさが高次元で融合
4 Troye Sivan Easy 個人的今年屈指のアンセム系。Kacey MusgravesとMark Ronsonを迎えたリミックスも◎
3 Bad Bunny, Jowell & Randy & Ñengo Flow Safaera 声に特徴のある客演を従え、絶え間ない最高のパーティーレゲトン曲を完成させた
2 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé Savage 今年のヒット曲で最も際立つ… (補足)
1 100 gecs feat. Charli XCX, Rico Nasty & Kero Kero Bonito ringtone それぞれのボーカリストが個性を発揮し、最高のポップソングが完成

 

~補足~

 

38位 Miley Cyrus feat. Stevie Nicks – Midnight Sky (Edge of Midnight)

 評価も高かった1曲。純粋に曲としても良いと思いますし、何より今年再注目されたFleetwood Macのボーカル、Stevie Nicksをリミックスで呼び寄せた点も個人的にはポイントが高いです。

 その彼女らの“Dreams”なんですが、Rolling Stoneが今年の曲では無いにも関わらず、今年のベストリストに入れていたのが面白かったです。

 ちなみに、彼女は長いことAndrew Wyattと組んで曲をリリースしてきましたが、この曲ではAndrew Wattとタッグ。Wattは現行シーンでヒットを「量産」していますが、ここまで批評家に評価されるのは少し珍しいような気がします。

 

22 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch

 アルバムは大ヒットし、複数シングルが人気を得て自らの才能を証明したPop Smoke。その収録曲の中でも、彼のボーカルが輝いていると感じたのでこの曲をチョイスしました。

 私はその活躍ぶりから、Pop Smokeはアルバム/シングル共に批評家のリストに多く掲載されるかと考えていましたが、さほど取り上げられず。特にこの曲は同じく今年大活躍のRoddy Ricchもいるので、「昨年はRoddy Ricchを取り上げなくてゴメン!」というニュアンスも同時に出せるので、批評メディアの間で需要があるかな?とも考えていたのですが、それをしたい場合は普通に昨年末の”The Box”を選ぶようですね。(Pitchforkは両方選んでいます) 

 “The Box”はかなり年末のリリースだったので、今年のリストに入るのもまあ納得ではあるのですが、今年のリストではこれ以外に、昨年11月リリースの“Blinding Lights”がかなり多くのリストに取り上げられました。他に昨年10月リリースの”Don’t Start Now“も。

 私は「去年の先行で外したのに!後出し厳禁!」ということが言いたいのでは全くなく、それだけ現行の批評メディアが曲の受容、つまりはヒットチャート的要素を重視していることが伺えるな、という発見を伝えたかったのです。

 

10 Ava Max – Kings & Queens

 現代では珍しさも感じる、ダンスポップを極め続けるAva Max。その彼女が見せたロック成分を含有した新境地。地道に勢力を拡大していき、USのラジオでは“Sweet but Psycho”以上のヒットに。あまり注目されませんが、ポップスに新鮮さをもたらしつつ、ヒットも安定して飛ばし続ける彼女の活躍に私は大きな拍手を贈りたいです。

 

9 Lil Uzi Vert – You Better Move

 私は彼と同じ1994年生まれ、ということもあってなのか、この曲でサンプリングされたウィンドウズのピンボール効果音はノスタルジーのツボにドンピシャでした。客演が少なく、彼の世界観/ボーカルを全面に押し出した“Eternal Atake”のハイライトだと感じました。

 ちなみに歌詞には遊戯王も登場しますが、残念ながら私は遊戯王をやったことは無いです。周りの人はけっこうやっていたので、「世代」ではあるのですが。

 

2 Megan Thee Stallion feat. Beyoncé – Savage

 各メディアのベストリストが出るまでは、この曲が“WAP”的な立場になると思っていました。この曲もかなり評価は高いですが。

 この曲はMegan Thee Stallionにとって初の首位(かつ初のトップ10)。さらに今年メインストリームで最も盛り上がった感じた瞬間は“Savage”対”Say So”のHot 100首位争いと思っているので、そこに参加した“Savage”はやはり意義があるかなと感じました。両者のラップの巧みさも際立ちます。

 

 

プレイリスト

Spotifyは無料会員がプレイリストを作ると、違う曲をリストに勝手に入れるようになったので、今回は無しで😅

 

 

 

ベストアルバム編

 

*1:"The Sweater Weather"は今年過去最大のOn-Demand Streamsを記録

*2:余談なんですが、非日本語圏のリスナーの中には、”Alaska Sad"と思っている人もいるらしいです

*3:2019年11月のリリースですが、アルバムまでこの曲を聞かないようにしていたので、今年の選考に入れています