チャート・マニア・ラボ

音楽チャート・ポップス研究者(自称) ポップス音楽と食べることが好きなオタク

イギリス 年間チャート / Year-End を6のポイントで見る

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 こんばんは。年明けに発表されたUKの年間チャートを6のポイントで振り返っていきます。この記事では便宜上、今年=2020年として表記しています。

 

 (↓:シングル/アルバムの年間チャートへのリンク)

End of Year Singles Chart Top 100 - 2020 | Official Charts Company

End of Year Album Chart Top 100 - 2020 | Official Charts Company

 

 

 USチャートとUKチャートの違いは主に以下のような点です。これを考慮しながら年間チャートを見ると、より深い観察ができるかと思います。

 

・集計期間が違う。USは11月半ばで年度切り替え、UKは1月―12月サイクル

・USと同様に古い曲を制限するルールがUKにもあるが、仮に圏外でも集計されるため、週間チャートと年間チャートが一致しない部分も多い

・ラジオが無い

・US比でカントリー/ラテンが弱く、ダンス/ポップが強め

 

目次:

 

 

1 年間チャート上位:UKでも輝く“Blinding Lights” + Lewis Capaldiダブル

 

まずは年間チャートで最も際立つ部分、シングルのトップ10を見ていきましょう。

 

1 The Weeknd – Blinding Lights

2 Tones And I – Dance Monkey (昨年:8位)

3 SAINt JHN – Roses

4 Lewis Capaldi – Before You Go

5 Joel Corry & MNEK – Head & Heart

6 Dua Lipa – Don’t Start Now

7 DaBaby feat. Roddy Ricch – ROCKSTAR

8 Lewis Capaldi – Someone You Loved (昨年:1位)

9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy – Own It

10 Harry Styles – Watermelon Sugar

 

 首位はUSと同じく“Blinding Lights”。US、UKだけではなくオーストラリアやドイツ等の他の主要国でも年間1位を獲得しているので、世界中で今年の顔となった1曲と言えるでしょう。ちなみにUSとUKの年間1位が一致するのは2017年の”Shape of You”以来。

 2位は“Dance Monkey”。昨年も年間8位に入っていたことも考えると驚異的なヒット。Spotify最長グローバル1位記録を持つ曲だけあって、世界各所で特大ヒットとなっています。(USでは年間14位でしたが、これはむしろ低い部類)

 3位はSAINt JHNの“Roses”。彼はUSのラッパーですが、ヒットしていたのは原曲ではなくリミックスの方なので、ダンス系統の曲が流行りやすい地域でより強くヒットしました。

 4位はLewis Capaldiの”Before You Go”。彼は8位の“Someone You Loved”と合わせて2曲がUK年間トップ10に。さらにアルバムチャートでは1位を獲得(なんと2年連続!)しており、今年もUKチャートの主役は彼でしょう。USでもラジオで強い人気を得て、大ヒットを連発しているため、新たな世界的・UKのスターが誕生したと言えます。

 5位はJoel CorryとMNEKの“Head & Heat”。ダンスヒットということもあり、1位―5位の曲で唯一USの年間チャートに入らなかった曲です(週間のHot 100には入っている) UKのDJ/プロデューサー、Joel Corryはほか年間14位にも”Lonely”が入るなど、今年UKで躍進を果たしています。

 6位はUSでも大人気だった“Don’t Start Now”。Dua Lipaはこの曲に加え、”Physical”(19位)と”Break My Heart”(43位)が年間チャート入り。“Physical”はUSではラジオでシングルカットされず、あまりヒットしませんでしたが、UKでは確かな存在感を発揮しました。残りの2曲はUSと似たような規模のヒットに。

 7位はDaBabyの“ROCKSTAR”。上記の”Don’t Start Now“と同じように、USと似たような規模のヒットに。彼はUSでは昨年から存在感を示していましたが、UKの年間チャートに入るのは今年が初。彼はこの曲のほか客演の”My Oh My”と“For the Night”も入っています。

 ちなみにこの曲の客演で、同じく今年大躍進を果たしたRoddy Ricchも今年初のUK年間チャート入り。USの年間チャートでは6曲が入りましたが、UKでは2曲のみ(”The Box”が11位)

 9位はStormzyの“Own It”。”Head & Heart”に続いて、USの年間チャートに入らなかった曲の一つ。ラップは地産地消の傾向があるため、US以外のラップはあまり他地域には広がりづらいです。この曲はEd Sheeranという超強力な客演を擁していたものの、USのHot 100では週間のチャートに入ることすら叶いませんでした。

 最後に10位はHarry Stylesの”Watermelon Sugar”。USでは“Adore You”の方が年間トップ10に入りましたが、UKではこっち。彼のヒット具合はDua Lipaと似ており、USでシングル指定された2曲の似たような規模のヒットに加え、USではシングルにならなかったもう1曲(”Falling” = 34位)が年間チャートに入っています。

 ちなみにこの2人が年間アルバムチャートの2位、3位に入っています。アルバムの年間トップ10は以下の通りでした。

 

1 Lewis Capaldi – Divinely Uninspired To A Hellish Extent (昨年:1位)

2 Harry Styles – Fine Line (昨年:90位)

3 Dua Lipa – Future Nostalgia

4 Billie Eilish – WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? (昨年:4位)

5 Stormzy – Heavy Is The Head (昨年:58位)

6 Pop Smoke – Shoot For The Stars, Aim For The Moon

7 Ed Sheeran – No. 6 Collaborations Project (昨年:2位)

8 Queen – Greatest Hits (昨年:81位) *1

9 Elton John – Diamonds (昨年:15位)

10 Fleetwood Mac – 50 Years – Don’t Stop (昨年:13位)

 

 

2 誰が多く入ったか?

 

 次に年間チャートに多く曲を送り込んだアーティストは誰か?という視点でチャートを見ていきます。

 

5曲:Ed Sheeran

4曲:Lewis Capaldi, Stormzy, AJ Tracey, Pop Smoke

3曲:Dua Lipa, DaBaby, Harry Styles, Lady Gaga, Drake, Justin Bieber, Billie Eilish, Camila Cabello

 

 最初に説明したように、UKの年間チャートは過去曲に対する制限が無いため、ロングヒット曲が有利になりやすいです。実は最多のEd Sheeranは5曲全てが昨年以前リリースの曲です。中でも“Perfect”は4年連続で年間チャート入りを達成。ほか3曲は昨年のアルバムからの曲で、もう一つはStormzyの客演を務めた”Own It”です。

 次点のLewis Capaldiも全て昨年のアルバムからのシングルカット。“Before You Go”は新しいシングルカットでしたが、それ以外は昨年からの継続ヒットでした。ここまで2人の傾向を見る限り、アーティストとしての地位を強く確保すれば、長く聞かれ続けるというストリーミングの特徴が年間チャートにも現れているような気がします。

 同じく4曲エントリーなのはStormzy、AJ Tracey、Pop Smokeの3人。客演が多いラッパーの曲数が増えやすいのはUSと同じ。一方Pop Smokeは全て自身の曲から。彼のデビュー作からは、多くのシングルが世界中で人気を得ました。

 3曲エントリーはUSでも人気な面々が並びますが、一部UK特有の要素で年間チャート入りを果たした曲もあります。Justin BieberとCamila CabelloはEd Sheeranとのコラボが、Billie Eilishは007主題歌が年間チャート入り。またLady Gagaは“Shallow”が3年連続年間チャート入り。

 

 

3 N年連続 ①:アーティスト

 

7年:Ariana Grande

6年:Drake, Justin Bieber, Camila Cabello(グループ時代含む)

5年:Dua Lipa, Halsey, Stormzy

4年:Ed Sheeran, Khalid, Jax Jones, The Killers, Mabel, Post Malone

3年:George Ezra, Chris Brown, Cardi B, Lady Gaga, Travis Scott, Dave, AJ Tracey, Mostack

 

 ?年連続の年間チャート入りから、誰がコンスタントにヒットを飛ばしているかを観察します。USと違って注意点が一つあって、2014年のストリーミング導入以降でチャートが様変わりしたことです。もちろんUSもストリーミング導入でチャートが大きく変化しましたが、UKの変化はより大きいです。

 かつてセールスのみで集計されていたため、本リリース後に勢いを保つ手段が少なく、同じ曲が複数年にわたり年間チャートに入ることは少なかったです。またUSのようにラジオを活用したシングルカットの影響も小さかったです。そのため、毎年のように新曲を出さない限り、従来は連続してチャート入りするのは難易度が高かったです。

 しかしストリーミング以降は同一曲がロングヒットになる手段を持つようになったので、N年連続年間チャート入りするアーティストが増加しました。The Killersは”Mr. Brightside”のみで4年連続エントリーという異質なチャートアクションを見せています。

 最も長く年間チャートに入り続けたのはAriana Grande。リリース頻度が比較的高く、そして毎回ヒットになるので安定して年間チャートに入り続けています。2015年と2017年はいずれも“One Last Time”1曲のエントリー。2017年に再登場したのは、コンサートでの爆破事件を受けて行ったライブの影響です。

 

 次点の一人はDrake。USでは12年連続ですが、UKでは7年。UKでしっかり存在感が出てきたのは2015年あたりからです。その翌年の“One Dance”特大ヒットでUKでもスターになったような印象です。ほか何かしらのヒットは近年飛ばしているJustin BieberとCamila Cabello(2015、2016はグループ名義)も6年連続

 5年組はDua Lipa、Halsey、Stormzyの3人。Dua LipaはUSでのブレイクより少し前からUKで頭角を現し、2016年の“Hotter Than Hell”からランクイン。

 Halseyは2016-2017年が”Closer”、そして2018年が”Eastside”でのエントリーなので5年連続感が薄めですが、それだけ客演として人気だったということでしょうか。

 StormzyはUKのラッパーでは最長。3年連続で入るUKラッパーはDave、AJ Tracey、Mostackと3人いますが、Stormzyはその2年前から年間チャート入りを続け、UKラップシーンを牽引していることが伺えます。

 

 

4 N年連続 ②:曲

 

 UK年間チャートにはもう一つの「N年連続」が存在します。先に述べたように、年間チャートでは1年間の数字がそのまま反映されるため、過去曲にも新曲と同様にチャンスが。「過去曲」といっても主に一つ前の年のヒットが継続する、というのが主にイメージされますが、その定説を打ち破ったのは2017年。なんと2004年リリースの“Mr. Brightside”がはじめて年間チャート入りを果たしたのです。(つまりリリース時よりも大きいヒットになった)

 ストリーミングではどの曲へも平等にアクセスできることから、過去曲の再生も盛ん。その動きがストリーミングの拡大とともに、年間チャートでも可視化されるようになったのです。(Spotifyのランキング等を見比べると、UKはUSよりも過去曲ディグが熱心です)

 クリスマス曲を除き、ここまで古い曲はその後年間チャートに入ってはいませんが、過去のヒットが連続で年間チャートに入りやすい、という傾向自体は強くなっています。

2019→2020の継続:27曲

2018→2019:23曲

2017→2018:12曲

(これ以前はおおむね10前後)

 

・連続で年間チャートに入り続ける曲

4年連続:The Killers - Mr. Brightside
4年連続:Ed Sheeran - Perfect
3年連続:Lady Gaga & Bradley Cooper - Shallow
3年連続:George Ezra - Shotgun
2年連続:"Dance Monkey"や"Someone You Loved"など合計23曲

 

 来年以降はどの過去曲が年間チャートに入るでしょうか。現在の動きを見る限り、“Sweater Weather”(2012年リリース)に少しチャンスがありそうですが、果たして……?

 

 

5 USとの違い

 

 USとの違いを観察していきます。まず、両方の年間チャートに入った曲は45でした。昨年は37だったので、少し近づいています。集計時期や制度が同じならば、一部USの年間でも入っていたであろう曲もあるので、体感ではもう少し近く感じるかもしれません。

 

(制度等が違えばUSでも年間チャートに入るかもしれない曲)

年末ヒット:Lemonade, Midnight Sky, Kings & Queens

リカレント:I Don’t Care, Beautiful People, Baby Shark, Sunflower, Old Town Road, Lucid Dreams

 

 さらに違いを観察するために、年間はおろかUSの週間チャートにも入らなかった曲をピックアップします。(※ジャンルはUSで入りにくいものをピックアップ)

 

UK産SSW:Bruises, Shotgun, Outnumbered, Hold Me While You Wait 

UKラップ:Own It, Rover, Rain, Flowers, Dinner Guest, Ain’t It Different, West Ten, Location, Ladbroke Grove, I Dunno, Vossi Bop

ダンス:Lonely, Secrets, Don’t Need Love, Better Off Without You, Looking For Me, Lose Control, Pump it up

女性ポップ:Boyfriend, Break Up Song

その他:This City (UK産SSWっぽい作風だけどオーストラリア出身)

 

 週間にも入らなかったのは29曲でした。昨年は42曲だったので、やはり昨年よりもUSに近いチャートだったという推測が出来ます。ジャンル別に見ると、UK産SSWと女性ポップの不一致数(=UKでは年間だが、USの週間にも入らない曲のことを指す)が減少しました。

UK産SSW:10→4
UKラップ:13→11
ダンス:9→7
女性ポップ:8→2

 

 UK産SSWは今年の年間チャートではエントリー総数が減少(19→11)。そのため、不一致数も自然と減るということです。

 女性ポップの総数はそこまで変わっていない(20→18)ですが、その内訳の多くをLady Gaga、Dua Lipa、Billie EilishとUSでも人気の面々が占めたこともあり、不一致数は減少しました。

 

 そしてもう一つ取り上げたいジャンルはUKラップです。ラップは地産地消のため、UKラップがUSに上陸することは稀で、上記の通りUKラップはほぼ全てHot 100入りを果たしていません。ただ裏を返せば、UKラップがHot 100入りをすれば快挙ということになり、それを今年唯一成し遂げたのは“Don’t Rush”です。

 この曲はTikTokで人気を得て、ヨーロッパ各地のストリーミングでヒット。USのストリーミングではさほどヒットしなかったのですが、この活躍にラジオ局が目をつけてポップ~ラップ系まで広い系統でオンエア開始。ラジオではヒットになったので、Hot 100入りを果たすことに成功しました。USで流行したUKラップという点に加え、TikTokヒットなのにラジオが主要なポイント源というかなり異質なヒットとなりました。

 UKラップに限らず、USではストリーミングよりもラジオの方がUKのトレンドを取り入れようという姿勢が見られるような気もします。あまりUSに縁のないダンス系ヒットでも、ポップ系ラジオがオンエアすることによって遅めのタイミングでHot 100入りする現象が定期的に見られます。

 ほか“Rover”も比較的グローバルヒットだったのですが、これはUSのHot 100には入らず。

 

 

6 UKチャートとSpotify

 最後にマニアックな話題で締めたいと思います。UKチャートではリカレント、ならぬACR(Accelerated Chart Ratio)ルールが導入されているため、過去曲が額面通りの順位に表示されません。このACRの概要は以下の通りです。

 

・滞在10週目以降、かつ3週連続でポイントを落としている場合に適用
・ルール適用後は、ストリーミングのカウントが半減に
・50%以上の成長率を見せた場合、ACRは解除
・シングルカット等で新規プロモーションを行う場合、レーベルはこのACRを解除申請できる(1アルバムにつき2曲まで)

 

 UKチャートは元々(ストリーミング導入以前)セールスのみの集計で、初週勝負+週ごとの変化が大きいため、何が新しいヒットかが「分かりやすい」チャートでした。しかしストリーミングの拡大と共に、ゆっくり上昇&ゆっくり下降とHot 100のようなチャートアクションが増加。新規ヒットが分かりにくくなってしまいました。

 そこでかつての「分かりやすさ」を継承するために、このルールが導入されたのでは?と私は考えています。

 この「分かりやすさ」を演出するルールはもう一つあります。1アーティストあたり最大3曲までしか週間チャートに登場しないというものです。このルールにより、USのHot 100では日常茶飯事の、特定アルバムからの大量登場という現象はUKでは見られません。

 このルールによって、シングルチャートではストリーミングにおけるアルバムの影響力の大きさをイマイチ体感できない訳ですが、UKではアルバムチャートにもストリーミングに関する制限があります。

 

・ストリーミングは上位2曲の再生数をアルバム平均値に置き換えて計算
・ストリーミングで反映されるのは12曲まで

 とストリーミング時代のアルバムチャートの問題点として挙げられる、「アルバムチャートのシングルチャート化」・「曲数が多くなりすぎる」の2つをルールによって制御しています。

 

 このようにUKチャートは、より良いチャートを目指して、いくつか実際の動向に加工を加えていることが分かります。こうやって問題点を積極的にルール面で解決していくのか、それとも仮に分かりづらくても、極力実際の動向をそのまま反映させるのか、どちらがチャートとして正解なのかは難しい議題ですが、現行のUKチャートは実際の動向を見たい人にとっては好ましくないかもしれません。

 そういう人に代役として私が考えているのはUKのSpotifyチャートです。USと比べて、UKのSpotifyチャートは格段に通常のチャートと似た特徴を持っています。それぞれの年間チャートを比べると以下のようなデータが出ました。*2

 

・トップ10一致数 UK:9曲 US:5曲

・平均誤差 UK:9.88位 US:16位

Spotify年間チャートは50位まで

*USのSpotify年間トップ50のうち、いくつかHot 100の年間チャートに入らなかった曲があるため、それも含むとその誤差は大きく上がる。UKのSpotify年間トップ50は全て100位圏内

 

 USより近い理由として考えられるのは…

・UKではラジオが含まれず、ストリーミングの比率が高い
・USのようにSpotify/Appleであまり違いが無い (むしろここまで違うUSが珍しい)
・過去曲を年間チャートでリカレントしない

 

 上のような理屈だとApple Musicのランキングも参照になりそうですが、Spotifyの方がより年間チャートに近い数字を出しているので、Spotifyチャートを案として挙げました。

 完全に代役と呼べるほど、通常のチャートと一致する訳ではないですが、USよりは近いのである程度は参考になるのではないでしょうか。特にトップ10が9も合致したのは印象的です。(唯一外れた曲も12位)

 ちなみにSpotifyは原曲とリミックスを別で集計し、通常のチャートは合算で集計するため、有力なリミックスがあると順位がズレます。

 

 USのHot 100だと、最近Rolling Stone Chartsというライバル(?)が登場したので、比較的容易に音楽動向を多角的に見ることが出来ますが、UKにはそのような存在は無いので、このような手法も頭の片隅に置いておくと面白いかもしれません。

 

 

リンク

UKのSpotify年間チャート:Top Tracks of 2020 UK on Spotify

昨年版:イギリス 2019年間シングルチャートを6のポイントで振り返る - チャート・マニア・ラボ

US版:Billboard Hot 100 Year-End / 年間チャート・2020を10のポイントで見る - チャート・マニア・ラボ

2020年まとめ系記事リンク集:2020 Year-End / 年間系記事 リンク集+データ表 - チャート・マニア・ラボ

UKのApple Music年間チャート:Top Songs of 2020: UK on Apple Music

 

おまけ:データ表

 

1:UK年間チャートに入った曲の週ピーク

※今年のピークを表示。今年以外にピークがある場合は、*印があります

「昨年」は昨年の年間チャートの順位

 

アーティスト 曲名 ピーク 昨年
1 The Weeknd Blinding Lights 1  
2 Tones And I Dance Monkey 5* 8
3 SAINt JHN Roses 1  
4 Lewis Capaldi Before You Go 1  
5 Joel Corry feat. MNEK Head & Heart 1  
6 Dua Lipa Don't Start Now 3*  
7 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 1  
8 Lewis Capaldi Someone You Loved 6* 1
9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy Own It 1  
10 Harry Styles Watermelon Sugar 4  
11 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat) 1  
12 Roddy Ricch The Box 2  
13 Doja Cat Say So 2  
14 Joel Corry Lonely 4  
15 Topic feat. A7S Breaking Me 3  
16 Harry Styles Adore You 7  
17 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me 1  
18 Simba feat. DTG Rover 3  
19 Dua Lipa Physical 3  
20 24kGoldn feat. iann dior Mood 1  
21 Powfu feat. Beabadoobee death bed 4  
22 Future feat. Drake Life Is Good 3  
23 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 1  
24 Lewis Capaldi Bruises 12* 25
25 Drake Toosie Slide 1  
26 Billie Eilish bad guy 15* 4
27 Eminem feat. Juice Wrld Godzilla 1  
28 Maroon 5 Memories 13*  
29 Billie Eilish everything i wanted 6*  
30 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 8  
31 Arizona Zervas Roxanne 4  
32 Aitch & AJ Tracey feat. Tay Keith Rain 3  
33 Nathan Dawe feat. Jaykae Flowers 12  
34 Harry Styles Falling 15  
35 Sam Fischer This City 16  
36 Megan Thee Stallion Savage 3  
37 AJ Tracey feat. Mostack Dinner Guest 5  
38 Regard Ride It 11* 38
39 Lil Mosey Blueberry Faygo 9  
40 Nathan Dawe feat. KSI Lighter 3  
41 Regard & Raye Secrets 6  
42 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care 27* 3
43 Dua Lipa Break My Heart 6  
44 Halsey you should be sad 12  
45 220 Kid & Gracey Don't Need Love 9  
46 Lewis Capaldi Hold Me While You Wait 26* 14
47 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending 14  
48 Young T & Bugsey feat. Headie One Don't Rush 19  
49 Becky Hill feat. Shift K3Y Better Off Without You 14  
50 Post Malone Circles 19 66
アーティスト 曲名 ピーク 昨年
51 Headie One feat, AJ Tracey & Stormzy Ain't It Different 2  
52 George Ezra Shotgun 41* 12
53 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You 1 84
54 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings 5  
55 Paul Woolford, Diplo & Lomax Looking For Me 4  
56 Tate McRae you broke me first 3  
57 Ed Sheeran Perfect 36* 46
58 Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People 28* 21
59 Internet Money & Gunna feat. Don Toliver & NAV Lemonade 1  
60 Wham! Last Christmas 2* 95
61 The Killers Mr. Brightside 72* 63
62 Chris Brown & Young Thug Go Crazy 10  
63 Billie Eilish No Time TO Die 1  
64 AJ Tracey & Mabel West Ten 5  
65 Lady Gaga & Bradley Cooper Shallow 51* 20
66 Meduza feat. Becky Hill & Goodboys Lose Control 15*  
67 Kygo & Whitney Houston Higher Love 54* 26
68 Dave feat. Burna Boy Location 71* 13
69 Miley Cyrus Midnight Sky 5  
70 Lizzo Good As Hell 41* 68
71 Ava Max Kings & Queens 19  
72 Pinkfong Baby Shark 47* 48
73 Mabel Boyfriend 10  
74 AJ Tracey Ladbroke Grove 34* 18
75 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita 30* 10
76 Endor Pump It Up 8  
77 Ed Sheeran feat. Camila Cabello & Cardi B South of the Border 17* 55
78 Tion Wayne feat. Dutchavelli & Stormzy I Dunno 7  
79 Trevor Daniel Falling 14  
80 Post Malone & Swae Lee Sunflower 30* 18
81 Lil Nas X Old Town Road 34* 2
82 Jax Jones feat. Ella Henderson This Is Real 9  
83 Justin Bieber Yummy 5  
84 Little Mix Break Up Song 9  
85 DJ Khaled feat. Drake GREECE 8  
86 Pop Smoke Dior 33  
87 Jonas Brothers What A Man Gotta Do 22  
88 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My 13  
89 Selena Gomez Lose You To Love Me 10*  
90 Pop Smoke What You Know Bout Love 4  
91 Stormzy Vossi Bop 12* 7
92 Jason Derulo Take You Dancing 7  
93 Mabel Don't Call Me Up 32* 9
94 Dermot Kennedy Outnumbered 38* 69
95 Juice WRLD Lucid Dreams 27*  
96 Jack Harlow WHATS POPPIN 25  
97 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM 25*  
98 Lady Gaga Stupid love 5  
99 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For The Night 14  
100 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U 4  
アーティスト 曲名 ピーク 昨年

 

 

2 連続で年間チャート入りする曲の順位推移

※空欄はその年は年間チャートに入っていないことを指します

 

  2020 2019 2018 2017
Dance Monkey 2 8    
Someone You Loved 8 1    
Bruises 24 25    
bad guy 26 4    
Ride It 38 38    
I Don't Care 42 3    
Hold Me While You Wait 46 14    
Circles 50 66    
Shotgun 52 12 3  
All I Want for Christmas Is You 53 84    
Perfect 57 46 6 6
Beautiful People 58 21    
Last Christmas 60 95    
Mr Brightside 61 63 80 87
Shallow 65 20 87  
Higher Love 67 26    
Location 68 13    
Good As Hell 70 68    
Baby Shark 72 48    
Ladbroke Grove 74 18    
Señorita 75 10    
South Of The Border 77 55    
Sunflower 80 15    
Old Town Road 81 2    
Vossi Bop 91 7    
Don't Call Me Up 93 9    
Outnumbered 94 69    
Lucid Dreams 95   53  
thank u, next   30 68  
High Hopes   31 90  
Happier   37 62  
Eastside   42 19  
Promises   47 25  
This Is Me   54 4  
Lost Without You   60 81  
Leave A Light On   61 36  
Body   65 33  
One Kiss   70 1  
SICKO MODE   75 94  
Shape of You   76 31 1
Paradise   80 8  
These Days   85 5  
Girls Like You   87 26  
2002   88 12  
The Greatest Show   90 18  
Taste   92 40  
Let You Love Me   96 88  
Havana     17 18
New Rules     20 11
rockstar     24 22
Despacito     61 2
Silence     69 57
Unforgettable     73 4
Too Good at Goodbyes     85 39
Symphony     93 7
Castle on the Hill     97 3

 

 

3 Spotify / Apple Musicの年間チャートでの順位

Spotifyは50位まで、Apple Musicは100位まで

 

アーティスト 曲名 Spotify Apple
1 The Weeknd Blinding Lights 1 2
2 Tones And I Dance Monkey 5 1
3 SAINt JHN Roses 2 4
4 Lewis Capaldi Before You Go 9 6
5 Joel Corry feat. MNEK Head & Heart 8 11
6 Dua Lipa Don't Start Now 7 5
7 DaBaby feat. Roddy Ricch ROCKSTAR 3 8
8 Lewis Capaldi Someone You Loved 10 7
9 Stormzy feat. Ed Sheeran & Burna Boy Own It 12 3
10 Harry Styles Watermelon Sugar 6 12
11 Jawsh 685 & Jason Derulo Savage Love (Laxed – Siren Beat) 26 25
12 Roddy Ricch The Box 4 9
13 Doja Cat Say So 24 40
14 Joel Corry Lonely 23 15
15 Topic feat. A7S Breaking Me 18 20
16 Harry Styles Adore You 16 14
17 Lady Gaga & Ariana Grande Rain on Me 22 27
18 Simba feat. DTG Rover 15 21
19 Dua Lipa Physical 31 26
20 24kGoldn feat. iann dior Mood 19 95
21 Powfu feat. Beabadoobee death bed 14 57
22 Future feat. Drake Life Is Good 17 33
23 Cardi B feat. Megan Thee Stallion WAP 27 46
24 Lewis Capaldi Bruises 36 17
25 Drake Toosie Slide 13 24
26 Billie Eilish bad guy 38 50
27 Eminem feat. Juice Wrld Godzilla 21 52
28 Maroon 5 Memories   36
29 Billie Eilish everything i wanted 29 13
30 Justin Bieber feat. Quavo Intentions 34 53
31 Arizona Zervas Roxanne 20 16
32 Aitch & AJ Tracey feat. Tay Keith Rain 25 48
33 Nathan Dawe feat. Jaykae Flowers 30 39
34 Harry Styles Falling 40 34
35 Sam Fischer This City   29
36 Megan Thee Stallion Savage    
37 AJ Tracey feat. Mostack Dinner Guest 28 41
38 Regard Ride It   10
39 Lil Mosey Blueberry Faygo 11 64
40 Nathan Dawe feat. KSI Lighter 43 81
41 Regard & Raye Secrets 46 51
42 Ed Sheeran & Justin Bieber I Don't Care   56
43 Dua Lipa Break My Heart 39 65
44 Halsey you should be sad   38
45 220 Kid & Gracey Don't Need Love 41 35
46 Lewis Capaldi Hold Me While You Wait   47
47 JP Saxe feat. Julia Michaels If the World Was Ending   54
48 Young T & Bugsey feat. Headie One Don't Rush 47 28
49 Becky Hill feat. Shift K3Y Better Off Without You   43
50 Post Malone Circles 33 31
アーティスト 曲名 Spotify Apple
51 Headie One feat, AJ Tracey & Stormzy Ain't It Different    
52 George Ezra Shotgun   76
53 Mariah Carey All I Want for Christmas Is You 42  
54 Pop Smoke feat. Lil Tjay Mood Swings   78
55 Paul Woolford, Diplo & Lomax Looking For Me   83
56 Tate McRae you broke me first    
57 Ed Sheeran Perfect    
58 Ed Sheeran feat. Khalid Beautiful People   85
59 Internet Money & Gunna feat. Don Toliver & NAV Lemonade    
60 Wham! Last Christmas 49  
61 The Killers Mr. Brightside 50 91
62 Chris Brown & Young Thug Go Crazy   45
63 Billie Eilish No Time To Die 48 93
64 AJ Tracey & Mabel West Ten   74
65 Lady Gaga & Bradley Cooper Shallow 45 66
66 Meduza feat. Becky Hill & Goodboys Lose Control   22
67 Kygo & Whitney Houston Higher Love 32 42
68 Dave feat. Burna Boy Location   32
69 Miley Cyrus Midnight Sky    
70 Lizzo Good As Hell   19
71 Ava Max Kings & Queens    
72 Pinkfong Baby Shark    
73 Mabel Boyfriend 44 94
74 AJ Tracey Ladbroke Grove   49
75 Shawn Mendes & Camila Cabello Señorita   71
76 Endor Pump It Up   44
77 Ed Sheeran feat. Camila Cabello & Cardi B South of the Border   18
78 Tion Wayne feat. Dutchavelli & Stormzy I Dunno 35 89
79 Trevor Daniel Falling   72
80 Post Malone & Swae Lee Sunflower    
81 Lil Nas X Old Town Road    
82 Jax Jones feat. Ella Henderson This Is Real   23
83 Justin Bieber Yummy   90
84 Little Mix Break Up Song    
85 DJ Khaled feat. Drake GREECE   63
86 Pop Smoke Dior    
87 Jonas Brothers What A Man Gotta Do    
88 Camila Cabello feat. DaBaby My Oh My   97
89 Selena Gomez Lose You To Love Me   30
90 Pop Smoke What You Know Bout Love    
91 Stormzy Vossi Bop   67
92 Jason Derulo Take You Dancing    
93 Mabel Don't Call Me Up    
94 Dermot Kennedy Outnumbered 37 61
95 Juice WRLD Lucid Dreams    
96 Jack Harlow WHATS POPPIN    
97 Travis Scott HIGHEST IN THE ROOM   37
98 Lady Gaga Stupid love    
99 Pop Smoke feat. Lil Baby & DaBaby For The Night    
100 Ariana Grande & Justin Bieber Stuck with U    
アーティスト 曲名 Spotify Apple

 

 

*1:このベスト盤は大きく上昇していますが、代わりに”Bohemian Rhapsody”サントラが代わりに100位圏外に

*2:Spotifyの年間チャートの集計期間は公表されず。ただし12月の発表なので、UK年間チャートとは若干の期間のズレがあると思われます。集計期間の一致度ではUSの方が高いと考えられますが、それでもUKの方の誤差が少ないです。

2020 Year-End / 年間系記事 リンク集+データ表

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 2020年をまとめるような「年間記事」をいくつか作成したので、それのリンク集。そして各種データを表にしたものをいくつか掲載しました。お正月の暇つぶしなどに役立ててください!(年明けにも、もう少し追加する予定です)

 

 

Billboard Hot 100 Year-End / 年間チャート・2020を10のポイントで見る

 音楽チャートの総決算的イベント、年間チャートをもとに今年を振り返る記事です。

 

 

・2020年 ビルボード毎月の記事 テーマ+リンクまとめ

  私が今年作成してきた、ビルボードの動向を月間単位でまとめた記事の、テーマ+リンクを羅列していきます。今年の復習にお役立てください。

 実際にそれぞれの月の記事を読まなくても、テーマだけ眺めとけば、なんとなく今年起こった事を思い出せる、かもしれません!

 

 

・イギリス 年間チャート / Year-End を6のポイントで見る

 ジャンル等の人気の傾向、そしてシステム的な面からUSとの違い等を分析しています。

 

 

・プレイリスト観察:Today’s Top Hitsを見る 2020

 曲のヒットを左右することもある、Spotifyの最大手プレイリストについてです。

 

 

・Hot 100に登場した日本関連の曲 2020

 歌詞などから、Hot 100に登場した日本関連の要素を探します。

 

 

・ヒット曲の最終的なHot 100成績 + おまけ 【2020】

 データベースです

 

 

・My Best Tracks 2020

私選出の、ベストトラック

 

 

・My Best Albums 2020

私選出の、ベストアルバムです。

 

 

 

~各データ~

 

 

・表:各月のHot 100トップ10推移

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・表:Billboard 200(アルバムチャート)のトップ5+売上数

(緑背景はその週新登場)

(🎫はツアーチケットを販売とからめた戦略、👕はグッズを販売とからめた戦略を採用した作品。年の途中から規制されました)

 

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・表:各指標の1位推移

(Hot 100、Rolling Stone Charts、Apple Music、SpotifyYouTube、Pandora、Radio、Digital Sales)

Apple Musicには週間チャートが無いため、その週に最も長く1位に滞在した曲を1位にしています

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・表:各ラジオ系統の1位推移

※Radio Songsはラジオ全体の再生数の合算

※左に行くほど、だいたい規模が大きくなります。ただしAlternative Airplayはここで掲載した他の系統と比べると規模が小さいので、おまけ程度に考えておいてください。

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・5曲以上が(同時に)Hot 100入りしたアルバム

1月11日 JACKBOYS JACKBOYS 6
2月1日 Eminem Music To Be Murderd By 12
2月1日 Mac Miller Circles 10
2月29日 Justin Bieber Changes 6
2月29日 A Boogie Wit da Hoodie Artist 2.0 7
3月7日 YoungBoy Never Broke Again Still Steppin, Still Flexin 8
3月14日 Lil Baby My Turn 14
3月14日 Bad Bunny YHLQMDLG 11
3月21日 Lil Uzi Vert Eteral Atake 18
3月21日 Jhené Aiko Chilombo 5
3月28日 Lil Uzi Vert Luv vs. The World 2 14
4月4日 The Weeknd After Hours 14
4月18日 Rod Wave Pray 4 Love 8
5月2日 DaBaby Blame It On Baby 12
5月9日 YoungBoy Never Broke Again 38 Baby 2 5
5月16日 Drake Dark Lane Demo Tapes 14
5月16日 Lil Baby My Turn (Deluxe) 5
5月30日 Future High Off Life 13
5月30日 Polo G The GOAT 9
6月6日 Gunna WUNNA 12
7月18日 Pop Smoke Shoot for the Stars Aim for the Moon 19
7月25日 Juice WRLD Legends Never Die 17
8月8日 Taylor Swift folklore 16
9月26日 YoungBoy Never Broke Again Top 9
10月17日 21 Savage & Metro Boomin Savage Mode 2 13
11月14日 Ariana Grande positions 14
11月28日 Future & Lil Uzi Vert Pluto x Baby Pluto 10
12月5日 Megan Thee Stallion Good News 7
12月5日 BTS BE 7
12月12日 Bad Bunny EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO 11
12月26日 Taylor Swift evermore 15
12月26日 Kid Cudi Man on the Moon III: The Chosen 10

黃背景:全曲がHot 100入り(制度によって除外されると考えられる曲は除く)

グレー背景:アルバムチャートでは個別の作品とみなされないもの(デラックス版等)

 

このような、5曲以上がHot 100入りアルバムの数は……

2016:8

2017:14

2018:29

2019:22

2020:32

ビルボードはストリーミングのルールを細かく変え続けているため、年によってアルバム曲Hot 100エントリーの難易度が少し異なります。今年は若干難度が落ちたような印象があります。

 

 

リンク

昨年版:2019年・年間まとめ系記事リンク集 - チャート・マニア・ラボ

 

2020年 ビルボード毎月の記事 テーマ+リンクまとめ

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 私が今年作成してきた、ビルボードの動向を月間単位でまとめた記事の、テーマを羅列していきます。私は今年から記事を月単位に切り替えたのは、どこに何を書いてあるか?を確認しやすくする、というのが理由の一つだったので、その意図がこの記事で達成された気がします。

 実際に記事を読まなくても、テーマだけ眺めとけば、なんとなく今年起こった事を思い出せる、かもしれません!

 

※「短評」はどの月にもあるので、省略します

 

 

1月 【激動の1ヶ月、Roddy Ricch大活躍など】

1 Roddy Ricchの”The Box"が大躍進

2 クリスマス後の特別措置。ただし……

3 ルール変更によって弾かれた“Old Town Road” グラミーに向けて残念?

 

 

2月 【アルバム激戦区・不動のシングル上位など】

1 2/1のアルバム激戦区週

2 激戦区再び?2/29のアルバムチャートも……

3 全員バンドル? 特徴的だった2/15のアルバムチャート

4 動きが鈍い上位

5 グラミーの週

6 表記の揺れ?

 

 

3月 【Lil Uzi Vert・Bad Buny・Lil Baby・BTSなど…アルバム大盛況】

1 続くアルバム激戦区、Hot 100に「アルバム曲」が大量登場

2 Lil Uzi Vert

3 Jhené Aiko

4 Lil Baby

5 Bad Bunny

6 BTS

7 上位の動向:次の1位は”Blinding Lights”? “Don’t Start Now”は?

8 絶好調:”Adore You”と”Say So”

9 DrakeがGlee Castを上回りHot 100エントリー数が単独最多に(208曲)

10 TikTok発とみられる曲

 

 

4月 【The Weekndがアルバム4タテなど無双】

1 The Weekndがシングル・アルバム両チャートを制圧

2 セールス戦略の大戦争

3 Dua Lipa

4 Drakeも1位を獲得

5 ”Say So”と”Adore You”がラジオ増加に伴いHot 100でも浮上

6 ”Circles”のトップ10滞在が33週まで到達。次週にも記録更新?

7 ”Savage”が大きくジャンプアップ。今月のTikTok曲は?

8 大躍進のカントリー曲。Gabby BarrettとMaren Morrisが特に期待の星?

9 アルバム後に生き残る曲? Lil Uzi Vert、Bad Bunny、Lil Babyなど

 

 

5月 【首位が全て異なる月 / 販売戦略が躍動】

1 全ての週で異なる曲が1位に! 多くの販売戦略が1位獲得をサポート

2 アルバムチャートも全て異なる作品が1位に。今月もバンドルが躍動?

3 Drakeのトップ10曲数が38まで到達

4 Chris BrownとFutureが100曲超え / アルバム曲の時代?

5 フォートナイト、再び

6 今後どうなる?最終週でラジオに大きな変化が

7 名義を載せる / 載せない問題

8 ビルボードによる声明?

9 今月のTikTok

 

 

6月 【コラボ曲の首位が相次ぐ / アルバムチャートはリリース減少?】

1 続くコラボ曲の首位 販売戦略と関係

2 DaBabyと6ix9ineに加え、初の栄冠はプロデューサーにも!

3 続くFemaleコラボ

4 ネクストトップ10候補

5 新作が減少するアルバムチャート その中で活躍するLil Baby

6 Hot Rock & Alternative Songsが誕生

7 「アーバン」という言葉、そのラジオでの格差?について

8 当人たちも活躍し始めたTikTok

9 Hot 100初登場アーティストたち

 

 

7月 【Pop SmokeとJuice WRLDの活躍 販売戦略のその後……】

1:Pop SmokeとJuice WRLDがアルバムチャートを盛り上げる

2:アルバムラッシュ時のシングル関連記録

3:今月は販売戦略が無かったシングル、来月以降は制限も

4:販売戦略で1位を獲得した曲のその後……

5:来月のトップ10候補

6:今月のラジオ(The Weeknd・Post Malone)

7:5月に予想した年間トップ10の曲たち

8:今月のTikTok

9:Kanyeシリーズ?

 

 

8月 【圧巻の"WAP"、アルバムはTaylor Swift】

1 販売戦略は健在?セールス急増で複数曲が1位の栄冠

2 圧倒的な”WAP”、しばらくチャートの主役に?

3 カントリーがダブルでトップ10? 今月の新規トップ10

4 今後のトップ10候補

5 “Blinding Lights”がラジオの記録を更新

6 Taylor Swiftのサプライズリリースが4週連続1位

7 アルバム曲の管理

8 今月のTikTok

9 Hot 100デビューを飾ったアーティストたち

 

 

9月 【BTS / ロングヒット記録 / ヒットの4メトリクスなど】

1 セールスの制圧力 BTS初のHot 100首位

2 歴史的ロングヒット”Blinding Lights”

3 アダルトポップの申し子Lewis Capaldi + その他のトップ10

4 来月以降のヒット候補

5 比較的静かだったアルバムチャート

6 TikTok流シングルカット

7 TikTok発の最終的な成績

8 Global 200

9 ヒット曲の4メトリクス”my future“ / “Stuck with U”など

 

 

10月 【販売戦略の行く末 + オルタナティブ系 など】

1 勢いが止まらない販売戦略

2 その販売戦略の今後?

3 ネクストPost Malone?24kGoldnとiann diorの可能性?

4 その他のトップ 10 + 今後のトップ10候補

5 今月のアルバムチャート

6 Fleetwood現象

7 Alt TikTok

8 BLACKPINK

9 滞在が短い曲たち

 

11月 【Ariana Grandeの新作 / 新タイプの販売戦略?】

1 Ariana Grandeの成績をどう捉える?

2 アーティスト力を示す?初動で見るトップ10

3 曲の力を示す?ラジオヒットとトップ10 + 今後のトップ10

4 そこそこ盛り上がる?アルバムチャート

5 クリスマス?

6 投げ銭式によるインディー系アクトのHot 100入り

 

 

12月 【Taylor Swiftの"evermore"、BTSとBad Bunnyなど】

1 動きが激しいトップ10

2 Taylor Swift

3 BTS → Bad Bunny

4 Megan Thee Stallion、Kid Cudi等アルバムチャート

 

 

Billboard 動向・12月号 【Taylor Swiftの"evermore"、BTSとBad Bunnyなど】

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 こんばんは!2020最後のビルボード月末まとめとなります!(いつもより短めですが、よろしくお願いします!)

 

 

目次:

 

 

 

1 動きが激しいトップ10

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 全ての週で首位が入れ替わっています。初週は販売戦略によるBTSの“Life Goes On”が、2週目は一般的なラジオヒットの”Mood”、3週目はクリスマス曲、4週目は再び販売戦略の“willow”が首位に立っています。

 月を通してトップ10に入り続けた曲がわずか2つ(”Mood”と”positions”)と、首位以外の枠もかなり入れ替わりが激しい月となりました。(先月このような曲は6つ)

 要因となったのは今年のチャートを左右し続けた販売戦略に加え、クリスマス曲が上位に多く入ってきたからです。以下のように、クリスマス曲の勢いはさらに強まっています。*1

 この2つの要因によって既存のヒット(主にラジオヒット)がトップ10から押し出され、週ごとの変動は大きくなりました。

 

クリスマス曲のトップ10入り数(12月)

2019:0→3→5→6

2020:0→2→3→4

 

 

2 Taylor Swift

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 今月クリスマス曲以外で最も際立つ成績を残したTaylor Swiftについて見ていきます。”folklore”の姉妹作にあたる”evermore”を急遽リリース。さすがのスターパワーを発揮し、大きな注目を集めて余裕のアルバム1位を獲得。(32.9万の売上)

 そして複数リミックスなどの戦略を駆使し、シングルでも”willow”が首位を獲得。勢い増す“All I Want for Christmas Is You”が強力なライバルとして存在していたので、このような戦略無しでは1位に立たなかった可能性があります。ただしこの曲には、次週悲劇が……(来月号で説明します)

 このアルバムで際立つ数字は2.2億という再生数です。これで彼女にとって2億再生超えの作品は3枚目。2億超えを複数枚で記録している女性アーティストは彼女が唯一でしたが、その記録をさらに伸ばすことに。

 

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  ファンベースの強さを表しているセールスに対し、ストリーミングはファンの広さを主に表していると思います。この2つを両立しているTaylor Swiftからは唯一無二のスターパワーを感じます。

 この作品はTaylor Swiftにとって初めてストリーミングの数字が全体の過半数を上回った作品に(総合売上32.9万のうち、ストリーミングは16.7万) 初週の時点ではまだCD等がリリースされておらず、DLに限定されていたことがセールスの数字が控えめだった理由です。そのストリーミングの強さによって全曲がHot 100入りを果たしています。

 彼女はこれでHot 100総エントリー数を128まで伸ばし、Nicki Minajを抜き返して女性で最多になりました。

 

 

3 BTS → Bad Bunny

 初週にBTS、そして2週目にBad Bunnyがアルバム1位を獲得。これにより(主に)非英語のアルバムが続けて1位を獲得することとなり、史上初の出来事となりました。2018年にBTSがUSでアルバム1位を獲得以降強まる、非英語圏の躍進を象徴する出来事です。

 BTSは5枚目のアルバム1位。総合売上は24.2万で、うち純セールスは17.7万。先行シングルの“Dynamite”こそ英語シングルですが、それ以外はほぼ韓国語で歌われています。

 その韓国語シングルの一つ、”Life Goes On”が1位を獲得。セールスの高さが飛び抜けていました。しかし他の数値に優れず、わずか3週でHot 100から外れることに。“TROLLZ”の記録を上回り、最短記録を更新してしまいました。クリスマス曲大量登場によってHot 100のボーダーラインが急浮上したことも多少は影響しているでしょうが、そうでなくても短いことには変わりないでしょう。

 ただしビデオを除くと、まだシングル単位でのプロモーションはそれほど行われていないため、今後リミックスやラジオでのシングルカットが行われ、滞在を伸ばすかもしれません。もしかすると、チャートにも熱心なファンたちが自発的に動いてセールスを特定の週に集めてHot 100入りを狙う、なんてことも考えられるかもしれません。

 

 Bad Bunnyは初のアルバム1位。前作もかなり優秀な数字(売上17.9万、11曲がHot 100入り)でしたが、Lil Babyという強力なライバルがいたため1位になれず。今作では前作よりもやや数字を落としたものの、強力なライバル不在によって見事アルバム1位に輝きました。彼は主にストリーミングで人気。アルバムから11曲がHot 100に入っています。

 

 

4 Megan Thee Stallion、Kid Cudi等アルバムチャート

 今月は興味深いアルバムリリースが多く見られました。まずはMegan Thee Stallion。昨年から徐々に頭角を現し、今年に入ってからは勢いが加速。“Savage”で初のHot 100首位(かつ初のトップ10)を獲得すると、続いてCardi Bとの”WAP”で2回目の1位も獲得!“Savage”以上の大ヒットになりました。

 そんな彼女の念願のデビュー作はBTSと被ったこともあり、アルバム2位に。ただ売上は10.5万とアルバム1位も射程範囲内の成績を記録。ストリーミング数1.16億と優秀で、Hot 100には7曲が登場しました。さらにその後は複数曲がTikTokで人気を得たこともあり、複数曲がHot 100に残留。来年以降も活躍に期待が持てそうです。

 もう一人似たような成績を残したのはKid Cudi。Taylor Swiftと同じ週のリリースだったため、アルバムチャートでは2位でしたが、14.4万と好成績を記録。10曲がHot 100入りを果たしました。クリスマス曲+Taylor Swiftと他にイレギュラーな曲がかなり多く存在した週のリリースでなければ、もっと多くの曲がHot 100入りしていたでしょう。

 彼は2009年のデビュー作が、今年のアルバム年間チャートに入った(186位、2010年以来の年間入り)ように、彼への支持は厚く、それが新作の数字にも表れたということでしょう。

 

 次に紹介するのはShawn Mendes。デビューから4作連続のアルバム1位を獲得したものの、売上は8.9万で上記のMegan Thee StallionやKid Cudiを下回っています。また、彼にとっても10万未満の売上は今回が初です。昨年は“Señorita”で初のHot 100首位を獲得し、さらなる飛躍への期待感がありましたが、あまり満足の行く成績は得られませんでした。

 

 そしてMiley Cyrus。6.0万の売上で2位。前作の4.5万/アルバム5位よりは成績を盛り返しています。比較的評判が良く、TikTokで密かに人気を得ている曲がちらほら見られるため、来年に収録曲等が注目を集める可能性もある程度考えられます。

 

 

5 短評

 

 今月は外れた曲が多いですが、クリスマス後に特例でHot 100に復活する可能性があります。(昨年からその特例がHot 100に為されました)

 

Harry Styles – Adore You

 12月の初週に外れる。滞在は50週と超ロングヒットでした。この効果で週間ピークは6位ながらも、年間チャートではなんと6位に。

 外れた時期が早く、あまりクリスマス曲とは関係なく外れているため、クリスマス後の復活とは関係無さそうにも思えますが、ポップ系ラジオは年末にその年のヒットのオンエアを再浮上させるため、この恩恵を受ける形でクリスマス後の復活も少し可能性があります。

 

・Pop Smoke – The Woo / Mood Swings

 Pop Smokeのアルバムの収録曲が、リリース後1度も外れることなく20週を迎え、リカレントに。“The Woo”は通常のラジオシングルでしたが、”Mood Swings”は非ラジオシングル。しかしTikTok等で人気を得たこともあり、ストリーミングのプレイリストでは常にシングルのような立ち位置に。結局チャート滞在を全て非シングルのまま過ごし、20週を迎えました。ラジオ抜きながら、年間チャートにも入っています。

 

・Juice WRLD – Come & GO / Wishing Well

 こちらもアルバムリリースから1回も外れず、20週を迎えてチャートから外れました。“Come & Go”は主にポップ系、”Wishing Well”は主にリズミック系と、系統を分けてシングルの同時カットという戦略を取っていました。ただいずれもストリーミングほどの人気は得られず、ちょうど20週でチャートを後にしました。

 

Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. – Franchise

 1位デビューを果たすも、結局は9週の滞在でチャートから外れてしまいました。ストリーミングはそれなりの数字を記録しましたが、彼の今年の他シングルほどでは無かったです。ラジオの数字は他シングルより良い滑り出しでしたが、長くは続かず。

 再び販売戦略による1位が尻すぼみに終了し、この制度で1位を取ることは「1位」のブランド性に値するのか?という疑問が再び突きつけられました。

 

・DJ Khaled feat. Drake – POPSTAR

 8/1に3位でデビューし、その後ラジオ&ビデオなどで再加勢し9/19にトップ10復帰。しかしそこからは勢いを落とし、最終的に滞在が19週と、リカレントまで届きませんでした。リリース後に強く、さらにラジオもガンガンかかるが最終的には尻すぼみ気味、というのはDJ Khaledの曲に見られがちな傾向。

 

・Saweetie – Tap In

 TikTok起点に注目され、ラジオヒットに。ピークが20位と、昨年の“My Type”の21位を1だけ上回りました。しかし滞在は19週とリカレントまで足りず。

 

・Morgan Wallen – Somebody’s Problem

 6位デビューとロケットスタートを切った”7 Summers”のように、彼の新シングルも好スタートを切っています。同時に3曲をリリースし、全てがHot 100入り。メインの“Somebody’s Problem”は25位スタート。前シングル同様、カントリー曲としては珍しくリリース直後からストリーミングで高い人気を誇ります。

 来月にリリースされるアルバムもかなり期待が持てます。リリース時期も良いことから、来年の年間アルバムチャートでかなり上位も見えそうです。

 

・Morgan Wallen – Cover Me Up

 彼はもう一つ驚きの動きが。この3曲のリリースに引っ張られる形で、元からストリーミングで人気を得ていた過去曲もHot 100入りを果たしました。Jason Isbellのカバー曲。久々に見られたストリーミングらしい動き、という印象を抱きました。

 

・The Kid LAROI – WITHOUT YOU

 先月のアルバムデラックス版リリース以降、調子を上げるオーストラリア出身のラッパー、The Kid LAROI。TikTok等の影響を受け、ストリーミングでは自発的なシングルカットが相次ぎ、複数曲が人気に。今月新しく“WITHOUT YOU”がHot 100入りを果たしています。

 彼は自身のアルバムからの曲以外にも、Juice WRLDとのコラボ“Reminds Me of You”もHot 100入り。この2人が共にHot 100入りするのはこれで3曲目。

 

 

今月のデータ

 

主に外れた曲(🗻トップ40以上 / ⏰10週以上)

 

12/5

41 Jason Aldean – Got What I Got (🗻16位 /⏰25週)

49 Harry Styles – Adore You (🗻6位 /⏰50週)

53 Pop Smoke feat. 50 Cent & Roddy Ricch – The Woo (🗻11位 /⏰20週)

61 Pop Smoke feat. Lil Tjay – Mood Swings (🗻17位 /⏰20週)

82 Matt Stell – Everywhere But On (🗻48位 /⏰11週)

88 Conan Gray - Heather (🗻46位 /⏰14週)

89 Money Man feat. Lil Baby - 24 (🗻49位 /⏰14週)

91 21 Savage & Metro Boomin - Runnin (🗻9位 /⏰7週)

92 Sech, Daddy Yankee & J Balvin feat. ROSALÍA & Farruko - Relación (🗻64位 /⏰11週)

96 Saweetie – Tap In (🗻20位 /⏰19週)

98 YoungBoy Never Broke Again – Kacey Talk (🗻50位 /⏰14週)

 

12/12

38 HARDY feat. Lauren Alaina & Devin Dawson – One Beer (🗻33位 /⏰25週)

40 Lee Brice – One Of Them Girls (🗻17位 /⏰26週)

43 Parker McCollum – Pretty Heart (🗻36位 /⏰20週)

60 Juice WRLD & Marshmello – Come & Go (🗻2位 /⏰20週)

78 Travis Scott feat. Young Thug & M.I.A. - Franchise (🗻1 /⏰9週)

80 Megan Thee Stallion – Girls In The Hood (🗻28位 /⏰18週)

91 Juice WRLD – Wishing Well (🗻5位 /⏰20週)

93 Jameson Rodgers – Some Girls (🗻29位 /⏰16週)

96 DJ Khaled feat. Drake – POPSTAR (🗻3位 /⏰19週)

 

12/19

31 Kane Brown, Swae Lee & Khalid – Like That (🗻19位 /⏰21週)

42 Lewis Capaldi – Before You Go (🗻9位 /⏰44)

43 Surf Mesa - ily (🗻23位 /⏰28週)

44 Moneybagg Yo – Said Sum (🗻17位 /⏰22週)

50 Harry Styles – Watermelon Sugar (🗻1 /⏰37週)

 

12/26

44 Jawsh 685 & Jason Derulo – Savage Love (🗻1 /⏰26週)

49 Morgan Wallen – More Than My Hometown (🗻15位 /⏰26週)

57 Blake Shelton feat. Gwen Stefani – Happy Anywhere (🗻36位 /⏰20週)

69 Morgan Wallen – 7 Summers (🗻6位 /⏰17週)

70 Shawn Mendes - Wonder (🗻18位 /⏰10週)

73 Miley Cyrus – Midnight Sky (🗻14位 /⏰17週)

82 SZA feat. Ty Dolla $ign – Hit Different (🗻29位 /⏰14週)

85 Ariana Grande - pov (🗻40位 /⏰6週)

86 Megan Thee Stallion feat. Young Thug – Don’t Stop (🗻30位 /⏰10週)

92 Morgan Wallen – Somebody’s Problem (🗻25位 /⏰3週)

93 BTS – Life Goes On (🗻1 /⏰3週)

94 Polo G – Martin & Gina (🗻61位 /⏰19週)

95 Conan Gray - Heather (🗻46位 /⏰15週)

 

 

アルバムチャートキリ番

 

12/5

1周年:Nat King Cole – The Christmas Song (30位)

150週目:Kid Cudi – Man On The Moon: The End Of Day (154位)

250週目:The Notorious B.I.G. – Greatest Hits (147位)

350週目:2Pac – Greatest Hits (127位)

400週目:Fleetwood Mac – Rumours (36位)

500週目:NirvanaNevermind (137位)

 

12/12

1周年:Roddy Ricch – Please Excuse Me For Being Antisocial (70位)

500週目:Creedence Clearwater Revival – Chronicle The 20 Greatest Hits (85位)

 

12/19

1周年:Justin Bieber – Under The Mistletoe

1周年:Harry Styles – Fine Line

450週目:The Beatles - 1

 

12/26

100週目:My Chemical Romance – The Black Parade (172位)

 

 

・各指標の1位推移

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・Rolling Stone Chartsのトップ10

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・各週の動向メモ

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・リンク

・Hot 100:The Hot 100 Chart | Billboard

Billboard 200:Billboard 200 Chart | Billboard

・ChartBeatの記事:Chart Beat | Billboard

・Kworb(ラジオ等):https://kworb.net/

・TokBoard:https://tokboard.com/

Spotify Charts:Spotify Charts

 

 

2020年の毎月号のまとめ

 

 

*1:クリスマス曲のもっと深い考察は来月号でやると思います、多分

My Best Albums 2020

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 こんばんは!毎年恒例、ベストアルバムの記事です。まずは選考基準を紹介します。(Tracksの基準と似ていますが、新たに説明を追加した部分もあります)

 

・対象期間はおおまかに2020年。ただし12/25以降のアルバムは来年の選考に回します。

 

・同一アーティストがアルバムを年に複数した場合は、どれか1つに絞って選出しますが、その複数アルバムも評価の参考材料にはしています。

 

・主に「自分の好み」「その曲の影響力/意義」の2大要素で構成されています。比率はやや「自分の好み」に寄っています。「影響力/意義」の部分にはチャート観察で得た見識も存分に含まれています

 

サウンド重視で聞く習慣が強いため、歌詞よりもサウンドにかなり重点を置いています

 

・もちろん作品の質的な高さ、が選考の基準ですが、それだけで絞り切るのは難しいため、「仮に自分がメディアだとしたら、どのような“路線”を推すのか?」という視点を導入しています。わかりやすい話をすると、音楽の質的な高さでは30位前後だと感じたとしても、全体のバランスを考えて外されるような場合もあります。

 例えばNMEは、ジェネラルな視点を導入しつつも、結局ランキングからはNMEイズムのようなものを強く感じるので、イメージ的にはそのような感じです。余談ですが今年のロキノンの年間ベストはそのジェネラル/独自色の使い分けが巧みでした。

 ここで言う「私の路線」を言葉に変えると「アウトサイド/ネクスト・ポップ」みたいなイメージです。あとはもちろん、音楽チャートブログなのでそれも重要な要素の一つではあります。

 

・昨年は各種「グローバルランキング」で、上位ならばどの作品もなるべく平等に扱うべき、という考えが私の中であり、それがある程度ベスト選考にも反映されていました。

 しかしそれは「界」が異なり、全く交わりが無く、同じ音楽というフォーマットを取っていても相互の影響が全く皆無なケースもあるように最近では考えるようになりました。そのため、場合によってはいくらグローバルランキングでは上位と言っても、局地的な受容では、突然違う「界」の話をしだす、考えようによっては突然「議題を変えた」ようなことになってしまうため、昨年ほどディグをグローバルまでは広げず、ランキングの統一感を重視しました。(昨年と今年の考え方、どちらが正しいかの結論は出ないと思いますが、メディアやリスナーの考え方を観察し、今後も柔軟に考えていきたいです)

 

(ここら辺はソングにも当てはまることなのですが、選考している段階で書きたいと感じたので追加しました)

 

・既に完成した物を言葉に直すのは難しく、説明の長さはまちまちです。(上記の通り、サウンド重視で聞いているため、なんとなく「フィーリングが良い」みたいな場合もある)

 

以下ランキングです!Go!

 

40 Polo G – THE GOAT

 昨年のデビュー作で見せたクールなラップスタイルはそのままに、スケール感を拡大することに成功。豪華プロデューサー(Mike-WiLL Made ItとTay Keith)の激しいビートを気鋭のラッパーと共にラップする“Go Stupid”や、アルバムを締めくくる”Wishing For A Hero”などが印象的。複数曲がストリーミングで人気を得たこともあり、長い期間存在感を放っていました。

 

 

39 Ariana Grande – positions

 前作で商業的にも批評的にも頂点を迎えたため、その反動により今作への反応は微妙でした。たしかに商業的にも前作よりは数字を落とし、特別な意義も見出しづらいのは事実ですが、それでも彼女が従来から得意とする、R&B的なセンスを持つ美しいメロディーのポップスという魅力は健在。また前作よりも数字を落としたとはいえ、複数シングルがしっかりヒットしており、次第にこのアルバムの魅力も多く見いだされそうです。

 

 

38 Flo Milli – Ho, why is you here?

 Nicki Minaj、Megan Thee Stallionの初のHot 100首位に湧いた今年。女性ラッパーのスターが格段に増加していますが、その中でもフレッシュで印象的なデビューを飾ったのが彼女。プロダクションに面白さのある1枚です。また“In the Party”や”May I“と複数曲がTikTokでも人気を得ました。来年以降の飛躍に期待。

 

 

37 Rico Nasty – Nightmare Vacation

 Pitchforkによると、「今までの成功を全て突っ込んだような作品でゴチャゴチャしている:74点」だそう。たしかに、「通してのカラー」がややボヤケているような印象もありますが、それでも彼女の鋭いラップやバラエティ豊かなラインナップの魅力が上回るように思います。新境地の“iPhone”が主に注目されました。”Smack A Bitch”のリミックスでは次代の女性ラッパーを複数起用。(ppcocaine, Sukihana & Rubi Rose)

 

 

36 Arca – KiCk i

 「脱構築されたポップスとレゲトンが交差する」というコンセプトの作品。Björk、ROSALÍA、Sophieと豪華かつそれぞれカラーの強い客演を迎え、それらをまとめ上げた作品。ロボットと肉体が融合したようなアートワークも目を引きます。

 

 

35 Yaeji - What We Drew 우리가 그려왔던

 ハウス~ヒップホップのプロデューサー初のミックステープ。韓国系という出自もあり、韓国語/英語を織り交ぜて歌います。アルバムの途中には客演のYonYonによる日本語ヴァースも。多彩なサウンドプロダクションで、彼女の才能を感じる一枚です。登場以来、複数EP→今回のミックステープと来ましたが、今後来るであろうアルバムではどのような姿を見せてくれるでしょうか。

 

 

34 Joji – Nectar

 幅広いフィールドからゲストを迎えつつ、彼のスタイルであるオルタナティブR&Bの幅を広げたセカンドアルバム。“Gimme Love”、”Run”、”Sanctuary”とシングルが連続する中盤は聞き応えあり。Spotify等で高い人気を得る一方、伝統的なR&Bが人気なフィールド、例えばApple MusicやMainstream R&B/Hip-Hopラジオ(かつてアーバン系と呼ばれた)等での反応は極めて薄いですが、それだけ彼のやろうとしていることが挑戦的ということでしょうか。

 

 

33 Run the Jewels – RTJ4

 変わらずの質の高いハードなアルバムを完成させたRun the Jewels。今年はその怒りのようなエネルギーが時勢とマッチしていたこともあり、高く評価されました。Pitchfork曰く、「支配階級や警察を正すためのカムバック」

 

 

32 A.G. Cook – Apple

 少し前に出した約2時間半の”7G”と合わせて、ある意味「2連」のデビューアルバム。温かくアコースティックな“Oh Yeah”など新たな可能性も見せつつ、PC Musicの長が才能を証明する一歩目を踏み出します。

 

 

31 Yukika – Soul Lady

 日本出身のK-Popシンガー(歌唱は韓国語でされている)。元は「けいおん!」等にも出演歴のある声優だったらしいです。そんな複雑な経歴を持つ彼女のデビュー作はシティポップからの影響を感じる1枚で、夜のネオンを連想とさせる綺羅びやかな曲が並びます。海外の批評空間でもそれなりの注目を集めました(AOTYやRate Your Music等の)

 

 

30 Pop Smoke - Shoot for the Stars, Aim for the Moon

 アルバム自体もヒットした上、収録曲もそれぞれシングルとして大ヒットしたPop Smoke。TikTokでの人気が高かったこともあり、ストリーミング上ではかなりの曲が「疑似シングルカット」をされ、非常に愛されている作品だと感じました。SpotifyのRapCaviarでは、アルバムから計8曲がリスト入りを果たしました。*1

 客演の数が多いですが、その豪華なゲストにも押されず、声の魅力によりPop Smokeがアルバムの主役を張り続ける様もこのアルバムの魅力です。

 

 

29 BENEE – Hey u x

 彼女はシンガーと分類されますが、個人的にはラッパーのようなアプローチを感じる1枚。粘るようなボーカルを使いこなし、リズミカルにライム。幅広いフィールドからの客演、そして多様なプロダクションから遊び心を感じる作品です。オルタナティブなフィールドから、ラップの可能性を試しているような作品だと感じました。彼女は今年Jojiのアルバムにも参加しましたが、今後もこのようなクロスオーバーの客演にも期待。

 

 

28 The Avalanches – We Will Always Love You

 年末にリリースされた都合で、あまりメディアのリストには載りませんが、見逃せない作品と感じました。豪華客演と共に、彼らの温かみのある世界観を作り上げます。

 私は2017年のフジロックで彼らを見たのですが、その時に「ボーカルをどうするんだろう?」と思っていたら、ライブ用のシンガー(Eliza Wolfgrammという人)が登場し、力強い歌唱でライブを盛り上げました。その様子がこのアルバムでも再現されているような気がして、なんだか感慨深いです。

 

 

27 Phoebe Bridgers - Punisher

 メディアから高い評価を得たインディー/フォークシンガー。私はこのジャンルにそこまで明るいわけではないですが、そんな私でも楽しむことのできる作品でした。“I Know the End”と”Kyoto”と、複数曲がAOTYの「ベストソング集計リスト」のトップ10に入ったことから分かるように、今後インディーアンセムになりそうな曲も多いです。

 

 

26 The Weeknd – After Hours

 シングルヒットを飛ばし続けたブレイク以降期、そして不気味な雰囲気が強かった初期の合致点をうまく見つけたと好評な作品。ヒット&評価を両立し、今後の彼のキャリアに大きくプラスに働きそうな1枚に。特大ヒットとなった“Blinding Lights”はもちろんのこと、先行シングルで、アルバムの方向性を印象づけた長尺の“After Hours”もインパクトがありました。

 

 

25 Phoebe Ryan – How It Used To Feel

 キュートなボーカルを持つシンガーのデビュー作。台頭からデビュー作まで時間がかかっていたので、何よりもアルバムをリリースできたことが良かったです。個別記事に詳しく書きました:連載⑪ Phoebe Ryanとは? 【デビュー作の役割】|トコトコ (チャート)|note

 

 

24 Kali Uchis - Sin Miedo (del Amor y Otros Demonios) ∞

 今作ではスペイン語で歌唱。やはり言語が変わると響きも変わり、これまでとは違った味を出すことができます。ほかレゲトン的な要素も導入。従来からの魅力と新しい要素が混じり合う作品です。

 

※どの曲をソングの方に選ぼうかなと迷っていたら、ベストアルバムに選んだのに収録曲をベストトラックの方に曲を入れ忘れてしまいました……確認ミス失礼いたしました!“//aguardiente y limón %ᵕ‿‿ᵕ%” を51位相当という扱いにします(ベストトラックの記事にも記載しました)

 

 

23 Don Toliver – Heaven or Hell

 どうしても自身の師でもあるTravis Scottと比較されがちですが、彼のボーカルには独特の魅力があり、その味をうまく活かした曲が並びます。ヒットした“No Idea”や“After Party”のパーティーソングから、ゆったりとした”Cardigan”や”Euphoria”まで、一人のアーティストとしての高い可能性を示した1枚。年の後半には、客演ながらも彼が主役と言っても良い“Lemonade”がヒットを飛ばし、飛躍の時を迎えています。

 

 

22 Lady Gaga – Chromatica

 アコースティックな“Shallow”のヒットからは一転、ダンスポップへの回帰は私含め多くの人を喜ばせました。最大のヒットの”Rain On Me”はもちろんのこと、先行シングルの”Stupid Love”もなかなか好み。あまりヒットしなかったのは残念でしたけど。ほかElton Johnを迎えたSebastian Ingrossoプロデュースの“Shine From Above”も○。

 もう一つ面白いと感じたのは、アルバムでインタールード的な役目を果たす“Chromatica II”がTikTokで人気を得ていたこと。単体での運用が従来は考えづらいインタールードがこのような使用法をされたのはとても興味深いです。アルバムの細部へのこだわりが光り輝いた、ということでもあると思います。

 

 

21 Yves Tumor – Heaven To A Tortured Mind

 ネオサイケデリック・ミュージシャンの新作。ジリジリしたサウンドにどっぷりと浸ることができます。私のお気に入り曲、“Kerosene!”でボーカルを担当している女性シンガーは、Diana Gordon(別名義:Wynter Gordon)という方で、Beyoncéの”Lemonade”にプロデューサーとして参加した経歴の持ち主

 

 

20 Kylie Minogue - DISCO

 キャリアは約40年、そしてこのアルバムは15枚目と大ベテランと呼べる域に入るシンガーですが、今回も非常に高いダンスポップを提示し、我々を非常に楽しませてくれました。

 アルバムの名前の通り、ディスコ系のポップスが並ぶ作品。特別メディアに取り上げられそうな新奇性があるわけではないですが、とても楽しめるアルバムでした。彼女はUKでの人気が高く、2作連続8枚目のアルバム1位獲得。

 

 

19 070 Shake – Modus Vivendi

 2018年に続けてリリースされたKanye West関連作品で大きな存在感を放ったG.O.O.D Music所属のシンガー/ラッパー。そこで披露したボーカルやラップ、そして骨のあるサウンドプロダクションと融合。その中で“Guilty Conscience”が特に際立つ曲で、Dummyというサイトの「将来のカラオケクラシック」という評が好きです。

 

 

18 Mac Miller - Circles

 訃報後初のアルバム。ふやけるような彼のボーカル、そして淋しげなプロダクションが合わさって、味があり染み渡る世界観が広がる1枚。Eminem、Halseyと競合が激しい週のリリースながらも高いストリーミング人気を得て、10曲がHot 100入り。USアルバムチャートでは3位だったものの自己最高売上を記録しました。

 

 

17 Hayley Williams – Petals for Armor

 Paramoreのボーカリストによるソロデビュー作。バンドメンバーのTaylor Yorkプロデュースの元、広い方向性を試みつつも、彼女のボーカルの魅力は健在。“Sudden Desire”ではジリジリとしたプロダクションに、彼女の叫び声が響き渡ります。

 

 

16 Chloe x Halle – Unghodly Hour

 R&Bデュオ。プロダクションの幅を大きく広げ、スケールがグンとアップ。R&Bアンセム“Do It”はTikTokの恩恵も受け、ヒットに。リミックスでの女性ラッパー大集合(Doja Cat、City Girls、Mulatto)も素晴らしかったです。ほか、その”Do It”から続く4~6曲目(“Tipsy”と”Unghodly Hour”)、そして最終曲の“ROYL”あたりが印象的でした。

 

 

15 Ava Max – Heaven & Hell

 ダンスポップの新星として2018年末から登場。以降一貫してダンスポップへの挑戦を続け、2020年ついにアルバムリリース。瑞々しいダンスポップ曲が多く並び、私のようなダンスポップ愛好家にとってはまさに「夢の国」。あまりアーティストとしての注目度は高くないですが、彼女の行っていること、そしてそれを確実にヒットに結びつけていることはもう少し評価されても良いと考えています。

 

 

14 Dorian Electra – My Agenda

 メディアやAOTYのレビューを見ると、「掴みどころが無く混乱させる点が長所」のような記述が多く見られました。Hyperpopを超えた「カオス系ポップ」の領域。ですがうまくまとめられており、作品全体も不思議と高いです。

 Pussy Riot、Village Peopleと独自の客演で私が一際目を引いたのはRebecca Black。2011年にリリースした“Friday”がかつてJustin Bieberの”Baby”とYouTubeの最多低評価数争いをしていた彼女。彼女はJustin Bieberほどは有名ではないので、人に対するヘイトではなく、本当に曲が質的に批判されているのだと思います。

 逆にそういう評価から私は興味を持ち、以前からちょくちょく聞く曲だったのですが、感想は一貫して「今でも未来の曲に聞こえる」というものでした。「いつか評価されたら面白いなぁ」と思っていたところ、それが思ったよりも早く来てびっくりした、というわけです。

 Dorian Electraのレビューなのに、Rebecca Blackの話ばっかりしてすいません!

 

 

13 Megan Thee Stallion – Good News

 昨年以上にヒットを飛ばし、今年の顔となったMegan Thee Stallion念願のデビュー作。遊び心あるビートが並び、“Body”、”Cry Baby”とラジオシングルでは無いながらも、TikTokで人気を得てストリーミングでシングルのような地位を確保する曲も。それだけ魅力的な曲が多いということでしょう。

 競合が強く(BTS)、アルバム1位は獲得出来ませんでしたが7曲がHot 100入りなどストリーミングで人気。ヒットの面でも結果を残し、スターであることを受容/質の両面から証明した1枚であると言えます。

 初の首位となった“Savage”はもちろんのこと、個人的には”Don’t Stop”がお気に入り。バキバキしたプロダクションが際立つシングルです。(アルバムの配置的に、ボートラ的な扱いかもしれませんが)

 

 

12 Fiona Apple - Fetch the Bolt Cutters

 久々のアルバムリリースで健在ぶりを示し、今年最も高い評価を得た作品。自らの飼い犬がクレジットされるなど、プロダクションの多芸さという「アートポップ的要素」以外にも、迫力のようなものもこのアルバムの魅力の一つだと思います。

 

 

11 Perfume Genius – Set My Heart on Fire immediately

 終始美しい作品。アルバムを通した時の「読後感」ならぬ「聴後感」という観点では今年屈指の存在です。正直申すと、私はこのアルバムをうまく説明する語彙を持ち合わせていないのですが、そのような人間でも上位に入れたくなるような魅力がある作品ということです!

 

 

10 HAIM - Women in Music Pt. III

 とにかくアベレージが高いと感じた作品。Best Tracksのほうで書いたように、いくつものベスト収録曲候補がありました。そこで選んだ“Up From A Dream”のほか、“3AM”や”Another Try”あたりも良かったです。統一感/完成度が高い中にも、幅広さのようなものも見られた作品だったと思います。

 

 

9 Taylor Swift – folklore / evermore

 The NationalのAaron DessnerやBon Iverを制作に迎え、インディー調でアルバム志向路線に振り切ったことが大きな話題を読んだTaylor Swift。そんな新境地でも彼女のソングライトの才能は輝き、質の高い作品に。売上でも優秀な数字を残し、再生数(週間)はUS2億超え。複数アルバムで2億を超えた唯一の女性アーティストです。

 年末には姉妹アルバムの”evermore”もリリース。このアルバムも負けず劣らず良い作品でした。むしろ私含めてこちらの方が好きな人も多いかも。この作品の存在により、私のベストアルバム企画では順位を上げました (ちなみにこちらも2億再生超えを果たしています)

 

 

8 21 Savage & Metro Boomin - Savage Mode 2

 4年ぶりのシリーズ2作目。2人の相性の良さは健在で、従来からのダークなプロダクションを存分に味わえます。さらにそれだけではなく、シングルとして存在感を放つ“Mr. Right Now”、スクラッチする”Steppin on Ni**as”、そして最後の甘美な”Said N Done”など、異なるムードの曲を差し込むことで、緩急をつけて、全体の完成度を大きく高めている点が素晴らしいです。

 

 

7 Tame Impala – The Slow Rush

 前作と比べるとギターの割合が減り、サイケ度が増したとの評。悪くはない評価を得ていますが、前作ほどの評判は得られず。私はその路線の象徴である“Posthumous Forgiveness”がたいへんお気に入り(昨年のベストトラックで7位に選出)だったため、この作品も非常に好みでした。

 もちろん前作“Currents”の壁は高いですが、この作品の魅力も多いように思います。際立つ”Posthumous~“のほか、アルバム先頭トラックの役目を高水準で果たす”One More Year”がお気に入り。

 

 

6 Lil Uzi Vert – Eternal Atake

 前作から3年ぶり。ファンが渇望した作品がついにリリース。1週目にリリースされた“Eternal Atake”は、ゲストは最小限に抑えられ、彼のボーカルや世界観の魅力を全面的に押し出された作品になっています。そんな彼の世界観にリスナーは熱狂し、歴代で5番目に高い、4億再生をリリース週に記録しました。

 個人的にこの作品をインディー系シンガーのようなものと捉えています。まず、最小限のゲストとボーカルや世界観を重視した作風という質的な要素。そしてシングルヒット(主にラジオでの)が少なく、彼が「アーティスト」という単位で突出した存在であるということ。Hot 100エントリーも大量にあるので、意外と感じるかもしれませんが、彼はシングルヒットが近年はとても少ないです。その理由はラジオでほとんどかからない点にあるのです。

 このようにラッパーで、シングルヒット無くともアーティストでの存在感は突出するインディーアーティストのような売れ方をするのは非常に面白いと感じました。

 あと触れられない気がしますが、ラッププロジェクトと思わしき2枚目もなかなかお気に入りです。

 

 

5 Bad Bunny – YHLQMDLG

 スペイン語作品ながらも、Spotifyで今年最も再生されたアルバムに輝きました……この事実がこの作品の際立つ功績であるように思います。おそらく今後も続くであろう英語曲/非英語曲の枠組み破壊という歴史を語る上でベンチマークとなりそうな作品です。USでも2億再生超え/11曲がHot 100入りするなど大きくヒット。USでも大きな存在感を示していることは、メディアにも高く評価される要因の一つだと推測しています。(「グローバル」のランキングでヒットしていても、人気が特定のエリアに集中しているとメディアにそんな取り上げられないので、「真にグローバル」になるにはUS人気が必要という仮説)

 ゲスト少なめで統一感が重視された前作からは一転、今作は各シングルが際立つパーティー作品に。“Safaera”を筆頭に、彼がミニスカートやブーツを履くビデオが印象的だった”Yo Perreo Sola”、このジャンルを常に牽引してきたDaddy Yankeeとのコラボとなった“La Santa”など、単体でのパワーは前作より力強いです。このシングルのパワーがヒットを大きく牽引したのは確かでしょう。

 分量的にやや長い気もしますが、終盤の“Hablamos Mañana”~”<3”の締めくくり方は見事で、「聴後感」をとても良くします。

 彼はこの作品以外にも、アルバムから漏れた曲を集めた“LAS QUE NO IBAN A SALIR”、そして年末に“EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO”と別のアルバムもリリース。こちらも人気を集めました。“EL ÚLTIMO~”は”X 100PRE”期イズムも感じられる作品。

 

 

4 Rina Sawayama - SAWAYAMA

 新潟出身、イギリス育ちのシンガー。2017年にリリースしたEP、“RINA”で高い評価を得ると徐々に注目度が向上。念願のデビュー作となった今作では、その高い期待度を上回る出来を披露し、各メディアで絶賛。スターとなりました。

 ニューメタルやR&B的な要素を取り入れた、ハイブリッドなポップス作品。怒りを表現した先行シングルの“STFU!”や”XS”がニューメタル的、“Bad Friend”や”Akasaka Sad”がR&B的。Pitchfork曰く、ここでのニューメタルに当たる部分はEvanescence等で、R&B的なポップがBritney Spears等のため、Y2Kフラッシュバックだそう。

 このようなユニークな所からインスピレーションを得て完成したアルバムは、自身の素質を伝えるというデビュー作の役割を高次元で果たしています。

 

 

3 Dua Lipa – Future Nostalgia

 ディスコ的なテーマを元に、色鮮やかで個性あふれ曲が並び、それでいて統一感もバッチリ。売上と質の高さを高次元で両立したこともあり、早くも2020年代を代表するアルバムになった気がします。

 シングルがカットされれば、どれも逃さず人気に。正直シングルだった“Braky My Heart”が弱く感じるくらい(?)には、シングル候補の層がとても厚いアルバムです。(”I Wanna Stay At Home”の部分が時勢にめちゃくちゃ合っていたので、シングル選定自体は必然な気がしますが)

 このアルバムはフォローアップも面白かったです。Missy ElliottMadonna等のシンガー、ハウス系プロデューサーを多く呼び寄せたClub Future Nostalgiaでは曲間をつなぐミックス仕様で、クラブの空気感を再現。

 ほかフランスのシンガーAngèleとコラボした“Fever”もリリース。自らの境界を広げる意欲的なコラボレーションを多く実行しました。

 

 

2 Charli XCX – how i’m feeling now

 私は密かに、アルバムには点数を付けていて、今年の1位とも前作(昨年1位)とも同じ点数です。ほぼ同率1位みたいなものです。

 感染症に苛まれる状況を鑑みて急遽リリースが決まった今作は、ファンとのミーティング(私が普段見ているStan Twitterみたいな人が会議に参加していた)も経由して完成。「この状況下にアーティストが出来ること」への一つのアイデアとして、素晴らしいものを提示したと思います

 このように短期間で作られたものの、アルバム自体は安心と信頼の高品質。昨年のスタジオアルバムよりも「鋭さ」や「パワー」のような物は増していています。最初の曲からいきなり飛ばし、そして後ろ2曲で激しく終わるという配置もナイスです。

 最近のアルバムは、デラックス版等その後にフォローアップをリリースすることが多いですが、この作品では自身のDJイベントを音源化した物をリリース。これが素晴らしかったです。(Apple Music限定みたいですが)

 

 

1 Poppy – I Disagree

 前作で垣間見せたメタルポップを、メインテーマに据えたのが今回の作品。統一感/聴後感のようなものが特に優れており、アルバム全体のパワーは個人的には今年屈指、いや歴代有数でした。メタルというパワーのある音楽を軸に、曲単位でも強/弱を使い分けることで、通しで聞いた時の強度と聞きやすさを両立。そして終盤にかけて次第にムードある曲へとシフトしていくことで、理想的なアルバムの締め方をしています。前半では“Concrete”と“BLOODMONEY”、後半では”Sick of the Sun”が印象的。

 また、このアルバムを通しての完成度こそが、おそらく誰もが比較対象として持ち出すBabymetalとの大きな違いだと考えています。彼女らはライブアクト(?)ということが関係しているのか、アルバムではシンガロングを目指すような曲が多く並んでいます。(「META!メタ太郎」が個人的に好みでした)ただ、そのような結果なのか曲ごとにプツプツ切れるような印象があり、アルバムを通すには向いていないと感じるのです。

 メタル+ポップという組み合わせ自体はBabymetalが確立したものかもしれませんが、メタル+ポップを「アルバム」に落とし込んだという点でPoppy、そしてこの作品から特筆すべき点を感じたのです。

 

 Poppyは今年アルバム外でも精力的に活動。自身のメタルポップスタイルを用い、“All the Things She Said”や”Pokemon Theme”をカバー。そのチョイスに私は大喜び。さらに、このアルバムとは違うスタイルのノイズアルバムもリリース。アーティストとして様々なことに挑戦しています。この革命的なポップシンガーに、もう少しスポットライトが当たればなぁ、と私は考えました。

 

 

今年の選出アルバムをまとめた画像

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ベストトラック編!

 

 

*1:Make It Rain, The Woo, For The Night, Creature, Aim For The Moon, Got It On Me, Mood Swings, Hello。これ以外にも“What You Know Bout Love”がポップ系のToday’s Top Hitsに入っています